JP2002097555A - ステンレス鋼製形鋼 - Google Patents
ステンレス鋼製形鋼Info
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Abstract
材や事務用家具、ワゴンカートのフレーム等の部品に多
用される形鋼として、稜線が鮮明で、意匠性に優れたも
のを提供する。 【構成】 0.2%耐力が300N/mm2以下、加工
硬化率が3000N/mm2以下のオーステナイト系ス
テンレス鋼を素材とし、冷間ロール成形により、鈍角側
のコーナー部の幅長wが、鋼材板厚tに対して60%以
下に成形する。素材として、質量%で、C+N;0.0
7%以下、Si;2.0%以下、Mn;5.0%以下、
Cu;5.0%以下を含有し、他は通常の成分からなる
オーステナイト系ステンレス鋼を使用する。
Description
ゴンカートのフレーム等の部品に多用されるステンレス
鋼製形鋼に関するものである。
床、ドアフレームや、ワゴンカートのフレーム等は、鋼
板を一定形状の形鋼に加工した後、これらを組み合わせ
て製造されている。近年、趣向の多様化に伴い、銀白色
を呈するステンレス鋼の地肌を活かし、ステンレス鋼が
素材として多く用いられ、意匠性を高めた製品が増えて
いる。さらにステンレス鋼は、耐食性に優れるため、製
品加工後の防錆処理を施す必要がないという利点を有す
るため、今後もその需要量は増加すると考えられる。
ロール成形機により加工される。しかしながら、ステン
レス鋼は硬質で加工硬化が大きいため、これを素材とし
て形鋼に加工する際、設計形状に近い形に成形可能であ
っても、細かなデザインまで再現して製造することが困
難であった。すなわち、意匠性上、形鋼の曲げ山部の稜
線を急峻に設計しても、従来のステンレス鋼を使用する
限りにおいては、設計図面通りの稜線が鮮明な形鋼は製
造できなかった。そこで、本発明は、このような問題を
解消すべく案出されたものであり、冷間ロール成形機に
より加工される、曲げ山部の稜線を鮮明にできるステン
レス鋼製形鋼を提供することを目的とする。
形鋼は、0.2%耐力が300N/mm2以下、加工硬
化率が3000N/mm2以下のオーステナイト系ステ
ンレス鋼を素材とし、冷間ロール成形により形成される
鈍角側のコーナー部の幅長wが、鋼材板厚tに対して6
0%以下にすることにより、コーナー稜線を鮮明にする
ことができたものである。さらに、素材を、質量%でC
+N;0.07%以下、Si;2.0%以下、Mn;5.
0%以下、Cu;5.0%以下を含有し、他は通常の成
分からなるオーステナイト系ステンレス鋼とすることに
より、より一層、成形性状に優れた意匠性に高い形鋼が
得られる。さらにまた、S含有量を0.010質量%以
下に制限したオーステナイト系ステンレス鋼を素材とす
ることにより、さらに意匠性の高い形鋼を得ることがで
きる。
オーステナイト系ステンレス鋼の特性と製品形状を規定
することにより、優れた成形性と外観、意匠性を有する
ものを提供できる。形鋼の製造に際しては、図1に示す
ように、板厚tに対する曲げ鈍角側のコーナー部幅wが
非常に小さい、厳しい加工に供される。このときの冷間
ロール成形は、長手方向に張力を付与しながら、幅方向
に曲げを加える平面ひずみ状態での加工となるが、硬質
で加工硬化が大きい素材を加工すると、曲げ部の稜線の
鮮明さが無くなり、極端な場合、装置の能力以上の成形
荷重が必要となり、成形不可能になる。特にオーステナ
イト系ステンレス鋼では、塑性変形により母相の変態が
起こり、普通鋼に比較して加工誘起マルテンサイトが生
成し、硬質化しやすい。本発明においては、加工誘起マ
ルテンサイトの生成に起因する硬質化を示す指標として
加工硬化率を使用し、冷間ロール成形により、稜線を鮮
明にできるステンレス鋼を調査した。その結果、0.2
%耐力が300N/mm2以下、加工硬化率が3000
N/mm2以下のオーステナイト系ステンレス鋼が板厚
tに対する稜線の幅wの割合が60%以下の、鮮明な形
状を有する形鋼に加工できることを見出した。なお、各
鋼板の圧延方向に垂直な方向を長手方向としてサンプル
を採取し、JISZ2201に規定される13B号定型
試験片に加工して、0.2%耐力、加工硬化率のデータ
採取に供した。速度を3mm/minに変更して引張
り、引張りひずみ30%および40%の時の応力をそれ
ぞれ測定し、二点間の勾配を加工硬化率とした。
鋼形鋼の素材について説明する。0.2%耐力および加
工硬化率を大きくしないために、C,N,Si,Mn,
Cuの含有量を規定することが望ましい(以下、含有量
の%表示はすべて質量%とする)。 (C+N):C,Nは多量に含まれると固溶硬化により
0.2%耐力や硬さが上昇するとともに、加工誘起マル
テンサイトが硬質化するため、加工硬化が大きくなり、
延いては、稜線の鮮明度が低下する。このため(C+
N)含有量を0.07%以下に制限する。 Si:Siは溶製時、脱酸剤として有効な元素であるが
2.0%を超えると硬質化するとともに、加工硬化が大
きくなり,曲げ稜線の鮮明度が低下する。そこで2.0%
以下の含有量に制限する。
2%耐力が低下し軟質化するとともに、加工硬化が低下
する。しかし、多量に含有すると製鋼時の耐火物損傷を
招き、また介在物が増加して加工割れの起点となる。し
たがって、軟質化の効果が飽和する5.0%以下の含有
量に規定する。 Cu:Cuは加工硬化の抑制に寄与し、軟質化に有用な
元素である。その効果は2.0%を超えるCu含有量と
することによってNi含有量の自由度が拡大し、Niを
下限値である5%近くまで低減することが容易になり、
コスト低減に寄与できる。このため、Cu含有量の下限
は特に規定しないが、2.0%を超えて含有させると、
よりコストパフォーマンスに優れたステンレス製形鋼が
得られる。一方、過剰の含有は熱間加工性に悪影響を及
ぼすので、含有量の上限を5.0%とする。
テンレス鋼を形成する成分・組成で十分である。 すなわち、S:Sは含有量の増加とともに曲げ加工性が
劣化し、極端な場合曲げ部に割れが生ずる。また鋼板製
造の際の熱間加工性が劣化するため、効率よく成形する
ためには0.010%以下の含有量に制限することが好
ましい。 Ni:Niはオーステナイト系ステンレス鋼には必要不
可欠な元素であり、少なくとも5%は必要である。その
含有量の増加とともにより軟質化され、加工硬化も低減
されて、稜線の鮮明性に優れた形鋼が得られる。しかし
Niは高価な元素であり、12.0%以下の含有により
達成可能であることから、その上限を12.0%とする
ことが望ましい。 Cr:Crは耐食性の点から、15%以上とすることが
好ましいが多量に含有すると硬さが増加し、硬質化を招
くため、その上限は20%とするべきである。
ではないが、Moは耐食性向上に有用な元素である。た
だし、3.0%を超えると硬さの上昇を招くので、Mo
を含有させる場合は3.0%以下の範囲とすることが好
ましい。 Al:必要に応じて添加される合金元素であり、製鋼時
に脱酸剤として添加される。また、Ti,Zr,Bを添
加する直前に脱酸剤として添加すると溶鋼中の酸素濃度
が低下し、Ti,Zr,Bの歩留まりを向上、かつ、安
定化させる。しかし多量に含有すると過度の硬質化を招
くとともに、硬質な介在物を形成し成形性の劣化を招く
ため、0.5%以下とすることが好ましい。 Ti,Nb,Zr,V:必要に応じて添加される合金元
素であり、固溶強化元素を固定するため、鋼材硬さを低
減し、ひいては、加工性を向上させる。これら元素の効
果は、0.5%で飽和し、これ以上添加しても増量に見
合う効果は期待できない。
熱間加工性を向上させ、熱延時の割れ防止に有効な元素
である。しかし、多量に含有すると熱間加工性が劣化す
るため、その上限を0.03%とする。 REM(希土類金属):必要に応じて添加される合金成
分であり、Bと同様に熱間加工性の改善に有効である。
しかし、過度に添加すると効果が飽和することに加え、
硬質化を招き成形加工性が低下するため、上限を0.0
2%とする。 Ca:必要に応じて添加される合金成分であり、製鋼時
の脱酸および熱間加工性の改善に有効である。しかし、
0.03%を超えて添加しても、その効果が飽和する。
鋼No.1〜19を溶製し、抽出温度1230℃で熱間
圧延を施して板厚8mmの熱延鋼板を得た。この熱延鋼
板に1100℃、均熱1分の熱延板焼鈍および酸洗を施
し、熱延鋼板(焼鈍材)を得た。上記熱延鋼板を冷間ロ
ール成形により、図1に示す断面形状を有する形鋼を一
定条件で連続成形し、形状・外観に及ぼす素材の影響を
照査した。成形後の形鋼を長さ2mにせん断し、形状測
定と外観検査に供した。
ンレス鋼製形鋼No.1〜8、No.10〜18はいず
れも図1に示した板厚tに対する稜線の幅wの割合が6
0%以下であり、曲げ部の稜線が鮮明な、良好な外観検
査結果であった。特に本発明によるステンレス鋼製形鋼
No.7は3.2%の十分なCuを含有しているため、
また、No.8は1.6%のMnを含有しているため、
いずれもw/tをさらに小さくすることができ、曲げ稜
線が非常に鮮明な形鋼が得られた。特にこれらの元素が
最も好ましい範囲にあるNo.1は、比較したステンレ
ス鋼製形鋼の中で、最も優れた外観を示していた。鋼N
o.9はw/tが60%以下の鮮明な稜線を有するもの
が得られたが、S含有量が0.011%で高いため、曲
げ部表面に微細なクラックが認められ、成形性の点で少
し劣っていた。また鋼No.19は(C+N)含有量が
0.07%を超えているため、0.2%耐力が300N
/mm2を超えているため高い加工硬化率を示している
ことから、w/tが60%を大幅に越えており、稜線が
不鮮明であった。本発明によるステンレス鋼製形鋼の成
分に、Moを添加したNo.10、およびB,Al,T
i,Nb,Zr,V,Ca,REMをそれぞれ添加した
No.11〜18は、いずれも優れた外観を示した。
レス鋼製形鋼は、曲げ部の稜線の鮮明性に優れる。した
がって、本発明は、ステンレス鋼地肌の銀白色を活か
し、かつ、所定形状に成形された優れた意匠性を有する
ステンレス鋼製形鋼を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】0.2%耐力が300N/mm2以下、加
工硬化率が3000N/mm2以下のオーステナイト系
ステンレス鋼を素材とし、冷間ロール成形により形成さ
れる、鈍角側のコーナー部の幅長wが、鋼材板厚tに対
して60%以下であることを特徴とするコーナー稜線が
鮮明なステンレス鋼製形鋼。 - 【請求項2】質量%で、C+N;0.07%以下、M
n;5.0%以下、Si;2.0%以下、Cu;5.0
%以下を含有し、他は通常の成分からなるオーステナイ
ト系ステンレス鋼を素材とすることを特徴とする請求項
1に記載のステンレス鋼製形鋼。 - 【請求項3】S含有量を0.010質量%以下に制限し
たことを特徴とする請求項2に記載のオーステナイト系
ステンレス鋼製形鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000290136A JP2002097555A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | ステンレス鋼製形鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000290136A JP2002097555A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | ステンレス鋼製形鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097555A true JP2002097555A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18773411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000290136A Pending JP2002097555A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | ステンレス鋼製形鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002097555A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009093652A1 (ja) * | 2008-01-22 | 2009-07-30 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | 加工性と衝撃吸収特性に優れた構造部材用フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
JP2019501289A (ja) * | 2015-12-23 | 2019-01-17 | ポスコPosco | 加工性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼 |
-
2000
- 2000-09-25 JP JP2000290136A patent/JP2002097555A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009093652A1 (ja) * | 2008-01-22 | 2009-07-30 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | 加工性と衝撃吸収特性に優れた構造部材用フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
JP2009197326A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-09-03 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 加工性と衝撃吸収特性に優れた構造部材用フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
US8303733B2 (en) | 2008-01-22 | 2012-11-06 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | Ferrite-austenite stainless steel sheet for structural component excellent in workability and impact-absorbing property and method for producing the same |
JP2019501289A (ja) * | 2015-12-23 | 2019-01-17 | ポスコPosco | 加工性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼 |
EP3396001A4 (en) * | 2015-12-23 | 2019-01-23 | Posco | AUSTENITIC STAINLESS STEEL HAVING IMPROVED PROCESSING CAPABILITY |
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