JP5142974B2 - 超音波振動子による切換機構 - Google Patents
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Description
超音波モータは、電磁型モータに比べて、(a)ギヤ無しで高いトルクが得られる、(b)電源OFF時に保持力がある、(c)高分解能である、(d)静粛性に富んでいる、(e)電磁気を発生しない、等という利点を有しており、顕微鏡等の光学機器における切換機構や移動機構の電動駆動源としても使用されている。
特許文献1には、超音波モータと位置検出センサを備え、構造を簡単化して製造コストを低減し、耐久性の向上を図った顕微鏡用の対物レンズ交換装置が提案されている。
上述のように、従来の超音波モータを使用した切換機構や移動機構では、光電式や磁気式等の電磁気的な位置検出センサや変位検出センサが併用されている。このようなセンサを設ける必要がある理由は、超音波モータが単独で自らの位置を認識することができないからである。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る、超音波振動子による切換機構は、例えば顕微鏡等の光学機器に使用されるものである。
図1及び図2に示したように、本実施形態に係る切換機構は、固定部1と、固定部1に対して一軸方向に移動可能な移動部2とを有する。移動部2には、レンズ、プリズム、又はフィルタ等の光学素子3a、3bが、接着や図示しない押さえリング等によって固定されている。
起され、その屈曲振動と縦振動との合成により楕円振動が生じる。これに伴って駆動子7a、7bが楕円運動を開始し、駆動子7a、7bと摺動部材9との間に発生する摩擦力によって移動部2が移動を開始する。そして移動部2が移動していくと、移動部2の当接面2c又は2dが当接部1c又は1dに当接し、これにより移動部2の移動負荷が変化する。この変化は、上述の電気的特性の変化として検出回路29により検出することができる。
図3は、その動作の一例を示すフローチャートである。
なお、本フローでは、一例として、図1及び図2に示したように固定部1に設けられた開口部1bの光軸Zに位置決めされている光学素子3aを光学素子3bに切り換えるときの動作を説明する。
さらに、外部への電磁気ノイズの発生が無いので、顕微鏡等の光学機器を用いた電気生理学実験や長時間蛍光観察等に使用された場合に、その実験や観察等に影響を及ぼすこともない。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る、超音波振動子による切換機構も、例えば顕微鏡等の光学機器に使用されるものである。
なお、本実施形態に係る切換機構の説明においては、第1の実施形態に係る切換機構と同一の構成要素については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6は、その動作の一例を示すフローチャートである。
なお、本フローでは、一例として、図4及び図5に示したように固定部1に設けられた開口部1bの光軸Zに位置決めされている光学素子3aを光学素子3bに切り換えるときの動作を説明する。
さらに、外部への電磁気ノイズの発生が無いので、顕微鏡等の光学機器を用いた電気生理学実験や長時間蛍光観察等に使用された場合に、その実験や観察等に影響を及ぼすこともない。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る、超音波振動子による切換機構も、例えば顕微鏡等の光学機器に使用されるものである。
図7乃至9に示したように、本実施形態に係る切換機構は、固定部1に対する移動部2の位置決め機構として、摺動部材9の摺動面の3ヶ所に位置決め部19a、19b、19cが設けられている。位置決め部19a、19b、19cの各々は、移動方向に沿って平行に形成された3つの溝形状部を有し、移動方向長さが駆動子7aから7bまでの長さ(但し駆動子7a、7bの長さも含む)と同じである。なお、位置決め部19a、19b、19cは、固定部1に対する移動部2の移動負荷を変動させる負荷変動手段の一例である。
図10は、その動作の一例を示すフローチャートである。
なお、本フローでは、一例として、図7に示したように固定部1に設けられた開口部1bの光軸Zに位置決めされている光学素子3aを光学素子3bに切り換えるときの動作を説明する。
さらに、外部への電磁気ノイズの発生が無いので、顕微鏡等の光学機器を用いた電気生理学実験や長時間蛍光観察等に使用された場合に、その実験や観察等に影響を及ぼすこともない。
なお、本実施形態に係る切換機構において、摺動部材9の摺動面に設けられている位置
決め部19a、19b、19cの形状は溝形状に限らず、例えば凹凸形状など、駆動子7a、7bとの間で摺動抵抗を変化させる形状であれば、いずれの形状であってもよい。
同図に示したように、本変形例に係る切換機構は、回転機構により光学素子を切り換えるものであって、固定部20と、図示しないベアリングの回転軸21と、移動部でもある回転部23とを有する。回転軸21は、固定部20と回転部23との間に配置され、回転部23は、固定部20に対して回動可能に構成されている。回転部23には3つの光学素子24a、24b、24cが配置されている。なお、光学素子24a、24b、24cは、レンズ、プリズム、又はフィルタ等の光学素子である。
このような構成の切換機構によれば、回転機構を採用した場合であっても、第2の実施形態に係る切換機構と同様に位置決めすることができる。また、同様に、電磁気的なセンサを使用していないので、外部への電磁気ノイズの発生が無いことは勿論のこと、簡単な構成により切換機構を実現することができる。さらに、超音波モータは、ユニット化されているので、直動機構や回転機構などの移動機構の構成に左右されず、様々なタイプの移動機構に対して容易に適用することができる。
1a ガイド溝
1b 開口部
1c、1d 当接部
2 移動部
2a、2b ガイド溝
2c、2d 当接面
3a、3b、3c 光学素子
4 ガイド部
4a ガイド溝
5a、5b ボール部
6 振動体
7a、7b 駆動子
8 保持部材
8a 薄板バネ部
8b 厚肉部
9 摺動部材
10a、10b ネジ
11a、11b 長穴
12 信号線
13a、13b、13c クリック溝
15 板バネ
16 軸
17 ベアリング
18 クリック機構
19a、19b、19c 位置決め部
20 固定部
21 回転軸
23 回転部
24a、24b、24c 光学素子
25a、25b、25c クリック溝
26 摺動体
27 制御回路
28 駆動回路
29 検出回路
30、31、32、33、34 信号線
Claims (5)
- 固定部と、
前記固定部に対して少なくとも1ヶ所以上に位置決めされる移動部と、
縦振動と屈曲振動との合成による楕円振動により前記移動部を前記固定部に対して移動させる超音波振動子と、
前記超音波振動子に駆動信号を与える駆動手段と、
前記固定部に対する前記移動部の移動負荷を変動させる負荷変動手段と、
前記負荷変動手段による負荷変動を検出する負荷変動検出手段と、
前記負荷変動検出手段の検出信号に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記負荷変動検出手段が所定の負荷変動を検出したときに、前記超音波振動子の縦振動を減少させた後に前記超音波振動子の縦振動と屈曲振動の両方を停止させるように前記制御手段が前記駆動手段を制御することにより、前記移動部が位置決めされる、
ことを特徴とする超音波振動子による切換機構。 - 前記負荷変動手段は、前記固定部に設けられた、前記移動部が当て付けられる当接部であり、
前記負荷変動検出手段が所定の負荷変動を検出したときに、前記超音波振動子の縦振動を所定時間減少させた後に前記超音波振動子の縦振動と屈曲振動の両方を停止させるように前記制御手段が前記駆動手段を制御することにより、前記移動部が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波振動子による切換機構。 - 前記負荷変動手段は、機械的なクリック機構であり、
前記負荷変動検出手段が所定の負荷変動を検出したときに、前記超音波振動子の縦振動を所定時間停止させた後に前記超音波振動子の屈曲振動を停止させるように前記制御手段が前記駆動手段を制御することにより、前記移動部が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波振動子による切換機構。 - 前記負荷変動手段は、前記超音波振動子の駆動子と摺動する前記移動部の摺動面に設けられた溝形状部又は凹凸形状部であり、
前記負荷変動検出手段が所定の第1の負荷変動を検出したときに前記超音波振動子の縦振動を減少させた後に前記負荷変動手段が所定の第2の負荷変動を検出したときに前記超音波振動子の縦振動と屈曲振動の両方を停止させるように前記制御手段が前記駆動手段を制御することにより、前記移動部が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波振動子による切換機構。 - 前記負荷変動検出手段は、前記超音波振動子の振動振幅、共振周波数、位相、又はインピーダンスを検出することにより、前記負荷変動手段による負荷変動を検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波振動子による切換機構。
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