JP2002086766A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2002086766A
JP2002086766A JP2000277797A JP2000277797A JP2002086766A JP 2002086766 A JP2002086766 A JP 2002086766A JP 2000277797 A JP2000277797 A JP 2000277797A JP 2000277797 A JP2000277797 A JP 2000277797A JP 2002086766 A JP2002086766 A JP 2002086766A
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JP2000277797A
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Yuuji Watabe
友師 渡部
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 階調値に応じて複数の異なるサイズのインク
滴を吐出して記録媒体に記録するインクジェットプリン
タでは、吐出速度が滴サイズによって異なるため、滴サ
イズに応じて吐出タイミングをずらして規定の位置に着
弾させるが、吐出周期に対する滴の着弾時間の比率が大
きくなると、前後するインク滴の吐出タイミングがオー
バーラップして一方のインク滴が吐出できなかった。 【解決手段】 1ライン走査分の画素データをその階調
値に応じて2つのラインバッファ14,15に振り分け
て格納し。記録ヘッド8dによる1回目の記録走査で第
1のラインバッファの画素データを記録し、2回目の記
録走査で第2のラインバッファの画素データを記録して
1ライン走査分の画素データを記録媒体に記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリアルインクジ
ェットプリンタに関し、特に、階調データを入力してこ
の階調データに応じた複数サイズのインク滴を吐出して
印刷するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】インク粒子を記録媒体に吐出して印刷す
るインクジェットプリンタは、インクを滴として吐出す
るための吐出口を有する記録ヘッドをキャリッジに搭載
し、記録ヘッドの吐出口を記録媒体に対向させた状態で
キャリッジを主走査方向に走査する。そしてこの走査中
に、印刷すべきデータに応じたインク滴を記録媒体に対
して吐出口より吐出し、記録媒体に着弾させることによ
って所望の記録画像を形成している。
【0003】インク滴の噴射タイミングは、例えば、特
開昭58−138656号公報に開示されているよう
に、主走査でのキャリッジの位置を、キャリッジの移動
量または移動時間を計測することで検出し、所望の画像
の解像度に相当する位置間隔で発生される滴噴射タイミ
ング信号によって決定される。従来のインクジェットプ
リンタは、この滴噴射タイミング信号に同期して記録ヘ
ッドの記録素子を駆動してその吐出口よりインク滴を吐
出し、主走査方向に所望の解像度の画像を記録するもの
であった。
【0004】更に、この種の装置においては、特開昭5
7−160654号公報に開示されているように、記録
ヘッドの記録素子を駆動する駆動パルス信号のパルス電
圧、又はパルス幅を変化させることにより、吐出口より
吐出されるインク滴のサイズを変化させ、印刷時のドッ
トの径を複数種類生成可能とすることで、記録される画
像の階調表現能力を向上させるものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴射す
るインク滴のサイズを変化させるために記録素子に付与
する吐出エネルギーを変化させると、このエネルギーの
変化分がすべて滴のサイズの変化に反映されるわけでは
なく、生成する滴の吐出速度にも影響する。
【0006】吐出された滴が記録媒体に着弾するまでの
時間が、吐出タイミングの間隔に対して十分短い場合に
は問題とならなかったが、印刷速度を上げるためにキャ
リッジの走査速度を上げたり、記録速度を落さずに高解
像度の印刷画像を得るために吐出タイミングの時間間隔
を短くしたりすると、吐出間隔に対する着弾時間の比率
が大きくなり、後述するように、吐出速度の差による着
弾時間のばらつきによって種々の問題が生ずる。
【0007】図11(a)は、吐出速度の差によって生
ずる不都合を説明するための図である。同図に示すよう
に、一定の走査速度で移動する記録ヘッドに対し、所定
の解像度を得る駆動タイミング周期Tcで駆動パルスP
1〜P3を順次印加してインク滴A〜Cを吐出させる。
このとき、インク滴Aとインク滴Cの滴サイズ及びその
吐出速度が、共にインク滴Bのそれらよりも大きく、イ
ンク滴Aとインク滴Cが所定の解像度を満足する位置に
着弾したとすると、インク滴Bの着弾位置は、相対的に
解像度で規定される所望の着弾位置からずれてしまう。
【0008】図11(b)は、駆動タイミング周期Tc
に対する着弾時間の比率が大きくなることによる不都合
を説明するための図である。同図に示すように、インク
滴Bを解像度で規定される所定の位置に着弾させるため
に、このインク滴Bに対応する駆動パルスP2の印加タ
イミングをTdだけずらした場合、インク滴Aの駆動パ
ルスP1とパルス印加タイミングがオーバーラップして
しまい、インク滴A或いはインク滴Bの何れかの滴の吐
出が不可能となってしまう問題がある。
【0009】また別の問題として、カラー印刷を行なう
場合、例えば記録ヘッドから吐出したシアン滴と、別の
記録ヘッドから吐出したマゼンタ滴とを同一位置へ着弾
させた場合、特に普通紙のように滴の着弾後のにじみ度
合いの大きな媒体においては、滴の重ね順による発色の
差が大きく、滴サイズの小さなものの上に滴サイズの大
きなものを重ねると、この滴サイズの大きなものの色の
影響が支配的になって、記録媒体に色むらが生じること
があった。
【0010】本発明の目的は、吐出速度の異なる全ての
インク滴を所望のタイミングで着弾させることを可能と
し、着弾位置のずれによる画像の劣化を防止しすること
にある。
【0011】また、本発明の別の目的は、複数色のイン
クを重ねて印刷するカラー印刷を行なう場合、色むらの
ないカラー印刷を可能とするインクジェットプリンタを
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】画素毎の階調に関する情
報を含む記録データを入力し、各画素の情報を示す画素
データの階調値に対応した複数のサイズのインク滴を、
該サイズに応じた吐出タイミングで吐出して記録媒体に
記録を行なうインクジェットプリンタであり、1ライン
走査分の前記画素データを、該画素データの前記階調値
に応じて複数のグループに分割する階調判定部と、グル
ープ化した前記画素データを、前記グループ毎に格納す
る複数のラインバッファと、前記複数のラインバッファ
から選択したラインバッファに格納された前記画素デー
タを順次読み出すバッファ切換回路と、記録ヘッドによ
る1回の記録走査で、前記バッファ切換回路によって選
択されたラインバッファから読み出された前記画素デー
タに対応する前記インク滴を前記記録媒体上に吐出する
ヘッド駆動手段と、前記バッファ切換回路による前記ラ
インバッファの選択順位を指定すると共に、前記ヘッド
駆動手段を制御する制御部とを有し、前記バッファ切換
回路によって前記ラインバッファを所定の順番で順次選
択して各ラインバッファが格納する前記画素データを読
み出し、前記ヘッド駆動手段によって、各ラインバッフ
ァの画素データに対応する前記インク滴を同一ライン上
の所定位置に吐出すべく、前記記録ヘッドの記録走査を
繰り返すように構成する。
【0013】また別の発明は、画素毎の階調に関する情
報を含む記録データを入力し、各画素の情報を示す画素
データの階調値に対応した複数のサイズのインク滴を、
該サイズに応じた吐出タイミングで吐出して記録媒体に
記録を行なうインクジェットプリンタであり、1ライン
走査分の、走査方向に互いに隣接する前記画素データの
前記階調値を比較し、両階調値が所定の関係にある場合
には、両画素データを別々のグループに分割する階調判
定部と、グループ化した前記画素データを、前記グルー
プ毎に格納する複数のラインバッファと、前記画素デー
タが格納されていない画素データ未格納ラインバッファ
を特定する判別手段と、前記複数のラインバッファから
選択したラインバッファに格納された前記画素データを
順次読み出すバッファ切換回路と、記録ヘッドによる1
回の記録走査で、前記バッファ切換回路によって選択さ
れたラインバッファから読み出された前記画素データに
対応する前記インク滴を前記記録媒体上に吐出するヘッ
ド駆動手段と、前記バッファ切換回路による前記ライン
バッファの選択動作を指定すると共に、前記ヘッド駆動
手段を制御する制御部とを有し、前記バッファ切換回路
によって、複数の前記ラインバッファのうち、前記画素
データ未格納ラインバッファを除いたラインバッファを
選択して前記画素データを読み出し、前記ヘッド駆動手
段によって、読み出した画素データに対応する前記イン
ク滴を所定位置に吐出すべく、前記バッファ切換回路が
選択した前記ラインバッファの数だけ前記記録ヘッドの
同一ライン上の記録走査を繰り返すように構成する。
【0014】更に、別の発明は、互いに異なる色のイン
ク滴を吐出する複数の記録ヘッドを走査方向に配列し、
各色毎に階調に関する情報を含む記録データを入力し、
各画素の情報を示す画素データの階調値に対応した複数
のサイズのインク滴を、該サイズに応じた吐出タイミン
グで吐出して記録媒体に記録を行なうインクジェットプ
リンタであり、1ライン走査分の前記画素データを、該
画素データに対応するインク滴のサイズを基準に複数の
グループに分割する階調判定部と、グループ化した前記
画素データを、前記グループ毎に格納する複数のライン
バッファと、前記複数のラインバッファから選択したラ
インバッファに格納された前記画素データを順次読み出
すバッファ切換回路と、記録ヘッドによる1回の記録走
査で、前記バッファ切換回路によって選択されたライン
バッファから読み出された前記画素データに対応する前
記インク滴を前記記録媒体上に吐出するヘッド駆動手段
と、を有する複数の信号処理系と、記録媒体の種類を指
定する記録媒体選別手段と、前記各色毎の画素データを
各々対応する前記信号処理系に出力し、前記各信号処理
系の前記バッファ切換回路によるラインバッファの選択
順位を、前記記録媒体の種類に応じて指定すると共に、
前記各ヘッド駆動手段を制御する制御部とを有し、前記
各バッファ切換回路によって前記ラインバッファを所定
の順番で順次選択して各ラインバッファが格納する前記
画素データを読み出し、前記各ヘッド駆動手段によっ
て、各ラインバッファの画素データに対応する前記イン
ク滴を同一ライン上の所定位置に吐出すべく、前記各記
録ヘッドの記録走査を繰り返すように構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明を
説明するためのインクジェットプリンタの要部の構成を
示す外観図である。同図に示すように、インクジェット
プリンタ1に備えられたキャリッジ3は、同図の矢印A
で示す正面方向からみて、シャーシ1の両側部に横方向
に懸架されたキャリッジシャフト4にガイドされて同方
向に摺動移動可能に保持されている。
【0016】スペースモータ5は、図示しない駆動伝達
手段を介してこのキャリッジ3を駆動し、紙送りモータ
6によって、キャリッジシャフト4の軸方向と直交する
方向に移送される記録媒体である印刷紙7上を移動させ
る。
【0017】このキャリッジ3は、例えば、シアン、マ
ゼンタ、黄色及び黒の各インクを滴として個別に吐出す
る4つの図示しない記録ヘッド8a,8b,8c,8d
を走査方向に一列に並べた記録ヘッド部8を備えてい
る。各ヘッドの吐出口は、印刷紙7の記録面に対向する
ように配置され、キャリッジ3の移動により、各記録ヘ
ッドが印刷紙7の同一ライン上を走査するように構成さ
れている。また、このキャリッジ3には、上記4色のイ
ンクを個別に貯蔵するインクタンク9が載置されてい
る。
【0018】図2(a)は、本発明による実施の形態1
のインクジェットプリンタ1の要部構成を示す構成ブロ
ック図である。尚、この実施の形態1のインクジェトプ
リンタでは、図1の記録ヘッド部8は、1つの記録ヘッ
ド8dのみが機能し、或いは記録ヘッド8dのみを備え
ているものとする。
【0019】同図中、記録データ入力部11は、パーソ
ナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる記録デ
ータを入力し、この記録データPRNDを制御部12に
送る。制御部12は、プリンタ全体の制御を統括するC
PUを備え、後述するように、入力した1ライン走査分
の記録データPRNDを、画素データPELD単位毎に
順次階調判定部13に出力する。
【0020】階調判定部13は、入力した画素データP
ELDを、その階調値に応じて格納するラインバッファ
を指定する判定条件である後述の階調値−バッファ対応
テーブル(図2(b))を有し、この対応値に従って入
力した画素データPELDを第1ラインバッファ14、
又は第2ラインバッファ15のどちらか一方に選択的に
順次格納する。この階調−バッファ対応値は、制御部1
3によって書き換え可能に構成されている。
【0021】第1及び第2のラインバッファ14,15
は、入力する1ライン走査分の画素データPELDが格
納可能な容量を有したメモリ素子で、印刷画像の画素当
たり4bitのデータ幅を有し、この画素データPEL
D単位でデータの格納、読出しを可能としている。
【0022】尚、1ライン走査分の画素データとは、記
録ヘッド8dが記録媒体の1ライン上に記録する画素に
対応する画素データの集合であり、制御部12から入力
する1ライン走査分の画素データPELDの列は、記録
ヘッド8dで最終的に記録媒体上に印刷される1ライン
上の画素と1対1で対応している。
【0023】階調判定部13によって、前記したように
選択されたラインバッファに画素データPELDの格納
が行なわれる際に、選択されなかった方のラインバッフ
ァの同じ画素位置に対応する格納領域には、非記録を示
すデータ値、例えは“0”が格納される。
【0024】第1又は第2のラインバッファ14,15
に格納された各画素データPELDは、記録ヘッド8d
の記録走査に同期してバッファ切換回路16により読み
出され、駆動信号生成部17内に設けた画素データバッ
ファ17a(図3)に画素データ単位で格納される。
尚、バッファ切換回路16によるデータ読み出しの開始
と、読み出すラインバッファの選択は、制御部12から
送られる制御信号CONTに基づいて決定される。
【0025】駆動信号生成部17は、後述するように、
画素データPELDの階調値に応じたパルス幅の駆動パ
ルスDRPSを、所定の解像度に対応する駆動タイミン
グパルスからその階調値に応じた遅延時間をもって駆動
電圧発生回路18へ出力する。
【0026】駆動電圧発生回路18は、入力する駆動パ
ルスDRPSのパルス幅に応じた駆動電圧を記録ヘッド
8dの駆動素子(図示せず)に印加することで、パルス
幅に応じて形成される所定サイズのインク滴を記録ヘッ
ド8dから吐出し、これを印刷紙7(図1)に記録す
る。
【0027】図3は、駆動信号生成部17の内部ブロッ
ク図である。記録ヘッド8dが所定の走査速度で走査し
ている場合、制御部12から入力する駆動タイミングパ
ルスTIPSは、所望の解像度に応じたパルス周期Tc
を有す。この駆動タイミングパルスTIPSに同期し
て、画素データPELDが画素データバッファ17aに
格納される。
【0028】駆動信号生成部17に設定された遅延時間
テーブル17bには、形成する滴の滴サイズDP0〜D
P3に対応する遅延時間が格納されており、第1セレク
タ17cによって、画素データバッファ17aの画素デ
ータPELDの階調値Xに応じた滴サイズの遅延時間値
DILTが選択されて駆動タイミング制御部17dに送
られる。
【0029】駆動タイミング制御部17dでは、入力し
た遅延時間値DILTに応じた時間が第1タイマ17e
又は第2タイマ17fのいずれかのタイマにより計時さ
れ、計時が終了した時点で遅延タイミングパルスDIP
Sがヘッド駆動信号生成回路17gに出力される。尚、
遅延時間値がゼロの場合は、各タイマは動作せず、遅延
タイミングパルスも出力されない構成となっている。
【0030】一方、駆動信号生成部17に設定された駆
動時間テーブル17hには、形成する滴の滴サイズDP
0〜DP3に対応する駆動時間値が格納されており、第
2セレクタ17iによって、画素データバッファ17a
の画素データPELDの階調値Xに応じた滴サイズの駆
動時間値DRVTが選択されてヘッド駆動信号生成回路
17gに送られる。
【0031】ヘッド駆動信号生成回路17gでは、先の
遅延タイミングパルスDIPSの入力に同期して、第3
のタイマ17jによる駆動時間値DRVTの時間計時が
開始され、この時間計時中だけ“H”(能動)状態とし
た駆動パルスDRPSを次段の駆動電圧発生回路18に
出力する。以上の動作により、この駆動パルスDRPS
は、駆動時間DRVT及び遅延時間値DILTに対応し
た駆動パルスとなる。
【0032】キャリッジ駆動手段10は、制御部12か
らの指令のもとに、記録ヘッド8bを載置したキャリッ
ジ3(図1参照)を駆動する手段であり、図1に示すスペ
ースモータ5、キャリッジシャフト4等が含まれる。
【0033】尚、キャリッジ駆動手段10、駆動信号発
生部37,43、駆動電圧発生回路38,44は、画素
データに対応するインク滴を記録媒体上に吐出するヘッ
ド駆動手段に相当する。
【0034】以上の構成において、その一動作例を説明
する。一例として、滴サイズDP1〜DP3の3種類の
滴を吐出させる場合を考える。この場合、画素データの
階調値Xは0〜3までとし、滴サイズDP1〜DP3が
階調値Xの1〜3に対応し、階調値Xが0の場合には非
吐出とする。
【0035】図4は、滴サイズDP1〜DP3の吐出タ
イミングを示すタイミングチャートである。滴サイズD
P1〜DP3の各滴は、同図に示すパルス幅PW1から
PW3を有する駆動パルスDRPSを駆動電圧発生回路
18に印加することにより記録ヘッドから吐出される。
【0036】一方、各滴サイズの吐出速度Vsは、滴サ
イズが大きいほど速くなり、これらの着弾タイミング
は、例えばある駆動タイミング(時刻t1)を基準に各
々T1〜T3の遅延時間を介して滴サイズDP1〜DP
3の各滴を吐出させた場合、各滴が記録媒体上のほぼ同
一位置に着弾する関係にあるものとする。
【0037】この場合、滴サイズDP3に必要な遅延時
間T3は、駆動タイミングパルスの間隔Tcより大き
く、次の駆動タイミングパルスに基づいて吐出される滴
サイズDP1又はDP2の吐出時間とオーバーラップし
てしまう。従って、これらの滴サイズの滴を連続して吐
出させようとした場合、何れかの滴の吐出が行えないこ
とになる。
【0038】この考察をふまえ、図2(a)に示す階調
判定部13の階調値−バッファ対応テーブルを、図2
(b)の表のように設定し、画素データPELDの階調
値Xが0又は3の場合には、この画素データPELDを
第1のラインバッファ14に格納し、画素データPEL
Dの階調値が1または2の場合には、この画素データP
ELDを第2のラインバッファ15に格納する。
【0039】図3に示す駆動信号生成部17の駆動時間
テーブル17hの滴サイズDP1〜DP3に対応する各
格納領域には、パルス幅PW1からPW3に相当する駆
動時間値を予め設定し、また滴サイズ0には駆動時間値
0を予め設定する。また、遅延時間テーブル17bの滴
サイズDP1〜DP3に対応する格納領域には、遅延時
間ンT1〜T3を予め設定し、滴サイズDP0には遅延
時間0を予め設定する。
【0040】以上のような設定の下に、制御部12は、
プリンタに入力する1ライン走査分の記録データPRN
Dを画素データPELD単位毎に階調判定部13に順次
出力する。図5(a)は、このとき画素データPELD
単位毎に順次階調判定部13に送られる記録データPR
NDのNドット目から(N+7)ドット目までの画素デ
ータ列と、これらの画素データが第1と第2のラインバ
ッファに分けて格納された画素データPELDを示す。
【0041】今、階調判定部13が、同図に示すNドッ
ト目の画素データPELD(N)を受けると、この画素
データPELDの階調値Xが3であるため、第1のライ
ンバッファ14にこれを格納すると共に、第2のライン
バッファ15の対応する格納領域にはデータ0を格納す
る。同様にして(N)ドット目から(N+7)ドット目
までの8つの画素データの場合、Nドット目(X=
3)、(N+1)ドット目(X=0)、及び(N+4)
ドット目(X=3)の画素データが第1のラインバッフ
ァ14に格納され、残りの画素データは、第2のライン
バッファ15に格納される。
【0042】以上のようにして、1ライン走査分の画素
データPELDを全て2つのラインバッファ14,15
に格納した段階で、制御部12は記録ヘッド8dによる
第1の記録走査を開始する。
【0043】図5(b)は、この第1の記録走査とこれ
に続く第2の記録走査時における各ブロックでのデータ
処理の様子を示すタイムチャートであり、以下、このタ
イムチャートを参照しながら動作を説明する。但し、こ
のタイムチャートでは、第1の記録走査とこれに続く第
2の記録走査の開始タイミングを便宜上揃えて記述し、
第2の記録走査時の時刻tは、(t5)のように括弧付
で表記ている。
【0044】第1の記録走査では、先ず制御部12がキ
ャリッジ駆動手段10を介してキャリッジ3を駆動して
記録ヘッド8dを記録開始位置に移動する。そして、バ
ッファ切換回路16に対し、第1の走査時に画素データ
の読み出しを行なうラインバッファとして第1のライン
バッファ14を選択し、この第1のラインバッファ14
から順次画素データPELDを読み出すように指令す
る。
【0045】このとき、第1のラインバッファ14に格
納された画素データPELDは、駆動タイミングパルス
TIPSに同期して順次駆動信号生成部17の画素デー
タバッファ17aに書き込まれる。いま、図5(b)の
時刻t1に、駆動タイミングパルスTIPS(n)に同
期して、階調値X=3のNドット目の画素データPEL
D(N)が画素データバッファ17a(図3)に書き込
まれたとすると、第1セレクタ17cによって遅延時間
テーブル17bから滴サイズDP3の遅延時間値T3が
選択され、駆動タイミング制御部17dの第1タイマ1
7eによって遅延時間値T3分の計時が開始される。
【0046】第1タイマ17eの遅延時間T3の計時が
終了する時刻t2に遅延タイミングパルスDIPSがヘ
ッド駆動信号生成回路17gに出力される。一方ヘッド
駆動信号生成回路17gの第3タイマ17jには、第2
セレクタによって駆動時間テーブル17hから選択され
た滴サイズDP3のパルス幅PW3に相当する駆動時間
が設定され、遅延タイミングパルスDIPSの入力によ
ってこの駆動時間の計時を開始する。
【0047】従って、ヘッド駆動信号生成回路17gで
は、時刻t2に、第3タイマ17jが計時中の間だけ
“H”(能動)状態となる駆動パルス、即ちパルス幅P
W3の駆動パルスDRPSを駆動電圧発生回路18に出
力する。これにより、記録ヘッド8dから滴サイズDP
3の滴が吐出され、記録媒体上のNドット目の所定位置
にこの滴が着弾する。
【0048】続く(N+1)〜(N+3)ドット目の第
1のラインバッファ14の画素データは0であるため、
これらの画素データに対する遅延タイミングパルスDI
PSが出力されず、駆動タイミングパルス(n+1)〜
(n+3)に同期した駆動パルスは生成されない。
【0049】(N+4)ドット目の第1のラインバッフ
ァ14の画素データPELD(N+4)の階調値Xは3
である。このため、Nドット目と同様の動作により、時
刻t3に発生する駆動タイミングパルス(n+4)から
遅延時間値T3だけ経過した時刻t4に、パルス幅PW
3の駆動パルスDRPSが出力され、記録ヘッド8dか
ら吐出した滴サイズDP3の滴が、記録媒体上の(N+
4)ドット目の所定位置に着弾する。以上のようにし
て、第1のラインバッファ14に格納された全ての画素
データが記録媒体に書き込まれる。
【0050】次に、制御部12は、キャリッジ駆動手段
10を介してキャリッジ3を駆動し、記録ヘッド8dを
記録開始位置に復帰させて第2の記録走査を開始する。
この第2の記録走査では、記録ヘッド8dを記録開始位
置に移動した後、バッファ切換回路16に対し、第2の
走査時に画素データの読み出しを行なうラインバッファ
として第2のラインバッファ15を選択し、この第2の
ラインバッファ15から順次画素データPELDを読み
出すように指令する。
【0051】このとき、第2のラインバッファ15に格
納された画素データPELDは、駆動タイミングパルス
TIPSに同期して順次駆動信号生成部17の画素デー
タバッファ17aに書き込まれ、第1の記録走査時と同
じ信号処理が行なわれる。
【0052】従って、階調値X=1の(N+2)ドット
目の画素データPELD(N+2)に対応する駆動パル
スDRPSは、時刻(t5)に発生する駆動タイミング
パルス(n+2)から遅延時間T1だけ遅延してパルス
幅PW1を有して発生する。これにより、記録ヘッド8
dから滴サイズDP1の滴が吐出され、記録媒体上の
(N+2)ドット目の所定位置にこの滴が着弾する。
【0053】また、階調値X=1の(N+7)ドット目
の画素データPELD(N+7)に対応する駆動パルス
DRPSは、時刻(t9)に発生する駆動タイミングパ
ルス(n+7)から遅延時間T1だけ遅延してパルス幅
PW1を有して発生する。これにより、記録ヘッド8d
から滴サイズDP1の滴が吐出され、記録媒体上の(N
+7)ドット目の所定位置にこの滴が着弾する。
【0054】同様にして、階調値X=2の(N+3)ド
ット目、(N+5)ドット目、及び(N+6)ドット目
の各画素データに対応する駆動パルスDRPSは、各々
時刻(t6)、(t7)、及び(t8)に発生する駆動
タイミングパルスから遅延時間T2だけ遅延してパルス
幅PW2を有して発生する。これにより、記録ヘッド8
dから滴サイズDP2の滴が吐出され、記録媒体上の
(N+3)ドット目、(N+5)ドット目、及び(N+
6)ドット目の所定位置にこの滴が着弾する。
【0055】以上のように、第1の記録走査で第1のラ
インバッファ14に格納された各画素データを記録し、
第2の記録走査で第2のラインバッファ15に格納され
た各画素データを記録媒体の同じラインに記録すること
により、1ライン走査分の画素データの記録媒体への記
録を終了する。その後、同様の記録動作を繰り返して、
記録すべき画像の全ての記録データを記録媒体上に記録
する。
【0056】以上ように、本発明による実施の形態1の
インクジェットプリンタ1によれば、滴サイズの違いに
より吐出速度の異なる複数種類のインク滴を記録媒体に
着弾させる際に、駆動タイミングパルス周期Tcに対す
る着弾時間の比率が大きくなる場合でも、記録媒体上の
所望の位置に着弾させて記録することができる。
【0057】実施の形態2.図6は、本発明による実施
の形態2のインクジェットプリンタ21の要部構成を示
す構成ブロック図である。この構成は、図2に示す実施
の形態1のインクジェットプリンタ1に対して、階調判
定部の構成及び動作が異なるが、他の構成要素は共通す
るため、共通する部分には同符号を付してその説明を省
略する。
【0058】制御部22は、図2(a)に示す前記した
制御部12と同様に、1ライン走査分の記録データPR
NDを、画素データPELD単位毎に順次階調判定部2
3に出力する。階調判定部23は、順次この画素データ
PELDを入力するが、新たに入力する画素データPE
LDを画素データバッファ23aに格納する前に、その
前に入力して画素データバッファ23aに格納した前画
素データを、前画素データバッファ23bに移す。
【0059】連接判定部23dは、新たに入力して画素
データバッファ23aに格納された画素データPELD
と、前画素データバッファ23bに格納されている1つ
前に入力した画素データPELDとを比較し、図7に示
す条件テーブルに基づいて判定した判定フラグDEFG
をバッファ制御部23cに出力すると共に、判定フラグ
DEFGが“1”となる判定が行なわれた場合には、こ
の判定が行なわれたことを制御部22に知らせるべく、
バッファ使用フラグBUFGを“1”とする。
【0060】従って、階調判定部23が入力する1ライ
ン走査分の画素データのうち、第2のラインバッファ1
5に出力される画素データが1つでもあると、バッファ
使用フラグBUFGが“1”となって、これを制御部2
2に知らせる。ここでの階調判定部23は、画素データ
が格納されていない画素データ未格納ラインバッファを
特定する判別手段を兼ねている。
【0061】判定条件テーブルは、例えは実施の形態1
と同様のインク滴を吐出する場合に、前後して入力する
画素データPELDの各階調度を監視し、これらに対応
するインク滴を連続して吐出しようとした場合、両者の
吐出タイミングがオーバーラップしてしまう組合せをチ
ェックし、オーバーラップする組合せの場合には判定フ
ラグDEFGを“1”とし、オーバーラップしない組合
せの場合には判定フラグDEFGを“0”としたもので
ある。
【0062】バッファ制御部23cは、判定フラグDE
FGが“0”の場合には、入力した画素データを第1の
ラインバッファ14に出力し、判定フラグDEFGが
“1”の場合には、入力した画素データを第2のライン
バッファ15に出力する。以上の構成において、図8の
フローチャートに従って、階調判定部23の一連の動作
について説明する。
【0063】階調判定部23は、制御部22から画素デ
ータの入力開始の通知を受け、バッファ使用フラグBU
FGを“0”状態にリセットすると共に、画素データバ
ッファ23a及び前画素データバッファ23bを共にク
リアする(ステップ1)。その後、制御部22からの新
たな画素データPELDを受けて画素データバッファ2
3cに格納すると(ステップ2)、この画素データと前
画素データバッファ23bに格納されている1つ前の画
素データとを連接判定部23dが入力し、図7に示す組
合せ条件テーブルに従って判定フラグDEFGの出力を
決定する(ステップ3)。但し、初期時の前画素データ
バッファ23bのデータ値は、“0”に設定されている
ものとする。
【0064】バッファ制御部23cは、この判定フラグ
DEFGが“0”の場合、画素データバッファ23aの
データを第1のラインバッファ14に格納し、第2のラ
インバッファ15の同じ画素位置の格納領域には0値
(非記録を示す)を格納する(ステップ4,5)。
【0065】逆に、判定フラグDEFGが“1”の場
合、第2のラインバッファ15に画素データバッファ2
3aのデータを格納し、第1のラインバッファ14の同
じ画素位置の格納領域には0値を格納する(ステップ
6,7)。更に、第2のラインバッファ15へ画素デー
タの格納が行なわれたことを示すバッファ使用フラグB
UFGを“1”として、制御部21にこれを通知する
(ステップ8)。
【0066】第1又は第2のラインバッファ14,15
への画素データの格納動作が完了したら、前画素データ
バッファ23bに画素データバッファ23aのデータを
格納し、次の画素データの入力を待つ(ステップ9)。
制御部22から、1ライン走査分の記録データの処理が
終了したことの通知を受けた場合には処理を終了し、完
了しない場合は、上記の動作を繰り返す(ステップ1
0)。
【0067】図9は、上記のフローに従って、階調判定
部23が、入力した画素データを第1のラインバッファ
14と第2のラインバッファ15とに振り分けたデータ
列を2例示している。
【0068】図9(a)の入力画素データの配列は、実
施の形態1の例を示す図5(a)の入力画素データと同
じ配列を示しているが、この場合、(N+4)ドット目
と(N+5)ドット目の画素データの比較において、判
定フラグDEFGが“1”となり、(N+5)ドット目
の画素データ(階調値X=2)が第2のラインバッファ
15に格納され、この時点でバッファ使用フラグBUF
Gが“1”となって、以後この状態が維持される。
【0069】一方、図9(b)の入力画素データの配列
によれば、判定フラブDEFGが“1”となる配列が存
在しないため、入力画素データはすべて第1のラインバ
ッファ14に格納され、バッファ使用フラグBUFGは
“0”状態を維持している。
【0070】以上のようにして、1走査分の記録データ
の処理が終了した段階で、制御部22は、記録ヘッド8
dによる記録走査開始の起動をかける。この場合、前記
した実施の形態1と同様に、第1の記録走査で第1のラ
インバッファ14に格納された各画素データを記録し、
第2の記録走査で第2のラインバッファ15に格納され
た各画素データを記録することにより、1ライン走査分
の画素データの記録媒体への記録を終了するが、第2の
走査を行なう条件が新たに設定される。
【0071】即ち、図9(b)のような入力画素データ
配列が連続し、1ライン走査分の画素データを処理した
時点でバッファ使用フラグBUFGが“0”の場合、制
御部22は、第2のラインバッファ15には記録すべき
画素データが格納されていないと判断し、第2走査の実
行を中止し、次の走査の記録データの処理に入る。
【0072】以上ように、本発明による実施の形態2の
インクジェットプリンタ21によれば、テキスト画像の
ように、同一濃度の滴で記録する領域の多い画像におい
ては、第2のラインバッファに画素データが格納されな
い走査ライン領域が多くなるため、実施の形態1の場合
に比べて、記録ヘッドの記録走査の回数が減り、記録時
間を短縮することができる。
【0073】実施の形態3.図10は、本発明による実
施の形態3のインクジェットプリンタ31の要部構成を
示す構成ブロック図である。このインクジェットプリン
タ31を構成する、階調判定部33から駆動電圧発生回
路38までの信号処理系、及び階調判定部39から電圧
駆動発生回路44までの信号処理系は、共に前記した図
2(a)に示す実施の形態1のインクジェットプリンタ
1の階調判定部13から駆動電圧発生回路18までの信
号処理系と全く同じ構成のものであるため、同じ名前を
付けて示し、それらの構成の説明を省略する。
【0074】このインクジェットプリンタ31は、2つ
の記録ヘッド8a,8bを備え、例えば記録ヘッド8a
がシアンのインクを吐出し、記録ヘッド8bがマゼンタ
のインクを吐出するように構成されているものとする。
【0075】これらの記録ヘッドは、走査方向に向かっ
て記録ヘッド8a、記録ヘッド8bの順に所定の間隔D
で配置されている。従って、記録走査時には、先行する
記録ヘッド8aに対し、後行する記録ヘッド8bに対応
するラインバッファへの記録データの読み出し開始時点
が、この間隔Dに相当する遅延時間だけ遅れるように制
御する。これにより、記録ヘッド8aと記録ヘッド8b
とが別々に吐出する、同一ドット位置の画素データに対
応する吐出滴は、記録媒体上の同一位置で重なり、1回
の記録走査中に2つの記録ヘッドによる同時記録を可能
としている。またこのとき、記録ヘッド8aが先行して
記録走査するため、記録ヘッド8aの吐出滴の上に記録
ヘッド8bの吐出滴が重なることになる。
【0076】制御部31には、更に記録媒体選択部45
が接続され、操作者のキー入力による選択により、使用
する記録媒体の種類が制御部31にメモリされる。
【0077】以上の構成において、その動作を説明す
る。このインクジェットプリンタ31には、シアン及び
マゼンタの色に対応する記録データPRNDが入力され
る。このうちシアンの画素データPELD(C)は、制
御部32から階調判定部33に順次送られ、画素データ
ごとにその階調値に応じて第1のラインバッファ34又
は第2のラインバッファ35のいずれかに順次格納され
る。
【0078】一方マゼンタの画素データPELD(M)
は、制御部32から階調判定部39に順次送られ、これ
も画素データ毎にその階調値に応じて第1のラインバッ
ファ40又は第2のラインバッファ41のいずれかに順
次格納される。
【0079】尚、後述する理由により、階調判定部33
及び39は、画素データの格納先を決定する基準とし
て、濃度が高いもの(滴サイズが大きいもの)が第1の
ラインバッファ34,40に格納されるように設定され
ている。
【0080】例えば、実施の形態1の階調判定部13が
判定基準とした図2(b)の階調値−バッファ対応テー
ブルは、階調値0が非吐出で、滴サイズDP3(階調値
3)>滴サイズDP2(階調値2)>滴サイズDP1
(階調値1)の関係になっている。そして滴サイズの大
きい階調値3の画素データを第1のラインバッファに格
納するようにしているため、この条件を満たしている。
【0081】制御部32は、1ライン走査分のシアン及
びマゼンタの各画素データが、選別されて対応するライ
ンバッファへ各々格納された時点で、記録媒体選択部4
5からの情報を確認する。このとき、使用する記録媒体
の指定が普通紙の場合には、各バッファ切換回路36及
び42が、第1の記録走査において共に第1のランバッ
ファ34、及び40を指定するように設定する。これに
より、第1の記録走査において比較的濃度の高い(滴サ
イズの大きい)滴が媒体上に記録される。
【0082】この第1の記録走査に続いて、各バッファ
切換回路36及び42が、共に第2のランバッファ35
及び41を指定するように設定して第2の記録走査を実
行する。この処理により、比較的滴サイズの大きい滴に
よるドットが記録された媒体上に1走査分に要する時間
をおいて、比較的滴サイズの小さい滴によるドットが記
録される。
【0083】以上のように、本発明による実施の形態3
のインクジェットプリンタによれば、滴サイズの比較的
大きいものを先に着弾させ、この上に滴サイズの小さい
ものを重ねるように記録走査するので、滴の重ね順のば
らつきによる色むらを小さくし、媒体の滲みの特性によ
る色ずれの差を小さくすることが可能となる。
【0084】また、記録媒体が、OHP用紙の場合に
は、その透過濃度を確保するために、OHP用紙上のイ
ンク吸収層に沈着させるインク量を多めにする必要があ
るが、単純に滴サイズを増大させるだけではドットサイ
ズも大きくなってしまい、画像の解像度が低下してしま
う。
【0085】そこで、媒体選択部45からの入力情報が
OHP用紙であった場合には、前記実施の形態3の場合
とは逆に、記録時の第1走査を、各バッファ切換回路3
6及び42が、各々第2のランバッファ35及び41を
指定して行なって、先ず比較的小さなサイズ滴による記
録を行なう。そして、続く第2走査において、各バッフ
ァ切換回路36及び42が、各々第1のランバッファ3
4及び40を指定し、比較的大きなサイズ滴による記録
を行なう。
【0086】これにより、インク吸収層に沈着する時間
の比較的短い、比較的小さなサイズの滴を先に沈着させ
ることで、インク吸収層上でのインクの滲みによる位置
ずれを抑えて、多くのインクを吸収層に沈着させること
ができ、所望のインク濃度を得ることが可能となる。
【0087】また前記実施の形態では、1つの記録ヘッ
ドに対してラインバッファを2つ設けたが、これに限定
されるものでなく、より多くのラインバッファを用意す
ることにより、滴吐出速度のばらつきが更に大きなイン
ク滴を形成しての記録にも対応可能となる。
【0088】また、前記実施の形態3では、記録媒体選
別手段として記録媒体選別部を設けたが、これに限定さ
れるものでなく、パソコン本体の操作によって、プリン
タドライバに記録媒体情報を格納し、この情報を記録デ
ータ入力部から記録データと共に入力するように構成し
てもよいなど、種々の態様が考えられるものである。
【0089】
【発明の効果】本発明による請求項1のインクジェット
プリンタによれば、滴サイズの違いにより吐出速度の異
なる複数種類のインク滴を記録媒体に着弾させる際に、
駆動タイミングパルス周期に対する着弾時間の比率が大
きくなる場合でも、記録媒体上の所望の位置に着弾させ
て記録することができため、プリンタの高解像度化、或
いは高速記録化に寄与できる。
【0090】また、本発明による請求項2のインクジェ
ットプリンタによれば、記録データの配列状態によって
は、画素データを格納しないラインバッファが生じやす
くなり、このデータを格納していないラインバッファの
データ記録操作を省略するため、記録動作の効率がよく
なり、記録時間を短縮することが出来る。
【0091】更に、本発明による請求項3のインクジェ
ットプリンタによれば、記録媒体の特性に応じて滴サイ
ズの比較的大きなインク滴を記録する記録走査と、滴サ
イズの比較的小さなインク滴を記録する記録走査との記
録走査の順番が設定できるため、種々のタイプの記録媒
体に対して、常に最適の条件でのカラー記録が可能とな
り、記録媒体に対する適応性を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するためのインクジェットプリ
ンタの要部の構成を示す外観図である。
【図2】 (a)は本発明によるインクジェットプリン
タの実施の形態1の要部構成を示す構成ブロック図であ
り、(b)は階調判定部13の階調−バッファ対応値を
示す表である。
【図3】 駆動信号生成部17の内部ブロック図であ
る。
【図4】 滴サイズDP1〜DP3の吐出タイミングを
示すタイミングチャートである。
【図5】 (a)は、記録データPRNDのNドット目
から(N+7)ドット目までの画素データ列と、これら
の画素データが第1と第2のラインバッファに分けて格
納された画素データPELDを示す。(b)は、各ブロ
ックにおけるデータ処理の様子を示すタイムチャートで
ある。
【図6】 本発明による実施の形態2のインクジェット
プリンタ21の要部構成を示す構成ブロック図である。
【図7】 連接判定部23dが行なう判定の条件を示す
条件テーブルである。
【図8】 実施の形態2の階調判定部23の一連の動作
の流れを示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態2の階調判定部23によって判定
され、2つのランバッファに格納される画素データの流
れを示す図である。
【図10】 本発明による実施の形態3のインクジェッ
トプリンタ31の要部構成を示す構成ブロック図であ
る。
【図11】 (a)は、従来のプリンタにおいて、吐出
速度の差によって生ずる不都合を説明するための図であ
り、(b)は、吐出間隔に対する着弾時間の比率が大き
くなることによる不都合を説明するための図である。
【符号の説明】
1,21,31インクジェットプリンタ、 2 シャー
シ、 3 キャリッジ、 4 キャリッジシャフト、
5 スペースモータ、 6 紙送りモータ、7 印刷
紙、 8 記録ヘッド部、 8a 記録ヘッド、 8b
記録ヘッド、8c 記録ヘッド、 8d 記録ヘッ
ド、 9 インクタンク、 10 キャリッジ駆動手
段、 11 記録データ入力部、 12,22,32
制御部、13,23,33,39 階調判定部、 1
4,34,30 第1のラインバッファ、 15,3
5,41 第2のラインバッファ、 16,36,42
バッファ切換回路、 17,37,43 駆動信号生
成部、 17a 画素データバッファ、 17b 遅延
時間テーブル、 17c 第1セレクタ、 17d 駆
動タイミング制御部、 17e 第1タイマ、 17f
第2タイマ、 17gヘッド駆動信号生成回路、 1
7h 駆動時間テーブル、 17i 第2セレクタ、
17j 第3タイマ、 18,38,44 駆動電圧発
生回路、 23a 画素データバッファ、 23b 前
画素データバッファ、 23c バッファ制御部、 2
3d 連接判定部、 45 記録媒体選択部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素毎の階調に関する情報を含む記録デ
    ータを入力し、各画素の情報を示す画素データの階調値
    に対応した複数のサイズのインク滴を、該サイズに応じ
    た吐出タイミングで吐出して記録媒体に記録を行なうイ
    ンクジェットプリンタにおいて、 1ライン走査分の前記画素データを、該画素データの前
    記階調値に応じて複数のグループに分割する階調判定部
    と、 グループ化した前記画素データを、前記グループ毎に格
    納する複数のラインバッファと、 前記複数のラインバッファから選択したラインバッファ
    に格納された前記画素データを順次読み出すバッファ切
    換回路と、 記録ヘッドによる1回の記録走査で、前記バッファ切換
    回路によって選択されたラインバッファから読み出され
    た前記画素データに対応する前記インク滴を前記記録媒
    体上に吐出するヘッド駆動手段と、 前記バッファ切換回路による前記ラインバッファの選択
    順位を指定すると共に、前記ヘッド駆動手段を制御する
    制御部とを有し、前記バッファ切換回路によって前記ラ
    インバッファを所定の順番で順次選択して各ラインバッ
    ファが格納する前記画素データを読み出し、前記ヘッド
    駆動手段によって、各ラインバッファの画素データに対
    応する前記インク滴を同一ライン上の所定位置に吐出す
    べく、前記記録ヘッドの記録走査を繰り返すことを特徴
    とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 画素毎の階調に関する情報を含む記録デ
    ータを入力し、各画素の情報を示す画素データの階調値
    に対応した複数のサイズのインク滴を、該サイズに応じ
    た吐出タイミングで吐出して記録媒体に記録を行なうイ
    ンクジェットプリンタにおいて、 1ライン走査分の、走査方向に互いに隣接する前記画素
    データの前記階調値を比較し、両階調値が所定の関係に
    ある場合には、両画素データを別々のグループに分割す
    る階調判定部と、 グループ化した前記画素データを、前記グループ毎に格
    納する複数のラインバッファと、 前記画素データが格納されていない画素データ未格納ラ
    インバッファを特定する判別手段と、 前記複数のラインバッファから選択したラインバッファ
    に格納された前記画素データを順次読み出すバッファ切
    換回路と、 記録ヘッドによる1回の記録走査で、前記バッファ切換
    回路によって選択されたラインバッファから読み出され
    た前記画素データに対応する前記インク滴を前記記録媒
    体上に吐出するヘッド駆動手段と、 前記バッファ切換回路による前記ラインバッファの選択
    動作を指定すると共に、前記ヘッド駆動手段を制御する
    制御部とを有し、前記バッファ切換回路によって、複数
    の前記ラインバッファのうち、前記画素データ未格納ラ
    インバッファを除いたラインバッファを選択して前記画
    素データを読み出し、前記ヘッド駆動手段によって、読
    み出した画素データに対応する前記インク滴を所定位置
    に吐出すべく、前記バッファ切換回路が選択した前記ラ
    インバッファの数だけ前記記録ヘッドの同一ライン上の
    記録走査を繰り返すことを特徴とするインクジェットプ
    リンタ。
  3. 【請求項3】 互いに異なる色のインク滴を吐出する複
    数の記録ヘッドを走査方向に配列し、各色毎に階調に関
    する情報を含む記録データを入力し、各画素の情報を示
    す画素データの階調値に対応した複数のサイズのインク
    滴を、該サイズに応じた吐出タイミングで吐出して記録
    媒体に記録を行なうインクジェットプリンタにおいて、 1ライン走査分の前記画素データを、該画素データに対
    応するインク滴のサイズを基準に複数のグループに分割
    する階調判定部と、グループ化した前記画素データを、
    前記グループ毎に格納する複数のラインバッファと、前
    記複数のラインバッファから選択したラインバッファに
    格納された前記画素データを順次読み出すバッファ切換
    回路と、記録ヘッドによる1回の記録走査で、前記バッ
    ファ切換回路によって選択されたラインバッファから読
    み出された前記画素データに対応する前記インク滴を前
    記記録媒体上に吐出するヘッド駆動手段と、を有する複
    数の信号処理系と、 記録媒体の種類を指定する記録媒体選別手段と、 前記各色毎の画素データを各々対応する前記信号処理系
    に出力し、前記各信号処理系の前記バッファ切換回路に
    よるラインバッファの選択順位を、前記記録媒体の種類
    に応じて指定すると共に、前記各ヘッド駆動手段を制御
    する制御部とを有し、前記各バッファ切換回路によって
    前記ラインバッファを所定の順番で順次選択して各ライ
    ンバッファが格納する前記画素データを読み出し、前記
    各ヘッド駆動手段によって、各ラインバッファの画素デ
    ータに対応する前記インク滴を同一ライン上の所定位置
    に吐出すべく、前記各記録ヘッドの記録走査を繰り返す
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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