JPH07278070A - 芳香族ジアミン化合物 - Google Patents

芳香族ジアミン化合物

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JPH07278070A
JPH07278070A JP6509994A JP6509994A JPH07278070A JP H07278070 A JPH07278070 A JP H07278070A JP 6509994 A JP6509994 A JP 6509994A JP 6509994 A JP6509994 A JP 6509994A JP H07278070 A JPH07278070 A JP H07278070A
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bis
aminophenoxy
phenyl
aromatic diamine
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JP6509994A
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Toru Masuda
透 増田
Tadashi Hiramine
正 平嶺
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Honshu Chemical Industry Co Ltd
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Honshu Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ジイソシアネート、ビスマレイミド等の樹脂用
の化成品の原料や、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド等の熱可塑性樹脂の原料、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂の原料、硬化剤或いは改質剤として有用であ
る新規な芳香族ジアミン化合物を提供することにある。 【構成】本発明による新規なジアミン化合物は、一般式
(I) 【化1】 (式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j=1〜4)
は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、相互に同じ
であつても、異なつていてもよく、Rnは、これと結合
する炭素原子と共に環を形成し、炭素数が4若しくは5
であり、環上に1若しくは複数のアルキル基を有してい
てもよいアルキレン基であるか、又は2,2'−ビフェニレ
ン基である。)で表わされることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な芳香族ジアミン
化合物に関し、詳しくは、高分子材料の原料、例えば、
ジイソシアネート、ビスマレイミド等の樹脂用化成品の
原料、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等の
熱可塑性樹脂の原料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の
原料、硬化剤或いは改質剤等として有用な新規な芳香族
ジアミン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド、ポリイミド等の熱可塑性樹
脂、ポリビスマレイミド、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂の製造には、いずれも、ジアミン化合物が原料として
用いられるが、近年、それらの樹脂の用途の拡大発展に
伴つて、それらの樹脂について、耐熱性、耐水性、耐薬
品性、電気的特性、機械的特性等の諸性能の一段の向上
が強く求められるに至つている。特に、近年の電子・電
気機器分野における小型化、高精密化、高精細化、高速
化、高実装化等の要請を背景として、高分子材料に対し
て、電気特性、寸法安定性、高温機械特性保持性、実装
対応性等の諸特性の一層の向上がますます強く求められ
るに至つている。そこで、そのような要請に応えるため
に、新規な樹脂の骨格構造を形成するための新規なジア
ミン化合物が求められている。
【0003】従来、そのようなジアミン化合物として、
種々のものが開発されている。そのようなジアミン化合
物は、代表的には、一般的に、式(II)
【0004】
【化2】
【0005】で表わされ、ここに、Arは、アルキル
基、フェニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の置換
基を有していてもよいp−フェニレン基であり、R1及び
R2は、それぞれ独立に水素、又はハロゲン原子で置換さ
れていてもよい低級アルキル基である芳香族ジアミン化
合物であり、例えば、特開昭57−40450号公報、
特開昭64−6246号公報、特開昭64−25126
号公報、特開昭64−25127号公報、特開平1−2
2682号公報報、特開平1−238568号公報、特
開平3−90052号公報、特開平3−167163号
公報等に提案されている。
【0006】このような芳香族ジアミン化合物は、例え
ば、前述したように、ポリアミド、ポリイミド、エポキ
シ樹脂、ビスマレイミド化合物等のための原料や架橋
剤、改質剤等として有用であるとされている。しかしな
がら、このような種々の芳香族ジアミン化合物の開発に
もかかわらず、ますます高機能化、高性能化が要請され
ている高分子材料の応用分野の拡大に対しては、十分と
はいえず、更に、新規な芳香族ジアミン化合物の開発が
強く要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな要望に応えるためになされたものであつて、ジイソ
シアネート、ビスマレイミド等の樹脂用の化成品の原料
や、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等の熱
可塑性樹脂の原料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の原
料ほか、硬化剤や改質剤等として有用である新規な芳香
族ジアミン化合物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による新規なジア
ミン化合物は、一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j
=1〜4)は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、
相互に同じであつても、異なつていてもよく、Rnは、
これと結合する炭素原子と共に環を形成し、炭素数が4
若しくは5であり、環上に1若しくは複数のアルキル基
を有していてもよいアルキレン基であるか、又は2,2'−
ビフェニレン基である。)で表わされることを特徴とす
る。
【0011】即ち、本発明による新規な芳香族ジアミン
化合物は、ビスフェノール骨格を形成するために2つの
芳香環を結合する分子構造上、中央の炭素原子がRnと
共に環形成しているような芳香族ジアミン化合物であ
り、Rnは、中央の炭素原子と共に5又は6員環を形成
する炭素数4又は5のアルキレン基であつて、環上に置
換基として1又は複数のアルキル基(相互に同一であつ
ても、異なつていてもよく、また、炭素数は1〜6、好
ましくは1〜3であり、特に好ましくはメチル基であ
る。)を有していてもよいアルキレン基であるか、又は
2,2'−ビフェニレン基である。
【0012】本発明によるこのような芳香族ジアミンの
具体例としては、例えば、1,1−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス〔3−エチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3,5−
ジイソプロピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3−s−ブチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3,
5−ジ−t−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3−メチル−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル−5−t−ブチル
フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔2,3,5−トリ
メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シク
ロヘキサン、1,1−ビス〔3−シクロヘキシル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、
1,1−ビス〔3−シクロヘキシル−4−(4−アミノフ
ェノキシ)−5−メチルフェニル〕シクロヘキサン、1,
1−ビス〔2−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)
−5−シクロヘキシルフェニル〕シクロヘキサン、1,1
−ビス〔3,5−ジシクロヘキシル−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3
−フェニル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
シクロヘキサン、1,1−ビス〔3−フェニル−4−(4
−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕シクロヘ
キサン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕シクロペンタン、1,1−ビス〔3,5−ジメチル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロペン
タン、1,1−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕シクロペンタン、1,1−ビス
〔3−シクロヘキシル−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕シクロペンタン、1,1−ビス〔2−メチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル−5−シクロヘ
キシル〕シクロペンタン、9,9−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔3
−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フ
ルオレン、9,9−ビス〔3−n−プロピル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス
〔2,3,5−トリメチル−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔3−シクロヘキシ
ル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレ
ン、9,9−ビス〔2−メチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル−5−シクロヘキシルフェニル〕フルオ
レン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス〔3−s−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−
ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス〔3−シクロヘキシル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)−5−シクロヘキシルフェニル〕−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1,1−ビス〔3−フルオロ−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス〔3,5−ジフルオロ−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔3,5−ジブロモ−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス〔3−フルオロ−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕シクロペンタン、1,1−ビス〔3,5
−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
シクロペンタン、9,9−ビス〔3,5−ジクロロ−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、1,1
−ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】本発明によるこのような芳香族ジアミン化
合物は、一般式(III)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j
=1〜4)は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、
相互に同じであつても、異なつていてもよく、Rnは、
これと結合する炭素原子と共に環を形成し、炭素数が4
若しくは5であり、環上に1若しくは複数のアルキル基
を有していてもよいアルキレン基であるか、又は2,2'−
ビフェニレン基である。)で表わされるビスフェノール
化合物とp−ニトロハロベンゼンとを縮合させて、対応
する芳香族ジニトロ化合物を得た後、これを常法に従つ
て還元することによつて得ることができる。ここに、上
記p−ニトロハロベンゼンとしては、例えば、p−ニト
ロクロルベンゼン又はp−ニトロブロモベンゼンが好ま
しく用いられる。
【0016】前記一般式(I)で表わされる本発明によ
る芳香族ジアミン化合物を得るには、そのジアミン化合
物の構造に対応する上記一般式(III)で表わされるビス
フェノール化合物を原料として用いればよく、例えば、
1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
シクロヘキサンを得るには、それに対応する構造を有す
る1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンを原料として用いればよい。
【0017】このようなビスフェノール化合物は、フェ
ノール類と環状ケトン類とを酸性触媒の存在下に脱水縮
合させる方法によつて得ることができる。このようにし
て得られるビスフェノール化合物は、必要に応じて、再
結晶等の通常の手段によつて、異性体を分離し、精製す
ればよい。
【0018】ビスフェノール化合物とp−ニトロハロベ
ンゼンとの縮合反応は、ビスフェノール化合物に対し
て、p−ニトロハロベンゼン2倍モル以上、好ましくは
2〜3倍モルを、温度50〜250℃、好ましくは、5
0〜180℃にて1〜100時間、有機溶媒中、塩基性
化合物の存在下に反応させる。必要に応じて、反応の促
進のために、触媒として、相間移動触媒や銅触媒等を用
いてもよい。
【0019】上記反応溶媒の好ましい具体例として、例
えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、1,2
−ジクロルエタン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、
スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
ヘキサメチルホスホニウムトリアミド等の非プロトン性
極性溶媒を挙げることができる。これら有機溶媒は、単
独で、又は混合物として、通常、原料に対して、1〜1
0重量倍の範囲で用いられる。
【0020】上記塩基性化合物としては、アルカリ金属
の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩やアルコキシド化合物
を挙げることができる。これら塩基性化合物は、単独
で、又は混合物として、通常、ビスフェノール化合物に
対して、2倍モル以上、好ましくは、2〜3倍モルの範
囲で用いられる。
【0021】また、上記触媒としては、第4級アンモニ
ウム塩、第4級ホスホニウム塩、クラウンエーテルのよ
うな環状ポリエーテル、クリプテートのような含窒素環
状ポリエーテル、含窒素鎖状ポリエーテル、ポリエチレ
ングリコール、そのアルキルエーテルのような相間移動
触媒、銅粉、銅塩のような銅化合物を挙げることがで
き、これらは単独で、又は混合物として用いられる。こ
れら触媒は、その種類によつて異なるが、一般的には、
原料に対して、0.01〜200重量%、好ましくは、0.
01〜10重量%の範囲で用いられる。
【0022】上記縮合反応の後、得られた反応混合物を
水洗して、副生した塩類を除去することによつて、ビス
フェノール化合物とp−ニトロハロベンゼンとの縮合反
応生成物、即ち、中間原料としての芳香族ニトロ化合物
の粗結晶を得ることができる。この粗結晶は、必要に応
じて、再結晶してもよいが、通常、そのまま、還元反応
に付す。
【0023】上記還元方法としては、公知のニトロ基を
アミノ基に還元する方法を用いることができる。例え
ば、ニツケル、パラジウム、白金等の金属触媒、これら
金属を適宜の担体に担持させてなる担持触媒、又はニツ
ケルや銅等のラネー触媒等の存在下に、反応に不活性な
反応溶媒中、温度20〜200℃、圧力を常圧乃至50
kgf/cm2 程度にて、水素を用いて、上記芳香族ニトロ化
合物の還元反応を行なうことができる。
【0024】このような還元反応において、上記有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の脂肪族低級アルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ等のエチレングリコールのモノア
ルキルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳
香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジプ
ロピルエーテル等のエーテルが単独で、又は混合物とし
て用いられる。
【0025】還元反応の後、得られた反応混合物から触
媒を濾過等の手段によつて除去した後、溶媒を留去する
等の常法によつて、反応生成物である芳香族ジアミン化
合物を分離し、そのままにて、又は再結晶等によつて精
製して、本発明による芳香族ジアミン化合物を製品とし
て得ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明による新規な芳香族ジアミン化合
物は、前記一般式(I)で表わされ、高分子材料の原
料、例えば、ジイソシアネート、ビスマレイミド等の樹
脂用化成品の原料、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド等の熱可塑性樹脂の原料、或いはエポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂の原料ほか、硬化剤や改質剤等として
有用である。
【0027】特に、本発明による新規な芳香族ジアミン
化合物は、ビスフェノール骨格を形成するために2つの
芳香環を結合する分子構造上、中央の炭素原子がRnと
共に環形成しているので、耐熱性が高く、更に、耐薬品
性も高い。また、これを原料として得られる樹脂は、耐
熱性、耐薬品性、電気的特性、機械的特性等にすぐれる
ものである。
【0028】より詳細には、従来の前記式(II)で表わ
される代表的な芳香族ジアミン化合物を用いた場合に比
べて、本発明による芳香族ジアミン化合物を原料として
得られる樹脂は、低誘電率及び低誘電正接を有し、かく
して、誘電特性にすぐれる。更に、本発明による芳香族
ジアミン化合物を用いて得られる樹脂は、低吸水性であ
るという特徴をも有する。即ち、そのような樹脂を電子
・電気機器部品に成形し、これを放置しても、吸水量を
低い水準に抑えることができる。電子・電気機器部品
は、多くの場合、実装工程或いは組立工程において、半
田付け等、高温に曝されることがあるが、このような際
に、部品の吸水量が少ないほど、部品内での急激な気化
膨張によるクラックの発生を抑制することができる。そ
のうえ、樹脂が低吸水性であれば、樹脂本来の絶乾燥状
態での電気特性を低下させることなく、そのまま、実用
することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた2リットル容量
四つ口フラスコに1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロペンタン24.8g(0.08モ
ル)、p−ニトロクロルベンゼン30.3g(0.192モ
ル)、炭酸ナトリウム30.5g(0.288モル)、酢酸
銅0.32g及びジメチルホルムアミド888gを仕込
み、攪拌下に125℃にて24時間反応させた。反応終
了後、得られた反応混合物を冷却し、これに水を加え、
析出した結晶を濾別して、1,1−ビス〔3,5−ジメチル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロペン
タン37.9gを得た。
【0031】次いで、この芳香族ニトロ化合物20g、
ラネーニッケル2g及びジオキサン200gを500ml
容量の攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素置換
後、水素を圧入した。反応圧力5気圧、温度100℃に
て水素の吸蔵が認められなくなるまで、攪拌を続けた。
反応終了後、得られた反応混合物を冷却し、オートクレ
ーブから取出し、触媒を濾別し、溶媒を留去し、得られ
た残渣にメタノール水溶液を加え、析出した組成物を濾
別し、乾燥させて、目的とする1,1−ビス〔3,5−ジメ
チル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロ
ペンタン16.2gを得た。
【0032】 純度(液体クロマトグラフイー):97.9% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):492 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3450 エーテル基: 1220
【0033】実施例2 攪拌機、温度計及び蒸留用冷却管を備えた1リットル容
量四つ口フラスコに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン35.0g(0.1モル)、48.4%水酸化
カリウム24.3g(0.21モル)及びジメチルスルホキ
シド700gを仕込み、温度100℃で減圧下にジメチ
ルスルホキシド350gを留去した。冷却後、p−ニト
ロクロルベンゼン33.1g(0.21モル)を加え、攪拌
下に130℃で38時間反応させた。
【0034】反応終了後、得られた反応混合物を冷却
し、これにメタノール水溶液を加え、析出した結晶を濾
別して、9,9−ビス(4−(4−ニトロフェノキシ)フ
ェニル〕フルオレン58.2gを得た。次いで、この芳香
族ニトロ化合物を実施例1と同様にして還元して、9,9
−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フル
オレン16.3gを得た。
【0035】 純度(液体クロマトグラフイー):97.6% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):532 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3440 エーテル基: 1240
【0036】実施例3 原料として、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンを用いた以外は、実
施例2と同様にして、1,1−ビス〔3−シクロヘキシル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキ
サン16.8gを得た。
【0037】 純度(液体クロマトグラフイー):98.3% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):614 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3430 エーテル基: 1220
【0038】実施例4 原料として、1,1−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを
用いた以外は、実施例2と同様にして、1,1−ビス〔3
−s−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン14.9gを得
た。
【0039】 純度(液体クロマトグラフイー):97.2% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):604 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3450 エーテル基: 1220

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j=1〜4)
    は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル
    基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、相互に同じ
    であつても、異なつていてもよく、Rnは、これと結合
    する炭素原子と共に環を形成し、炭素数が4若しくは5
    であり、環上に1若しくは複数のアルキル基を有してい
    てもよいアルキレン基であるか、又は2,2'−ビフェニレ
    ン基である。)で表わされることを特徴とする芳香族ジ
    アミン化合物。
  2. 【請求項2】Rnがテトラメチレン基である請求項1記
    載の芳香族ジアミン化合物。
  3. 【請求項3】Rnがペンタメチレン基である請求項1記
    載の芳香族ジアミン化合物。
  4. 【請求項4】Rnが2,2,4−トリメチルペンタメチレン
    基である請求項1記載の芳香族ジアミン化合物。
  5. 【請求項5】Rnが2,2'−ビフェニレン基である請求項
    1記載の芳香族ジアミン化合物。
JP6509994A 1994-04-01 1994-04-01 芳香族ジアミン化合物 Pending JPH07278070A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006085493A1 (ja) * 2005-02-09 2006-08-17 Jfe Chemical Corporation 芳香族ジアミン及びその製造方法
JP2014055211A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Denso Corp エポキシ樹脂及びその製造方法ならびに硬化性エポキシ樹脂組成物

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