JPH11118672A - 流体静圧軸受けの特性測定装置及び位置決め装置の動特性を求める方法 - Google Patents

流体静圧軸受けの特性測定装置及び位置決め装置の動特性を求める方法

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JPH11118672A
JPH11118672A JP9304928A JP30492897A JPH11118672A JP H11118672 A JPH11118672 A JP H11118672A JP 9304928 A JP9304928 A JP 9304928A JP 30492897 A JP30492897 A JP 30492897A JP H11118672 A JPH11118672 A JP H11118672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体静圧軸受けの静特性に加え、その周波数
応答、振動減衰特性を含んだ伝達関数特性などの動特性
をも正確に測定する。 【解決手段】 アクチュエータ22に第1の駆動信号を
徐々に変化させながら与えると、アクチュエータ22に
より重り16がそれに応じて上下に駆動され、軸受け1
2の軸受け面70aとガイド面54との間のすきま寸法
が、徐々に変化する。このときの重り16に作用する
力、変位をセンサ20、24で計測し、これに基づいて
演算装置により軸受け12の静特性を演算する。また、
上記すきま寸法を所望の値に設定した状態で、アクチュ
エータ22に第2の駆動信号を与えると、重り16を介
してすきま内の空気層に微小振動が与えられる。振動数
を変化させながら、振動中の力変化、変位変化をセンサ
20、24で計測し、演算装置により力変化、変位変化
に基づいて周波数応答、伝達関数特性を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体静圧軸受けの
特性測定装置及び位置決め装置の動特性を求める方法に
係り、さらに詳しくは、流体静圧軸受けの静特性に加え
動特性を測定する特性測定装置、及びこの特性測定装置
を用いた測定結果を利用して流体静圧軸受けを備えた位
置決め装置の動特性(周波数応答及び伝達関数等)を求
める方法に関する。本発明に係る位置決め装置の動特性
を求める方法は、該位置決め装置の設計の際に用いて好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】流体静圧軸受け、例えば気体静圧軸受け
としては、加圧気体として加圧空気を使用する空気静圧
軸受け(以下、適宜「エアーパッド」という)が最も一
般的に用いられている。このエアーパッドは、加圧空気
を軸受け部からガイド面に対して噴出し、軸受け面とガ
イド面との間に所定厚さの空気層を生じさせて、その空
気層の静圧により、エアーパッドが取り付けられた駆動
体をガイド面に対して非接触で支持するものである。こ
のため、エアーパッドを用いた装置では、摩擦の無い分
だけ小さな駆動力で円滑かつ素早く駆動体を動かすこと
ができ、耐摩耗性が良好なことに加え、駆動体の駆動時
(移動時)の微振動が少ないなど優れた特徴を持ってい
る。かかる理由により、従来より、精密な位置決めが要
求される精密機械、例えばステッパなどのステージや、
3次元測定機などにエアーパッドを用いたエアーガイド
位置決め装置が使用されている。
【0003】エアーパッドの静特性を測定する装置とし
ては、例えば特開昭62−251634号公報に開示さ
れたものが知られている。この公報に開示された測定装
置は、固定ベースのガイド面上にエアーパッドを載せ、
そのエアーパッドを上方より押し下げ、その時の押圧力
をロードセル等の力センサで測定するとともに、エアー
パッドとガイド面とのすきま量(軸受けすきま)を非接
触変位計により測定し、負荷容量、剛性等のエアーパッ
ドの静特性を測定するものである。
【0004】一方、エアーパッドの動特性を測定する装
置としては、例えば特開平6−249239号公報の図
6に開示されるような、先端に加振力測定用のロードセ
ルを有するインパクトハンマと、移動体の変位を測定す
る非接触型の変位センサと、その出力から減衰比を算出
するFFT装置とを備えた加振機が知られている。この
加振機では、インパクトハンマによって移動体に強制的
に振動を発生させて減衰比を測定し、伝達特性を測定す
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エアーパッドは、一般
的にその振動減衰が悪く、エアーパッドの動特性である
振動減衰特性が移動体の移動時の制動性能などに影響を
与える。従って、エアーパッドの動特性を正確に測定し
て評価することが重要である。
【0006】しかしながら、上記特開平6−24923
9号公報の図6に開示されるようなインパクトハンマを
用いて加振する装置では、計測信号のS/N比が悪いた
めエアーパッドの動特性を正確に測定することはできな
かった。また、この装置では、自重を含む移動体に作用
する静的な力を測定することができないため、エアーパ
ッドの静特性を測定することは困難であった。このた
め、エアーパッドの静特性と動特性の両方を測定するこ
とによる、エアーパッドの総合的な性能評価を行うこと
も困難であった。
【0007】ところで、エアーパッドを使用した製品開
発を行う際のシミュレーションには、基礎パラメータで
あるエアーパッドの周波数応答、伝達関数特性を正確に
求めることが必要不可欠であるが、これらは理論的に推
定できる性質のものではないため、実際に測定して求め
るしかなかった。しかしながら、前記の如く、従来はエ
アーパッドの動特性を正確に測定することはできなかっ
たため、結果的にエアーパッドを使用したエアーガイド
位置決め装置の動特性を正確に求めることが困難であっ
た。
【0008】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、流体静圧軸受けの静特性に加
え、その周波数応答、振動減衰特性を含んだ伝達関数特
性などの動特性をも正確に測定することができる流体静
圧軸受けの特性測定装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、シミュレー
ションにより流体静圧軸受けを用いた位置決め装置の動
特性を正確に求めることができる方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、被測定物である流体静圧軸受け(12)が載置され
る固定ベース(14)と;前記流体静圧軸受けの所定方
向の一側に配置された所定質量を有する移動体(16)
と;前記移動体を前記所定方向に案内する案内機構(1
8)と;前記移動体に取り付けられ該移動体に作用する
前記所定方向の力を計測する第1のセンサ(20)と;
前記移動体(16)を前記所定方向に駆動するアクチュ
エータ(22)と;前記アクチュエータに、前記移動体
の前記所定方向の位置を制御するための第1の駆動信号
及び前記移動体に微振動を与えるための第2の駆動信号
を与える制御装置(80A)と;前記移動体の位置に関
連する物理量を計測する第2のセンサ(24)と;前記
第1及び第2のセンサの出力より得られる前記移動体に
作用する力と前記流体静圧軸受けと前記移動体との間の
隙間寸法との関係に基づいて前記流体静圧軸受けの静特
性を演算する第1の演算装置(80C)と;前記移動体
が微振動する際の前記第1及び第2のセンサの出力に基
づいて前記流体静圧軸受けの動特性を演算する第2の演
算装置(80C)とを有する。
【0011】これによれば、固定ベース上に流体静圧軸
受けを載置し、該流体静圧軸受けに所定供給圧の加圧流
体を送り込み、流体静圧軸受けの軸受け面と移動体との
間に所定のすきま内圧力を生じさせる。この状態で、制
御装置によりアクチュエータに第1の駆動信号が与えら
れると、その制御信号に応じてアクチュエータが駆動さ
れ、移動体が案内機構に案内されて前記制御信号に応じ
た位置に設定される。これにより、流体静圧軸受けの軸
受け面と移動体との間のすきま寸法が所望の値に設定さ
れる。このとき、第1のセンサでは移動体に作用する所
定方向の力を計測し、第2のセンサでは移動体の位置に
関連する物理量、例えば位置(又は変位)を計測する。
制御装置からアクチュエータに与える駆動信号を徐々に
変化させながら、上記の力及び変位の計測が繰り返し行
われると、第1の演算装置では第1及び第2のセンサの
出力より得られる移動体に作用する力と、流体静圧軸受
けと移動体との間の隙間寸法との関係に基づいて流体静
圧軸受けの静特性を演算する。すなわち、第1の演算装
置では、例えば力と変位量から流体静圧軸受けの負荷容
量変化を求め、また変位量変化の差分に基づいて流体軸
受けの剛性を求める。
【0012】また、流体静圧軸受けの軸受け面と移動体
との間のすきま寸法が所望の値に設定された状態で、制
御装置によりアクチュエータに第2の駆動信号が与えら
れると、移動体に微振動(微少な振幅の振動)が生ず
る。これにより、移動体と流体静圧軸受けとの間の加圧
流体の膜に微小振動が与えられる。この振動中の力変
化、変位変化が第1のセンサ、第2のセンサで計測され
る。振動数を変化させながら、第1、第2のセンサによ
る計測が行われると、第2の演算装置では第1及び第2
のセンサの出力より得られる力変化、変位変化に基づい
て周波数応答、伝達関数特性を演算する。
【0013】従って、本請求項1に記載の発明に係る特
性測定装置によれば、流体静圧軸受けの静特性に加え、
その周波数応答、振動減衰特性を含んだ伝達関数特性な
どの動特性をも正確に測定することが可能になる。な
お、第2のセンサは、移動体の位置に関連する物理量と
して、変位に代えて、速度、加速度を計測するものであ
っても良い。
【0014】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記移動体の質量をm、前記流体静圧軸受けの
剛性をKとして、前記移動体の振動数が、 0≦√(K/m)/(2π)≦1000 (0Hzはス
クイーズを測定できることを示す) となる条件を満たすことが望ましい。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、流体静圧
軸受けを用いた位置決め装置の動特性を求める方法であ
って、請求項1又は2に記載の特性測定装置を用いて流
体静圧軸受けの伝達関数を測定する工程と;前記測定し
た伝達関数をカーブフィットし、さらに線形近似を行な
い前記流体静圧軸受けの線形要素近似モデルを求める工
程と;前記求めた前記流体静圧軸受けの線形要素近似モ
デルを、前記位置決め装置のモデルに適用してシミュレ
ーションする工程とを含む。
【0016】これによれば、請求項1又は2に記載の特
性測定装置を用いて、流体静圧軸受けの伝達関数を上記
の如くして測定し、この測定した伝達関数をカーブフィ
ットし、さらに線形近似を行うことにより流体静圧軸受
けの線形要素近似モデルを求める。そして、これを前記
位置決め装置のモデルに適用してシミュレーションを行
う。これにより、シミュレーションにより流体静圧軸受
けを用いた位置決め装置の動特性を正確に求めることが
可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。図1には、一実施形態
の特性測定装置10の縦断面図が概略的に示されてい
る。但し、図1においては、慣習上断面しない軸部材等
の他、図示及び説明の便宜上一部の部材については断面
していない。
【0018】図1において、特性測定装置10は、除振
付き定盤などの基準体T上に載置されている。この特性
測定装置10は、基準体T上に載置され、被測定物であ
る空気静圧軸受け(エアーパッド)12が載置される固
定ベース14、このエアーパッド12の所定方向の一側
(図1における上方)に配置された平面視矩形の金属部
材から成る移動体としての重り16、この重り16を前
記所定方向(図1における上下方向:本実施形態では、
後述するように、この重り16の上下方向(重力方向)
の位置変化により重り16と空気静圧軸受け12との間
の軸受け隙間が加圧され、あるいは加振されるので、以
下、適宜、「加圧・加振方向」ともいう)に案内する案
内機構18、重り16に取り付けられ該重り16に作用
する加圧・加振方向の力を計測する第1のセンサとして
の圧縮・引張り兼用タイプのロードセル20、重り16
を加圧・加振方向に駆動するアクチュエータ22、重り
16の加圧・加振方向の変位(所定の基準面からの位
置)を計測する第2のセンサとしての変位センサ24等
を備えている。
【0019】ここで、重り16としては、その質量mが
例えば20kg程度の物が用いられている。
【0020】前記案内機構18は、固定ベース14上に
載置されたリング状部材から成る第1スペーサ26と、
この第1スペーサ26上に載置され、重り16をその内
部に収納可能な平面視矩形の開口が中央部に形成された
円柱状部材から成る第2スペーサ28と、この第2スペ
ーサ28と重り16との上面及び下面にねじ止めされ、
これら第2スペーサ28と重り16とを相互に連結する
一対のリング状の板ばね30A、30Bとを含んで構成
されている。
【0021】第2スペーサ28の上面には、前記第1ス
ペーサ26と同形状の第3スペーサ32が載置されてお
り、更にこの上面に円板状の上部プレート34が載置さ
れている。固定ベース14及び第1ないし第3スペーサ
26、28、32は不図示の埋め込みボルト等の連結部
材を介して相互に一体化され、さらにこれに対して上部
プレート34が複数本のボルト36によって固定されて
いる。
【0022】上部プレート34の中央部には、断面円形
の開口34aが上下方向に形成されており、この開口3
4aの内部にアクチュエータ22が挿入されている。こ
のアクチュエータ22は、上下方向(加圧・加振方向)
に積層状態で一体化され相互に直列接続された多数のピ
エゾ素子によって構成されている。
【0023】アクチュエータ22の下端には、軸部38
を介して前記ロードセル20の力検出方向の一端(上
端)が取付けられており、このロードセル20の力検出
方向の他端(下端)は重り16の上面に固定されてい
る。
【0024】前記上部プレート34の中央部上面には開
口34aを取り囲むように円筒状の第4スペーサ40が
立設されており、この第4スペーサ40の上面に中央部
に円孔42aが形成された円板状部材から成る取り付け
プレート42が固定されている。この取り付けプレート
42の円孔42aの内部に前記軸部38と同軸のスクリ
ュボルト44が挿入されており、このスクリュボルト4
4の下端はアクチュエータ22の上端に固定されてい
る。
【0025】スクリュボルト44の上端部には、軸方向
に直交してハンドル46が取り付けられている。また、
スクリュボルト44には、ナット48が螺合され、この
ナット48は、取り付けプレート42の上面に固着され
ている。
【0026】このため、本実施形態の特性測定装置10
では、ハンドル46を回転させてナット48に螺合した
スクリュウボルト44を締め込んだり、緩めたりするこ
とにより、アクチュエータ22、ロードセル20を介し
て重り16の上下方向位置を粗調整することができるよ
うになっている。
【0027】前記アクチュエータ22の下面と上部プレ
ート34の下面とはリング状の板ばね(あるいは複数枚
の板ばね)50Aによって相互に連結されている。ま
た、第4スペーサ40の高さ方向ほぼ中央部には、該第
4スペーサ40とアクチュエータ22の上面とを連結す
るリング状の板ばね(あるいは複数枚の板ばね)50B
が設けられている。これらの板ばね50A、50Bによ
って、アクチュエータ22に駆動電圧が印加された際
に、アクチュエータ22が第4スペーサ40の軸方向で
ある上下方向(加圧・加振方向)に沿って案内されるよ
うになっている。
【0028】この特性測定装置10では、図1からも明
らかなように、アクチュエータ22、ロードセル20及
び重り16の中心は同軸状に配置されており、結果的に
板ばね50A、50Bは前記案内機構18と一緒になっ
て重り16を加圧・加振方向に案内する役目をも兼ねて
いる。このため、極めて正確に重り16は加圧・加振方
向に案内されるような構造となっている。
【0029】前記変位センサ24としては、ここでは静
電容量式非接触変位センサが用いられている。この変位
センサ24は、重りの上面に固定された所定断面積の導
体から成る一方の電極(測定対象物)24aと、これに
対向して配置された他方の電極を含むセンサプローブ2
4bとの2部分で構成されている。センサプローブ24
bは、保持部材52を介して上部プレート34の下面に
取り付けられている。この保持部材52の内部に、変位
センサ24の出力のイニシャライズ等を行うための不図
示の調整機構が設けられている。この変位センサ24
は、両電極間の距離Dに静電容量が反比例することを利
用して、静電容量を測定することにより距離D、すなわ
ちセンサプローブ24bの端面を基準とする第1電極2
4aの位置変化を測定するものである。この場合、この
変位センサ24は、エアーパッド12と重り16の下面
に突設されたガイド面54とのすきまの計測に用いられ
る。ここで、図1では変位センサ24は、1つしか図示
していないが、実際には、軸部38に関して対称な位置
に2つ設けられているので、以下の説明においては、こ
れらの変位センサを変位センサ24A、24Bと呼ぶも
のとする(図2参照)。
【0030】なお、変位センサとしては、上記の静電容
量式非接触変位センサに限らず、渦電流式非接触変位セ
ンサ等他の非接触変位センサを用いても良いことは勿論
であり、更に背景光の影響を無視できる場合には半導体
位置検出器等の光学式のセンサを用いても良い。
【0031】さらに、本実施形態では、重り16を常に
上方に付勢してロードセル20に与圧を加える与圧機構
が設けられている。これを更に詳述すると、上部プレー
ト34の一部に該プレート34の肉厚の約半分の深さの
座ぐり穴34bが形成され、この座ぐり穴34bの底部
中心部には当該座ぐり穴34bより幾分小径で座ぐり穴
34b底面から上部プレート34底面に達する上下方向
の貫通孔34cが形成されている。この貫通孔34cの
内部に、その下端が重り16の上面に固定されたシャフ
ト56が挿入されており、このシャフト56の上端は上
部プレート34の上面より幾分上方に突出している。そ
して、このシャフト56の上端面近傍には、ばね受け部
材58設けられており、このばね受け部材58と上記座
ぐり穴34b底面との間に圧縮コイルばね60が設けら
れている。従って、この圧縮コイルばね60のばね力に
よってばね受け部材58を介してシャフト56及び重り
16が常時上方へ付勢され、この付勢力がロードセル2
0に対する与圧力として作用する。すなわち、シャフト
56、ばね受け部材58及び圧縮コイルばね60によっ
て上記与圧機構が構成されている。なお、図1では与圧
機構は1つしか示されていないが、与圧力の偏りを防止
する観点から、実際には、この与圧機構も軸部38を中
心として等角度間隔で複数配置されている。
【0032】次に、固定ベース14上に載置される被測
定物である空気静圧軸受け(エアーパッド)12の一例
について説明する。
【0033】図1に示されるエアーパッド12は、その
一方の面(図1における下面)が固定ベース14の上面
に当接したハウジング部70と、このハウジング部70
に保持され、重り16の底面に突出形成されたガイド面
54に対向する側の面が軸受け面72aとされた軸受け
部72とを有している。
【0034】ハウジング部70の内部には、L字状の給
気通路74が形成され、この給気通路74の一端は軸受
け部72のガイド面対向側と反対側の面に対向して形成
された給気溝部76に連通し、他端は加圧気体供給ライ
ン78に接続されている。軸受け部72は、ここでは、
中央部の非通気性のガラスから成るランド部とその外周
部(図1における下面を含む)を取り囲む通気性の多孔
質材料とによって構成されている。この軸受け部72の
軸受け面72aは、ラップ等で同一平面に加工されてい
る。多孔質材料とハウジング部70とは強固に接着され
ており、多孔質材料の外周側面は空気がもれないように
接着剤80によって目止めされている。ここで、多孔質
材料としては、多孔質ジルコニア等の多孔質セラミック
スが使用される。
【0035】そして、外部のコンプレッサ等の空気源
(図示省略)から加圧気体供給ライン78を介して加圧
気体としての圧縮空気が供給されると、その圧縮空気が
給気通路74、給気溝部76を介して軸受け部72の多
孔質材料の気孔を通り、軸受け面72aとガイド面54
との間のすきまに流れ込み、そのすきまに所定の圧力
(すきま内圧力)が生じる。このすきま内圧力によっ
て、例えば、エアーパッド12が、例えば移動ステージ
等の移動体に固定されている場合には、該移動体がガイ
ド面に対して非接触で支持されることになる。
【0036】図2には、本実施形態の特性測定装置10
の制御系の概略構成が示されている。ここで、この制御
系について簡単に説明する。
【0037】この制御系は、主制御装置80を中心とし
て構成されており、該主制御装置80の入力側には、キ
ーボードあるいはマウス等のポインティングデバイスか
ら成る入力装置82が接続され、また3連スイッチSの
各スイッチS1、S2、S3をそれぞれ介してロードセ
ル20の出力増幅用のアンプ84A及び変位センサ24
A、24Bの出力増幅用のアンプ84B、84Cがそれ
ぞれ接続されている。また、主制御装置80の出力側に
は、アクチュエータ22に対する駆動電圧を増幅するア
ンプ86及びCRTディスプレイあるいは液晶ディスプ
レイから成る表示装置88が接続されている。
【0038】主制御装置80は、制御装置としてのアク
チュエータ制御部80A、データロガー(ロガーとも言
う)80B及び第1、第2の演算装置としての演算部8
0Cの3部分を含んで構成されている。この主制御装置
の上記構成各部は、それぞれをマイクロプロセッサ等の
ハードウェアによって構成しても勿論良いが、主制御装
置80を一つのコンピュータによって構成し、上記構成
各部の機能をそれぞれ別のソフトウェアプログラムによ
って実現しても良い。なお、各入出力インターフェイス
については図示が省略されている。
【0039】前記アクチュエータ制御部80Aは、入力
装置82を介して入力される指示に応じてアクチュエー
タ22に対し駆動電圧を与えてアクチュエータ22を制
御する構成部分である。このアクチュエータ制御部80
Aは、前記3連スイッチSの各スイッチS1、S2、S
3の第1の出力端子a側にそれぞれ接続されている。ア
クチュエータ制御部80Aには、スイッチS1、S2、
S3の各入力端子(共通端子)が第1の出力端子a側に
接続された(以下、適宜「スイッチS1、S2、S3が
a側に切り換えられた」と表現する)とき、ロードセル
20、変位センサ24A、24Bの出力が入力されるよ
うになっている。
【0040】前記データロガー80Bは、前記3連スイ
ッチSの各スイッチS1、S2、S3の各入力端子(共
通端子)が第2の出力端子b側にそれぞれ接続された
(以下、適宜「スイッチS1、S2、S3がb側に切り
換えられた」と表現する)状態では、アクチュエータ制
御部80Aからアクチュエータ駆動電圧が入力される時
刻のみロードセル20、変位センサ24A、24Bの出
力である観測量を走査し、その値をチャート上に記録す
る。
【0041】前記演算部80Cは、データロガー80B
の記録結果に基づいてエアーパッドの静特性及び動特性
を演算する。この演算部の演算結果が表示装置88の表
示画面上に表示される。演算部80Cによるエアーパッ
ドの静特性、動特性の演算方法については後述する。
【0042】次に、上述のようにして構成された特性測
定装置10におけるエアーパッドの特性測定時の動作に
ついて説明する。
【0043】まず、被測定物であるエアーパッド12を
固定ベース14上に置く。次に、不図示のコンプレッサ
等の空気源を制御してエアーパッド12に所定供給圧の
高圧空気を送り込み、軸受け面72aとガイド面54と
の間に所定のすきま内圧力を生じさせる。
【0044】次いで、軸受け面72aとガイド面54と
の間のすきま寸法の目標値が入力された時、これに応じ
てその寸法にすきまを正確に設定できるように、アクチ
ュエータ制御部80Aの初期設定を行う。具体的には、
オペレータは、3連スイッチSの各スイッチS1、S
2、S3をa側に切り換え、入力装置82を介して初期
設定の指示を入力する。これにより、アクチュエータ制
御部80Aではアクチュエータ22に所定の駆動電圧を
与え、重り16を下方に駆動するとともに、ロードセル
20によって測定された力と変位センサ24A、24B
によって測定された変位とをモニタする。アクチュエー
タ制御部80Aは、このようなロードセル20の測定値
と変位センサ24A、24Bの測定値とのモニタを、ア
クチュエータ22に対する駆動電圧を徐々に連続的に変
化させながら行い、力変化と変位量変化との割合が比例
しなくなった時点をガイド面54とエアーパッド12の
接触位置(すきま寸法零の位置)として求め、この値を
不図示のメモリに記憶する。以後は、このときの変位セ
ンサ24A、24Bの出力を基準点として、アクチュエ
ータ制御によるすきまの設定を行うこととなる。なお、
アクチュエータ駆動電圧と重りの変位変化との関係は、
上記初期設定の際に、あるいはこれに先立って求めてい
るものとする。
【0045】次に、オペレータは、3連スイッチSの各
スイッチS1、S2、S3をb側に切り換えて入力装置
82を介して軸受け面72aとガイド面54との間のす
きま寸法の目標値を入力する。これにより、アクチュエ
ータ制御部80Aによりその目標値に応じた駆動電圧が
アクチュエータ22に印加され、アクチュエータ22が
伸縮し重り16が上下動して軸受け面72aとガイド面
54との間のすきま寸法(空気膜の厚さ)が所望の値に
設定される。この場合目標値として、ある範囲を入力す
れば、アクチュエータ制御部80Aにより徐々に駆動電
圧が変更され、それに応じて上記すきま寸法が変化す
る。このとき、ロードセル20の出力と変位センサ24
A、24Bの出力とがデータロガー80Bに連続的に入
力され、データロガー80Bでは上記変位センサ24
A、24B及びロードセル20の出力を走査し、その値
をチャート上に記録する。ここで、このチャートは、メ
モリ内に関連したデータとして書き込まれるものであ
る。
【0046】演算部80Cではデータロガー80Bによ
り記録されたデータに基づいて所定の演算処理(データ
処理)を行い、力と変位量からエアーパッド12の負荷
容量変化を求めるとともに変位量変化の差分に基づいて
エアーパッド12の剛性を求め、その測定結果(演算結
果)を表示装置88の表示画面上に表示する。このよう
にして、エアーパッドの静特性の測定が行われる。
【0047】一方、エアーパッド12の動特性の測定は
次のようにして行われる。すなわち、上記と同様に、オ
ペレータは、3連スイッチSの各スイッチS1、S2、
S3をb側に切り換え、入力装置82を介して軸受け面
72aとガイド面54との間のすきま寸法の目標値を入
力し、軸受け面72aとガイド面54との間のすきま寸
法(空気膜の厚さ)を所望の値に設定する。この状態
で、入力装置82を介してアクチュエータ22に印加す
る交流電圧の周波数の範囲の指示を入力する。これによ
り、アクチュエータ制御部80Aによってアクチュエー
タ22に指示された周波数範囲の交流電圧が印加され、
重り16が所定の微小振幅(例えば0.1μm)で振動
し、ガイド面54とエアーパッド12との間の空気膜に
微少振動が与えられる。このときの力変化がロードセル
20により計測され、空気膜の変位変化量が変位センサ
24A、24Bにより計測される。このとき、ロードセ
ル20の出力と変位センサ24A、24Bの出力とがデ
ータロガー80Bに連続的に入力され、データロガー8
0Bでは上記変位センサ24A、24B及びロードセル
20の出力を走査し、その値をチャート上に記録する。
このような力変化と空気膜の変位変化量との計測を周波
数を徐々に変更しつつ行う。
【0048】そして、演算部80Cではデータロガー8
0Bにより記録されたデータ、すなわちロードセル20
により計測された力変化と変位センサ24A、24Bに
より計測された変位量変化とに基づいて所定の演算処理
(データ処理)を行い、周波数応答、伝達関数特性を求
める。
【0049】また、上記の静特性、動特性測定中、エア
ーパッド12に接続された不図示の流量計により空気流
量が測定される。
【0050】例えば、軸受け面72aが40mm角のエ
アーパッド12について、上記の静特性及び動特性の測
定を行った結果が、図3(A)、(B)、(C)及び図
4(A)、(B)中の実線で示されている。この内、図
3(A)、(B)、(C)には、静特性の測定結果とし
て、負荷容量(kgf)の変化、剛性(kgf/μm)
の変化、流量(sl/min)の変化が縦軸にそれぞれ
示されている。これらの図の横軸は、すきま寸法(μ
m)を示す。
【0051】また、図4(A)、(B)中においては、
動特性の測定結果として、すきま寸法を5μmの場合に
おける、変位/力(m/N)、力に対する変位の遅れで
ある位相(°)が縦軸に実線でそれぞれ示されている。
これらの図の横軸は周波数(Hz)を示す。なお、上記
のエアーパッド12の特性の測定を正確に行うために
は、メカ的な性能の限界を超えないように、重りの質量
mが、エアーパッドの剛性をKとして、次式の関係を満
足するようにすることが望ましい。
【0052】0[Hz]≦√(K/m)/(2π)[Hz]
≦1000[Hz] すなわち、重り16に加えられる振動の振動数として上
記0〜1000Hzの振動を加えるようにすることが望
ましい。ここで、0Hzを含むのは、スクイーズ効果を
計測できることを意味する。
【0053】以上説明したように、本実施形態の特性測
定装置10によると、エアーパッドの静特性に加え、そ
の周波数応答、振動減衰特性を含んだ伝達関数特性など
の動特性をも正確に測定することができる。従って、こ
の特性測定装置10を用いることにより、エアーパッド
の静特性及び動特性である周波数応答、伝達関数を測定
評価することができ、静的、動的特性、伝達関数特性の
良いエアーパッドを判別することができる。
【0054】上記の如く、本実施形態の特性測定装置1
0を用いると、エアーパッドの伝達関数特性などの動特
性を正確に測定できるので、この測定結果を利用するこ
とにより、次のようにしてエアーパッドを用いた装置、
例えばエアーガイド位置決め装置の設計がシミュレーシ
ョンにて可能になる。
【0055】次に、これについて説明する。図5には、
エアーパッドを用いた位置決め装置の一例として、走査
型露光装置のレチクルステージ用の走査装置が示されて
いる。この図5の位置決め装置110は、ベース112
と、このベース112の上部に固定され、レチクルステ
ージ114の走査露光時の移動方向であるX方向に延び
る細長い位置決めガイド117と、ベース112の上面
であるガイド面112A上に浮上支持され、位置決めガ
イド117に沿って自由に運動が可能な矩形枠状の駆動
フレーム122と、ガイド117に沿ってY方向に移動
し且つ駆動フレーム122に対してもY方向に相対移動
するキャリア/従動子160と、このキャリア/従動子
160に連結され、当該キャリア/従動子160と一体
的に移動するレチクルステージ114とを備えている。
【0056】駆動フレーム122は、ほぼY方向に所定
距離を隔ててX方向に平行に配置された一対の磁気軌道
アーム124、126と、これらの磁気軌道アーム12
4、126を相互に連結する横断アーム128、130
とによって構成されている。この駆動フレーム122の
矩形の4つのコーナー付近のベース112対向面側には
4つのエアーパッド12a、12b、12c、12d
(但し図5においてはエアーパッド12c、12dの図
示は省略されている)が設けられている。これらのエア
ーパッドの軸受け面とベース12のガイド面112Aと
の間には空気層が形成され、この空気層の圧力すなわち
すきま内圧力によって駆動フレーム122はガイド面1
12Aから一定のギャップすなわち間隙(例えば1μm
から数μm未満)を隔てて浮揚され、鉛直方向(Z方
向)において支持されている。
【0057】また、この駆動フレーム122を構成する
一方の磁気軌道アーム124の両端部の上面には、Y方
向において位置決めガイド117を跨ぐフック形状の一
対のサポートブラケット118の一端がそれぞれ固定さ
れている。各々のサポートブラケット118の他端(自
由端)は、位置決めガイド117の+Y方向の側面であ
るガイド面117Bに面している。各々のサポートブラ
ケット118の位置決めガイド117の−Y方向の側面
であるガイド面117A、前記ガイド面117Bにそれ
ぞれ対向する面には、エアーパッド12e、12f(但
し、図5においては、紙面奥側のエアーパッド12fは
位置決めガイド117の後方に隠れている)がそれぞれ
固定されている。このため、各々のサポートブラケット
118のY方向における移動は、位置決めガイド117
及びエアーパッド12e、12fによって拘束されてお
り、X方向においてだけ移動することができる。
【0058】前記キャリア/従動子160は、レチクル
ステージ114の本体部142に連結されている。レチ
クルステージ114とキャリア/従動子160とは、こ
こでは説明の簡略化のため物理的に連結されているもの
とするが、両者にリニアモータの可動子と固定子とをそ
れぞれ設けて磁気的に連結することも勿論可能である。
また、このキャリア/従動子160には、Y方向におい
て位置決めガイド117を跨ぐフック形状のブラケット
162の一端が接続されており、このブラケット162
のガイド面117Bに対向する面には、エアーパッド1
2gが設けられている。また、このキャリア/従動子1
60の前記ブラケット162の接続部の下方で位置決め
ガイド117に対向してX軸方向に延びる板状部の長手
方向両端部には、ガイド面117Aに対向して不図示の
エアーパッドがそれぞれ設けられている。このため、キ
ャリア/従動子160は、エアーパッド12g及び前記
不図示のエアーパッドによってY方向において位置決め
ガイド117に支持されている。
【0059】レチクルステージ114は、本体部142
を備えており、該本体部142の開口146の上方に、
レチクル144が真空吸着等により固定されている。本
体部142は、対向する一対の側部142A、142B
を備えており、例えば4つのエアーパッド12hによっ
て、ベース112上に前述した駆動フレームと同様に浮
上支持されている。このため、レチクルステージ114
及びこれに連結されたキャリア/従動子160は、ガイ
ド面112A、117A、117Bに対して非接触で支
持され、また、駆動フレーム122に対しても非接触で
支持され、X方向においてのみ直線的に動けるようにな
っている。
【0060】レチクルステージ114の位置は、本体部
142上に固定されたコーナキューブミラーから成る一
対のX軸移動鏡150X1 、150X2 、及び平面ミラ
ーから成るY移動鏡150Yをそれぞれ介して、レーザ
ビームLBx1 、LBx2 、及びLByを照射する干渉
計によって計測されるようになっている。レチクルステ
ージ114の側部142A、142Bにはそれぞれ駆動
コイル154A、154B(但し、図5においては駆動
コイル154Aは図示せず)を備えており、これらの駆
動コイルは、駆動フレーム122の磁気軌道アーム2
4、26の磁気軌道156A、156Bと協働して、レ
チクルステージ14を駆動するようになっている。
【0061】上記のような位置決め装置110を設計す
る場合、当該位置決め装置110を構成する各エアーパ
ッドが同じ場合は、任意の一つについて(それぞれ異な
る場合はエアーパッド12a、12b、12c、………
のそれぞれについて)、特性測定装置10を用いて前述
のようにして周波数応答、伝達関数特性等の動特性の測
定を行い、測定された伝達関数をカーブフィットする。
図4(A)、(B)には、それぞれの図の実線の計測デ
ータをカーブフィットしたカーブフィットデータが点線
にて示されている。
【0062】このようなカーブフィットの結果に基づい
て、線形近似を行ない各エアーパッドの線形要素近似モ
デルを求める。ここで、エアーパッドの線形要素近似モ
デルを求めるとは、例えばエアーパッドのモデルとし
て、図6に示されるような振動系を考えて、この振動系
の各要素、すなわちばね定数K1、K2、減衰係数Cを
決定することを意味をする。
【0063】そして、このようにして求まった各エアー
パッド12の線形要素近似モデルを、図5に示される位
置決め装置110のモデルに適用して、所定のシミュレ
ーションを行うことにより該位置決め装置110の動特
性を求める。このようにして求めた位置決め装置110
の動特性が所望の特性を満足しているかどうかを判断
し、所望の特性を満足していなければ、エアーパッド
(12a、12b、12c、……)の配置、例えばエア
ーパッド12aと12bとの取付け位置、あるいは使用
するエアーパッドの個数等を変更して、再び上記シミュ
レーションを行うことにより位置決め装置110の動特
性を求めて、それを評価する。
【0064】このようにして位置決め装置110の動特
性として所望の特性が得られるまで、上記の処理を繰り
返すことにより位置決め装置110をシミュレーション
により設計することが可能になる。この場合において、
位置決め装置110の動特性として満足できる特性がど
うしても得られない場合には、エアーパッドそのものを
再設計すれば良い。
【0065】以上説明したように、本実施形態に係る特
性測定装置10によると、エアーパッドの静特性及び動
特性を容易に評価することができ、測定データに基づい
て静的特性や動的特性である伝達関数特性の良いエアー
パッドと悪いエアーパッドとの判別が総合的に可能とな
る。
【0066】また、エアーパッドを使用した製品開発を
行う際のシミュレーションに必要となる基礎パラメータ
である静特性や動特性、特にエアーパッドの伝達関数特
性を正確に測定することが可能となり、エアーパッドの
線形要素近似モデルを構築することが可能となる。
【0067】また、前記エアーパッドの線形要素近似モ
デルを、エアーパッドを用いたエアーガイド位置決め装
置に適用することにより、シミュレーションにて所望の
特性の位置決め装置を容易に設計することが可能とな
る。
【0068】なお、上記実施形態では、軸受け部72
が、中央部の非通気性のランド部とその外周部を取り囲
む通気性の多孔質材料とによって構成されたエアーパッ
ド12を採り上げて説明したが、これに限らず、本発明
に係る特性測定装置によれば、軸受け部が多孔質材料の
みから成るエアーパッドや、軸受け部がランド部とその
外周部を取り囲む多孔質材料と更にその周囲を取り囲む
別のランド部とから成るエアーパッド、その他のタイプ
のエアーパッド、あるいはその他の流体静圧軸受けであ
ってもその特性を上記と同様にして正確に測定すること
ができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
記載の発明によれば、同一の装置により、流体静圧軸受
けの静特性に加え、その周波数応答、振動減衰特性を含
んだ伝達関数特性などの動特性をも正確に測定すること
ができるという従来にない優れた効果がある。
【0070】また、請求項3に記載の発明によれば、シ
ミュレーションにより流体静圧軸受けを用いた位置決め
装置の動特性を正確に求めることができ、これによりシ
ミュレーションにより、位置決め装置の動特性を評価し
たり、あるいは所望の特性の位置決め装置を容易に設計
したりできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る特性測定装置の構成を概略的
に示す断面図である。
【図2】図1の装置の制御系の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】エアーパッドの静特性の測定結果を示す図であ
って、(A)は負荷容量の、(B)は剛性の、(C)は
流量の測定結果をそれぞれ示す図である。
【図4】エアーパッドの動特性の測定結果及びそのカー
ブフィットデータを示す図であって、(A)は変位/力
の周波数による変化を、(B)は位相の周波数による変
化をそれぞれ示す図である。
【図5】エアーパッドを用いた位置決め装置の一例を示
す概略斜視図である。
【図6】エアーパッドの線形要素近似モデルを説明する
ための図である。
【符号の説明】
10 特性測定装置 12 エアーパッド(流体静圧軸受け) 14 固定ベース 16 重り(移動体) 18 案内機構 20 ロードセル(第1のセンサ) 22 アクチュエータ 24 変位センサ(第2のセンサ) 80A アクチュエータ制御部(制御装置) 80C 演算部(第1の演算装置、第2の演算装置)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物である流体静圧軸受けが載置さ
    れる固定ベースと;前記流体静圧軸受けの所定方向の一
    側に配置された所定質量を有する移動体と;前記移動体
    を前記所定方向に案内する案内機構と;前記移動体に取
    り付けられ該移動体に作用する前記所定方向の力を計測
    する第1のセンサと;前記移動体を前記所定方向に駆動
    するアクチュエータと;前記アクチュエータに、前記移
    動体の前記所定方向の位置を制御するための第1の駆動
    信号及び前記移動体に微振動を与えるための第2の駆動
    信号を与える制御装置と;前記移動体の位置に関連する
    物理量を計測する第2のセンサと;前記第1及び第2の
    センサの出力より得られる前記移動体に作用する力と前
    記流体静圧軸受けと前記移動体との間の隙間寸法との関
    係に基づいて前記流体静圧軸受けの静特性を演算する第
    1の演算装置と;前記移動体が微振動する際の前記第1
    及び第2のセンサの出力に基づいて前記流体静圧軸受け
    の動特性を演算する第2の演算装置とを有する流体静圧
    軸受けの特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記移動体の質量をm、前記流体静圧軸
    受けの剛性をKとして、前記移動体の振動数が、 0≦√(K/m)/(2π)≦1000 (0Hzはス
    クイーズを測定できることを示す) となる条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の
    流体静圧軸受けの特性測定装置。
  3. 【請求項3】 流体静圧軸受けを用いた位置決め装置の
    動特性を求める方法であって、 請求項1又は2に記載の特性測定装置を用いて流体静圧
    軸受けの伝達関数を測定する工程と;前記測定した伝達
    関数をカーブフィットし、さらに線形近似を行ない前記
    流体静圧軸受けの線形要素近似モデルを求める工程と;
    前記求めた前記流体静圧軸受けの線形要素近似モデル
    を、前記位置決め装置のモデルに適用してシミュレーシ
    ョンする工程とを含む前記位置決め装置の動特性を求め
    る方法。
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