JP2002085539A - 脱臭材及びアルデヒド吸着度指示方法 - Google Patents

脱臭材及びアルデヒド吸着度指示方法

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JP2002085539A
JP2002085539A JP2000284842A JP2000284842A JP2002085539A JP 2002085539 A JP2002085539 A JP 2002085539A JP 2000284842 A JP2000284842 A JP 2000284842A JP 2000284842 A JP2000284842 A JP 2000284842A JP 2002085539 A JP2002085539 A JP 2002085539A
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JP2000284842A
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Kazuhiro Fukumoto
和広 福本
Tomiko Mori
登美子 毛利
Seiji Onoda
誠次 小野田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1成分にて、アルデヒドに対する脱臭活性
と、アルデヒド吸着度の明瞭な指示機能とを持つ脱臭成
分を含み、しかもその脱臭成分が吸着度指示機能や耐揮
発性等の付与のためにコスト面や脱臭性能面での犠牲を
伴わない脱臭材の提供。 【解決手段】 アルデヒドと結合して茶褐色のキノリン
構造発色団を形成する脱臭成分、特に好ましくはベンゼ
ンン環に少なくとも1のアミノ基と1のカルボキシル基
を置換基として備え、カルボキシル基が所定の塩基性塩
とされている脱臭成分を有する脱臭材。脱臭成分は、好
ましくは多孔性担体に担持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱臭材及びアルデヒ
ド吸着度指示方法に関し、更に詳しくは、アルデヒドと
結合することによりキノリン構造の発色団を形成可能な
脱臭成分を含む脱臭材と、この脱臭材を利用してアルデ
ヒド吸着並びにアルデヒド吸着度指示を同時に行うアル
デヒド吸着度指示方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】アルデヒド類はもともと、アンモニア,
トリメチルアミン等の塩基性臭気成分、硫化水素,メチ
ルメルカプタン,酢酸等の酸性臭気成分に比較して適当
な吸着材が少ない。しかるに近年、シックハウス症候群
や、非喫煙者にとって不快なタバコ臭等との関連で、ホ
ルムアルデヒドやアセトアルデヒドその他のアルデヒド
類が問題視されている。このような点から、主としてア
ルデヒド類をターゲットとした吸着手段が多数提案され
ている。
【0003】又、実用上の問題として、吸着手段による
アルデヒド類の吸着を確認し、あるいはアルデヒド類吸
着性能の寿命を確認するための指示手段(インジケー
タ)、とりわけ肉眼で容易に視認できる指示手段も種々
提案されている。
【0004】例えば、市販品として出回っているホルム
アルデヒド検知管は、ヒドロキシルアミンリン酸塩と、
インジケータとしてのpH指示薬とを担体に担持させた
ものである。そしてヒドロキシルアミンがホルムアルデ
ヒドを捕捉した時にオキシムの生成と同時にリン酸が解
離されることにより、pH指示薬が変色してホルムアル
デヒドの検知又は濃度検出がなされる。特開平11−1
28329号公報に開示されたホルムアルデヒド捕捉剤
は、無機アンモニウム塩にpH指示薬を添加している。
そして無機アンモニウム塩がホルムアルデヒドを捕捉し
た時、アンモニウム塩より酸が解離してpH指示薬を呈
色させる。特開昭56−66260号公報に開示された
消毒指示薬は、アミノ酸とpH指示薬からなる。そし
て、アミノ酸のアミノ基がアルデヒドを捕捉して塩基性
を失った時、カルボキシル基によって強まるアミノ酸の
酸性をpH指示薬によって示すようになっている。
【0005】しかし、上記従来の技術や発明において
は、アルデヒド脱臭物質とインジケータ物質との2成分
を混合させて用いる必要があり、調製工程やコスト面に
関しては、必ずしも有利と言えない面がある。
【0006】一方、特開平10−85585号公報に係
る「空気浄化剤,浄化剤混合物及び空気浄化装置」の発
明においては、有機アミン類又はアミン系シラン類を脱
臭有効成分とし、この有効成分によってアルデヒドをト
ラップすると共に、その結果生成するシッフ塩基等の反
応生成物の発色によりアルデヒドの吸着度を指示する。
従って、1成分によってアルデヒド吸着とその吸着度指
示とがなされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−85585号公報に係る発明は、吸着脱臭成
分に吸着度指示機能をも持たせるため、あるいは多孔性
物質からの揮散を防止するために、脱臭材としての多く
の性能を犠牲にしている。又、吸着度指示機能が十分に
徹底していないための不利益もある。
【0008】即ち、第1に、本来はプロピルアミンと言
う低分子量のアルデヒド吸着剤であったものを、吸着度
指示機能を持たせるため、あるいは多孔性物質からの揮
散による有機アミン類自身の臭気の発生および揮散に伴
う脱臭性能の低下を抑えるために、わざわざ沸点が10
0°C以上のもの又は空気中での蒸気圧の低いものとし
てアニリンや3−アミノプロピルトリエトキシシランと
いうかなり分子量の大きな物質の利用を推奨している。
その結果、担体単位量当たりの脱臭有効成分の担持量が
制約され、相対的に脱臭材のアルデヒド脱臭性能が低減
する。又、脱臭有効成分であるアミン系シラン類はやや
特殊な物質であるため、原料コストも大幅に押し上げら
れる。
【0009】第2に、シッフ塩基の発色は比較的淡い色
彩である黄色のため、その発色を肉眼で視認し難い。あ
るいは、視認性を良くするために脱臭材の担体(基材)
として極めて純白度の高いものを採用する必要があると
言う制約を伴う。
【0010】そこで本発明は、以下のa)〜c)の条件
を兼ね備えるアルデヒド脱臭材と、これを用いた有利な
アルデヒド吸着度指示方法とを提供することを、解決す
べき課題とする。 a)アルデヒド脱臭成分が吸着度指示機能を持ってい
る。 b)吸着度指示機能のためや、揮発防止のために、アル
デヒド脱臭成分が高分子量化,高コスト材料化等の脱臭
成分として不利益な化学的変更又は化学的修飾を受けて
いない。 c)肉眼で視認し易い濃色系の色彩に発色する。
【0011】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、アルデヒド吸着能を有する脱臭成分を
任意の形態で含む脱臭材であって、前記脱臭成分が、ア
ルデヒドと結合することによりキノリン構造の発色団を
形成可能な脱臭成分である、脱臭材である。
【0012】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る脱臭成分が、その1分子当たり2分
子以上のアルデヒドと結合してキノリン構造の発色団を
形成可能な脱臭成分である、脱臭材である。
【0013】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係る脱臭成分が、ベンゼン
環の少なくとも1の水素原子がアミノ基に、他の少なく
とも1の水素原子がカルボキシル基にそれぞれ置換され
たものであり、かつ、前記カルボキシル基がアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の塩とされている、脱臭材であ
る。
【0014】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る脱臭成分が以
下のいずれかである脱臭材である。 (1)オルト,メタ,またはパラアミノ安息香酸のナト
リウム塩あるいはカリウム塩。 (2)パラアミノサリチル酸のナトリウム塩あるいはカ
リウム塩。
【0015】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る脱臭材が前記
脱臭成分を担体に担持したものである、脱臭材である。
【0016】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第5発明に係る担体が白色あるいは淡色を呈する無
機質多孔性担体である、脱臭材である。
【0017】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第6発明に係る多孔性担体がシリカゲル,セピオラ
イト又はゼオライトである、脱臭材である。
【0018】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第5発明に係る担体が白色あるいは淡色を呈する有
機質多孔性担体である、脱臭材である。
【0019】(第9発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第8発明のいずれかに係る脱臭材をアルデヒ
ド吸着に用いることにより、アルデヒドを吸着すると共
に前記発色団の形成によってアルデヒド吸着度を指示す
る、アルデヒド吸着度指示方法である。
【0020】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明の脱臭材においては、アルデヒド脱臭成分がアルデヒ
ドと結合することによりキノリン構造の発色団を形成す
るため、アルデヒド吸着度指示機能を併せ持っている。
【0021】又、キノリン構造の発色団を形成するアル
デヒド脱臭成分は、第1に、濃色系の色彩である茶褐色
に発色するため、肉眼的に容易に視認できる。従って、
脱臭材の担体として必ずしも白色度の極めて高いものを
使用する必要はなく、ある程度の淡い色彩を持った担体
を使用しても、アルデヒド吸着度指示機能の視認性を確
保できる。キノリン構造の発色団を形成するアルデヒド
脱臭成分は、第2に、通常は揮発性がなく、無臭であ
る。
【0022】以上の点から、キノリン構造の発色団を形
成するアルデヒド脱臭成分に対しては、吸着度指示機能
のためや、揮発防止のために、高分子量化,高コスト材
料化等の脱臭成分として不利益な化学的変更又は化学的
修飾を要しない。
【0023】(第2発明の作用・効果)第2発明の脱臭
材においては、脱臭成分が1分子当たり2分子以上のア
ルデヒドと結合してキノリン構造の発色団を形成する。
一方、例えば前記特開平10−85585号公報に係る
発明にも見られるように、通常、有機アミン類、より具
体的にはアニリン等の芳香族アミンとアルデヒドとの反
応で生成する物質はシッフ塩基であって、脱臭成分であ
る有機アミン類、アミン系シラン類がシッフ塩基を形成
するに当たり1分子のみのアルデヒドを吸着する。それ
に比較して、第2発明の脱臭材は2分子以上のアルデヒ
ドを吸着するため、アルデヒド脱臭能力が高い。
【0024】(第3発明の作用・効果)第3発明の脱臭
材に係る脱臭成分は、一般的に、アミノ基にアルデヒド
が結合することにより暫定的にベンゼン環の側鎖が形成
され、次いで側鎖がベンゼン環に対して閉環することに
より、キノリン構造の茶褐色の発色団を形成する。
【0025】カルボキシル基のアルカリ金属塩又はアル
カリ土類金属は、キノリン構造の形成要素とはならない
が、ベンゼン環から電子を強く吸引することにより、ア
ミノ基に対するアルデヒドの結合とキノリン構造の形成
に決定的に重要な機能を果たす。カルボキシル基が自由
末端状態で存在している場合には、上記機能は十分に確
保されない。
【0026】第3発明に係る脱臭成分の化学構造は有機
化学的にありふれた単純な低分子量構造であり、前記特
開平10−85585号公報に係る脱臭成分のように、
高分子量化,高コスト材料化等を内容とする脱臭成分と
して不利益な化学的変更又は化学的修飾を受けていな
い。
【0027】(第4発明の作用・効果)第4発明に係る
(1)又は(2)の脱臭成分は、以上の第1発明〜第3
発明に係る脱臭材の脱臭成分の一代表例である。例え
ば、パラアミノ安息香酸のナトリウム塩がアセトアルデ
ヒドを吸着してキノリン構造の発色団を形成する反応
は、次に示す「化1」の通りである。
【0028】
【化1】 即ち、「化1」のように、脱臭成分に対してアセトアル
デヒドが二量体の状態に結合して暫定的なベンゼン環側
鎖となり、次いでこの側鎖がベンゼン環に対して閉環す
ることにより、茶褐色のキノリン構造発色団を形成す
る。
【0029】従って、a)アルデヒド脱臭成分が吸着度
指示機能を持ち、b)吸着度指示機能のために、アルデ
ヒド脱臭成分が高分子量化,高コスト材料化等の不利益
な化学的変更又は化学的修飾を受けておらず、c)肉眼
で視認し易い濃色系の色彩に発色する。
【0030】オルト,メタアミノ安息香酸のナトリウム
塩あるいはカリウム塩や、パラアミノサリチル酸のナト
リウム塩あるいはカリウム塩も、同様なアルデヒド吸着
及び発色機構である。
【0031】(第5発明の作用・効果)第1発明〜第4
発明に係る脱臭成分を担体に担持させることにより、応
用範囲の広い有利な実施形態の脱臭材を提供することが
できる。
【0032】(第6発明の作用・効果)上記脱臭成分が
肉眼で視認し易い濃色系の色彩に発色するため、担体と
して白色〜淡色を呈する広い範囲のものを任意に選択で
きる。担体としては、その表面積(外表面積及び細孔内
表面積)が特に大きく、かつ脱臭成分の担持能力も大き
い多孔性担体が有利である。又、無機質多孔性担体は耐
熱性が優れる。
【0033】(第7発明の作用・効果)第6発明に係る
担体として特に有利なものが、シリカゲル,セピオライ
ト又はゼオライトである。
【0034】(第8発明の作用・効果)白色あるいは淡
色を呈する有機質多孔性担体も、その表面積や脱臭成分
担持能力の大きさから、特に好ましい。
【0035】(第9発明の作用・効果)第9発明の方法
によれば、1成分系の脱臭成分によってアルデヒドの脱
臭とその吸着度指示とを簡易に実施でき、吸着度指示機
能によって脱臭成分の本来の性能を犠牲にすることもな
く、しかも肉眼で視認し易いアルデヒド吸着度指示方法
を実施することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第9発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第9発明を一括して指してい
る。
【0037】〔脱臭材、アルデヒド吸着度指示方法〕本
発明の脱臭材は、第1発明〜第4発明のいずれかに係る
脱臭成分を含有するものである限りにおいて、その具体
的な材料形態には限定がない。例えば、上記脱臭成分の
みからなり、あるいはこれに任意の適宜な配合剤が配合
された粉材や粒材であっても良く、脱臭成分を水溶液や
アルコール溶液等とした脱臭液であっても良い。
【0038】しかし、本発明の脱臭材の最も代表的な使
用形態は、脱臭成分を脱臭材基材としての担体、とりわ
け多孔性担体に任意の手段により担持させた脱臭材であ
る。これらの各種形態の脱臭材の用途にも限定がなく、
例えば家屋の室内や自動車の車室内等において空気清浄
器用フィルター,脱臭シート,脱臭用装飾材等として利
用することができる。
【0039】本発明の脱臭材の使用方法は限定されな
い。しかし、アルデヒド類の脱臭に特に好適に用いられ
る。脱臭材をアルデヒド吸着に用いることにより、アル
デヒドを吸着すると共に、発色団の形成によってアルデ
ヒド吸着度を指示するアルデヒド吸着度指示方法を有効
に実施することができる。
【0040】〔脱臭成分〕本発明の脱臭材における脱臭
成分は、アルデヒドと結合することによりキノリン構造
の発色団を形成可能な脱臭成分、あるいは、ベンゼン環
の少なくとも1の水素原子がアミノ基に、他の少なくと
も1の水素原子がカルボキシル基にそれぞれ置換された
ものであり、かつ前記カルボキシル基がアルカリ金属又
はアルカリ土類金属の塩とされている脱臭成分である。
後者の脱臭成分において、ベンゼン環に置換されたアミ
ノ基とカルボキシル基は単一とは限らない。又、本発明
の作用・効果を阻害しない限りにおいて、ベンゼン環に
は他の置換基(例えば、低分子量のメチル基、エチル基
等)が存在しても良い。
【0041】これらの内、1分子当たり2分子以上のア
ルデヒドと結合してキノリン構造の発色団を形成可能な
脱臭成分がより好ましく、あるいはアミノ安息香酸の塩
又はアミノサリチル酸の塩がより好ましい。
【0042】塩としては、カルボキシル基がナトリウム
塩あるいはカリウム塩となったものが特に好ましい。ア
ミノ安息香酸におけるアミノ基とカルボキシル基の位置
関係は、オルト,メタ,又はパラのいずれでも良い。ア
ミノサリチル酸におけるアミノ基とカルボキシル基の位
置関係は、パラが好ましい。 〔脱臭材の担体〕本発明の脱臭材の担体としては、各種
の有機材料又は無機材料からなる粉末状,顆粒状,ペレ
ット状,任意形状のモノリス状等の担体が例示され、
又、自動車用のシートファブリック等の織物や各種のシ
ート材を担体として、これに直接脱臭性能を付与するこ
とも好ましい。
【0043】各種形態の紙材に上記脱臭成分を含浸させ
る方法、あるいは紙材その他の材料を用いたシート状,
板状.布状,フェルト状又は繊維状担体に上記脱臭成分
を含浸させる方法も有効である。特に、インジケータ機
能を重視した使用方法として、試験紙に上記脱臭成分を
含浸させておく使用方法も考えられる。
【0044】担体が上記粉末状,顆粒状等である場合、
かかる脱臭材をそのまま適当な通気性容器に充填したり
通気路部分に収容したりして使用しても良いし、増量や
香気付与等の任意の目的の他の粉末成分等と混合して用
いることもできる。又、これらの脱臭材と、他種の(例
えば、塩基性臭気成分をトラップできる)脱臭材とを混
合して使用しても良い。
【0045】本発明で用いる担体として特に好ましいも
のは、多孔性担体、とりわけ無機材料からなる多孔性担
体である。多孔性担体における細孔径には特段の限定は
ないが、アミノ酸誘導体やアルデヒド等の臭気成分の分
子が容易に進入できる程度以上の孔径が必要であり、逆
に余りに孔径が大きいと脱臭材の性能を規定する表面積
が小さくなる。一例として、0.1〜10nm程度が好
ましい。
【0046】多孔性担体の例示としては、活性炭、多孔
性のアルミナ,チタニア,ジルコニア等の金属酸化物、
シリカゲル等の非晶質多孔性シリカ、セピオライト,パ
リゴルスカイト,スメクタイト,イモゴライト等の粘土
鉱物、結晶質多孔シリカ等を挙げることができる。又、
セルロース系,ポリエステル系等の繊維からなる衣類,
カーテン,カーペット,シートファブリック等の織物,
編物,不織布等や、ガラス繊維等の各種繊維状無機材料
又はその集合体も、有り様は通気性担体であるが、実質
的に本発明の有機又は無機の多孔性担体に含ませること
ができる。
【0047】活性炭,セピオライト等の多孔性担体に脱
臭成分であるアミノ酸誘導体を担持させるにあたって
は、この脱臭成分を多孔性担体の外表面に担持させたも
のも使用できるが、外表面及び細孔内表面(又は通気性
孔隙内表面)に満遍なく担持させたものの方が脱臭性能
がより高く、好ましい。多孔性担体においては、通常の
脱臭成分担持処理により、自然にこのような好ましい担
持形態となる。
【0048】多孔性担体のうち、特に好ましいものが、
結晶水を配位した金属イオンを表面に有する多孔性担体
である。その代表的な例として、セピオライト,シロタ
イル,ラフリナイト,パリゴルスカイト等の含水塩系粘
土鉱物を挙げることができる。これらの内、置換反応が
起き易いと言う理由から、特に含水珪酸マグネシウム質
粘土鉱物、とりわけセピオライトが好ましい。
【0049】含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物は、含水
珪酸マグネシウムを主成分とし、直径0.05〜0.6
μm程度の繊維状を呈し、該繊維に平行に約1〜0.6
nm程度の長方形断面の細孔(チャネル)を備えたもの
で、細孔内外にマグネシウムに配位した置換可能な結晶
水を有している。上記細孔はそれ自身が雰囲気中の臭気
成分や水蒸気を吸着する機能を持っている。
【0050】含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物は、その
マグネシウムあるいは珪素の一部がアルミニウム,鉄,
ニッケル,ナトリウム等に置換されている場合もある
が、これらも含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物の一種と
して利用することができる。
【0051】
【発明の有益な実施態様】本発明は、以下のような有益
な態様において実施することができる。以下において、
「上記」と言う時は、該当する内容の先行実施態様番号
に係る全ての実施態様を、それぞれ択一的に、指してい
る。
【0052】1)アルデヒド吸着能を有する脱臭成分を
任意の形態で含む脱臭材であって、前記脱臭成分がアル
デヒドと結合することによりキノリン構造の発色団を形
成可能な脱臭成分である脱臭材。
【0053】2)上記脱臭成分が、その1分子当たり2
分子以上のアルデヒドと結合してキノリン構造の発色団
を形成可能な脱臭成分である。
【0054】3)上記脱臭成分が、ベンゼン環の少なく
とも1の水素原子がアミノ基に、他の少なくとも1の水
素原子がカルボキシル基にそれぞれ置換され、かつ、カ
ルボキシル基がアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩
とされている。
【0055】4)上記脱臭成分が、オルト,メタ,また
はパラアミノ安息香酸のナトリウム塩あるいはカリウム
塩である。
【0056】5)上記脱臭成分が、パラアミノサリチル
酸のナトリウム塩あるいはカリウム塩である。
【0057】6)上記脱臭材が上記脱臭成分を有効成分
とする粉材又は粒材であり、あるいは上記脱臭成分の水
溶液又はアルコール溶液である。
【0058】7)上記脱臭成分が脱臭材基材である担体
に担持されている。
【0059】8)上記担体が白色又は淡色の有機材料又
は無機材料からなる。
【0060】9)上記有機材料又は無機材料がシート
状,板状,布状,フェルト状,繊維状粉末状,顆粒状,
ペレット状又は任意形状のモノリス状材料である。
【0061】10)上記担体が有機材料又は無機材料か
らなる多孔性担体であり、好ましくは多孔性担体の細孔
径が0.1〜10nm程度である。
【0062】11)上記多孔性担体が、活性炭、多孔性
の金属酸化物、非晶質多孔性シリカ、粘土鉱物又は結晶
質多孔シリカである。
【0063】12)上記多孔性担体が、結晶水を配位し
た金属イオンを表面に有する多孔性担体である。
【0064】13)上記多孔性担体が含水珪酸マグネシ
ウム質粘土鉱物である。
【0065】14)上記含水珪酸マグネシウム質粘土鉱
物がセピオライトである。
【0066】15)上記脱臭材が家屋の室内や自動車の
車室内等において空気清浄器用フィルター,脱臭シート
又は脱臭用装飾材として利用される。
【0067】16)上記脱臭材をアルデヒド吸着に用い
ることにより、アルデヒドを吸着すると共に前記発色団
の形成によってアルデヒド吸着度を指示するアルデヒド
吸着度指示方法。
【0068】
【実施例】〔脱臭材の調製〕脱臭成分であるパラアミノ
安息香酸ナトリウム10gをビーカーに秤量し、更に水
を90g加えてパラアミノ安息香酸ナトリウム水溶液を
作製した。次に白色の不織布と活性炭素繊維シートから
なる脱臭フィルタに前記パラアミノ安息香酸ナトリウム
水溶液を均一にスプレー吹付けした後、100°Cで2
時間加熱乾燥することにより、脱臭フィルタにパラアミ
ノ安息香酸ナトリウムを担持させた実施例の脱臭材を調
製した。その担持量は、担体たる脱臭フィルタに対して
20重量%であった。
【0069】又、比較例として、上記と同じ脱臭フィル
タに同一重量%の3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンを上記と同じ要領で担持させたものも調製した。別
途、ブランク試験例として、上記と同じ脱臭フィルタで
あって脱臭成分を担持させていないものも準備した。
【0070】〔吸着・発色試験〕上記実施例,比較例及
びブランク試験例に係る脱臭フィルタをそれぞれ用い
て、喫煙に対するアルデヒド吸着・発色試験を行った。
【0071】即ち、まず上記の各脱臭フィルタを直径4
7mmの円形に切り出し、図1に示すカラムに取り付け
た。図1において、ニコチン等の除去用の煙草フィルタ
ーを切除して着火させた煙草1(マイルドセブン)が灰
皿2上に載置され、その発煙が全てアクリル製の捕集筒
3によって捕集される。捕集筒3の頂部は配管4によっ
て所定内径の脱臭カラム5の一端に連通されている。脱
臭カラム5の中央内部には上記実施例,比較例又はブラ
ンク試験例に係る脱臭フィルタ6が、白色の不織布部分
を上流側とする状態で、隙間なく装着されている。更
に、脱臭カラム5の他端に連通された配管7は、ポンプ
8により吸引される。
【0072】予め上記煙草1を長さ6cmに切り、着火
した直後に灰皿2上に載置すると同時にポンプ8の吸引
を開始し、発煙を5L/min.(4.8cm/sec.)の流
速で脱臭フィルタ6を通過させた。そして煙草1の負荷
本数に対する脱臭フィルタ6の不織布部分について白色
度(W値)の変化を色彩色度計で測定した。
【0073】実施例,比較例及びブランク試験例に係る
上記測定結果を図2に示す。図2より分かるように、実
施例の脱臭フィルタ6はW値の変化が著しく、肉眼的に
も脱臭フィルタ6の変色状況の視認が容易であった。一
方、比較例の脱臭フィルタ6はW値の変化が比較的少な
く、肉眼的にも脱臭フィルタ6の変色状況の視認が必ず
しも容易でなかった。なお、ブランク試験例の脱臭フィ
ルタ6における脱臭フィルタ6のW値の変化状況から分
かるように、発煙中のニコチン等の着色成分は脱臭フィ
ルタ6の発色には大きな影響を与えなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における吸着・発色試験の実施要領を概
念化して示す図である。
【図2】実施例における吸着・発色試験の結果を示すグ
ラフ図である。
【符号の説明】
1 煙草 3 捕集筒 5 脱臭カラム 6 脱臭フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 31/00 G01N 31/00 Z (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD08 CA01 FA20 FB05 2G054 AA01 AB07 CA30 CE02 FA29 GB04 GB10 JA09 4C080 AA05 BB02 CC02 HH01 JJ01 KK01 LL02 LL10 MM18 NN04 NN06 NN11 QQ20 4G066 AA22C AA61C AA64C AB07B AB13B AD10B AE20B BA18 BA22 BA41 CA52 FA12 FA21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド吸着能を有する脱臭成分を任
    意の形態で含む脱臭材であって、 前記脱臭成分が、アルデヒドと結合することによりキノ
    リン構造の発色団を形成可能な脱臭成分であることを特
    徴とする脱臭材。
  2. 【請求項2】 前記脱臭成分が、その1分子当たり2分
    子以上のアルデヒドと結合してキノリン構造の発色団を
    形成可能な脱臭成分であることを特徴とする請求項1に
    記載の脱臭材。
  3. 【請求項3】 前記脱臭成分が、ベンゼン環の少なくと
    も1の水素原子がアミノ基に、他の少なくとも1の水素
    原子がカルボキシル基にそれぞれ置換されたものであ
    り、かつ、前記カルボキシル基がアルカリ金属又はアル
    カリ土類金属の塩とされていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の脱臭材。
  4. 【請求項4】 前記脱臭成分が以下のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    脱臭材。 (1)オルト,メタ,またはパラアミノ安息香酸のナト
    リウム塩あるいはカリウム塩。 (2)パラアミノサリチル酸のナトリウム塩あるいはカ
    リウム塩。
  5. 【請求項5】 前記脱臭材が前記脱臭成分を担体に担持
    したものであることを特徴とする請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の脱臭材。
  6. 【請求項6】 前記担体が白色あるいは淡色を呈する無
    機質多孔性担体であることを特徴とする請求項5に記載
    の脱臭材。
  7. 【請求項7】 前記多孔性担体がシリカゲル,セピオラ
    イト又はゼオライトであることを特徴とする請求項6に
    記載の脱臭材。
  8. 【請求項8】 前記担体が白色あるいは淡色を呈する有
    機質多孔性担体であることを特徴とする請求項5に記載
    の脱臭材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    脱臭材をアルデヒド吸着に用いることにより、アルデヒ
    ドを吸着すると共に前記発色団の形成によってアルデヒ
    ド吸着度を指示することを特徴とするアルデヒド吸着度
    指示方法。
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