JP5126787B2 - 回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車の駆動モータ、ロボット、工作機械などのサーボモータといった高効率モータの回転子に用いられる回転子用無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。特に、本発明は、高速回転する永久磁石埋め込み式モータの回転子の素材として好適な、優れた機械特性と磁気特性とを兼ね備えた回転子用無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境問題の高まりを受け、多くの分野で省エネルギー、環境対策技術が進展している。特に自動車分野では、排ガス低減、燃費向上技術が求められ、電気自動車、ハイブリッド自動車等に注目が集められている。これらの性能には自動車駆動モータ(以下、単に「駆動モータ」ともいう。)の性能向上が重要である。
駆動モータの多くは、巻き線を施した固定子(ステータ)と永久磁石を配置した回転子(ロータ)から構成され、最近では永久磁石を回転子内部に埋め込んだ形状(永久磁石埋め込み型モータ;IPMモータ)が主流となっている。また、パワーエレクトロニクス技術の進展により回転数の任意制御が可能となり、高速回転傾向となっている。そのため、回転子は高速回転時の遠心力や回転数変動に伴う応力変動を常時受ける。このため、回転子の素材にはこのような遠心力や応力変動に耐えうる機械特性が必要となる。
また、高速回転に伴い鉄心素材は商用周波数(50、60Hz)以上の高周波域(400Hz〜数kHz)で励磁される。このため、これらの周波数域を含めた磁気特性が要求される。
また、ロボット、工作機械用のサーボモータ分野についても、駆動モータと同様に回転数の高速化が今後進行していくと予測される。
従来、駆動モータの固定子は主に打ち抜き加工した無方向性電磁鋼板を積層させることにより製造されていたが、回転子はロストワックス鋳造法あるいは焼結法などにより製造されることがあった。これは固定子には優れた磁気特性が、回転子には堅牢な機械特性が要求されることによる。しかしながら、モータ性能は回転子−固定子間のエアギャップに大きく影響されるため、ロストワックス鋳造法あるいは焼結法などにより製造される回転子では、精密加工の必要性が生じて鉄心製造コストが大幅に増加するという問題があった。コスト削減の観点からは、打ち抜き加工した電磁鋼板を使用すればよいが、回転子に必要な磁気特性と機械特性とを兼備し、さらに生産性が良好な無方向性電磁鋼板は見出されていないのが現状であった。
優れた機械特性を有する電磁鋼板として、特許文献1〜8に各種の電磁鋼板が提案されている。
特許文献1に開示された電磁鋼板は固溶強化を利用するものであり、冷間圧延が困難であるため温間圧延という特殊工程を必要とする。このため、生産性向上や歩留まり向上など改善の余地がある。
また、特許文献2〜6に開示された電磁鋼板は、固溶強化および析出強化を利用し、Niを多量に添加するものである。このため、冷間圧延時に割れが多発したり合金コストが増加したりするといった課題が残っている。
また、特許文献7に開示された永久磁石埋め込み型モータ用無方向性電磁鋼板は、結晶粒微細化により強化するものであるが、駆動モータの回転子としては強度が不足している。
一方、特許文献8には、転位強化を利用した電磁鋼板が提案されている。この方法によれば上述した問題を伴うことなく高い強度が得られる。ここで、転位強化を利用した場合において、磁気特性を向上させるには、熱処理を施すことにより加工組織を回復させて回復組織とする必要がある。しかしながら、特許文献8においては、TiおよびNbの含有量を不可避的不純物レベルとする、あるいは低減することを基本としているため、熱処理工程における再結晶の制御が困難であり、したがって、熱処理を施した場合に高い強度を安定的に得ることはできない。また、鋼板中の加工組織の存在比(再結晶率)により組織を限定しており、加工組織の面積率は再結晶組織と加工組織(再結晶組織以外の組織)を区別できる手法による断面組織観察により測定するとしているが、加工組織の回復の程度は組織観察で確認することができないため、目的とする機械特性と磁気特性とを安定して両立させることが困難である。
また、JIS C 2552に規定の無方向性電磁鋼板としては、いわゆる高グレード無方向性電磁鋼板(35A210,35A230など)が最も合金含有量が高く高強度であるが、機械特性レベルは上述の高張力電磁鋼板を下回っており、高速回転する駆動モータの回転子としては強度不足である。
特開昭60-238421号公報 特開平1−162748号公報 特開平2−8346号公報 特開平6−330255号公報 特開2001−234302号公報 特開2002−146493号公報 特開2001−172752号公報 特開2005−113185号公報
上述したように、無方向性電磁鋼板の高強度化については従来から種々の方法が提案されているが、固溶強化および析出強化では冷間圧延の母材も強化されてしまうため冷間圧延性に劣るという問題があり、結晶粒微細化による高強度化ではその強化量が不十分であるため回転子用途として実用に耐える強度を実現することができないという問題がある。また、本発明者らは変態強化についても検討を行ったが、変態強化ではマルテンサイト等の変態組織が鉄損を著しく増大させ、回転子用途として実用に耐える磁気特性を実現することができないことが判明した。また、転位強化では、従来、転位強化に適した化学組成についての検討が十分になされていなかったため、高い強度を安定的に得ることはできないという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑み、高速回転するモータ回転子に必要な優れた機械特性および磁気特性を確実に兼備する無方向性電磁鋼板を提供することを主目的とする。
本発明者らは、回転子に適した磁気特性と機械特性とを兼ね備えた無方向性電磁鋼板の有するべき鋼組織について種々検討を行い、加工硬化による高強度化に着目し、加工時に導入される転位は鉄損に及ぼす影響が比較的小さいとの知見を得て、従来の無方向性電磁鋼板の完全な再結晶フェライト組織とは全く逆の技術思想により、鋼板の組織を多量の転位が残存した回復状態の組織(以下、「回復組織」と称する)とすることにより、回転子に要求される磁気特性および機械特性が得られることを見出した。さらに、回復組織を得るためには、Nb,Zr,TiおよびVの含有量を所定の範囲とすることが極めて有効であることを見出し、これらの知見に基づいて、高速回転するモータの回転子用途として必要な優れた機械特性と磁気特性とを具備する無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提案している(特開2006−9048号公報、特開2006−70296号公報)。
これらの発明は、特許文献8に記載された発明に比して、熱処理工程における再結晶挙動の制御を容易にしていることから、回転子に要求される磁気特性および機械特性を安定して得ることを可能にする優れた発明である。しかしながら、これらの発明において優れた磁気特性を得るには、鋼板が回復組織を有するようにする必要があるが、単に組織観察により加工組織の残存割合(再結晶率)を限定するのみであり、組織観察では加工組織の回復の程度を確認することができない為、目的とする機械特性と磁気特性をさらに高い精度で安定して両立させることが困難であるという問題点があった。
そこで、加工組織の回復の程度を把握することにより、目的とする機械特性と磁気特性をより高い精度で安定して両立させることについて、以下のように鋭意検討を行った。
冷間圧延後の鋼板が有する加工組織は、熱処理を施すことによりまず回復が起こるが、組織観察においては何ら変化が見られない。しかしながら、加工によって結晶内部に蓄えられた歪が、回復時に開放されていくため、結晶構造の歪には変化が見られる。その後、初期再結晶が起き、再結晶完了へと至るが、ここで生じる結晶粒は、歪のない新しい結晶粒であるため、この段階においても巨視的な結晶構造の歪は連続的に変化する。
そこで、目的とする機械特性と磁気特性を得ることができる結晶構造の歪量について検討したところ、結晶構造の歪を0.20〜0.50の範囲とすることにより、目的とする機械特性と磁気特性をより高い精度で安定して両立させることが可能であることを新たに知見した。
また、冷間圧延後のフルハード状態(未焼鈍)の鋼板の強度から、熱処理により回復状態とした際の鋼板の強度が推定可能であることを突き止め、フルハード状態の鋼板の引張強さを800MPa以上とし、熱処理により鋼板の結晶構造の歪を0.20〜0.50の範囲とすることで、高速回転用モータの回転子として必要な特性を得ることが可能となること、さらには鋼板の結晶構造の歪が0.20〜0.50の範囲であれば、冷間圧延後、最終の熱処理の方法や条件は特性に影響しないことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.060%以下、Si:1.0%以上4.0%以下、Mn:0.05%以上3.0%以下、Al:2.5%以下、P:0.30%以下、S:0.040%以下、N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、結晶構造の歪Pが0.20以上0.50以下であることを特徴とする回転子用無方向性電磁鋼板を提供する。
一般に、無方向性電磁鋼板を製造する際、熱間圧延工程により得られた鋼板に冷間圧延が施され、次いで再結晶および結晶粒成長を目的として熱処理(仕上焼鈍)が施される。本発明においては熱処理時に再結晶が抑制された回復組織を主体とする鋼板を確実に得る為、結晶構造の歪を適正に制御することにより、高強度の無方向性電磁鋼板を製造することができる。このような鋼板の高強度化は、冷間圧延に供する鋼板、すなわち冷間圧延の母材の高強度化を伴うことがないので、冷間圧延時の破断を抑制することができるという利点を有するとともに、所望の強度を非常に高い精度で確保することが可能となる。さらに本発明によれば、所定の鋼組成を備える鋼塊または鋼片を用いることにより、機械特性だけでなく磁気特性も良好な無方向性電磁鋼板を製造することができる。
上記発明においては、上記化学組成が、Feの一部に代えて、Nb,Zr,TiおよびVからなる群から選ばれた一種または二種以上の元素を下記式(1)を満足する範囲で含有することが好ましい。
0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10-3 (1)
(ここで、式中のNb,Zr,Ti,V,CおよびNは、各元素の含有量(単位:質量%)を表す。)
Nb,Zr,Ti,Vは、固溶した状態で鋼板中に存在することにより、熱処理中の転位の消滅、および再結晶の進行を抑制する効果を有するからである。
また、本発明は、上述の化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施した後、結晶構造の歪Pを測定する測定工程を備えることを特徴とする回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
本発明によれば、結晶構造の歪Pは非破壊で測定することが可能であるので、熱処理時に結晶構造の歪Pをオンラインで測定することにより、ストリップ全長にわたり所望の特性が得られているかを確認することが可能である。
上記発明においては、上記測定工程により測定された上記結晶構造の歪Pに基づいて熱処理の温度および/または時間を調整する調整工程を備えることが好ましい。結晶構造の歪Pの測定結果に基づいて熱処理の温度および/または時間を制御することにより、ストリップ全長にわたり結晶構造の歪Pを所望の範囲とすることを容易に行うことができるからである。
本発明によれば、鋼板の歪状態を所定の範囲とすることにより、高速回転するモータの回転子として必要な優れた機械特性と磁気特性を確実に兼備した無方向性電磁鋼板を、多大なコスト増加を招くことなく、通常の生産設備、工程により得ることが可能となる。そのため、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動モータ分野などにおける回転数の高速化に十分対応でき、その工業的価値は極めて高い。
以下、本発明の回転子用無方向性電磁鋼板およびその製造方法について詳細に説明する。
A.回転子用無方向性電磁鋼板
本発明の回転子用無方向性電磁鋼板は、質量%で、C:0.060%以下、Si:1.0%以上4.0%以下、Mn:0.05%以上3.0%以下、Al:2.5%以下、P:0.30%以下、S:0.040%以下、N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、結晶構造の歪Pが0.20以上0.50以下であることを特徴とするものである。
なお、各元素の含有量を示す「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味する。
以下、本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の化学組成および結晶構造の歪について説明する。
1.化学組成
(1)C
Cは、不純物として鋼中に含有され、鉄損を増加させるとともに、回転機として使用中に磁気時効によって磁気特性の劣化を生じさせる元素である。このため、C含有量は少ないほど好ましい。また、Cは、Nb,Zr,Ti,Vと結びついて析出物を形成する。すなわち、C含有量が少ないほど鋼板中に固溶Nb,Zr,Ti,Vを存在させることができる。回転子として必要な特性を得るには、固溶Nb,Zr,Ti,Vにより熱処理時の転位の消滅や再結晶の進行を抑制することが有効であるので、このような観点からもC含有量の低減は好ましい。これらの点を鑑み、C含有量は0.060%以下とする。好ましくは0.020%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
(2)Si
Siは、電気抵抗を高め、渦電流損失を低減させる作用を有する元素である。また、固溶強化により鋼板を高強度化させて、回転子として必要な強度を得るのに有効な元素である。したがって、Si含有量を1.0%以上とする。好ましくは1.5%以上である。一方、Si含有量が過剰になると、冷間圧延時の割れや部品への打ち抜き加工時の割れが生じやすくなる。このため、Si含有量は4.0%以下とする。好ましくは3.8%以下であり、さらに好ましくは3.5%以下である。
(3)Mn
Mnは、Siと同様に、電気抵抗を高め、渦電流損失を低減させる作用を有する元素である。また、Sと結合してこれを固定することにより、熱間脆性を防ぐ作用も有する。したがって、本発明においては、Mn含有量を0.05%以上とする。一方、Mn含有量が過剰になると合金コストの増加を招く。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。
(4)Al
Alは、Siと同様に、電気抵抗を高め、渦電流損失を低減させる作用を有する元素である。また、脱酸により鋼板を健全化する作用も有する。Alを脱酸剤として使用する場合は0.010%以上含有させることが好ましいが、本発明においては脱酸剤であるSiを1.0%以上含有するので、Al含有量の下限値は特に限定しない。固溶強化による鋼板の高強度化という観点からは、Al含有量を0.20%以上とすることが好ましい。一方、Al含有量が過剰になると、飽和磁束密度が低下して磁束の漏れが大きくなり、モータ効率が低下する。したがって、Al含有量は2.5%以下とする。
(5)P
Pは、不純物として鋼中に含有される元素であるが、固溶強化により鋼板の強度を高める作用も有する。したがって、積極的に含有させても構わない。しかしながら、P含有量が過剰になると、冷間圧延時の割れを誘発する。そのためP含有量は0.30%以下とする。
(6)S
Sは、不純物として鋼中に含有され、Mnと結合することによりMnを浪費してしまう。したがって、S含有量は低いほど好ましい。しかしながら、Sの過剰な低減は製鋼段階でのコストを著しく増加させる。このため、S含有量は0.040%以下とする。
(7)N
Nは、不純物元素であり、Nb,Zr,Ti,Vと結びついて析出物を形成する。このため、固溶Nb,Zr,Ti,Vの含有量の減少に繋がる。固溶Nb,Zr,TiおよびVによって再結晶を抑制する場合には、N含有量は低減することが好ましいので、N含有量を0.020%以下とする。
(8)Nb,Zr,Ti,V
Nb,Zr,Ti,Vは、固溶した状態で鋼板中に存在することにより、仕上焼鈍等の熱処理中の転位の消滅、および再結晶の進行を抑制する効果を有する。このため、回転子に必要な特性を得るために有効な元素であり、式(1)の範囲で少なくとも1種の元素を含有させることが望ましい。
0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10-3 (1)
(ここで、式(1)中、Nb、Zr、Ti、V、CおよびNはそれぞれの元素の含有量(質量%)を示す。)
(9)その他
本発明は、再結晶組織を前提とした従来技術とは異なり、多くの転位が残存した加工組織および回復組織とすることにより強度を高めるものであるから、再結晶組織を前提とした従来技術において制限されていた元素の含有をより高いレベルまで許容することができる。例えば、Cu,Ni,Cr,Mo,Co,W,Sn,Sb,Se,Bi,Ge,Te,B,Ca,Mg,REM,Ta,Hf,As,Au,Be,Zn,Pb,Tc,Re,Ru,Os,Rh,Ir,Pd,Pt,Ag,Cd,HgおよびPoを総和で0.10%以下含有することができる。
ここで、REMとは、原子番号57〜71の15元素、ならびに、ScおよびYの2元素の合計17元素をさす。
2.結晶構造の歪P
本発明においては、結晶構造の歪Pを、X線回折により得られる回折パターンの{211}面を示すピークから、バックグラウンドおよびKα2のピークを除去したKα1のピーク半価幅β(deg)により評価する。半価幅β測定の模式図を図1に示す。{211}のX線回折パターンからバックグラウンドおよびKα2のピークを除去し、残るピークであるKα1のピーク半価幅をβとする。
回転子に必要な特性を得るためには、冷間圧延後の熱処理時に、圧延組織から回復組織、再結晶組織となる過程において、回復組織、あるいは部分再結晶組織に制御することが有効である。半価幅βが過大である場合には、鋼板中に転位が多量に残存し、結晶の歪が大きい状態にあり、回転子として必要な強度を得ることができるが、鉄損が高くなるため、回転子として必要な磁気特性を得ることができない。したがって、半価幅βは0.50以下とする。一方、半価幅βが過小である場合には、再結晶が進み磁気特性は良好となるが、強度が低下してしまうため、回転子として必要な強度を得ることができなくなる。このため、半価幅βは0.20以上とする。
すなわち、結晶構造の歪Pは0.20以上0.50以下とする。好ましくは、結晶構造の歪Pは0.30以上0.40以下である。
B.回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法
本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法は、上述の化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施した後、結晶構造の歪Pを測定する測定工程を備えることを特徴とするものである。
本発明においては、上述したように、結晶構造の歪Pを半価幅βにより評価する。半価幅βは非破壊で測定することが可能であるので、仕上焼鈍等の熱処理時に半価幅βをオンラインで測定することにより、ストリップ全長にわたり回転子として良好な特性が得られているかを確認することが可能である。
また、本発明においては、上記測定工程により測定された上記結晶構造の歪Pに基づいて熱処理の温度および/または時間を調整する調整工程を備えることが好ましい。半価幅βの測定結果に基づいて熱処理の温度および/または時間を制御することにより、ストリップ全長にわたり半価幅βを0.20以上0.50以下とすることを容易に行うことができるからである。
本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法は、上記測定工程を備え、好ましくは上記調整工程も備えていればよいが、通常、上述の化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施す熱処理工程を備えるものである。
以下、本発明の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法における各工程について説明する。
1.測定工程
本発明における測定工程は、上述の化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施した後、結晶構造の歪Pを測定する工程である。
本工程においては、冷延鋼板に熱処理を施した後、結晶構造の歪Pを測定すればよく、例えば、熱処理時にオンラインで結晶構造の歪Pを測定してもよく、熱処理後にオフラインで結晶構造の歪Pを測定してもよい。中でも、熱処理時にオンラインで結晶構造の歪Pを測定する場合には、ストリップ全長にわたり所望の特性が得られているかを容易に確認することができる。また、後述の調整工程を行う場合には、結晶構造の歪Pをオンラインで測定し、最適の熱処理条件を求めて、それ以降の熱処理条件をリアルタイムで制御することも可能となる。
なお、結晶構造の歪Pの測定方法については、上記「A.回転子用無方向性電磁鋼板 2.結晶構造の歪P」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.調整工程
本発明における調整工程は、上記測定工程により測定された結晶構造の歪Pに基づいて熱処理の温度および/または時間を調整する工程である。
本工程においては、熱処理後の結晶構造の歪Pが0.20以上0.50以下、好ましくは0.30以上0.40以下となるように、結晶構造の歪Pに基づいて熱処理の温度および/または時間を調整することが好ましい。
具体的に、上記測定工程により測定された結晶構造の歪Pが過大である場合には、熱処理の温度をより高温にしたり、熱処理の時間をより長時間にしたりすることにより、熱処理後の結晶構造の歪Pを所望の範囲とすることができる。一方、上記測定工程により測定された結晶構造の歪Pが過小である場合には、熱処理の温度をより低温にしたり、熱処理の時間をより短時間にしたりすることにより、熱処理後の結晶構造の歪Pを所望の範囲とすることができる。
3.熱処理工程
本発明における熱処理工程は、上述の化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施す工程である。
熱処理条件は、冷延鋼板の化学組成やそれまでの熱処理条件などに応じて、熱処理工程後の結晶構造の歪が所望の範囲となるように、設定することができる。また、上記の測定工程および調整工程により最適の熱処理の温度および/または時間を求め、フィードバック制御によって熱処理の温度および/または時間を修正することもできる。
熱処理としては、一般に冷間圧延後に行われる熱処理工程で行えばよく、例えば、通常仕上焼鈍が施される工程で行うことが挙げられる。
熱処理の温度および時間以外の熱処理条件としては、熱処理の種類に応じて適宜選択されるものであり、一般的な条件であればよい。
4.その他の工程
本発明の冷延鋼板は、通常、上述の化学組成を有する鋼塊または鋼片(以下、「スラブ」ともいう。)に熱間圧延を施す熱間圧延工程と、熱延鋼板に酸洗を施す酸洗工程と、酸洗を施した熱延鋼板に冷間圧延を施す冷間圧延工程を経て製造されるが、いずれの工程も常法で行えばよい。また、熱延鋼板に焼鈍を施す熱延板焼鈍工程を備えていてもよい。
冷間圧延工程を行う際には、冷間圧延ままのフルハード状態の鋼板の引張強さを、800MPa以上とすることが好ましい。冷間圧延ままのフルハード状態の鋼板の強度から、熱処理後の回復状態とした際の鋼板の強度が推定可能だからである。冷間圧延ままのフルハード状態の鋼板の強度を上記範囲とし、かつ、熱処理後の鋼板の結晶構造の歪を上述の範囲とすることで、高速回転用モータの回転子として必要な特性を得ることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を例示して、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
下記表1に示す鋼のうち、Aの化学組成を有する連続鋳造スラブを、1150℃に加熱し、熱間圧延により板厚2.0mmの熱延鋼板を得た。その後、酸洗、熱延板焼鈍を施し、冷間圧延により板厚0.35mmとした鋼板を、下記表2に示す条件にて熱処理を実施した。熱処理は、通常仕上焼鈍が施される工程において実施した。
得られた鋼板について、磁気特性、機械特性、結晶の歪、および再結晶率を評価した。結果を表2に示す。
機械特性は、圧延方向を長手方向としたJIS5号試験片を用いた引張試験を行い、降伏点:YP、引張強さ:TSにて評価した。また、あわせて全伸び:Elも測定した。
磁気特性は、JIS C 2550に準じて試験片を採取し、評価した。磁気特性としては、最大磁束密度:1.5T、励磁周波数:50Hzでの鉄損W15/50と、最大磁束密度:1.0T、励磁周波数:400Hzでの鉄損W10/400と、磁化力5000A/mでの磁束密度B50とを測定した。
結晶の歪は、X線回折パターンにより{211}面の回折線のうち、Kα1のピーク半価幅(deg)により評価した。
再結晶率(%)は圧延方向断面の金属組織写真から下記式(2)により判定した。
再結晶率(%)=再結晶面積/観察面積×100 (2)
Figure 0005126787
Figure 0005126787
No.1〜8および25の鋼板は、未再結晶組織を有しているが、半価幅が本発明の範囲外であるため、回復が十分でなく、回転子として良好といえる磁気特性を有していない。一方、No.21の鋼板は、一部再結晶組織であるが、半価幅が0.20未満で本発明範囲外であるため、回転子として必要な機械特性を有していない。No.22,23,27,29は完全再結晶組織を有しており、また半価幅が0.20未満で本発明範囲外であり、必要な機械特性を有していない。
No.9〜20および26,28,30の鋼板は半価幅が本発明範囲内であり、回転子として良好な機械特性および磁気特性を兼ね備えている。
本実施例で示すように、未再結晶組織を有する鋼板であっても、半価幅が0.20〜0.50である鋼板のみが、良好な機械特性および磁気特性を兼備し、一部未再結晶組織を有する場合も、半価幅が0.20〜0.50の範囲であれば良好な特性が得られることがわかる。また、熱処理条件が異なる場合も半価幅が本発明範囲であれば、良好な特性を有しており、どのような熱処理条件、熱処理設備であっても、半価幅を本発明範囲とすることが肝要であることがわかる。
また、No.13,14および24の鋼板は半価幅の測定を、熱処理を行う連続焼鈍ラインにてオンラインで実施した。オンライン測定においても、半価幅が0.20〜0.50である鋼板は所望の特性を有しており、連続測定によりストリップ全長の特性を非破壊で確認することが可能であることがわかる。
また、半価幅と引張り強さの関係を図2に示す。未再結晶組織の鋼板は、組織観察では回転子として必要な特性を有するか否かを精度よく区別することが困難であるが、半価幅により、回転子として必要な特性を有するか否かを非常に高い精度で区別することが可能となる。
[実施例2]
上記表1に示す鋼のうちB〜Iの組成を有する連続鋳造スラブを、1150℃に加熱し、熱間圧延により板厚2.0〜2.3mmの熱延鋼板を得た。その後、酸洗、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、冷間圧延により板厚0.35mmあるいは0.50mmとした鋼板を、本発明範囲の半価幅が得られるよう熱処理を実施した。
冷間圧延ままのフルハードと、本発明範囲の半価幅とした鋼板について、磁気特性、機械特性、結晶の歪、および再結晶率を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005126787
No.31,33,35,37,39,41,43,45の鋼板は冷間圧延ままのフルハードを評価したものであり、半価幅はいずれも0.50以上であり、必要な磁気特性を有していない。
No.32,34,36,38,40,42,44,46は上記フルハードを、半価幅が0.20〜0.50の範囲となるように熱処理を施したものであるが、このうち、No.32,34,36,38,40は回転子として必要な機械特性を得られているが、No.42では必要な機械特性は得られていない。
本実施例で示すように、結晶の歪状態を示す半価幅が本発明範囲の0.20〜0.50であっても、フルハード状態において機械特性が低い鋼では、必要な機械特性が得られないことがわかる。すなわち、1.0%以上のSiを含有する鋼で、本発明の半価幅を有する鋼板が、回転子に必要な磁気特性および機械特性を兼ね備えることがわかる。
半価幅β計測の模式図である。 鋼Aにおける、半価幅と引張強さの関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.060%以下、Si:1.0%以上4.0%以下、Mn:0.05%以上3.0%以下、Al:2.5%以下、P:0.30%以下、S:0.040%以下、N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する冷延鋼板に熱処理を施した後、結晶構造の歪Pを測定する測定工程を備えることを特徴とする回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、Nb,Zr,TiおよびVからなる群から選ばれた一種または二種以上の元素を下記式(1)を満足する範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法。
    0<Nb/93+Zr/91+Ti/48+V/51−(C/12+N/14)<5×10 -3 (1)
    (ここで、式中のNb,Zr,Ti,V,CおよびNは、各元素の含有量(単位:質量%)を表す。)
  3. 前記測定工程により測定された前記結晶構造の歪Pに基づいて熱処理の温度および/または時間を調整する調整工程を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転子用無方向性電磁鋼板の製造方法。
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