JP2002092689A - 紙幣識別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】紙幣収納部の装置本体に対する不完全セットを
確実に防ぎ、紙幣の搬送ジャムやスタック不良が生じる
ことのない紙幣識別装置を提供する。 【解決手段】装置本体１０にコイルバネ３１とコイルバ
ネ３１の付勢を紙幣収納部２０に伝えるレバー３２とを
設け、紙幣収納部２０を閉じる際、紙幣収納部２０のラ
ッチ２５と装置本体１０のラッチ受け穴１７とが確実に
嵌合しない限り、コイルバネ３１がレバー３２を介して
紙幣収納部２０を開方向に回動させるようにして、紙幣
収納部２０の不完全セットを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機、両替
機等に設置される紙幣識別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】紙幣が使用可能な自動販売機、紙幣両替
機等には、投入された紙幣の真偽を識別して不正なもの
を排除すべく紙幣識別装置が一般的に設置されている。
かかる紙幣識別装置は、紙幣搬送機構、紙幣識別センサ
等が内蔵される装置本体と、紙幣識別センサによって真
正であると判定され、使用に供された紙幣を積層収納す
る紙幣収納部とを備えている。

【０００３】紙幣収納部は、装置本体に対し回動可能に
連結され、一方向への回動によって閉、他方向への回動
によって開となる。紙幣収納部を閉じるに際してはま
た、紙幣収納部に突設された樹脂製のラッチを、装置本
体側のラッチ受け穴に嵌合するようにし、これによって
紙幣収納部は装置本体にセットされた状態となる。更
に、紙幣収納部の開状態において、紙幣収納部内の紙幣
が回収可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の紙幣識別装
置では、ラッチの変形等に伴い、ラッチとラッチ受け穴
との嵌合が不完全なまま紙幣収納部を装置本体にセット
してしまう不完全セットが生じることがあり、この場
合、紙幣の搬送ジャム（詰まり）やスタック不良が引き
起こされるといった問題があった。

【０００５】従って、本発明の目的は、紙幣収納部の装
置本体に対する不完全セットを確実に防ぎ、紙幣の搬送
ジャムやスタック不良が生じることのない紙幣識別装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の本発明では、紙幣識別機能を有する装置
本体と、装置本体の紙幣識別機能によって真正であると
判定された紙幣を収納する紙幣収納部とを備え、紙幣収
納部は装置本体に回動開閉可能に連結されると共に、紙
幣収納部の係合部を装置本体の被係合部に係合すること
によって閉状態となる紙幣識別装置において、紙幣収納
部を開方向に弾性的に付勢する付勢手段を設けたことを
特徴としている。

【０００７】本発明によれば、紙幣収納部を閉じる際、
紙幣収納部の係合部と装置本体の被係合部とを確実に係
合しない限り、紙幣収納部は付勢手段によって開方向に
付勢されて開く。そのため、紙幣収納部の係合部と装置
本体の被係合部とが係合しきれていない半開き状態を容
易に察知してこれを確実に防ぐことができる。

【０００８】請求項２の本発明では、請求項１の本発明
において、前記付勢手段は、弾性部材と、この弾性部材
の付勢を紙幣収納部に伝える付勢伝達部材とから成るこ
とを特徴としている。本発明によれば、紙幣収納部は、
弾性部材からの開方向への付勢を、付勢伝達部材を介し
て受ける。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１〜図４は本発明の一実施形態
に係るもので、図１は紙幣識別装置の全体斜視説明図、
図２は紙幣収納部の開状態における紙幣識別装置を一部
断面にて概略的に示す側面説明図、図３及び図４は閉状
態及び開状態における付勢手段としてのレバー及びコイ
ルバネを示す部分説明図である。

【００１０】紙幣収納装置は、装置本体１０と、装置本
体１０に対し回動して開閉可能となる紙幣収納部２０と
を備えている。装置本体１０には、図２に破線にて略示
するように、紙幣挿入口１１と、紙幣挿入口１１から挿
入された紙幣１（紙幣収納部２０に収納された状態のみ
示す。）を逆Ｕ字形の紙幣搬送路１２に沿って搬送す
る、ベルト、ローラ等から成る紙幣搬送機構１３と、紙
幣１の真偽を識別するための光センサ１４及び磁気セン
サ１５とが設けられている。

【００１１】紙幣収納部２０は、装置本体１０に対し軸
部２１（図２参照）を介して回動可能に連結されてお
り、一方向への回動によって閉状態、即ち、セット状態
となり（図１参照）、他方向への回動によって開状態と
なる（図１の一点破線部分及び図２参照）。紙幣収納部
２０には、上記光センサ１４及び磁気センサ１５による
識別判定によって真正であると判定され、使用に供され
た紙幣１が周知のように収納される。即ち、紙幣１はセ
ット状態の紙幣収納部２０における後端（図２において
右端。）左右（図２において手前と奥）のレール２２間
に通された後、装置本体１０側の紙幣押し込み機構１６
によって紙幣収納部２０内に押し込まれる。尚、図２
中、符号２３は紙幣１を後方へ押す紙幣押し板、２４は
紙幣押し板２３を後方へ押すバネである。

【００１２】紙幣収納部２０内に積層収納された紙幣１
は、紙幣収納部２０を開状態とすることにより、上方か
ら回収可能となる。この開状態から紙幣収納部２０を閉
じて装置本体１０にセットするに際しては、紙幣収納部
２０の上部左右に突設された係合部としての樹脂製のラ
ッチ２５を、装置本体１０側に設けられた被係合部とし
てのラッチ受け穴１７に嵌合させるようにする。このラ
ッチ２５とラッチ受け穴１７との嵌合が不完全の場合、
以下に説明する付勢手段３０によって紙幣収納部２０は
閉じることなく開方向に回動される。

【００１３】上記付勢手段３０は、装置本体１０におけ
る、セット状態の紙幣収納部２０の左右のレール２２の
下方部分に相対する箇所に設けられている（図２におい
て一の付勢手段のみ図示される。）。この付勢手段３０
は、図３及び図４に拡大して示すように、弾性部材とし
てのコイルバネ３１と、コイルバネ３１の付勢を紙幣収
納部２０に伝える付勢伝達部材としてのレバー３２とか
ら構成されている。コイルバネ３０は、セット状態の紙
幣収納部２０に対し軸線が垂直となるようにバネ収納部
３１ａ内に収納されている。

【００１４】レバー３２は、軸部３２ａと、下端が軸部
３２ａと連結し、上方に伸びるアーム部３２ｂと、アー
ム部３２ｂの上端から前方にＬ字状に突出するレバー本
体３２ｃとから成り、レバー本体３２ｃは、アーム部３
２ｂを介して軸部３２ａを中心に前後に回動可能とな
る。図２〜図４中、符号１８は、紙幣収納部２０の閉方
向への回動を、レール２２を受け止めて制限する垂直板
である。レバー本体３２ｃの前方への回動は、この垂直
板１８に斜めに設けた前方ストッパー部１８ｂにアーム
部３２ｂが接することによって制限される。また、レバ
ー本体３２ｃの後方への回動は、垂直板１８に段状に設
けた後方ストッパー部１８ａによって制限される。更
に、紙幣収納部２０が開状態にある場合、レバー本体３
２ｃは図４に示すようにコイルバネ３１によって前方へ
押され、アーム部３２ｂが前方ストッパー部１８ｂに接
する最前方に位置する。尚、図４の符号３２ｅはレバー
３２に設けた突状のバネ受けであり、便宜的に図４にの
み図示している。

【００１５】紙幣収納部２０を開状態から閉じるべく閉
方向に回動すると、完全に閉じる位置の手前からレバー
本体３２ｃが紙幣収納部２０のレール２２を開方向に押
し始め、これが紙幣収納部２０の閉動作に対する弾性的
な抵抗となる。この抵抗に抗して更に紙幣収納部２０を
閉方向に回動し、ラッチ２５をラッチ受け穴１７に嵌合
させることにより、紙幣収納部２０を閉じることができ
る。この閉状態において、レバー本体３２は図３に示す
ように後方ストッパー部１８ａと接する最後方に位置
し、コイルバネ３１を圧縮している。この状態でコイル
バネ３１はレバー３２を介して紙幣収納部２０を開方向
に付勢するため、ラッチ２５とラッチ受け穴１７との嵌
合が不完全な場合、紙幣収納部２０は閉じずに開放して
しまう。そのため、本実施形態では、紙幣収納部２０が
半開きで不完全にセットされるような状態を確実に回避
することができる。

【００１６】本実施形態ではまた、コイルバネ３１の付
勢によってセット状態におけるラッチ２５とラッチ受け
穴１７の係合が強固なものとなり、紙幣１の受け入れ性
能が向上するといった利点も得られる。

【００１７】図５及び図６は付勢手段の別の実施形態を
示すもので、上述した付勢手段３０と概ね共通する部分
には同じ参照番号を付している。この実施形態では、レ
バー３２に一体的に形成した逆Ｕ字形状の屈曲弾性片３
２ｄを設け、この屈曲弾性片３２ｄの後端部をバネ収納
部３１ａに当接させることで、レバー本体３２ｃを前方
に付勢することができる。

【００１８】さらに、図示はしないが、レバー３２のア
ーム部３２ｂを弾性材料で構成して、軸部３２ａ部分が
回転しないように固定することによっても、前記同様に
レベー本体３２ｃを前方に付勢することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１の本発明に
よれば、紙幣収納部を閉じる際、紙幣収納部の係合部と
装置本体の被係合部とが係合しきれていない半開き状態
の場合、紙幣収納部は付勢手段によって開方向に付勢さ
れて開く。そのため、半開き状態を容易に察知してこれ
を確実に防ぐことができる。従って、紙幣収納部の不完
全セットに伴う紙幣の搬送ジャムやスタック不良を確実
に防止することができる。

【００２０】請求項２の本発明によれば、紙幣収納部
は、弾性部材からの開方向への付勢を、付勢伝達部材を
介して受ける。

【図面の簡単な説明】

【図１】紙幣識別装置の全体斜視説明図

【図２】紙幣収納部の開状態における紙幣識別装置を一
部断面にて概略的に示す側面説明図

【図３】閉状態におけるレバー及びコイルバネを示す部
分説明図

【図４】開状態におけるレベー及びコイルバネを示す部
分説明図

【図５】閉状態における付勢手段の別の例を示す部分説
明図

【図６】開状態における付勢手段の別の例を示す部分説
明図

【符号の説明】

１…紙幣 １０…装置本体 １１…紙幣挿入口 １７…
ラッチ受け穴 ２０…紙幣収納部 ２２…レール ２５
…ラッチ ３０…付勢手段 ３１…コイルバネ３２…レ
バー ３２ｃ…レバー本体 ３２ｄ…屈曲弾性片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙幣識別機能を有する装置本体と、装置
   本体の紙幣識別機能によって真正であると判定された紙
   幣を収納する紙幣収納部とを備え、紙幣収納部は、装置
   本体に回動開閉可能に連結されると共に、紙幣収納部の
   係合部を装置本体の被係合部に係合することによって閉
   状態となる紙幣識別装置において、 紙幣収納部を開方向に弾性的に付勢する付勢手段を設け
   たことを特徴とする紙幣識別装置。
2. 【請求項２】 前記付勢手段は、弾性部材と、この弾性
   部材の付勢を紙幣収納部に伝える付勢伝達部材とから成
   ることを特徴とする請求項１記載の紙幣識別装置。