JP2002087115A - 車室内のフロント側隙間隠し用意匠パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ステアリングコラムの前後揺動時に
捩れたり、捲れたりすることがなく、かつメータクラス
タパネルとステアリングコラムの隙間を確実に覆って隠
すことができ、見栄に優れた車室内のフロント側隙間隠
し用意匠パネルを提供することを課題とする。 【解決手段】本発明の車室内のフロント側隙間隠し用意
匠パネル１は、横長で巾方向Ｗの上方領域ｗ１を形成す
る硬い板状の固定部３ａ及び巾方向Ｗの下方領域ｗ２を
形成する弾性変形可能な板状の可動部３ｃとを一体的に
成形した成形体２よりなり、車室内のフロント側でメー
タクラスターパネル５とステアリングコラム６との間に
配置され、メータクラスターパネル５とステアリングコ
ラム６との隙間Ｓを可動部３ｃで覆うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車室内のフロント
側意匠カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、図７、図８に示す車室内のフロ
ント側でメータフードＦ及びメータＭの下方位置に配置
されたメータクラスターパネル５とステアリングコラム
６との間は、ハンドルＨ及びステアリングコラム６の上
下揺動操作に伴い、前記上下揺動量に応じた隙間Ｓ（図
８参照）が形成され、この隙間Ｓから奥行き前方が視認
されるため、見栄えが悪い。

【０００３】そこで、従来の場合には、前記隙間Ｓから
奥行き前方が視認できないようにするための配慮とし
て、例えば、メータクラスタパネル５の下端に熱カシメ
方式や、引っかけ方式などによりゴム製シート（図示せ
ず、以下同じ）を垂らしステアリングコラム６の前方側
を覆っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のメ
ータクラスタパネル５の下端側から垂らしたゴム製シー
トは、柔軟であり剛性が低いため、ステアリングコラム
６の前後揺動時に伴って捩れたり、車室に捲れたりする
ことがある。この場合には、メータクラスターパネル５
の下方位置の奥行き前方の視認防止機能が得られず、前
記見栄えが悪くなることがある。従って、なお改善の余
地がある。

【０００５】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
で、ステアリングコラムの前後揺動時に捩れたり、捲れ
たりすることがなく、かつメータクラスタパネルとステ
アリングコラムの隙間を確実に覆って隠すことができ、
見栄に優れた車室内のフロント側隙間隠し用意匠パネル
を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の車室内のフロン
ト側隙間隠し用意匠パネルは、横長で巾方向の上方領域
を形成する硬い板状の固定部及び該巾方向の下方領域を
形成する弾性変形可能な板状の可動部とを一体的に成形
した成形体よりなり、車室内のフロント側でメータクラ
スターパネルとステアリングコラムとの間に配置され、
該メータクラスターパネルと該ステアリングコラムとの
隙間を該可動部で覆うことを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の車室内のフロント側隙間
隠し用意匠パネルは、車室内のフロント側でメータクラ
スターパネルとステアリングコラムとの間の取り付け位
置に固定保持される。

【０００８】この場合、固定部は、硬い板状であるた
め、所定の剛性を確保でき捩れを発生させることがな
い。

【０００９】また、可動部は、車室に対向する表面側の
一部をステアリングコラムに当接させた状態に配置さ
れ、メータクラスターパネルとステアリングコラムとの
隙間を覆い、かつメータクラスターパネル下方奥行きが
視認できない状態を保持することができる。

【００１０】すなわち、可動部は、弾性変形可能な板状
であるため、ステアリングコラムの上下揺動に伴う位置
移動に追従し、かつステアリングコラムに当接して前記
隙間を覆った状態のまま、弾性変形しあるいはその反力
で元の形状及び位置に戻ることができ、捩れや、捲れを
発生することがない。

【００１１】従って、本発明の車室内のフロント側隙間
隠し用意匠パネルは、ステアリングコラムの上下揺動に
伴う、メータクラスターパネルとの隙間の大きさの変化
が発生しようとしても、ステアリングコラムの上下揺動
に追従する可動部によって、メータクラスターパネル下
方奥行きが車室側からの視認されることを常に防止する
ことができ、車室内のフロント側の意匠性及び見栄えを
向上することができる。

【００１２】前記成形体は、前記固定部と前記可動部と
を一体的に形成するもので射出成形あるいはプレス成形
することによって得ることができる。

【００１３】前記固定部は、前記可動部よりも厚いもの
を用いることができる。この場合には、固定部の硬さ及
び剛性を可動部よりも高めることができ、かつより確実
に定位置に固定保持できる。

【００１４】すなわち、固定部の厚さとしては、固定部
自身が弾性変形しにくく、捩れを発生しないほどの剛性
を備えて車体の取り付け定位置に確実に固定保持でき、
かつ下方に連設させた可動部を定位置に保持できるもの
であればよい。

【００１５】前記固定部は、裏側に剛性を高めるリブを
もつことができる。リブは、固定部固定部及び可動部の
射出成形時に同じ材料で一体成形することや、あるいは
異なる材料をインサート一体成形することができる。

【００１６】前記可動部は、表面側の一部がステアリン
グコラムに当接し、かつ固定部とともに前記隙間を覆っ
た状態で用いられる。可動部の厚さは、固定部よりも薄
いものであって、ステアリングコラムに当接した状態
で、かつステアリングコラムの上下揺動に追従する機能
を得る必要から、弾性変形及び弾性変形に伴い発生する
弾性反力で元の形状に戻ることができ、かつ揺動する機
能が得られるものであればよい。

【００１７】前記可動部は、裏側に弾性変形時の反力を
高める板バネをもつものを用いることができる。この場
合、可動部は、ステアリングコラムの上下揺動による位
置移動に対し、弾性変形時の反力でステアリングコラム
を押して元の形状に戻る側への追従移動が板バネの付勢
作用によって早く、確実にできる。また、可動部は、板
バネの付勢作用を利用できる分、厚さを薄くすることが
できる。

【００１８】板バネは、一部を成形体の固定部に当接さ
せた状態で可動部の裏側に配置される。

【００１９】板バネは、例えば、前記可動部の長手方向
に沿い所定間隔を隔てた複数位置に設けることができ
る。また、可動部の裏側に板バネを固定保持する手段と
しては、例えば、固定部に形成されたリブあるいは可動
部の裏側に形成されたボス（突起や突部など）に、板バ
ネに形成した孔を挿通した後、ワッシャーを装着して固
定することや、ボスを熱カシメすることや、可動部の裏
側に両面テープにより貼付することや、成形体の射出成
形時に板バネの一部を固定部あるいは可動部にインサー
ト成形することができる。

【００２０】

【実施例】図１〜図６に基づき実施例の車室内のフロン
ト側隙間隠し用意匠パネル１（以下、意匠パネル１と称
す））を説明する。

【００２１】図１及び図２に示す意匠パネル１は、射出
成形体２と、板バネ４よりなる。

【００２２】射出成形体２は、成形材料として熱可塑性
エラストマー（ＰＶＣ、ＴＰＯ、ＴＰＳなど）、または
ゴム（ＥＰＤＭ、ＮＢＲ、ＮＲなど）を用い、図略の成
形型により固定部３ａ及びリブ３ｂ、可動部３ｃを一体
的に射出成形したものである。

【００２３】この射出成形体２は、横長で長手方向Ｐ及
び巾Ｗ方向の寸法を所定の値に設定されるとともに、車
室内フロント側の意匠面に対応し、その一部を形成する
正面形状（図１参照）を備えたものである。

【００２４】固定部３ａは、射出成形体２の巾Ｗ方向の
上方領域ｗ１（図１参照）を形成する。固定部３ａは、
弾性変形を抑えるため、図３に示されるように側面から
みて略逆く字形板状で厚さｔ１を３ｍｍと厚くして硬
く、かつ剛性を備える形状である。この固定部３ａに
は、さらに剛性を高めるため、その裏面３１ａ（図２、
図３参照）を補強するリブ３ｂが一体的に設けられてい
る。

【００２５】また固定部３ａには、車体に取り付けるた
めの横長孔３２ａが複数個、形成されている。

【００２６】リブ３ｂは、長手方向Ｐに伸びる固定部３
ａと可動部３ｃとの境界ｅ（図２参照）に沿って形成さ
れた横位置リブ３０ｂと、横位置リブ３０ｂより上方に
延びかつ長手方向Ｐに所定の間隔に設けられた複数の縦
位置リブ３１ｂとよりなる。横位置リブ３０ｂには、後
記する板バネ４を固定、保持するための突起３００ｂ
（図２参照）が設けられている。

【００２７】可動部３ｃは、固定部３ａに一体的に連設
されており、かつ射出成形体２の巾Ｗ方向の下方領域ｗ
２（図１参照）を形成する。可動部３ｃは、弾性変形可
能な板状に形成するため、図３に示されるように、表面
３０ｃが固定部３ａの表面３０ａと面一（同一面）を形
成し、裏面３１ｃが固定部３ａの裏面３１ａより窪んだ
形状であり、厚さｔ２を１ｍｍと薄い板状としたもので
ある。可動部３ｃは、裏面３１ｃ側に約９０度に屈曲す
る端部３２ｃをもつ。この端部３２ｃは、可動部３ｃの
弾性変形時に捩じれを発生させないほどの剛性を確保す
るフランジとして機能する。

【００２８】複数個の板バネ４は、厚さ約０．１ｍｍ〜
約０．３ｍｍの板バネ材を加工したもので、図２に示さ
れるように、略四角形の板４０の一辺側に形成された横
長孔４００をその横長方向に沿って中央を横切る位置で
約９０度に屈曲させて前記横位置リブ３０ｂに係合させ
る取り付け部４１と、横位置リブ３０ｂの突起３００ｂ
に挿通するための取り付け部４１の左右中央に形成され
た孔４１０と、板４０の前記一辺側に対向する他辺側を
取り付け部４１と向かい合わせになるように約４５度に
屈曲させた屈曲部４２が形成されている。

【００２９】各板バネ４は、取り付け部４１の孔４１０
を前記横位置リブ３０ｃの突起３００ｃに挿通し、取り
付けられた後、突起３００ｃを熱カシメすることによっ
て固定保持される。

【００３０】前記のように構成された意匠パネル１は、
図４及び図７に示す車室内のフロント側でメータクラス
ターパネル５とステアリングコラム６との間で予め定め
られた取り付け位置にセットされる。

【００３１】この場合、射出成形体２の上方領域ｗ１を
形成する固定部３ａは、図５及び図６に示すように、取
り付け用の各横長孔３２ａをボルトＯに挿通した後、ボ
ルトＯに螺合したナットＮにより図略の車体の保持部材
にスペーサ７及びワッシャーＹを介して固定保持され
る。

【００３２】この固定部３ａは、射出成形体２の上方領
域ｗ１を形成する硬い板状であり、所定の剛性を備え、
さらに裏面３１ａ側に横位置リブ３０ｂと複数の縦位置
リブ３１ｂとが一体的に形成されているため、剛性を高
め得ることができ、定位置に確実に安定保持でき、かつ
ステアリングコラム６の揺動時に可動部３ｃを介して外
力が付与されても、捩れを発生させることがない。

【００３３】また、下方領域ｗ２を形成する可動部３ｃ
は、図４に示されるように、メータクラスターパネル５
とステアリングコラム６との間に配置され、かつ車室に
対向する表面３０ｃ側の一部をステアリングコラム６に
当接させた状態とすることによって、メータクラスター
パネル５とステアリングコラム６との隙間を覆う。

【００３４】このため、タクラスターパネル５下方奥行
きは、視認できない状態に保持される。そして可動部３
ｃは、ハンドルＨ（図７参照）とともにステアリングコ
ラム６を上下に揺動させた場合に、ステアリングコラム
６に当接して前記隙間を覆った状態のまま、ステアリン
グコラム６の揺動方向に移動する。

【００３５】すなわち、可動部３ｃは、図４に示すよう
にステアリングコラム６の上方位置ｈ１から下方位置ｈ
２への揺動に伴い弾性変形する場合と、その逆に前記弾
性変形後、その反力で下方位置ｈ２から上方位置ｈ１へ
の揺動に伴い元の形状及び位置に戻る場合において、捩
れや、捲れを発生することなくステアリングコラム６の
位置移動に追従する。

【００３６】なお、可動部３ｃは、裏面３１ｃ側に複数
の板バネ４を複数配置させているため、弾性変形時の反
力を高める機能を向上し得る。このため、可動部３ｃ
は、ステアリングコラム６の上下揺動による位置移動に
対し、弾性変形時の反力でステアリングコラム６を押し
て元の形状に戻る側への追従移動が各板バネ４の付勢作
用によって早く、確実にできる。

【００３７】このように、実施例の意匠パネル１によれ
ば、ステアリングコラム６の上下揺動に伴う、メータク
ラスターパネル５との隙間の大きさの変化が発生しよう
としても、ステアリングコラム６の上下揺動に追従する
可動部３によって、メータクラスターパネル５下方奥行
きが車室側からの視認されることを常に防止することが
できる。

【００３８】従って、実施例の意匠パネル１は、車室内
のフロント側の意匠性及び見栄えを向上することができ
る。

【００３９】

【発明の効果】本発明の車室内のフロント側隙間隠し用
意匠パネルは、車室内のフロント側でメータクラスター
パネルとステアリングコラムとの間の取り付け位置に固
定保持される。

【００４０】この場合、固定部は、硬い板状であるた
め、所定の剛性を確保でき捩れを発生させることがな
い。

【００４１】また、可動部は、車室に対向する表面側の
一部をステアリングコラムに当接させた状態に配置さ
れ、メータクラスターパネルとステアリングコラムとの
隙間を覆い、かつメータクラスターパネル下方奥行きが
視認できない状態を保持することができる。

【００４２】すなわち、可動部は、弾性変形可能な板状
であるため、ステアリングコラムの上下揺動に伴う位置
移動に追従し、かつステアリングコラムに当接して前記
隙間を覆った状態のまま、弾性変形しあるいはその反力
で元の形状及び位置に戻ることができ、捩れや、捲れを
発生することがない。

【００４３】従って、本発明の車室内のフロント側隙間
隠し用意匠パネルは、ステアリングコラムの上下揺動に
伴う、メータクラスターパネルとの隙間の大きさの変化
が発生しようとしても、ステアリングコラムの上下揺動
に追従する可動部によって、メータクラスターパネル下
方奥行きが車室側からの視認されることを常に防止する
ことができ、車室内のフロント側の意匠性及び見栄えを
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の車室内のフロント側隙間隠し用意匠パ
ネルの正面を示す正面図。

【図２】実施例の車室内のフロント側隙間隠し用意匠パ
ネルの背面を斜視して示す背面斜視図。

【図３】図１におけるＡ、Ａ線断面矢視図。

【図４】図３におけるステアリングコラムの上下揺動時
のステアリングコラムと射出成形体の可動部との位置関
係を示す断面図。

【図５】図１におけるＢ、Ｂ線断面矢視図。

【図６】図１におけるＣ、Ｃ線断面矢視図。

【図７】従来例の車室内のフロント側隙間隠し用ゴムシ
ートを装着した状態でステアリングコラムの上方揺動時
の外観を斜視して示す外観斜視図。

【図８】従来例の車室内のフロント側隙間隠し用ゴムシ
ートを装着した状態でステアリングコラムの下方揺動時
の外観を斜視して示す外観斜視図。

【符号の説明】

１…車室内のフロント側隙間隠し用意匠パネル ２…射出成形体 ３ａ…固定部 ３ｂ…リブ ３ｃ…可動部 ４…
板バネ ５…メータクラスターパネル ６…ス
テアリングコラム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 博幸 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 Ｆターム(参考） 3D023 BA01 BA09 BB01 BC00 BD11 BE03 3D044 BA14 BB01 BC03

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】横長で巾方向の上方領域を形成する硬い板
   状の固定部及び該巾方向の下方領域を形成する弾性変形
   可能な板状の可動部とを一体的に成形した成形体よりな
   り、 車室内のフロント側でメータクラスターパネルとステア
   リングコラムとの間に配置され、該メータクラスターパ
   ネルと該ステアリングコラムとの隙間を該可動部で覆う
   ことを特徴とする車室内のフロント側隙間隠し用意匠パ
   ネル。
2. 【請求項２】前記可動部は、裏側に弾性変形時の反力を
   高める板バネをもつ請求項１記載の車室内のフロント側
   隙間隠し用意匠パネル。
3. 【請求項３】前記固定部は、前記可動部よりも厚い請求
   項１記載の車室内のフロント側隙間隠し用意匠パネル。
4. 【請求項４】前記固定部は、裏側に剛性を高めるリブを
   もつ請求項１記載の車室内のフロント側隙間隠し用意匠
   パネル。