JP2002098180A - シュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキ - Google Patents

シュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキ

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JP2002098180A
JP2002098180A JP2000290625A JP2000290625A JP2002098180A JP 2002098180 A JP2002098180 A JP 2002098180A JP 2000290625 A JP2000290625 A JP 2000290625A JP 2000290625 A JP2000290625 A JP 2000290625A JP 2002098180 A JP2002098180 A JP 2002098180A
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brake
shoe
strut
lever
brake shoe
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Keiichi Tsurumi
茎一 鶴見
Naochika Mitsuoka
直躬 三岡
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Hosei Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Hosei Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストラットを簡単且つコンパクトに構成して
ドラムブレーキに対する組付作業性を向上させるととも
に、シュー間隙の自動調節が高い精度で行われるように
する。 【解決手段】 パーキングブレーキレバー34をブレー
キシュー14に回動可能に配設し、第1ストラット部材
40にはアジャストレバー52のみを回動可能に配設し
たので、ストラット30が簡単且つコンパクトに構成さ
れてドラムブレーキ8に対する組付作業性が向上すると
ともに、アジャストレバー52が配設される取付軸56
に大きな荷重が作用する恐れがないため、摩耗によるガ
タツキなどでシュー間隙の自動調節精度が損なわれる恐
れがない。また、捩りコイルスプリング58の付勢力に
従ってアジャストレバー52が過度に回動することを阻
止するストッパ52cが設けられているため、ストラッ
ト30をブレーキシュー12と14との間に組み付ける
組付作業性が一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シュー間隙自動調
節機構を備えた車両用ドラムブレーキに関し、特に、ア
ジャストレバーをストラットに配設した車両用ドラムブ
レーキの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a) 拡開可能な一対の第1ブレーキシュ
ーおよび第2ブレーキシューにそれぞれ係合させられる
一対の第1ストラット部材および第2ストラット部材
と、それ等の間に相対回転可能に配設されて少なくとも
一方のストラット部材に螺合されているアジャスタホイ
ールとを有し、非制動時における前記一対の第1ブレー
キシューおよび第2ブレーキシューの接近位置を規定す
るストラットと、(b) 前記第1ストラット部材に一軸ま
わりの回動可能に配設されるとともに、捩りコイルスプ
リングによって第1係合部が前記第1ブレーキシューと
係合する一回動方向へ付勢され、常用ブレーキ時にその
第1ブレーキシューと前記第2ブレーキシューとが拡開
させられるのに伴って、前記ストラットを一体的に前記
第2ブレーキシュー側へ移動させながらその拡開量に対
応してその一回動方向へ回動させられるとともに、第2
係合部が前記アジャスタホイールに係合させられてその
拡開量に応じてそのアジャスタホイールを回転させるア
ジャストレバー、を有し、(c)そのアジャスタホイール
の回転に伴ってねじの作用で前記ストラットの全長が伸
長し、非制動時における前記第1ブレーキシューおよび
第2ブレーキシューの接近位置を離間させて回転ドラム
との間のシュー間隙を自動的に調節するシュー間隙自動
調節機構を備えている車両用ドラムブレーキが、例えば
特公昭54−4026号公報に記載されている。このよ
うなシュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキ
によれば、例えばブレーキシューの摩耗に起因して回転
ドラムとブレーキシューとの間のシュー間隙が大きくな
り、制動時のブレーキシューの拡開量が予め定められた
一定量を越えると、前記アジャストレバーによってアジ
ャスタホイールが回転させられてストラットが伸長させ
られ、シュー間隙が予め設定された略一定の値となるよ
うに自動的に調節されて、制動時のブレーキペダルの踏
込みストロークやパーキングブレーキ操作レバーの操作
量が略一定に維持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のシュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレー
キは、前記アジャストレバーと共にパーキングブレーキ
レバーが前記一軸まわりに配設されていたため、ストラ
ットの構造が複雑で組付作業性が悪いとともに、パーキ
ングブレーキ時に一軸に大きな荷重が作用するためガタ
ツキが生じ易く、シュー間隙の自動調節精度が損なわれ
る恐れがあった。また、アジャストレバーを捩りコイル
スプリングと共に予めストラットに組み付けると、アジ
ャストレバーの回動を阻止する機構が無いため、ドラム
ブレーキに組み付ける段階で捩りコイルスプリングを弾
性変形させながら第1係合部を第1ブレーキシューに係
合させる必要があり、組付作業が面倒であった。更に、
捩りコイルスプリングを利用してアジャストレバーの第
2係合部をアジャスタホイールに押圧するようになって
いるが、その押圧力がばらつくなどして必ずしも十分に
満足できなかった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、ストラットを簡単且
つコンパクトに構成してドラムブレーキに対する組付作
業性を向上させるとともに、シュー間隙の自動調節が高
い精度で行われるようにする一方、アジャストレバーの
第2係合部が略一定の押圧力でアジャスタホイールに押
圧されるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、第1発明は、(a) 拡開可能な一対の第1ブレーキシ
ューおよび第2ブレーキシューにそれぞれ係合させられ
る一対の第1ストラット部材および第2ストラット部材
と、それ等の間に相対回転可能に配設されて少なくとも
一方のストラット部材に螺合されているアジャスタホイ
ールとを有し、非制動時における前記一対の第1ブレー
キシューおよび第2ブレーキシューの接近位置を規定す
るストラットと、(b) 前記第1ストラット部材に一軸ま
わりの回動可能に配設されるとともに、捩りコイルスプ
リングによって第1係合部が前記第1ブレーキシューと
係合する一回動方向へ付勢され、常用ブレーキ時にその
第1ブレーキシューと前記第2ブレーキシューとが拡開
させられるのに伴って、前記ストラットを一体的に前記
第2ブレーキシュー側へ移動させながらその拡開量に対
応してその一回動方向へ回動させられるとともに、第2
係合部が前記アジャスタホイールに係合させられてその
拡開量に応じてそのアジャスタホイールを回転させるア
ジャストレバー、を有し、(c) そのアジャスタホイール
の回転に伴ってねじの作用で前記ストラットの全長が伸
長し、非制動時における前記第1ブレーキシューおよび
第2ブレーキシューの接近位置を離間させて回転ドラム
との間のシュー間隙を自動的に調節するシュー間隙自動
調節機構を備えている車両用ドラムブレーキにおいて、
(d) 前記ストラットを前記第1ブレーキシューまたは第
2ブレーキシュー側へ移動させることにより、作用・反
作用でその第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシュ
ーを拡開して制動力を発生させるパーキングブレーキレ
バーを、その第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシ
ューの何れか一方に回動可能に配設したことを特徴とす
る。
【0006】第2発明は、第1発明のシュー間隙自動調
節機構付き車両用ドラムブレーキにおいて、(a) 前記ア
ジャストレバーは、前記ストラットを前記第1ブレーキ
シューおよび第2ブレーキシューに跨がって配設する前
に、前記捩りコイルスプリングと共に前記第1ストラッ
ト部材に取り付けられるもので、(b) その第1ストラッ
ト部材またはアジャストレバーには、前記捩りコイルス
プリングの付勢力に従ってそのアジャストレバーが過度
に回動することを阻止するストッパが設けられているこ
とを特徴とする。
【0007】第3発明は、第1発明または第2発明のシ
ュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキにおい
て、前記アジャストレバーの基端部であって前記捩りコ
イルスプリングが着座させられる部分には傾斜部が設け
られ、その傾斜部がその捩りコイルスプリングによって
押圧されることにより、前記第2係合部が前記アジャス
タホイールに押圧されるようになっていることを特徴と
する。
【0008】第4発明は、第1発明または第2発明のシ
ュー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキにおい
て、前記捩りコイルスプリングは、前記アジャストレバ
ーとの係止位置を前記一軸側へ引張するように弾性変形
させられた状態でそのアジャストレバーに係止されてい
るとともに、その係止位置は、その引張力によって生じ
るモーメントにより前記第2係合部が前記アジャスタホ
イールに押圧されるように定められていることを特徴と
する。
【0009】
【発明の効果】このようなシュー間隙自動調節機構付き
車両用ドラムブレーキにおいては、パーキングブレーキ
レバーが第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシュー
の何れか一方に回動可能に配設されているため、アジャ
ストレバーと共に一軸まわりの回動可能に第1ストラッ
ト部材に配設する場合に比較して、ストラットが簡単且
つコンパクトに構成されてドラムブレーキに対する組付
作業性が向上する。また、アジャストレバーが配設され
る一軸に大きな荷重が作用する恐れがないため、摩耗に
よるガタツキなどでシュー間隙の自動調節精度が損なわ
れる恐れがない。
【0010】第2発明では、ストラットを第1ブレーキ
シューおよび第2ブレーキシューに跨がって配設する前
に、アジャストレバーが捩りコイルスプリングと共に第
1ストラット部材に取り付けられるが、その捩りコイル
スプリングの付勢力に従ってアジャストレバーが過度に
回動することを阻止するストッパが設けられているた
め、アジャストレバーの第1係合部が第1ブレーキシュ
ーと係合するように、ストラットを第1ブレーキシュー
と第2ブレーキシューとの間に組み付ける作業を容易且
つ迅速に行うことができる。
【0011】第3発明では、アジャストレバーの基端部
であって捩りコイルスプリングが着座させられる部分に
傾斜部が設けられ、その傾斜部が捩りコイルスプリング
によって押圧されることにより、第2係合部がアジャス
タホイールに押圧されるようになっているため、アジャ
ストレバーの回動に伴ってアジャスタホイールが確実に
回転させられてシュー間隙の自動調節が行われる。その
場合に、第2係合部をアジャスタホイールに対して押圧
する押圧荷重は上記傾斜部の傾斜角度などによって定ま
るため、その押圧荷重のばらつきが抑制され、シュー間
隙の自動調節精度が向上する。
【0012】第4発明では、捩りコイルスプリングが、
アジャストレバーとの係止位置を一軸側へ引張するよう
に弾性変形させられた状態でそのアジャストレバーに係
止されているとともに、その係止位置は、その引張力に
よって生じるモーメントにより第2係合部がアジャスタ
ホイールに押圧されるように定められているため、アジ
ャストレバーの回動に伴ってアジャスタホイールが確実
に回転させられてシュー間隙の自動調節が行われる。そ
の場合に、第2係合部をアジャスタホイールに対して押
圧する押圧荷重は上記係止位置や引張力の大きさによっ
て定まるため、その押圧荷重のばらつきが抑制され、シ
ュー間隙の自動調節精度が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、リーディング・トレー
リング型車両用ドラムブレーキに好適に適用されるが、
アジャスタホイールを有するストラットによってシュー
間隙を自動調節するシュー間隙自動調節機構を有する他
の車両用ドラムブレーキにも適用され得る。
【0014】また、アジャストレバーによるシュー間隙
の自動調節は、一対のブレーキシューの拡開時にアジャ
ストレバーでアジャスタホイールを回転させるもので
も、制動解除に伴って一対のブレーキシューが接近させ
られる際にアジャストレバーでアジャスタホイールを回
転させるものでも良い。アジャスタホイールには、例え
ば外周部に鋸歯などが設けられてストラットを伸長させ
る一方向へのみ回転させられるように構成される。
【0015】アジャスタホイールは、一対のストラット
部材の少なくとも一方に螺合されておれば良いが、捩れ
が反対のねじを介して両方のストラット部材に螺合され
るようにしても良い。一方のみに螺合される場合、他方
のストラット部材とは、嵌合軸等を介して相対回転可能
に連結されるようにすれば良い。
【0016】一対の第1ブレーキシューおよび第2ブレ
ーキシューは、常用ブレーキ時には例えば油圧式のホイ
ールシリンダや電動モータなどのアクチュエータによっ
てストラットを介することなく、すなわちストラットに
伸縮荷重を加えることなく拡開させられる一方、非制動
時には、一対の第1ブレーキシューおよび第2ブレーキ
シューに跨がって配設されたリターンスプリング(引張
コイルスプリングなど)により接近させられてストラッ
トに当接させられるように構成される。
【0017】アジャストレバーが回動可能に配設される
一軸は、例えばストラットの中心線に対して略垂直、す
なわち一対の第1ブレーキシュー、第2ブレーキシュー
の拡開方向に対して略垂直に設定される。
【0018】パーキングブレーキレバーは、アジャスト
レバーが係合させられる第1ブレーキシューと反対の第
2ブレーキシューに配設することが望ましいが、第1ブ
レーキシューに配設することも可能である。また、バッ
キングプレートと略垂直、すなわちブレーキシューのシ
ューウェブと略垂直、な軸まわりの回動可能に配設する
ことが望ましい。
【0019】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明が適用されたリーディ
ング・トレーリング型の車両用ドラムブレーキ8を示す
図で、(a) は正面図、(b) はストラット30付近の拡大
断面図であり、車輪を回転可能に支持している車体側部
材に固設されるバッキングプレート10には、円弧状を
成す一対のブレーキシュー12、14がシューホールド
ダウン装置16、18により互いに拡開可能に設けられ
ている。ブレーキシュー12、14は、バッキングプレ
ート10の板面と略平行に位置するシューウェブ20
と、そのシューウェブ20の外周側端縁に固着されたシ
ューリム22と、そのシューリム22の外周面に固着さ
れたライニング24とを備えてそれぞれ構成されてい
る。本実施例ではブレーキシュー12が第1ブレーキシ
ューでリーディングシューとして機能するものであり、
ブレーキシュー14が第2ブレーキシューでトレーリン
グシューとして機能するものである。
【0020】一対のブレーキシュー12、14の一端部
(上端部)は、バッキングプレート10に固定されたホ
イールシリンダ26の両端部とそれぞれ係合させられ
て、常用ブレーキの制動時、すなわちブレーキ操作部材
であるブレーキペダルの踏込み操作時には、そのホイー
ルシリンダ26によってそれぞれ離間する方向へ拡開さ
せられ、車輪と共に回転する回転ドラム27に押圧され
て制動力を発生する。ホイールシリンダ26の近傍であ
ってバッキングプレート10の内周側の位置には、ブレ
ーキシュー12、14に跨がってリターンスプリング
(実施例では引張コイルスプリング)28が張設され、
互いに接近する方向へ付勢されているとともに、リター
ンスプリング28の内部を挿通するようにストラット3
0が配設され、非制動時にリターンスプリング28の付
勢力に従って接近させられる一対のブレーキシュー1
2、14の接近位置が規定されるようになっている。な
お、ブレーキシュー12、14の他端部(下端部)は、
バッキングプレート10に固定されたアンカ32にそれ
ぞれ当接させられている。
【0021】一方のブレーキシュー14のシューウェブ
20のバッキングプレート10側の面には、パーキング
ブレーキレバー34がホイールシリンダ26側に位置す
る部分においてシューウェブ20に対して略垂直な取付
軸36の軸心まわりに回動可能に取り付けられていると
ともに、前記ストラット30は、このパーキングブレー
キレバー34と他方のブレーキシュー12とに跨がって
配設されている。したがって、運転席に設けられたパー
キングブレーキ操作レバーが操作され、パーキングブレ
ーキレバー34がブレーキケーブル38を介して取付軸
36の左まわりに回動させられると、ストラット30を
介してブレーキシュー12が右方向へ移動させられ、回
転ドラム27に押圧されて制動力を発生するとともに、
反作用で取付軸36と共にブレーキシュー14が左方向
へ移動させられ、回転ドラム27に押圧されて制動力を
発生する。パーキングブレーキレバー34は、パーキン
グブレーキの非作動時にはリターンスプリング28の作
用などで係合突起34aがブレーキシュー14のシュー
リム22に当接する一定の待機位置に保持され、ブレー
キシュー14はパーキングブレーキレバー34を介して
ストラット30により接近位置が規定される。
【0022】ストラット30は、一方のブレーキシュー
12に回転不能に係合させられた第1ストラット部材4
0と、パーキングブレーキレバー34を介して他方のブ
レーキシュー14のシューウェブ20に回転不能に係合
させられた第2ストラット部材42と、それ等のストラ
ット部材40、42の間に回転可能に配設されたアジャ
スタホイール44とを備えている。円板形状のアジャス
タホイール44には、雄ねじが設けられたねじ軸48お
よび円柱形状の嵌合軸50が互いに反対方向へ突き出す
ように中心線上に一体的に設けられており、ねじ軸48
は第2ストラット部材42に設けられたねじ穴に螺合さ
れている一方、嵌合軸50は第1ストラット部材40に
設けられた嵌合穴に相対回転可能に嵌合されている。
【0023】上記アジャスタホイール44は、第1スト
ラット部材40に配設されたアジャストレバー52と共
にシュー間隙自動調節機構54を構成しており、そのア
ジャストレバー52によってアジャスタホイール44が
一方向へ回転させられると、ねじの作用で第2ストラッ
ト部材42がアジャスタホイール44から離間させられ
てストラット30の全長が伸長し、非制動時における一
対のブレーキシュー12、14の接近位置が離間させら
れることにより、ライニング24の摩耗に拘らずブレー
キシュー12、14と回転ドラム27との間のシュー間
隙(両方の合計)が略一定に維持される。
【0024】図2は、シュー間隙自動調節機構54の近
傍の拡大図で、図1(a) の正面図に対応する図であり、
アジャストレバー52は、ストラット30の中心線に対
して略垂直な取付軸56の軸心まわりに回動可能に、第
1ストラット部材40のホイールシリンダ26側に配設
されているとともに、取付軸56の周囲に配設された捩
りコイルスプリング58により、図1(b) において取付
軸56の左まわり方向へ付勢され、常には第1係合部5
2aがブレーキシュー12に係合させられて、相対的に
第1ストラット部材40をブレーキシュー12から離間
する方向へ付勢している。これにより、常用ブレーキの
制動時に一対のブレーキシュー12、14が拡開させら
れる際には、その拡開に伴ってストラット30がブレー
キシュー14に追従して移動させられるとともに、アジ
ャストレバー52は、そのストラット30とブレーキシ
ュー12との相対移動に伴って取付軸56まわりに回動
させられる。アジャストレバー52の回動量は、ブレー
キシュー12、14の拡開量すなわち非制動時における
シュー間隙に対応し、その回動量が一定量を越えると先
端の第2係合部52bがアジャスタホイール44を一方
向へ回転させてストラット30を伸長させる。取付軸5
6は一軸に相当するもので、第1ストラット部材40に
一体的にかしめ固定されるようになっている。また、捩
りコイルスプリング58の一端部58aは第1ストラッ
ト部材40に係止され、他端部58bはアジャストレバ
ー52に係止されている。
【0025】常用ブレーキの解除時には、リターンスプ
リング28の付勢力に従ってブレーキシュー12と第1
ストラット部材40とが当接するまでストラット30が
右方向へ移動させられるのに伴い、アジャストレバー5
2は捩りコイルスプリング58の付勢力に抗して取付軸
56の右まわりに戻り回動させられる。アジャスタホイ
ール44の外周部には、一方向と反対方向へ歯先が傾斜
している鋸歯が全周に設けられており、制動時(ブレー
キシュー12、14の拡開時)にはアジャストレバー5
2の第2係合部52bと係合させられることによりその
一方向へ回転させられるが、制動解除時のアジャストレ
バー52の戻り回動時には、ねじ軸48等の摩擦による
回転抵抗によってアジャスタホイール44の戻り回転が
阻止され、第2係合部52bが鋸歯を乗り越えるように
なっている。
【0026】上記アジャストレバー52は、ストラット
30を一対のブレーキシュー12、14に跨がって配設
する前に、捩りコイルスプリング58と共に取付軸56
により第1ストラット部材40に取り付けられるもの
で、アジャストレバー52の中間部には、捩りコイルス
プリング58の付勢力に従ってアジャストレバー52が
過度に回動することを阻止するストッパ52cが設けら
れている。ストッパ52cは、第1ストラット部材40
と係合させられるようになっており、通常のシュー間隙
自動調節時のアジャストレバー52の回動を許容しつ
つ、一定量以上回動することを阻止する。
【0027】また、アジャストレバー52の基端部であ
って捩りコイルスプリング58が着座させられる部分に
は傾斜部52dが設けられ、捩りコイルスプリング58
によって取付軸56の頭部56hに押圧されることによ
り、第2係合部52bが図2において下方へ押し下げら
れてアジャスタホイール44に押圧されるようになって
いる。傾斜部52dの傾斜角度θは、本実施例では2°
程度である。
【0028】このような車両用ドラムブレーキ8におい
ては、パーキングブレーキレバー34がブレーキシュー
14に回動可能に配設されているため、アジャストレバ
ー52と共に取付軸56まわりの回動可能に第1ストラ
ット部材40に配設する場合に比較して、ストラット3
0が簡単且つコンパクトに構成されてドラムブレーキ8
に対する組付作業性が向上する。また、アジャストレバ
ー52が配設される取付軸56に大きな荷重が作用する
恐れがないため、摩耗によるガタツキなどでシュー間隙
の自動調節精度が損なわれる恐れがない。
【0029】また、ストラット30をブレーキシュー1
2および14に跨がって配設する前に、アジャストレバ
ー52が捩りコイルスプリング58と共に第1ストラッ
ト部材40に取り付けられるが、その捩りコイルスプリ
ング58の付勢力に従ってアジャストレバー52が過度
に回動することを阻止するストッパ52cが設けられて
いるため、アジャストレバー52の第1係合部52aが
ブレーキシュー12のシューウェブ20と係合するよう
に、ストラット30をブレーキシュー12と14との間
に組み付ける作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0030】また、アジャストレバー52の基端部であ
って捩りコイルスプリング58が着座させられる部分に
傾斜部52dが設けられ、その傾斜部52dが捩りコイ
ルスプリング58によって押圧されることにより、第2
係合部52bがアジャスタホイール44に押圧されるよ
うになっているため、アジャストレバー52の回動に伴
ってアジャスタホイール44が確実に回転させられてシ
ュー間隙の自動調節が行われる。その場合に、第2係合
部52bをアジャスタホイール44に対して押圧する押
圧荷重は上記傾斜部52dの傾斜角度θなどによって定
まるため、その押圧荷重のばらつきが抑制され、シュー
間隙の自動調節精度が向上する。
【0031】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
3の(a) 、(b) は、それぞれ前記図1(b) 、図2に対応
する図で、取付軸56の軸心まわりに回動可能に配設さ
れたアジャストレバー62は、前記実施例と同様な第1
係合部62a、第2係合部62b、およびストッパ62
cを一体に備えているとともに、捩りコイルスプリング
64により図3(a) において取付軸56の左まわり方向
へ付勢されるようになっている。捩りコイルスプリング
64の一端部64aは第1ストラット部材40に係止さ
れ、他端部64bはアジャストレバー62のストッパ6
2cに係止されているが、その他端部64bは、係止位
置であるストッパ62cを取付軸56側、すなわち図3
(b) の右方向へ引張するように弾性変形させられてい
る。また、その他端部64bとストッパ62cとの係止
位置は、第2係合部62bよりもストラット30の中心
線側に設定されており、上記弾性変形の引張力によって
生じるモーメントにより第2係合部62bが図3(b) の
下方側へ付勢されてアジャスタホイール44に押圧され
る。
【0032】このように第2係合部62bがアジャスタ
ホイール44に押圧されるため、アジャストレバー62
の回動に伴ってアジャスタホイール44が確実に回転さ
せられてシュー間隙の自動調節が行われる。その場合
に、第2係合部62bをアジャスタホイール44に対し
て押圧する押圧荷重は、他端部64bの係止位置や引張
力の大きさによって定まるため、その押圧荷重のばらつ
きが抑制され、シュー間隙の自動調節精度が向上する。
【0033】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたリーディング・トレーリン
グ型車両用ドラムブレーキを示す図で、(a) は正面図、
(b) はストラット付近の拡大断面図である。
【図2】図1の車両用ドラムブレーキのシュー間隙自動
調節機構の近傍の拡大図で、図1(a) の正面図に対応す
る図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する図で、(a) は図
1(b) に対応する拡大断面図、(b) は図2に対応する図
である。
【符号の説明】
8:リーディング・トレーリング型車両用ドラムブレー
キ 12:ブレーキシュー(第1ブレーキシュー)
14:ブレーキシュー(第2ブレーキシュー) 3
0:ストラット 34:パーキングブレーキレバー
36:取付軸 40:第1ストラット部材 42:第2ストラット部
材 44:アジャスタホイール 52、62:アジ
ャストレバー 52a、62a:第1係合部 52
b、62b:第2係合部 52c、62c:ストッパ
52d:傾斜部 54:シュー間隙自動調節機構
56:取付軸(一軸) 58、64:捩りコイル
スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 AA03 AA08 AA13 AA17 AA24 AA28 AA33 AA37 BA57 BA62 BA64 DA04 DA14 DA15 DA18 FA01 FA11 FA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡開可能な一対の第1ブレーキシューお
    よび第2ブレーキシューにそれぞれ係合させられる一対
    の第1ストラット部材および第2ストラット部材と、そ
    れ等の間に相対回転可能に配設されて少なくとも一方の
    ストラット部材に螺合されているアジャスタホイールと
    を有し、非制動時における前記一対の第1ブレーキシュ
    ーおよび第2ブレーキシューの接近位置を規定するスト
    ラットと、 前記第1ストラット部材に一軸まわりの回動可能に配設
    されるとともに、捩りコイルスプリングによって第1係
    合部が前記第1ブレーキシューと係合する一回動方向へ
    付勢され、常用ブレーキ時に該第1ブレーキシューと前
    記第2ブレーキシューとが拡開させられるのに伴って、
    前記ストラットを一体的に前記第2ブレーキシュー側へ
    移動させながら該拡開量に対応して該一回動方向へ回動
    させられるとともに、第2係合部が前記アジャスタホイ
    ールに係合させられて該拡開量に応じて該アジャスタホ
    イールを回転させるアジャストレバー、 を有し、該アジャスタホイールの回転に伴ってねじの作
    用で前記ストラットの全長が伸長し、非制動時における
    前記第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューの接
    近位置を離間させて回転ドラムとの間のシュー間隙を自
    動的に調節するシュー間隙自動調節機構を備えている車
    両用ドラムブレーキにおいて、 前記ストラットを前記第1ブレーキシューまたは第2ブ
    レーキシュー側へ移動させることにより、作用・反作用
    で該第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューを拡
    開して制動力を発生させるパーキングブレーキレバー
    を、該第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューの
    何れか一方に回動可能に配設したことを特徴とするシュ
    ー間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記アジャストレバーは、前記ストラッ
    トを前記第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシュー
    に跨がって配設する前に、前記捩りコイルスプリングと
    共に前記第1ストラット部材に取り付けられるもので、 該第1ストラット部材または該アジャストレバーには、
    前記捩りコイルスプリングの付勢力に従って該アジャス
    トレバーが過度に回動することを阻止するストッパが設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載のシュー
    間隙自動調節機構付き車両用ドラムブレーキ。
  3. 【請求項3】 前記アジャストレバーの基端部であって
    前記捩りコイルスプリングが着座させられる部分には傾
    斜部が設けられ、該傾斜部が該捩りコイルスプリングに
    よって押圧されることにより、前記第2係合部が前記ア
    ジャスタホイールに押圧されるようになっていることを
    特徴とする請求項1または2に記載のシュー間隙自動調
    節機構付き車両用ドラムブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記捩りコイルスプリングは、前記アジ
    ャストレバーとの係止位置を前記一軸側へ引張するよう
    に弾性変形させられた状態で該アジャストレバーに係止
    されているとともに、該係止位置は、該引張力によって
    生じるモーメントにより前記第2係合部が前記アジャス
    タホイールに押圧されるように定められていることを特
    徴とする請求項1または2に記載のシュー間隙自動調節
    機構付き車両用ドラムブレーキ。
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