JP2000208825A - 電気機械変換素子を使用したアクチエ―タ - Google Patents

電気機械変換素子を使用したアクチエ―タ

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JP2000208825A
JP2000208825A JP11002823A JP282399A JP2000208825A JP 2000208825 A JP2000208825 A JP 2000208825A JP 11002823 A JP11002823 A JP 11002823A JP 282399 A JP282399 A JP 282399A JP 2000208825 A JP2000208825 A JP 2000208825A
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slider
drive shaft
actuator
electromechanical transducer
friction
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JP11002823A
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Takayuki Hoshino
隆之 干野
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を使用したアクチエータにおいて、
圧電素子に直流電圧を印加して伸び(縮み)変位を発生
させる微動モードの場合に、スライダと駆動軸との間の
滑りを防ぎ、移動体を正確に位置決めできるアクチエー
タを提供する。 【解決手段】 第1の圧電素子21の一方の端は固定部
材の壁面に接着により固定され、第1の圧電素子21の
他端は駆動軸22に接着固定される。第1の圧電素子2
1の厚み方向の変位は駆動軸22に軸方向の変位を発生
させ、駆動軸22に摩擦結合したスライダ24を所定方
向に移動する。スライダ24のパツド25は板ばね28
により下向きの付勢力が与えられるが、板ばね28とス
ライダ24の間に配置された第2の圧電素子26a、2
6bに変位を発生させることにより板ばね28の付勢力
を変更し、スライダ24及びパツド25と駆動軸22と
の摩擦結合力を調整して滑りを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気機械変換素
子を使用したアクチエータに関し、特に走査型顕微鏡、
情報記録再生装置、精密測定用XYステージ、カメラの
撮影レンズ、オーバーヘツドプロジエクタの投影レン
ズ、双眼鏡のレンズなどの駆動に適した電気機械変換素
子を使用したアクチエータに関する。
【0002】
【従来の技術】電気機械変換素子、例えば圧電素子に緩
やかな立ち上がり部とこれに続く急速な立ち下がり部か
らなる波形の駆動パルスを印加すると、駆動パルスの緩
やかな立ち上がり部では圧電素子が緩やかに厚み方向の
伸び変位を生じ、急速な立ち下がり部では急速に縮み変
位を生じる。そこで、この特性を利用し、圧電素子に対
して上記したような波形の駆動パルスを印加して異なる
速度で充放電を繰り返し、圧電素子に速度の異なる厚み
方向の振動を発生させて圧電素子に固着された駆動部材
を異なる速度で往復移動させ、駆動部材に摩擦結合した
移動体を所定方向に移動させるアクチエータが知られて
いる。
【0003】図3及び図4は、上記した圧電変換素子を
使用したアクチエータの構成の一例を示す図で、図3は
アクチエータを分解した状態を示す斜視図、図4は組み
立てた状態を示す斜視図である。
【0004】図3及び図4において、アクチエータ10
0は、固定部材101、圧電素子110、駆動軸11
1、スライダ112、その他の部材から構成される。
【0005】固定部材101は、全体が略円柱状に形成
され、直径方向(図3で上下方向)に貫通する第1の穴
102と第2の穴103が形成され、穴102と穴10
3との間の壁部104には駆動軸111を支承する軸受
104aが形成されている。また、固定部材101の端
面であつて穴103の壁部105を構成する部分には、
駆動軸111を支承する軸受105aが形成されてい
る。なお、固定部材の部分106は、このアクチエータ
を装置へ取り付けるための取付部である。
【0006】第1の穴102には圧電素子110が配置
され、圧電素子110の一方の端は固定部材101の取
付部106側の壁面に接着により固定され、圧電素子1
10の他方の端には駆動軸111が接着により固定され
る。駆動軸111は壁部104の軸受104aと壁部1
05の軸受105aとにより支持されるので、圧電素子
110に厚み方向の伸縮変位が発生すると、圧電素子1
10に接着固定された駆動軸111は軸方向に往復移動
することができる。
【0007】112はスライダで、固定部材101の穴
103の中に配置され、穴103を構成する長手方向の
内側壁面を回転止め兼ガイドとして、穴103の内部を
円柱軸方向に移動可能に構成されている。なお、スライ
ダ112の下側には、このアクチエータ100により駆
動される部材、例えば、レンズ装置であれば可動のレン
ズ鏡筒などを取り付ける取付部112cが設けられてい
る。
【0008】スライダ112は、その本体部分に形成さ
れた穴112aに駆動軸111が貫通し、駆動軸111
が貫通している上部には開口部112bが形成され、駆
動軸111の上半分が露出している。また、この開口部
112bには駆動軸111の上半分に当接するパツド1
13が嵌挿され、パツド113には、その上部に突起1
13a、下面には駆動軸111の上半分に当接する溝1
13bが設けられている。パツド113の突起113a
が板ばね114により押し下げられることにより、パツ
ド113の溝113bが駆動軸111に当接し、下向き
の付勢力Fが与えられる。なお、115は板ばね114
をスライダ112に固定するためのねじである。また、
図示されていないが、スライダ112には移動体、例え
ばレンズ鏡筒が固定される。
【0009】この構成により、駆動軸111とパツド1
13及びスライダ112は適当な摩擦結合力で摩擦結合
する。摩擦結合力を決定する付勢力Fの調整は、ねじ1
15の締め付け加減により調整することができる。
【0010】駆動軸111は、前記したとおり、壁部1
04の軸受104aと壁部105の軸受105aにより
支持されており、圧電素子110の側と反対側の端部1
11aは、軸受105aの穴から僅かに突出している。
【0011】壁部104の外側には板ばね117がねじ
118により固定されており、駆動軸111の端部11
1aを軸方向に押圧している。押圧力はねじ118の締
め加減で調整することができる。
【0012】次に、その動作を説明する。まず、圧電素
子110に図5の(a)に示すような緩やかな立上り部
分と急速な立下り部分を持つ鋸歯状波駆動パルスを印加
すると、駆動パルスの緩やかな立上り部分では、圧電素
子110が緩やかに厚み方向に伸び変位し、圧電素子1
10に結合する駆動軸111も正方向(矢印a方向)に
緩やかに変位する。このとき、駆動軸111に摩擦結合
したスライダ112は摩擦結合力により駆動軸111と
共に正方向に移動する。
【0013】駆動パルスの急速な立下り部分では、圧電
素子110が急速に厚み方向に縮み変位し、圧電素子1
10に結合する駆動軸111も負方向(矢印aと反対方
向)に急速に変位する。このとき、駆動軸111に摩擦
結合したスライダ112は慣性力により摩擦結合力に打
ち勝つて実質的にその位置に留まり移動しない。
【0014】圧電素子110に前記駆動パルスを連続的
に印加することにより、駆動軸111に速度の異なる往
復振動を発生させ、駆動軸111に摩擦結合したスライ
ダ112、及びスライダ112に固定された移動体を連
続的に正方向に移動させることができる。
【0015】なお、ここでいう実質的とは、正方向とこ
れと反対方向のいずれにおいてもスライダ112と駆動
軸111との間の摩擦結合面に滑りを生じつつ追動し、
駆動時間の差によつて全体として矢印a方向に移動する
ものも含まれる。
【0016】スライダ112及びスライダ112に固定
された図示しない移動体を先と反対方向(矢印aと反対
方向)に移動させるには、圧電素子110に印加する鋸
歯状波駆動パルスの波形を変え、図5の(b)に示すよ
うな急速な立上り部分と緩やかな立下り部分からなる駆
動パルスを印加すれば達成することができる。
【0017】このようなアクチエータでは、所望の位置
にスライダ、即ち移動体を精密に位置決めするため、上
記した鋸歯状波駆動パルスにより所望の位置にスライダ
及びスライダに固定された移動体を高速で移動する粗動
モードのほか、圧電素子に所定の電圧を印加して所定の
大きさの伸び変位、或いは縮み変位を発生させて精密に
位置決めできる微動モードを備え、適宜切り換えて作動
させる駆動手段が提案されている。
【0018】図6は粗動モードと微動モードとを切り換
えることができるアクチエータ駆動回路のブロツク図で
ある。図6において、アクチエータ100は図3、図4
に示した構成の要部を示したもので、同一部材には同一
符号を付してある。即ち、101は固定部材、110は
圧電素子、111は駆動軸、112はスライダを示す。
スライダ112には基準位置(例えば固定部材の端部な
ど)に対する現在位置を検出するため、公知の位置セン
サ126が設けられている。位置センサとしては、例え
ば、一定間隔で着磁された磁気ロツドと磁気抵抗素子か
らなる公知のMRセンサなどを利用することができる。
【0019】駆動回路は、CPU120、CPU120
の入力ポートに接続された信号処理回路121、出力ポ
ートに接続された粗動駆動回路122、微動駆動回路1
23、粗動モードと微動モードを切り換える切換スイツ
チ124、電圧増幅回路125から構成される。切換ス
イツチ124はCPU120から出力される切換信号に
より切り換えられる。
【0020】位置センサ126で検出されたスライダ1
12の位置信号は、信号処理回路121で処理されてC
PU120に入力され、また、電圧増幅回路125から
出力される駆動信号は圧電素子110に印加されるよう
に構成されている。このほか、図示を省略してあるが、
CPU120の入力ポートには、スライダ112、即ち
移動体の目標位置を示す信号が図示しないキーボードそ
の他の入力装置から入力されるように構成されている。
【0021】次に、その動作を説明する。スライダ11
2の目標位置信号がCPU120に入力されると、CP
U120では目標位置信号と、位置センサ126で検出
され、信号処理回路121で処理されたスライダ112
の現在位置信号とに基づいて、スライダ112を移動さ
せる距離、即ち移動距離が演算される。
【0022】CPU120は、演算された移動距離に基
づいて高速移動が必要と判断したときは、切換スイツチ
124を粗動モードに切換えると共に、粗動駆動回路1
22を作動させて鋸歯状波駆動パルスを発生させ、電圧
増幅回路125を経て圧電素子110に印加する。圧電
素子110には厚み方向の伸縮変位が生じて駆動軸11
1に速度の異なる往復振動を発生させ、駆動軸111に
摩擦結合したスライダ112を連続的に所定方向に移動
させる。
【0023】スライダ112の位置は位置センサ126
で連続的に検出されている。スライダ112が目標位置
に接近してその位置信号がCPU120に入力され、所
定距離以内に接近したことが検出されると、CPU12
0は、切換スイツチ124を微動モード側に切換えると
共に、微動駆動回路123を作動させてスライダ112
の目標位置と現在位置の差に対応する所定の電圧の駆動
信号を発生させ、電圧増幅回路125を経て圧電素子1
10に印加する。圧電素子110には駆動信号の電圧に
応じた厚み方向の変位が生じ、スライダ112を目標位
置に移動させる。なお、微動モードではスライダ112
の位置信号が駆動信号にフィードバックされてスライダ
を所定位置に設定するサーボ制御が行われる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】電気機械変換素子を使
用したアクチエータにおいては、電気機械変換素子自体
の伸縮範囲が限られているため、より広い移動範囲を得
る為に、スライダと駆動軸とを摩擦結合させ、駆動軸上
の任意の位置にスライダ及びスライダに固定された移動
体を移動させることができるように構成されている。
【0025】このため、電気機械素子に所定の電圧を印
加して伸び変位、或いは縮み変位を発生させる微動モー
ドの場合に、電気機械素子の伸び変位、或いは縮み変位
により駆動軸を移動させる力が、スライダと駆動軸との
摩擦結合力を以上であると、スライダが駆動軸上を滑つ
てしまい、スライダ、即ち移動体を安定して位置決めで
きないという不都合があつた。
【0026】このような不都合を解消するためには、微
動モードでの駆動力を小さくすればよいが、駆動力を小
さくするとスライダを目標位置に設定するのに時間がか
かり、場合によつては、目標位置に設定できない可能性
も生じる。
【0027】さらに、粗動モードから微動モードに切換
えられた瞬間には駆動軸が停止するので、スライダに大
きな慣性力が作用し、スライダが駆動軸上を滑るという
不都合がある。
【0028】図7は、この場合のスライダの挙動を説明
する図である。まず、最初は粗動モードを設定してスラ
イダ112を目標位置に近付け、スライダ112が目標
位置に近付いたときは微動モードに切換える。微動モー
ドに切換えられると、この瞬間に電気機械変換素子の伸
縮動作が停止して大きな制動力が駆動軸111に加わ
る。大きな制動力が発生すると、駆動軸111に摩擦結
合しているスライダ112は慣性力により駆動軸上を滑
り、目標位置を越えてしまうオーバーシュートが発生す
る。このため、スライダ112を目標位置に設定するた
めに反対方向に移動させる必要が生じ、目標位置への設
定に長時間を要し、高速での位置決めができなくなる。
図7において、Sは滑りの発生点を示す。
【0029】このほか、駆動装置が作動していないとき
に外部から衝撃が加わると、スライダ112が駆動軸1
11上を滑り、作動開始時の原点がずれるという不都合
があり、例えば、走査型電子顕微鏡の探針位置決めシス
テムにこの駆動装置を適用した場合には、探針先端を破
壊してしまうという不都合がある。
【0030】この発明は、上記課題を解決することを目
的とするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、請求項1の発明は、第1の電気機械変換
素子と、第1の電気機械変換素子に固着結合されて第1
の電気機械変換素子とともに変位する駆動部材と、該駆
動部材に摩擦結合する移動部材とを備えた電気機械変換
素子を使用したアクチエータにおいて、前記移動部材
は、前記駆動部材と移動部材との間の摩擦結合力を調整
する第2の電気機械変換素子を備えることを特徴とす
る。
【0032】そして、前記移動部材は、駆動部材に接触
する第1及び第2の摩擦部材と、第2の摩擦部材を駆動
部材に押圧する押圧部材と、押圧部材の押圧力を調整す
る第2の電気機械変換素子から構成される。
【0033】また、前記移動部材を構成する第1及び第
2の摩擦部材は、前記駆動部材を外側から挟むように配
置され、第1の摩擦部材に取り付けられた前記押圧部材
が第2の摩擦部材を駆動部材に押圧して第1及び第2の
摩擦部材を駆動部材に摩擦結合するように構成すること
ができる。
【0034】さらに、前記第2の電気機械変換素子は、
前記第1の摩擦部材と押圧部材との間に配置され、第2
の電気機械変換素子に変位を発生させるとき、前記押圧
部材が駆動部材から離隔する方向に移動し、第1及び第
2の摩擦部材と駆動部材との間の摩擦結合力を減少させ
るように作用させるとよい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。実施の形態のアクチエータは、先に従来技術と
して説明した図3、図4に示す構成と同様であり、スラ
イダの構成が異なるのみであるから、以下、スライダの
構成を説明する。なお、以下の説明では、電気機械変換
素子として圧電素子を使用するものとして説明する。
【0036】図1は、アクチエータのスライダ部分の構
成を拡大して示した断面図である。図1において、アク
チエータ10は、固定部材11、第1の圧電素子21、
駆動部材を構成する駆動軸22、移動部材を構成するス
ライダ24、第2の圧電素子26a、26b、その他の
部材から構成される。また、図示されていないがスライ
ダ24には移動体、例えばレンズ鏡筒等が固定されるこ
とは、従来技術で説明したものと同じである。
【0037】第1の圧電素子21の一方の端は固定部材
11上の取付部12の壁面に接着により固定され、第1
の圧電素子12の他方の端は駆動軸22に接着固定され
る。駆動軸22は固定部材11に設けられた軸受11a
及び11bにより軸方向に移動可能に支持されており、
第1の圧電素子21に厚み方向の変位が発生すると、圧
電素子に接着固定された駆動軸22は、軸方向(矢印a
方向及び反対方向)に往復移動することができる。
【0038】スライダ24は、その本体部分に形成され
た穴24aに駆動軸22が貫通し、駆動軸22が貫通し
ている上部には開口部24bが形成され、駆動軸22の
上半分が露出している。また、この開口部24bには駆
動軸22の上半分に当接するパツド25が嵌挿され、パ
ツド25には、その上部に突起25a、下面には駆動軸
22の上半分に当接する溝が設けられている。スライダ
24とパツド25とで第1及び第2の摩擦部材を構成す
る。以上の構成は、図3及び図4に示す構成と同様であ
る。
【0039】スライダ24の本体部分24d及び24e
の上には、それぞれ第2の圧電素子26a、26bが接
着固定されており、その上に板ばね28が配置され、板
ばね28の中央部分は、パツド25の突起25aに当接
している。
【0040】さらに、押圧部材を構成する板ばね28
は、第2の圧電素子26a、26bを貫通するねじ27
a、27bにより、スライダ24の本体部分24d及び
24eに固定されるが、ねじ27a、27bの頭部と板
ばね28との間にコイルスプリング29a、29bが介
装されている。
【0041】この構成により、第2の圧電素子26a、
26bに電圧が印加されていない状態では、板ばね28
はコイルスプリング29a、29bにより下方向に強い
力で押圧されており、板ばね28はパツド25に下向き
の付勢力Fを与えるから、スライダ24及びパツド25
と駆動軸22とは強い力で摩擦結合する。
【0042】次に、第2の圧電素子26a、26bに電
圧が印加されて、厚みが増大する方向に変位が発生する
と、板ばね28は、コイルスプリング29a、29bの
付勢力に抗して図1で上方向に移動し、板ばね28がパ
ツド25に付与する下向きの付勢力Fを減少させるか
ら、スライダ24及びパツド25と駆動軸22との摩擦
結合力は、第2の圧電素子26a、26bに電圧が印加
されていない場合よりも減少する。
【0043】なお、図1に示す構成はアクチエータのス
ライダ部分の構成の一例であり、第2の圧電素子により
板ばねの付勢力Fを調整できる構成であれば、各種の変
形が考えられる。即ち、図1に示す構成では、第2の圧
電素子に電圧を印加したとき発生する変位により板ばね
の付勢力Fを減少させるようにしているが、これと反対
に、第2の圧電素子に電圧を印加したとき発生する変位
により板ばねの付勢力Fを増大するようにすることもで
きる。このような構成は、当業者であれば必要に応じて
容易に設計することができよう。
【0044】図2は粗動モードと微動モードとを切り換
えることができるアクチエータ駆動回路のブロツク図で
ある。図2において、アクチエータ10の構成部材は、
図1に示した構成と同一部材には同一符号を付してあ
る。即ち、11は固定部材、21は第1の圧電素子、2
2は駆動軸、24はスライダ、26a、26bは第2の
圧電素子を示す。スライダ24には基準位置(例えば固
定部材の端部など)に対する現在位置を検出するため、
公知の位置センサ37が設けられている。位置センサと
しては一定間隔で着磁された磁気ロツドと磁気抵抗素子
からなる公知のMRセンサなどを利用することができ
る。
【0045】駆動回路は、CPU30、CPU30の入
力ポートに接続された信号処理回路31、出力ポートに
接続された粗動駆動回路32、微動駆動回路33、粗動
モードと微動モードを切り換える切換スイツチ34、第
1の圧電素子21に供給する駆動電圧を増幅する電圧増
幅回路35、第2の圧電素子26a、26bに駆動電圧
を供給する電圧増幅回路36から構成される。
【0046】切換スイツチ34はCPU30から出力さ
れる切換信号により切り換えられる。位置センサ37で
検出されたスライダ24の位置信号は、信号処理回路3
1で処理されてCPU30に入力され、また、電圧増幅
回路35から出力される駆動信号は第1の圧電素子21
に印加されるように構成されている。このほか、図示を
省略してあるが、CPU30の入力ポートには、スライ
ダ24、即ち移動体の目標位置を示す信号が図示しない
キーボードその他の入力装置から入力されるように構成
されている。
【0047】次に、その動作を説明する。スライダ24
の目標位置信号がCPU30に入力されると、CPU3
0では目標位置信号と、位置センサ37で検出され、信
号処理回路31で処理されたスライダ24の現在位置信
号とに基づいて、スライダ24を移動させる距離、即ち
移動距離が演算される。
【0048】CPU30は、演算された移動距離に基づ
いて高速移動が必要と判断したときは、切換スイツチ3
4を粗動モードに切換えると共に、粗動駆動回路32を
作動させて鋸歯状波駆動パルスを発生させ、電圧増幅回
路35を経て第1の圧電素子21に印加する。
【0049】これと同時に、CPU30は電圧増幅回路
36を作動させ、第2の圧電素子26a、26bに駆動
電圧を供給して所定の変位を発生させる。これにより、
第2の圧電素子26a、26bに厚み方向の変位が発生
して板ばね28を押し上げ、板ばね28による下向きの
付勢力Fを減少させるので、スライダ24及びパツド2
5と駆動軸22との摩擦結合力は小さくなる。
【0050】第1の圧電素子21に鋸歯状波駆動パルス
が印加されると厚み方向の伸縮変位が生じ、第1の圧電
素子21に固定結合された駆動軸22に速度の異なる往
復振動が発生する。駆動軸22に比較的小さい摩擦結合
力で摩擦結合したスライダ24は、駆動軸22の低速移
動では駆動軸22に摩擦結合して共に移動し、駆動軸2
2の高速移動では慣性力により駆動軸22の上を滑り、
速度の異なる往復振動を繰り返しながら連続的に所定方
向に移動する。
【0051】スライダ24の位置は位置センサ37で連
続的に検出されている。スライダ24が目標位置に接近
してその位置信号がCPU30に入力され、所定距離以
内に接近したことが検出されると、CPU30は、切換
スイツチ34を微動モード側に切換えると共に、微動駆
動回路33を作動させてスライダ24の目標位置と現在
位置の差に対応する所定の電圧の駆動信号を発生させ、
電圧増幅回路35を経て第1の圧電素子21に印加す
る。第1の圧電素子21には駆動信号の電圧に応じた厚
み方向の変位が生じ、スライダ24を目標位置に移動さ
せる。
【0052】このとき、CPU30は電圧増幅回路36
の作動を停止させ、第2の圧電素子26a、26bへの
駆動電圧の印加を停止するので、第2の圧電素子26
a、26bに発生していた厚み方向の変位は消滅して電
圧印加前の位置に戻るから、板ばね28による下向きの
付勢力Fは減少前の値に戻り、減少前の付勢力Fがパツ
ド25に加わる。
【0053】これにより、スライダ24及びパツド25
と駆動軸22との摩擦結合面には十分に大きな摩擦結合
力が発生し、駆動軸22とスライダ24との間に滑りの
生じることがないので、駆動軸22に伝達された第1の
圧電素子21の厚み方向の変位は、スライダ24に正確
に伝達され、スライダ24及びスライダ24に結合され
たレンズ鏡筒などの移動体を正確に目標位置に移動させ
ることができる。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、この発明
の電気機械変換素子を使用したアクチエータは、移動部
材と駆動部材との間の摩擦結合力を調整する第2の電気
機械変換素子を備えているから、粗動モードにおける移
動部材と駆動部材との摩擦結合力と、微動モードにおけ
る移動部材と駆動部材との摩擦結合力とを変更し、それ
ぞれのモードに適した摩擦結合力を発生させることがで
きる。これにより、粗動モードから微動モードに切換え
ても移動部材が駆動部材上を滑ることがないようにでき
るから、迅速に移動部材を目標位置に設定することがで
きる。
【0055】また、アクチエータの停止中に衝撃が加わ
つたような場合でも、移動部材は駆動部材に十分に大き
な力で摩擦結合しているから移動体が衝撃で動くことが
なく、アクチエータを適用した測定機器などの装置を破
壊するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のアクチエータの構成を
示す断面図。
【図2】図1に示すアクチエータの駆動回路のブロツク
図。
【図3】従来のアクチエータを分解した状態を示す斜視
図。
【図4】図3に示す従来のアクチエータの組み立てた状
態を示す斜視図。
【図5】アクチエータの圧電素子に印加する駆動パルス
の波形を説明する図。
【図6】図3に示すアクチエータの駆動回路のブロツク
図。
【図7】図3に示すアクチエータのスライダの挙動を説
明する図。
【符号の説明】
10 アクチエータ 11 固定部材 21 第1の圧電素子(第1の電気機械変換素子) 22 駆動軸(駆動部材) 24 スライダ(移動部材) 25 パツド 26a、26b 第2の圧電素子(第2の電気機械変換
素子) 27a、27b ねじ 28 板ばね 29a、29b コイルスプリング 30 CPU 31 信号処理回路 32 粗動駆動回路 33 微動駆動回路 34 切換スイツチ 35 電圧増幅回路 36 電圧増幅回路 37 位置センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電気機械変換素子と、第1の電気
    機械変換素子に固着結合されて第1の電気機械変換素子
    とともに変位する駆動部材と、該駆動部材に摩擦結合す
    る移動部材とを備えた電気機械変換素子を使用したアク
    チエータにおいて、 前記移動部材は、前記駆動部材と移動部材との間の摩擦
    結合力を調整する第2の電気機械変換素子を備えること
    を特徴とする電気機械変換素子を使用したアクチエー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記移動部材は、駆動部材に接触する第
    1及び第2の摩擦部材と、第2の摩擦部材を駆動部材に
    押圧する押圧部材と、押圧部材の押圧力を調整する第2
    の電気機械変換素子から構成されることを特徴とする請
    求項1記載の電気機械変換素子を使用したアクチエー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記移動部材を構成する第1及び第2の
    摩擦部材は、前記駆動部材を外側から挟むように配置さ
    れ、第1の摩擦部材に取り付けられた前記押圧部材が第
    2の摩擦部材を駆動部材に押圧して第1及び第2の摩擦
    部材を駆動部材に摩擦結合することを特徴とする請求項
    2記載の電気機械変換素子を使用したアクチエータ。
  4. 【請求項4】 前記第2の電気機械変換素子は、前記第
    1の摩擦部材と押圧部材との間に配置され、第2の電気
    機械変換素子に変位を発生させるとき、前記押圧部材が
    駆動部材から離隔する方向に移動し、第1及び第2の摩
    擦部材と駆動部材との間の摩擦結合力を減少させるよう
    に作用することを特徴とする請求項2記載の電気機械変
    換素子を使用したアクチエータ。
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