JP4586669B2 - 回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、回復組織を得るためには、Nb,Zr,TiおよびVの含有量を所定の範囲とすることが必要であることを見出し、これらの知見に基づいて、特願2004−183554明細書および特願2004−252395明細書にて高速回転するモータの回転子用として必要な優れた機械特性と磁気特性とを具備する無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提案している。
しかしながら、特願2004−183554明細書に記載の好適な態様および特願2004−252395明細書に記載の発明では、CおよびNの含有量を超える量のNb,Zr,TiおよびVを含有させることを必要としており、C含有量を低減することが求められるため、製造コストの観点からは改善の余地がある。また、さらなる高強度化の要求に対して検討の余地がある。
そこで、本発明者らは、C含有量が高くとも安定的に回復組織を得るための手法について詳細に検討し、Nb,Zr,TiおよびVの含有量がCおよびNの含有量以下であっても、最終の冷間圧延前に実施する焼鈍の条件を適正化することにより、最終の冷間圧延後に施す均熱処理中の転位の消滅および再結晶が抑制されることを見出した。さらに、Nb,Zr,TiおよびVがCおよびNの含有量を超えて含有されている場合には、さらなる高強度化が可能であるとの知見を得た。本発明はこれらの新知見に基づいて完成されたものである。
0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10-3 (1)
(ここで、式(1)中、Nb、Zr、Ti、V、CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
Nb、Zr、TiおよびVの含有量を上記範囲とすることにより、鋼板の強度をさらに向上させることが可能となるからである。
主要成分が質量%でC:0.002%,Si:2.0%、Mn:0.2%、Al:0.3%、N:0.002%、P:0.01%、S:0.002%であり、Nbの含有量を0.001〜0.15%と変化させた鋼と、主要成分が質量%でC:0.02%、Si:2.0%、Mn:0.2%、Al:0.3%、N:0.002%、P:0.01%、S:0.002%であり、Nbの含有量を0.001〜0.15%と変化させた鋼とに熱間圧延を施して板厚2.3mmとし、800℃で10時間保持する箱焼鈍あるいは1050℃で3分間保持する連続焼鈍の熱延板焼鈍を実施した。その後、板厚0.35mmまで冷間圧延し、700℃で0〜160秒間の種々の時間で保持する均熱処理を施した。そして、均熱処理後の鋼板の引張強さを測定した。
また、図3より、C含有量が0.02%の鋼板に800℃で10時間保持する箱焼鈍による熱延板焼鈍を実施した場合には、Nbを積極的に含有させても、均熱処理の保持時間の増加とともに引張強さが急激に低下することが判明した。鋼組織を調査した結果、均熱処理の保持時間が40秒の段階で全ての鋼板が全面再結晶していた。
さらに、図4より、C含有量が0.02%の鋼板に1050℃で3分間保持する連続焼鈍による熱延板焼鈍を実施した場合には、Nbを積極的に含有させることによって、均熱処理の保持時間が短い場合には十分な引張強さが得られることがわかった。鋼組織を調査した結果、Nbを積極的に含有させた鋼板は、均熱処理の保持時間が40秒までは再結晶することはなかった。
Nb*=Nb/93−C/12−N/14
(ここで、上記式中、Nb、CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
これらの理由については明確でないが、本発明者らは次のように推定する。
すなわち、Nb*<0であっても十分な強度を確保できるのは、比較的高温で熱延板焼鈍を実施することによってNb系の析出物が再固溶し、実質的に固溶Nbによる転位の消滅および再結晶の抑制効果が得られたためであると推察される。また、Nb*>0の場合にさらに強度が向上するのは、上記と同様に、比較的高温で熱延板焼鈍を実施することによってNb系の析出物が再固溶し、固溶Nbの量が増加したためであると推察される。さらに、析出物の再固溶によって生じた固溶Cと固溶Nbには相互作用があるとともに、転位と固溶C、転位と固溶Nbにも相互作用があるため、熱延板焼鈍条件およびNb含有量の適正化による転位の消滅を抑制する効果が、Nb含有量のみの適正化による転位の消滅の抑制効果よりも高くなり、このことがさらなる強度上昇に寄与したものと推察される。
なお、上記式中、Nb,Zr,Ti,V,CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。
以下、本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法について詳細に説明する。
以下、本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法における鋼塊または鋼片、および各工程について説明する。
本発明に用いられる鋼塊または鋼片は、質量%で、C:0.06%以下、Si:3.5%以下、Mn:0.05%以上3.0%以下、Al:2.5%以下、P:0.30%以下、S:0.04%以下、N:0.02%以下を含有し、Nb、Ti、ZrおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.02%以上含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるものである。
なお、各元素の含有量を示す「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味するものである。
以下、鋼組成について説明する。
CはNb,Zr,TiまたはVと結びついて析出物を形成するため、固溶Nb,Zr,TiおよびVの含有量の減少に繋がる。したがって、固溶Nb,Zr,TiおよびVにより、冷間圧延後の均熱処理において進行する転位の消滅および再結晶の進行を抑制するためには、C含有量は低減することが好ましい。しかしながら、過度のC含有量の低減は製鋼コストが増加する点や、C含有量が多くても最終の冷間圧延前に所定の条件で焼鈍を施すことにより析出物を再固溶させれば冷間圧延後の均熱処理中における転位の消滅および再結晶を抑制する効果が得られる点を鑑み、C含有量の上限値は0.06%とする。好ましくは0.04%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。C含有量が0.01%以下であれば、Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)>0なる条件を満たすのに必要なNb,Zr,TiおよびVの含有量が少なくてすむので、さらなる高強度化と製造コストの観点から望ましい。
Siは電気抵抗を高め、渦電流損失を低減する効果を有する元素である。しかしながら、多量のSiを含有させた場合には冷間圧延時の割れを誘発し、鋼板の歩留まり低下により製造コストが増加する。そのためSi含有量は3.5%以下とする。また、割れ抑制の観点からは3.0%以下が好ましい。一方、Siを脱酸剤として使用する場合は0.01%以上含有させることが必要であるが、Alを脱酸剤として使用する場合もあるため、Si含有量の下限値は特に限定しない。固溶強化による鋼板の高強度化という観点からは下限値を1.0%とすることが好ましい。
MnはSiと同様に電気抵抗を高め、渦電流損失を低減する効果がある。しかしながら、Mnを多量に含有させると合金コストが増加するため、Mn含有量の上限は3.0%とする。一方、Mn含有量の下限はSを固定する観点から定められるものであり、0.05%とする。
Alは電気抵抗を高めるためSiと同様に渦電流損失を低減する。しかしながら、多量にAlを含有させると合金コストが増加するとともに、飽和磁束密度低下により磁束の漏れが発生するためモータ効率が低下する。これらの観点からAl含有量の上限は2.5%とする。一方、Alを脱酸剤として使用する場合は0.01%以上含有させることが必要であるが、Siを脱酸剤として使用する場合があるため、Al含有量の下限値は特に限定しない。固溶強化による鋼板の高強度化という観点からは、望ましい下限値は0.2%である。
Pは固溶強化により鋼板の強度を高める効果があるが、多量にPを含有する場合には冷間圧延時の割れを誘発する。そのためP含有量は0.30%以下とする。
Sは鋼中に不可避的に混入する不純物であるが、製鋼段階で低減するにはコストが増加するためS含有量としては0.04%を上限とする。
NはNb,Zr,TiまたはVと結びついて析出物を形成するため、固溶Nb,Zr,TiおよびVの含有量の減少に繋がる。したがって、固溶Nb,Zr,TiおよびVによって最終の冷間圧延後に施す均熱処理中における転位の消滅および再結晶を抑制するためには、N含有量は低減することが好ましい。しかしながら、N含有量が多くてもNb,Zr,TiおよびVの含有量をそれに応じて増加させれば固溶Nb,Zr,TiおよびVの含有量は確保できる点を鑑み、N含有量の上限は0.02%とする。好ましくは0.01%以下である。N含有量が0.005%以下であれば、Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)>0なる条件を満たすのに必要なNb,Zr,TiおよびVの含有量が少なくてすむので、さらなる高強度化と製造コストの観点から望ましい。
均熱処理中の転位の消滅および再結晶を抑制し、加工組織および回復組織を得ることによって回転子に必要な機械特性と磁気特性とを得るためには、析出物を形成していない固溶した状態のNb,Zr,TiまたはVを含有させることが必要である。本発明においては、上述したように最終の冷間圧延前の焼鈍の条件を適正化することによって、Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)の値にかかわらず転位の消滅および再結晶を抑制できるため、Nb,Zr,TiおよびVの含有量としては上述したCおよびNの含有量を考慮する必要はないが、最終の冷間圧延前に所定の条件で焼鈍することにより析出物を再固溶させ、それにより均熱処理中の転位の消滅および再結晶を抑制し、加工組織および回復組織を得るため、Nb,Zr,TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.02%以上含有させることが必要である。
Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)>0 (2)
(ここで、式(2)中、Nb,Zr,Ti,V,CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10-3 (1)
(ここで、式(1)中、Nb、Zr、Ti、V、CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で上述した元素以外の元素を含有させることが可能である。
本発明においては、再結晶粒径の細粒化ではなく再結晶そのものを抑制することにより磁気特性と機械特性の両立を図っているため、この再結晶抑制効果を損なわない範囲でCu,Ni,Cr,Mo,CoおよびWからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有させることができる。これらの元素は鋼板を高強度化する作用を有するので、鋼板の強度をさらに高めるのに有効である。
NiおよびMoは過度に含有させると冷間圧延時の割れの発生やコスト増加につながるため、Ni含有量は0.01%以上2.0%以下、Mo含有量は0.005%以上4.0%以下とすることが好ましい。
Crは鋼板の固有抵抗を増加し、鉄損を低減する効果がある。また耐食性を改善する効果も有する。しかしながら過度にCrを含有させるとコストが増加するため、Cr含有量は0.01%以上15.0%以下とすることが好ましい。
CoおよびWは、過度に含有させるとコストが増加するため、Co含有量は0.01%以上4.0%以下、W含有量は0.01%以上4.0%以下とすることが好ましい。
ここで、REMとは、原子番号57〜71までの15元素、ならびにScおよびYの2元素の合計17元素をさす。
これらの元素を含有させる場合、各元素の含有量はCa:0.03%以下、Mg:0.02%以下、REM:0.1%以下が好ましい。
本発明における熱間圧延工程は、上述した鋼組成を備える鋼塊または鋼片(以下、「スラブ」ともいう)に熱間圧延を施す工程である。
本工程においては、上述した鋼組成を有する鋼を、連続鋳造法あるいは鋼塊を分塊圧延する方法など一般的な方法によりスラブとし、加熱炉に装入して熱間圧延を施す。この際、スラブ温度が高い場合には加熱炉に装入しないで熱間圧延を行ってもよい。
また、熱間圧延の各種条件は特に限定されるものではなく、例えば仕上げ温度が700〜950℃、巻き取り温度が750℃以下など、一般的な条件に従って行えばよい。
本発明における冷間圧延工程は、上記熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板に一回または中間焼鈍をはさむ二回以上の冷間圧延を施し、かつ、最終の冷間圧延前の鋼板に850℃以上1200℃以下の温度で10秒間以上5分間以下の連続焼鈍を施す工程である。このような冷間圧延工程を行うことにより、鋼板を所定の板厚に仕上げるとともに、目的とする強度を得るために必要な転位を導入する。
なお、後述する均熱処理工程後に冷間加工を施すことにより製品の機械特性や板厚などを調整する場合があるが、その冷間加工は冷間圧延ではなく、上記の冷間圧延の回数には数えない。
中間焼鈍をはさむ二回以上の冷間圧延を行う場合であって、冷間圧延前に熱延板焼鈍を行う場合には、最終の冷間圧延前の中間焼鈍の条件を適正化すればよいので、熱延板焼鈍時の焼鈍温度、保持時間、方法(連続焼鈍・箱焼鈍)など、熱延板焼鈍の各種条件は特に限定されるものではなく、熱間圧延鋼板の鋼組成などにより適宜選択するものとする。また、二回以上の中間焼鈍を行う場合には、上述したように最終の冷間圧延前の中間焼鈍の条件を適正化すればよいので、最終の冷間圧延前の中間焼鈍以外の中間焼鈍については、中間焼鈍時の焼鈍温度、保持時間、方法(連続焼鈍・箱焼鈍)など、中間焼鈍の各種条件は特に限定されるものではなく、被圧延材の鋼組成などにより適宜選択するものとする。
本発明における均熱処理工程は、上述した冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板に均熱処理を施し、再結晶部分の面積比率が90%未満の鋼板を得る工程である。
本発明においては、Nb,Zr,TiおよびVの含有量、ならびに最終の冷間圧延前の鋼板に施す焼鈍条件を適正化するものであるため、再結晶を抑制する効果が大きい。上述した図4に例示するように、C含有量が多い場合であっても、通常の無方向性電磁鋼板の均熱処理条件で転位の消滅および再結晶の抑制効果が十分に発揮される。したがって、均熱処理工程での均熱温度が高くとも加工組織および回復組織を得ることができ、特殊な均熱温度の機会を設ける必要がないため生産性を向上させることができる。
本発明においては、上記均熱処理工程後に、一般的な方法に従って、有機成分のみ、無機成分のみ、あるいは有機無機複合物からなる絶縁皮膜を鋼板表面に塗布するコーティング工程を行うことが好ましい。環境負荷軽減の観点から、クロムを含有しない絶縁皮膜を塗布しても構わない。また、コーティング工程は、加熱・加圧することにより接着能を発揮する絶縁コーティングを施す工程であってもよい。接着能を発揮するコーティング材料としては、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂またはメラミン樹脂などを用いることができる。
[実施例1]
下記表1に示す鋼組成を有する鋼を真空溶製し、これらの鋼を1150℃に加熱し、仕上げ温度を820℃、巻き取り温度を580℃として熱間圧延を行い、厚さが2.0mmの熱間圧延鋼板を得た。これらのうち、鋼A〜Hの熱間圧延鋼板に対して、熱延板焼鈍を省略するか、箱焼鈍または連続焼鈍による熱延板焼鈍を実施し、一回の冷間圧延にて板厚0.35mmまで仕上げた。その後、700℃の焼鈍温度で30秒間保持する連続焼鈍による均熱処理を施した。下記表2に熱延板焼鈍条件を示す。
機械特性は、圧延方向を長手方向としたJIS5号試験片を用いた引張試験を行い、降伏点:YP、引張強さ:TSにて評価した。磁気特性としては、JIS C 2550に準じて試験片を採取し、最大磁束密度:1.0T、励磁周波数:400Hzでの鉄損W10/400と磁化力5000A/mでの磁束密度B50とを測定した。再結晶部分の面積比率は、100倍の倍率で撮影した縦断面光学顕微鏡写真を用い、視野中に占める再結晶粒の割合を算出した。結果を表2に示す。
実施例1に記載の熱間圧延鋼板のうち、鋼DおよびHの熱間圧延鋼板に対して、下記表3に示す種々の熱延板焼鈍条件および中間焼鈍条件にて、中間板厚を1.0mmとする二回の冷間圧延を施し、板厚0.27mmまで仕上げた。その後、700℃の焼鈍温度で30秒間保持する連続焼鈍による均熱処理を施した。
得られた鋼板について、実施例1と同様の方法で、磁気特性、機械特性、および再結晶部分の面積比率を調査した。結果を表3に示す。
実施例1に記載の熱間圧延鋼板のうち、鋼D,H,I,J,K,LおよびMの熱間圧延鋼板に対して、下記表4に示す種々の条件で熱延板焼鈍を実施した。次いで、試験番号3-16以外については一回の冷間圧延にて板厚0.35mmまで仕上げた。試験番号3-16は、中間板厚を1.0mm、中間焼鈍を1000℃で1分間保持する連続焼鈍とした二回の冷間圧延にて板厚0.35mmまで仕上げた。その後、これらの鋼板に対して種々の温度で30秒間保持する連続焼鈍による均熱処理を施した。なお、鋼Lを用いた試験番号3-16について二回冷延とした理由は、冷間圧延時の破断を抑制するためである。
得られた鋼板について、実施例1と同様の方法で、磁気特性、機械特性、および再結晶部分の面積比率を調査した。結果を表4に示す。
Nb,Ti,ZrおよびVの含有量が本発明で規定する好ましい範囲(0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10−3)である鋼Hでは、熱延板焼鈍を本発明で規定する条件で実施することにより、同一の均熱温度であっても機械特性が向上した。
試験番号3-13の鋼板は、Si含有量が高いために冷間圧延時に破断した。試験番号3-14の鋼板は、Al含有量が高いために磁束密度が低かった。試験番号3-15の鋼板は、P含有量が高いために冷間圧延時に破断した。試験番号3-16の鋼板は、CおよびMnの含有量が高く、鋼組織がマルテンサイト組織であるために鉄損が著しく増大し、磁束密度も低かった。試験番号3-17の鋼板は、Nb,Zr,TiおよびVの含有量が本発明で規定する好ましい範囲を超えているために冷間圧延時に破断した。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.06%以下、Si:3.5%以下、Mn:0.05%以上3.0%以下、Al:2.5%以下、P:0.30%以下、S:0.04%以下、N:0.02%以下、Cu:8.0%以下、Ni:2.0%以下、Mo:4.0%以下、Cr:15.0%以下、Co:4.0%以下、W:4.0%以下、Sn:0.5%以下、Sb:0.5%以下、Se:0.3%以下、Bi:0.2%以下、Ge:0.5%以下、Te:0.3%以下、B:0.01%以下、Ca:0.03%以下、Mg:0.02%以下、REM:0.1%以下、ならびにTa,Hf,As,Au,Be,Zn,Pb,Tc,Re,Ru,Os,Rh,Ir,Pd,Pt,Ag,Cd,HgおよびPoを総和で0.1%以下を含有し、Nb、Zr、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.02%以上かつ下記式(1)を満足する範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼塊または鋼片に、熱間圧延を施す熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程により得られた熱間圧延鋼板に一回または中間焼鈍をはさむ二回以上の冷間圧延を施し、かつ、最終の冷間圧延前の鋼板に850℃以上1200℃以下の温度で10秒間以上5分間以下の連続焼鈍を施す冷間圧延工程と、前記冷間圧延工程により得られた冷間圧延鋼板に均熱処理を施し、再結晶部分の面積比率が90%未満の鋼板を得る均熱処理工程とを有することを特徴とする回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法。
0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10 -3 (1)
(ここで、式(1)中、Nb、Zr、Ti、V、CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
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