JP2002091078A - 画像形成方法、加熱定着方法及び加熱定着用カラートナー - Google Patents

画像形成方法、加熱定着方法及び加熱定着用カラートナー

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JP2002091078A
JP2002091078A JP2000281118A JP2000281118A JP2002091078A JP 2002091078 A JP2002091078 A JP 2002091078A JP 2000281118 A JP2000281118 A JP 2000281118A JP 2000281118 A JP2000281118 A JP 2000281118A JP 2002091078 A JP2002091078 A JP 2002091078A
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toner
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heat
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Junko Inaba
潤子 稲葉
Nobuyoshi Sugawara
庸好 菅原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カラートナー画像の定着性を十分に確保で
き、多色トナーが十分混合して色再現性がよく、OHP
画像の透明性に優れた画像を得る。 【解決手段】 回転加熱部材10と、該回転加熱部材と
ニップを形成している回転加圧部材30を有する加熱加
圧手段を使用し、該記録材上の非磁性のカラートナー画
像を加熱加圧定着する画像形成方法において、該カラー
トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤、有機金属
化合物を含有しており、(a)カラートナーは重量平均
粒径が5〜8μmであり、(b)結着樹脂は、架橋剤で
架橋されているポリエステル樹脂であり、(c)カラー
トナーは、温度130℃における貯蔵弾性率
(G’130)が2×103〜2×104〔dN/m2〕であ
り、温度170℃における貯蔵弾性率(G’1 70)が5
×103〜5×104〔dN/m2〕であり、G’170
G’130の値が0.25〜10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録における静電荷像を現像するためのカラートナーを用
いた画像形成方法、加熱定着方法及び加熱定着用カラー
トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】便宜上、まず最初に、複写機・プリンタ
等の画像形成装置に具備させる、トナー画像を被記録材
に加熱定着させる像加熱装置(定着装置)を例にして説
明する。
【0003】画像形成装置において、電子写真プロセス
・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像
形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレク
トロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印
刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直接
方式にて形成・担持させた目的の画像情報の未定着画像
(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱
定着させる定着装置としては、熱ローラ方式の装置が広
く用いられていた。近時はクイックスタートや省エネル
ギーの観点からベルト加熱方式の装置が実用化されてい
る。また電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。こ
れらの方式の定着装置の装置構成及び利点、問題点は以
下の通りである。
【0004】a)熱ローラ方式の定着装置 これは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとの圧
接ローラ対を基本構成とし、該ローラ対を回転させ、該
ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部に、画像定着
すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導
入して挟持搬送させて、定着ローラの熱と、定着ニップ
部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定
着させるものである。
【0005】定着ローラは、一般に、アルミニウムの中
空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源とし
てのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンラン
プの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持さ
れるようにハロゲンランプへの通電が制御されて温調さ
れる。
【0006】特に、最大4層のトナー画像層を十分に加
熱溶融させて混色させる能力を要求される、フルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定
着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またそ
の芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してト
ナー画像の加熱を行っている。また、加圧ローラ内にも
熱源を具備させて加圧ローラも加熱、温調する構成にし
たものもある。
【0007】しかし、熱ローラ方式の定着装置は画像形
成装置の電源をオンにして同時に定着装置の熱源である
ハロゲンランプに通電を開始しても、定着ローラの熱容
量が大きく、定着ローラ等が冷え切っている状態時から
所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待ち
時間(ウエイトタイム)を要し、クイックスタート性に
欠ける。また画像形成装置のスタンバイ状態時(非画像
出力時)も何時でも画像形成動作が実行できるようにハ
ロゲンランプに通電して定着ローラを所定の温調状態に
維持させておく必要があり、電力消費量が大きい等の問
題があった。
【0008】また、上述のフルカラーの画像形成装置の
定着装置のように特に熱容量の大きな定着ローラを用い
るものにおいては、温調と定着ローラ表面の昇温とに遅
延が発生するため、定着不良や光沢ムラやオフセット等
の問題が発生していた。
【0009】b)フィルム加熱方式の定着装置 フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特開昭63−3
13182号公報、特開平2−157878号公報、特
開平4−44075号公報及び特開平4−204980
号公報等に提案されている。
【0010】即ち、加熱体としての一般にセラミックヒ
ータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フ
ィルム(定着フィルム)を挟ませてニップ部を形成さ
せ、該ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に、画像
定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材
を導入してフィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニ
ップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを介し
て被記録材に与え、またニップ部の加圧力にて未定着ト
ナー画像を被記録材面に熱圧定着させるものである。
【0011】このフィルム加熱方式の定着装置は、セラ
ミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用い
てオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画
像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミッ
クヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態に
すればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行
可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート
性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電
力)等の利点がある。
【0012】ただ、大きな熱量が要求されるフルカラー
画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的に
難点がある。
【0013】c)電磁誘導加熱方式の定着装置 実開昭51−109739号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ロ
ーラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成
している。
【0014】しかしながら、磁場発生手段としての励磁
コイルにより発生した交番磁束のエネルギーが定着ロー
ラ全体の昇温に使われるため放熱損失が大きく、投入エ
ネルギーに対する定着エネルギーの密度が低く効率が悪
いという欠点があった。
【0015】そこで、定着に作用するエネルギーを高密
度で得るために、発熱体である定着ローラに励磁コイル
を接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニッ
プ部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が考案
された。
【0016】一方、トナーに関しては特開平1−128
071号公報、特開平4−353866号公報、特開平
6−59504号公報等で樹脂の粘弾性に着目したトナ
ーが開示されているが、低温定着性と耐高温オフセット
性を両立するにはいまだ改善を求められている。
【0017】このような定着時の耐オフセット性を向上
させるために、一般にポリエチレンワックスやポリプロ
ピレンワックス等の比較的離型性の高い材料を用いてい
るが、このような低軟化点物質を多量に含有すると現像
性に劣る場合が多い。
【0018】一般的にフルカラー画像は、転写ドラム上
に転写材を担持する方式の場合、感光体ドラムの感光体
を一次帯電器によって均一に帯電し、例えば原稿のイエ
ロー画像信号にて変調されたレーザー光により画像露光
を行い、感光体ドラム上に静電荷像を形成し、イエロー
トナーを保有するイエロー現像器により該静電荷像の現
像を行い、イエロートナー画像を形成する。次に搬送さ
れてきた転写材に転写帯電器によって前記の感光ドラム
に現像されたイエロートナー画像を転写する。
【0019】一方、前記の静電荷像の現像を行った後の
感光体ドラムは、除電用帯電器により除電し、クリーニ
ング手段によってクリーニングを行った後、再び一次帯
電器によって帯電し、同様に例えばシアントナー画像の
形成及び前記のイエロートナー画像を転写した転写材へ
のシアントナー画像の転写を行い、さらに例えばマゼン
タ色及びブラック色と順次同様に行って、4色のトナー
画像を転写材に転写する。該4色のトナー画像を有する
転写材を定着ローラーにより熱及び圧力の作用で定着す
ることによりフルカラー画像を形成する。
【0020】該カラーの画像形成方法に使用されるトナ
ーは、これに熱を印加した際の溶融性及び混色性が良い
ことが必要であり、軟化点が低く、且つ溶融粘度の低い
シャープメルト性の高いトナーを使用することが好まし
い。
【0021】即ち、シャープメルト性の高いトナーを使
用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿像
に忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0022】しかしながら、このようなシャープメルト
性の高いカラートナーは、定着時にトナーの一部が定着
ローラー表層へ一部もっていかれるという、オフセット
現象が発生しやすい傾向にあり、一方で定着後の熱収縮
が激しく、定着後に転写材がカールし易い傾向にある。
【0023】特にカラー画像形成装置における定着装置
の場合、転写材上にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラ
ックと複数層のトナー層が形成されるため、特にオフセ
ットやカールが発生しやすい傾向にある。
【0024】この様な状況下、従来においては定着時の
オフセットを軽減すべく、定着時にジメチルシリコーン
オイルの如き離型剤を定着ローラーに均一塗布するとい
った手段が採られてきたものの、さらに改善すべき点が
多い。
【0025】さらには、転写材の裏面にカラートナー像
を転写する際に、一回目の定着を終了した転写材の表面
に付着しているシリコーンオイルが裏面画像形成時に転
写ドラム表面を汚染するという問題も発生しやすい。シ
リコーンオイルが転写ドラムに多く付着すると転写ドラ
ムヘの均一な転写材の巻き付きをおこないにくく、転写
回数が多くなるとともに転写ドラムのシート表面の性能
が変化し、トナーの転写性が低下する場合もあった。
【0026】米国特許No.5437949は、カラー
トナーの着色力を向上させるために特定な粒度分布を有
するカラートナーを提案し、米国特許No.55298
65は、カラートナーの粒度分布を調整することにより
両面定着を円滑におこなう画像形成方法が提案されてい
るが、さらに、多数枚耐久性に優れ、フルカラー画像の
両面定着がより円滑におこなうことができるカラートナ
ー及び画像形成方法が待望されている。
【0027】一般にカラートナーにおいては、離型剤を
添加せずに加熱定着ローラー表面にシリコーンオイル等
を塗布せしめることにより耐高温オフセット性の向上を
はかっている。しかしながらこのようにして得られた出
力転写部材はその表面に余分なシリコーンオイル等が付
着するためにユーザーに不快感を与えたり、高光沢によ
り見にくいなどの問題が生じる。
【0028】これらを解決するため、特開平10−28
2822号公報等において、重合法によりトナー内部に
低軟化物質を含有し、さらに樹脂の物性をコントロール
することにより低温定着性、耐高温オフセット性、画像
光沢度、OHP透過性を満足するトナーと加熱定着装置
の組み合わせが開示されている。
【0029】しかし、この加熱定着装置は熱ローラー方
式となっており、寿命が長かったり、定着時の圧力がか
けられるなどの長所の反面、上述してきたようにウエイ
トタイムが長かったり、消費電力が大きいなどの問題が
存在した。
【0030】一方、ウエイトタイムや消費電力などの問
題を解決した電磁誘導加熱定着方式やフィルム加熱定着
方式の定着装置と低軟化点物質含有トナーの組み合わせ
が特開平9−204110号公報や特開平10−488
68号公報等で開示されている。
【0031】これらの場合、トナー内部の樹脂や低軟化
物質の物性の規定を行っているが、フィルム加熱方式や
電磁誘導加熱方式の定着装置では定着時の圧力が大きく
かけられないなどの理由から、トナー最表面の物質やそ
の分散状態のコントロールも行わなければ不十分である
ことがわかってきた。
【0032】このように種々問題を解決するトナーおよ
び加熱定着装置の組み合わせ、即ち画像形成方法が存在
しないのが現状である。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき従来技術の問題点を解決した画像形成方法、加
熱定着方法及び加熱定着用カラートナーを提供すること
にある。
【0034】すなわち、本発明の目的は、被加熱材加熱
部を所定の温度に短時間に立ち上げ状態にでき(クイッ
クスタート性)、カラートナー画像の定着性を十分に確
保でき、被加熱材上画像の先端と後端さらには多数枚通
紙において均一な光沢度(グロス)にすることのできる
画像形成方法及び加熱定着法を提供することにある。
【0035】本発明の目的は、多色トナーが十分混合し
て色再現性がよく、オーバーヘッドプロジェクター用フ
ィルム(OHP)画像の透明性に優れた画像を得ること
ができる画像形成方法、加熱定着方法及び加熱定着用カ
ラートナーを提供することにある。
【0036】本発明のさらなる目的は、流動性にすぐ
れ、かつ現像忠実性と転写性に優れた加熱定着用カラー
トナーを提供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)静電潜
像をカラートナーにより現像してトナー画像を形成し、
(ii)該トナー画像を記録材上に転写し、(iii)
磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層、
弾性層及び離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、
該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧部材
を少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、該回転加熱
部材を記録材を介して該回転加圧部材を押圧しながら、
該記録材上の非磁性のカラートナーによって形成された
カラートナー画像を加熱加圧定着して記録材に定着画像
を形成する画像形成方法において、該カラートナーは、
少なくとも結着樹脂および着色剤、有機金属化合物を含
有しており、(a)カラートナーは重量平均粒径が5〜
8μmであり、(b)結着樹脂は、架橋剤で架橋されて
いるポリエステル樹脂であり、(c)カラートナーは、
温度130℃における貯蔵弾性率(G’130)が2×1
3〜2×104〔dN/m2〕であり、温度170℃に
おける貯蔵弾性率(G’1 70)が5×103〜5×104
〔dN/m2〕であり、G’170/G’130の値が0.2
5〜10であることを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0038】また、本発明は、磁場発生手段と、電
磁誘導により発熱する発熱層、弾性層及び離型層とを少
なくとも有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニ
ップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有する
加熱加圧手段を使用し、該回転加熱部材を記録材を介し
て該回転加圧部材を押圧しながら該記録材上のトナー画
像を加熱加圧定着して記録材に定着画像を形成する加熱
定着方法において、該トナー画像は、結着樹脂、着色
剤、有機金属化合物を少なくとも有するトナー粒子およ
び外添剤を有するカラートナーによって形成されてお
り、(a)カラートナーは重量平均粒径が5〜8μmで
あり、(b)結着樹脂は、架橋剤で架橋されているポリ
エステル樹脂であり、(c)カラートナーは、温度13
0℃における貯蔵弾性率(G’130)が2×103〜2×
104〔dN/m2〕であり、温度170℃における貯蔵
弾性率(G’1 70)が5×103〜5×104〔dN/
2〕であり、G’170/G’130の値が0.25〜10
であることを特徴とする加熱定着方法に関する。
【0039】さらに、本発明は、磁場発生手段と、
電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層及び離型層を少
なくとも有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニ
ップを形成している回転加圧部材を少なくとも有する加
熱加圧手段を使用し、該回転加熱部材を記録材を介して
該回転加圧部材を押圧しながら、該記録材上の非磁性の
カラートナーによって形成されたカラートナー画像を加
熱加圧定着して記録材に定着画像を形成する加熱定着方
法に用いられる加熱定着用カラートナーにおいて、該カ
ラートナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤、有機
金属化合物を含有しており、(a)カラートナーは重量
平均粒径が5〜8μmであり、(b)結着樹脂は、架橋
剤で架橋されているポリエステル樹脂であり、(c)カ
ラートナーは、温度130℃における貯蔵弾性率(G’
130)が2×103〜2×104〔dN/m2〕であり、温
度170℃における貯蔵弾性率(G’1 70)が5×103
〜5×104〔dN/m2〕であり、G’170/G’130
値が0.25〜10であることを特徴とする加熱定着用
カラートナーに関する。
【0040】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係るカラートナー
について説明する。
【0041】本発明者らは、現像剤の画像濃度、ハイラ
イト再現性、細線再現性等について鋭意検討した結果、
トナーの重量平均粒径が5〜8μmであって、ある特定
の微粉体を外添剤として含有しているとき、トナーは優
れた流動性を示し、感光体上の静電荷像に対して忠実に
現像可能であることを見い出した。
【0042】本発明のカラートナーは、重量平均粒径が
5〜8μmであり、個数平均粒径が4.5〜7.5μm
であり、カラートナーの個数分布における粒径4μm以
下の粒子が5〜40個数%であり、カラートナーの体積
分布における粒径10.08μm以上の粒子が7体積%
以下であることが好ましい。
【0043】トナーの重量平均粒径が8μmより大きい
場合は、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意
味し、高い画像濃度が得られ易く、トナーの流動性に優
れるというメリットがあるものの、感光ドラム上の微細
な静電荷像上には忠実に付着しずらく、ハイライト部の
再現性が低下し、さらに解像性も低下する。また、必要
以上にトナーが静電荷像に乗りすぎが起こり、定着不良
が起こりやすいという弊害も生じる。
【0044】逆にトナーの重量平均粒径が5μmより小
さいときには、トナーの単位質量あたりの帯電量が高く
なり、画像濃度の低下、特に低温低湿下での画像濃度の
低下が顕著となる。これでは、グラフィック画像の如き
画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0045】さらに5μmより小さいときには、キャリ
アとの接触帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電
し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散りによる
カブりが目立つ様になる。これに対処すべくキャリアの
比表面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられる
が、重量平均粒径が5μm未満のトナーでは、トナー自
己凝集も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間で
は達成されにくく、トナーの連続補給耐久においては、
カブリが生じてしまう傾向にある。
【0046】また本発明のトナーは、4μm以下の粒径
のトナー粒子を全粒子数の5〜40個数%、好ましくは
5〜25個数%であることが好ましい。4μm以下の粒
径のトナー粒子が5個数%未満であると、高画質のため
に必須な成分である微小のトナー粒子が少ないことを意
味し、特に、コピー又はプリントアウトを続けることに
よってトナーが連続的に使われるに従い、有効なトナー
粒子成分が減少して、本発明で示すトナーの粒度分布の
バランスが悪化し、画質がしだいに低下する傾向を示
す。
【0047】また4μm以下の粒径のトナー粒子が40
個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ易
く、本来の粒径以上のトナー塊として、挙動することも
多くなり、その結果、荒れた画像が形成されやすく、解
像性を低下させたり、又は静電荷像のエッジ部と内部と
の濃度差が大きくなり、中抜け気味の画像となり易い。
さらに、粒径10.08μm以上の粒子が7体積%以下
であることが画質向上の上で好ましい。
【0048】本発明のカラートナーにおいて、カラート
ナー粒子の結着樹脂としてトリメリット酸の如き架橋剤
で架橋されているポリエステル樹脂が使用される。ポリ
エステル樹脂の架橋は、カラートナー温度130℃にお
ける貯蔵弾性率(G’130)が2×103〜2×10
4〔dN/m2〕であり、温度170℃における貯蔵弾性
率(G’170)が5×103〜5×104〔dN/m2〕で
あり、G’170/G’130の値が0.25〜10となるよ
うにする必要がある。ポリエステル樹脂の架橋は、トリ
メリット酸の如き架橋剤での架橋に加えて、トナー粒子
の製造段階で有機金属化合物により架橋構造が形成され
ることがより好ましい。カラートナーが、上記粘弾性特
性を満足していると、色調の異なるカラートナーとの混
色性が良好であり、耐オフセット性にも優れる。
【0049】ポリエステル樹脂の好ましいガラス転移温
度は50〜80℃、さらに好ましくは51〜75℃であ
る。ポリエステル樹脂のTHF可溶分のGPC測定にお
いて、数平均分子量(Mn)が1000〜9000であ
ることが好ましく、より好ましくは1500〜7500
である。メインピークの分子量(Mp)は5000〜1
2000であることが好ましく、より好ましくは550
0〜11000である。ポリエステル樹脂のTHF可溶
分の重量平均分子量(Mw)とMnとの比(Mw/M
n)は5.0以下であることが好ましい。
【0050】ポリエステル樹脂は、酸価が1〜30mg
KOH/g(より好ましくは、3乃至25mgKOH/
g)であることが摩擦帯電特性の安定化及び各環境下で
の電子写真特定の安定化の点で好ましい。
【0051】ポリエステル樹脂を生成するための二価の
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水
酸化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビス
フェノール誘導体
【0052】
【化1】 〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。〕が挙げられる。
【0053】非線状の架橋ポリエステル樹脂を形成する
ための架橋剤として機能する三価以上のアルコール成分
としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテ
トロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトー
ル、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペン
タントリオール、グリセロール、2−メチルプロパント
リオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。三
価以上の多価アルコールの使用量は、全モノマー基準
で、0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0054】また、ポリエステル樹脂を生成するための
二価の酸成分としては、フマル酸,マレイン酸,無水マ
レイン酸,コハク酸,アジピン酸,セバチン酸,マロン
酸およびこれらを炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和
の炭化水素基で置換した脂肪族系酸成分モノマー;また
芳香族系酸成分モノマーとして、フタル酸,イソフタル
酸,無水フタル酸,テレフタル酸およびそのエステル誘
導体があげられる。
【0055】非線状の架橋ポリエステル樹脂を形成する
ための架橋剤として機能する三価以上の多価カルボン酸
成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナ
フタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン
酸および、これらの無水物やエステル化合物があげられ
る。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノ
マー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0056】特に、ポリエステル樹脂は、3価以上の多
価カルボン酸成分又は3価以上の多価アルコール成分で
非線状化されており、後述する測定方法によるTHF不
溶分の含有量がポリエステル樹脂の質量を基準として0
〜1質量%(より好ましくは0〜0.9質量%、さらに
好ましくは0〜0.5質量%)であることが好ましい。
【0057】THF不溶分が1質量%以下であり、非線
状構造を有するポリエステル樹脂は、第1段階として二
価のカルボン酸成分又は2価のカルボン酸エステル成分
と、二価のアルコール成分とを縮重合させて線状のプレ
ポリマーを生成し、第2段階として線状のプレポリマー
と二価のカルボン酸成分(又は、そのエステル)と、ポ
リエステル樹脂を生成するための二価の酸成分として
は、フマル酸,マレイン酸,無水マレイン酸,コハク
酸,アジピン酸,セバチン酸,マロン酸およびこれらを
炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置
換した脂肪族系酸成分モノマー;または芳香族系酸成分
モノマーとして、フタル酸,イソフタル酸,無水フタル
酸,テレフタル酸およびそのエステル誘導体があげられ
る。
【0058】非線状の架橋ポリエステル樹脂を形成する
ための三価以上の多価カルボン酸成分としては、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼ
ントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これら
の無水物やエステル化合物があげられる。三価以上の多
価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1
〜1.9mol%が好ましい。
【0059】特に、好ましいポリエステル樹脂として
は、下記式(B)
【化2】 〔式中、x及びyは、1以上の整数であり、x+yの平
均値は2〜4である〕で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂が好ましい。
【0060】式(B)で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂は、多価カルボン酸成分又は多価アルコー
ル成分で非線状構造を形成されていることがより好まし
い。
【0061】式(B)で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂は、有機金属化合物により加熱時に、金属
イオン架橋構造が形成されやすく、トナーの貯蔵弾性率
曲線を良好に調整し得る。
【0062】式(B)で示される分子骨格がポリエステ
ル樹脂中に存在すると有機金属化合物との親和性に優
れ、この親和性がさらに式(B)で示される分子骨格中
【化3】 のπ電子と酸素原子が有機金属化合物に含有される金属
に電子供与するようになり、ある種の配位性を有するよ
うになる。この作用は特に金属原子がアルミニウムの場
合に顕著である。これは、アルミニウム原子は有機金属
化合物内に結合を3つ形成すると、アルミニウム原子は
電子のオクテット(8個の電子による4組の電子対の形
成)から電子が2個欠けた状態となる。そのため、アル
ミニウムの有機金属化合物はさらに2個の電子を受け取
ることで電子を8個に増やす傾向にあるためと考えられ
る。アルミニウムの如き金属原子または2価以上の金属
原子と式(B)で示される分子骨格とで形成され、これ
が従来の結着樹脂の側鎖又は末端カルボキシル基との強
固な金属イオン架橋とは異なる化学的親和力による分子
間の絡み合いが形成される。これが従来にない低温定着
性と耐高温オフセット性とを両立する。
【0063】さらに好ましいポリエステル樹脂は、式
(B)で示される分子骨格が2個以上連結している式−
C−D−C−D−〔式中、Cは、
【0064】
【化4】 (式中、x及びyは1以上の整数を示す)を示し、D
は、
【0065】
【化5】 を示す。〕で示される分子骨格を有し、三価以上の多価
カルボン酸又は多価アルコールで非線状化されているポ
リエステル樹脂である。
【0066】その様な式−C−D−C−Dで示される分
子骨格を有し、非線状構造を有するポリエステル樹脂
は、下記式(E)
【0067】
【化6】 (式中、x,yは1以上の整数で、x+yの平均値は2
〜4である。)で示されるビスフェノール誘導体とフマ
ル酸とを縮重合させてプレポリマーを生成し、該プレポ
リマーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上の多
価カルボン酸又は3価以上の多価アルコールとを縮重合
させることにより生成することができる。
【0068】式(B)で示される分子骨格がなぜ特異的
に有機金属化合物と作用するかは十分には判明していな
いが、この分子鎖特有の屈曲性が相互作用しやすい配座
を形成しやすいため(分子配置相互作用)と、p位に電
子供与性を有するフェニル基の電子供与性、また−CH
=CH−のπ電子供与性相互作用が係わっていると思わ
れる。
【0069】一方、ビスフェノール誘導体が下記式
(F)
【0070】
【化7】 で示す如く、プロポキシ基を有する場合は、メチル基が
存在するので、その立体障害のためか上述のような顕著
な作用効果は見い出せない。
【0071】また、下記式(G)
【0072】
【化8】 で示される、エチレングリコールとテレフタル酸とから
形成された分子骨格でも顕著な作用効果は見い出せな
く、さらに、下記式(H)
【0073】
【化9】 で示される、エチレングリコールとフマル酸とから形成
され分子骨格でも顕著な作用効果は見い出せないもので
ある。
【0074】本発明に使用するサリチル酸金属化合物を
形成する金属としては、2価以上の金属原子が好まし
い。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,P
2+,Fe 2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+が挙げ
られる。2価の金属としては、Zn 2+,Ca2+,M
2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl
3+,Cr 3+,Fe3+,Ni3+があげられる。これらの金
属の中で好ましいのはAl3+,Cr3+であり、特に好ま
しいのはAl3+である。
【0075】本発明においては、有機金属化合物とし
て、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化
合物が特に好ましい。
【0076】サリチル酸金属化合物は、例えば、サリチ
ル酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、2価以上の
金属原子を溶融している水溶液を水酸化ナトリウム水溶
液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、
室温まで冷却した後、ろ過水洗することにより芳香族サ
リチル酸の金属化合物を合成し得る。ただし、上記の合
成方法だけに限定されるものではない。
【0077】サリチル酸金属化合物は、トナーの質量基
準で0.1〜10質量%(より好ましくは0.5〜9質
量%)使用すると、トナーの帯電量の初期変動が少な
く、現像時に必要な絶対帯電量が得られやすく、結果的
にカブリや画像濃度ダウンの如き画像品質の低下がなく
好ましい。
【0078】本発明のカラートナーの着色剤としては、
公知の染料または/及び顔料が使用される。
【0079】マゼンタトナー用着色顔料としてはC.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209;C.I.ピグメント
バイオレット19;C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35などが挙げられる。
【0080】顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔
料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画
像の画質の点からより好ましい。
【0081】マゼンタトナー用染料としては、C.I.
ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,2
7,30,49,81,82,83,84,100,1
09,121;C.I.ディスパースレッド9;C.
I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,2
7;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染
料;C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,1
3,14,15,17,18,22,23,24,2
7,29,32,34,35,36,37,38,3
9,40;C.I.ベーシックバイオレット1,3,
7,10,14,15,21,25,26,27,28
などの塩基性染料が挙げられる。
【0082】シアントナー用着色顔料としては、C.
I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.
I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45また
は下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格に
フタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシア
ニン顔料などが挙げられる。
【0083】
【化10】 〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
【0084】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83,97,180;C.I.バットイエロ
ー1,3,20などが挙げられる。
【0085】着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部
に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましく
は0.5〜12質量部、最も好ましくは3〜10質量部
が良い。
【0086】本発明に使用するカラートナー粒子を作製
するにはポリエステル樹脂及び着色剤としての顔料又は
染料、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をボ
ールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロー
ル、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用い
て溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた
中に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉
砕及び厳密な分級を行ってカラートナー粒子を得ること
ができる。
【0087】荷電制御剤をカラートナー粒子中に含有さ
せる場合、荷電制御剤の含有量として結着樹脂100質
量部当り3〜10質量部、好ましくは4〜8質量部の範
囲が好適である。帯電量の初期変動が少なく、現像時に
必要な絶対帯電量が得られやすく、結果的にカブリの発
生や画像濃度ダウンが抑制される。
【0088】更に必要に応じて、滑剤としての脂肪酸金
属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ
等)、フッ素含有量重合体微粉末(例えばポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等及びテ
トラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合
体の微粉末)或いは導電性付与剤(酸化スズ、酸化亜
鉛)を添加しても良い。
【0089】本発明のカラートナーを二成分系現像剤に
用いる場合に、併用されるキャリアとしては、例えば表
面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバル
ト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合
金または酸化物及びフェライトなどが使用できる。
【0090】特に、マンガン、マグネシウム及び鉄成分
を主成分として形成されるMn−Mg−Feの3元素の
磁性フェライト粒子がキャリア粒子として好ましく、さ
らに、Mn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子
は、ケイ素元素を0.001乃至1質量%(より好まし
くは、0.005〜0.5質量%)有していることが磁
性フェライト粒子の被覆樹脂としてシリコーン樹脂を使
用する場合に特に好ましい。
【0091】磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されてい
ることが好ましく、樹脂としてはシリコーン樹脂が好ま
しい。特に、含窒素シリコーン樹脂または、含窒素シラ
ンカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することに
より生成した変性シリコーン樹脂が、本発明のカラート
ナーへのマイナスの摩擦電荷の付与性、環境安定性、キ
ャリアの表面の汚染に対する抑制の点で好ましい。
【0092】磁性キャリアは、平均粒径が15乃至60
μm(より好ましくは、25乃至50μm)がカラート
ナーの重量平均粒径との関係で好ましい。
【0093】磁性キャリアの平均粒径及び粒度分布は、
レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS(日本電子
製)に乾式分散ユニットRODOS(日本電子製)を組
合わせて用い、レンズ焦点距離200mm,分散圧3.
0bar,測定時間1〜2秒の測定条件で粒径0.5μ
m〜350.0μmの範囲を下記表1に示す通り31チ
ャンネルに分割して測定し、体積分布の50%粒径(メ
ジアン径)を平均粒径として求めると共に、体積基準の
頻度分布から各粒径範囲の粒子の体積%を求める。
【0094】
【表1】
【0095】粒度分布の測定に用いるレーザー回折式粒
度分布測定装置HELOSは、フランホーファ回折原理
を用いて測定を行う装置である。この測定原理を簡単に
説明すれば、レーザー光源から測定粒子にレーザービー
ムを照射すると、回折像がレーザー光源の反対側のレン
ズの焦点面にでき、その回折像を検出器によって検出し
て演算処理することにより、測定粒子の粒度分布を算出
するものである。
【0096】磁性粒子を上記の平均粒径及び特定の粒度
分布を有するように調製する方法としては、例えば、篩
を用いることによる分級によって行うことが可能であ
る。特に、精度良く分級を行うために、適当な目開きの
篩を用いて複数回くり返してふるうことが好ましい。ま
た、メッシュの開口の形状をメッキ等によって制御した
ものを使うことも有効な手段である。
【0097】カラートナーと混合して二成分現像剤を調
製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度とし
て、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にする
と通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未
満では画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える
場合ではカブリや機内飛散が増加しやすい。
【0098】トナー粒子には、流動性向上剤が外添され
ていることが画質向上のために好ましい。流動性向上剤
としては、トナー粒子に外添することにより、流動性が
添加前後を比較すると増加し得るものである。
【0099】例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテ
トラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;
湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微
粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオ
イルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微
粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チ
タン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。本
発明では、がさつきのない良好な画像を得るためには、
疎水化酸化チタン微粉体や疎水化アルミナ微粉体がより
好ましい。
【0100】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着により比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー粒
子100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量
部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0101】本発明のトナーの物性値の測定方法は次の
通りである。
【0102】(1)トナー粒度分布及び平均粒径の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)
を用いる。コールターマルチサイザー(コールター社
製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例え
ば、ISOTON R−II(コールターサイエンティ
フィックジャパン社製)が使用できる。測定法として
は、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1
〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00
μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個
数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布か
ら求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネ
ルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0103】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0104】(2)トナーのレオロジー特性の測定 トナーを直径約25mm,厚さ約2〜3mmの円板状の
試料に加圧成形する。次にパラレルプレートにセット
し、50〜200℃の温度範囲内で徐々に昇温させ温度
分散測定を行う。昇温速度は2℃/minとした。角周
波数(ω)は6.28rad/secに固定し、歪率は
自動とする。横軸に温度,縦軸に貯蔵弾性率(G’)を
取り、各温度における値を読み取る。測定にあたって
は、例えばRDA−II(レオメトリックス社製)を用
いる。
【0105】(3)ポリエステル樹脂のGPCの測定 ポリエステル樹脂のMn、Mw及びMw/Mnはゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって
測定する。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化
させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハ
イドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、T
HF試験溶媒を100μl注入して測定する。試料の分
子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数
種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量
線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線
作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソ
ー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107
程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリス
チレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI
(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポ
リスチレンジェルカラムを複数本組み合わせて使用する
のが良い。
【0106】例えば、昭和電工社製のshodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000
H(HXL)、G3000H((HXL)、G4000H
(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H
(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardc
olumnの組み合わせを挙げることができる。
【0107】試料は例えば、以下の様にして作製する。
【0108】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5
東ソー社製、エキクロディスク25CR、ゲルマン、サ
イエンス ジャパン社製などが使用できる)を通過させ
たものを、GPCの試料とする。試料温度は、樹脂成分
が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0109】次に、本発明の画像形成装置の好ましい一
具体例を図1を参照しながら、以下に説明する。
【0110】図1に示す画像形成装置は、下部のデジタ
ルカラー画像プリンタ部(以下単に「プリンタ部」とい
う。)Iと、上記のデジタルカラー画像リーダ部(以下
単に「リーダ部」という。)IIとを備えており、例え
ば、リーダ部IIで読み取った原稿Dの画像に基づき、
プリンタ部Iによって記録材Pに画像を形成する。
【0111】以下、プリンタ部Iの構成、つづいてリー
ダ部IIの構成を説明する。
【0112】プリンタ部Iは、矢印R1方向に回転駆動
される静電荷像担持体としての感光ドラム1を有する。
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、
一次帯電器(帯電手段)2、露光手段3、現像装置(現
像手段)4、転写装置5、クリーニング器6、前露光ラ
ンプ7等が配置されている。転写装置5の下方(すなわ
ちプリンタ部1の下半部)には、記録材Pの給送搬送部
8が配置され、さらに転写装置5の上部には分離手段9
が設置され、また分離手段9の下流側(記録材Pの搬送
方向についての下流側)には加熱加圧定着器100及び
排紙部11が配置されている。
【0113】感光ドラム1は、アルミニウム製のドラム
状の基体1aと、その表面を覆うOPC(有機光半導
体)の感光体1bとを有し、駆動手段(不図示)によっ
て矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で
回転駆動されるように構成されている。
【0114】一次帯電器2は、感光ドラム1に対向する
部分が開口したシールド2aと、シールド2aの内側に
感光ドラム1の母線と平行に配置された放電ワイヤ2b
と、シールド2aの開口部に配置されて帯電電位を規制
するグリッド2cとを有するコロナ帯電器である。一次
帯電器2は、電源(不図示)によって帯電バイアスが印
加され、これにより、感光ドラム1表面を所定の極性、
所定の電位に均一に帯電するようになっている。
【0115】露光手段3は、後述のリーダ部IIからの
画像信号に基づいてレーザ光を発光するレーザ出力部
(不図示)と、レーザ光を反射するポリゴンミラー3a
と、レンズ3bと、ミラー3cとを有する。露光手段3
は、このレーザ光が感光ドラム1表面を照射することに
よって感光ドラム1を露光し、露光部分の電荷を除去し
て静電潜像を形成するように構成されている。本実施例
では、感光ドラム1表面に形成される静電潜像は、原稿
の画像に基づいて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラ
ックの4色に色分解され、それぞれの色に対応した静電
潜像が順次形成されるようになっている。
【0116】現像装置4は、感光ドラム1の回転方向
(矢印R1方向)に沿って上流側から順にイエロートナ
ー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーの
各色トナー(現像剤を収納した現像器4Y、4C、4
M、4Bkを備えている。各現像器4Y、4C、4M、
4Bkは、それぞれ感光ドラム1表面に形成された静電
荷像を現像するためのトナーを有する現像剤を担持して
いる現像スリーブ4aを有し、静電荷像の現像に供せら
れる所定の色の現像器が偏心カム4bによって、択一的
に感光ドラム1表面に近接する現像位置に配置されてい
る。現像スリーブ4aに担持されている現像剤のトナー
が静電荷像を現像し、顕像としてのトナー像(可視画
像)を形成するように構成さている。現像に供せられる
現像器以外の他の3色の現像器は、現像位置から退避す
るようになっている。
【0117】転写装置5は、表面に転写材Pを担持する
転写ドラム(転写材担持体)5a、感光ドラム1上のト
ナー像を転写材Pに転写する転写帯電器(転写帯電手
段)5b、転写材Pを転写ドラム5aに吸着させるため
の吸着帯電器5cとこれに対向する吸着ローラ5d、内
側帯電器5e、外側帯電器5fを有し、矢印R5方向に
回転駆動されるように軸支された転写ドラム5aの局面
開口域には誘電体からなる転写材担持シート5gが円筒
状に一体的に張設されている。転写材担持シート5g
は、ポリカーボネートフィルムの如き誘電体シートを使
用している。転写装置5は転写ドラム5a表面に転写材
Pを吸着して担持するように構成されている。
【0118】クリーニング器6は、転写材Pに転写され
ずに感光ドラム1表面に残った残留トナーを掻き落とす
クリーニングブレード6a、及び掻き落したトナーを回
収するクリーニング容器6bを備えている。
【0119】前露光ランプ7は、一次帯電器2の上流側
に隣接して配置され、クリーニング器6によって清掃さ
れた感光ドラム1表面の不要な電荷を除去する。
【0120】給紙搬送部8は、大きさの異なる転写材P
を積載収納する複数の給紙カセット8a、給紙カセット
8a内の転写材Pを給紙する給紙ローラ8b、多数の搬
送ローラ、そしてレジストローラ8c等を有し、所定の
大きさの転写材Pを転写ドラム5aに供給する。
【0121】分離手段9は、トナー像が転写された後の
転写材Pを転写ドラム5aから分離するための分離帯電
器9a、分離爪9b、そして分離押上げころ9c等を有
する。
【0122】排紙部11は、加熱加圧定着器100の下
流側に配置された、搬送パス切替えガイド11a、排出
ローラ11b、排紙トレイ11c等を有する。また、搬
送パス切替えガイド11aの下方には、1枚の転写材P
に対してその両面に画像形成を行うために搬送縦パス1
1d、反転パス11e、積載部材11f、中間トレイ1
1g、さらに搬送ローラ11h、11i、反転ローラ1
1j等が配置されている。
【0123】また、感光ドラム1周囲における、一次帯
電器2と現像装置4との間には、感光ドラム表面の帯電
電位を検出する電位センサS1が、また現像装置4と転
写ドラム5aとの間には、感光ドラム1上のトナー像の
濃度を検知する濃度センサS2が、それぞれ配置されて
いる。
【0124】つづいて、リーダ部IIについて説明す
る。プリンタ部Iの上方に配置されたリーダ部IIは、
原稿Dを載置する原稿台ガラス12a、移動しながら原
稿Dの画像面を露光走査する露光ランプ12b、原稿D
からの反射光をさらに反射させる複数のミラー12c、
反射光を集光するレンズ12d、そしてレンズ12dか
らの光に基づいてカラー色分解画像信号を形成するフル
カラーセンサ12e等を有する。カラー色分解画像信号
は、増幅回路(不図示)を経て、ビデオ処理ユニット
(不図示)によって処理を施され、上述のプリンタ部I
に送出されるようになっている。
【0125】次に、上述構成の画像形成装置の動作を説
明する。以下の説明においては、イエロー、シアン、マ
ゼンタ、ブラックの順に、4色フルカラーの画像を形成
するものとする。
【0126】リーダ部IIの原稿台ガラス12aに載置
された原稿Dの画像は、露光ランプ12bによって照射
され、色分解されてまずイエローの画像がフルカラーセ
ンサ12eによって読み取られ、所定の処理を施され画
像信号としてプリンタ部Iに送られる。
【0127】プリンタ部Iでは、感光ドラム1が矢印R
1方向に回転駆動され、一次帯電器2によって表面が均
一に帯電される。上述のリーダ部IIから送られてきた
画像信号に基づいて、露光手段3のレーザ出力部からレ
ーザ光が照射され、ポリゴンミラー3a等を介して帯電
済の感光ドラム1表面を光像Eによって露光する。感光
ドラム1表面の露光を受けた部分は、電荷が除去され、
これによりイエローに対応した静電荷像が形成される。
現像装置4においては、イエローの現像器4Yが所定の
現像位置に配置され、その他の現像器4C、4M、4B
kは現像位置から退避される。感光ドラム1上の静電荷
像は、現像器4Yによってイエローのトナーが付着さ
れ、顕像化されてイエロートナー像となる。この感光ド
ラム1上のイエロートナー像は、転写ドラム5aに担持
された転写材Pに転写される。転写材Pは、原稿画像に
適した大きさの転写材Pが所定の給紙カセットを8aか
ら給紙ローラ8b、搬送ローラ、そしてレジストローラ
8c等を介して所定のタイミングで転写ドラム5aに供
給されたものである。このようにして供給された転写材
Pは、転写ドラム5aの表面に巻き付くように吸着され
て矢印R5方向に回転し、転写帯電器5bによって感光
ドラム1上のイエロートナー像が転写される。
【0128】一方、イエロートナー像が転写された後の
感光ドラム1は、クリーニング器6によって表面の残留
トナーが除去され、さらに前露光ランプ7によって不要
な電荷が除去され、一次帯電から始まる次の画像形成に
供される。
【0129】以上のリーダ部IIによる原稿画像の読取
りから、転写ドラム5a上の転写材Pに対すトナー像の
転写、さらには感光ドラム1の清掃、除電に至る各プロ
セスが、イエロー以外の他の色、すなわちシアン、マゼ
ンタ、ブラックについても同様に行われ、転写ドラム5
a上の転写材Pには、イエロートナー,シアントナー,
マゼンタトナー及びブラックトナーの4色のトナー像が
重なるようにして転写される。
【0130】4色のトナー像の転写を受けた転写材P
は、分離帯電器9a、分離爪9b等によって転写ドラム
5aから分離され、未定着のトナー像を表面に担持した
状態で定着器100に搬送される。転写材Pは、定着器
100によって加熱加圧され、カラートナー像が溶融さ
れて定着され、フルカラー画像が転写材の一方の面に形
成される。定着後の記録材Pは、排出ローラ11bによ
って排紙トレイ11c上に排出される。
【0131】次に、図2を参照して本発明に用いた好ま
しい例として、定着装置100について説明する。
【0132】本例において定着装置100は電磁誘導加
熱方式の装置である。図2は本例の定着装置100の要
部の横断側面模式図、図3は要部の正面模式図、図4は
要部の縦断正面模式図を具体的に示したものである。
【0133】本例装置100は円筒状の電磁誘導発熱性
ベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方
式の装置である。
【0134】磁場発生手段は、磁性コア17a・17b
・17c及び励磁コイル18からなる。
【0135】磁性コア17a・17b・17cは高透磁
率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったト
ランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは
100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いる
のがよい。
【0136】励磁コイル18には、図5に示すように給
電部18a・18bに励磁回路27を接続してある。こ
の励磁回路27は、20kHzから500kHzの高周
波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
【0137】励磁コイル18は、励磁回路27から供給
される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生
する。
【0138】16a・16bは横断面略半円弧状樋型の
ベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせ
て略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベ
ルトである定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。
【0139】前記ベルトガイド部材16aは、磁場発生
手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コ
イル18を内側に保持している。
【0140】また、ベルトガイド部材16aには、図4
に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導部材40がニ
ップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、定着ベルト
10の内側に配設してある。
【0141】本例においては、良熱伝導性部材40にア
ルミニウムを用いている。前記良熱伝導部材40は熱伝
導率kがk=240[W・m-1・K-1]であり、厚さ1
[mm]である。
【0142】また、良熱伝導部材40は、磁場発生手段
である励磁コイル18と磁性コア17a・17b・17
cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場
の外に配設してある。
【0143】具体的には、良熱伝導部材40を励磁コイ
ル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配設し、
励磁コイル18による磁路の外側に位置させて良熱伝導
体40に影響を与えないようにしている。
【0144】22は、ベルトガイド部材16bの内面平
面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイであ
る。
【0145】19は、磁性コア17a・17b・17c
及び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁
するための絶縁部材である。
【0146】フランジ部材23a・23bは、ベルトガ
イド部材16a・16bのアセンブリの左右両端部に外
嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、
定着ベルト10の回転時に前記定着ベルト10の端部を
受けて定着ベルトのベルトガイド部材長手に沿う寄り移
動を規制する役目をする。
【0147】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂な
どの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金
30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回
転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0148】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a・25bを縮設することで、加圧用構成
ステイ22に押し下げ力を作用させている。これによ
り、ベルトガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の
上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着
ニップ部Nが形成される。
【0149】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動
による前記加圧ローラ30と定着ベルト10の外面との
摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用し、前記定着ベ
ルト10が、その内面が定着ニップNにおいて良熱伝導
部材40の下面に密着して摺動しながら、矢示の方向に
加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をも
ってベルトガイド部材16a・16bの外回りを回転状
態になる。
【0150】この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との相互摺動
摩擦力を低減化させるために、定着ニップ部Nの良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との間に耐熱
性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良熱伝導
性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもできる。
これは、良熱伝導部材40としてアルミニウムを用いた
場合のように表面滑り性が材質的によくない或いは仕上
げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着ベルト10に
傷をつけて定着ベルト10の耐久性が悪化してしまうこ
とを防ぐものである。
【0151】良熱伝導部材40は長手方向の温度分布を
均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙した
場合、定着ベルト10での非通紙部の熱量が、良熱伝導
部材40へ伝熱し、良熱伝導部材40における長手方向
の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙部へ
伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費電力
を低減させる効果も得られる。
【0152】また、図5に示すように、ベルトガイド部
材16aの曲面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて
凸リブ部16eを形成具備させ、ベルトガイド部材16
aの曲面と定着ベルト10の内面との接触摺動抵抗を低
減させて定着ベルト10の回転負荷を少なくしている。
このような凸リブ部はベルトガイド部材16bにも同様
に形成具備することができる。
【0153】磁性コア17a・17b・17cに導かれ
た交番磁束Cは、磁性コア17aと磁性コア17bとの
間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間にお
いて定着ベルト10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生
させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によ
って電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生
させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁
束の密度によって決まる。
【0154】この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温
度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する
電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるよ
うに温調される。26は定着ベルト10の温度を検知す
るサーミスタなどの温度センサであり、本例においては
温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報を
もとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしてい
る。
【0155】而して、定着ベルト10が回転し、励磁回
路27から励磁コイル18への給電により上記のように
定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部
Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態におい
て、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像t
が形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト1
0と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着
ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて
画像面が定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト1
0と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この
定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に記録材Pが挟
持搬送されていく過程において定着ベルト10の電磁誘
導発熱で加熱されて、記録材P上の未定着トナー画像t
1が加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過
すると回転定着ベルト10の外面から分離して排出搬送
されていく。記録材上の加熱定着トナー画像t2は定着
ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0156】また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモ
スイッチ50が配設してあるため、サーモスイッチ50
が220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点
で、リレースイッチ51により励磁コイル18への給電
が遮断される。
【0157】本例によれば、紙の発火温度は約400℃
近辺であるため紙が発火することはなく、定着フィルム
の発熱を停止することができる。
【0158】温度検知素子としてサーモスイッチのほか
に温度ヒューズを用いることもできる。
【0159】本発明のトナーのようにワックスなど低軟
化物質を含有させていないトナーを使用した場合には、
オイル塗布機構を設けるのが好ましい。また、低軟化物
質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や
冷却分離を行ってもよい。
【0160】本例の定着装置の構成について更に具体的
に説明する。
【0161】A)励磁コイル18 励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成させる導線
(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅
製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複
数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10タ
ーン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0162】絶縁被覆は、定着ベルト10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を
用いるとよい。
【0163】励磁コイル18の形状は、図2のように発
熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着ベルト
の発熱層と励磁コイル18との間の距離は約2mmにな
るように設定した。
【0164】励磁コイル保持部材19の材質としては絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0165】磁性コア17a・17b・17c及び励磁
コイル18と、定着ベルトの発熱層の間の距離はできる
限り近づけた方が磁束の吸収効率が高く、この距離が5
mmを超えるとこの効率が著しく低下するため5mm以
内にするのがよい。また、5mm以内であれば定着ベル
ト10の発熱層と励磁コイル18の距離が一定である必
要はない。
【0166】励磁コイル18の励磁コイル保持部材19
からの引出線すなわち18a・18b(図5)について
は、励磁コイル保持部材19から外の部分について束線
の外側に絶縁被覆を施している。
【0167】B)定着ベルト10 図6は本例における定着ベルト10の層構成模式図であ
る。本例の定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の定着ベ
ルト10の基層となる金属ベルト等でできた発熱層1
と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層し
た離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層
2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のた
め、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。
略円筒形状である定着ベルト10において発熱層1が内
面側であり、離型層3が外面側である。前述したよう
に、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1
に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が
弾性層2・離型層3を介して定着ベルト10を加熱し、
前記定着ニップNに通紙される被加熱材としての記録材
Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0168】a.発熱層1 発熱層1は、非磁性の金属でも良いが、より好ましくは
磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバ
ルト−ニッケル合金等の強磁性体の金属が良い。
【0169】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深
さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μ
と固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0170】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている。
【0171】発熱層1の厚さは好ましくは1〜200μ
mがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほと
んどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪く
なる。また、発熱層が200μmを超えると剛性が高く
なりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用する
には現実的ではない。
【0172】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。
【0173】弾性層2の厚さは10〜500μmが好ま
しく、定着画像品質を保証するために必要な厚さであ
る。
【0174】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー
層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高く、
伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の厚さ
としては、10μm未満では被記録材あるいはトナー層
の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。
また、弾性層2が1000μmを超えると、弾性層の熱
抵抗が大きくなりクイックスタートを実現するのが難し
くなる。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜500
μmがよい。
【0175】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず、画像光沢ム
ラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度として
は、60°(J1S−A)以下、より好ましくは45°
(JlS−A)以下がよい。
【0176】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 0.25〜0.82[J/m・sec・deg.] がよい。
【0177】熱伝導率λが0.25[J/m・sec・
deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定
着ベルトの表層(離型層3)における温度上昇が遅くな
る。熱伝導率λが0.82[J/m・sec・de
g.]よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎた
り、圧縮永久歪みが悪化する。
【0178】よって熱伝導率λは0.25〜0.82
[J/m・sec・deg.]がよい。より好ましくは
0.33〜0.63[J/m・sec・deg.]がよ
い。
【0179】c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、P
TFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0180】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効
果がなくなってしまう。
【0181】d.断熱層 また、定着ベルト10構成において、発熱層1のベルト
ガイド面側(発熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱
層を設けてもよい。
【0182】断熱層としては、フッ素樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEE
K樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTF
E樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0183】また、断熱層の厚さとしては10〜100
0μmが好ましい。断熱層の厚さが10μmよりも小さ
い場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不足す
る。一方、1000μmを超えると磁性コア17a・1
7b・17c及び励磁コイル18から発熱層1までの距
離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなく
なる。
【0184】断熱層は、発熱層1に発生した熱が定着ベ
ルトの内側に向かわないように断熱できるので、断熱層
がない場合と比較して記録材P側への熱供給効率が良く
なる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0185】C)ニップ 本発明の加熱定着装置における回転加熱部材と加圧部材
からなる定着ニップ部Nは、良好な定着性を確保するた
めに、幅5.0〜15.0mmのニップを形成している
ことが好ましい。定着ニップN部の幅が5.0mm未満
では、フルカラー画像形成時、トナーを定着するための
熱量を十分に未定着トナーに与えることができない。ま
た、定着ニップ部Nの幅が15.0mmを超えると、ト
ナーを定着するための熱量は十分に与えることができる
ものの、定着時のホットオフセットが発生し易くなる。
【0186】D)面圧 本発明の加熱定着装置におけるニップ部の圧力(線圧)
は、記録材を介した状態で、9000〜500000N
/m2の範囲が好ましい。面圧が9000N/m2未満で
あると、記録材の搬送ブレを発生しやすく、さらに定着
圧力不足による定着不良が起こるので好ましくない。ま
た、面圧が500000N/m2を超える場合、定着フ
ィルム10の耐久劣化が著しく悪化するため好ましくな
い。
【0187】ここで、面圧とは、転写材全体に加えられ
る圧力を当接されている面積で割ったものである。
【0188】E)定着スピード 定着フィルム10の回転速度(定着スピード)が300
mm/secを超えると、定着フィルム10を安定して
回転させることができず、定着フィルム10を破損して
しまう。このため、定着フィルム10の回転速度Vとし
てのプロセススピードは300mm/sec以下が望ま
しい。
【0189】このような構成の定着装置と、既に上述し
た構成のカラートナーとを組み合わせて用いることによ
り、高グロスで混色性に優れた画像が得られ、かつ耐高
温オフセット性にすぐれ、さらに被加熱材上画像の先端
と後端、さらには多数枚通紙において均一な光沢度(グ
ロス)にすることの出来る画像形成方法を提供すること
が可能となる。また、高グロスで混色性に優れた画像が
多数枚通紙しても劣ることなく出力することが可能とな
る。
【0190】すなわち、これは、このトナー物性とこの
定着器構成の組み合わせでしかなし得ない効果である。
【0191】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0192】(疎水性アルミナ微粉体の合成例1)3リ
ットルの2M重炭酸アンモニウム溶液に、0.2Mアン
モニウム明バン溶液2リットルを、液温を35℃に保ち
ながら1時間に0.8リットルの速度で滴下し、激しく
撹拌しながら反応させ、NH4AlCO3(OH)2のア
ルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイ
ド微粉体を生成し、次いで、濾過,乾燥した。得られた
アルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサ
イド微粉体はBET比表面積280m2/gを有してい
た。該微粉体を約900℃で2時間加熱処理して、親水
性アルミナ微粉体を生成した。生成した親水性アルミナ
微粉体は、BET比表面積250m2/gを有し、一次
粒子の長さ平均粒径は5nmであり、メタノール疎水化
度は0%であった。
【0193】次に、トルエン中で上記アルミナ微粉体を
均一分散せしめた後、イソブチルトリメトキシシランを
アルミナ微粉体100質量部に対して固型分で30質量
部になる様にアルミナ粒子が合一しないように滴下混合
し、加水分解反応せしめた。その後、濾過,乾燥した
後、180℃で2時間焼き付けし、その後充分に解砕処
理して、疎水性アルミナ微粉体No.1を得た。この疎
水性アルミナ微粉体No.1の一次粒子の長さ平均粒径
は0.005μm(5nm)であり、BET比表面積は
190m2/gであった。
【0194】(ポリエステル樹脂の製造例1)
【0195】
【化11】 x+y=2.1で表わされるジオール成分(E−1) 25mol% フマル酸(HOOC−CH=CH−COOH) 25mol%
【0196】上記モノマーを重縮合させて数平均分子量
(Mn)が850の線状プレポリマーを生成した。
【0197】次いで、線状プレポリマーと下記モノマー
とを混合して重縮合をおこなって非線状の架橋ポリエス
テル樹脂(1)を得た。
【0198】
【化12】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 20mol%
【0199】
【化13】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 5mol% フマル酸 10mol% テレフタル酸 10mol% トリメリット酸 0.2mol%
【0200】得られた架橋ポリエステル樹脂(1)は、
ガラス転移温度(Tg)が58℃であり、クロロホルム
不溶分が0質量%であり、THF可溶成分のGPCにお
いては、数平均分子量(Mn)が3300であり、メイ
ンピーク(Mp)が8400であり、Mw/Mnが3.
8であった。
【0201】ポリエステル樹脂のクロロホルム不溶分と
は、下記方法で測定された値である。
【0202】ポリエステル樹脂1gを室温にて50ml
のクロロホルムに添加し、撹拌後に超音波による分散を
5分間行う。得られたメンブランフィルター(質量W1
g)によりクロロホルム不溶分を濾別する。クロロホル
ム不溶分を担持しているメンブランフィルターを乾燥し
てクロロホルムを除去した後にクロロホルム不溶分を担
持しているメンブランフィルターの質量(W2g)を測
定し、クロロホルム不溶分の含有率を下記の如く算出す
る。
【0203】
【数1】
【0204】(ポリエステル樹脂の製造例2)
【0205】
【化14】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 25mol% フマル酸 25mol%
【0206】上記モノマーを重縮合させて数平均分子量
(Mn)が850の線状のプレポリマーを生成した。次
いで、線状プレポリマーと下記モノマーとを混合して重
縮合を行って架橋ポリエステル樹脂(2)を得た。
【0207】
【化15】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 10mol%
【0208】
【化16】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 15mol% フマル酸 10mol% テレフタル酸 15mol% トリメリット酸 0.3mol%
【0209】得られた非線状ポリエステル樹脂(2)
は、Tgが55℃であり、クロロホルム不溶分が0質量
%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが3
550であり、Mpが9000であり、Mw/Mnが
4.0であった。
【0210】(ポリエステル樹脂の製造例3)
【0211】
【化17】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 30mol% フマル酸 30mol%
【0212】上記モノマーを重縮合させてMnが920
の線状プレポリマーを得た。次いで、線状プレポリマー
と下記モノマーとを混合して重縮合を行って架橋ポリエ
ステル樹脂(3)を得た。
【0213】
【化18】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 20mol% フマル酸 10mol% テレフタル酸 10mol% トリメリット酸 0.3mol%
【0214】得られた架橋ポリエステル樹脂(3)は、
Tgが53℃であり、クロロホルム不溶分が0質量%で
あり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが310
0であり、Mpが8000であり、Mw/Mnが3.4
であった。
【0215】(ポリエステル樹脂の製造例4)
【0216】
【化19】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 25mol%
【0217】
【化20】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 25mol% フマル酸 50mol% テレフタル酸 0mol% トリメリット酸 0.1mol%
【0218】上記モノマーを混合し、重縮合反応を行っ
て、非線状の架橋ポリエステル樹脂(4)を得た。得ら
れた架橋ポリエステル樹脂(4)は、Tgが48℃であ
り、クロロホルム不溶分が0質量%であり、THF可溶
成分のGPCにおいて、Mnが2700であり、Mpが
5800であり、Mw/Mnが2.8であった。
【0219】(ポリエステル樹脂の製造例5)
【0220】
【化21】 (x+y:2.1)で表わされるジオール成分 35mol%
【0221】
【化22】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 15mol% フマル酸 35mol% テレフタル酸 15mol% トリメリット酸 0.3mol%
【0222】上記モノマーを混合し、縮重合反応を行っ
て、非線状の架橋ポリエステル樹脂(5)を得た。得ら
れた架橋ポリエステル樹脂は、Tgが57℃であり、ク
ロロホルム不溶分が0質量%であり、THF可溶成分の
GPCにおいて、Mnが3400であり、Mpが920
0であり、Mw/Mnが8.4であった。
【0223】(ポリエステル樹脂の製造例6)
【0224】
【化23】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 15mol%
【0225】
【化24】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 35mol% テレフタル酸 48mol%
【0226】上記モノマーを混合し、重縮合反応を行っ
て、線状ポリエステル樹脂(6)を得た。得られた線状
ポリエステル樹脂(6)は、Tgが70℃であり、クロ
ロホルム不溶分が0質量%であり、THF可溶成分のG
PCにおいて、Mnが5800であり、Mpが1400
0であり、Mw/Mnが5.2であった。
【0227】(ポリエステル樹脂の製造例7)
【0228】
【化25】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分 50mol% フマル酸 15mol% テレフタル酸 35mol% トリメリット酸 0.6mol%
【0229】上記モノマーを混合し、重縮合を行って非
線状の架橋ポリエステル樹脂(7)を得た。得られた架
橋ポリエステル樹脂(7)は、Tgが63℃であり、ク
ロロホルム不溶分が14.3質量%であり、THF可溶
成分のGPCにおいて、Mnが4800であり、Mpが
13000であり、Mw/Mnが19.5であった。
【0230】 <実施例1> 架橋ポリエステル樹脂(1) 100質量部 シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 5質量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 4質量部
【0231】上記材料をヘンシェルミキサーにより十分
予備混合を行い、二軸式押し出し機を用い、溶融混練し
た。溶融混練物を冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2
mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による
微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を多分
割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去して、シ
アントナー粒子を得た。得られたシアントナー粒子は重
量平均粒径が7.2μmであった。
【0232】このシアントナー粒子の100質量部に対
して、疎水性アルミナ微粉体No.1を1.5質量部外
添し、シアントナーNo.1を調製した。シアントナー
No.1の物性を表2に示す。
【0233】シアントナーNo.1の5質量部と、含窒
素シアンカップリング剤とシリコーン樹脂とを反応させ
た樹脂約0.5質量%で被覆されている平均粒径38μ
mの磁性Mn−Mg−Fe系フェライトキャリア粒子9
5質量部とを混合して磁気ブラシ現像用の二成分系現像
剤を調製した。
【0234】トナーの評価は以下の方法により行なっ
た。
【0235】定着ユニットを取り外した市販の普通紙フ
ルカラー複写機(カラーレーザー複写機CLC700、
キヤノン製)に、図2に示す定着器をのせた改造フルカ
ラー複写機を作り、画像を出力した。定着器の構成の詳
細は以下の通りである(図2参照)。
【0236】磁場発生手段である磁性コア17a,17
b,17cはフェライトであり、励磁コイル18は束線
を10ターン巻いて形成している。
【0237】定着ベルトの構成としては、図6に示す層
構造であり、発熱層1には厚さ10μmのニッケル層を
用いた。弾性層2は厚さ200μmのシリコーンゴム
で、<JIS K−6301>に準じた硬度が35のも
のを用いた。さらに、離型層3としてはPFA樹脂をコ
ートし、厚さ20μmとした。
【0238】加圧ローラーはFe製の芯金30aに対
し、シリコーンゴム及びPFA樹脂を被覆させたローラ
ー硬度60度(Asker−C 500g)のローラー
を用いた。
【0239】加圧力としては、加圧ばね25a,25b
を調節して、80g/cm2の紙を介した状態で、面圧
120000N/m2を圧接して定着ニップ8mmとし
た。
【0240】また、本発明では定着ベルトにオイル塗布
ユニットを設けた。
【0241】尚、プロセススピードは200mm/se
cとした。
【0242】[評価項目の測定方法] (OHP定着画像の透光性の評価)CLC700用 O
HP CT−700(キヤノン製)にトナーのり量が
1.0mg/cm2である帯状の絵を前述の改造CLC
700で画出しした。なお、定着温度は厳密に155℃
の条件で画出しを行なった。
【0243】透過率の測定は、島津自記分光光度計UV
2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム
単独の透過率を100%とし、シアントナーの場合は6
50nmでの最大吸収波長における透過率を測定する。
【0244】(ハイライト部の再現性)坪量が80〜8
5g/m2のCLC−SK紙を用いて、改造CLC70
0でキヤノンオリジナル画像を出力し、定着画像を目視
で三段階に評価した。 A:細線再現性が良好であり、写真画像のハートーン部
(ハイライト部)が忠実に再現されている。 B:滑らかにやや劣るが、実用レベル内である。 C:滑らかさに劣り、がさつきが目立つ。
【0245】(グロスの測定)坪量が80〜85g/m
2のCLC−SK紙先端部に、トナーのり量が1.0m
g/cm2である帯状の画像を前述の改造CLC−70
0で画出しした。尚、定着機の温度は厳密に155℃に
調整した。
【0246】VG−10型光沢度型(日本電色製)を用
い、ベタ部のグロスを測定した。
【0247】測定としては、まず、定電圧装置により6
Vにセットする。ついで、投光角度、受光角をそれぞれ
60°に合わせる。0点調整及び標準板を用い、標準設
定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色
紙を三枚以上重ね測定を行い、標示部に示される数値を
%単位で読み取る。この時、S、S/10切り替えSW
はSに合わせ、角度、感度切り替えSWは45〜60に
合わせる。
【0248】(混色可能領域の測定)まず、CLC−7
00の定着ユニットを取り外し、CLC−700用 O
HPCT−700(キヤノン製)上にトナーのり量が
1.0mg/cm2である帯状のトナー未定着画像を形
成した。
【0249】その後、図2に示す定着器構成と全く同じ
構成の定着試験器で設定温度を変更しながら、定着画像
を出力し、グロスを測定した。
【0250】尚、プロセススピードは200mm/se
cとした。
【0251】混色可能領域はこの測定方法でグロス7以
上とした。
【0252】1枚通紙した際の画像先端部3個所の平均
グロス値と画像後端部3個所の平均グロス値の差を評価
した。
【0253】混色可能領域はグロス7以上の定着温度の
範囲とした。
【0254】(画像グロス差)グロス測定用サンプル画
像は、CLC−SK紙A3サイズ紙(キヤノン製)上に
30mm×30mmサイズのベタのパッチ画像を9個所
出力し、加熱部設定温度155℃,プロセススピード2
00mm/秒の条件にて通紙を行なった。低温低湿下で
スタート直後から100枚連続通紙紙時の1枚目と50
枚めの平均グロス値の差を評価した。
【0255】その程度に応じて以下の4ランクで評価し
た。 a:グロス差が3 b:グロス差が3〜8 c:グロス差が8〜15 d:グロス差が15以上
【0256】表2に示すように、ガサツキのないハーフ
トーン再現性に優れた良好な得られた。また、初期グロ
スも高くOHP透光性にもすぐれ、広い温度領域で混色
可能となった。さらに、100枚通紙後のグロス差も1
と多数枚通紙においても、先端と後端においても、均一
な光沢度が得られた。
【0257】<実施例2〜3>架橋ポリエステル樹脂
(1)のかわりに、架橋ポリエステル樹脂(2)又は
(3)を使用することを除いて、実施例1と同様にして
シアントナー粒子を調製し、実施例1と同様にしてシア
ントナーNo.2と3を調製し、実施例1と同様にして
評価した。評価結果を表2に示す。
【0258】表2に示すように、ハーフトーン再現性に
優れた画像が得られた。またOHP透光性に高く、さら
に、100枚通紙後のグロス差も1と多数枚通紙におい
ても、先端と後端においても、均一な光沢度が得られ
た。
【0259】<比較例1〜4>架橋ポリエステル樹脂
(1)のかわりに、架橋ポリエステル樹脂(4),架橋
ポリエステル樹脂(5),線状ポリエステル樹脂(6)
又は架橋ポリエステル樹脂(7)を使用することを除い
て、実施例1と同様にして比較シアントナーNo.4乃
至7を得た。実施例1と同様にして評価した。評価結果
を表2に示す。
【0260】比較例1,3においては、耐高温オフセッ
ト性が劣り、定着可能領域が狭まった。
【0261】比較例2においてはOHP透光性が悪く、
グロスも低く、混色領域が狭まった。また耐高温オフセ
ット性も劣った。
【0262】比較例4においては、グロスが低く、OH
P透光性も実用上問題あるくらい悪いレベルであった。
また、混色領域もほとんどない。
【0263】<実施例4〜5>粉砕条件及び分級条件を
変えることを除いて実施例1と同様にして重量平均径
5.8μm、7.9μmのシアントナーNo.8と9を
調製し、実施例1と同様の外添処方で実施例1と同様に
して評価した。シアントナーの物性を表1に示し、評価
結果を表2に示す。
【0264】<比較例5〜6>粉砕条件及び分級条件を
変えることを除いて実施例1と同様にして重量平均径
4.8μm、12.3μmの比較シアントナー粒子N
o.10と11を調製し、実施例1と同様の外添処方で
実施例1と同様にして評価した。比較シアントナーN
o.10と11の物性を表1に示し、評価結果を表2に
示す。
【0265】比較例5においては、トナーの飛び散りが
あり、画質が低下した。また、初期からカブリが発生し
た。
【0266】比較例6においては、ハイライト再現性が
悪い。また、トナーの乗りすぎのため定着不良が起こっ
た。
【0267】<比較例7>実施例1において、サリチル
酸のアルミニウム錯体にかえて、以下に示すホウ素化合
物を使用した以外は実施例1と同様にして、シアントナ
ーNo.12を作製し、実施例1と同様に評価した。物
性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0268】
【化26】
【0269】比較的低温で高温オフセットが発生し、そ
の結果混色可能領域が狭まった。
【0270】<比較例8>実施例1において、サリチル
酸のアルミニウム錯体を12質量部使用した以外は実施
例1と同様にして、シアントナーNo.13を作製し、
実施例1と同様に評価した。物性を表1に、評価結果を
表2に示す。
【0271】初期からグロスが低く、それに伴い混色可
能領域が狭い。また、OHP透光性も実用上問題がある
くらい悪かった。
【0272】<実施例6> 顔料を銅フタロシアニン;5質量部に代えて、キナクリ
ドン;5質量部を使用した以外は実施例1と同様にして
得られたマゼンタトナーNo.1および実施例1と同様
にして現像剤を作製した。
【0273】顔料を銅フタロシアニン;5質量部に代え
て、ピグメントイエロー17;5質量部を使用した以外
は実施例1と同様にして得られたイエロートナーNo.
1および実施例1と同様にして現像剤を作製した。
【0274】実施例1のシアン現像剤、マゼンタ現像
剤、およびイエロー現像剤をもちいて、実施例1で使用
した改造フルカラー複写機を使用してフルカラーモード
で画出し試験を行なった。該画像は、グロスが高く、か
つ色再現範囲が十分広いため、特にピクトリアルな表現
を必要とする場合にも適するものである。また、OHP
の透光性にも十分優れたものになった。
【0275】また、多数枚耐久時においても転写ドラム
の転写材担持シートヘのシリコーンオイルによる汚染も
なく、普通紙のカールの発生も少なく装置内での定着画
像を有する普通紙は円滑におこなわれ、画像の先端と後
端で均一のグロスが得られ、また、このグロスのレベル
は、100枚通紙後も落ちることなく維持できた。
【0276】<参考例1>実施例1で使用した定着器構
成において、弾性層2の厚さを8μmにする以外は、実
施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示
す。
【0277】グロスが低く、また光沢むらが見られた。
それに伴って混色領域もあまり広くはなかった。
【0278】
【表2】
【0279】
【表3】
【0280】
【発明の効果】本発明によれば、被加熱材加熱部を所定
の温度に短時間に立ち上げ状態にでき(クイックスター
ト性)、カラートナー画像の定着性を十分に確保でき、
被加熱材上画像の先端と後端さらには多数枚通紙におい
て良好な光沢度(グロス)にすることのできる画像形成
方法及びカラートナーを提供することができる。
【0281】さらに多色トナーが十分混合して色再現性
がよく、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム(O
HP)画像の透明性に優れた画像を得ることができる画
像形成方法及びカラートナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるフルカラーの画像形成装置の概
略図である。
【図2】本発明の加熱装置(定着装置)の概略横断側面
模式図である。
【図3】本発明の加熱装置要部の正面模式図である。
【図4】本発明の加熱装置要部の縦断正面模式図であ
る。
【図5】本発明の加熱装置にかかる磁場発生手段の模式
図である。
【図6】本発明の加熱装置にかかる定着ベルト(定着フ
ィルム)の層構成模式図である。
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 離型層 4 断熱層 10 定着ベルト 15 磁場発生手段 16,16a,16b フィルム(ベルト)ガイド部材 16e 凸リブ部 17,17a,17b,17c 磁性コア 18 励磁コイル 18a,18b 給電部 19 絶縁部材(励磁コイル保持部材) 22 加圧用剛性ステイ 23a,23b フランジ部材 25a,25b 加圧バネ 26 温度センサ 27 励磁回路 29a,29b バネ受け部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 101 G03G 9/08 361 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA08 AA21 CA08 CA17 CA25 CA26 CB07 DA01 EA03 EA05 EA06 EA07 FB02 2H033 AA11 BA11 BA12 BA25 BA27 BA32 BA58 BB29 BB33 BB34 BB37 BE06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)静電潜像をカラートナーにより現
    像してトナー画像を形成し、 (ii)該トナー画像を記録材上に転写し、 (iii)磁場発生手段と、電磁誘導により発熱す
    る発熱層、弾性層及び離型層を少なくとも有する回転加
    熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成している回
    転加圧部材を少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、
    該回転加熱部材を記録材を介して該回転加圧部材を押圧
    しながら、該記録材上の非磁性のカラートナーによって
    形成されたカラートナー画像を加熱加圧定着して記録材
    に定着画像を形成する画像形成方法において、 該カラートナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤、
    有機金属化合物を含有しており、(a)カラートナーは
    重量平均粒径が5〜8μmであり、(b)結着樹脂は、
    架橋剤で架橋されているポリエステル樹脂であり、
    (c)カラートナーは、温度130℃における貯蔵弾性
    率(G’130)が2×103〜2×104〔dN/m2〕で
    あり、温度170℃における貯蔵弾性率(G’1 70)が
    5×103〜5×104〔dN/m2〕であり、G’170
    G’130の値が0.25〜10であることを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜2
    00μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層の
    厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転加
    圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであ
    り、且つ、該回転加熱部材を記録材を介して面圧900
    0〜500000N/m2で該回転加圧部材を押圧しな
    がら定着スピード300mm/秒以下でトナー画像を加
    熱加圧定着することを特徴とする請求項1に記載の画像
    形成方法。
  3. 【請求項3】 該トナーは、サリチル酸金属化合物をト
    ナーの質量基準で0.1〜10質量%含有していること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該トナーは、疎水化処理された酸化チタ
    ン微粒子、もしくは疎水化処理されたアルミナ微粒子が
    外添されていることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 架橋ポリエステル樹脂は、ガラス転移温
    度が50〜80℃であり、数平均分子量(Mn)が10
    00〜9000であり、Mw/Mnが5.0以下であ
    り、GPCの分子量分布においてメインピークの分子量
    (Mp)が5000〜12000であることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 磁場発生手段と、電磁誘導により発
    熱する発熱層、弾性層及び離型層とを少なくとも有する
    回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成して
    いる回転加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を
    使用し、該回転加熱部材を記録材を介して該回転加圧部
    材を押圧しながら該記録材上のトナー画像を加熱加圧定
    着して記録材に定着画像を形成する加熱定着方法におい
    て、 該トナー画像は、結着樹脂、着色剤、有機金属化合物を
    少なくとも有するトナー粒子および外添剤を有するカラ
    ートナーによって形成されており、(a)カラートナー
    は重量平均粒径が5〜8μmであり、(b)結着樹脂
    は、架橋剤で架橋されているポリエステル樹脂であり、
    (c)カラートナーは、温度130℃における貯蔵弾性
    率(G’130)が2×103〜2×104〔dN/m2〕で
    あり、温度170℃における貯蔵弾性率(G’1 70)が
    5×103〜5×104〔dN/m2〕であり、G’170
    G’130の値が0.25〜10であることを特徴とする
    加熱定着方法。
  7. 【請求項7】 該回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜2
    00μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層の
    厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転加
    圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであ
    り、且つ、該回転加熱部材を記録材を介して面圧900
    0〜500000N/m2で該回転加圧部材を押圧しな
    がら定着スピード300mm/秒以下でトナー画像を加
    熱加圧定着することを特徴とする請求項6に記載の加熱
    定着方法。
  8. 【請求項8】 該トナーは、サリチル酸金属化合物をト
    ナーの質量基準で0.1〜10質量%含有していること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の加熱定着方法。
  9. 【請求項9】 該トナーは、疎水化処理された酸化チタ
    ン微粒子、もしくは疎水化処理されたアルミナ微粒子が
    外添されていることを特徴とする請求項6乃至8のいず
    れかに記載の加熱定着方法。
  10. 【請求項10】 架橋ポリエステル樹脂は、ガラス転移
    温度が50〜80℃であり、数平均分子量(Mn)が1
    000〜9000であり、Mw/Mnが5.0以下であ
    り、GPCの分子量分布においてメインピークの分子量
    (Mp)が5000〜12000であることを特徴とす
    る請求項6乃至9のいずれかに記載の加熱定着方法。
  11. 【請求項11】 磁場発生手段と、電磁誘導により
    発熱する発熱層、弾性層及び離型層を少なくとも有する
    回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成して
    いる回転加圧部材を少なくとも有する加熱加圧手段を使
    用し、該回転加熱部材を記録材を介して該回転加圧部材
    を押圧しながら、該記録材上の非磁性のカラートナーに
    よって形成されたカラートナー画像を加熱加圧定着して
    記録材に定着画像を形成する加熱定着方法に用いられる
    加熱定着用カラートナーにおいて、 該カラートナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤、
    有機金属化合物を含有しており、(a)カラートナーは
    重量平均粒径が5〜8μmであり、(b)結着樹脂は、
    架橋剤で架橋されているポリエステル樹脂であり、
    (c)カラートナーは、温度130℃における貯蔵弾性
    率(G’130)が2×103〜2×104〔dN/m2〕で
    あり、温度170℃における貯蔵弾性率(G’1 70)が
    5×103〜5×104〔dN/m2〕であり、G’170
    G’130の値が0.25〜10であることを特徴とする
    加熱定着用カラートナー。
  12. 【請求項12】 該回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜
    200μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層
    の厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転
    加圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであ
    り、且つ、該回転加熱部材を記録材を介して面圧900
    0〜500000N/m2で該回転加圧部材を押圧しな
    がら定着スピード300mm/秒以下でトナー画像を加
    熱加圧定着する画像形成方法に用いられることを特徴と
    する請求項11に記載の加熱定着用カラートナー。
  13. 【請求項13】 該トナーは、サリチル酸金属化合物を
    トナーの質量基準で0.1〜10質量%含有しているこ
    とを特徴とする請求項11又は12に記載の加熱定着用
    カラートナー。
  14. 【請求項14】 該トナーは、疎水化処理された酸化チ
    タン微粒子、もしくは疎水化処理されたアルミナ微粒子
    が外添されていることを特徴とする請求項11乃至13
    のいずれかに記載の加熱定着用カラートナー。
  15. 【請求項15】 架橋ポリエステル樹脂は、ガラス転移
    温度が50〜80℃であり、数平均分子量(Mn)が1
    000〜9000であり、Mw/Mnが5.0以下であ
    り、GPCの分子量分布においてメインピークの分子量
    (Mp)が5000〜12000であることを特徴とす
    る請求項11乃至14のいずれかに記載の加熱定着用カ
    ラートナー。
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