JP2002090134A - 微細形状測定装置 - Google Patents

微細形状測定装置

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JP2002090134A
JP2002090134A JP2000285791A JP2000285791A JP2002090134A JP 2002090134 A JP2002090134 A JP 2002090134A JP 2000285791 A JP2000285791 A JP 2000285791A JP 2000285791 A JP2000285791 A JP 2000285791A JP 2002090134 A JP2002090134 A JP 2002090134A
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Kunitoshi Nishimura
国俊 西村
Kiyokazu Okamoto
清和 岡本
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な機構で精度の高い測定が可能な微細形状
測定装置を提供する。 【解決手段】触針107が被測定物Wと接触した際に変化
する状態量を検出する状態量検出手段と、触針107ある
いは被測定物Wを相対移動させる微動機構11と、この微
動機構11による触針107及び被測定物W間の相対移動量
を検出する変位検出手段30とを備える。微動機構11は、
被取付部102に取り付けられる微動機構支持体3と、こ
の微動機構支持体3に対して変位するとともに触針107
が取り付けられた駆動用可動部4と、この駆動用可動部
4の動きの反力が微動機構支持体3に伝達されないよう
な駆動用可動部4と逆の動きをするバランス用可動部13
とを有する。微動機構11の駆動用可動部4の動きの反力
は微動機構支持体3に伝達されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細形状測定装置に
関し、詳しくは、LSI、その他の半導体ウェハ等の表
面形状を精密に測定するための微細形状測定装置に関す
る。
【0002】
【背景技術】従来より、LSI、その他の半導体ウェハ
等の表面形状の精密測定において、被測定物と、この被
測定物表面に接触する触針との間に作用する測定力を所
定値以下に維持することは、極めて重要なニーズとなっ
ている。これは測定力を所定値以下に維持することで、
被測定物及び触針にダメージを与えず、かつ、被測定物
の表面形状を触針の動きに正確に反映できるようになる
からである。そして、このようなニーズに応えるため、
半導体ウェハ等の表面形状の精密測定においては、測定
力を所定値以下に制御する機構を備えた特殊な測定装置
が用いられている。
【0003】このような測定装置の従来例として図4に
開示される測定装置がある。図4において、この測定装
置100は、1枚の板材にワイヤ放電加工等によって4
ケ所肉薄部分101を形成し、その肉薄部分101がヒ
ンジとして働く並行移動型の微動機構が基本構造となっ
ている。ここで、微動機構は、被取付部102に取り付
けられた支持体102Aと、支持体102Aに対して平
行移動、図では、上下方向に移動する可動部103と、
支持体102Aと可動部103との両端部同士を接続す
る連結部101Aとを備えている。
【0004】駆動用の圧電素子104は、支持体102
Aから延びるアクチュエータ固定側取付部105と可動
部103から伸びるアクチュエータ可動側取付部106
との間に設けられている。一方、可動部103の一部に
は触針107が、その軸心が可動部103の移動方向と
一致するように設けられており、被測定物Oはその表面
が触針107の軸とほぼ垂直になるように設置される。
圧電素子104の伸縮は可動部103の被取付部102
Aに対する並行運動をもたらし、触針の上下方向の動き
をもたらす。
【0005】触針107の構成が特願平11-27245号に開
示されている。図5はこの触針107の概略構成を示
す。図5において、触針107の構成は、金属材料で一
体に構成されたスタイラスホルダ301と、このスタイ
ラスホルダ301にスタイラス取付部302を介して設
けられたスタイラス331とが主要な構成部品である。
スタイラス331は、スタイラス取付部302に4カ所
で固定支持されており、またスタイラス331の先端3
31Aには接触部332が形成されている。また、スタ
イラス331の上面及び下面には、圧電素子303が2
ケ所の固定支持箇所を跨ぐように固定されている。圧電
素子303の表面には加振電極303Aと検出電極30
3Bとが形成されており、適当な周波数の駆動電圧を加
振電極303Aに印可するとスタイラス331は軸方向
(長手方向)に、2つの固定支持箇所の中央部分を節と
して、また、スタイラス331の両端を腹にして共振状
態で振動する。
【0006】この共振状態において、スタイラス331
の接触先端部が被測定物に接触すると共振状態が変化
し、この変化の状態を検出電極の出力より検出すること
ができる。共振状態の変化は、例えば、振幅の変化とな
って現れるので、振幅の変化を観察することにより、接
触球と被測定物間に作用する測定力を求めることが可能
になる。この場合、測定力という状態量を圧電素子30
3の検出電極303Bと触針制御回路の検出回路の検出
手段により検出していることになる。以上のように構成
される加振型の触針107では、図4で示される通り、
スタイラス331の接触部332が被測定物の表面と接
触すると接触部332に作用する測定力に応じて検出電
極からの信号が変化する。これを検出回路で検出し、圧
電素子104等のアクチュエータにフィードバックする
ことにより、触針部に作用する測定力を一定に保つこと
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、触針107の先
端部が被測定物の表面に倣うように圧電素子104は伸
びたり縮んだりするが、このとき圧電素子104は、質
量体であるアクチュエータ可動側取付部106、可動部
103及び触針107を動かすため、その慣性力の反力
をアクチュエータ固定側取付部105に及ぼす。そのた
め、この反力を受けても弾性変形しないようにアクチュ
エータ固定側取付部105を強固に設計する必要が生
じ、さらに、被取付部102に支持体102Aを強固に
固定する必要が生じる。本来は不動であるべきアクチュ
エータの支持体102Aが動いてしまうと、可動部10
3及び触針107の動きが相対的に少なくなり、本来の
応答ができなくなる欠点が生じるからである。
【0008】しかし、アクチュエータ固定側取付部10
6を頑丈に設計することは、プローブの大型化を招き、
また、支持体102Aの被取付部102への強固な固定
は、装置の大型化を招くという不都合がある。また、触
針先端と被測定物の表面の間の距離の大雑把な調整をす
るために、しばしば、プローブの被取付部102Aは粗
動機構の可動部に設けられる。この場合には、剛性の高
い移動機構、概して大型の移動機構を必要とする欠点が
生じる。
【0009】本発明の目的は、微動機構の反力が被取付
部に伝達されないようにして被取付部を強固に設計する
必要がなく、また、剛性の高い移動機構や大型の移動機
構を必要とせず、簡易な機構で精度の高い測定が可能な
微細形状測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の微細形状測定装
置は、触針駆動用可動部の反力が支持体で相殺されるよ
うにバランス用可動部を設置して前記目的を達成しよう
とするものである。具体的には、本願発明の微細形状測
定装置は、被測定物に接触する触針と、この触針が前記
被測定物と接触した際に変化する状態量を検出する状態
量検出手段と、前記触針あるいは前記被測定物を前記被
測定物の表面の高さに応じて相対移動させる微動機構
と、この微動機構による前記触針及び前記被測定物間の
前記相対移動量を検出する変位検出手段とを備え、前記
微動機構は、被取付部に取り付けられる微動機構支持体
と、この微動機構支持体に対して変位するとともに前記
触針が取り付けられた駆動用可動部と、この駆動用可動
部の動きの反力が微動機構支持体に伝達されないような
前記駆動用可動部と逆の動きをするバランス用可動部と
を有し、前記状態量検出手段からの出力信号を前記微動
機構にフィードバックし、前記触針と前記被測定物間の
作用力を調整することを特徴とする。
【0011】この構成の本発明では、触針が取り付けら
れた駆動用可動部が急激に動こうとするとき、その動き
は、被取付部及び微動機構支持体の質量を動かそうとす
るために、その慣性力の反力を微動機構支持体に受け
る。この際、同時にバランス用可動部が急激に伸び、同
様に微動機構支持体に反力を及ぼす。両者の反力は、同
一となるように調整されているので、微動機構支持体に
おいて反力は相殺され、微動機構の駆動用可動部の動き
の反力は微動機構支持体に伝達されない。従って、本発
明では、微動機構は駆動用可動部と逆の動きをするバラ
ンス用可動部を有する構成であるため、固定部を強固に
設計する必要がなく、また、剛性の高い移動機構や大型
の移動機構を必要としない。また、状態量検出手段から
の出力信号を微動機構にフィードバックし、触針と被測
定物間の作用力を調整するので、簡易な機構で精度の高
い測定が可能になる。
【0012】ここで、本発明では、前記触針は、その軸
線方向に共振状態で振動する構成が好ましい。一般に、
曲げの固有振動数は、軸方向の固有振動数より低くなる
ので、軸方向に振動する触針は、曲げ振動する触針と比
べて応答性が高くなる。従って、このような応答性の高
い触針の振動状態を、検出手段で検出し、この状態量検
出手段からの情報をもとに微動機構を作動させれば、触
針に作用する測定力をより正確に制御できる。
【0013】また、前記微動機構は、圧電素子や磁歪素
子等の高速微小変位固体素子を含んで構成されているこ
とが好ましい。この発明によれば、圧電素子として、た
とえば、電歪効果があるPZT(ジルコンチタン酸鉛)の
薄板を積層して構成すれば、電気的に制御できる微動機
構を容易に構成できる。ここにおいて、高速微小変位固
体素子としては、PZT等の圧電素子の他、磁歪素子や
形状記憶素子等であってもよい。
【0014】さらに、前記微動機構の動作方向は、前記
触針の軸方向に沿っていることが好ましい。この発明に
よれば、微動機構構の動作方向が触針の軸方向に沿って
いるので、触針の軸方向が被測定物表面の高さ方向に沿
った状態で、触針と被測定物とを相対移動させることが
できる。つまり、触針をその軸方向に沿って被測定物表
面に確実に押し当てることができるから、軸方向に共振
状態で振動する触針の振動状態の変化をより正確に状態
量検出手段で検出できる。
【0015】また、前記触針は、前記微動機構の動作方
向と略直交する方向に延びる弾性カンチレバーを介して
前記微動機構に取り付けられている構成が好ましい。こ
の発明では、触針に作用する測定力により、弾性カンチ
レバーが弾性変形する。この弾性カンチレバーの弾性変
形量をもとに微動機構を作動すれば、触針に作用する測
定力を制御できる。
【0016】さらに、前記微動機構は、一体切欠き構造
型平行移動機構に組み込まれている構成が好ましい。こ
の構成の発明によれば、数カ所の肉薄部分を1枚の板材
に形成し、この肉薄部分をヒンジとして作用させること
により、簡単な構成の装置でより精度の高い測定が可能
になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。ここで、各実施形態において、同一
の構成要素に同一の符号を付して説明を省略若しくは簡
略にする。 [第1実施形態]図1及び図2には、本発明の第1の実
施形態にかかる微細形状測定装置1が示されている。
【0018】図1において、第1実施形態の微細形状測
定装置1は、ベリリウム銅、ばね用ステンレス、ジュラ
ルミン等の均質な弾性素材から形成された1枚の板材に
ワイヤ放電加工等によって4ケ所肉薄部分101を形成
し、その肉薄部分101がヒンジとして働く一体切欠き
構造体型平行移動機構10を有する。この平行移動機構
10に微動機構11が組み込まれている。微動機構11
は、被取付部102に取り付けられる略線状の微動機構
支持体3と、この微動機構支持体3に対して変位する略
線状の駆動用可動部4と、これらの支持体3と駆動用可
動部4との端部同士を接続し肉薄部分101が形成され
た略線状の連結部5と、支持体3の中心部から連結部5
と平行に延びるアクチュエータ固定側取付部6と、駆動
用可動部4の下端部から支持体3に向かって伸びるアク
チュエータ可動側取付部7とを備えている。
【0019】アクチュエータ固定側取付部6とアクチュ
エータ可動側取付部7との間には駆動用圧電素子12が
設けられている。アクチュエータ固定側取付部6には、
この取付部6を挟んで駆動用圧電素子12と対称となる
位置にバランス用可動部13が設けられている。このバ
ランス用可動部13は、アクチュエータ固定側取付部6
に一端が固定されたバランス用圧電素子14と、このバ
ランス用圧電素子14の他端部に固定されたバランサ1
5とから構成されている。
【0020】駆動用可動部4の下端部には前記触針10
7が固定されている。この触針107は図5で示された
構造を備えたもので、その軸線方向(図中、上下方向)
に共振状態で振動する加振型の構造である。触針107
の触針部332は被測定物Wに接触可能である。触針1
07は圧電素子303を備えており、この圧電素子30
3の表面には加振電極303Aと検出電極303Bとが
形成されている。ここで、検出電極303Bは、被測定
物Wと接触した際に変化する状態量を検出する状態量検
出手段である。
【0021】上部の連結部5の上面には図示しない可動
電極が設けられ、この可動電極と対向する位置に変位検
出器16が配置されている。この変位検出器16は被取
付部102に基端が固定されたアーム17の先端に固定
されており、可動電極との間の寸法から触針107の変
位量を検出する。ここで、可動電極と変位検出器16と
から変位検出手段30が構成される。変位検出器16に
は変位検出回路31が接続され、この変位検出回路31
にはデータ処理回路1Aが接続されている。触針107
の圧電素子303と駆動用圧電素子12にはそれぞれ制
御回路1Bが接続されている。ここで、駆動用圧電素子
12、バランス用圧電素子14及び触針用の圧電素子3
03は、電歪効果があるPZT(ジルコンチタン酸鉛)の
薄板を積層して構成される。
【0022】これらのデータ処理回路1A及び制御回路
1Bの構成が図2に示されている。図2において、制御
回路1Bは、圧電素子303から送られる触針107の
信号を制御する触針制御回路10Aと、この触針制御回
路10Aからの信号を受けて触針107に作用する測定
力を調整する測定力制御回路40Aと、この測定力制御
回路40Aからの信号を受けて微動機構11の駆動を制
御する微動機構駆動回路50Aと、この微動機構駆動回
路50Aからの信号を受けてバランス用圧電素子14を
駆動するバランス用圧電素子駆動回路60Aとから構成
される。
【0023】触針制御回路10Aは加振回路17Aと検
出回路18Aとを備え、加振回路17Aから加振電極3
03Aに所定の信号が送られると、触針107がその軸
方向に共振状態で振動する。触針107の接触部332
が被測定物Wに接触すると、共振状態が変化し、この変
化が検出電極303Bで検出され、この信号が触針制御
回路10Aの検出回路18Aを介して測定力制御回路4
0Aに送られる。測定力制御回路40Aは、触針制御回
路10Aの検出回路18Aから送られる検出信号を受
け、微動機構駆動回路50Aを介して、微動機構11の
作動を制御するものである。
【0024】検出回路18Aでは、検出電極303Bで
検出される共振状態の変化が振幅変化に対応する信号と
して測定力制御回路40Aに出力され、測定力制御回路
40Aでは、予め設定された測定力制御回路40Aに対
応する信号値と検出回路18Aからの出力信号との差が
演算され、必要に応じて演算された微分値や積分値とと
もに微動機構駆動回路50Aに送られる。このような測
定力制御回路40Aは、触針107に実際にかかる測定
力が所定値より大きくなると、駆動用可動部4の下端面
を被測定物Wから離間させるように微動機構駆動回路5
0Aに信号を送る。一方、触針107に実際にかかる測
定力が所定値より小さくなると、駆動用可動部4の下端
面を被測定物Wに接近させて触針107を被測定物Wに
押圧するように微動機構駆動回路50Aに信号を送る。
【0025】このような微細形状測定装置1では、触針
107を被測定物Wの表面に所定の測定力で接触させる
とともに、当該表面に沿って触針107を移動させるこ
とで測定作業が行われる。触針107を軸方向に共振状
態で振動させた状態で、触針107の接触部332を被
測定物Wの表面に接触させながら、触針107と被測定
物Wとを水平方向(被測定物W表面の高さ方向と直交す
る方向)へ相対移動させる。すると、被測定物W表面の
凹凸形状により、被測定物W表面と駆動用可動部4の下
端面との距離が変化し、これにより被測定物W及び触針
107間に作用する測定力が変化する。
【0026】測定力が変化すると、触針107の振動状
態が変化するから、この触針107の振動状態を検出電
極303Bで検出し、この信号が検出回路18Aを介し
て測定力制御回路40Aに伝達される。この検出回路1
8Aからの情報をもとに測定力制御回路40Aで演算が
行われ、この演算結果が微動機構駆動回路50Aに伝達
されて、各駆動回路50Aが微動機構11を駆動させ
る。これにより、触針107の振動状態の変化をもと
に、被測定物W表面と駆動用可動部4の下端面との距離
を調整でき、被測定物W及び接触部332間に作用する
測定力を所定値に維持できるようになる。
【0027】一方、変位検出回路31から触針107の
上下方向への移動量が検出され、この情報をもとにデー
タ処理回路1Aで被測定物Wの断面形状が算出される。
加振型触針107は、触針制御回路の加振回路17Aか
ら発せられる信号が加振電極303Aに印可されて触針
107は共振振動状態になる。また、この振動状態は、
測定力に応じて変化するが、検出電極303Bで検出さ
れて触針制御回路10Aの検出回路18Aに伝達され、
測定力制御回路40Aに伝達される。ここで、測定力に
関する触針107の力学的なモデルに応じて微分や積分
等の処理が施され、微動機構駆動回路50Aに送られ、
駆動用圧電素子12を駆動する。また同時にバランス用
圧電素子駆動回路60Aを介してバランス用圧電素子1
4を駆動する。
【0028】さて、加振型触針107の先端が被測定物
Wの表面に追従しようとして駆動用圧電素子12が急激
に伸びる場合を想定すると、その動きは触針107、可
動部4及びアクチュエータ可動側取付部7の質量を動か
そうとするため、その慣性力の反力がアクチュエータ固
定側取付部6で受ける。しかし、同時にバランス用圧電
素子14が急激に伸び、同様にアクチュエータ固定側取
付部6に反力を及ぼす。両者の反力は同一となるよう
に、バランサ15の質力及びバランス用圧電素子駆動回
路60Aのゲインは決められているので、アクチュエー
タ固定側取付部6において反力は相殺される。
【0029】そのため、アクチュエータ固定側取付部6
を特に頑強に設計しなくても弾性変形することなく、ま
た、被取付部102にも反力が及ばないので、被取付部
102を頑強に固定する必要がなくなり、プローブの大
型化を招かない。このような制御系により触針107の
先端と被測定物W間の接触力は、一定に保持される。ま
た、被取付部102と触針107と間の変位は、変位検
出回路31により検出されて、データ処理回路1Aで、
触針107と被測定物Wと間のX軸、Y軸方向の相殺位
置データとともに演算されて、被測定物Wの表面形状を
算出する。
【0030】このような構成の本実施形態によれば、次
のような効果がある。 (1)この実施形態によれば、微細形状測定装置の微動
機構11は、駆動用可動部4と逆の動きをするバランス
用可動部13が設けられているため、駆動用可動部4が
急激に動こうとするとき、その動きは、駆動用可動部4
及び微動機構支持体3の質量を動かそうとするために、
その慣性力の反力を微動機構支持体3に受ける。しか
し、同時にバランス用可動部13が急激に伸び、同様に
微動機構支持体3に反力を及ぼす。両者の反力は、同一
となるように調整されているので、微動機構支持体3に
おいて反力は相殺される。つまり、微動機構11の駆動
用可動部4の動きの反力は微動機構支持体3に伝達され
ない。そのため、被取付部102を強固に設計する必要
がなく、また、剛性の高い移動機構や大型の移動機構を
必要としない。しかも、状態量検出手段としての検出電
極303Bからの出力信号を触針107に作用する測定
力を調整する測定力制御回路40Aを介して微動機構1
1にフィードバックし、触針107と被測定物W間の作
用力を調整するので、簡易な機構で精度の高い測定が可
能になる。
【0031】(2)一般に、曲げの固有振動数は、軸方
向の固有振動数より低くなるので、軸方向に振動する触
針107は、曲げ振動する触針107と比べて応答性が
高くなる。従って、このような応答性の高い触針107
の振動状態を、検出電極303Bで検出し、こ検出電極
303Bからの情報をもとに微動機構11を作動させれ
ば、触針107に作用する測定力をより正確に制御でき
る。 (3)本実施形態では、圧電素子として、たとえば、電
歪効果があるPZT(ジルコンチタン酸鉛)の薄板を積層
する構成を採用したので、電気的に制御できる微動機構
11を容易に構成できる。
【0032】(4)微動機構11の動作方向が触針10
7の軸方向に沿っている構成としたから、触針107の
軸方向が被測定物Wの表面の高さに応じて、触針107
と被測定物Wとを相対移動させることができる。つま
り、触針107をその軸方向に沿って被測定物Wの表面
に確実に押し当てることができるから、軸方向に共振状
態で振動する触針107の振動状態の変化をより正確に
検出電極303Bで検出できる。 (5)微動機構11は、一体切欠き構造型平行移動機構
に組み込まれている構成としたので、数カ所の肉薄部分
101を1枚の板材に形成し、この肉薄部分101をヒ
ンジとして作用させることにより、簡単な構成の装置で
より精度の高い測定が可能になる。
【0033】[第2実施形態]図3には、第2の実施形
態にかかる微細形状測定装置2が示されている。図3に
おいて、第2実施形態の微細形状測定装置2は、触針1
07と、触針107と被測定物Wとを被測定物の表面の
高さ方向へ相対移動させる微動機構21と、この微動機
構21による触針107及び被測定物W間の相対移動量
を検出する変位検出手段30と、触針107に作用する
測定力を調整する制御回路1Bとを備えた構成である。
【0034】微動機構21は、触針107を駆動する駆
動用圧電素子12と、この駆動用圧電素子12の反力が
粗動用可動部に伝達されないように駆動用圧電素子12
と逆の動きをするバランス用可動部13とを有する。粗
動機構支持体23と粗動用可動部24とは上下2本のロ
ッド状の連結部25で連結されており、これらの連結部
には回動軸22が設けられている。そのため、これらの
粗動機構支持体23、粗動用可動部24及び連結部25
から平行リンク機構が構成される。
【0035】粗動用可動部24の下端部にはアクチュエ
ータ固定側取付部26が水平に延びて取り付けられてい
る。このアクチュエータ固定側取付部26の下部には駆
動用圧電素子12が設けられ、この取付部26を挟んで
駆動用圧電素子12と対称となる位置にバランス用可動
部13が設けられている。このバランス用可動部13
は、アクチュエータ固定側取付部26に一端が固定され
たバランス用圧電素子14と、このバランス用圧電素子
14の他端部に固定されたバランサ15とから構成され
ている。
【0036】駆動用圧電素子12の下端部には弾性カン
チレバー70の基端が固定され、この弾性カンチレバー
70は、微動機構21の動作方向と略直交する方向(水
平方向)に延びるとともに、その先端側下面には、被測
定物Wの表面に対向する触針107が設けられている。
アクチュエータ固定側取付部26の先端部には、変位検
出手段30が設けられている。この変位検出手段30
は、アクチュエータ固定側取付部26に固定された変位
検出器16と、触針107に対応する弾性カンチレバー
70の位置に設けられた可動電極とを備え、触針107
の変位を弾性カンチレバー70を介して検出する構成で
ある。変位検出器16で検出された信号は第1実施形態
と同様に、変位検出回路31を介してデータ処理回路1
Aに送られる。
【0037】粗動用可動部24の上端には、ばね71を
介してマイクロメータヘッド72が配置され、このマイ
クロメータヘッド72は、粗動機構支持体23から突出
形成されたブラケット23Aに固定されている。このマ
イクロメータヘッド72は、ばね71を介して粗動用可
動部24を進退させることで、微動機構21及び触針1
07の上下方向の位置決めをするものである。ここで、
触針107の圧電素子303(図1,2参照)からの信
号は前記制御回路1Bに送られ、この制御回路1Bから
の信号が駆動用圧電素子12及びバランス用圧電素子1
4に送られる。
【0038】第2実施形態の制御回路1Bは、図2に示
される制御回路1Bと同じ構成である。つまり、触針制
御回路10Aの加振回路17Aから触針107の加振電
極303Aに所定の信号が送られると、触針107がそ
の軸方向に共振状態で振動する。触針107の接触部3
32が被測定物Wに接触すると、共振状態が変化し、こ
の変化が状態量検出手段である検出電極303Bで検出
され、この信号が触針制御回路10Aの検出回路18A
を介して測定力制御回路40Aに送られる。測定力制御
回路40Aは、触針制御回路10Aの検出回路18Aか
ら送られる検出信号を受けて、微動機構駆動回路50A
を介して、微動機構21の作動を制御するものである。
【0039】検出回路18Aでは、検出電極303Bで
検出される共振状態の変化が振幅変化に対応する信号と
して測定力制御回路40Aに出力され、測定力制御回路
40Aでは、予め設定された測定力制御回路40Aに対
応する信号値と検出回路18Aからの出力信号との差が
演算され、必要に応じて演算された微分値や積分値とと
もに微動機構駆動回路50Aに送られる。このような測
定力制御回路40Aは、触針107に実際にかかる測定
力が所定値より大きくなると、駆動用可動部の下端面を
被測定物Wから離間させるように微動機構駆動回路50
Aに信号を送る。一方、触針107に実際にかかる測定
力が所定値より小さくなると、粗動用可動部24の下端
面を被測定物Wに接近させて触針107を被測定物Wに
押圧するように微動機構駆動回路50Aに信号を送る。
【0040】実際の使用時の動作を説明する。まず、マ
イクロメータヘッド72を回転させ微動機構21を介し
て触針107の先端が被測定物Wの表面に軽く接するよ
うに調整する。次に、制御回路1Bを動作させて、触針
107と被測定物Wの間の測定力が所定の値となるよう
にする。この状態で触針107と被測定物Wを相対的に
左右方向に移動させ(この移動機構は図示されていな
い)つつ、変位検出器16の出力変化より、被測定物W
の表面形状を求める。
【0041】前述のような第2実施形態によれば、第1
実施形態の(1)から(4)の作用効果に加えて次のよ
うな効果がある。 (6)微動機構21及び触針107はマイクロメータヘ
ッド72によって上下方向に進退自在とされているの
で、被測定物Wに対する触針107の大まかな位置決め
をマイクロメータヘッド72で行うことができる。 (7)粗動用可動部24とマイクロメータヘッド72と
の間にはばね71が介装されているため、このばね71
で微動機構21が下方に押下られる。そのため、駆動用
圧電素子12の動きの反力が微動機構21全体を動かす
ことがあっても、バランス用圧電素子14とともにばね
71により、その反力を吸収することができるので、簡
易な構造により安定した測定が可能になる。 (8)触針107は、微動機構21の動作方向と略直交
する方向に延びる弾性カンチレバー70を介して微動機
構21に取り付けられているので、触針107に作用す
る測定力により、弾性カンチレバー70が弾性変形す
る。この弾性カンチレバー70の弾性変形量をもとに微
動機構21を作動すれば、触針107に作用する測定力
を制御できる。
【0042】なお、本発明発明は、前各実施形態に限定
されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で
の変形、改良は本発明に含まれるものである。第1及び
第2実施形態では、微動機構11,21における駆動用
のアクチュエータとして圧電素子を使用する例で説明し
たが、本発明では、これに限定されるものではなく、可
動コイル型の電磁アクチュエータであっても、可動磁石
型や可動鉄片の電磁アクチュエータであっても、磁歪素
子や形状記憶素子等の高速微小変位固体素子であっても
よい。
【0043】さらに、前記各実施形態では、触針107
を被測定物Wに対して移動させていたが、被測定物を触
針に対して移動させてもよく、要するに触針と被測定物
とを相対移動させて、測定力を制御すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、微動機
構に触針を高速・微細に動かすアクチュエータとは別に
バランス用の高速・微細動作アクチュエータを対称に配
置したので、微動機構の動きの反力がその固定部に全く
伝達されないため、剛性の高い移動機構や大型の移動機
鉱を必要とせずに、簡易な機構で精度の高い測定が可能
になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる微細形状測定装
置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る微細形状測定装置の回路を
示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる微細形状測定装
置を示す概略構成図である。
【図4】従来技術の一体切欠き構造型平行移動機構の概
略構成図である。
【図5】従来技術の加振型触針の構成を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1,2 微細形状測定装置 3,23 微動機構支持体 4,24 駆動用可動部 10 一体切欠き構造型平行移動機構 11,21 微動機構 12 駆動用圧電素子 13 バランス用可動部 14 バランス用圧電素子 15 バランサ 30 変位検出手段 40A 測定力制御回路 70 弾性カンチレバー 107 触針 303B 状態量検出手段(検出電極) W 被測定物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物に接触する触針と、この触針が
    前記被測定物と接触した際に変化する状態量を検出する
    状態量検出手段と、前記触針あるいは前記被測定物を前
    記被測定物の表面の高さ方向に応じて相対移動させる微
    動機構と、この微動機構による前記触針及び前記被測定
    物間の前記相対移動量を検出する変位検出手段とを備
    え、 前記微動機構は、被取付部に取り付けられる微動機構支
    持体と、この微動機構支持体に対して変位するとともに
    前記触針が取り付けられた駆動用可動部と、この駆動用
    可動部の動きの反力が微動機構支持体に伝達されないよ
    うな前記駆動用可動部と逆の動きをするバランス用可動
    部とを有し、 前記状態量検出手段からの出力信号を前記微動機構にフ
    ィードバックし、前記触針と前記被測定物間の作用力を
    調整することを特徴とする微細形状測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の微細形状測定装置にお
    いて、 前記触針は、その軸線方向に共振状態で振動することを
    特徴とする微細形状測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の微細形状測定装
    置において、 前記微動機構は、圧電素子、磁歪素子等の高速微小変位
    固体素子を含んで構成されたことを特徴とする微細形状
    測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の微細
    形状測定装置において、 前記微動機構の動作方向は、前記触針の軸方向に沿って
    いることを特徴とする微細形状測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の微細
    形状測定装置において、 前記触針は、前記微動機構の動作方向と略直交する方向
    に延びる弾性カンチレバーを介して前記微動機構に取り
    付けられていることを特徴とする微細形状測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の微細
    形状測定装置において、 前記微動機構は、一体切欠き構造型平行移動機構に組み
    込まれていることを特徴とする微細形状測定装置。
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