JP2002091230A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002091230A
JP2002091230A JP2000286047A JP2000286047A JP2002091230A JP 2002091230 A JP2002091230 A JP 2002091230A JP 2000286047 A JP2000286047 A JP 2000286047A JP 2000286047 A JP2000286047 A JP 2000286047A JP 2002091230 A JP2002091230 A JP 2002091230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置のエンジン部を予め立ち上げて
おき、画像展開終了と同時にプリント動作が開始できる
ようにし、かつ定着装置で記録材のスリップや高温オフ
セットが起こらないように加圧ローラの昇温を抑制可能
とすることである。 【解決手段】 画像情報をビデオコントローラにより画
像展開し、その画像展開した画像情報に基づいて記録材
に形成したトナー像を、加熱フィルム方式の定着装置で
定着する。ビデオコントローラは、画像展開を終了する
以前に、画像形成装置のエンジンコントローラに対して
定着装置の加熱ヒータを立ち上げる信号を発信し、制御
部は、加熱ヒータを画像展開を終了するまでは目標定着
温度よりも低い温度で待機させ、画像展開終了後に目標
定着温度まで再加熱するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式、静
電記録方式等の作像プロセスによりトナー像を記録材に
転写方式または直接方式で形成し、そのトナー像を定着
装置により加熱定着する画像形成装置に関し、特に定着
の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式、静電記録方式等の作像プ
ロセスを利用した画像形成装置では、感光体上に静電潜
像を形成し、潜像を現像剤を用いて現像してトナー像と
して可視化し、このトナー像を紙などの記録材上に転写
し、その後、トナー像が転写された記録材を、定着装置
に設けられた定着ローラと加圧ローラとで形成されるニ
ップ部を通過させることにより、トナー像を記録材に永
久画像として加熱定着している。
【0003】近年、特にスタンバイ時に定着装置に電力
を供給せず、消費電力を極力抑えた定着方法、詳しくは
加熱ヒータ部と加圧ローラ間に薄いフィルムを介して記
録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式の定着方
法が、特開昭63−313182号、特開平2−157
878号、特開平4−44075号、特開平4−204
980号などに提案されている。
【0004】フィルム加熱方式の定着装置は、図2に示
されるように、耐熱性のステイホルダー(支持体)12
にヒータ11を固定し、そのヒータ11の外側に耐熱性
樹脂の円筒状の薄肉のフィルム(定着フィルム)13を
配置し、弾性を有する加圧ローラ20をフィルム13を
介してヒータ11に圧接して、フィルム13と加圧ロー
ラ20との間に所定の幅のニップ部を形成している。ヒ
ータ11は通電により加熱され、そのヒータ温度をヒー
タ11の背面に設置されたサーミスタ等の温度検知手段
14で検知して、画像形成装置の図示しない制御部(エ
ンジンコントローラ)にフィードバックすることによ
り、ヒータ11を所定の定着温度に温度調節している。
【0005】トナー像を定着するには、ヒータ11を定
着温度に温調し、定着フィルム13を矢印方向に回転さ
せ、その状態で定着フィルム13と加圧ローラ20との
定着ニップ部へトナー像を担持した記録材Pを導入す
る。記録材Pは、定着フィルム13の面に密着し、その
フィルム13と一所に定着ニップ部を挟持搬送され、定
着ニップ部を通過する間に、記録材およびその上のトナ
ー像がヒータ11により定着フィルム13を介して加熱
されて、トナー像が記録材に定着される。定着ニップ部
を通過した記録材は、定着フィルム13の面から剥離し
て搬送される。
【0006】このようなフィルム加熱方式の定着装置を
用いたプリンター、複写機等の画像形成装置は、定着装
置の加熱効率や立ち上がりの速さが高いことにより、待
機中の予備加熱の不要化や待ち時間の短縮化など、従来
の熱ローラ等による定着装置を用いた場合に比べて多く
の利点を有している。
【0007】このフィルム加熱方式を採用した画像形成
装置は、図3に示すように、各部が電気的に制御されて
いる。まず始めに使用者が、パーソナルコンピュータ等
の外部情報機器50において、文書や図、画像などのプ
リント目的の原稿(電子原稿)を作成し、その作成され
た電子原稿をプリントする指示を外部情報機器50から
発信すると、電子原稿の画像データは画像形成装置52
の画素情報変換部(ビデオコントローラ)51に送られ
る。ビデオコントローラ51は、送られた画像データを
画像展開してビデオ信号に変換する。画像展開が終了す
ると、ビデオコントローラ51はエンジンコントローラ
53に対してプリント動作を開始する信号(プリント信
号)を送るとともに、画像のビデオ信号を送信する。
【0008】エンジンコントローラ53は、プリント信
号を受け取ると、感光ドラムに書き込むための走査露光
装置54を立ち上げる指令と、定着装置58に送電を開
始し、ヒータが定着可能温度に達するように立ち上げる
指令を出す。これらの走査露光装置54や定着装置58
がそれぞれ所定の回転数および温度に立ち上がったとこ
ろで、給紙部56、搬送部57が動作して記録材の搬送
が開始され、現像・転写部55での画像形成プロセスを
経て、定着装置58で記録材に転写されたトナー像の加
熱定着を行い、一連のプリント動作が完了する。
【0009】ここで、使用者がプリント開始の指示を出
してから、プリント動作が完了するまでの各段階の中で
待ち時間(ウエイトタイム)となる時間は、ビデオコン
トローラ51において画像展開に要する時間と、画像形
成装置52の立ち上げ時間、そして給紙動作が始まって
からの画像形成プロセス(プリント動作)の時間を加え
たものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の方法によってプリント動作を行う場合、画像形成装置
内の画素情報変換部(ビデオコントローラ)で画像展開
を行った後、画像形成装置制御部(エンジンコントロー
ラ)にプリント信号を出してからエンジンの立ち上げを
行い、プリント動作を開始するので、画像形成装置使用
時の待ち時間が長かった。
【0011】すなわち、使用者が外部情報機器において
プリント開始の指示を出してから、プリント動作が開始
するまでには、画像展開時間と装置立ち上げ時間に分け
られる待ち時間が存在する。ここで、立ち上げ開始を指
示するプリント信号をエンジンコントローラが受け取る
のは、ビデオコントローラで画像展開が終了した後であ
り、したがって画像展開が行われている間は、エンジン
は一切の動作を行っていないことになる。
【0012】近年のパーソナルコンピュータの高性能化
にともなうインターネットの普及や、デジタルカメラな
どの画像情報を記録する端末機器の発達により、使用者
がパーソナルコンピュータ上で作成する原稿は、写真や
グラフィック等が含まれる複雑なものが多くなってきて
おり、それらの画像データ量は非常に多くなってきてい
る。このようなデータ量の大きい画像をプリントしよう
とした場合、ビデオコントローラでの画像展開処理に多
くの時間を要してしまい、結果として使用者の待ち時間
は長くなる一方である。
【0013】そこで、上記の問題点を改善するには、画
像展開に多くの時間を要するような場合でも、その時間
中に画像形成装置のエンジン部を立ち上げておき、いつ
でもプリント動作が可能な状態にしておけば、画像展開
が終了しプリント信号を受けると同時にプリント動作を
開始することができる。つまり、これまで立ち上げにか
かっていた時間を短縮することが可能となり、使用者が
これまで待ち時間に対して感じていたストレスを少しで
も軽減することができる。
【0014】しかしながら、このように予め画像形成装
置のエンジン部を画像展開中に立ち上げておくことは、
定着装置のヒータを通常のタイミングより早いタイミン
グで通電開始することになる。画像展開時間に定着装置
が定着可能温度に達すれば、エンジンコントローラがプ
リント信号を受けるまでヒータは、目標定着温度を維持
したまま待機することになる。画像展開時間が長けれ
ば、定着装置は非常に長い時間高温で待機しなければな
らず、ヒータの熱は直接定着ニップ部で加圧ローラに伝
達するために、加圧ローラの温度が通常の立ち上げを行
う場合よりも非常に高温になることが懸念される。
【0015】加圧ローラが昇温すればニップ部内の温度
が高くなり、このニップ部を記録材(紙)が通過すると
き、記録材に含まれている水分は加熱されて蒸発し、水
蒸気となって外部に放出される。加圧ローラの温度が高
い場合、水蒸気は非常に高い圧力で放出されるため、記
録材と加圧ローラ間に水蒸気の層ができ、記録材と加圧
ローラ間の摩擦力が小さくなる。記録材は、加圧ローラ
との摩擦力によって従動搬送されることを考えると、摩
擦力が極度に小さくなれば、記録材は加圧ローラに対し
て滑って搬送することが不可能となり、定着装置におい
てスリップによる紙づまり(ジャム)を起こす。
【0016】この他にも、ニップ部内の温度が高温にな
りすぎるため、トナーが記録材に固着されず、溶けて定
着フィルム側に付着しオフセットする(高温オフセッ
ト)。
【0017】このように、従来は、以上のような問題を
生じるために、画像展開中に定着装置を立ち上げてプリ
ント時間を短縮することが容易ではなかった。
【0018】従って、本発明の目的は、装置のエンジン
部を予め立ち上げておき、画像展開終了と同時にプリン
ト動作が開始できるようにし、かつ定着装置で記録材の
スリップや高温オフセットが起こらないように加圧ロー
ラの昇温を抑制することを可能とした画像形成装置を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
外部情報機器から受信した画像情報を画素情報変換手段
により画像展開し、その画像展開した画像情報に基づい
て記録材に形成したトナー像を、加熱ヒータを内蔵した
薄肉の加熱部材と加圧部材とが互いに圧接して形成され
た定着ニップ部を通過させて、前記トナー像を記録材に
加熱定着する画像形成装置において、前記画素情報変換
手段は、画像展開を終了する以前に、画像形成装置の制
御部に対して前記加熱ヒータを立ち上げる信号を発信
し、前記制御部は、前記加熱ヒータを、前記画素情報変
換手段が画像展開を終了するまでは目標定着温度よりも
低い温度で待機させ、画像展開終了後に目標定着温度ま
で再加熱するように制御することを特徴とする画像形成
装置である。
【0020】本発明によれば、前記画素情報変換手段が
画像展開を終了するまでは、前記加熱ヒータは目標定着
温度−50℃以下の低い温度で待機する。前記加熱ヒー
タの温度を検知する温度検知手段を有し、前記加熱ヒー
タの温度検知手段が前記加熱ヒータを立ち上げる直前に
検知した検知温度に応じて、前記加熱ヒータの待機温度
を変化させる。もしくは、前記加圧部材の表面温度を検
知する温度検知手段を有し、前記加圧部材の温度検知手
段が前記加熱ヒータを立ち上げる直前に検知した検知温
度に応じて、前記加熱ヒータの待機温度を変化させる。
前記加熱部材が、前記定着ニップ部で前記加圧部材と圧
接した移動可能なフィルムと、前記定着ニップ部で前記
フィルムの内側に配置された前記フィルムに接触する加
熱ヒータとを備えて構成される。前記加圧部材が弾性ロ
ーラからなる。前記フィルムが円筒体に形成され、前記
弾性ローラの回転により従動して回転する。
【0021】また本発明は、外部情報機器から受信した
画像情報を画素情報変換手段により画像展開し、その画
像展開した画像情報に基づいて記録材に形成したトナー
像を、加熱ヒータを内蔵した薄肉の加熱部材と加圧部材
とが互いに圧接して形成された定着ニップ部を通過させ
て、前記トナー像を記録材に加熱定着する画像形成装置
において、前記画素情報変換手段は、画像展開を終了す
る以前に、画像形成装置の制御部に対して前記加熱ヒー
タを立ち上げる信号を発信し、前記制御部は、前記加熱
ヒータを一旦目標定着温度まで加熱した後、画像展開中
の待機時間に応じて定着温度を下げるように制御するこ
とを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略図
である。
【0024】図1に示すように、画像形成装置は、像担
持体としてドラム状電子写真感光体、すなわち感光ドラ
ム1を備え、感光ドラム1は、OPC、アモルファスS
e、アモルファスSi等の感光材料の層をアルミニウム
やニッケル等のシリンダ状の基板上に形成してなってお
り、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0025】感光ドラム1は、その回転過程で、接触帯
電手段である帯電ローラ2により表面を一様に帯電さ
れ、ついで図示しない画素情報変換手段(ビデオコント
ローラ)によって画像展開されたビデオ信号に基づいて
ON/OFF制御されたレーザービーム3による走査露
光が施され、感光ドラム1の表面に静電潜像が形成され
る。この走査露光装置は、ポリゴンミラーの回転によ
り、ポリゴンミラーに反射するレーザ光を走査するスキ
ャナユニットからなる。
【0026】感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置4
によって現像剤(トナーまたはトナー+キャリア)を用
いて現像され、トナー像として可視化される。感光ドラ
ム1上に得られたトナー像は、給紙カセット9または図
示しない給紙トレイから供給して、レジストローラ30
により所定のタイミングで感光ドラム1に搬送された記
録材P上に転写ローラ5により転写される。このとき、
転写ローラ5の手前前方の先端センサ8で給紙カセット
9から供給された記録材P先端の通過を検知して、感光
ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の
書き出し位置(転写開始位置)が合致するように、記録
材の感光ドラム1への搬送タイミングを合わせている。
所定のタイミングで搬送された記録材は、感光ドラム1
と転写ローラ5との間に一定の加圧力で挟持搬送されな
がらトナー像を転写される。
【0027】トナー像が転写された記録材は定着装置6
へ搬送され、トナー像が永久画像として定着される。定
着が終了した記録材は、耐熱性の定着排紙ガイドに案内
されて、排紙ローラおよび排紙コロに挟持搬送され、排
出トレイ上に排出される。一方、感光ドラム1上に残存
した転写残りトナーは、クリーニング装置7により感光
ドラム1の表面から除去される。
【0028】本実施例における定着装置の概略構成を図
2に示す。図2に示すように、定着装置6は加熱部材1
0と加圧ローラ20とを備え、その加熱部材10をフィ
ルム加熱方式として、加熱部材10の熱容量をできる限
り小さく抑えることにより、クイックスタート性を満足
させている。
【0029】加熱部材10は、耐熱性樹脂で形成された
円筒状の薄肉のフィルム(定着フィルム)13内に、図
示しない支持部材により耐熱性のステイホルダー(支持
体)12を配置し、そのホルダー12の加圧ローラ20
側の部分に加熱ヒータ11を保持してなっている。ヒー
タ11の定着ニップ部とは反対側の背面には、ヒータ1
1の温度検知手段14、たとえばサーミスタが設けられ
ている。加圧ローラ20は弾性ローラからなり、定着フ
ィルム13を介して加熱ヒータ11に圧接することによ
り、定着フィルム13と加圧ローラ20との間に所定の
幅でニップ部を形成している。
【0030】記録材Pの搬送方向に関して、定着ニップ
部の前方、後方には、それぞれ入り口ガイド14、出口
ガイド16が設置され、出口ガイド16の後方には定着
排紙手段を構成するローラ17、コロ18が配置されて
いる。
【0031】定着フィルム13は、加圧ローラ20の回
転力により、定着ニップ部においてヒータ11の面に密
着して摺動しつつ、矢印の方向に回転移動される。定着
フィルム13に駆動手段を設けて、定着フィルム13を
能動回転することもできる。定着フィルム13は円筒状
とされているが、エンドレスベルト状もしくはロール巻
きの有端ウエブ状の部材としてもよい。
【0032】ヒータ11を定着温度に温調し、定着フィ
ルム13を矢印方向に回転させ、その状態でトナー像を
担持した記録材Pを入り口ガイド15を経て、定着フィ
ルム13と加圧ローラ20との定着ニップ部に導入する
と、記録材Pは定着フィルム13の面に密着し、その定
着フィルム13と一所に定着ニップ部を挟持搬送され、
定着ニップ部を通過する間に、記録材およびその上のト
ナー像がヒータ11により定着フィルム13を介して加
熱されて、トナー像が記録材に定着される。定着ニップ
部を通過した記録材は、定着フィルム13の面から剥離
して、出口ガイド16、排紙ローラ17、排紙コロ18
を経て搬送される。
【0033】加熱手段としてのヒータ11には、一般に
セラミックヒータが使用される。たとえばアルミナ等の
電気絶縁性、良熱伝導性、低熱容量のセラミック基板の
一方の定着フィルム13と対面する側の面に、基板長手
方向(図の紙面に垂直な方向)に沿って銀パラジューム
(Ag/Pb)、Ta2N等の通電発熱抵抗層をスクリ
ーン印刷等で形成し、さらにその抵抗層形成面を薄いガ
ラス保護層で覆った形態をとる。
【0034】このヒータ11の通電発熱抵抗層に図示し
ない給電装置から給電部を介して通電することにより通
電発熱抵抗層が発熱して、セラミック基板およびガラス
保護層を含むヒータ全体が急速に温度上昇する。このヒ
ータ11の昇温がヒータ背面の温度検知手段(サーミス
タ)14により検知されて、図示しない通電制御部へフ
ィードバックされる。温度検知手段14によるヒータの
温度検知は、搬送可能な全ての記録材が通過するヒータ
の幅方向領域をカバーしている。
【0035】通電制御部は、温度検知手段14で検知さ
れたヒータ温度が、所定の定着温度にほぼ維持されるよ
うに、通電発熱抵抗層に対する給電を制御する。制御方
法としては、印加する電圧の波数の増減を制御する波数
制御方式、電圧の各位相角から電圧を印加する位相制御
方式等がある。これらの制御方式によってヒータ11
は、所定の定着温度に加熱、温調される。
【0036】定着フィルム13は、定着ニップ部におい
てヒータ11の熱を効率よく記録材Pに与えることがで
きるよう、厚さを20〜70μmとかなり薄くしてい
る。この定着フィルム13は、フィルム基層、プライマ
ー層および離型性層の3層構成とされており、フィルム
基層をヒータ側、離型性層を加圧ローラ側にして使用す
る。
【0037】フィルム基層は、定着フィルム全体の引裂
強度等の機械的強度を保つための層で、ヒータ11のガ
ラス保護層と同様、高い絶縁性を持たされており、絶縁
性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等か
らなり、耐熱性、高弾性をも有している。プライマー層
は、フィルム基層と離型性層との接着層で、厚さ2〜6
μm程度の薄い層に形成されている。離型性層は、定着
フィルムに対するトナーオフセット防止層であり、PF
A、PTFE、EEP等のフッ素樹脂を厚さ10μm程
度に被覆して形成してある。
【0038】ステイホルダー12は、たとえば耐熱性プ
ラスチックより形成され、ヒータ11を保持するととも
に定着フィルム13の搬送ガイドも兼ねている。ステイ
ホルダー12は、図示しない支持部材で支持して定着フ
ィルム13の円筒内に不動に配置されている。
【0039】加圧ローラ20は弾性ローラとされ、アル
ミニウム等の金属製の芯金21の周囲に、シリコーンゴ
ムあるいはシリコーンスポンジ等の弾性層22を設け、
その上にPFA、PTFE、FEP等のフッ素系樹脂層
を離型性層23として形成してなっている。加圧ローラ
20を所定の加圧力によって定着フィルム13を介して
ヒータ11に加圧することにより、定着フィルム13と
加圧ローラ20との間に記録材上のトナー像を加熱定着
するのに必要な定着ニップ部が形成される。
【0040】弾性を有する加圧ローラ20を加圧する
と、加熱手段のセラミックヒータ11が高い剛性を有し
ているので、加圧ローラ20がヒータ11の扁平下面に
ならって圧接部で扁平になって、所定幅の定着ニップ部
を形成し、定着ニップ部のみを加熱することで、クイッ
クスタートの加熱定着が実現される。
【0041】フィルム加熱方式を採用した画像形成装置
は、前記したように、図3に示すように、各部が電気的
に制御されている。再度述べれば、まず始めに使用者
が、パーソナルコンピュータ等の外部情報機器50にお
いて、文書や図、画像などのプリント目的の原稿(電子
原稿)を作成し、その作成された電子原稿をプリントす
る指示を外部情報機器50から発信すると、電子原稿の
画像データは画像形成装置52の画素情報変換部(ビデ
オコントローラ)51に送られる。ビデオコントローラ
51は、送られた画像データを画像展開してビデオ信号
に変換する。画像展開が終了すると、ビデオコントロー
ラ51はエンジンコントローラ53に対してプリント動
作を開始する信号(プリント信号)を送るとともに、画
像のビデオ信号を送信する。
【0042】エンジンコントローラ53は、プリント信
号を受け取ると、感光ドラムに書き込むための走査露光
装置54を立ち上げる指令と、定着装置58(図1の定
着装置6)に送電を開始し、ヒータが定着可能温度に達
するように立ち上げる指令を出す。これらの走査露光装
置54や定着装置58がそれぞれ所定の回転数および温
度に立ち上がったところで、給紙部56(図1の給紙カ
セット6および図示しない給紙トレイ)、搬送部57が
動作して記録材の搬送が開始され、現像・転写部55
(図1の現像器4および転写ローラ5)での画像形成プ
ロセスを経て、定着装置58で記録材に転写されたトナ
ー像の加熱定着を行い、一連のプリント動作が完了す
る。
【0043】本実施例における加熱ヒータ11の温調制
御方式の一つの例を以下に示す。
【0044】フィルム加熱方式の定着装置では、加圧部
材の加圧ローラ20の表面温度によって加熱手段である
ヒータ11の温調温度を変化させている。ヒータ11の
通電発熱抵抗層への通電が行われない状態(スタンバイ
状態)が長く続いた場合には、加圧ローラ20は十分に
冷えた状態になっており、したがって、トナー像を加熱
定着する際には、加熱部材10から与える熱量を主に利
用する。一方、加熱定着の動作がしばらく続いた後等に
は、加圧ローラの表面は十分に加熱された状態にあり、
したがって加熱部材10からの熱量だけでなく、加圧ロ
ーラ20からの熱量もトナー像の定着に必要な熱量とし
て利用することができる。
【0045】つまり、加圧ローラ20が冷えた状態から
の加熱定着に比べ、加熱部材10から記録材に与える熱
量を小さく抑えることができる。逆に小さく抑えない
と、記録材上のトナー像に過剰な熱量を与えることにな
り、高温オフセット等の弊害を発生してしまう。したが
って、加熱部材10のヒータ11の温調温度は、加圧ロ
ーラ20の昇温状態に応じて逐次変化させる必要があ
る。この温調制御の一例を図4に示す。
【0046】図4において、横軸は加圧ローラが冷えた
状態から連続定着を開始したときの通紙枚数、すなわち
定着枚数を示し、縦軸はヒータの制御温度、すなわち定
着温調温度を示す。加圧ローラ20が冷えた状態のとき
に、画像形成装置で画像形成が行われた場合、図4の1
枚目に相当する210℃の温調温度で温度検知手段14
によりヒータ11の温度を一定に保つように制御する。
連続して画像を加熱定着する場合、定着枚数に応じて徐
々に加圧ローラの表面温度が高くなるので、図では20
枚ごとにヒータ11の温調温度を5℃づつ低下させて1
85℃まで降下させている。
【0047】また加圧ローラ20がある程度暖められた
状態から加熱定着を開始する場合には、画像形成装置に
プリント信号が入力されたときの温度検知手段14の検
知温度に応じて、ヒータ11の制御温度を決定する。こ
の方法は、ヒータ11、フィルム13等の熱容量が非常
に小さいことと、スタンバイ時にヒータ11の通電発熱
抵抗層への通電をシャットダウンしていることにより、
温度検知手段14の検知温度が、ヒータより熱容量の大
きい加圧ローラの温度に収束することから可能になる。
【0048】たとえばプリント開始時(通電発熱抵抗層
への通電開始時)の温度検知手段14の検知温度が50
〜70℃の場合には、図4の21枚目に相当する205
℃から、検知温度が70〜90℃の場合には、図4の4
1枚目に相当する200℃から、温調制御を開始する。
これにより、加圧ローラ20の加熱具合に応じて最適な
ヒータ温度制御が可能になる。
【0049】さて、使用者が外部情報機器のパーソナル
コンピュータよりプリント開始信号を出してから、プリ
ント動作が完了するまでの時間を、以下の(1)、
(2)の2つの方法について比較した。
【0050】(1)従来のプリント動作制御に従った場
合:ビデオコントローラで画像展開した後に、プリント
信号をエンジンコントローラ送ってから定着装置の立ち
上げ動作を開始する場合。(2)定着装置を予め立ち上
げておく場合:ビデオコントローラにおいて画像展開を
始める前に定着装置の立ち上げを行い、画像展開終了後
にプリント信号を受けて直ぐにプリント信号を開始する
場合。
【0051】(2)の制御はつぎのようにして行った。
まず、図3のパソコン50が画像形成装置のビデオコン
トローラ51に画像データを送ると、ビデオコントロー
ラ51は画像展開を始める前に、エンジンコントローラ
53に対してエンジン部の定着装置58を立ち上げる信
号(プレヒート信号)を送る。エンジンコントローラ5
3は、プレヒート信号を受けると直ちに定着装置58の
立ち上げを開始する。その後、画像展開の終了後にプリ
ント信号およびビデオ信号を受け取りプリント動作を開
始する。またこの定着装置の立ち上がり時間は、上記し
たように加圧ローラが十分に冷えた状態(コールド状
態)から立ち上がった場合の時間であり、以下に述べる
立ち上がり時間は、特に断らない限り、このコールド状
態から行った時間を示す。
【0052】今、画像展開に10秒の時間を要する電子
原稿のプリントをパソコンから指示したとき、プリント
の開始指示から動作完了までに要する時間と上記
(1)、(2)の制御との関係を図5、図6に模式的に
示した。図5〜6には、定着装置ヒータの設定温度を時
間軸に対して併記してある。図中、プリント動作中の表
示のある区間は、画像形成装置のエンジン部がプリント
動作を行っている時間のことである。
【0053】本実施例では、記録材Pの先端が図1の給
紙カセット9の出口位置Aに位置したとき、プリント動
作を開始したので、記録材Pの給紙開始から、記録材が
定着装置6を通ってプリント動作が終了するまでに約
5.5秒の時間を要した。図5、6から明らかなよう
に、(1)の通常の立ち上げを行った場合は、プリント
終了までに21.5秒かかり、(2)のプレヒートを行
った場合は、プリント終了までに15.5秒かかり、し
たがって(2)では、定着装置の立ち上げ時間の6秒だ
け、プリント動作が早く終了することがわかる。このよ
うに、画像展開と同時に定着装置をプレヒートしておけ
ば、定着装置の立ち上げに要する時間分だけ、待ち時間
を短縮することが可能になる。
【0054】しかし、図5と図6の定着装置設定温度の
グラフを比較すれば明らかなように、(2)のプレヒー
トを行う場合は、定着装置立ち上がり後に目標定着温度
に保持する待機時間が存在する。図6の場合、目標定着
温度の高温で4秒間待機する。この間、ヒータは高温で
加圧ローラを加熱し続けることになる。
【0055】実際に記録材が定着装置に入る瞬間に加圧
ローラが何度まで昇温しているかについて、(1)と
(2)の場合で比較した。目標定着温度を220℃に設
定したとき、(1)の通常の立ち上げに従った場合は9
5℃であったのに対し、(2)のプレヒートした場合は
125℃まで昇温した。つまり、図6の4秒間の待機時
間で加圧ローラは30℃昇温することになる。この温度
は、加圧ローラが室温の状態(コールド状態)から立ち
上げたときの温度である。
【0056】さらに200枚の連続プリントを行った
後、加圧ローラが熱い状態のまま、改めて(2)の方法
で立ち上げると、加圧ローラは165℃まで昇温した。
この温度は、(1)の通常の立ち上げ方法では到達しな
いほど高い加圧ローラ温度である。しかも、この温度で
は高温オフセットが生じており、画像形成装置の画像品
質としては許容できない。また画像展開時間がこれより
長くなれば、加圧ローラがさらに昇温する恐れもあり、
高温オフセットのみらならず、記録材の紙種や含水状態
によっては、記録材から放出される水蒸気が原因となっ
て、スリップによる紙づまりが発生してしまう場合も考
えられる。
【0057】そこで、本発明では、このような加圧ロー
ラの過剰な昇温を防ぐために、以下のように立ち上げ方
に改良を加えた。図6において、プリント動作中で示し
た区間は、プリント信号を受けた後にエンジン部がプリ
ント動作を行っている区間であるが、このプリント動作
を分割すると、(a)記録材が給紙カセットや給紙トレ
イから給紙され、転写部においてトナー像を定着され、
その後、定着装置に到達するまでの区間と、(b)記録
材が定着装置に入り、加熱定着される区間とに分けるこ
とができる。本実施例の画像形成装置の場合、(a)の
区間に要する時間は、給紙場所や記録材サイズによって
も異なるが約3.5秒、(b)の区間に要する時間は約
2秒弱である。
【0058】少なくとも記録材が定着装置に来たとき
に、定着装置が目標定着温度に達していればよいと考え
られるので、(a)の給紙時間中は目標温度に達してい
なくても問題はなく、記録材が定着装置に到達するまで
は、ヒータの立ち上げ時間として使うことができる。こ
こで、ヒータの立ち上がり速度が1℃あたり30mse
c要するとすると、(a)の区間の3.5秒間のうちの
3秒間を使うと、その時間内に3秒×(1℃/0.03
秒)=100℃だけヒータ温度を立ち上げることが可能
である。
【0059】具体的には、プレヒート信号を受けて定着
装置を立ち上げた後、プリント信号を受けるまでは、目
標定着温度−100℃の温度で待機しておけば、その後
の給紙動作中の立ち上げで目標温度に到達することにな
る。図7に、プレヒート中は、待機温度=目標定着温度
−100℃で待機させ、プリント信号を受けてから1℃
/30msecの昇温速度で立ち上げる場合の温調制御
についての概略を示す。
【0060】この方法によって制御を行えば、画像展開
中も比較的低温で待機できるので、待機中の加熱による
加圧ローラの過剰昇温を防ぐことができる。図5、図6
と同じ条件で加圧ローラの温度を比較したところ、記録
材が定着装置に入る直前では約95℃の温度を示してお
り、図5の通常の立ち上げ時のときとほとんど変わらな
い温度に維持でき、また連続プリント後の加圧ローラ温
度が暖まっている状態から立ち上げた場合でも、加圧ロ
ーラ温度は140℃であり、高温オフセットやスリップ
等の問題が発生することはなかった。
【0061】つぎに、図7における待機温度について考
えてみる。待機温度は、加圧ローラの昇温を抑えるには
できるだけ低い方が望ましい。ところが、待機温度が低
すぎれば、待機後、プリント信号を受けて再び定着温度
まで、ヒータを立ち上げる際、温度検知手段14の応答
性が悪いなどの場合、電力のオーバーシュートにより、
実際の定着温度が目標温度よりも高くなってしまう恐れ
がある。あるいは電力不足によりヒータが目標定着温度
まで立ち上がらないケースもある。このようなことを考
えれば、待機温度はなるべく高温にし、待機後の再立ち
上げでは、できるだけ電力の投入量が少なくなるような
設計が望まれる。
【0062】そこで、待機温度を(目標定着温度−10
0℃)〜(目標定着温度−30℃)まで変化させ、その
ときの加圧ローラ温度を測定し、また水蒸気発生による
紙のスリップ(紙づまり)や高温オフセットが発生しな
いかどうかを調べる定着実験を行った。実験は、連続プ
リント後の加圧ローラが暖まった状態から行った。結果
を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1の結果から、待機温度を目標定着温度
−40℃より高く設定すると、加圧ローラの昇温は16
0℃を超えてしまい、スリップが発生している。つまり
加圧ローラが160℃を超えるような設定では、紙から
の水蒸気発生が盛んになり、スリップが発生するものと
考えられる。スリップが発生しないようにするために
は、加圧ローラ温度が160℃以下になるように、待機
温度を目標定着温度−50℃以下に設定しなければなら
ない。
【0065】また本装置の場合、待機温度が目標定着温
度−100℃であっても、先に述べたような電力のオー
バーシュートや電力不足によって目標定着温度に達しな
いなどの不都合は生じなかったので、実際には待機温度
を低くしても問題はないと考えられる。これは、加圧ロ
ーラが十分に暖まった状態(約120℃)からスタート
しているため、待機後からの再立ち上げ時に大きな電力
を必要としないからであると思われる。
【0066】一方で、コールド状態(加圧ローラ温度が
室温)や、加圧ローラ温度がたとえば約80℃のように
少し暖まっている状態では、待機温度を目標定着温度−
100℃と設定すれば、画像形成装置の使用環境が低温
などの場合に、電力不足によって目標定着温度に達しな
いケースも存在する。このような状況に鑑み、加圧ロー
ラの昇温状態によって、待機温度を(目標定着温度−5
0℃)〜(目標定着温度−100℃)の間で可変にする
ような制御を行った。
【0067】本実施例で使用した画像形成装置は、加圧
ローラの温度を検知する手段を具備していない。そこ
で、前述したように、スタンバイ時には温度検知手段1
4による検知温度が熱容量の大きい加圧ローラ20の温
度にほぼ収束することを利用して、定着装置立ち上げ直
前の検知手段14の検知温度によって、待機温度を変え
る制御を行った。制御の具体例を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】特に待機温度が目標定着温度−100℃の
場合で、かつ目標定着温度が200℃以下になるような
場合は、待機温度が100℃以下になるので、実質的に
は待機中はヒータに全く電力を投入しないことになる。
表2に示すような制御を行うことによって、画像形成装
置の使用環境によらずに、待機後の再立ち上げ時に確実
に目標定着温度まで到達させることが可能となる。さら
に加圧ローラが暖まった状態での立ち上げ時の電力投入
量も最小限に抑えることができるので、スリップや高温
オフセットの問題になるようなことはない。
【0070】また本実施例では、温度検知手段14の出
力に応じて待機時間を変化させたが、加圧ローラに表面
温度の検知手段が設置されている場合は、その検知温度
を使用すればよく、同様な効果を得ることができる。
【0071】以上説明したように、本実施例では、ビデ
オコントローラ、パソコンなど外部情報機器からの画像
データをビデオ信号に画像展開する前に、エンジンコン
トローラに画像形成装置のエンジン部を立ち上げるプレ
ヒート信号を発信し、画像展開中に定着装置を立ち上げ
ておくようにしたので、待ち時間を短縮することが可能
となる。また画像展開中は可能な限り目標定着温度より
も低い温度に待機させることにより、プレヒートによる
加圧ローラの過剰昇温を防止することも可能となり、高
温オフセットやスリップ等の問題を防ぐことができる。
【0072】以上の実施例では、特に熱容量の小さい薄
肉の定着フィルムを使用するフィルム加熱方式の定着装
置について適用した場合を示した。本発明はこれに限ら
れず、定着ローラなどの定着部材の弾性ゴム層の肉厚を
薄くするなどにより、従来よりも定着部材の熱容量を小
さくして、定着温度までの立ち上がりを早くした熱ロー
ラ方式の定着装置にも適用することができ、同様な効果
を有する。
【0073】実施例2 本発明の他の実施例について説明する。
【0074】本実施例に関する画像形成装置および定着
装置の構成は、実施例1の図1、図2と同様であるので
説明を省略する。
【0075】本実施例でも、プリント中の待ち時間短縮
のために、実施例1と同様、ビデオコントローラは画像
展開前にエンジンコントローラに対してプレヒート信号
を発信し、画像展開中に定着装置を立ち上げるようにす
る。
【0076】本実施例では、プレヒート中の加圧ローラ
の過剰昇温によって生じる高温オフセットやスリップ等
の問題を回避するために、プレヒートしながら待機する
時間の長さに応じて、目標定着温度を下げる方法をと
る。つまり、プレヒートによる加圧ローラの昇温に応じ
て、トナー像の定着に適切な温度まで定着温度を下げ
る。
【0077】具体的には図8に示すように、プリント開
始の指示によりエンジンコントローラがプレヒート信号
を受け、定着装置を立ち上げる。このとき定着装置は目
標定着温度まで一気に立ち上がってしまう。定着装置が
所望の温度まで立ち上がれば、図8に示すように、ある
一定のインターバルごとに定着温度を下げて待機する。
画像展開が終了してプリント信号を受けるまでこの動作
を行う。
【0078】実施例1で説明したように、本実施例で使
用した画像形成装置は、プリント開始時に温度検知手段
14の検知温度に応じて目標定着温度を変化させてい
る。連続プリント後などに再びプリントを行うときは、
加圧ローラが暖まった状態にあり、温度検知手段14が
高い温度を検知するため、目標定着温度は低い温度に設
定する制御を行っている。このような場合、本実施例の
制御にしたがって待機中の温度を下げれば、トナー像の
定着が不可能な温度まで下げられてしまう恐れがある。
すなわち、図6の温調制御のグラフにおいて最も低い定
着温度を下回ってしまう。
【0079】したがって、このような問題を避けるため
に、プレヒート中の待機時間が長くなっても、規定の定
着温度以下に下がらないように制御する必要がある。本
実施例の図8に示す立ち上げ方法に従うと、実施例1の
方法(図7)と比べて画像展開中の待機温度は明らかに
高く、そのために加圧ローラの昇温は実施例1の場合よ
りも高い温度まで上昇する。実際に加圧ローラの温度を
測定しながら、実施例1と同じ条件に従ってプリントを
行えば、実施例1の場合よりも加圧ローラの温度は高く
推移し、1枚目の記録材が定着装置に到達するときには
105℃まで昇温した(実施例1では95℃)。
【0080】しかしながら、図5の制御にしたがって定
着温度を待機中に下げない場合(125℃)に比べれ
ば、加圧ローラ温度は低い。また連続プリント後の暖ま
っている状態では、加圧ローラ温度はプレヒートによっ
て約150℃まで昇温するが、実施例1の表1に示した
ように160℃以下の温度に保たれており、プリントを
行っても高温オフセットやスリップ等の問題は発生しな
いので、実用上問題ないと考えられる。
【0081】さらに実施例1のように、画像展開中に低
い温度で待機すると、目標定着温度までの温度差が大き
いために、その後の給紙中に再び目標温度まで立ち上げ
る際は、ヒータに通電する電力量を多くして昇温速度を
早くしなければならない。このようなケースでは、温度
検知手段(サーミスタ)14の応答性が悪ければ、電力
がオーバーシュートしてしまい、実際の温度が目標温度
よりも高くなってしまう場合が多い。外部電源からの電
圧が不安定な地域では電力不足のため、給紙中の短時間
では目標温度に到達できない恐れもある。
【0082】それに対し、本実施例のように、一旦高い
温度に立ち上げた後、徐々に定着温度を下げれば、温調
のコントロールを容易に行うことができる。またプリン
ト信号を受けた時点で、定着可能温度に達しているた
め、プリント信号受信時にカセット位置(図1の位置
A)から給紙を開始する必要はなく、その時点で図1の
プレフィード位置B(レジストローラ30の位置)まで
予め待機中に記録材を進めておけば、給紙カセット−プ
レフィード位置間の搬送に要する時間(本実施例は約
1.7秒)だけ、プリント時間を短縮することができる
(図8の破線に従う)。
【0083】以上述べたように、本実施例においても、
画像展開中に定着装置を立ち上げて待機しておくこと
で、待ち時間の短縮が可能となる。さらに待機時間に応
じて定着温度を下げることで、加圧ローラの過剰昇温を
抑えることができ、また高温オフセットやスリップ等の
問題も防止することができる。
【0084】本実施例でも、特に熱容量の小さい薄肉の
定着フィルムを使用するフィルム加熱方式の定着装置に
ついて適用した場合を示したが、本発明は、定着ローラ
などの定着部材の弾性ゴム層の肉厚を薄くするなどによ
り、従来よりも定着部材の熱容量を小さくして、定着温
度までの立ち上がりを早くした熱ローラ方式の定着装置
にも適用することができ、同様な効果を有する。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本出願の請求項1
に記載の発明は、外部情報機器から受信した画像情報を
画素情報変換手段により画像展開し、その画像展開した
画像情報に基づいて記録材に形成したトナー像を、加熱
ヒータを内蔵した薄肉の加熱部材と加圧部材とが互いに
圧接して形成された定着ニップ部を通過させて、トナー
像を記録材に加熱定着する画像形成装置において、画素
情報変換手段は、画像展開を終了する以前に、画像形成
装置の制御部に対して加熱ヒータを立ち上げる信号を発
信し、制御部は、加熱ヒータを、画素情報変換手段が画
像展開を終了するまでは目標定着温度よりも低い温度で
待機させ、画像展開終了後に目標定着温度まで再加熱す
るように制御することを特徴とする。したがって、画像
展開を行っている間に、画像形成装置の定着装置が立ち
上がるので、画像形成装置の画像形成動作が完了するま
での待ち時間を短縮することができる。また画像展開中
に定着装置を低い温度で待機させるので、加圧部材の表
面温度の過剰な昇温を防ぐことができる。
【0086】本出願の請求項2に記載の発明は、画素情
報変換手段が画像展開を終了するまでは、加熱ヒータは
目標定着温度−50℃以下の低い温度で待機することを
特徴とする。したがって、高温オフセットや記録材と加
圧部材のスリップ等の問題を防ぐことができる。
【0087】本出願の請求項3に記載の発明は、加熱ヒ
ータの温度を検知する温度検知手段を有し、加熱ヒータ
の温度検知手段が加熱ヒータを立ち上げる直前に検知し
た検知温度に応じて、加熱ヒータの待機温度を変化さ
せ、また請求項4に記載の発明は、加圧部材の表面温度
を検知する温度検知手段を有し、加圧部材の温度検知手
段が加熱ヒータを立ち上げる直前に検知した検知温度に
応じて、加熱ヒータの待機温度を変化させることを特徴
とする。いずれも、検知温度が低いときは待機温度を高
く、検知温度が高いときは待機温度を低くすることによ
り、待機後の目標定着温度への到達を確実に行うことが
できる。また加熱ヒータへの投入電力量を最小限に抑え
ることが可能となる。
【0088】本出願の請求項5に記載の発明は、画素情
報変換手段は、画像展開を終了する以前に、画像形成装
置の制御部に対して加熱ヒータを立ち上げる信号を発信
し、制御部は、加熱ヒータを一旦目標定着温度まで加熱
した後、画像展開中の待機時間に応じて定着温度を下げ
るように制御することを特徴とする。したがって、画像
形成装置の画像形成動作完了までの待ち時間が短縮され
る他、画像展開中の待機時間に応じて定着温度を下げる
ので、加圧部材の表面温度の過剰な昇温を防ぐことがで
き、高温オフセットやスリップなどの問題も防ぐことが
できる。また待機時間に応じて徐々に定着温度を下げる
ので、立ち上げ直後の電力のオーバーシュートによる定
着温度の上昇を待機中に緩和でき、温調温度のコントロ
ールを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略図
である。
【図2】図1の画像形成装置に設置された定着装置を示
す断面図である。
【図3】図1の画像形成装置の各部の電気的制御を示す
模式図である。
【図4】図2の定着装置で行われる温調制御方式の一つ
の例を示す説明図である。
【図5】従来の定着装置立ち上げ制御によるプリントに
要する時間と温調制御との関係を示す説明図である。
【図6】画像展開前の定着装置立ち上げ制御によるプリ
ントに要する時間と温調制御との関係を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の一実施例での画像展開前の定着装置立
ち上げ制御によるプリントに要する時間と温調制御との
関係を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施例での画像展開前の定着装置
立ち上げ制御によるプリントに要する時間と温調制御と
の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 6 定着装置 9 給紙カセット 10 加熱部材 11 加熱ヒータ 12 ステイホルダー 13 定着フィルム 14 温度検知手段(サーミスタ) 20 加圧ローラ 50 外部情報機器(パーソナルコンピュータ) 51 画素情報変換手段(ビデオコントローラ) 53 画像形成装置制御部(エンジンコントローラ) 56 給紙部 58 定着装置 P 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA09 AA14 AA24 AA30 AA32 BA31 BB30 BB37 BE03 CA03 CA20 CA28 CA32 3K058 AA02 AA03 AA04 AA12 AA73 AA81 BA18 CA05 CA12 CA23 CA46 CA61 CB02 CE02 CE13 CE19 DA03 GA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部情報機器から受信した画像情報を画
    素情報変換手段により画像展開し、その画像展開した画
    像情報に基づいて記録材に形成したトナー像を、加熱ヒ
    ータを内蔵した薄肉の加熱部材と加圧部材とが互いに圧
    接して形成された定着ニップ部を通過させて、前記トナ
    ー像を記録材に加熱定着する画像形成装置において、 前記画素情報変換手段は、画像展開を終了する以前に、
    画像形成装置の制御部に対して前記加熱ヒータを立ち上
    げる信号を発信し、前記制御部は、前記加熱ヒータを、
    前記画素情報変換手段が画像展開を終了するまでは目標
    定着温度よりも低い温度で待機させ、画像展開終了後に
    目標定着温度まで再加熱するように制御することを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画素情報変換手段が画像展開を終了
    するまでは、前記加熱ヒータは目標定着温度−50℃以
    下の低い温度で待機することを特徴とする請求項1の画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱ヒータの温度を検知する温度検
    知手段を有し、前記加熱ヒータの温度検知手段が前記加
    熱ヒータを立ち上げる直前に検知した検知温度に応じ
    て、前記加熱ヒータの待機温度を変化させることを特徴
    とする請求項2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧部材の表面温度を検知する温度
    検知手段を有し、前記加圧部材の温度検知手段が前記加
    熱ヒータを立ち上げる直前に検知した検知温度に応じ
    て、前記加熱ヒータの待機温度を変化させることを特徴
    とする請求項2の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 外部情報機器から受信した画像情報を画
    素情報変換手段により画像展開し、その画像展開した画
    像情報に基づいて記録材に形成したトナー像を、加熱ヒ
    ータを内蔵した薄肉の加熱部材と加圧部材とが互いに圧
    接して形成された定着ニップ部を通過させて、前記トナ
    ー像を記録材に加熱定着する画像形成装置において、 前記画素情報変換手段は、画像展開を終了する以前に、
    画像形成装置の制御部に対して前記加熱ヒータを立ち上
    げる信号を発信し、前記制御部は、前記加熱ヒータを一
    旦目標定着温度まで加熱した後、画像展開中の待機時間
    に応じて定着温度を下げるように制御することを特徴と
    する画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱部材が、前記定着ニップ部で前
    記加圧部材と圧接した移動可能なフィルムと、前記定着
    ニップ部で前記フィルムの内側に配置された前記フィル
    ムに接触する加熱ヒータとを備えて構成されることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成
    装置。
  7. 【請求項7】 前記加圧部材が弾性ローラからなること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルムが円筒体に形成され、前記
    弾性ローラの回転により従動して回転することを特徴と
    する請求項7の画像形成装置。
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