JP3121528B2 - 振動検出装置および振動検出方法 - Google Patents

振動検出装置および振動検出方法

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JP3121528B2
JP3121528B2 JP07219342A JP21934295A JP3121528B2 JP 3121528 B2 JP3121528 B2 JP 3121528B2 JP 07219342 A JP07219342 A JP 07219342A JP 21934295 A JP21934295 A JP 21934295A JP 3121528 B2 JP3121528 B2 JP 3121528B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する振
動体の加振力を検出する振動検出装置および振動検出方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動を発生する振動体の加振
力を検出する装置として、加速度センサを用いたものが
知られている。加速度センサは、振動体とともに振動す
る基体と慣性によって位置保持される重りとを備え、基
体と重りとの相対的な位置関係に基づいて振動体の振動
を検出する構成を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、加速度セン
サでは、基体と重りとを弾性的に結合し、基体が振動し
ても重りを慣性によってほぼ定位置に止まらせているの
であるが、振動体の振動周期が長くなると重りも基体と
ともに振動して振動体の振動を検出するのが難しくな
る。さらに、振動体によっては振動がいろいろな方向に
生じるから、所望方向の加振力を正確に測定するのが難
しいという問題もある。
【0004】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、振動体の振動をより正確に測定でき
るようにした振動検出装置および振動検出方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、振
動を発生する振動体の加振力を検出する振動検出装置で
あって、定位置に固定された支持フレームと、振動体を
保持する保持手段と、保持手段に結合され支持フレーム
に対して振動体より生じる加振力の作用方向に移動自在
な浮動体と、浮動体を支持フレームに対して非接触で支
持するとともに上記作用方向にのみ移動可能となるよう
に浮動体の移動方向を規制する支持手段と、支持フレー
ムの定位置に配置され上記作用方向における浮動体の位
置を検出する位置検出手段と、支持フレームの定位置に
配置され支持フレームと浮動体とを非接触に保った状態
で上記作用方向における外力を浮動体に作用させる力発
生手段と、位置検出手段による検出位置を定位置付近に
保つように力発生手段により発生する外力を振動体によ
り生じる加振力の抑制方向に制御する制御手段とを備
え、制御手段より力発生手段に与える操作量に基づいて
振動体の加振力を検出することを特徴とする。
【0006】この構成によれば、振動体を保持した浮動
体を支持フレームに対して非接触で支持するから、振動
体の振動を摩擦によって損失させることなく正確に測定
することができる。しかも、支持手段は浮動体の移動方
向を規制するから振動の検出が不要な方向に浮動体が傾
くことがなく、浮動体の傾きによる測定誤差を防止する
ことができる。
【0007】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、加振力が1自由度で作用する振動体に適用され、
支持手段は浮動体を1自由度に移動規制し、位置検出手
段は浮動体の自由度に応じて位置検出するとともに、力
発生手段は浮動体に1自由度の外力を作用させることを
特徴とする 請求項2の発明は請求項1の発明の望まし
い実施態様であり、振動体の振動に摩擦による減衰を生
じさせず、また浮動体の移動規制を行なうことで測定誤
差の発生を防止することができる。
【0008】請求項3の発明では、複数自由度の振動を
発生する振動体の加振力を検出する振動検出装置であっ
て、定位置に固定された支持フレームと、振動体を保持
する保持手段と、保持手段に結合され支持フレームに対
して振動体より生じる加振力が作用するすべての方向に
移動自在な浮動体と、支持フレームの定位置に配置され
加振力が作用するすべての方向における浮動体の位置を
検出する位置検出手段と、支持フレームの定位置に配置
され支持フレームと浮動体とを非接触に保った状態で上
記作用方向における外力を浮動体に作用させる力発生手
段と、位置検出手段による検出位置を定位置付近に保つ
ように力発生手段により発生する外力を振動体により生
じる加振力の抑制方向に制御する制御手段とを備え、制
御手段より力発生手段に与える操作量に基づいて振動体
の加振力を検出することを特徴とする。請求項4の発明
では、互いに直交する3軸方向と各軸回りの回転との6
自由度の振動を発生する振動体の加振力を検出する振動
検出装置であって、定位置に固定された支持フレーム
と、振動体を保持する保持手段と、保持手段に結合され
支持フレームに対して振動体より生じる加振力が作用す
るすべての方向に移動自在な浮動体と、支持フレームの
定位置に配置され加振力が作用するすべての方向におけ
る浮動体の位置を検出する位置検出手段と、支持フレー
ムの定位置に配置され支持フレームと浮動体とを非接触
に保った状態で上記作用方向における外力を浮動体に作
用させる力発生手段と、位置検出手段による検出位置を
定位置付近に保つように力発生手段により発生する外力
を振動体により生じる加振力の抑制方向に制御する制御
手段とを備え、制御手段より力発生手段に与える操作量
に基づいて振動体の加振力を検出することを特徴とす
る。
【0009】請求項3の発明の構成では、請求項1の発
明と同様に摩擦による損失がなく正確な測定が可能にな
る。とくに、請求項4の発明の構成では、1つの振動体
について許されるすべての方向に力を発生させることが
でき、またすべての方向の位置を検出することができる
から、浮動体の移動方向を規制する必要はなく、請求項
1の発明と同様に摩擦による損失がなく正確な測定が可
能になる。請求項5の発明では、請求項1ないし請求項
4の発明において、力発生手段は、直流電流値に応じて
磁性体よりなる浮動体との間で吸引力を作用させる電磁
石装置であることを特徴とする。
【0010】この種の力発生手段は比較的大きい力を発
生させることができるから、振動体や浮動体の重量が大
きい場合に有効である請求項6の発明では、請求項1
ないし請求項4の発明において、力発生手段は、永久磁
石と永久磁石により形成される磁路の一部が挿通される
空心コイルとを備えたリニアアクチュエータであって、
空心コイルに流す直流電流値に応じて空心コイルが永久
磁石に対して直進的に移動することを特徴とする。
【0011】この種の力発生手段は、電磁石に比較する
と発生する力が小さいが、通電電流の変化によって往復
移動が可能になるから移動方向ごとに力発生手段を要す
るものに比較して省スペースであり、しかも通電電流と
出力される力との関係が線形であるから制御が容易にな
る。請求項7の発明では、請求項3または請求項4の発
明において、一部の力発生手段は、直流電流値に応じて
磁性体よりなる浮動体との間で吸引力を作用させる電磁
石装置であり、他の力発生手段は、永久磁石と永久磁石
により形成される磁路の一部が挿通される空心コイルと
を備えたリニアアクチュエータであって、空心コイルに
流す直流電流値に応じて空心コイルが永久磁石に対して
直進的に往復移動することを特徴とする。
【0012】この構成では、電磁石装置とリニアアクチ
ュエータとを組み合わせて用いるから、荷重のかかる部
分では電磁石装置を用いるようにし、荷重のかからない
部分ではリニアアクチュエータを用いるようにすれば、
比較的小型でありながら重量の大きい振動体の測定が可
能になる。請求項8の発明では、請求項5または請求項
7の発明において、浮動体は磁性体よりなる板状体であ
って、電磁石装置は浮動体の厚み方向の両側に配置され
かつ浮動体の厚み方向に直交する一直線上で浮動体に対
する吸引力を作用させる一対の電磁石からなることを特
徴とする。
【0013】この構成では浮動体に対しては両側の電磁
石が拮抗する吸引力を作用させるから、浮動体を高速に
移動させることができ、結果的に振動体が高周波で振動
する場合でも対応可能になる。請求項9の発明では、請
求項1ないし請求項4の発明において、保持手段は、振
動体を挟む定位置に対向して配置された一対の固定板
と、一方の固定板に保持され他方の固定板との距離が可
変であって上記他方の固定板との間に振動体を挟持する
可動板と、支持フレームに固定され可動板の上記他方の
固定板との距離を変化させるシリンダとから成ることを
特徴とする。
【0014】この構成ではシリンダの駆動によって振動
体の保持装置への着脱が容易になり、複数の振動体を次
々に測定する際に作業効率が高くなる。請求項10の発
明では、請求項1ないし請求項4の発明において、保持
手段は、振動体を挟む定位置に対向して配置された一対
の固定板と、一方の固定板に保持され他方の固定板との
距離が可変であって上記他方の固定板との間に振動体を
挟持する可動板と、支持フレームに固定され浮動体が所
定位置に移動したときに可動板を上記他方の固定板から
引き離して振動体の挟持を解除させる解除ピンとから成
ることを特徴とする。
【0015】この構成も請求項9の構成と同様に振動体
の保持装置への着脱が容易になり、測定時の作業効率が
よいものである。請求項11の発明では、請求項1ない
し請求項4の発明において、振動体を除く浮動体の全体
の重心と振動体の重心とが一致するとともに、浮動体を
支持する系の弾性中心が浮動体の全体の重心と一致する
ことを特徴とする。
【0016】この構成によれば、振動に連成が発生せず
振動の解析が容易になる。請求項12の発明では、請求
項1ないし請求項4の発明において、浮動体に対する振
動体の保持位置を調節する重心調節手段を浮動体に設け
たことを特徴とする。この構成によれば、浮動体に対す
る振動体の重心位置を調節することができ、連成が生じ
ないような位置に振動体を位置させることによって、振
動の解析が容易になる。
【0017】請求項13の発明では、振動を発生する振
動体を含む浮動体を力の向きおよび大きさを調節するこ
とができる力発生手段により非接触で支持するととも
に、振動体の振動に伴う浮動体の位置の変位を位置検出
手段により検出し、位置検出手段により検出した位置の
変位を抑制する方向に力発生手段による力の向き及び大
きさを調節し、位置検出手段により検出した位置の変位
と力発生手段により発生させる力の向きおよび大きさと
の少なくとも一方に基づいて振動体の振動に関する情報
を検出することを特徴とする。
【0018】すなわち、非接触で振動体を支持するから
摩擦による振動の損失が発生せず振動に関する情報を正
確に検出することができるとともに、振動体を非接触で
支持した状態であっても、位置検出手段で検出した位置
や力発生手段で発生する力の向きおよび大きさを用いて
振動体の振動に関する情報を間接的な手法で正確に検出
することができる。
【0019】請求項14の発明では、請求項13の発明
において、位置検出手段により検出した位置の変位に基
づいて振動体の振動の周波数成分を分析することを特徴
とする。請求項15の発明では、請求項13の発明にお
いて、力発生手段により発生させる力の向きおよび大き
さに基づいて振動体の加振力を求めることを特徴とす
る。
【0020】請求項14、請求項15の発明は請求項1
3の発明の望ましい実施態様であり、振動の周波数成分
や加振力を求めることができる。請求項16の発明で
は、請求項13の発明において、振動体とともに振動す
る部位に振動体の振動方向の加速度を検出する加速度セ
ンサを付加し、加速度センサの出力に基づいて振動体の
振動の周波数成分を分析することを特徴とする。
【0021】このように加速度センサを付加したことに
よって、振動体の振動の周波数分析に関しては簡単な処
理になる。また、加速度センサは低周波成分の検出には
不都合があるが、位置検出手段の出力に基づく周波数分
析と併用することによって、より正確な周波数分析が可
能になる。請求項17の発明では、請求項13の発明に
おいて、力発生手段により発生する力の向きおよび大き
さを指示する操作量に対する位置検出手段により検出し
た位置の応答に基づいて振動体の加振力を推定する検出
器を備えることを特徴とする。
【0022】この方法を採用すれば、検出器において加
振力を推定することができ、位置検出手段以外にはセン
サを用いることなく加振力を求めることができる。つま
り、位置検出手段としては非接触で微小な位置変位を高
速に検出することができるものが比較的安価に提供され
ているから、この種のセンサを用いて振動を求めること
により、低コストながらも正確に加振力を検出すること
ができる。
【0023】請求項18の発明では、請求項13の発明
において、加振力に基づいて指令値を演算し、力発生手
段を制御する制御手段に該指令値を与えるインピーダン
ス設定器を備え、インピーダンス設定器に所定の機械イ
ンピーダンスを設定し、振動体を含む浮動体の動作が設
定した機械インピーダンスによって定まる動作になるよ
うに制御することを特徴とする。この方法では、機械イ
ンピーダンスの制御によって振動体の振動の抽出が容易
になる。つまり、振動体の振動を強調したり、他の振動
成分を抑制するなどの操作が容易に行えるのである。
【0024】請求項19の発明では、請求項18の発明
において、振動体の振動を測定する期間において機械イ
ンピーダンスを変更することを特徴とする。この方法で
は、振動体の振動開始時と定常動作時とで機械インピー
ダンスを変更するなど振動の各状態において機械インピ
ーダンスを変更することによって、整定時間を短縮する
など所望の振動状態に迅速に移行させることが可能にな
るのである。
【0025】請求項20の発明では、請求項18の発明
において、機械インピーダンスのうちの質量成分を振動
体の質量に一致させることを特徴とする。この方法で
は、機械インピーダンスの調節によって振動体以外の質
量成分を除去するから、振動体の固有の振動を正確に測
定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態では、振動体の加振力が1自
由度である例を示す。振動体2は、図1における上下方
向に振動する。このような振動体2は、たとえば内部に
加振器を備え、外部から加振器に給電することによって
加振力を発生する。
【0027】この振動体2の加振力を検出する振動検出
装置1は、定位置に固定された支持フレーム10を備
え、支持フレーム10には支持手段としての空気軸受1
1が設けられている。空気軸受11は中心線を上下方向
に一致させた筒状に形成され、筒内に空気を噴出する多
数の吹出口11aを備える。吹出口11aは空気軸受1
1の軸方向においては離間した複数箇所(図では2箇
所)に設けられ、軸方向の各箇所では周方向における複
数箇所に均等に設けられている。空気軸受11の中には
浮動体12が配置され、浮動体12は中心線を空気軸受
11の中心線と一致させるように空気軸受11によって
非接触で支持される。また、浮動体12の中心線が空気
軸受11の中心線に対して傾かないように空気圧によっ
て移動規制され、浮動体12は空気軸受11の中心線方
向、すなわち図1の上下方向にのみ移動可能になってい
る。
【0028】浮動体12の図1における下部は空気軸受
11の下端から突出し、この部分には保持装置13が設
けられる。保持装置13は、浮動体12に対して固定さ
れた上下一対の固定板13a,13bと、上側の固定板
13aに対して押圧ばね13cを介して結合された可動
板13dとを備える。可動板13dは浮動体12に対し
て図1の上下方向に移動自在であって、押圧ばね13c
によって下側の固定板13bに近付く向きに付勢されて
いる。したがって、下側の固定板13bと可動板13d
との間に押圧ばね13cの弾性力によって振動体2を挟
持することができる。ここに、押圧ばね13cの弾性力
は、振動体2が振動する際に固定板13bおよび可動板
13dと振動体2とを密着した状態に保つことができる
程度に設定される。
【0029】浮動体12の図1における上部は空気軸受
11から突出し、浮動体12の上端には平板状のヘッダ
12aが一体に結合されている。ヘッダ12aは空気軸
受11の内径よりも大きく、浮動体12が下がるとヘッ
ダ12aが空気軸受11の上面に当接することによって
浮動体12が下方に脱落するのを防止している。ヘッダ
12aには支持フレーム10に固定された位置検出手段
としての位置センサ14が対向する。位置センサ14は
図1における上下方向の距離に応じたアナログ出力を発
生する1次元位置センサであって、ここではヘッダ12
aとの距離を光学的に検出するものを用いている。すな
わち、レーザビームを対象物に照射し、反射光の位置を
PSD(半導体位置センサ)により検出する周知のアク
ティブ形の位置センサを用いる。ただし、光学式の位置
センサに代えて、発振回路を構成する高周波発振コイル
とヘッダ12aとの距離に応じて高周波発振コイルのイ
ンピーダンス変化による発振出力の変化を検出するも
の、ヘッダ12aとの間の静電容量を検出するものも用
いてもよい。
【0030】ところで、浮動体12は力発生手段として
のリニアアクチュエータ15に結合されている。リニア
アクチュエータ15は、略E形に形成されたヨーク15
aの両側片の内側面にそれぞれ永久磁石15bを備え、
ヨーク15aの中央片が空心コイル15cに挿通された
構成を有する。リニアアクチュエータ15は空気軸受1
1の外側に配置され、空気軸受11の壁面に形成された
スリット(図示せず)を通して空心コイル15cと浮動
体12とが一対のアーム15dにより一体に結合され
る。ここに、空心コイル15cは図1の上下方向に移動
自在に配置され、通電電流に応じて上下方向の位置が決
まるように構成されている。つまり、リニアアクチュエ
ータ15に操作量として与える空心コイル15cへの直
流電流の電流値に応じて浮動体12の上下方向の位置が
決定される。
【0031】リニアアクチュエータ15に与える直流電
流の電流値は、位置センサ14の出力に基づいて制御手
段20により決定される。制御手段20は、マイクロコ
ンピュータよりなり、位置センサ14の出力がA/D変
換器21を介してデジタル値として入力され、位置セン
サ14の出力に基づいて操作量を決定すると、その操作
量をD/A変換器22でアナログ量に変換した後に電流
ドライバ23を介してリニアアクチュエータ15の空心
コイル15cに与える。制御手段20では、位置センサ
14で検出されたヘッダ12aとの距離を一定に保つよ
うにPID制御を行なって操作量を決定する。ここで、
操作量の決定には、要求される応答性に応じてPID制
御以外にもH∞制御などの制御方法を用いることができ
るのはいうまでもない。このようにして、浮動体12が
振動体2の振動に応じて移動せず定位置を保つようにリ
ニアアクチュエータ15への操作量が制御される。リニ
アアクチュエータ15への操作量をこのように決定すれ
ば、振動体2の加振力がリニアアクチュエータの操作量
に反映されるから、演算部24において制御手段20の
出力に対して後述の変換演算を施せば振動体2の加振力
を求めることができる。ただし、振動体2の振動を抑制
する方向に操作量が発生するから、振動体2の加振力と
操作量とは互いに位相が逆になる。
【0032】ところで、初期状態ではリニアアクチュエ
ータ15の空心コイル15cに通電されていないから、
空気軸受11の上端面とヘッダ12aとの距離dは0に
なっている。振動体2の加振力を測定するに際しては、
まず空気軸受11に通気して浮動体12の中心線を空気
軸受11の中心線に一致させる。また、制御手段20に
適宜の位置指令値(目標値)を与えることにより、ヘッ
ダ12aを空気軸受11の上端面から一定距離dだけ浮
上させる。この距離dは、振動体2の上下方向の振幅よ
りも大きく、かつ振動体2の振動によってヘッダ12a
が位置センサ14に接触しない範囲で設定される。
【0033】その後、保持装置13の固定板13bと可
動板13dとの間に振動体2を挟持させ、振動体2に対
して外部から給電するなどして振動体2を振動させる。
振動体2は必ずしも外部から給電するものに限らず、振
動体2の中に電源を内蔵したものを用いてもよい。ここ
において、浮動体12は空気軸受11によって支持フレ
ーム10に対して非接触となるように保持され、またリ
ニアアクチュエータ15においてもヨーク15bと空心
コイル15cとは非接触であるから、結果的に浮動体1
2は実質的な摩擦力が作用することなく上下方向に移動
することができることになる。
【0034】上述したように、振動体2を振動させて
も、浮動体12は定位置に保たれるから、制御手段20
から発生する操作量は振動体2の加振力に対応し、この
操作量をデジタル値のまま演算部24に入力し所要の変
換を施すと振動体2から発生する加振力を求めることが
できる。つまり、操作量はリニアアクチュエータ15へ
の電流値を決定し、リニアアクチュエータ15により発
生する力は入力電流値に比例定数(電流−力変換係数と
いう)を乗じることによって求めることができるから、
操作量に適宜の比例定数を乗じることによりリニアアク
チュエータ15で発生する力、つまり振動体2の加振力
を求めることができる。また、上述のように浮動体12
は他部材に対して非接触で上下に移動するから摩擦力が
作用することによる誤差がなく、振動体2の加振力を誤
差なく正確に測定することができる。振動体2の加振力
の測定後には振動体2への給電を停止して振動を停止さ
せ、振動体2を保持装置13から外す。また、リニアア
クチュエータ15への通電を停止してヘッダ15dを空
気軸受11の上端面に当接する位置まで下降させる。
【0035】さらに、本実施形態では、振動体2を振動
させても浮動体12が定位置に保たれる程度にリニアア
クチュエータ15により生じる磁力(つまり、支持フレ
ーム10に対して浮動体12を復元要素を介して結合し
ていることになるから、そのスティフネス)を大きく設
定しているが、振動体2の振動に伴って浮動体12が振
動する程度にスティフネスを小さく設定することも可能
である。この場合には、位置センサ14の出力をフーリ
エ変換すれば、振動体2の周波数分析が可能である。
【0036】上述した実施形態においては力発生手段と
してリニアアクチュエータ15を用いているが、振動体
2や浮動体12の重量が大きい場合には次の実施形態2
で用いる電磁石装置のように、浮動体12に対して吸引
力を作用させる一対の電磁石を浮動体を挟んで配置した
ものを力発生手段として用いてもよい。その場合には、
操作量と電磁石装置への電流量との関係は非線形になる
から、理論式や近似式を用いて振動体2の加振力を求め
る。
【0037】(実施形態2)実施形態1では、加振力が
1自由度の振動体2に関する例を示したが、本実施形態
では振動体2の振動が6自由度(すなわち、互いに直交
する3方向の移動と各方向を軸とする3方向の回転があ
る)である場合について例示する。振動体2の振動が6
自由度であるから、振動検出装置1もすべての方向の振
動を検出することが要求される。そこで、本実施形態で
は、図2および図3に示すように、浮動体12として磁
性体よりなる円板状のものを用い、浮動体12の一面の
中央部に保持装置13を設けている。浮動体12の周部
の3箇所には浮動体12を挟んで上下に配置された各一
対の電磁石16a,16bからなる力発生手段としての
3基の電磁石装置16が配置される。また、浮動体12
の下面における周部の3箇所には電磁石16bとは異な
る部位で力発生手段としての3基のリニアアクチュエー
タ15が配置される。
【0038】電磁石装置16は、上下の電磁石16a,
16bによって浮動体12に吸引力を作用させ、両電磁
石16a,16bの吸引力を拮抗させることによって浮
動体12の上下方向の位置を制御する。したがって、電
磁石装置16によって浮動体12は上下方向の移動と水
平面に対する傾きとが制御されることになる。また、リ
ニアアクチュエータ15は、実施形態1に示したものと
同様のものであって、空心コイル15cが浮動体12の
下面に固着されている。ここで、リニアアクチュエータ
15のヨーク15aの中央片と空心コイル15cとの間
には若干の隙間があり、この隙間の範囲で浮動体12の
径方向への移動も許されている。したがって、リニアア
クチュエータ15によって浮動体12は水平面内での回
転と移動とが制御されることになる。要するに、上下方
向をZ軸方向、水平面をXY平面とすれば、3基の電磁
石装置16と3基のリニアアクチュエータ15とによっ
て、X軸、Y軸、Z軸の各軸方向への移動と各軸回りの
回転とが制御可能になるのである。
【0039】浮動体12の位置は6個の位置せンサ14
a,14bにより検出される。各位置センサ14a,1
4bは、各電磁石装置16と各リニアアクチュエータ1
5とにより制御される浮動体12の位置を検出できる1
次元位置センサであって、浮動体12の上面側で周方向
の3箇所に2個1組として配置される。つまり、3個の
位置センサ14aは浮動体12との間の上下方向の距離
を検出し、残りの3個の位置センサ14bは浮動体12
の上面に各位置センサ14bに対応するように立設され
た検知板12bとの間の浮動体12の周方向における距
離を検出する。したがって、3個の位置センサ14aの
出力を総合すれば、Z軸方向の移動量とX軸回りおよび
Y軸回りの回転量とを検出することができ、3個の位置
センサ14bの出力を総合すれば、X軸方向およびY軸
方向の移動量とZ軸回りの回転量とを検出することがで
きる。
【0040】位置センサ14a,14bの出力に基づい
て力発生手段である電磁石装置16およびリニアアクチ
ュエータ15への操作量を制御するのは実施形態1と同
様であって、保持装置14により振動体2を保持した状
態で浮動体12が振動によって移動せず定位置に保たれ
るように電磁石装置16およびリニアアクチュエータ1
5の操作量が制御手段20(図1参照)によって求めら
れる。制御手段20はPID制御を行なっているが、必
要に応じて他の制御が採用される。ここにおいて、本実
施形態では振動体2の振動は6自由度であり、単一の振
動体2によるすべての方向の振動が許されているから、
浮動体12の移動方向を規制する手段は設けていない。
【0041】いま、説明を簡単にするために、3個のリ
ニアアクチュエータ15のみを制御する場合を示す。3
個のリニアアクチュエータ15は図4のように、周方向
において等間隔に配置される。また、XY平面内での移
動とZ軸回りの回転との制御が可能であって、各リニア
アクチュエータ15により反時計回り方向に力が発生
し、その力の大きさがそれぞれFa,Fb,Fcである
ものとする。このとき、X軸方向の力成分は、−Fa+
(Fb+Fc)× cos60°になり、Y軸方向の力成分
は、(−Fb+Fc)× cos30°になる。また、浮動
体12の中心の回りのトルクは(Fa+Fb+Fc)×
r(ただし、rはリニアアクチュエータ15の中心線と
浮動体12の中心との距離、つまりリニアアクチュエー
タ15を配置している円周の半径)になる。したがっ
て、振動体2の振動時に浮動体12を停止するように制
御していれば、リニアアクチュエータ15から発生する
力に基づいてX軸方向、Y軸方向、Z軸回りでの振動体
2の加振力を求めることができるのである。さらに、こ
れらの総和を求めることによって振動体2の全体の加振
力を求めることができる。また、各リニアアクチュエー
タ15により発生する力Fの大きさは、通電電流をIと
すればF=k×Iであり、電流−力変換係数kをあらか
じめ求めておけば、通電電流Iから容易に求めることが
できる。
【0042】一方、実施形態1と同様に、振動体2の振
動に伴って浮動体12が振動するように振動体2を支持
する力を弱くしておけば、位置センサ14a,14bの
出力にフーリエ変換を施すことによって振動の周波数分
析が可能になる。いま、説明を簡略化するために、図5
に示すように、浮動体12のXY平面内での位置とZ軸
回りの位置とを検出する位置センサ14a,14bの出
力に基づいて周波数分析を行なうものとする。また、本
実施形態では位置センサ14bは検知板12bとの距離
を測定するものであり、互いに交差する方向での位置検
出を行なっているが、リニアアクチュエータ15と同様
に角度補正を行なうことができるから、説明を簡単にす
るために同方向の位置検出を行なうものとする。
【0043】しかして、図5のように位置センサ14
a,14bを配置しているときには、X軸方向の位置は
位置センサ14bの検出値X1,X2の平均値(X1+
X2)/2であり、Y軸方向の位置は位置センサ14a
の検出値Yになる。また、回転角度θは tan-1((X2
−X1)/Lx)になる。ただし、Lxは位置センサ1
4bの間の距離である。
【0044】ところで、保持装置13は、図6に示すよ
うに、実施形態1と同様に一対の固定板13a,13b
と可動板13dと押圧ばね13cとを備えるほか、可動
板13dを固定板13bから引き離す向きに移動させる
ベルクランク13eを備える。つまり、可動板13dは
固定板13aを貫通するガイド13fを備え、ガイド1
3fにベルクランク13eの一端部が軸着されるととも
に、ベルクランク13eの屈曲部が固定板13aより突
出する軸受アーム13gに軸着されている。ベルクラン
ク13eの他端部は浮動体12の外周縁よりも外側まで
延長され、この他端部の下方の定位置にはシリンダが1
7が配置される。シリンダ17は上方に突出してベルク
ランク13eの上記他端部を上方に押し上げることがで
きるプランジャ17aを備え、図6(b)のようにプラ
ンジャ17aが突出した状態ではベルクランク13eに
よって可動板13dが固定板13bから引き離されるよ
うになっている。つまり、図6(b)のようにプランジ
ャ17aを突出させた状態で振動体2を保持装置13に
装着し、図6(a)のようにプンランジャ17aを後退
させれば振動体2を保持することができ、逆に振動体2
を保持した状態から図6(b)のようにプランジャ17
aを突出させれば振動体2を保持装置13から容易に外
すことができる。
【0045】図示していないが、振動体2の重量が大き
く加振力も大きい場合には、リニアアクチュエータ15
に代えて電磁石装置16を用いることによりすべての力
発生手段を電磁石装置16とすればよく、振動体2の重
量が小さく加振力も小さい場合には、電磁石装置16に
代えてリニアアクチュエータ15を用いることによりす
べての力発生手段をリニアアクチュエータ15とするこ
とが可能である。すべての力発生手段を電磁石装置16
とすれば浮動体12に大きな力を作用させて浮動体12
の位置を迅速に制御することができ、またすべての力発
生手段を双方向に直進駆動が可能なリニアアクチュエー
タとすれば吸引力のみを発生させる電磁石装置16を用
いる場合に比較すると小型化することができ、しかも入
力電流に対して生じる磁力が線形であるから制御が容易
になる。
【0046】本実施形態において、3個のリニアアクチ
ュエータ15を用いているが、図7のように、X軸方向
とY軸方向との力を発生する各2個ずつ合計4個のリニ
アアクチュエータ15を用いることも可能であって、こ
の場合のX軸方向の力、Y軸方向の力、Z軸回りのトル
クはそれぞれ次のようになり、乗算が少なくなる結果、
演算が容易になる。すなわち、図7に示す力Fa,F
b,Fc,Fdが発生すれば、各力はそれぞれ、−Fa
+Fc、−Fb+Fd、(Fa+Fb+Fc+Fd)×
rになる。
【0047】(実施形態3)本実施形態は、実施形態2
のものにおいて保持装置13を異なる構成としたもので
あって、図8のようにシリンダ17に代えて支持フレー
ム10に解除ピン18を立設してある。解除ピン18
は、浮動体12が振動体2の加振力の測定位置(図8に
Aで示す位置)まで浮上しているときにはベルクランク
13eに接触せず、振動体2の加振力の測定を行なわな
い位置(図8にBで示す位置)まで下降するとベルクラ
ンク13eに当接して浮動体12に対してベルクランク
13eの一端部を相対的に持ち上げる。つまり、浮動体
12が電磁石装置16によって浮上していない状態で、
上記B位置まで浮動体12を下降させるようにしておけ
ば、本実施形態の動作を実現することができる。他の構
成および動作は実施形態2と同様である。
【0048】ここに、実施形態2を採用すれば、浮動体
12を浮上させたままでシリンダ17の駆動よって振動
体2の着脱が行なえるから複数個の振動体2について次
々に加振力を検出する場合に作業効率がよいが、実施形
態3を採用すれば作業効率の点では実施形態2に劣るも
ののシリンダ17が不要であって構成が簡単であるとい
う利点が得られる。したがって、作業効率とコストとの
どちらを優先するかに応じて実施形態2と実施形態3と
のいずれかを採用することができる。
【0049】(実施形態4)実施形態2、3として示し
たものは力発生手段を6基設けており、各力発生手段は
浮動体12に対して複数個の復元要素を介して結合され
ていることになる。このように、加振力を発生する振動
体2と浮動体12との間に複数個の復元要素が存在する
と浮動体12の運動に連成が生じることがある。連成が
生じると振動解析が難しくなり、振動検出に要する作業
量が多くなるという問題が生じる。そこで、本実施形態
では、振動体2を含む浮動体12に結合されたすべての
部材の重心と、系の弾性中心とを一致させることによっ
て連成が生じないように調節する手段を設け、振動解析
を容易にし、もって少ない作業量で加振力の大きさおよ
び方向を正確に求めることができるようにしているので
ある。また、弾性中心の位置を調節することができるよ
うに、制御手段20は機械インピーダンスを制御する。
機械インピーダンスを制御する方法については後述す
る。
【0050】連成を生じさせずに振動体2の加振力を求
めることができるようにするために、本実施形態では保
持装置13による振動体2の保持位置の微調整を可能に
してある。つまり、図9および図10のように、保持装
置13として固定板13bに螺合するねじ部21aを備
えた第1調節板21と、固定板13a,13bに直交す
るように浮動体12の上面に立設した補助板13hに螺
合するねじ部22aを備えた第2調節板22と、浮動体
12に螺合するねじ部23aを備えた第3調節板23と
を付加している。第1調節板21と第2調節板22と第
3調節板23とは、それぞれ振動体2の異なる面に当接
可能であって、力発生手段の配置位置を基準にしたX軸
方向、Y軸方向、Z軸方向における振動体2の保持位置
の調節を可能にしている。第1調節板21と第2調節板
22と第3調節板23との各ねじ部21a,22a,2
3aにはナット21b,22b,23bが螺合し、ナッ
ト21b,22b,23bを固定板13b、補助板13
h、浮動体12に当接するように締めつけることによっ
て、ねじ部21a,22a,23aが回らないようにし
て第1調節板21と第2調節板22と第3調節板23と
を定位置に固定できるようにしてある。
【0051】第1調節板21と第2調節板22と第3調
節板23とによる振動体2の位置調節は、以下の手順で
行なう。まず、振動体2を保持装置13に取り付ける前
に振動体2を除く系の重心を弾性中心に一致させる。こ
のために、まず振動体2を保持しない状態で浮動体12
を定位置に浮上させる。この位置は制御手段20(図1
参照)に与えられる位置指令値によって設定され、力発
生手段と浮動体12との間の弾性係数(6×6のスティ
フネスマトリクス)が決まる。
【0052】次に、浮上した浮動体12に対して、図示
していない手段を用いてX軸方向、Y軸方向、Z軸方向
の直進力をそれぞれ作用させる。このときに、位置セン
サ14a,14bの出力を検出し、X軸回り、Y軸回
り、Z軸回りでの回転が生じているときには、重心位置
が弾性中心に一致していないことを意味するから、この
ような回転変位が減少するように制御手段20によりス
ティフネスマトリクスの各要素を変更することによって
弾性中心を移動させる。この操作によって振動体2が存
在しない状態での重心位置と弾性中心とを一致させるこ
とができる。
【0053】その後、浮動体12に振動体2を保持し、
振動体2が存在しない場合と同様にX軸方向、Y軸方
向,Z軸方向の直進力をそれぞれ作用させ、X軸回り、
Y軸回り、Z軸回りでの回転が生じるか否かを確認す
る。回転が生じているときには、第1調節板21と第2
調節板22と第3調節板23との位置を調節することに
よって振動体2の位置を調節し、振動体2の重心位置を
系の弾性中心の位置に一致させる。
【0054】以上のようにして振動体2を含む浮動体1
2に結合されたすべての部材の重心と系の弾性中心とを
一致させることができる。このように調節された状態で
は、浮動体12の運動に連成が生じることがなく、ステ
ィフネスマトリクスが対角行列になるのであって振動解
析が容易になる。つまり、振動解析が容易になることに
よって加振力の方向および大きさを簡単な処理で正確に
求めることができるのである。
【0055】(実施形態5)上述した各実施形態では、
力発生手段としてのリニアアクチュエータ15ないし電
磁石装置16により発生した力に基づいて振動体2の加
振力を求め、位置センサ14、14a,14bにより検
出した浮動体12の位置に基づいて振動体2の振動の周
波数分析を行なっているが、本実施形態では浮動体12
に加速度センサを付加し、加速度センサの出力を合わせ
て用いることによって周波数分析を行なうとともに、加
振力を求めることを可能にしている。
【0056】すなわち、振動体2の振動方向の加速度を
検出することができる加速度センサを浮動体12に設け
る。この加速度センサの出力は振動体2の加振力による
浮動体12の振動に一致するから、加速度センサの出力
をフーリエ変換することによって加振力を周波数分析す
ることが可能になる。加速度センサは必要に応じていろ
いろな方向の加振力を検出するように配置すればよい。
【0057】また、加速度センサを設けておけば、浮動
体12が振動する場合でも振動体2の加振力を求めるこ
とができる。つまり、振動体2を含む浮動体12の全体
の質量をM、加速度センサにより検出される加速度を
a、振動体2による加振力をFe、リニアアクチュエー
タ15ないし電磁石装置16により発生する力をFgと
すれば、Fe+Fg=a×Mの関係式が成立するから、
力発生手段であるリニアアクチュエータ15ないし電磁
石装置16に与える操作量に基づいて力Fgを求め、加
速度センサの出力を求めると、既知の質量を適用して加
振力Feを求めることができる。ただし、加速度センサ
を併用する場合には、加速度センサの周波数応答を考慮
する必要がある。他の構成および動作は実施形態1ない
し実施形態5に準じる。
【0058】(実施形態6)実施形態1ないし実施形態
4においては、浮動体12が振動しないように力発生手
段(リニアアクチュエータ15や電磁石装置16)によ
り保持した状態で、振動体2の加振力を求めていた。こ
れに対して、本実施形態では、振動体2を含む浮動体1
2の全体の質量Mをあらかじめ求め、力発生手段により
生じる力と浮動体12の移動との関係を表すモデルを設
定しておくことによって、位置センサ14,14a,1
4bにより検出した浮動体12の位置を2階微分して求
めた加速度aと、力発生手段に与える操作量から求めた
駆動力fとに基づいて振動体2の加振力を求めるように
してある。
【0059】つまり、上記モデルが決定されていれば、
位置センサ14,14a,14bの出力の2階微分によ
る加速度aと浮動体12の全体の質量Mとから、浮動体
12に作用している力が求められる。ここで、浮動体1
2に作用する力は、力発生手段による駆動力fと振動体
2の加振力Fとの合成力であり、力発生手段により生じ
る駆動力fは操作量によって決定されるから、浮動体1
2に作用する力のうち駆動力fの成分を除去すれば、振
動体2の加振力の推定値F′を求めることができる。
【0060】いま、アクチュエータ15を力発生手段に
用いる場合について考えると、アクチュエータ15は入
力電流と出力される駆動力fとの関係が線形であるか
ら、図11に示すように、制御手段20に設けた検出器
Bにおいて、操作量i(電流値)に電流−力変換係数k
を乗じることによって駆動力fを求める変換部31を設
ける。また、浮動体12に作用する力を求めるために、
振動検出装置1の位置センサ14(14b)により検出
された変位xを2階微分して加速度aを求め浮動体12
の質量Mと乗算する力演算部32を設ける。変換部31
および力演算部32の出力は、それぞれ雑音成分を除去
するためにローパスフィルタ33,34を通され、求め
られた出力値は減算器35に入力される。上述のよう
に、浮動体12に作用する全体の力は加振力と駆動力f
との合成力であるから、減算器35では力演算部32の
出力から駆動量fを減算することによって振動体2の加
振力の推定値F′を求めることができるのである。
【0061】力発生手段に電磁石装置16を用いるとき
には駆動力fは電流−力変換係数kを乗じるだけでは求
めることができないが、上述のように理論式や近似式を
適用することで求めることができる。本実施形態は、実
施形態1のように振動体2の振動が1自由度である場合
だけではなく、実施形態2ないし実施形態4のように6
自由度である場合にも拡張することができる。ただし、
その場合には各力発生手段により生じる力の方向と系の
座標軸の方向とが異なるから、座標系を一致させるため
に力を座標変換する。この種の座標変換は一般的なもの
であり、各座標軸方向の直進力と各座標軸回りの回転力
とをそれぞれfx′,fy′,fz′,fxθ′,fy
θ′,fzθ′とし、各力発生手段により生じる駆動力
をそれぞれf1 ,f2 ,f3 ,f4 ,f 5 ,f6 とすれ
ば、座標変換行列は6×6のマトリクスになり、数1の
ように表すことができる。
【0062】
【数1】
【0063】また、振動体2を含む浮動体12に関する
イナーシャマトリクス(慣性行列)は上記モデルの設定
によって既知であるから、位置センサ14a,14bの
出力の2階微分により求めた加速度a1 ,a2 ,a3
4 ,a5 ,a6 により、振動体2の各成分の加振力f
x,fy,fz,fxθ,fyθ,fzθは、数2の関
係式で表される。
【0064】
【数2】
【0065】一例として、実施形態2の振動検出装置1
においてリニアアクチュエータ15のみを用いるものと
し、本実施形態の技術を適用した場合を想定すると、数
3のようにして加振力fx,fy,fzθを求めること
ができる。
【0066】
【数3】
【0067】数3においてLPF(s)はローパスフィ
ルタ33,34の特性を示し、k1〜k3 は各リニアア
クチュエータ15の電流−力変換係数、ia〜icは各
リニアアクチュエータ15への通電電流、Mは振動体2
などを含む浮動体12の全体の質量、Iは振動体2など
を含む浮動体12の全体の慣性モーメント、X1,X
2,Lx,rは、図4、図5に示したものと同様であ
る。
【0068】以上説明したように本実施形態では力発生
手段と浮動体12とのモデルを設定し、このモデルを用
いることにより、加振力を推定するのである。この構成
によれば、浮動体12が振動していても加振力を求める
ことができる。 (実施形態7)本実施形態は、実施形態6の検出器Bに
加えて、制御手段20において機械インピーダンスを制
御する方式を採用している。つまり、検出器Bにおいて
検出した加振力に基づいて浮動体12の動作を、設定し
た機械インピーダンスによって定まる動作になるように
制御するのである。この動作のために、図12のよう
に、インピーダンス設定器Cを備え、検出器Bで求めた
加振力に基づいて機械インピーダンス(質量、粘性、剛
性)を設定し、制御手段20におけるコントローラDに
指令値として与える。
【0069】インピーダンス設定器Cは、図13に示す
ように、仮想的な質量Mv、粘性係数Dv、ばね定数K
vを設定でき、数4の演算を行なうように構成されてい
る。数4では位置指令値X(s) が求められる。
【0070】
【数4】
【0071】つまり、インピーダンス設定器Cは、質量
Mv、粘性係数Dv、ばね定数Kvをそれぞれ設定する
3個の乗算器41〜43を備え、粘性係数Dv、ばね定
数Kvを設定する乗算器42,43の出力は加算器44
で加算され、さらに加算結果は検出器Bより出力された
加振力fから減算器45で減算される。減算結果は、乗
算器41に入力されて質量Mvの逆数が乗算される(質
量Mvで除算される)。つまり、入力された力を質量M
vで除算するから、乗算器41の出力は加速度であって
加速度指令値として用いられる。また、乗算器41の出
力は積分器46で積分され、速度指令値として用いられ
る。また、乗算器42においては速度指令値に粘性係数
Dvを乗算する。さらに、速度指令値は積分器47にお
いて積分され、位置指令値X(s) として用いられる。位
置指令値は乗算器43においてばね定数Kvと乗算され
る。
【0072】このように、インピーダンス設定器Cを用
いることによって、設定した機械インピーダンスに応じ
て浮動体12の動きを制御することができる。たとえ
ば、浮動体12の応答を制御することができるのであっ
て、粘性や剛性を制御することにより加振力に対する浮
動体12の振幅を調節することができ、結果的に加振力
の検出精度を調節することが可能になる。また、振動体
2の定常状態の振動検出を行なう場合に、振動を開始し
た直後と定常状態との機械インピーダンスを変えること
によって整定時間を短縮することができる。さらに、イ
ンピーダンス設定器Cにおいて振動体2の質量と等しく
質量を設定すれば、浮動体12の質量に影響されること
なく振動を検出することができる。
【0073】本実施形態において、質量Mv、粘性係数
Dv、ばね定数Kvは、振動体2の振動が複数の自由度
を持つときにはマトリクスとして設定すればよく、たと
えば6自由度であれば6×6のマトリクス(イナーシャ
マトリクス(慣性行列)、ダンピングマトリクス(粘性
行列)、スティフネスマトリクス(剛性行列))を用い
ればよい。
【0074】
【発明の効果】請求項1の発明は、振動を発生する振動
体の加振力を検出する振動検出装置であって、定位置に
固定された支持フレームと、振動体を保持する保持手段
と、保持手段に結合され支持フレームに対して振動体よ
り生じる加振力の作用方向に移動自在な浮動体と、浮動
体を支持フレームに対して非接触で支持するとともに上
記作用方向にのみ移動可能となるように浮動体の移動方
向を規制する支持手段と、支持フレームの定位置に配置
され上記作用方向における浮動体の位置を検出する位置
検出手段と、支持フレームの定位置に配置され支持フレ
ームと浮動体とを非接触に保った状態で上記作用方向に
おける外力を浮動体に作用させる力発生手段と、位置検
出手段による検出位置を定位置付近に保つように力発生
手段により発生する外力を振動体により生じる加振力の
抑制方向に制御する制御手段とを備え、制御手段より力
発生手段に与える操作量に基づいて振動体の加振力を検
出するものであり、振動体を保持した浮動体を支持フレ
ームに対して非接触で支持するから、振動体の振動を摩
擦によって損失させることなく正確に測定することがで
きるという利点がある。しかも、支持手段は浮動体の移
動方向を規制するから振動の検出が不要な方向に浮動体
が傾くことがなく、浮動体の傾きによる測定誤差を防止
することができるという利点がある。
【0075】請求項2の発明は、加振力が1自由度で作
用する振動体に適用され、支持手段は浮動体を1自由度
に移動規制し、位置検出手段は浮動体の自由度に応じて
位置検出するとともに、力発生手段は浮動体に1自由度
の外力を作用させるものであり、振動体の振動に摩擦に
よる減衰を生じさせず、また浮動体の移動規制を行なう
ことで測定誤差の発生を防止することができるという利
点がある。
【0076】請求項3の発明は、複数自由度の振動を発
生する振動体の加振力を検出する振動検出装置であっ
て、定位置に固定された支持フレームと、振動体を保持
する保持手段と、保持手段に結合され支持フレームに対
して振動体より生じる加振力が作用するすべての方向に
移動自在な浮動体と、支持フレームの定位置に配置され
加振力が作用するすべての方向における浮動体の位置を
検出する位置検出手段と、支持フレームの定位置に配置
され支持フレームと浮動体とを非接触に保った状態で上
記作用方向における外力を浮動体に作用させる力発生手
段と、位置検出手段による検出位置を定位置付近に保つ
ように力発生手段により発生する外力を振動体により生
じる加振力の抑制方向に制御する制御手段とを備え、制
御手段より力発生手段に与える操作量に基づいて振動体
の加振力を検出するものであり、請求項1の発明と同様
に摩擦による損失がなく正確な測定が可能になるという
利点がある。請求項4の発明は、互いに直交する3軸方
向と各軸回りの回転との6自由度の振動を発生する振動
体の加振力を検出する振動検出装置であって、定位置に
固定された支持フレームと、振動体を保持する保持手段
と、保持手段に結合され支持フレームに対して振動体よ
り生じる加振力が作用するすべての方向に移動自在な浮
動体と、支持フレームの定位置に配置され加振力が作用
するすべての方向における浮動体の位置を検出する位置
検出手段と、支持フレームの定位置に配置され支持フレ
ームと浮動体とを非接触に保った状態で上記作用方向に
おける外力を浮動体に作用させる力発生手段と、位置検
出手段による検出位置を定位置付近に保つように力発生
手段により発生する外力を振動体により生じる加振力の
抑制方向に制御する制御手段とを備え、制御手段より力
発生手段に与える操作量に基づいて振動体の加振力を検
出するものであり、1つの振動体について許されるすべ
ての方向に力を発生させることができ、またすべての方
向の位置を検出することができるから、浮動体の移動方
向を規制する必要はなく、請求項1の発明と同様に摩擦
による損失がなく正確な測定が可能になるという利点が
ある。
【0077】請求項5の発明では、力発生手段は、直流
電流値に応じて磁性体よりなる浮動体との間で吸引力を
作用させる電磁石装置であり、比較的大きい力を発生さ
せることができるから、振動体や浮動体の重量が大きい
場合に有効である請求項6の発明では、力発生手段
は、永久磁石と永久磁石により形成される磁路の一部が
挿通される空心コイルとを備えたリニアアクチュエータ
であって、空心コイルに流す直流電流値に応じて空心コ
イルが永久磁石に対して直進的に移動するのであり、電
磁石に比較すると発生する力が小さいが、通電電流の変
化によって往復移動が可能になるから移動方向ごとに力
発生手段を要するものに比較して省スペースであり、し
かも通電電流と出力される力との関係が線形であるから
制御が容易になるという利点がある。
【0078】請求項7の発明では、一部の力発生手段
は、直流電流値に応じて磁性体よりなる浮動体との間で
吸引力を作用させる電磁石装置であり、他の力発生手段
は、永久磁石と永久磁石により形成される磁路の一部が
挿通される空心コイルとを備えたリニアアクチュエータ
であって、空心コイルに流す直流電流値に応じて空心コ
イルが永久磁石に対して直進的に往復移動するのであ
り、電磁石装置とリニアアクチュエータとを組み合わせ
て用いるから、荷重のかかる部分では電磁石装置を用い
るようにし、荷重のかからない部分ではリニアアクチュ
エータを用いるようにすれば、比較的小型でありながら
重量の大きい振動体の測定が可能になるという利点があ
る。
【0079】請求項8の発明では、浮動体は磁性体より
なる板状体であって、電磁石装置は浮動体の厚み方向の
両側に配置されかつ浮動体の厚み方向に直交する一直線
上で浮動体に対する吸引力を作用させる一対の電磁石か
らなるのであり、浮動体に対しては両側の電磁石が拮抗
する吸引力を作用させるから、浮動体を高速に移動させ
ることができ、結果的に振動体が高周波で振動する場合
でも対応可能になるという利点がある。
【0080】請求項9の発明では、保持手段は、振動体
を挟む定位置に対向して配置された一対の固定板と、一
方の固定板に保持され他方の固定板との距離が可変であ
って上記他方の固定板との間に振動体を挟持する可動板
と、支持フレームに固定され可動板の上記他方の固定板
との距離を変化させるシリンダとから成り、シリンダの
駆動によって振動体の保持装置への着脱が容易になり、
複数の振動体を次々に測定する際に作業効率が高くなる
という利点がある。
【0081】請求項10の発明では、保持手段は、振動
体を挟む定位置に対向して配置された一対の固定板と、
一方の固定板に保持され他方の固定板との距離が可変で
あって上記他方の固定板との間に振動体を挟持する可動
板と、支持フレームに固定され浮動体が所定位置に移動
したときに可動板を上記他方の固定板から引き離して振
動体の挟持を解除させる解除ピンとから成り、振動体の
保持装置への着脱が容易になって、測定時の作業効率が
よいという利点がある。
【0082】請求項11の発明では、振動体を除く浮動
体の全体の重心と振動体の重心とが一致するとともに、
浮動体を支持する系の弾性中心が浮動体の全体の重心と
一致するので、振動に連成が発生せず振動の解析が容易
になる。請求項12の発明では、浮動体に対する振動体
の保持位置を調節する重心調節手段を浮動体に設けてい
るので、浮動体に対する振動体の重心位置を調節するこ
とができ、連成が生じないような位置に振動体を位置さ
せることによって、振動の解析が容易になる。
【0083】請求項13の発明では、振動を発生する振
動体を含む浮動体を力の向きおよび大きさを調節するこ
とができる力発生手段により非接触で支持するととも
に、振動体の振動に伴う浮動体の位置の変位を位置検出
手段により検出し、位置検出手段により検出した位置の
変位を抑制する方向に力発生手段による力の向き及び大
きさを調節し、位置検出手段により検出した位置の変位
と力発生手段により発生させる力の向きおよび大きさと
の少なくとも一方に基づいて振動体の振動に関する情報
を検出するので、非接触で振動体を支持するから摩擦に
よる振動の損失が発生せず振動に関する情報を正確に検
出することができるとともに、振動体を非接触で支持し
た状態であっても、位置検出手段で検出した位置や力発
生手段で発生する力の向きおよび大きさを用いて振動体
の振動に関する情報を間接的な手法で正確に検出するこ
とができるという効果がある。
【0084】請求項14の発明では、位置検出手段によ
り検出した位置の変位に基づいて振動体の振動の周波数
成分を分析し、請求項15の発明では、力発生手段によ
り発生させる力の向きおよび大きさに基づいて振動体の
加振力を求めるのであって、振動の周波数成分や加振力
を求めることができる。請求項16の発明では、振動体
とともに振動する部位に振動体の振動方向の加速度を検
出する加速度センサを付加し、加速度センサの出力に基
づいて振動体の振動の周波数成分を分析するので、加速
度センサを付加したことによって、振動体の振動の周波
数分析に関しては簡単な処理になる。また、加速度セン
サは低周波成分の検出には不都合があるが、位置検出手
段の出力に基づく周波数分析と併用することによって、
より正確な周波数分析が可能になる。
【0085】請求項17の発明では、力発生手段により
発生する力の向きおよび大きさを指示する操作量に対す
る位置検出手段により検出した位置の応答に基づいて振
動体の加振力を推定する検出器を備えから、検出器にお
いて加振力を推定することができ、位置検出手段以外に
はセンサを用いることなく加振力を求めることができ
る。つまり、位置検出手段としては非接触で微小な位置
変位を高速に検出することができるものが比較的安価に
提供されているから、この種のセンサを用いて振動を求
めることにより、低コストながらも正確に加振力を検出
することができるという利点がある。
【0086】請求項18の発明では、請求項13の発明
において、加振力に基づいて指令値を演算し、力発生手
段を制御する制御手段に該指令値を与えるインピーダン
ス設定器を備え、インピーダンス設定器に所定の機械イ
ンピーダンスを設定し、振動体を含む浮動体の動作が設
定した機械インピーダンスによって定まる動作になるよ
うに制御するから、機械インピーダンスの制御によって
振動体の振動の抽出が容易になる。つまり、振動体の振
動を強調したり、他の振動成分を抑制するなどの操作が
容易に行なえるという利点がある。請求項19の発明で
は、振動体の振動を測定する期間において機械インピー
ダンスを変更するから、振動体の振動開始時と定常動作
時とで機械インピーダンスを変更するなど振動の各状態
において機械インピーダンスを変更することによって、
整定時間を短縮するなど所望の振動状態に迅速に移行さ
せることが可能になるという利点がある。
【0087】請求項20の発明では、機械インピーダン
スのうちの質量成分を振動体の質量に一致させるもので
あり、機械インピーダンスの調節によって振動体以外の
質量成分を除去するから、振動体の固有の振動を正確に
測定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】実施形態2を示す一部切欠した斜視図図であ
る。
【図3】実施形態2を示す支持フレームを除く平面図で
ある。
【図4】実施形態2の動作説明図である。
【図5】実施形態2の動作説明図である。
【図6】実施形態2における保持装置の動作説明図であ
る。
【図7】実施形態2の他の配置例の動作説明図である。
【図8】実施形態3における保持装置の動作説明図であ
る。
【図9】実施形態4を示す支持フレームを除く平面図で
ある。
【図10】実施形態4を示す要部側面図である。
【図11】実施形態6を示す要部ブロック図である。
【図12】実施形態7を示すブロック図である。
【図13】実施形態7を示す要部ブロック図である。
【符号の説明】 1 振動検出装置 2 振動体 10 支持フレーム 11 空気軸受 12 浮動体 13 保持装置 14 位置センサ 15 リニアアクチュエータ 16 電磁石装置 20 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−103286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 15/00 G01H 11/00 G01H 17/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を発生する振動体の加振力を検出す
    る振動検出装置であって、定位置に固定された支持フレ
    ームと、振動体を保持する保持手段と、保持手段に結合
    され支持フレームに対して振動体より生じる加振力の作
    用方向に移動自在な浮動体と、浮動体を支持フレームに
    対して非接触で支持するとともに上記作用方向にのみ移
    動可能となるように浮動体の移動方向を規制する支持手
    段と、支持フレームの定位置に配置され上記作用方向に
    おける浮動体の位置を検出する位置検出手段と、支持フ
    レームの定位置に配置され支持フレームと浮動体とを非
    接触に保った状態で上記作用方向における外力を浮動体
    に作用させる力発生手段と、位置検出手段による検出位
    置を定位置付近に保つように力発生手段により発生する
    外力を振動体により生じる加振力の抑制方向に制御する
    制御手段とを備え、制御手段より力発生手段に与える操
    作量に基づいて振動体の加振力を検出することを特徴と
    する振動検出装置。
  2. 【請求項2】 加振力が1自由度で作用する振動体に適
    用され、支持手段は浮動体を1自由度に移動規制し、位
    置検出手段は浮動体の自由度に応じて位置検出するとと
    もに、力発生手段は浮動体に1自由度の外力を作用させ
    ることを特徴とする請求項1記載の振動検出装置。
  3. 【請求項3】 複数自由度の振動を発生する振動体の加
    振力を検出する振動検出装置であって、定位置に固定さ
    れた支持フレームと、振動体を保持する保持手段と、保
    持手段に結合され支持フレームに対して振動体より生じ
    る加振力が作用するすべての方向に移動自在な浮動体
    と、支持フレームの定位置に配置され加振力が作用する
    すべての方向における浮動体の位置を検出する位置検出
    手段と、支持フレームの定位置に配置され支持フレーム
    と浮動体とを非接触に保った状態で上記作用方向におけ
    る外力を浮動体に作用させる力発生手段と、位置検出手
    段による検出位置を定位置付近に保つように力発生手段
    により発生する外力を振動体により生じる加振力の抑制
    方向に制御する制御手段とを備え、制御手段より力発生
    手段に与える操作量に基づいて振動体の加振力を検出す
    ることを特徴とする振動検出装置。
  4. 【請求項4】 互いに直交する3軸方向と各軸回りの回
    転との6自由度の振動を発生する振動体の加振力を検出
    する振動検出装置であって、定位置に固定された支持フ
    レームと、振動体を保持する保持手段と、保持手段に結
    合され支持フレームに対して振動体より生じる加振力が
    作用するすべての方向に移動自在な浮動体と、支持フレ
    ームの定位置に配置され加振力が作用するすべての方向
    における浮動体の位置を検出する位置検出手段と、支持
    フレームの定位置に配置され支持フレームと浮動体とを
    非接触に保った状態で上記作用方向における外力を浮動
    体に作用させる力発生手段と、位置検出手段による検出
    位置を定位置付近に保つように力発生手段により発生す
    る外力を振動体により生じる加振力の抑制方向に制御す
    る制御手段とを備え、制御手段より力発生手段に与える
    操作量に基づいて振動体の加振力を検出することを特徴
    とする振動検出装置。
  5. 【請求項5】 力発生手段は、直流電流値に応じて磁性
    体よりなる浮動体との間で吸引力を作用させる電磁石装
    置であることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載
    の振動検出装置。
  6. 【請求項6】 力発生手段は、永久磁石と永久磁石によ
    り形成される磁路の一部が挿通される空心コイルとを備
    えたリニアアクチュエータであって、空心コイルに流す
    直流電流値に応じて空心コイルが永久磁石に対して直進
    的に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項4
    記載の振動検出装置。
  7. 【請求項7】 一部の力発生手段は、直流電流値に応じ
    て磁性体よりなる浮動体との間で吸引力を作用させる電
    磁石装置であり、他の力発生手段は、永久磁石と永久磁
    石により形成される磁路の一部が挿通される空心コイル
    とを備えたリニアアクチュエータであって、空心コイル
    に流す直流電流値に応じて空心コイルが永久磁石に対し
    て直進的に移動することを特徴とする請求項3または請
    求項4記載の振動検出装置。
  8. 【請求項8】 浮動体は磁性体よりなる板状体であっ
    て、電磁石装置は浮動体の厚み方向の両側に配置されか
    つ浮動体の厚み方向に直交する一直線上で浮動体に対す
    る吸引力を作用させる一対の電磁石からなることを特徴
    とする請求項5または請求項7記載の振動検出装置。
  9. 【請求項9】 保持手段は、振動体を挟む定位置に対向
    して配置された一対の固定板と、一方の固定板に保持さ
    れ他方の固定板との距離が可変であって上記他方の固定
    板との間に振動体を挟持する可動板と、支持フレームに
    固定され可動板の上記他方の固定板との距離を変化させ
    るシリンダとから成ることを特徴とする請求項1ないし
    請求項4記載の振動検出装置。
  10. 【請求項10】 保持手段は、振動体を挟む定位置に対
    向して配置された一対の固定板と、一方の固定板に保持
    され他方の固定板との距離が可変であって上記他方の固
    定板との間に振動体を挟持する可動板と、支持フレーム
    に固定され浮動体が所定位置に移動したときに可動板を
    上記他方の固定板から引き離して振動体の挟持を解除さ
    せる解除ピンとから成ることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4記載の振動検出装置。
  11. 【請求項11】 振動体を除く浮動体の全体の重心と振
    動体の重心とが一致するとともに、浮動体を支持する系
    の弾性中心が浮動体の全体の重心と一致することを特徴
    とする請求項1ないし請求項4記載の振動検出装置。
  12. 【請求項12】 浮動体に対する振動体の保持位置を調
    節する重心調節手段を浮動体に設けたことを特徴とする
    請求項1ないし請求項4記載の振動検出装置。
  13. 【請求項13】 振動を発生する振動体を含む浮動体
    力の向きおよび大きさを調節することができる力発生手
    段により非接触で支持するとともに、振動体の振動に伴
    浮動体の位置の変位を位置検出手段により検出し、位
    置検出手段により検出した位置の変位を抑制する方向に
    力発生手段による力の向き及び大きさを調節し、位置検
    出手段により検出した位置の変位と力発生手段により発
    生させる力の向きおよび大きさとの少なくとも一方に基
    づいて振動体の振動に関する情報を検出することを特徴
    とする振動検出方法。
  14. 【請求項14】 位置検出手段により検出した位置の変
    位に基づいて振動体の振動の周波数成分を分析すること
    を特徴とする請求項13記載の振動検出方法。
  15. 【請求項15】 力発生手段により発生させる力の向き
    および大きさに基づいて振動体の加振力を求めることを
    特徴とする請求項13記載の振動検出方法。
  16. 【請求項16】 振動体とともに振動する部位に振動体
    の振動方向の加速度を検出する加速度センサを付加し、
    加速度センサの出力に基づいて振動体の振動の周波数成
    分を分析することを特徴とする請求項13記載の振動検
    出方法。
  17. 【請求項17】 力発生手段により発生する力の向きお
    よび大きさを指示する操作量に対する位置検出手段によ
    り検出した位置の応答に基づいて振動体の加振力を推定
    する検出器を備えることを特徴とする請求項13記載の
    振動検出方法。
  18. 【請求項18】 加振力に基づいて指令値を演算し、力
    発生手段を制御する制御手段に該指令値を与えるインピ
    ーダンス設定器を備え、インピーダンス設定器に所定の
    機械インピーダンスを設定し、振動体を含む浮動体の動
    作が設定した機械インピーダンスによって定まる動作に
    なるように制御することを特徴とする請求項13記載の
    振動検出方法。
  19. 【請求項19】 振動体の振動を測定する期間において
    機械インピーダンスを変更することを特徴とする請求項
    18記載の振動検出方法。
  20. 【請求項20】 機械インピーダンスのうちの質量成分
    を振動体の質量に一致させることを特徴とする請求項1
    8記載の振動検出方法。
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