JP2004306917A - 車両のフロントグリル及び衝撃低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、外観の向上を図ることができるフロントグリル及び衝撃低減装置を提供する。
【解決手段】フロントグリル10は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体14とそのグリル本体14の外縁に沿って該グリル本体14に取り付けられた枠部15とを備えている。グリル本体14は、軟質合成樹脂により形成されており、例えば軟質ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により形成されている。枠部15は、グリル本体14を形成する合成樹脂よりも硬質な硬質合成樹脂により形成されており、例えばABS樹脂により形成されている。枠部15の前面15aには表面処理として平坦化処理がなされるとともに、光輝処理としてめっき(例えば、クロムめっき)が施されている。
【選択図】 図2
【解決手段】フロントグリル10は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体14とそのグリル本体14の外縁に沿って該グリル本体14に取り付けられた枠部15とを備えている。グリル本体14は、軟質合成樹脂により形成されており、例えば軟質ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により形成されている。枠部15は、グリル本体14を形成する合成樹脂よりも硬質な硬質合成樹脂により形成されており、例えばABS樹脂により形成されている。枠部15の前面15aには表面処理として平坦化処理がなされるとともに、光輝処理としてめっき(例えば、クロムめっき)が施されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前方に取着されるフロントグリル及びそのフロントグリルを備える衝撃低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフロントグリルは、車両の前方部分において一対のヘッドライトの間に位置するように配設されており、車両ボディやフロントスポイラにクリップ等を介して取着されている。
【0003】
ところで、近年、フロントグリルには歩行者に対する保護性能の向上が強く要求されてきており、剛性を向上させるのみならず衝突時の衝撃の一部をフロントグリルにて吸収できるようにその材質等で様々な工夫がなされている。
【0004】
その1つとして車両の前方部分に取着されるモジュールキャリアに枠部を設け、その枠部に軟質合成樹脂やゴム材料からなるとともに角部のないフロントグリルを嵌入して接着等により固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。フロントグリルが軟質合成樹脂やゴム材料で形成されることで、衝突の際にフロントグリルは弾性的に屈曲することが可能となる。このため、フロントグリルの衝撃吸収性が向上され、歩行者に対する保護性能が向上される。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−35255号公報(明細書の段落[0012]〜[0016]、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フロントグリルは車両前面における意匠性において大きなウェイトを占めており、フロントグリルの美観の向上に対する要求が近年高まっている。
【0007】
これに対して、特許文献1のように衝撃吸収性に重きを置いて、フロントグリルを軟質合成樹脂で形成すると、その軟質という性質上、光輝処理(例えば、めっき、スパッタリング)等の表面処理を施すことが困難となる。また、たとえ表面処理を施したとしても、表面状態を良好に保つことが難しく、必ずしもフロントグリルの美観の向上に寄与しないことがあり、市場の要求に十分に応じられないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、外観の向上を図ることができるフロントグリル及び衝撃低減装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体と枠部とを備える車両のフロントグリルであって、前記枠部は前記グリル本体よりも硬質な合成樹脂で形成されていることを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、グリル本体が軟質合成樹脂で形成されることでその衝撃を吸収することができるとともに、そのグリル本体よりも硬質な合成樹脂で枠部が形成されるため、光輝処理等のような表面処理を施し易い。つまり、グリル本体が車両の衝撃吸収の機能を有し、枠部がフロントグリルの意匠の機能を有する。このため、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、外観の向上を図ることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記グリル本体は、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂で形成されていることを要旨とする。この発明によれば、請求項1に記載の発明の効果を備える他に、風圧及び振動等に耐える剛性を確保できるとともに、優れた衝撃吸収性を発揮させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記枠部は、曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂で形成されていることを要旨とする。この発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果を備えるとともに、枠部に光輝処理等の表面処理を施し易くなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両のフロントグリルを備える衝撃低減装置であって、車両の衝突を予測する予測手段と、前記予測手段により車両の衝突が予測された場合に、前記フロントグリルのうち少なくとも前記グリル本体を前方に押し出す押出手段とを備えたことを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果を備えるとともに、予測手段により車両の衝突が予測されると、押出手段によりフロントグリルのうち少なくともグリル本体が車両の前方側に押し出される。このため、例えば歩行者と車両とが衝突する際、少なくともグリル本体をその歩行者に接触させることができる。ここで、グリル本体は衝撃吸収性を有するため、そのグリル本体により衝撃を吸収することができ、歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、フロントグリル10は、車両の前方部分において、ボンネット11とフロントバンパ12との間で、かつ、一対のヘッドライト13との間に位置するように配設されている。フロントグリル10は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体14とそのグリル本体14の外縁に沿って該グリル本体14に取り付けられた枠部15とを備えている。
【0017】
図2及び図3に示すように、グリル本体14は、枠部15が取り付けられる被取付面16と、枠部15の固定に使用される複数の固定孔17とを備える。被取付面16の内側には、外気をエンジンルーム内に取り込む形状に形成された格子状の格子部18を備える。なお、格子部18は格子状に限らず網目状の格子部18や車両の横方向(図1の左右方向)又は縦方向に延びる棒状の格子部18等であってもよく、格子部18の形状は特に限定されない。
【0018】
グリル本体14は、車両のボディ19に固定される際に使用される取付部20を備え、取付部20を介して例えばクリップ等の固定部材21により車両のボディ19に取着される。グリル本体14は、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂(軟質合成樹脂)、好ましくは800〜1200MPaの合成樹脂により形成されており、例えば軟質ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により形成されている。グリル本体14は射出成形法により製造される。
【0019】
枠部15は、グリル本体14の被取付面16とほぼ同じ形状である。枠部15の前面15aには表面処理として平坦化処理がなされるとともに、光輝処理としてめっき(例えば、クロムめっき)が蒸着やスパッタリングにより施されている。枠部15は、グリル本体14よりも硬質で、かつ曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂(硬質合成樹脂)、好ましくは2000〜2800MPaの合成樹脂により形成されており、例えばABS樹脂により形成されている。枠部15もグリル本体14と同じく射出成形法により製造される。図3に示すように、枠部15はグリル本体14よりも厚さが薄く形成されているが、グリル本体14及び枠部15の厚さは特に限定されず、フロントグリル10に要求される剛性、意匠性、コスト等により変更させてもよい。
【0020】
枠部15は、被取付面16の固定孔17に対応して複数の固定部22を備える。固定部22としては例えばかしめを採用することができ、そのかしめが固定孔17に挿入されることでグリル本体14に枠部15が固定される。これにより、グリル本体14と枠部15とがフロントグリル10として一体化される。
【0021】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)グリル本体14が曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂(軟質合成樹脂)で形成されている。このため、グリル本体14により車両の衝突等による衝撃を吸収することができる。また、枠部15は、グリル本体14を形成する合成樹脂よりも硬質で、かつ曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂(硬質合成樹脂)で形成されている。このため、枠部15に光輝処理等の表面処理を施し易く、グリル本体14に一体化させることでフロントグリル10の美観を向上させることができる。つまり、グリル本体14が衝撃吸収の機能を有し、枠部15がフロントグリル10の意匠の機能を有するため、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、フロントグリル10の外観の向上を図ることができる。
【0022】
(2)グリル本体14が取付部20を備え、フロントグリル10は取付部20により車両のボディ19に固定される。このため、フロントグリル10が衝撃を受けた際に、その衝撃をグリル本体14の取付部20においても吸収することができる。このため、フロントグリル10の衝撃吸収性を向上させることができ、より歩行者に対する保護性能を発揮することができる。
【0023】
(3)グリル本体14は枠部15よりも軟質の合成樹脂で形成されており、グリル本体14の前面側に位置する被取付面16に枠部15が取り付けられている。このため、枠部15に衝撃が加わった場合、枠部15のみでその衝撃を受けるのではなく、後方にあるグリル本体14の弾性力によってもその衝撃が吸収される。このため、枠部15が衝撃により破損することが抑制される。
【0024】
(4)フロントグリル10は、軟質合成樹脂で形成されるグリル本体14だけでなく、硬質合成樹脂で形成される枠部15を備えている。従来技術では、軟質合成樹脂で形成されるグリル本体14だけでは車両の走行中の風圧や振動等に耐えることができる剛性の確保が困難となることがあった。これに対して、本願発明では、軟質合成樹脂でグリル本体14を形成しても、グリル本体14に一体化される枠部15の剛性でもって、グリル本体14の変形を抑制することができ、フロントグリル10としての剛性を確保し易い。
【0025】
(5)従来技術のフロントグリルは、フロントグリル全体が軟質合成樹脂で形成されているため、光輝処理(蒸着、スパッタリング)等の表面処理を施すことが難しく、仮に表面処理を行うとしても、良好な表面状態を得ようとすれば多大な手間を要するとともに、歩留まりも悪い。しかし、本願発明では硬質合成樹脂で形成された枠部15に意匠の機能を持たせ、表面処理を施した後に、その枠部15をグリル本体14に取り付ける。このため、フロントグリル10の表面に容易に意匠性向上のための表面処理部を設けることができ、フロントグリル10の製造コストの高騰を抑制することができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、本実施形態におけるフロントグリルは、第1実施形態と基本的に同じグリル本体及び枠部を備える。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0027】
図4(a)に示すように、グリル本体14及び枠部15は車両前方に配設されている。グリル本体14は、車両前方に配設されたガイド部材(図示略)に案内された状態で、車両の前方に移動可能に設けられている。なお、通常、フロントグリル10は図4(a)に示す状態で固定されている。グリル本体14の前方への移動はアクチュエータ23の駆動により行われる。アクチュエータ23は、電子制御装置24からの作動信号に基づき、図4(b)に示すようにフロントグリル10を車両の前方に突出させるように駆動する。なお、アクチュエータ23は、油圧式、空気圧式、電磁式、モータ駆動方式等が考えられるが、前方にグリル本体14を突出させるように制御するものであればアクチュエータの種類については特に限定されない。なお、アクチュエータ23及び電子制御装置24により押出手段が構成される。
【0028】
車両は予測センサ25を車両前方に備えており、予測センサ25は電子制御装置24と電気的に接続されている。予測センサ25としては、光学式、電磁式、音響式等の近接センサを備えるものが考えられる。なお、予測センサ25及び電子制御装置24により予測手段が構成される。電子制御装置24は予測センサ25から入力される信号に基づいて、車両の進路上にある車両や障害物等を認知し、車両や物体の位置、速度、進路等から車両の衝突を予測するものである。なお、衝撃低減装置は、フロントグリル10、アクチュエータ23、電子制御装置24、予測センサ25により構成される。
【0029】
次に本実施形態の作用について説明する。
通常、車両が走行している間、フロントグリル10は、図4(a)に示す通常の状態にある。また、車両の走行中、電子制御装置24は予測センサ25からの信号に基づいて車両と前方の物体等との衝突の予測を行っている。そして、車両の衝突が予測される場合、電子制御装置24はアクチュエータ23に作動信号を出力する。これにより、図4(b)に示すように、アクチュエータ23が作動してフロントグリル10が車両の前方部分における他の部分よりさらに前方側に押し出される。この際、グリル本体14は図示しないガイド部材に沿ってスムーズに車両の前方に押し出される。そして、フロントグリル10が押し出された状態で車両と歩行者とが衝突する。
【0030】
この実施形態では、上記第1実施形態の効果(1)〜(5)の効果を有する他に以下の効果を有する。
(6)電子制御装置24は予測センサ25からの信号に基づき車両の衝突を予測すると、アクチュエータ23に作動信号を出力してフロントグリル10を前方に突出させる。これにより、歩行者と車両との衝突の際、フロントグリル10は、車両の前方部分における他の部分に先んじて歩行者と接触する。つまり、歩行者との衝突の際、軟質合成樹脂で形成されたグリル本体14を有するフロントグリル10がいち早く衝突する歩行者に接触されることになる。このため、衝突による衝撃をグリル本体14により効果的に吸収することができ、歩行者に対する保護性能をより向上させることができる。
【0031】
なお、上記各実施形態は以下のように変形してもよい。
(変形例)
・ 枠部15は、グリル本体14の被取付面16に取り付けられていたが、車両のボディ19等に直接取り付けられ、グリル本体14と枠部15とが一体化されないフロントグリル10であってもよい。この構成の場合、上記第2実施形態のようにフロントグリル10全体が車両の前方に押し出されるのではなく、枠部15の内側からグリル本体14のみが前方に押し出されるように構成することが可能となる。これにより、上記第2実施形態のように硬質の枠部15も共に押し出される場合に比べ、歩行者に与える衝撃を低減することができる。従って、より歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0032】
・ グリル本体14を形成する合成樹脂は、例えばTPO(熱可塑性ポリオレフィン)樹脂、TPU(熱可塑性ポリウレタン)樹脂等を用いてもよく、曲げ弾性率が500〜1500MPaの間にある合成樹脂であれば特に限定されない。
【0033】
・ 枠部15を形成する合成樹脂は、例えばAES(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂等を用いてもよく、曲げ弾性率が1500〜3000MPaの間にある合成樹脂であれば特に限定されない。
【0034】
・ 枠部15の光輝処理としてスパッタリングや蒸着によりめっきを施して意匠性を向上させていたが、光沢のある薄膜等を枠部15に施してもよく、フロントグリル10の意匠性向上に寄与する処理であれば特に光輝処理については限定されない。また、枠部15に表面処理として平坦化処理を施したが、塗装を施してもよく表面処理についても特に限定されない。
【0035】
・ グリル本体14を前方に押し出すだけでなく、グリル本体14を前後に移動させることが可能なアクチュエータを採用することで、フロントグリル10の出没制御が可能な衝撃低減装置を構成することができる。これにより、予測手段により衝突が予測されてグリル本体14を前方に押し出したが実際には衝突が回避されたような場合、電子制御装置24がそれを判断してアクチュエータを駆動させ、グリル本体14を通常の位置に戻すようにすることが可能となる。この場合、衝突したか否かを判断するための衝突センサを新たに車両に設ける必要がある。
【0036】
・ 取付部20は、グリル本体14と一体成形されて同じく軟質合成樹脂で形成される構成に限らず、取付部20のみがグリル本体14よりも硬質の合成樹脂で形成される構成であってもよい。これにより、フロントグリル10の車両への取付精度を向上させることができる。
【0037】
・ 枠部15は、グリル本体14の外縁に沿って取り付けられる形状に限らず、要求される外観に応じて変化させることができる。例えば、グリル本体14の格子部18の前面を覆うような形状でもよく、枠部15の形状については特に限定されない。
【0038】
・ グリル本体14の形状は、上記各実施形態の形状に限らず、例えば、枠部15と同様の枠形状のグリル本体14でもよい。また、格子部18のような形状や、一般に車両に取着されているオーナメントのようなグリル本体14であってもよく、特にグリル本体14の形状については限定されない。
【0039】
・ 車両のボディ19に取り付けられるフロントグリル10ではなく、フロントバンパと一体のフロントグリルであってもよい。
・ 外観の向上を図ることを目的として枠部15をその構成に有するフロントグリル10を備えた衝撃低減装置ではなく、歩行者に対する保護性能を向上させる目的として枠部15を備えず、グリル本体14のみのフロントグリル10を備える衝撃低減装置であってもよい。そして、グリル本体14からなるフロントグリル10を前方に押し出す構成にしてもよい。これにより、上記第2実施形態に比べて枠部15がない分、衝撃吸収性を向上させることができる。
【0040】
・ 第1実施形態において、フロントグリル10は、クリップのような固定部材21により固定される構成に限らず、ねじ止め、かしめ等で固定されてもよい。また、フロントグリル10に突部を設けて、その突部を車両の孔に挿通し、突部を熱融着させることにより固定してもよい。特に、フロントグリル10の固定の仕方については限定されない。
【0041】
その他、前記実施形態、並びに以上の記載から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記グリル本体は取付部を備え、該取付部を介して車両に取着されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両のフロントグリル。この構成によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果を備えるとともに、車両に固定される際に使用される取付部においても衝突等による衝撃を吸収することができ、より歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0042】
(ロ)車両の意匠面の一部を構成し、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂で形成されたグリル本体を備えるフロントグリルを備えた衝撃低減装置であって、車両の前方の衝突対象を予測する予測手段と、前記予測手段により衝突が予測された場合に、前記グリル本体を車両の前方側に押し出す押出手段とを備えることを特徴とする衝撃低減装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントグリルが装着された車両の正面図。
【図2】フロントグリルの分解斜視図。
【図3】図2の3−3線における断面図。
【図4】(a)は通常状態の衝撃低減装置の概略構成図、(b)はフロントグリルが突出した状態の衝撃低減装置の概略構成図。
【符号の説明】
10…フロントグリル、14…グリル本体、15…枠部、23…押出手段を構成するアクチュエータ、24…予測手段及び押出手段を構成する電子制御装置、25…予測手段を構成する予測センサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前方に取着されるフロントグリル及びそのフロントグリルを備える衝撃低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフロントグリルは、車両の前方部分において一対のヘッドライトの間に位置するように配設されており、車両ボディやフロントスポイラにクリップ等を介して取着されている。
【0003】
ところで、近年、フロントグリルには歩行者に対する保護性能の向上が強く要求されてきており、剛性を向上させるのみならず衝突時の衝撃の一部をフロントグリルにて吸収できるようにその材質等で様々な工夫がなされている。
【0004】
その1つとして車両の前方部分に取着されるモジュールキャリアに枠部を設け、その枠部に軟質合成樹脂やゴム材料からなるとともに角部のないフロントグリルを嵌入して接着等により固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。フロントグリルが軟質合成樹脂やゴム材料で形成されることで、衝突の際にフロントグリルは弾性的に屈曲することが可能となる。このため、フロントグリルの衝撃吸収性が向上され、歩行者に対する保護性能が向上される。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−35255号公報(明細書の段落[0012]〜[0016]、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フロントグリルは車両前面における意匠性において大きなウェイトを占めており、フロントグリルの美観の向上に対する要求が近年高まっている。
【0007】
これに対して、特許文献1のように衝撃吸収性に重きを置いて、フロントグリルを軟質合成樹脂で形成すると、その軟質という性質上、光輝処理(例えば、めっき、スパッタリング)等の表面処理を施すことが困難となる。また、たとえ表面処理を施したとしても、表面状態を良好に保つことが難しく、必ずしもフロントグリルの美観の向上に寄与しないことがあり、市場の要求に十分に応じられないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、外観の向上を図ることができるフロントグリル及び衝撃低減装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体と枠部とを備える車両のフロントグリルであって、前記枠部は前記グリル本体よりも硬質な合成樹脂で形成されていることを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、グリル本体が軟質合成樹脂で形成されることでその衝撃を吸収することができるとともに、そのグリル本体よりも硬質な合成樹脂で枠部が形成されるため、光輝処理等のような表面処理を施し易い。つまり、グリル本体が車両の衝撃吸収の機能を有し、枠部がフロントグリルの意匠の機能を有する。このため、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、外観の向上を図ることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記グリル本体は、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂で形成されていることを要旨とする。この発明によれば、請求項1に記載の発明の効果を備える他に、風圧及び振動等に耐える剛性を確保できるとともに、優れた衝撃吸収性を発揮させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記枠部は、曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂で形成されていることを要旨とする。この発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果を備えるとともに、枠部に光輝処理等の表面処理を施し易くなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両のフロントグリルを備える衝撃低減装置であって、車両の衝突を予測する予測手段と、前記予測手段により車両の衝突が予測された場合に、前記フロントグリルのうち少なくとも前記グリル本体を前方に押し出す押出手段とを備えたことを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果を備えるとともに、予測手段により車両の衝突が予測されると、押出手段によりフロントグリルのうち少なくともグリル本体が車両の前方側に押し出される。このため、例えば歩行者と車両とが衝突する際、少なくともグリル本体をその歩行者に接触させることができる。ここで、グリル本体は衝撃吸収性を有するため、そのグリル本体により衝撃を吸収することができ、歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、フロントグリル10は、車両の前方部分において、ボンネット11とフロントバンパ12との間で、かつ、一対のヘッドライト13との間に位置するように配設されている。フロントグリル10は、車両の意匠面の一部を構成するグリル本体14とそのグリル本体14の外縁に沿って該グリル本体14に取り付けられた枠部15とを備えている。
【0017】
図2及び図3に示すように、グリル本体14は、枠部15が取り付けられる被取付面16と、枠部15の固定に使用される複数の固定孔17とを備える。被取付面16の内側には、外気をエンジンルーム内に取り込む形状に形成された格子状の格子部18を備える。なお、格子部18は格子状に限らず網目状の格子部18や車両の横方向(図1の左右方向)又は縦方向に延びる棒状の格子部18等であってもよく、格子部18の形状は特に限定されない。
【0018】
グリル本体14は、車両のボディ19に固定される際に使用される取付部20を備え、取付部20を介して例えばクリップ等の固定部材21により車両のボディ19に取着される。グリル本体14は、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂(軟質合成樹脂)、好ましくは800〜1200MPaの合成樹脂により形成されており、例えば軟質ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により形成されている。グリル本体14は射出成形法により製造される。
【0019】
枠部15は、グリル本体14の被取付面16とほぼ同じ形状である。枠部15の前面15aには表面処理として平坦化処理がなされるとともに、光輝処理としてめっき(例えば、クロムめっき)が蒸着やスパッタリングにより施されている。枠部15は、グリル本体14よりも硬質で、かつ曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂(硬質合成樹脂)、好ましくは2000〜2800MPaの合成樹脂により形成されており、例えばABS樹脂により形成されている。枠部15もグリル本体14と同じく射出成形法により製造される。図3に示すように、枠部15はグリル本体14よりも厚さが薄く形成されているが、グリル本体14及び枠部15の厚さは特に限定されず、フロントグリル10に要求される剛性、意匠性、コスト等により変更させてもよい。
【0020】
枠部15は、被取付面16の固定孔17に対応して複数の固定部22を備える。固定部22としては例えばかしめを採用することができ、そのかしめが固定孔17に挿入されることでグリル本体14に枠部15が固定される。これにより、グリル本体14と枠部15とがフロントグリル10として一体化される。
【0021】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)グリル本体14が曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂(軟質合成樹脂)で形成されている。このため、グリル本体14により車両の衝突等による衝撃を吸収することができる。また、枠部15は、グリル本体14を形成する合成樹脂よりも硬質で、かつ曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂(硬質合成樹脂)で形成されている。このため、枠部15に光輝処理等の表面処理を施し易く、グリル本体14に一体化させることでフロントグリル10の美観を向上させることができる。つまり、グリル本体14が衝撃吸収の機能を有し、枠部15がフロントグリル10の意匠の機能を有するため、歩行者に対する保護性能を十分に発揮するとともに、フロントグリル10の外観の向上を図ることができる。
【0022】
(2)グリル本体14が取付部20を備え、フロントグリル10は取付部20により車両のボディ19に固定される。このため、フロントグリル10が衝撃を受けた際に、その衝撃をグリル本体14の取付部20においても吸収することができる。このため、フロントグリル10の衝撃吸収性を向上させることができ、より歩行者に対する保護性能を発揮することができる。
【0023】
(3)グリル本体14は枠部15よりも軟質の合成樹脂で形成されており、グリル本体14の前面側に位置する被取付面16に枠部15が取り付けられている。このため、枠部15に衝撃が加わった場合、枠部15のみでその衝撃を受けるのではなく、後方にあるグリル本体14の弾性力によってもその衝撃が吸収される。このため、枠部15が衝撃により破損することが抑制される。
【0024】
(4)フロントグリル10は、軟質合成樹脂で形成されるグリル本体14だけでなく、硬質合成樹脂で形成される枠部15を備えている。従来技術では、軟質合成樹脂で形成されるグリル本体14だけでは車両の走行中の風圧や振動等に耐えることができる剛性の確保が困難となることがあった。これに対して、本願発明では、軟質合成樹脂でグリル本体14を形成しても、グリル本体14に一体化される枠部15の剛性でもって、グリル本体14の変形を抑制することができ、フロントグリル10としての剛性を確保し易い。
【0025】
(5)従来技術のフロントグリルは、フロントグリル全体が軟質合成樹脂で形成されているため、光輝処理(蒸着、スパッタリング)等の表面処理を施すことが難しく、仮に表面処理を行うとしても、良好な表面状態を得ようとすれば多大な手間を要するとともに、歩留まりも悪い。しかし、本願発明では硬質合成樹脂で形成された枠部15に意匠の機能を持たせ、表面処理を施した後に、その枠部15をグリル本体14に取り付ける。このため、フロントグリル10の表面に容易に意匠性向上のための表面処理部を設けることができ、フロントグリル10の製造コストの高騰を抑制することができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、本実施形態におけるフロントグリルは、第1実施形態と基本的に同じグリル本体及び枠部を備える。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0027】
図4(a)に示すように、グリル本体14及び枠部15は車両前方に配設されている。グリル本体14は、車両前方に配設されたガイド部材(図示略)に案内された状態で、車両の前方に移動可能に設けられている。なお、通常、フロントグリル10は図4(a)に示す状態で固定されている。グリル本体14の前方への移動はアクチュエータ23の駆動により行われる。アクチュエータ23は、電子制御装置24からの作動信号に基づき、図4(b)に示すようにフロントグリル10を車両の前方に突出させるように駆動する。なお、アクチュエータ23は、油圧式、空気圧式、電磁式、モータ駆動方式等が考えられるが、前方にグリル本体14を突出させるように制御するものであればアクチュエータの種類については特に限定されない。なお、アクチュエータ23及び電子制御装置24により押出手段が構成される。
【0028】
車両は予測センサ25を車両前方に備えており、予測センサ25は電子制御装置24と電気的に接続されている。予測センサ25としては、光学式、電磁式、音響式等の近接センサを備えるものが考えられる。なお、予測センサ25及び電子制御装置24により予測手段が構成される。電子制御装置24は予測センサ25から入力される信号に基づいて、車両の進路上にある車両や障害物等を認知し、車両や物体の位置、速度、進路等から車両の衝突を予測するものである。なお、衝撃低減装置は、フロントグリル10、アクチュエータ23、電子制御装置24、予測センサ25により構成される。
【0029】
次に本実施形態の作用について説明する。
通常、車両が走行している間、フロントグリル10は、図4(a)に示す通常の状態にある。また、車両の走行中、電子制御装置24は予測センサ25からの信号に基づいて車両と前方の物体等との衝突の予測を行っている。そして、車両の衝突が予測される場合、電子制御装置24はアクチュエータ23に作動信号を出力する。これにより、図4(b)に示すように、アクチュエータ23が作動してフロントグリル10が車両の前方部分における他の部分よりさらに前方側に押し出される。この際、グリル本体14は図示しないガイド部材に沿ってスムーズに車両の前方に押し出される。そして、フロントグリル10が押し出された状態で車両と歩行者とが衝突する。
【0030】
この実施形態では、上記第1実施形態の効果(1)〜(5)の効果を有する他に以下の効果を有する。
(6)電子制御装置24は予測センサ25からの信号に基づき車両の衝突を予測すると、アクチュエータ23に作動信号を出力してフロントグリル10を前方に突出させる。これにより、歩行者と車両との衝突の際、フロントグリル10は、車両の前方部分における他の部分に先んじて歩行者と接触する。つまり、歩行者との衝突の際、軟質合成樹脂で形成されたグリル本体14を有するフロントグリル10がいち早く衝突する歩行者に接触されることになる。このため、衝突による衝撃をグリル本体14により効果的に吸収することができ、歩行者に対する保護性能をより向上させることができる。
【0031】
なお、上記各実施形態は以下のように変形してもよい。
(変形例)
・ 枠部15は、グリル本体14の被取付面16に取り付けられていたが、車両のボディ19等に直接取り付けられ、グリル本体14と枠部15とが一体化されないフロントグリル10であってもよい。この構成の場合、上記第2実施形態のようにフロントグリル10全体が車両の前方に押し出されるのではなく、枠部15の内側からグリル本体14のみが前方に押し出されるように構成することが可能となる。これにより、上記第2実施形態のように硬質の枠部15も共に押し出される場合に比べ、歩行者に与える衝撃を低減することができる。従って、より歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0032】
・ グリル本体14を形成する合成樹脂は、例えばTPO(熱可塑性ポリオレフィン)樹脂、TPU(熱可塑性ポリウレタン)樹脂等を用いてもよく、曲げ弾性率が500〜1500MPaの間にある合成樹脂であれば特に限定されない。
【0033】
・ 枠部15を形成する合成樹脂は、例えばAES(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂等を用いてもよく、曲げ弾性率が1500〜3000MPaの間にある合成樹脂であれば特に限定されない。
【0034】
・ 枠部15の光輝処理としてスパッタリングや蒸着によりめっきを施して意匠性を向上させていたが、光沢のある薄膜等を枠部15に施してもよく、フロントグリル10の意匠性向上に寄与する処理であれば特に光輝処理については限定されない。また、枠部15に表面処理として平坦化処理を施したが、塗装を施してもよく表面処理についても特に限定されない。
【0035】
・ グリル本体14を前方に押し出すだけでなく、グリル本体14を前後に移動させることが可能なアクチュエータを採用することで、フロントグリル10の出没制御が可能な衝撃低減装置を構成することができる。これにより、予測手段により衝突が予測されてグリル本体14を前方に押し出したが実際には衝突が回避されたような場合、電子制御装置24がそれを判断してアクチュエータを駆動させ、グリル本体14を通常の位置に戻すようにすることが可能となる。この場合、衝突したか否かを判断するための衝突センサを新たに車両に設ける必要がある。
【0036】
・ 取付部20は、グリル本体14と一体成形されて同じく軟質合成樹脂で形成される構成に限らず、取付部20のみがグリル本体14よりも硬質の合成樹脂で形成される構成であってもよい。これにより、フロントグリル10の車両への取付精度を向上させることができる。
【0037】
・ 枠部15は、グリル本体14の外縁に沿って取り付けられる形状に限らず、要求される外観に応じて変化させることができる。例えば、グリル本体14の格子部18の前面を覆うような形状でもよく、枠部15の形状については特に限定されない。
【0038】
・ グリル本体14の形状は、上記各実施形態の形状に限らず、例えば、枠部15と同様の枠形状のグリル本体14でもよい。また、格子部18のような形状や、一般に車両に取着されているオーナメントのようなグリル本体14であってもよく、特にグリル本体14の形状については限定されない。
【0039】
・ 車両のボディ19に取り付けられるフロントグリル10ではなく、フロントバンパと一体のフロントグリルであってもよい。
・ 外観の向上を図ることを目的として枠部15をその構成に有するフロントグリル10を備えた衝撃低減装置ではなく、歩行者に対する保護性能を向上させる目的として枠部15を備えず、グリル本体14のみのフロントグリル10を備える衝撃低減装置であってもよい。そして、グリル本体14からなるフロントグリル10を前方に押し出す構成にしてもよい。これにより、上記第2実施形態に比べて枠部15がない分、衝撃吸収性を向上させることができる。
【0040】
・ 第1実施形態において、フロントグリル10は、クリップのような固定部材21により固定される構成に限らず、ねじ止め、かしめ等で固定されてもよい。また、フロントグリル10に突部を設けて、その突部を車両の孔に挿通し、突部を熱融着させることにより固定してもよい。特に、フロントグリル10の固定の仕方については限定されない。
【0041】
その他、前記実施形態、並びに以上の記載から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記グリル本体は取付部を備え、該取付部を介して車両に取着されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両のフロントグリル。この構成によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果を備えるとともに、車両に固定される際に使用される取付部においても衝突等による衝撃を吸収することができ、より歩行者に対する保護性能を向上させることができる。
【0042】
(ロ)車両の意匠面の一部を構成し、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂で形成されたグリル本体を備えるフロントグリルを備えた衝撃低減装置であって、車両の前方の衝突対象を予測する予測手段と、前記予測手段により衝突が予測された場合に、前記グリル本体を車両の前方側に押し出す押出手段とを備えることを特徴とする衝撃低減装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントグリルが装着された車両の正面図。
【図2】フロントグリルの分解斜視図。
【図3】図2の3−3線における断面図。
【図4】(a)は通常状態の衝撃低減装置の概略構成図、(b)はフロントグリルが突出した状態の衝撃低減装置の概略構成図。
【符号の説明】
10…フロントグリル、14…グリル本体、15…枠部、23…押出手段を構成するアクチュエータ、24…予測手段及び押出手段を構成する電子制御装置、25…予測手段を構成する予測センサ。
Claims (4)
- 車両の意匠面の一部を構成するグリル本体と枠部とを備える車両のフロントグリルであって、
前記枠部は前記グリル本体よりも硬質な合成樹脂で形成されていることを特徴とする車両のフロントグリル。 - 前記グリル本体は、曲げ弾性率500〜1500MPaの合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のフロントグリル。
- 前記枠部は、曲げ弾性率1500〜3000MPaの合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のフロントグリル。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両のフロントグリルを備える衝撃低減装置であって、
車両の衝突を予測する予測手段と、
前記予測手段により車両の衝突が予測された場合に、前記フロントグリルのうち少なくとも前記グリル本体を前方に押し出す押出手段と
を備えたことを特徴とする衝撃低減装置。
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-
2003
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