JP2716999B2 - 高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は高速回転機等で要求される低鉄損でかつ高強
度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するのであ
る。
度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するのであ
る。
<従来の技術> 回転機の回転子には主として電磁鋼板を積層したもの
が用いられている。最近、工作機械や半導体加工等の分
野で生産性や加工精度の向上を狙いとした高速回転化の
ニーズが高まっており、それに伴なってその遠心力に十
分耐え得る強度の電磁鋼板が必要となってきている。
が用いられている。最近、工作機械や半導体加工等の分
野で生産性や加工精度の向上を狙いとした高速回転化の
ニーズが高まっており、それに伴なってその遠心力に十
分耐え得る強度の電磁鋼板が必要となってきている。
因みに、回転機の回転数は現行のものでは、10万rpm
程度以下であり、既存の電磁鋼板で対応できたが、高速
化によって10万rpm以上になると抗張力が既存の電磁鋼
板の中で最も高い高級無方向性電磁鋼板でも耐え得ない
状況が出てくることが予想される。すなわち現行の無方
向性電磁鋼板の抗張力は最も高いもので55kg/mm2程度で
あり、それ以上あるいは60kg/mm2以上の抗張力をもった
材料が必要である。また回転機の高効率化のためには、
強度と共に低鉄損であることも当然要求される。
程度以下であり、既存の電磁鋼板で対応できたが、高速
化によって10万rpm以上になると抗張力が既存の電磁鋼
板の中で最も高い高級無方向性電磁鋼板でも耐え得ない
状況が出てくることが予想される。すなわち現行の無方
向性電磁鋼板の抗張力は最も高いもので55kg/mm2程度で
あり、それ以上あるいは60kg/mm2以上の抗張力をもった
材料が必要である。また回転機の高効率化のためには、
強度と共に低鉄損であることも当然要求される。
このような要求に対し、高抗張力電磁鋼板に関する提
案がいくつかなされている。例えば特公昭58−18424号
公報では、「ニッケル4〜23重量%,アルミニウム0.7
〜3.2重量%を含み、かつ、チタン,ジルコニウム,ニ
オブ,タンタルの一種以上を合計で0.05〜0.01重量%含
み、残部鉄および少量の脱酸,脱硫元素,不可避の不純
物よりなることを特徴とする電動機の回転子用高強度軟
質磁性材料」が提案されているが、多量のNiが含まれて
いるので高価となり、また鉄損は板厚0.5mmでW15/50が
15W/kg程度であり、通常の電磁鋼板より著しく悪くなっ
ている。
案がいくつかなされている。例えば特公昭58−18424号
公報では、「ニッケル4〜23重量%,アルミニウム0.7
〜3.2重量%を含み、かつ、チタン,ジルコニウム,ニ
オブ,タンタルの一種以上を合計で0.05〜0.01重量%含
み、残部鉄および少量の脱酸,脱硫元素,不可避の不純
物よりなることを特徴とする電動機の回転子用高強度軟
質磁性材料」が提案されているが、多量のNiが含まれて
いるので高価となり、また鉄損は板厚0.5mmでW15/50が
15W/kg程度であり、通常の電磁鋼板より著しく悪くなっ
ている。
また、特開昭61−9520号公報では、「Si;2.5〜7.0重
量%とTi;0.05〜3.0重量%,W:0.05〜3.0重量%,Mo:0.05
〜3.0重量%,Ni:0.1〜20.0重量%,およびAl;0.5〜13.0
重量%のうちから選ばれる1種または2種以上を1.0〜2
0.0重量%の範囲において含有する溶鋼を、冷却面が高
速で更新移動する冷却体上に連続して供給し、急冷凝固
させて薄帯化したのち、得られた薄帯を10〜90%の圧下
率で温間または冷間圧延して最終板厚とし、さらに仕上
げ焼鈍を施すことを特徴とする高抗張力無方向性急冷薄
帯の製造方法」が提案されているが、急冷凝固法は、現
状では製品板厚精度及び形状が悪く、工業的に実用化さ
れていない。
量%とTi;0.05〜3.0重量%,W:0.05〜3.0重量%,Mo:0.05
〜3.0重量%,Ni:0.1〜20.0重量%,およびAl;0.5〜13.0
重量%のうちから選ばれる1種または2種以上を1.0〜2
0.0重量%の範囲において含有する溶鋼を、冷却面が高
速で更新移動する冷却体上に連続して供給し、急冷凝固
させて薄帯化したのち、得られた薄帯を10〜90%の圧下
率で温間または冷間圧延して最終板厚とし、さらに仕上
げ焼鈍を施すことを特徴とする高抗張力無方向性急冷薄
帯の製造方法」が提案されているが、急冷凝固法は、現
状では製品板厚精度及び形状が悪く、工業的に実用化さ
れていない。
さらに、特開昭62−256917号公報では、「重量%で、
Si:2.0%以上3.5%未満,C:0.008%以下,P:0.03%以上0.
2%未満を含み、かつMn,Niのうち1種または2種を重量
%で、0.3%Mn+Ni<10%の範囲で含有し、残部Feお
よび不可避不純物元素よりなる、抗張力TS:65kg/mm2以
上で、かつ高周波鉄損W5/1000:50W/kg以下,磁束密度B
50:1.65T以上の優れた機械特性および磁気特性を有する
回転機械用高抗張力無方向性電磁鋼板」が提案されてい
るが、これは従来の電磁鋼板素材に固溶強化型元素であ
るP,Mn,Niをより多く加えたものである。しかし一般に
固溶強化元素を加えると冷延性が劣化し通常の設備では
製造困難となるが、この問題点に対する具体的な提案は
なされていない。
Si:2.0%以上3.5%未満,C:0.008%以下,P:0.03%以上0.
2%未満を含み、かつMn,Niのうち1種または2種を重量
%で、0.3%Mn+Ni<10%の範囲で含有し、残部Feお
よび不可避不純物元素よりなる、抗張力TS:65kg/mm2以
上で、かつ高周波鉄損W5/1000:50W/kg以下,磁束密度B
50:1.65T以上の優れた機械特性および磁気特性を有する
回転機械用高抗張力無方向性電磁鋼板」が提案されてい
るが、これは従来の電磁鋼板素材に固溶強化型元素であ
るP,Mn,Niをより多く加えたものである。しかし一般に
固溶強化元素を加えると冷延性が劣化し通常の設備では
製造困難となるが、この問題点に対する具体的な提案は
なされていない。
以上のように高抗張力を実現するためにいずれの例で
も現行の電磁鋼板より多くの固溶強固型元素を含有させ
ており、通常の電磁鋼板製造設備で作る場合、冷間圧延
時の割れは、避けられない問題点であった。
も現行の電磁鋼板より多くの固溶強固型元素を含有させ
ており、通常の電磁鋼板製造設備で作る場合、冷間圧延
時の割れは、避けられない問題点であった。
この割れを防止するためには、例えば特開昭60−2384
21号公報で提案されているように、100〜600℃の温間圧
延が必要である。しかし、100℃以上の温間圧延は現状
の冷間圧延設備では保温が難しく、何らかの設備改造が
必要であるし、また圧延油を100℃以上の温度で使用す
るためその潤滑性能が劣化し易く板形状が悪くなった
り、均一な板厚が得られなかったりするなど問題が多
い。
21号公報で提案されているように、100〜600℃の温間圧
延が必要である。しかし、100℃以上の温間圧延は現状
の冷間圧延設備では保温が難しく、何らかの設備改造が
必要であるし、また圧延油を100℃以上の温度で使用す
るためその潤滑性能が劣化し易く板形状が悪くなった
り、均一な板厚が得られなかったりするなど問題が多
い。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、最近ニーズの高まっている高抗張
力、低鉄損の無方向性電磁鋼板を通常の電磁鋼板製造設
備で製造可能とすることである。
力、低鉄損の無方向性電磁鋼板を通常の電磁鋼板製造設
備で製造可能とすることである。
また本発明の他の目的は、通常の冷間圧延設備で可能
な圧延温度範囲すなわち100℃未満で圧延可能とする方
法を提供することである。
な圧延温度範囲すなわち100℃未満で圧延可能とする方
法を提供することである。
また本発明の他の目的は、抗張力が60kg/mm2以上で、
鉄損(W15/50)が8W/kg以下の、無方向性電磁鋼板の製
造方法を提供することである。
鉄損(W15/50)が8W/kg以下の、無方向性電磁鋼板の製
造方法を提供することである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、重量%で、C:0.01%以下,Si+Al:4〜7%
を含む分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又は直送
された熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施し、次
いでこれを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧延によ
ってホットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後焼鈍す
ることを特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼
板の製造方法であり、又は重量%で、C:0.01%以下,Si
+Al:3%以上4%未満,かつ、Si+Al+Mn+Ni+15P:5
〜10%を含む分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又
は直送された熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施
し、次いでこれを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧
延によってホットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後
焼鈍することを特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性
電磁鋼板の製造方法である。
を含む分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又は直送
された熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施し、次
いでこれを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧延によ
ってホットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後焼鈍す
ることを特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼
板の製造方法であり、又は重量%で、C:0.01%以下,Si
+Al:3%以上4%未満,かつ、Si+Al+Mn+Ni+15P:5
〜10%を含む分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又
は直送された熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施
し、次いでこれを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧
延によってホットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後
焼鈍することを特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性
電磁鋼板の製造方法である。
<作 用> 一般に、抗張力および低鉄損を考えた場合、合金元素
として比抵抗の高いSi,Alを主成分とすべきであるが、S
i+Al含有量が4%以上(重量%、以下同様)になる
と、抗張力は高まるものの冷延性が劣化し、通常の冷間
圧延設備では冷延が困難となる。
として比抵抗の高いSi,Alを主成分とすべきであるが、S
i+Al含有量が4%以上(重量%、以下同様)になる
と、抗張力は高まるものの冷延性が劣化し、通常の冷間
圧延設備では冷延が困難となる。
本発明者らは、この冷延性を改善する方法を検討した
結果、熱延板組織を細かくすることによって冷延性が改
善されることを知見した。さらに熱延板組織を細かくす
る方法について鋭意研究を重ねた結果、熱延工程におけ
るスラブ加熱前に、P処理と称する加熱→圧延をあらか
じめ施し、熱延工程におけるスラブ加熱温度(以下、熱
延加熱温度と称す)を通常より低温にすることによって
熱延板組織は非常に細かくなり、冷延性は著しく改善さ
れることを見出した。
結果、熱延板組織を細かくすることによって冷延性が改
善されることを知見した。さらに熱延板組織を細かくす
る方法について鋭意研究を重ねた結果、熱延工程におけ
るスラブ加熱前に、P処理と称する加熱→圧延をあらか
じめ施し、熱延工程におけるスラブ加熱温度(以下、熱
延加熱温度と称す)を通常より低温にすることによって
熱延板組織は非常に細かくなり、冷延性は著しく改善さ
れることを見出した。
次に、前記P処理による冷延性改善効果の確認実験に
ついて説明する。
ついて説明する。
C:0.003重量%(以下、単に%で示す),Si:3.2%,Al:
1.9%,Mn:0.2%,P:0.015%を含み残部実質的にFeからな
る組成の215mm厚スラブを表1に示す条件でP処理(加
熱→圧延)及びそれに続く熱延加熱を行った後、熱延に
よって2.3mm厚の熱延板とした。この熱延板を酸洗後、
冷延によって0.5mm厚の冷延板とし、770℃×1分の焼鈍
を施した。表1には冷延性の結果も合わせて示したがP
処理圧延の圧下率は10〜70%の範囲で、かつ熱延加熱温
度は900〜1100℃の範囲でP処理の冷延性改善効果が明
確に認められる。
1.9%,Mn:0.2%,P:0.015%を含み残部実質的にFeからな
る組成の215mm厚スラブを表1に示す条件でP処理(加
熱→圧延)及びそれに続く熱延加熱を行った後、熱延に
よって2.3mm厚の熱延板とした。この熱延板を酸洗後、
冷延によって0.5mm厚の冷延板とし、770℃×1分の焼鈍
を施した。表1には冷延性の結果も合わせて示したがP
処理圧延の圧下率は10〜70%の範囲で、かつ熱延加熱温
度は900〜1100℃の範囲でP処理の冷延性改善効果が明
確に認められる。
また表2には表1の冷延可能であった各条件における
焼鈍板の機械的特性および磁気特性を示す。表3に示す
現行の無方向性電磁鋼板より高張力は非常に高く、また
鉄損は回転機用電磁材料として十分使用し得る範囲とな
っている。
焼鈍板の機械的特性および磁気特性を示す。表3に示す
現行の無方向性電磁鋼板より高張力は非常に高く、また
鉄損は回転機用電磁材料として十分使用し得る範囲とな
っている。
また表3にはNb系高張力冷延鋼板(Nb系HSLA)の一例
を比較として示したが、抗張力は高いものの磁気特性は
極めて悪く、本発明による表2に示した特性がいかに優
れたものであるかがわかる。
を比較として示したが、抗張力は高いものの磁気特性は
極めて悪く、本発明による表2に示した特性がいかに優
れたものであるかがわかる。
以上の如く従来冷間圧延が困難であったSi+Al含有量
4%以上の範囲においても、本発明の方法によれば冷間
圧延が可能となることがわかる。
4%以上の範囲においても、本発明の方法によれば冷間
圧延が可能となることがわかる。
次に本発明の数値限定理由について述べる。
Cは鉄損に有害な成分であるため、0.01%以下とす
る。望ましくは0.004%以下が時効の点からもよい。
る。望ましくは0.004%以下が時効の点からもよい。
Si+Alは4%以上で冷間圧延が困難となるので本発明
の対象範囲とした。7%を超えると本発明の方法によっ
ても冷延時通常の電磁鋼板製造設備では困難な100℃以
上の温間圧延が必要となってくるため上限を7%とし
た。SiおよびAlは共に比抵抗を高める効果が大きく鉄損
低減に有効な元素であり、また抗張力も高める効果があ
り、本発明の重要な構成要因の一つである。
の対象範囲とした。7%を超えると本発明の方法によっ
ても冷延時通常の電磁鋼板製造設備では困難な100℃以
上の温間圧延が必要となってくるため上限を7%とし
た。SiおよびAlは共に比抵抗を高める効果が大きく鉄損
低減に有効な元素であり、また抗張力も高める効果があ
り、本発明の重要な構成要因の一つである。
また、他の固溶強化元素(Mn,P,Ni等)を本発明の成
分鋼に加えれば一層冷間圧延が困難となるが、このよう
な鋼の冷延性改善にも本発明の方法が有効である。
分鋼に加えれば一層冷間圧延が困難となるが、このよう
な鋼の冷延性改善にも本発明の方法が有効である。
Si+Alが3%以上4%未満の範囲においてもMn,P,Ni
を5%≦Si+Al+Mn+Ni+15P≦10%の範囲になるよう
に添加すればSi+Alが4%以上の場合と同様に通常設備
では冷延困難となるが、このような場合にも本発明の方
法を適用すれば冷間圧延が可能となる。ここで上限を10
%以下としたのは上限を超えると100℃以上の温間圧延
が必要となってくるためである。なおこの場合Si+Alを
3%以上としたのは、Si+Alを3%未満とし他の固溶元
素で強度を高めても鉄損が電磁鋼板としては大となり本
発明の目的に合致しないためである。
を5%≦Si+Al+Mn+Ni+15P≦10%の範囲になるよう
に添加すればSi+Alが4%以上の場合と同様に通常設備
では冷延困難となるが、このような場合にも本発明の方
法を適用すれば冷間圧延が可能となる。ここで上限を10
%以下としたのは上限を超えると100℃以上の温間圧延
が必要となってくるためである。なおこの場合Si+Alを
3%以上としたのは、Si+Alを3%未満とし他の固溶元
素で強度を高めても鉄損が電磁鋼板としては大となり本
発明の目的に合致しないためである。
なおBについては特に規制はしないが、結晶粒界を強
化し、冷延性を改善するため適当量、例えば0.005%以
下程度添加してもよい。
化し、冷延性を改善するため適当量、例えば0.005%以
下程度添加してもよい。
さらに不純物元素としてのS,O,Nは特に規制しない
が、磁性面からできるだけ少ないことが望ましい。
が、磁性面からできるだけ少ないことが望ましい。
P処理の加熱温度は特に重要ではないので規制しない
が、P処理圧延が可能な温度であれば低い方が好まし
い。1000〜1200℃が好適である。
が、P処理圧延が可能な温度であれば低い方が好まし
い。1000〜1200℃が好適である。
連鋳スラブまたは分塊スラブがP処理圧延可能な、例
えば1000〜1200℃程度の温度で得られる場合には、熱片
直送し、P処理加熱なしにP処理圧延してもよい。
えば1000〜1200℃程度の温度で得られる場合には、熱片
直送し、P処理加熱なしにP処理圧延してもよい。
P処理の圧下率は前記の如く、10%未満で効果がな
く、下限を10%とする。上限については冷延性改善の点
では制限されないが、圧下率が70%超では圧延機の負荷
が過大となるため上限を70%とする。
く、下限を10%とする。上限については冷延性改善の点
では制限されないが、圧下率が70%超では圧延機の負荷
が過大となるため上限を70%とする。
熱延加熱温度は前記の如く、900〜1100℃に限定され
る。900℃未満では熱延が困難となり、また1100℃超で
は十分細かい熱延板組織が得られない。
る。900℃未満では熱延が困難となり、また1100℃超で
は十分細かい熱延板組織が得られない。
なおP処理において、加熱〜圧延を2回以上繰り返し
てもよく、この場合には2回目以降のP処理加熱を900
〜1100℃の範囲内で行う必要がある。
てもよく、この場合には2回目以降のP処理加熱を900
〜1100℃の範囲内で行う必要がある。
焼鈍温度については、抗張力より高めるために700〜8
50℃が適当である。低すぎると圧延組織が残り磁気特性
上好ましくなく、高すぎると結晶粒が大きくなり抗張力
が低下する。
50℃が適当である。低すぎると圧延組織が残り磁気特性
上好ましくなく、高すぎると結晶粒が大きくなり抗張力
が低下する。
なお焼鈍温度を850℃より高くした場合、抗張力は低
下するものの、本発明の成分範囲において磁気特性に鉄
損は従来の磁性鋼板に比べ著しく低くなる。上記実験例
では1000℃焼鈍でW15/50=2.20W/kgが得られ、これは
本発明のもう一つの特徴といえる。
下するものの、本発明の成分範囲において磁気特性に鉄
損は従来の磁性鋼板に比べ著しく低くなる。上記実験例
では1000℃焼鈍でW15/50=2.20W/kgが得られ、これは
本発明のもう一つの特徴といえる。
次に一般的な本発明の高抗張力電磁鋼板の製造方法に
ついて述べる。
ついて述べる。
転炉〜脱ガス工程を経て溶製された本発明成分の溶鋼
は連続鋳造あるいは造塊〜分塊圧延によって一般に200
〜300mm厚のスラブとされる。次いでP処理のためバッ
チ炉または連続炉で加熱され分塊圧延機、熱延粗圧延機
等によって10〜70%圧下され、次いで熱延工程のスラブ
加熱炉等によって900〜1100℃に加熱された後、熱延に
よって例えば1.5〜3.5mm厚のホットコイルとされる。ホ
ットコイルは酸洗等によって脱スケールされ、冷間圧延
後700〜850℃で焼鈍が施される。
は連続鋳造あるいは造塊〜分塊圧延によって一般に200
〜300mm厚のスラブとされる。次いでP処理のためバッ
チ炉または連続炉で加熱され分塊圧延機、熱延粗圧延機
等によって10〜70%圧下され、次いで熱延工程のスラブ
加熱炉等によって900〜1100℃に加熱された後、熱延に
よって例えば1.5〜3.5mm厚のホットコイルとされる。ホ
ットコイルは酸洗等によって脱スケールされ、冷間圧延
後700〜850℃で焼鈍が施される。
なお上記工程において、磁気特性を向上させるため熱
延板焼鈍を施してもよいが、実施する場合は900℃以下
で実施するのが好適である。900℃を超えると冷延性が
著しく劣化するからである。
延板焼鈍を施してもよいが、実施する場合は900℃以下
で実施するのが好適である。900℃を超えると冷延性が
著しく劣化するからである。
<実施例> 表4の各成分のスラブにP処理加熱を1000℃で実施
し、表4に示すP処理圧下率で圧延し、同表に示す熱延
加熱温度で加熱し、熱間圧延によって2.6mm厚のホット
コイルとした。酸洗後、冷間圧延(圧延温度:90℃)時
の冷延性を調査した結果を同表に合わせて示した。P処
理なしの比較例はすべて冷間圧延時に割れが発生または
破断し冷延不可であったが、本発明の方法を適用した場
合ではSi+Alが4〜7%の範囲においてすべて冷間圧延
が可能であった。
し、表4に示すP処理圧下率で圧延し、同表に示す熱延
加熱温度で加熱し、熱間圧延によって2.6mm厚のホット
コイルとした。酸洗後、冷間圧延(圧延温度:90℃)時
の冷延性を調査した結果を同表に合わせて示した。P処
理なしの比較例はすべて冷間圧延時に割れが発生または
破断し冷延不可であったが、本発明の方法を適用した場
合ではSi+Alが4〜7%の範囲においてすべて冷間圧延
が可能であった。
なお冷延ができたものの機械的特性及び磁気的特性を
表5に示す。
表5に示す。
<発明の効果> 以上の如く、通常の電磁鋼板製造設備で冷間圧延が困
難であったSi+Al含有量が4〜7%の範囲においても本
発明の方法を適用すれば冷間圧延が可能となり、高抗張
力電磁鋼板等、従来では工業的に製造できなかった高合
金の電磁鋼板が製造できるようになった。
難であったSi+Al含有量が4〜7%の範囲においても本
発明の方法を適用すれば冷間圧延が可能となり、高抗張
力電磁鋼板等、従来では工業的に製造できなかった高合
金の電磁鋼板が製造できるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、C:0.01%以下,Si+Al:4〜7%
を含む分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又は直送
された熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施し、次
いでこれを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧延によ
ってホットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後焼鈍す
ることを特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項2】重量%で、C:0.01%以下,Si+Al:3%以上
4%未満,かつ、Si+Al+Mn+Ni+15P:5〜10%を含む
分塊スラブ又は連鋳スラブを、加熱して又は直送された
熱片状態で圧下率10〜70%の熱間圧延を施し、次いでこ
れを900〜1100℃の温度に再加熱し熱間圧延によってホ
ットコイルとし、次いでこれを冷間圧延後焼鈍すること
を特徴とする高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1130191A JP2716999B2 (ja) | 1989-05-25 | 1989-05-25 | 高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1130191A JP2716999B2 (ja) | 1989-05-25 | 1989-05-25 | 高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02310315A JPH02310315A (ja) | 1990-12-26 |
JP2716999B2 true JP2716999B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=15028263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1130191A Expired - Fee Related JP2716999B2 (ja) | 1989-05-25 | 1989-05-25 | 高抗張力、低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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JP (1) | JP2716999B2 (ja) |
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1989
- 1989-05-25 JP JP1130191A patent/JP2716999B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2005113185A (ja) * | 2003-10-06 | 2005-04-28 | Nippon Steel Corp | 磁気特性の優れた高強度電磁鋼板とその製造方法 |
JP4546713B2 (ja) * | 2003-10-06 | 2010-09-15 | 新日本製鐵株式会社 | 磁気特性に優れた高強度電磁鋼板の最終製品とその使用方法および製造方法 |
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Publication number | Publication date |
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JPH02310315A (ja) | 1990-12-26 |
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