JP4689869B2 - 高精度移動機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI、その他の半導体ウエハ等の表面形状を精密に測定するための微細形状測定装置、その他の装置に用いられる高精度移動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、LSI、その他の半導体ウエハ等の表面形状測定において、被検体と、この被検体表面に接触する触針との間に作用する測定力を所定値以下に保ち、かつ高速に測定を行うことは命題となっている。測定力を所定値に保つことは、被検体を損傷しないためであり、高速に測定を行うことは、測定のスループットの向上に他ならない。
【0003】
高速に測定を行うことを目的としたことについては、特願2000-070216や特願2000-360074に開示される測定装置がある。
このうち、特願2000-360074の従来例について、図5を参照して説明する。
図5には、従来例の高速移動機構を用いた微細形状測定装置120が示されている。この装置120は、被検体Wの形状を測定するために微動機構111として上方アクチュエータ111A、下方アクチュエータ111Bを備えている。
【0004】
可動部151はガイド154によって固定部153に支持されている。上方アクチュエータ111Aには、下方アクチュエータ111Bの動きに応じてその動きを相殺するようにアクチュエータ111Aに作用する信号処理回路156、制御回路157、振幅・位相調整回路172が取り付けられている。この部分を可動部151が支持している。また、図に示すように微動機構支持部152の上部にセンサ130と等価な質量の質量バランサ159が設けられている。
【0005】
動作において、微動機構111としての下方アクチューエタ111Bの動作により発生する反作用力を上方アクチュエータ111Aが同じ動作を行うことで、微動機構111と粗動機構310との力学的な相互干渉を相殺する。さらに、上部のアクチュエータ111Aの駆動振幅、位相を下方アクチュエータ111Bに応じて振幅・位相調整回路172により調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5で示される従来例では、微動機構111として、上方アクチュエータ111Aと下方アクチュエータ111Bとの複数が必要であり、これらのアクチュエータ111A,111Bにそれぞれ駆動用アンプが必要となる。
その上、各微動機構の固体差を軽減するために調整回路も必要となる。
そのため、従来例では、複数の駆動用アンプや調整回路が必要とされるため、高精度移動機構の構造が複雑となり、製造コストが高いものとなるという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、構造が簡易で製造コストを低くできる高精度移動機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明は、一部に薄肉部を有する微動機構支持部の中央部で微動機構を支持することにより、微動機構の伸縮の作用力を相殺することによって前記目的を達成しようとするものである。
【0009】
具体的には、本発明の高精度移動機構は、被検体の表面形状を追従する形状追跡センサと、この形状追跡センサの検出信号を処理する信号処理回路及び前記形状追跡センサの駆動を制御する制御回路により前記被検体の表面形状に応じて前記形状追跡センサを前記被検体の表面高さ方向へ高速微細に微小変位させる微動機構と、この微動機構を変位させる可動部及びこの可動部を支持する固定部を有する粗動機構と、前記可動部前記微動機構支持する微動機構支持部とを備え、前記制御回路は前記微小変位がその基準値より所定値を超えたとき前記微小変位を前記指定値以内に収めるように前記粗動機構を駆動し、前記形状追跡センサの前記固定部に対する前記相対移動が前記粗動機構と前記微動機構の和になるように構成された高精度移動機構であって、前記微動機構支持部は、前記微動機構の伸縮方向の両端にそれぞれ当接する第1リンク部及び第2リンク部と、これらの第1リンク部及び第2リンク部の端部同士を接続する第3リンク部及び第4リンク部とを有し、前記微動機構の変位発生方向に伸縮可能とされるとともに前記微動機構の変位発生方向の両端を予圧する伸縮部材を備え、かつ、前記微小変位発生により生じる前記両端への作用力が前記可動部の支持部へ伝達されないで相殺されるように前記第3リンク部と前記第4リンク部との中心部がそれぞれ前記可動部の支持部に支持固定され、前記第1リンク部には前記形状追跡センサが取り付けられることを特徴とする。
【0010】
この構成の本発明によれば、微動機構支持部が微動機構の変位発生方向に伸縮可能とされる伸縮部材を備え、この伸縮部材が微動機構の変位発生方向の両端を予圧する構成であって、前記微小変位発生により生じる前記両端への作用力が前記微動機構支持部へ伝達されないように相殺される位置で行われているため、微動機構が変位して、その両端面が伸縮部材に対して作用力を発生すると、微動機構が変位するための力と予圧する力とが相殺されることになる。
従って、本発明では、移動精度を高くするために、従来用いられていた複数の駆動用アンプや調整回路等を用いる必要がないので、装置の構造を簡易なものにして製造コストを低く抑えることができる。
【0011】
ここで本発明では、前記形状追跡センサが取り付けられた前記第1リンク部には前記第2リンク部が対向配置され、この第2リンク部に前記形状追跡センサと概ね等価な質量の質量バランサが設けられている構成が好ましい。
この構成では、質量バランサを設けることで、微動機構は力学的な干渉をほとんどなくすことができ、移動精度を向上させることができる。
【0012】
さらに、前記微動機構は、圧電素子、磁歪素子、形状記憶素子のいずれかを含んで構成されている。
この構成では、圧電素子として、例えば、電歪効果があるPZT(ジルコンチタン酸鉛)の薄板を積層すれば、電気的に制御できる微動機構を容易に構成できる
【0013】
また、前記可動部は前記固定部にガイドにより案内され、このガイドは、弾性ばね、磁気ベアリングまたはエアベアリングにより構成されることが好ましい。
この構成では、ガイドには、潤滑油を必要としないで磁気ベアリング、エアベアリングあるいは弾性板ばねを用いているから、清浄な粗動機構を構成でき、半導体ウェハ等の表面形状計測に有効である。
【0014】
さらに、前記形状追跡センサは、前記被検体と接触することにより状態量が変化したことを検知する接触型センサや近接場効果を用いた光学式センサを含む非接触型センサである構成が好ましい。
接触型センサを用いた場合では、被検体の外形形状を、センサの機械的な変位に伴って検知することができるため、センサの構造を簡易なものにできる。
非接触型センサを用いた場合では、被検体に接触することなく、被検体の形状に高速で追従することができ、測定時間を大幅に短縮できる。
【0015】
さらに、前記可動部の支持部と前記第3リンク部と前記第4リンク部の中心部とを一致させる支持位置調整機構を備えることが好ましい。
この構成では、微動機構の支持位置を常に固定するのではなく、可動部の支持位置を調整できるようにし、振動が最も大きく相殺される位置で可動部を支持するようにして、さらに測定精度を高めることができる。
【0016】
また、前記微動機構は2つのアクチュエータと、一方のアクチュエータの駆動振幅、位相を他方のアクチュエータの動きを相殺するように当該他方のアクチュエータに作用する振幅・位相調整回路とを備え構成が好ましい。
この構成では、微動機構に二つのアクチュエータを配置し、一方のアクチュエータの駆動振幅、位相を振幅・位相調整回路により調整することができるので、外乱を最大限相殺することができ、さらに移動精度を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。ここで、各実施形態中、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略若しくは簡略にする。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態にかかる高精度移動機構1が適用された微細形状測定装置の一部が示されている。
図1において、高精度移動機構1は、被検体Wの表面形状を追従する形状追跡センサ10と、この形状追跡センサ10を被検体Wの表面高さ方向へ高速微細に微小変位させる微動機構20と、この微動機構20を変位させる可動部31及びこの可動部31を支持する固定部32を有する粗動機構30と、可動部31を微動機構20に支持する微動機構支持部40とを備えて構成されている。
【0018】
形状追跡センサ10は、接触型センサ11と、この接触型センサ11の変位を検出するセンサ部11Aとから構成されている。
接触型センサ11は、微動機構20の高速動作で被検体Wの表面粗さを追従するものであり、微動機構20の変位と粗動機構30の変位との和が接触型センサ11の変位となる。この変位は、接触型センサ11の根元と図示しないプローブの筐体に対向するように配置されたセンサ部11Aにより検出される。つまり、センサ部11Aは、固定部32との間のギャップGから接触型センサ11の変位量を検出信号として外部に出力する。
この形状追跡センサ10は、接触型センサ11の変位を検出可能なあらゆるセンサを意味するものであって、例えば、静電容量型や差動トランス型のギャップセンサの他に、レーザ干渉測長であったり、接触型センサ11の近傍にスケールを装着し、このスケールの変位を読み取る方法であっても何ら差し支えない。
【0019】
接触型センサ11は、その先端に加振型触針12と、この加振型触針12を軸方向に共振状態で振動させる加振手段(図示せず)と、加振型触針12の接触部が被検体Wに接触した際に生じる共振状態の変化を検出する状態量検出手段(図示せず)とを備えている。
加振型触針12は、その軸方向に略対称的な構造とされている。
なお、第1実施形態では、形状追跡センサ10を近接場効果を用いた光学式センサ(SNOM)を用いた非接触型センサとしてもよい。
【0020】
微動機構20は形状追跡センサ10をナノメートルからマイクロメートルまでの範囲高速に移動させるものであり、粗動機構30は、形状追跡センサ10をマイクロメートルオーダからミリメートルオーダまでの範囲を中低速に移動させるものであって、これらの移動機構を組み合わせることにより、ナノメートルオーダーからミリメートルオーダまでの範囲を移動量に応じて高速に移動させものである。
微動機構20は、圧電素子や、磁歪素子等の高速微小変位素子等から構成されており、図1では、1枚の板状圧電素子がアクチュエータとして用いられている。微動機構20を構成する圧電素子は、加振型触針12の長手方向に沿って伸縮可能な構造である。高速微小変位固体素子としては、PZT等の圧電素子の他、磁歪素子や形状記憶素子を使用することができる。
【0021】
粗動機構30の可動部31は、電磁石33と、この電磁石33の磁力で進退駆動するコイル34と、このコイル34の端部に取り付けられた支持部35とを備え、電磁石33の磁界中をコイル34が進退動する可動コイル型アクチュエータである。
粗動機構30の固定部32は、可動部31、微動機構20及び微動機構支持部40を内部に収納する筒状のケーシング36を備え、このケーシング36の内周部と可動部31の支持部35との間はガイド37が設けられている。
このガイド37は、可動部31の直線運動を支持するために、可動部31を固定部32に案内するものであり、図1では、2段の弾性ばねから構成されている。第1実施形態では、弾性ばねに代えて、磁気ベアリングまたはエアベアリングを用いてもよい。
【0022】
微動機構支持部40は、リンク機構からなる伸縮部材41を備え、この伸縮部材41は、微動機構20を、その伸縮方向の端面に予圧をかけた状態で支持するものである。
伸縮部材41は、微動機構20の伸縮方向の両端にそれぞれ当接する第1リンク部41A及び第2リンク部41Bと、これらの第1リンク部41A及び第2リンク部41Bの端部同士を接続する第3リンク部41C及び第4リンク部41Dとを備え、第3リンク部41C及び第4リンク部41Dは、それぞれ中心部が可動部31の支持部35に支持固定されている。この中心部は、微動機構20の振動の節であるとともに、微動機構20の微小変位発生により生じる第1及び第2リンク部41A,41Bへの作用力が微動機構支持部40へ伝達されないように相殺される位置である。
【0023】
第3リンク部41C及び第4リンク部41Dは、それぞれ中心部を挟んだ2カ所において、薄肉部41Eが形成されている。そのため、微動機構20は、微動機構支持部40により端面に予圧がかけられた状態で支持されているので、微動機構支持部40は微動機構20の伸縮に伴い、この薄肉部41Eが弾性変形を伴う。伸縮に際し、微動機構20の両端面は微動機構支持部40に対し作用力を発生するが、これは両端面でそれぞれ逆向きに同じ大きさの力であるために、微動機構支持部40の薄肉部41Eの長手方向略中央では、これらの作用力は相殺され、この部分では弾性変形が生じない。例えば、微動機構20が周期的な運動をしていた場合、薄肉部41Eは振動の節となる。
薄肉部41Eは、伸縮部材41の外側に向けて切欠きを第3リンク部41C及び第4リンク部41Dに設けることで形成されているが、第1実施形態では、図2に示される通り、伸縮部材41の内側(微動機構20と対向する部分)に向けて切欠きを第3リンク部41C及び第4リンク部41Dに設けることで形成するものでもよい。
【0024】
図1に示されるように、微動機構支持部40の第1リンク部41Aには形状追跡センサ10が取り付けられ、この形状追跡センサ10と対向する第2リンク部41Bの箇所には、形状追跡センサ10と等価な質量の質量バランサ42が設けられている。この質量バランサ42を設けることで機械的な節の同定がより正確に行える。
接触型センサ11の状態量検出手段から出力された測定力検出信号は信号処理回路50で処理される。この信号処理回路50で出力された信号は形状追跡センサ10の駆動を制御する制御回路51に送られる。
制御回路51は、形状追跡センサ10の測定力若しくはギャップGを所定値の所定量に維持するためのものであり、被検体Wの表面形状に応じて形状追跡センサ10を被検体Wの表面高さ方向へ高速に微小変位させるようになっている。
ここで、制御回路51は、ドライバ回路52を介して微動機構20を制御し、ドライバ回路53を介して粗動機構30を接触型センサ11の微小変位がその基準値より所定値を超えたとき微小変位を指定値以内に収めるように駆動制御する。
【0025】
前述のような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)高精度移動機構1は、形状追跡センサ10を被検体Wの表面高さ方向へ高速微細に微小変位させる微動機構20と、この微動機構20を変位させる可動部31及びこの可動部31を支持する固定部32を有する粗動機構30と、可動部31を微動機構20に支持する微動機構支持部40とを備え、この微動機構支持部40は、微動機構20の変位発生方向に伸縮可能とされるとともに微動機構20の変位発生方向の両端を予圧する伸縮部材41を備え、かつ、前記微小変位発生により生じる前記両端への作用力が微動機構支持部40へ伝達されないように相殺される位置で行われる構成としたので、微動機構20が変位して、その両端面が伸縮部材41に対して作用力を発生すると、微動機構20が変位するための力と予圧する力とが相殺されることになる。
従って、移動精度を高くするために、従来用いられていた複数の駆動用アンプや調整回路等を用いる必要がないので、装置の構造を簡易なものにして製造コストを低く抑えることができる。
【0026】
(2)形状追跡センサ10と対向する箇所に形状追跡センサ10と概ね等価な質量の質量バランサ42を設けたので、微動機構20は粗動機構30の力学的な干渉をほとんどなくすことができ、移動精度を向上することができる。
(3)微動機構20を圧電素子、磁歪素子等の高速微小変位固体素子を含むように構成したので、電気的に制御できる微動機構20を容易に構成できる。高速微小変位固体素子としては、PZT等の圧電素子の他、磁歪素子や形状記憶素子を使用することができる。
【0027】
(4)粗動機構30の可動部31は固定部32にガイド37で案内され、このガイド37は、弾性ばね、磁気ベアリングまたはエアベアリングにより構成されているので、粗動機構30には、潤滑油を必要としない。特に、ガイド37に磁気ベアリング、エアベアリングあるいは弾性ばねを用いているから、清浄な粗動機構を構成でき本発明を多方面に使用することができる。
(5)形状追跡センサ10を、近接場効果を用いた光学式センサを含む非接触型センサとすれば、被検体Wに接触することなく、被検体Wの形状に高速で追従することができ、測定時間を大幅に短縮できる。これに対して、形状追跡センサ10として、接触型センサ10を用いれば、被検体の外形形状を、センサの機械的な変位に伴って検知することができるため、センサの構造を簡易なものにできる。
【0028】
(6)伸縮部材41の第3及び第4リンク部41C,41Dに凹形状の切欠きを形成して薄肉部41Eを形成したから、伸縮部材41の伸縮動作を簡単な構造で達成することができる。特に、図2で示される通り、伸縮部材41の内側面に凹形状の切欠きを形成して薄肉部41Eを形成すれば、微動機構支持部40の内部のスペースを広げることができ、微動機構支持部40の内側に配置される微動機構20の種々の形状構成に対応することができる。
【0029】
[第2実施形態]
第2実施形態を図3に基づいて説明する。
図3には、第2実施形態にかかる高精度移動機構2の要部が示されている。
第2実施形態では、微動機構支持部の支持位置を調整できるように微動機構支持部に機械的な調整箇所を設けた点が第1実施形態の構成と異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。
図3において、微動機構支持部43は、伸縮部材44と、この伸縮部材44に設けられる支持位置調整機構45とを備えて構成される。
伸縮部材44は、前記伸縮部材41の中心部近傍(微動機構20の振動の節近傍)に雄ねじ部44Aを形成したものである。
【0030】
支持位置調整機構45は、雄ねじ部44Aにそれぞれ螺合される支持位置調整ねじ46と支持位置固定用ナット47とを備える。支持位置調整ねじ46は、その外周部が粗動機構30の支持部35に固定されている。そのため、微動機構20と粗動機構30の可動部31に影響することがなくなる効果が最も大きくなる位置で、支持位置調整ねじ46の雄ねじ部44Aに対するねじ込み量を調整する。
【0031】
前述したような第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)から(6)の作用効果の他に、次の効果がある。
(7)微動機構支持部43の支持位置を調整できるように微動機構支持部43に支持位置調整機構45を設けたから、定期的、あるいは長期間による使用後の保守点検時の調整において、簡単な構成によって常に正確な測定精度を得ることができる。
【0032】
[第3実施形態]
第3実施形態を図4に基づいて説明する。
図4には、第3実施形態にかかる高精度移動機構3の全体構成が示されている。
第3実施形態では、微動機構を複数のアクチュエータから構成した点が第1実施形態の構成と異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。
図4において、第3実施形態は、微動機構21が発生する外乱を粗動機構30に伝達しないようにするため、微動機構21に2つのアクチューエータ、すなわち、上方アクチュエータ22、下方アクチュエータ23を配置する。これらのアクチュエータ22,23は第1実施形態の微動機構20と同様に、圧電素子から構成される。
【0033】
上方のアクチュエータ22には、下方アクチュエータ23の動きに応じてその動きを相殺するようにアクチュエータ23に作用する振幅・位相調整回路24がドライバ回路54を介して接続されている。
動作において、微動機構支持部40によって、微動機構21と粗動機構30との力学的な相互干渉を相殺する。さらに、上部のアクチュエータ22の駆動振幅、位相を下方アクチュエータ23に応じて振幅・位相調整回路24により調整する。
【0034】
前述した第3実施形態によれば、第1実施形態の(1)から(6)で示す作用効果の他に次の作用効果がある。
(8)微動機構21に上方アクチュエータ22と下方アクチュエータ23とを備えて構成したから、微動機構21と粗動機構30との力学的な相互干渉をより効率的に相殺することができる。
(9)上方アクチュエータ22の駆動振幅、位相を下方アクチュエータ23に応じて振幅・位相調整回路24により調整する構成としたので、極限まで外乱を相殺することができる。
【0035】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
たとえば、第1実施形態では、軸方向に振動するタイプの触針12が用いられているが、本発明に係る触針は、これに限定されるものではない。例えば、十字形の触針を用いてもよい。
【0036】
さらに、伸縮部材41に薄肉部41Eを形成したが、微動機構20の伸縮をスムーズに行わせる目的を達成すれば他の形状でもよく、例えば、側面全体が薄肉で形成された、円管状のものであったり、ベローズのようなものであってもよい。
また、第2実施形態において、微動機構20の支持位置を調整したが、支持位置の調整でなく、微動機構20の節の位置を調整する構成であってもよい。
さらに、前記各実施形態では、ガイド37を、弾性ばね、磁気ベアリングまたはエアベアリングにより構成したが、本発明では、ガイドを摩擦型の直動機構としてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、微動機構支持部が微動機構の変位発生方向に伸縮可能とされる伸縮部材を備え、この伸縮部材が微動機構の変位発生方向の両端を予圧する構成であり、前記微小変位発生により生じる前記両端への作用力が前記微動機構支持部へ伝達されないように相殺される位置で行われているため、微動機構が変位して、その両端面が伸縮部材に対して作用力を発生すると、微動機構が変位するための力と予圧する力とが相殺されることになる。
従って、本発明では、移動精度を高くするために、従来用いられていた複数の駆動用アンプや調整回路等を用いる必要がないので、装置の構造を簡易なものにして製造コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる高精度移動機構が適用された微細形状測定装置の一部が示される概略構成図である。
【図2】第1実施形態の変形例の要部を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部を示す図2に相当する図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる高精度移動機構が適用された微細形状測定装置の一部が示される概略構成図である。
【図5】従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,2,3 高精度移動機構
10 形状追跡センサ
20,21 微動機構
30 粗動機構
31 可動部
32 固定部
37 ガイド
40,43 微動機構支持部
41,44 伸縮部材
42 質量バランサ
50 信号処理回路
51 制御回路
W 被検体

Claims (7)

  1. 被検体の表面形状を追従する形状追跡センサと、この形状追跡センサの検出信号を処理する信号処理回路及び前記形状追跡センサの駆動を制御する制御回路により前記被検体の表面形状に応じて前記形状追跡センサを前記被検体の表面高さ方向へ高速微細に微小変位させる微動機構と、この微動機構を変位させる可動部及びこの可動部を支持する固定部を有する粗動機構と、前記可動部前記微動機構支持する微動機構支持部とを備え、前記制御回路は前記微小変位がその基準値より所定値を超えたとき前記微小変位を前記指定値以内に収めるように前記粗動機構を駆動し、前記形状追跡センサの前記固定部に対する前記相対移動が前記粗動機構と前記微動機構の和になるように構成された高精度移動機構であって、
    前記微動機構支持部は、前記微動機構の伸縮方向の両端にそれぞれ当接する第1リンク部及び第2リンク部と、これらの第1リンク部及び第2リンク部の端部同士を接続する第3リンク部及び第4リンク部とを有し、前記微動機構の変位発生方向に伸縮可能とされるとともに前記微動機構の変位発生方向の両端を予圧する伸縮部材を備え、かつ、前記微小変位発生により生じる前記両端への作用力が前記可動部の支持部へ伝達されないで相殺されるように前記第3リンク部と前記第4リンク部との中心部がそれぞれ前記可動部の支持部に支持固定され、前記第1リンク部には前記形状追跡センサが取り付けられることを特徴とする高精度移動機構。
  2. 請求項1に記載の高精度移動機構において、
    前記形状追跡センサが取り付けられた前記第1リンク部には前記第2リンク部が対向配置され、この第2リンク部に前記形状追跡センサと概ね等価な質量の質量バランサが設けられていることを特徴とする高精度移動機構。
  3. 請求項1または2に記載の高精度移動機構において、
    前記微動機構は、圧電素子、磁歪素子、形状記憶素子のいずれかを含んで構成されている高精度移動機構。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の高精度移動機構において、
    前記可動部は前記固定部にガイドにより案内され、このガイドは、弾性ばね、磁気ベアリングまたはエアベアリングにより構成されていることを特徴とする高精度移動機構。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の高精度移動機構において、
    前記形状追跡センサは、前記被検体と接触することにより状態量が変化したことを検知する接触型センサや近接場効果を用いた光学式センサを含む非接触型センサであることを特徴とする高精度移動機構。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の高精度移動機構において、
    前記可動部の支持部と前記第3リンク部と前記第4リンク部の中心部とを一致させる支持位置調整機構を備えることを特徴とする高精度移動機構。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の高精度移動機構において、
    前記微動機構は2つのアクチュエータと、一方のアクチュエータの駆動振幅、位相を他方のアクチュエータの動きを相殺するように当該他方のアクチュエータに作用する振幅・位相調整回路とを備えことを特徴とする高精度移動機構。
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