JP2003070893A - 吸着材 - Google Patents

吸着材

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JP2003070893A JP2001267577A JP2001267577A JP2003070893A JP 2003070893 A JP2003070893 A JP 2003070893A JP 2001267577 A JP2001267577 A JP 2001267577A JP 2001267577 A JP2001267577 A JP 2001267577A JP 2003070893 A JP2003070893 A JP 2003070893A
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吉延 榊原
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Tomiko Mori
登美子 毛利
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気の漏れ出しが抑えられた吸着材を提供す
ること。 【解決手段】 本発明の吸着材は、多孔質担体よりなる
第一担体と、第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性
塩と、第一担体に担持された酸と、を有する酸性成分添
着材と、多孔質担体よりなる第二担体と、第二担体に担
持された芳香族アミノ酸塩基性塩と、第二担体に担持さ
れた塩基と、を有する塩基性成分添着材と、からなるこ
とを特徴とする。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材
において低級脂肪酸も化学吸着により除去するため、低
級脂肪酸が漏れ出すことが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着材に関し、詳
しくは、臭気成分を有するガスの浄化に有効な吸着材に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題や健康への関心の高まり
にともない、空気清浄機などの装置が用いられるように
なっている。空気清浄機は、活性炭などの吸着材により
臭気成分を吸着除去することで清浄な空気を形成してい
る。
【0003】また、空気清浄機の吸着材の性能を評価す
る評価ガスの一つとして、たばこ臭がある。このたばこ
臭は、主に、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等の
低級脂肪酸、を含有している。
【0004】従来の空気清浄機に用いられている吸着材
は、酸および芳香族アミノ酸が担持された活性炭と、酸
等の物質が担持されていない活性炭とを混合して用いて
いた。
【0005】この吸着材は、たばこ臭を構成するアセト
アルデヒド、アンモニアは活性炭に担持された酸および
芳香族アミノ酸と反応することで化学吸着により除去
し、酢酸等の低級脂肪酸は担持されていない活性炭によ
り吸着させることで除去していた。
【0006】しかしながら、この吸着材は、たばこ臭を
吸着して劣化した吸着材から臭気の漏れ出しが生じると
いう問題を有していた。すなわち、活性炭により酢酸等
の低級脂肪酸を物理吸着しているが、吸着した状態の活
性炭が劣化すると、吸着された低級脂肪酸が離脱するた
めである。この活性炭から離脱した低級脂肪酸が悪臭と
感じられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、臭気の漏れ出しが抑えられた
吸着材を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者等は低級脂肪酸が離脱しない吸着材について
検討を重ねた結果、芳香族アミノ酸塩基性塩を多孔質担
体上に担持させた塩基性成分添着材を有する吸着材とす
ることで上記課題を解決できることを見出した。
【0009】すなわち、本発明の吸着材は、多孔質担体
よりなる第一担体と、第一担体に担持された芳香族アミ
ノ酸酸性塩と、該第一担体に担持された酸と、を有する
酸性成分添着材と、多孔質担体よりなる第二担体と、第
二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基性塩と、第二担
体に担持された塩基と、を有する塩基性成分添着材と、
からなることを特徴とする。
【0010】本発明の吸着材は、酸性成分添着材により
アセトアルデヒド、アンモニアなどの成分が化学吸着に
より除去され、塩基性成分添着材により酢酸などの低級
脂肪酸、アセトアルデヒドが化学吸着により除去され
る。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材において低級
脂肪酸も化学吸着により除去するため、低級脂肪酸が漏
れ出すことが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の吸着材は、酸性成分添着
材と、塩基性成分添着材と、からなることを特徴とす
る。
【0012】酸性成分添着材は、多孔質担体よりなる第
一担体と、第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩
と、第一担体に担持された酸と、からなる。
【0013】第一担体を形成する多孔質担体は、特に限
定されるものではなく、芳香族アミノ酸酸性塩および酸
を担持できる担体であればよい。このような多孔性担体
としては、たとえば、セピオライト、パリゴルスカイ
ト、活性炭、ゼオライト、活性炭繊維、セピオライト混
合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュラ
イト、ケイソウ土等の無機質多孔性担体などをあげるこ
とができる。
【0014】多孔質担体としては、活性炭、ゼオライト
より選ばれることが、取り扱いの容易さやコストなどの
点からより好ましい。
【0015】さらに、多孔質担体の比表面積は特に限定
されるものではないが、比表面積が大きいことが好まし
い。すなわち、比表面積が大きくなるとともに、浄化性
能が上昇するためである。
【0016】第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性
塩は、酸と芳香族アミノ酸とから生成された酸性塩であ
る。この芳香族アミノ酸酸性塩は、芳香族アミノ酸塩基
性塩に酸を加えて調整された酸性塩、市販の酸性塩、あ
るいは、芳香族アミノ酸と酸とから調整された酸性塩の
いずれを用いてもよい。
【0017】芳香族アミノ酸としては、たとえば、o
−、m−、p−アミノ安息香酸、o−、m−、p−アミ
ノサリチル酸などをあげることができる。
【0018】また、生成された芳香族アミノ酸酸性塩と
しては、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩などの無機
塩類およびクエン酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、シュ
ウ酸塩などの有機塩類をあげることができる。
【0019】芳香族アミノ酸酸性塩を生成させる酸は、
芳香族アミノ酸との間で酸性塩を形成できる酸であれば
特に限定されるものではない。この酸としては、たとえ
ば、リン酸、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸および、クエ
ン酸、マロン酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸をあげ
ることができる。
【0020】第一担体に担持された酸は、塩基性の臭気
成分とが反応することとなり、臭気成分を除去できる。
【0021】第一担体に担持された酸は、芳香族アミノ
酸酸性塩を生成させる酸であることが好ましい。すなわ
ち、芳香族アミノ酸酸性塩の原料の酸が担持されること
で、その酸と塩基性の臭気成分とが反応することとな
り、臭気成分を除去できる。
【0022】酸性成分添着材における芳香族アミノ酸酸
性塩および酸の担持量は、適宜決定することができる。
すなわち、用いられる芳香族アミノ酸酸性塩および第一
担体の種類により適宜決定する。
【0023】酸性成分添着材は、たばこ臭に含まれる臭
気成分のうちアセトアルデヒドやアンモニアなどの成分
を芳香族アミノ酸酸性塩とで反応させることで、臭気成
分を不揮発性の物質に変化させ、担体上に捕捉する。こ
れにより、臭気成分が漏れ出すことによる臭気の発生を
抑えることができる。
【0024】塩基性成分添着材は、多孔質担体よりなる
第二担体と、第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基
性塩と、第二担体に担持された塩基と、からなる。
【0025】第二担体を形成する多孔質担体は、特に限
定されるものではなく、芳香族アミノ酸塩基性塩および
塩基を担持できる担体であればよい。このような多孔性
担体としては、たとえば、セピオライト、パリゴルスカ
イト、活性炭、ゼオライト、活性炭繊維、セピオライト
混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュ
ライト、ケイソウ土等の無機質多孔性担体などをあげる
ことができる。多孔質担体としては、活性炭、ゼオライ
トより選ばれることが、取り扱いの容易さやコストなど
の点からより好ましい。
【0026】さらに、多孔質担体の比表面積は特に限定
されるものではないが、比表面積が大きいことが好まし
い。すなわち、比表面積が大きくなるとともに、浄化性
能が上昇するためである。
【0027】ここで、第一担体および第二担体を構成す
る多孔質担体は、同じ種類であっても別の種類であって
もどちらでもよい。
【0028】第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基
性塩は、塩基と芳香族アミノ酸とから生成された塩基性
塩である。この芳香族アミノ酸塩基性塩は、芳香族アミ
ノ酸酸性塩に塩基を加えて調整された塩基性塩、市販の
塩基性塩、あるいは、芳香族アミノ酸と塩基とから調整
された塩基性塩のいずれを用いてもよい。
【0029】芳香族アミノ酸としては、たとえば、o
−、m−、p−アミノ安息香酸、o−、m−、p−アミ
ノサリチル酸などをあげることができる。
【0030】また、生成された芳香族アミノ酸塩基性塩
としては、芳香族アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩
などの金属塩類をあげることができる。
【0031】ここで、芳香族アミノ酸塩基性塩の生成に
用いられる芳香族アミノ酸は、芳香族アミノ酸酸性塩の
生成に用いられる芳香族アミノ酸と同じであっても別で
あってもどちらでもよい。好ましくは同一種である。
【0032】芳香族アミノ酸塩基性塩を生成させる塩基
は、芳香族アミノ酸との間で塩基性塩を形成できる塩基
であれば特に限定されるものではない。この塩基として
は、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の塩基をあげる
ことができる。
【0033】第二担体に担持された塩基は、臭気成分と
反応して、臭気成分を除去する。
【0034】第二担体に担持された塩基は、芳香族アミ
ノ酸塩基性塩を生成させる塩基であることが好ましい。
すなわち、芳香族アミノ酸塩基性塩の原料の塩基が担持
されることで、臭気成分と塩基とが反応することとな
り、臭気成分が除去される。
【0035】塩基性成分添着材における芳香族アミノ酸
塩基性塩および塩基の担持量は、適宜決定することがで
きる。すなわち、用いられる芳香族アミノ酸塩基性塩お
よび第二担体の種類により適宜決定できる。
【0036】塩基性成分添着材は、たばこ臭などの臭気
成分のうち、酢酸等の低級脂肪酸などの成分と芳香族ア
ミノ酸塩基性塩および塩基とで反応させることで、臭気
成分を中和させ、担体上に捕捉し、これにより臭気成分
が漏れ出すことによる臭気の発生を抑えることができ
る。
【0037】本発明の吸着材は、塩基性成分添着材によ
り酢酸などの低級脂肪酸を化学吸着するため、吸着材が
劣化しても、臭気成分が放出されなくなっている。この
結果、本発明の吸着材は、臭気の漏れ出しが抑えられた
吸着材となっている。
【0038】酸性成分添着材と塩基性成分添着材とが混
合していることが好ましい。すなわち、酸性成分添着材
と塩基性成分添着材とが混合されることで、両者が近接
した状態で配置されることで、臭気成分の化学吸着が十
分に行われるようになる。
【0039】酸性成分添着材と塩基性成分添着材との混
合割合は、適宜決定される。すなわち、酸性成分添着材
および塩基性成分添着材は、多孔質担体や芳香族アミノ
酸の塩などにより吸着性能がそれぞれ異なっている。
【0040】芳香族アミノ酸酸性塩と芳香族アミノ酸塩
基性塩との割合は、特に限定されるものではなく、適宜
決定される。
【0041】たとえば、酸性成分添着材と塩基性成分添
着材とを構成する第一担体と第二担体および芳香族アミ
ノ酸が同一種であるときには、芳香族アミノ酸塩基性塩
は、芳香族アミノ酸酸性塩と芳香族アミノ酸塩基性塩と
の合計に対して30〜50wt%であることが好まし
い。ここで、芳香族アミノ酸塩基性塩が30〜50wt
%の割合となることで、アセトアルデヒドやアンモニア
などの成分と酢酸等の低級脂肪酸などの成分とからなる
臭気成分をバランスよく吸着除去することができる。詳
しくは、芳香族アミノ酸塩基性塩が30wt%未満にな
ると、酢酸などの成分が除去されなくなり、芳香族アミ
ノ酸塩基性塩が50wt%を超えると、アンモニアなど
の成分の除去が不十分となる。より好ましくは、芳香族
アミノ酸塩基性塩の割合が芳香族アミノ酸の塩に対して
40wt%である。
【0042】本発明の吸着材は、その製造方法が特に限
定されるものではない。たとえば、酸性化合物あるいは
塩基性化合物と芳香族アミノ酸とを可溶性溶媒に溶解さ
せ、この溶解液を多孔質担体に含浸させた後に溶媒を除
去することで酸性成分添着材または塩基性成分添着材を
調整し、調整された酸性成分添着材および塩基性成分添
着材を混合して製造する方法がある。
【0043】本発明の吸着材は、酸性成分添着材により
アセトアルデヒド、アンモニアなどの成分が化学吸着に
より除去され、塩基性成分添着材により酢酸などの低級
脂肪酸やアセトアルデヒドが化学吸着により除去され
る。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材において低級
脂肪酸も化学吸着により除去するため、低級脂肪酸が漏
れ出すことが防止される。
【0044】本発明の吸着材は、ガス中の臭気成分の除
去に優れるため、空気清浄機などに用いることが好まし
い。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0046】(実施例)実施例として、吸着材を調製し
た。
【0047】実施例の吸着材は、以下の手法により製造
された。
【0048】まず、p−アミノ安息香酸8gと、89%
リン酸14gとを70℃の温水60gに溶解させ、芳香
族アミノ酸酸性塩および酸が共存する水溶液を調整し
た。
【0049】つづいて、この水溶液に8−20メッシュ
のヤシ殻活性炭100gを投入し、十分に攪拌して、活
性炭の細孔中に水溶液を充填した。その後、この水溶液
中から活性炭を取り出し、100℃で5時間保持して乾
燥した。
【0050】以上の手段により、芳香族アミノ酸リン酸
塩およびリン酸が担持した活性炭よりなるA添着炭が製
造された。
【0051】つづいて、p−アミノ安息香酸4gと、水
酸化ナトリウム2gと、を水60gに溶解させ、芳香族
アミノ酸塩基性塩および塩基が共存する水溶液を調整し
た。
【0052】つづいて、この水溶液に8−20メッシュ
のヤシ殻活性炭100gを投入し、十分に攪拌して、活
性炭の細孔中に水溶液を充填した。なお、このヤシ殻活
性炭は、A添着炭の製造に用いられた活性炭と同じ活性
炭である。その後、この水溶液中から活性炭を取り出
し、100℃で5時間保持して乾燥させた。
【0053】以上の方法により、芳香族アミノ酸ナトリ
ウム塩および水酸化ナトリウムが担持した活性炭よりな
るB添着炭が製造された。
【0054】60gのA添着炭と、40gのB添着炭と
を混合して、実施例の吸着材が製造された。
【0055】(比較例)比較例は、上述のA添着炭を6
0gと、8−20メッシュのヤシ殻活性炭を40gと、
を混合して製造された吸着材である。なお、8−20メ
ッシュのヤシ殻活性炭は、実施例の吸着材を構成するA
添着炭に用いられた活性炭と同一種の活性炭である。
【0056】(評価)実施例の吸着材の評価として、実
施例および比較例の吸着材に酢酸を吸着させ、酢酸が吸
着した吸着材にエアーを供給し、エアーに漏れ出た酢酸
量を測定することで、低級脂肪酸に対する吸着性能を測
定した。
【0057】まず、実施例および比較例の吸着材に酢酸
を吸着させた。
【0058】詳しくは、実施例および比較例の吸着材を
それぞれ3mlづつ分取し、カラムに充填した。このカ
ラムに酢酸が10ppmで含まれるサンプルガスを30
分間通ガスさせ、吸着材に酢酸を吸着させた。このとき
の通ガスの条件を表1に示した。なお、この酢酸の吸着
は、常温で行われた。
【0059】
【表1】
【0060】つづいて、図1に示される脱離試験機を用
いて、吸着材から漏れだした酢酸濃度を測定した。
【0061】図1の脱離試験機は、吸着材を保持するカ
ラム1と、20Lの内容量を有するテドラーバッグ2
と、カラム1とテドラーバッグ2とを連通させるととも
にガスが循環するガス流路4と、ガス流路4中にもうけ
られたテドラーバッグ2に保持されたガスを循環させる
ポンプ3と、から構成される装置である。
【0062】つづいて、酢酸が吸着した実施例および比
較例の吸着材を脱離試験機のカラムに充填した状態で、
テドラーバッグに20Lの空気を充填する。その後、ポ
ンプを作動させて、カラム内に10L/分の流速で30
分間空気を供給した。このとき、カラムの底面側から上
方に向かって空気が供給された。なお、空気の供給は、
常温で行われた。
【0063】30分後、ポンプを停止し、テドラーバッ
グ内の空気を採取し、この空気中に含まれる酢酸濃度を
測定した。この酢酸濃度は、ガス検知管を用いて測定さ
れた。ここで、ガス検知管には、ガステック製NO.8
1Lが用いられた。
【0064】酢酸濃度の測定結果を表2に示した。
【0065】
【表2】
【0066】表2より、実施例の吸着材を用いたときの
測定された酢酸濃度は0.12ppmであり、比較例は
1.0ppmであった。すなわち、実施例の吸着材から
は0.12ppmの酢酸が、比較例の吸着材から1.0
ppmの酢酸が漏れだした。
【0067】表2より、実施例の吸着材は比較例と比較
して、酢酸の漏れ出しが大幅に抑えられている。このこ
とは、B添着炭による効果であることが明らかである。
【0068】すなわち、実施例の吸着材は、常温での酢
酸などの低級脂肪酸の漏れ出しが抑えられた吸着材とな
っている。
【0069】さらに、実施例の吸着材の評価として、実
際に実施例および比較例の吸着材によりアセトアルデヒ
ド、アンモニアおよび酢酸の除去を行い、それぞれの成
分の除去率を測定した。
【0070】アセトアルデヒドの除去率の測定は、図2
に構成が示された装置を用いて行われた。
【0071】詳しくは、250ppmのアセトアルデヒ
ドを含有し残部が窒素よりなるアセトアルデヒドガスボ
ンベ51より供給されたアセトアルデヒド含有ガスと、
エアーコンプレッサー52から供給されガス洗浄瓶53
内に保持された純水を通過させて加湿された空気とを、
ガス混合器50で混合し、アセトアルデヒド濃度が10
ppm、湿度60%のサンプルガスを調製した。なお、
サンプルガスは、ガス混合器50へのそれぞれのガスの
ガス流量を調節することで濃度調節が行われた。また、
このガス混合器50への流量の調節は、ガス混合器50
に流入するガス流量を図示されない流量計により測定
し、ガス供給源51、52のガス供給量を調節すること
で行われた。
【0072】サンプルガスを5.88mlの吸着材が充
填されたカラム54に2.35L/分の流速で通過さ
せ、15分ごとにアセトアルデヒド濃度を測定し、吸着
材を通過する前後におけるアセトアルデヒド濃度から除
去率を求めた。なお、カラム54へのサンプルガスの流
量は流量計55により測定され、アセトアルデヒド濃度
は図示されないガスクロマトグラフィーGC−8A(F
ID)により測定された。
【0073】得られたアセトアルデヒドの除去率を図3
に示した。
【0074】アンモニアの除去率の測定は、アセトアル
デヒドガスボンベがアンモニアガスボンベに変更された
以外は、図2に示されたアセトアルデヒドの除去率の測
定の装置と同様の構成の装置を用いて行われた。
【0075】詳しくは、250ppmのアンモニアを含
有し残部が窒素よりなるアンモニアガスボンベより供給
されたアンモニア含有ガスと、エアーコンプレッサーか
ら供給されガス洗浄瓶内に保持された純水を通過させて
加湿された空気とを、ガス混合器で混合し、アンモニア
濃度が10ppm、湿度60%のサンプルガスを調製し
た。また、このガス混合器への流量の調節は、ガス混合
器に流入するガス流量を図示されない流量計により測定
し、ガス供給源のガス供給量を調節することで行われ
た。
【0076】このサンプルガスを1.47mlの吸着材
が充填されたカラムに2.35L/分の流速で通過さ
せ、15分ごとにアンモニア濃度を測定し、吸着材を通
過する前後におけるアンモニア濃度から除去率を求め
た。なお、アンモニア濃度の測定は、ガス検知管を用い
て行われた。
【0077】得られたアンモニアの除去率を図4に示し
た。
【0078】酢酸の除去率の測定は、図5に構成が示さ
れた装置を用いて行われた。
【0079】詳しくは、窒素ガスボンベ61から発せら
れ20%酢酸水溶液が内部に保持されたガス洗浄瓶63
を通過させて調製された酢酸ガスと、エアーコンプレッ
サー62から供給された空気とを、ガス混合器60で混
合し、酢酸濃度が10ppm、湿度10%のサンプルガ
スを調製した。また、このガス混合器60への流量の調
節は、ガス混合器60に流入するガス流量を図示されな
い流量計により測定し、ガス供給源61、62のガス供
給量を調節することで行われた。
【0080】このサンプルガスを3.0mlの吸着材が
充填されたカラム64に20L/分の流速で通過させ、
15分ごとに酢酸濃度を測定し、吸着材を通過する前後
における酢酸濃度から除去率を求めた。なお、カラム6
4へのサンプルガスの流量は流量計65により測定さ
れ、酢酸濃度は図示されないガス検知管により測定され
た。
【0081】得られた酢酸の除去率を図6に示した。
【0082】図3、4および6より、実施例の吸着材
は、すべての通気時間内において、比較例の吸着材と比
較すると、酢酸、アセトアルデヒドおよびアンモニアの
いずれの成分においても、高い除去率を示した。また、
実施例の吸着材は、酢酸およびアセトアルデヒドの除去
性能に特にすぐれている。
【0083】以上のことから、実施例の吸着材は、常温
での酢酸などの低級脂肪酸の漏れ出しが抑えられている
ことで、高い浄化性能を有する吸着材となっている。
【0084】
【発明の効果】本発明の吸着材は、酸性成分添着材によ
りアセトアルデヒド、アンモニアなどの成分を化学吸着
により除去し、塩基性成分添着材により酢酸などの低級
脂肪酸が化学吸着により除去される。本発明の吸着材
は、塩基性成分添着材において低級脂肪酸も化学吸着に
より除去されるため、低級脂肪酸の漏れ出しを抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の評価において用いられた脱離試験機
の構成を示した図である。
【図2】 実施例および比較例の吸着材を用いてアセト
アルデヒドの除去率を測定した装置の構成を示した図で
ある。
【図3】 実施例および比較例の吸着材のアセトアルデ
ヒドの除去率の測定結果を示した図である。
【図4】 実施例および比較例の吸着材のアンモニアの
除去率の測定結果を示した図である。
【図5】 実施例および比較例の吸着材を用いて酢酸の
除去率を測定した装置の構成を示した図である。
【図6】 実施例および比較例の吸着材の酢酸の除去率
の測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1…カラム 2…テドラーバッグ 3…ポンプ 4…ガス流路 50、60…ガス混合器 51…アセトアルデヒドガスボンベ 61…窒素ガスボンベ 52、62…エアコン
プレッサー 53、63…ガス洗浄瓶 54、64…カラム 55、65…流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大井 時夫 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 (72)発明者 榊原 吉延 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 株式会 社キャタラー内 (72)発明者 福本 和広 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 毛利 登美子 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 HH05 KK08 LL10 MM18 NN04 NN05 QQ03 4G066 AA05C AA13B AA50B AB13B AE01B AE02B BA42 CA02 CA29 CA52 CA56 DA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質担体よりなる第一担体と、該第一
    担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩と、該第一担体
    に担持された酸と、を有する酸性成分添着材と、 多孔質担体よりなる第二担体と、該第二担体に担持され
    た芳香族アミノ酸塩基性塩と、該第二担体に担持された
    塩基と、を有する塩基性成分添着材と、からなることを
    特徴とする吸着材。
  2. 【請求項2】 前記酸性成分添着材と前記塩基性成分添
    着材とが混合している請求項1記載の吸着材。
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