JP4546713B2 - 磁気特性に優れた高強度電磁鋼板の最終製品とその使用方法および製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れた高強度電磁鋼板の最終製品とその使用方法および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度電磁鋼板、特に高強度無方向性電磁鋼板に係わり、高速回転
機用の低鉄損、かつ高磁束密度で強度の高い磁性材料および電磁開閉器用の耐摩
耗性に優れた磁性材料とその製造方法に関する。
従来、回転機器に要求されていた回転数は、高々10万rpm 程度であり、ローター(回転子)用材料には積層された電磁鋼板が用いられてきた。最近、20〜30万rpm もの超高速回転が要求されるようになり、ローターに加わる遠心力が、電磁鋼板の強度を上回る可能性が出てきた。さらにローターに磁石を組み込む構造のモーターも多くなっており、ローターの回転中にローター材料自身に加わる荷重は大きなものとなっており、疲労強度の面でも材料の強さが問題となることが多くなっている。
また、電磁開閉器はその用途上、使用するにつれて接触面が摩耗するため、電磁特性だけでなく耐摩耗性の優れた磁性材料が望まれる。
このようなニーズに対応して、最近では強度が高い無方向性電磁鋼板について検討され、いくつか提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2では、Si含有量を高め、さらにMn,Ni,Mo,Crなどの固溶体強化成分の1種または2種以上を多量に含有させたスラブを素材とすることが提案されているが、圧延時に板破断の発生が頻発する恐れが極めて大きくなり、低速通板、圧延時の板温度、張力等について厳格な管理が必要なため生産性の低下、歩留りの低下をもたらし、生産コストが顕著に上昇する。しかもNiやMo,Crを多量に含有しているために極めて高価な材料となる。
さらに、特許文献3では、2.5%以上のSiを含有する溶鋼から、急冷凝固法により高強度無方向性鋼板を製造することを開示している。また、特許文献4では、2.5%以上の高Si鋼を2.0%以下の低Si鋼で包むことにより圧延性の改善を図ることを開示している。これらの提案は何れもプロセスが特殊であるために、通常の電磁鋼板の製造設備では製造できず、工業的に生産することが難しいと考えられる。
特開平1−162748号公報 特開昭61−84360号公報 特開昭61−87848号公報 特開平8−41601号公報
このように、高強度の電磁鋼板について多くの提案がなされているが、必要な磁気特性を確保しつつ、通常の電磁鋼板製造設備を用いて、工業的に安定して製造するまでに到っていないというのが実情である。
本発明は、高張力(TS)が500MPa以上の高強度で、耐摩耗性を有するとともに、特に高速で回転するモーターなど高い周波数の磁場下で使用される際に磁束密度や鉄損など優れた磁気特性を兼ね備えた高強度無方向性電磁鋼板を使用した最終製品を例えば冷間圧延性など通常の電磁鋼板と変わることなく、安定してオンラインで製造することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.060%以下、Si:0.2〜3.5%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.30%以下、S:0.040%以下、Al:2.50%以下、N:0.020%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、鋼材内部に、断面観察における(板厚方向の結晶粒の大きさ)/(圧延方向の結晶粒の大きさ)が0.9以下で、再結晶組織に蚕食されていない領域又は再結晶組織をさらに加工することで得られる組織である加工組織が、断面観察における面積率で1%以上残存することを特徴とする電磁鋼板。
(2)質量%で、C:0.060%以下、Si:0.2〜3.5%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.30%以下、S:0.040%以下、Al:2.50%以下、N:0.020%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、鋼材内部に、平均転位密度が1exp14/m2以上で、再結晶組織に蚕食されていない領域又は再結晶組織をさらに加工することで得られる組織である加工組織が、断面観察における面積率で1%以上残存することを特徴とする電磁鋼板。
(3)質量%で、さらに、Ni:2.5%以下、Cr:10.0%以下の1種または2種含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の電磁鋼板。
)モーター部品として加工された後、鋼材中の加工組織が消失するような熱処理を施さないことを特徴とする(1)〜()のいずれかの項に記載の電磁鋼板。
)(1)〜()のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において5%以上の歪を付与する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、熱処理による引張強度の低下代が300MPa以上となるような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板の製造方法。
)(1)〜()のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において5%以上の歪を付与する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、750℃以上で30秒以上保持するような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板の製造方法。
)(1)〜()のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において冷間加工により引張強度が50MPa以上上昇する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、熱処理による引張強度の低下代が300MPa以上となるような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板の製造方法。
)(1)〜()のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において冷間加工により引張強度が50MPa以上上昇する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、750℃以上で30秒以上保持するような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板の製造方法。
本発明者らは、前記目的を達成すべく種々実験し検討を重ねてきた。即ち本発明は、C:0.060%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.30%以下、S:0.040%以下、Al:2.50%以下、N:0.020%以下を含有する鋼材であって、通常の製造工程条件において電磁鋼板内に加工組織を残存・生成させることにより、板破断などのトラブルを起こすことなく高生産性にて高強度でかつ磁気特性のすぐれた電磁鋼板を得るものである。
先ず、本発明による高強度電磁鋼板の成分組成について説明する。
Cは磁気特性を劣化させるので0.060%以下とする。スラブの段階までは脱酸効率の観点からより高いCを含有させておき、コイルとした後の脱炭焼鈍によりCを減じることも可能である。高強度化の観点からは0.010%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.020%以上、さらに好ましくは0.040%以上である。含有量を0.010%程度以下まで低減する場合には製造コストの観点からは溶鋼段階で脱ガス設備によりC量を低減しておくことが有利で、0.0020%以下とすれば鉄損低減の効果が著しく、高強度化のために炭化物等の非金属析出物を用いない本発明鋼においては0.0015%以下としても高強度化が可能であり、さらに0.0010%以下としても十分な高強度化が可能である。
Siは鋼の固有抵抗を高めて渦電流を減らし、鉄損を低下せしめるとともに、抗張力を高めるが、添加量が0.2%未満ではその効果が小さい。低Si鋼では鋼の脆化もほとんどなく、Si含有量を増大させれば磁気特性を劣化させず、特に鉄損を低減しつつ強度を高めることが可能であるため本発明を適用するメリットは小さいため、好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2.0%以上、さらに好ましくは2.5%以上とする。一般に高周波磁場下で用いられる場合には渦電流による損失が大きくなるが、加工組織を含有する本発明鋼においても特にこの渦電流損失を抑制するためSi含有量を高めることが有効である。ただし3.5%を超えると鋼を脆化させ、さらに製品の磁束密度を低下させるため3.5%以下とする。脆化の懸念をさらに小さくするには3.2%以下が好ましく、2.8%以下であれば他の元素量との兼ね合いもあるが脆化に関してはほとんど考慮する必要がなくなる。
Mnは鋼の強度を高めるため積極的に添加してもよいが、高強度化の主たる手段として加工組織を活用する本発明鋼ではこの目的のためには特に必要としない。Siと同様に固有抵抗を高め渦電流損失を低減させ、または硫化物を粗大化させ結晶粒成長を促進することで鉄損を低減させる目的で添加するが過剰な添加は磁束密度を低下させるので、0.05〜3.0%とする。好ましくは0.5%〜2.5%、さらに好ましくは0.8%〜2.0%である。
Pは抗張力を高める効果の著しい元素であるが、上記のMnと同様、本発明鋼ではあえて添加する必要はない。0.3%を超えると脆化が激しく、工業的規模での熱延、冷延等の処理が困難になるため、上限を0.30%とする。好ましくは0.20%以下、さらに好ましくは0.15%以下である。
Sは本発明では特に限定する必要はないが、MnやCuと結合し易く硫化物を形成し磁気特性、特に鉄損を劣化させる場合があるので、Sの含有量はできるだけ低いことが好ましく、0.0040%以下と限定する。好ましくは0.0020%以下、さらに好ましくは0.0010%以下である。
Alは通常、脱酸剤として添加されるが、Alの添加を抑えSiにより脱酸を図ることも可能である。Al量が0.005%程度以下のSi脱酸鋼ではAlNが生成しないため鉄損を低減する効果もある。逆に積極的に添加しAlNの粗大化を促進するとともにSiと同様に固有抵抗増加により渦電流損失を抑制し鉄損を低減させることもできるが、2.50%を超えると脆化が問題になるため、2.50%以下とする。
NはCと同様に磁気特性を劣化させる傾向があるものの高強度化のために添加が可能である。過剰な添加は磁気特性の劣化が顕著になるので0.020%以下に限定する。窒化物等による強度上昇を期待しない本発明鋼では0.0040%以下の低い含有量でも十分な高強度化が可能であり、0.0027%以下とすれば磁気特性は特に良好となる。さらに好ましくは0.0022%、さらに好ましくは0.0015%以下とする。
これまでの高強度電磁鋼板で高強度化のために利用されている殆どの元素は添加コストが問題視されるだけではなく脆性を低下させ圧延性の問題を生じる場合があるとともに磁気特性に少なからず悪影響を及ぼすため、本発明では高強度化の目的のためにあえて添加する必要はない。あえて強化元素として添加する場合にはコスト上昇と磁気特性劣化との兼ね合いからNi,Crの1種または2種添加するが、その添加量はNi:2.5%以下、Cr:10.0%以下程度とする。
NiはCuによる熱延時の表面荒れ(Cuヘゲ)の防止に有効であることが知られており、この目的を兼ねて積極的に添加することもできる。また、磁気特性への悪影響が比較的小さく、かつ高強度化にも効果が認められるため高強度電磁鋼板では使用されることが多い元素である。また、耐食性の向上にも有効であるが、添加コストや磁気特性への悪影響を考え上限を2.5%とすることが好ましい。
Crは耐食性の向上や、高周波域での磁気特性向上のため添加される元素であるが、やはり添加コストや磁気特性への悪影響を考え上限を10.0%とすることが好ましい。
また、その他の微量元素については、鉱石やスクラップなどから不可避的に含まれる程度の量に加え、様々な目的で添加しても本発明の効果は何ら損なわれるものではない。これらの微量元素についての不可避的な含有量は通常、各元素とも0.005%以下程度であるが、様々な目的で0.01%程度以上に添加することが可能である。この場合もコストや磁気特性の兼ね合いからMo,W,Sn,Sb,Mg,Ca,Ce,Coの1種または2種以上を合計で0.5%以下含有することができる。
前記成分を含む鋼は、通常の電磁鋼板と同様に転炉で溶製され、連続鋳造でスラブとされ、ついで熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延、仕上焼鈍などの工程で製造される。これらの工程に加え絶縁皮膜の形成や脱炭工程などを経ることも本発明の効果を何ら損なうものではない。また、通常の工程ではなく急冷凝固法による薄帯の製造や熱延工程を省略する薄スラブ、連続鋳造法などの工程によって製造しても問題ない。
本発明では「加工組織」と呼ぶ特別な組織を鋼材内に形成することが必要である。本発明における「加工組織」とは、通常の電磁鋼板で鋼材のほぼ全量を占めている「再結晶組織」と区別したものである。一般的には冷延加工等により鋼材内に蓄積された歪が十分に消失していない組織を指す。より具体的には冷延した鋼材を焼鈍する過程においては、冷延で変形され高密度の転位を含有した組織が、焼鈍工程での高温保持により発生する転位密度が低い組織(「再結晶組織」)に取って変わられることで再結晶が進行するが、この「再結晶組織」に蚕食されていない領域を「加工組織」とする。この加工組織は一般には焼鈍中に再結晶組織に蚕食されるまでにいわゆる回復等により転位密度は低くなっているが再結晶組織ほどには低くなっておらず、歪の分布としては「加工組織」と「再結晶組織」で不均一な状況となっている。また、「加工組織」は再結晶組織を文字通り加工することで得ることもできる。この場合は組織の全体的に見れば均一な歪が残存した状態となる。本発明ではこの加工組織を活用することで目的とする高強度化を図るものである。
本発明が対象とする鋼板は500MPa以上の引張強度を有するものとする。引張強度がこれより低い程度の鋼板であれば通常のSi、Mn等の固溶元素を主体として強化し、組織的には完全に再結晶組織で占められている鋼材でも生産性をそれほど劣化させず製造することが可能であり、その材料の方が磁気特性的には顕著に優れたものが得られるためである。本発明は通常の固溶強化を主体として生産性を劣化させずに製造が不可能な高強度の材料に限定する。本発明のメリットをより大きく享受するには、好ましくは600MPa以上の鋼材に適用されるべきで、さらに好ましくは700MPa以上、さらに好ましくは800MPa以上の鋼材を対象とし、現在は全く製造されたことがない900MPa以上の鋼材も製造可能であり、さらに従来では想像もされていない1000MPa以上の鋼材でも高生産性で製造することが可能になる。
この加工組織は鋼材の断面組織観察における面積率で1%以上存在するものとする。観察方法は通常の鋼材で行われるナイタール等の薬品を用いエッチングにより組織を現出させる方法を用いるが、特に限定されるものではなく再結晶組織と加工組織を区別できる手法であればよい。断面組織観察は本発明においては断面の一辺が鋼材圧延方向、もう一辺が鋼材板厚方向となる断面で行うものとする。
加工組織は1%未満では高強度化の効果が小さくなる。加工組織が実質的に0%の場合は通常の鋼板そのものであり、0〜1%未満の範囲に制御することは高強度化の効果が小さい割には焼鈍の温度制御等を非常に厳格にする必要があり現実的ではない。実際には必要とする強度レベルを得るように加工組織の面積率を制御するが、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。実質的に再結晶組織が観察されない加工組織100%としても何ら問題はない。この場合はまったく焼鈍しないいわゆるフルハードの状態かまたは焼鈍を行うが再結晶開始以前の回復組織の状況となる。必要とする強度と磁気特性に応じて組織の調整を行う。この調整は鋼成分、熱延履歴、冷延率、焼鈍温度、焼鈍時間や加熱速度、冷却速度等により行うことが可能で、当業者であれば数度の試行により何ら問題なく行うことが可能なものである。
または前記の方法に代えて、再結晶組織が全量を占めている通常の電磁鋼板に再冷延等により歪を付与することで加工組織を形成することも可能である。この場合は通常、歪は巨視的に均一に付与されるため組織の全量が加工組織となり、加工組織100%に相当する。この場合は加工前の鋼成分、熱履歴、特性等を考慮し加工量により強度、磁気特性が制御されるが、これも当業者であれば数度の試行により何ら問題なく行うことが可能なものである。
再冷延等により加工組織を新たに形成した場合、加工量が低いと上述の組織観察法では明確に加工組織の存在を示すことが困難な場合があるが、発明の効果を十分に得る目安として断面組織観察における(板厚方向の結晶粒の大きさ)/(圧延方向の結晶粒の大きさ)が0.9以下を用いる。0.8以下であれば高強度化の効果が明確に得られ、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。ただし、この値が過剰に低くなると磁気特性の劣化が顕著となるので注意が必要である。
上で述べた「加工組織」の効果は「加工組織」中の転位密度によっても評価することが可能である。加工組織における平均転位密度が1exp14/m2 以上、さらに好ましくは3exp14/m2以上、さらに好ましくは1exp15/m2以上、さらに好ましくは3exp15/m2以上である。この転位密度は透過型電子顕微鏡等により計測されるが、通常の鋼材の全量が再結晶組織である電磁鋼板においては平均転位密度が1exp13/m2程度であることから加工組織の分別には十分な差と言える。
なお、従来より再結晶焼鈍を行った鋼板に1〜20%程度のスキンパス圧延を行い製品として出荷されている電磁鋼板、いわゆるセミプロセス電磁鋼板がある。これはスキンパスを施した板が製品として出荷され、モーターメーカーでモーターの部品として加工された後、再結晶が十分に起きるような条件で焼鈍を行い、歪誘起粒成長を起こさせることで粗大な再結晶組織を得、磁気特性の改善を図る手段で、スキンパス法と呼ばれる。この方法においては加工組織を残存させることはない。本発明は本質的にこの鋼板および方法とは異なり、加工組織を残存させることが特徴であり、モーター部品として加工した後には基本的には熱処理は行わない。
鋼板の接着や表面制御等で何らかの熱処理を行う場合にも本発明で規定する加工組織が消失せず、本発明の規定内にとどまるものに限定する。これは加工組織が消失または本発明の規定範囲から外れると、実モーターとして使用している状況で必要となる鋼材の特に強度が不足することになるからである。この熱処理の温度の目安は750℃以上で30秒以上保持しないことが好ましく、これを超えると本発明の特徴である高強度化のメリットが失われる。好ましくは700℃を超えない温度、さらに好ましくは650℃を超えない温度、さらに好ましくは600℃を超えない温度、さらに好ましくは550℃を超えない温度、さらに好ましくは500℃を超えない温度、さらに好ましくは450℃を超えない温度とする。時間は低温となるほど長時間の保持が許容される。これは成分や熱処理までの製造履歴等に依存するため一義的に明示はできず、目安は700℃であれば5分以内、650℃であれば1時間以内、600℃であれば5時間以内、550℃であれば10時間程度以内であるが、鋼材を製造する等業者の協力の下で、または協力がなくとも通常のモーター製造者であれば数度の試行により何ら問題なく発明の効果を享受できる条件を見出すことが可能なものである。
以上のような加工組織は加工組織を形成させる冷延等の加工工程と加工組織を消失させる焼鈍工程を最適に制御することで最終製品に残存させる。
製造工程のある時点で相当量存在させた加工組織を、熱処理を全く行わない場合も含んでそれに続く工程で完全には消失させず最終製品に残存させる場合を想定すると、加工組織を形成する加工工程は付与された歪量が5%以上または加工工程による材料の引張強度の上昇量が50MPa以上であるものとする。また熱処理工程は熱処理による材料の引張強度の低下代が300MPa以上とはならないよう、または750℃以上で30秒以上保持しないものとする必要がある。付与する歪量は5%以下では強度の上昇が小さい割に磁気特性の劣化が大きくメリットが得られない。
同様に引張強度の上昇が50MPaより低いような加工では効果が得られない。歪量は好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上であり、通常の電磁鋼板で熱延後、焼鈍の前に行われる冷延程度の70%以上の冷間圧延を行うことも高強度化の点で本発明のメリットを最大に得ることが可能となる。もちろん、通常の電磁鋼板の製造工程において最終の焼鈍を完全に省略した、いわゆるフルハード材を適用することも可能である。
また引張強度の上昇量は好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは200MPa以上、さらに好ましくは300MPa以上、さらに好ましくは400MPa以上である。
焼鈍工程である程度軟質化した材料をさらに再冷延で硬質化する場合には簡単に材料の薄手化が可能となり、従来難製造材であった極薄電磁鋼板の生産性も向上する。本発明によるこのような超極薄電磁鋼板は特に高周波磁場下で使用される場合の渦電流損失を抑制できるため鉄損低減に有効となる。
上記の加工は通常、冷間圧延で行われるが、歪量または材質の変化が本発明の規定内であればこれにこだわる必要はなく、温間圧延、加工組織が消失しない程度の熱間圧延、さらには張力を付与することによる引張変形、レベラー等による曲げ変形、ショットブラストや鍛造など方法は問わない。むしろ歪の付与の方法により転位構造が後述する本発明にとって好ましいものに変化させることによりさらなる特性の向上も可能である。
熱処理工程は完全な再結晶組織にしてしまっては本発明の特徴である加工組織の残存による高強度化のメリットを得ることができないため、熱処理による材料の引張強度の低下代が300MPaを超えないものとする。好ましくは200MPaを超えないこと、さらに好ましくは150MPaを超えないこと、さらに好ましくは100MPaを超えないことで、高い強度と良好な磁気特性を維持することが可能となる。
またこの時の熱履歴としては750℃以上で30秒以上保持しないことが好ましく、これを超えると本発明の特徴である高強度化のメリットが失われる。好ましくは700℃を超えない温度、さらに好ましくは650℃を超えない温度、さらに好ましくは600℃を超えない温度、さらに好ましくは550℃を超えない温度、さらに好ましくは500℃を超えない温度とする。
時間は低温となるほど長時間の保持が許容される。これは成分や熱処理までの製造履歴等に依存するため一義的に明示はできず、目安は700℃であれば5分以内、650℃であれば1時間以内、600℃であれば5時間以内、550℃であれば10時間程度であるが、等業者であれば数度の試行により何ら問題なく発明の効果を享受できる条件を見出すことが可能なものである。
本発明のように材料中に加工組織を残存させても良好な磁気特性を維持できる原因には明確ではないが、以下のように考えられる。従来、加工組織は磁気特性を大きく劣化させるものとして材料の高強度化の手段としては顧みられず、高強度化は結晶粒微細化、固溶強化、析出強化等により行われてきた。しかし、材料の高強度化への要求は高まる一方であり、従来の高強度化手段は顕著に磁気特性を劣化させるような条件の領域にまで踏み込まざるを得なくなっており、このような状況で改めて加工組織を活用した高強度化手段を見た場合、それほど不利な方法とは言えなくなっていることが一面ではあると思われる。
また、従来、加工組織の影響は材料に冷間加工を施し、歪量が比較的小さい範囲でのみ検討されていた。このような条件では材料中の転位構造は比較的均一で、いわゆるセル構造や回復組織のような比較的安定な転位配置を形成したものとはなっていなかったと予想される。この程度の加工量では高強度化手段としては全く魅力がないものであったうえに、このような転位構造では転位は磁壁移動の障害としかならず磁気特性の劣化は著しく、実用化されなかったものと思われる。
一方、本発明のように比較的高歪量の冷間加工を行った場合や焼鈍により回復した加工組織においては転位は比較的安定なセル構造を形成している。セルの大きさは通常直径1μm以下で0.1μm程度にもなっており、セルの境界は転位で形成されており、隣接するセルとの結晶方位差が小さいことを除けば一般の結晶粒と同様の構造を有しており、一種の超微細結晶粒と見ることが可能で磁壁移動の障害とはなりにくくなったものと考えられる。
またこのような超微細結晶粒は強度も高く、加工が必要な場合の延性もそれなりに有しており、強度と磁性のバランスを考えると十分に実用化が可能なレベルにあると考える。また、加工組織が存在する本発明鋼においても鉄損において特に渦電流損失の寄与が大きくなる高周波磁場下で使用されるような用途においては、Si、Mn、Al、Cr、Ni等の添加は重要なものであり、加工硬化挙動や再結晶挙動などの転位挙動に大きな影響を及ぼすため、電磁鋼板をベースとした転位強化鋼の開発は、自動車や容器等に用いられるいわゆる加工用普通鋼におけるものとは全く異なった意味を有する。
なお、本発明の効果は通常電磁鋼板の表面に形成されている表面皮膜の有無および種類によらず、さらに製造工程にはよらないため無方向性または方向性の電磁鋼板に適用できる。
用途も特に限定されるものではなく、家電または自動車等で用いられるモーターのローター用途の他、強度と磁気特性が求められる全ての用途に適用される。
(実施例1)
表1に成分を示す鋼を250mm厚のスラブとし表1に示す条件で熱延し、これを酸洗し、さらに表2に示す1次冷延、焼鈍、2次冷延を行い0.30mm厚さの製品板を製造した。製品板についてJIS5号試験片により引張強度、および55mm角のSST試験により鉄損W10/400と磁束密度B10を測定した。機械的特性および磁気特性ともコイルの圧延方向およびその直角方向についての平均値を求めた。一部の材料についてはモーター製造メーカーでの熱処理を想定した熱処理を行い特性を評価した。結果を表2(表1のつづき)に示す。
表2に示された結果から明らかなように、従来の製法では磁気特性は優れるものの到達強度は600MPaレベルで、800MPaレベルとなると製造が非常に困難となる。一方、本発明の条件にて製造した試料は生産性が良好で、800MPa程度の硬質材はもちろん1000MPaを超える硬質材も製造可能で、さらに磁気特性も十分に使用可能な程度に優れている。
なお24番の例はモーター製造メーカーでの熱処理相当により完全に再結晶が起きてしまった場合である。このような使用法が想定される用途においては本発明で重要な高強度化という目的を達成するための特性は消失してしまうので注意が必要である。
Figure 0004546713
Figure 0004546713
以上説明したように、本発明は硬質で磁気特性のすぐれた高強度電磁鋼板を安定して製造することができる。すなわち本発明は固溶強化、析出強化のために用いられる添加元素が比較的低くても目的とする強度を得られることから、冷延性が向上し、冷間圧延工程の生産性が向上するとともに、焼鈍工程の簡省略が可能となるため焼鈍工程の生産性も向上する。また、焼鈍後に再冷延を行うことにより従来では製造が困難であった極薄材料を簡単に生産することも可能となる。
これにより磁気特性を劣化させず、強度、疲労強度、耐磨耗性の確保が可能となるため超高速回転モーターやローターに磁石を組み込んだモーターおよび電磁開閉器用材料の高効率化、小型化、超寿命化などが達成される。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.060%以下、Si:0.2〜3.5%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.30%以下、S:0.040%以下、Al:2.50%以下、N:0.020%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、鋼材内部に、断面観察における(板厚方向の結晶粒の大きさ)/(圧延方向の結晶粒の大きさ)が0.9以下で、再結晶組織に蚕食されていない領域又は再結晶組織をさらに加工することで得られる組織である加工組織が、断面観察における面積率で1%以上残存することを特徴とする、引張強度650MPa以上、磁束密度(B25)1.60T以上、鉄損(W10/400)57.2W/kg以下の電磁鋼板を用いた最終製品
  2. 質量%で、C:0.060%以下、Si:0.2〜3.5%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.30%以下、S:0.040%以下、Al:2.50%以下、N:0.020%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、鋼材内部に、平均転位密度が1exp14/m2以上で、再結晶組織に蚕食されていない領域又は再結晶組織をさらに加工することで得られる組織である加工組織が、断面観察における面積率で1%以上残存することを特徴とする、引張強度650MPa以上、磁束密度(B25)1.60T以上、鉄損(W10/400)57.2W/kg以下の電磁鋼板を用いた最終製品
  3. 質量%で、さらに、Ni:2.5%以下、Cr:10.0%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁鋼板を用いた最終製品
  4. モーター部品として加工された後、鋼材中の加工組織が消失するような熱処理を施さないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の電磁鋼板の使用方法
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において5%以上の歪を付与する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、熱処理による引張強度の低下代が300MPa以上となるような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板を用いた最終製品の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において5%以上の歪を付与する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、750℃以上で30秒以上保持するような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板を用いた最終製品の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において冷間加工により引張強度が50MPa以上上昇する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、熱処理による引張強度の低下代が300MPa以上となるような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板を用いた最終製品の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の鋼材を製造する過程において冷間加工により引張強度が50MPa以上上昇する加工工程のうちの最終の加工工程において歪を付与した後、750℃以上で30秒以上保持するような熱処理を施さないことを特徴とする電磁鋼板を用いた最終製品の製造方法。
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