JP4726360B2 - 吸着材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着材に関し、詳しくは、臭気成分を有するガスの浄化に有効な吸着材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題や健康への関心の高まりにともない、空気清浄機などの装置が用いられるようになっている。空気清浄機は、活性炭などの吸着材により臭気成分を吸着除去することで清浄な空気を形成している。
【0003】
また、空気清浄機の吸着材の性能を評価する評価ガスの一つとして、たばこ臭がある。このたばこ臭は、主に、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等の低級脂肪酸、を含有している。
【0004】
従来の空気清浄機に用いられている吸着材は、酸および芳香族アミノ酸が担持された活性炭と、酸等の物質が担持されていない活性炭とを混合して用いていた。
【0005】
この吸着材は、たばこ臭を構成するアセトアルデヒド、アンモニアは活性炭に担持された酸および芳香族アミノ酸と反応することで化学吸着により除去し、酢酸等の低級脂肪酸は担持されていない活性炭により吸着させることで除去していた。
【0006】
しかしながら、この吸着材は、たばこ臭を吸着して劣化した吸着材から臭気の漏れ出しが生じるという問題を有していた。すなわち、活性炭により酢酸等の低級脂肪酸を物理吸着しているが、吸着した状態の活性炭が劣化すると、吸着された低級脂肪酸が離脱するためである。この活性炭から離脱した低級脂肪酸が悪臭と感じられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、臭気の漏れ出しが抑えられた吸着材を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者等は低級脂肪酸が離脱しない吸着材について検討を重ねた結果、芳香族アミノ酸塩基性塩を多孔質担体上に担持させた塩基性成分添着材を有する吸着材とすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明の吸着材は、多孔質担体よりなる第一担体と、第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩と、該第一担体に担持された酸と、を有する酸性成分添着材と、多孔質担体よりなる第二担体と、第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基性塩と、第二担体に担持された塩基と、を有する塩基性成分添着材と、からなることを特徴とする。
【0010】
本発明の吸着材は、酸性成分添着材によりアセトアルデヒド、アンモニアなどの成分が化学吸着により除去され、塩基性成分添着材により酢酸などの低級脂肪酸、アセトアルデヒドが化学吸着により除去される。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材において低級脂肪酸も化学吸着により除去するため、低級脂肪酸が漏れ出すことが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着材は、酸性成分添着材と、塩基性成分添着材と、からなることを特徴とする。
【0012】
酸性成分添着材は、多孔質担体よりなる第一担体と、第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩と、第一担体に担持された酸と、からなる。
【0013】
第一担体を形成する多孔質担体は、特に限定されるものではなく、芳香族アミノ酸酸性塩および酸を担持できる担体であればよい。このような多孔性担体としては、たとえば、セピオライト、パリゴルスカイト、活性炭、ゼオライト、活性炭繊維、セピオライト混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュライト、ケイソウ土等の無機質多孔性担体などをあげることができる。
【0014】
多孔質担体としては、活性炭、ゼオライトより選ばれることが、取り扱いの容易さやコストなどの点からより好ましい。
【0015】
さらに、多孔質担体の比表面積は特に限定されるものではないが、比表面積が大きいことが好ましい。すなわち、比表面積が大きくなるとともに、浄化性能が上昇するためである。
【0016】
第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩は、酸と芳香族アミノ酸とから生成された酸性塩である。この芳香族アミノ酸酸性塩は、芳香族アミノ酸塩基性塩に酸を加えて調整された酸性塩、市販の酸性塩、あるいは、芳香族アミノ酸と酸とから調整された酸性塩のいずれを用いてもよい。
【0017】
芳香族アミノ酸としては、たとえば、o−、m−、p−アミノ安息香酸、o−、m−、p−アミノサリチル酸などをあげることができる。
【0018】
また、生成された芳香族アミノ酸酸性塩としては、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩などの無機塩類およびクエン酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩などの有機塩類をあげることができる。
【0019】
芳香族アミノ酸酸性塩を生成させる酸は、芳香族アミノ酸との間で酸性塩を形成できる酸であれば特に限定されるものではない。この酸としては、たとえば、リン酸、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸および、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸をあげることができる。
【0020】
第一担体に担持された酸は、塩基性の臭気成分とが反応することとなり、臭気成分を除去できる。
【0021】
第一担体に担持された酸は、芳香族アミノ酸酸性塩を生成させる酸であることが好ましい。すなわち、芳香族アミノ酸酸性塩の原料の酸が担持されることで、その酸と塩基性の臭気成分とが反応することとなり、臭気成分を除去できる。
【0022】
酸性成分添着材における芳香族アミノ酸酸性塩および酸の担持量は、適宜決定することができる。すなわち、用いられる芳香族アミノ酸酸性塩および第一担体の種類により適宜決定する。
【0023】
酸性成分添着材は、たばこ臭に含まれる臭気成分のうちアセトアルデヒドやアンモニアなどの成分を芳香族アミノ酸酸性塩とで反応させることで、臭気成分を不揮発性の物質に変化させ、担体上に捕捉する。これにより、臭気成分が漏れ出すことによる臭気の発生を抑えることができる。
【0024】
塩基性成分添着材は、多孔質担体よりなる第二担体と、第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基性塩と、第二担体に担持された塩基と、からなる。
【0025】
第二担体を形成する多孔質担体は、特に限定されるものではなく、芳香族アミノ酸塩基性塩および塩基を担持できる担体であればよい。このような多孔性担体としては、たとえば、セピオライト、パリゴルスカイト、活性炭、ゼオライト、活性炭繊維、セピオライト混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュライト、ケイソウ土等の無機質多孔性担体などをあげることができる。多孔質担体としては、活性炭、ゼオライトより選ばれることが、取り扱いの容易さやコストなどの点からより好ましい。
【0026】
さらに、多孔質担体の比表面積は特に限定されるものではないが、比表面積が大きいことが好ましい。すなわち、比表面積が大きくなるとともに、浄化性能が上昇するためである。
【0027】
ここで、第一担体および第二担体を構成する多孔質担体は、同じ種類であっても別の種類であってもどちらでもよい。
【0028】
第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基性塩は、塩基と芳香族アミノ酸とから生成された塩基性塩である。この芳香族アミノ酸塩基性塩は、芳香族アミノ酸酸性塩に塩基を加えて調整された塩基性塩、市販の塩基性塩、あるいは、芳香族アミノ酸と塩基とから調整された塩基性塩のいずれを用いてもよい。
【0029】
芳香族アミノ酸としては、たとえば、o−、m−、p−アミノ安息香酸、o−、m−、p−アミノサリチル酸などをあげることができる。
【0030】
また、生成された芳香族アミノ酸塩基性塩としては、芳香族アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩類をあげることができる。
【0031】
ここで、芳香族アミノ酸塩基性塩の生成に用いられる芳香族アミノ酸は、芳香族アミノ酸酸性塩の生成に用いられる芳香族アミノ酸と同じであっても別であってもどちらでもよい。好ましくは同一種である。
【0032】
芳香族アミノ酸塩基性塩を生成させる塩基は、芳香族アミノ酸との間で塩基性塩を形成できる塩基であれば特に限定されるものではない。この塩基としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の塩基をあげることができる。
【0033】
第二担体に担持された塩基は、臭気成分と反応して、臭気成分を除去する。
【0034】
第二担体に担持された塩基は、芳香族アミノ酸塩基性塩を生成させる塩基であることが好ましい。すなわち、芳香族アミノ酸塩基性塩の原料の塩基が担持されることで、臭気成分と塩基とが反応することとなり、臭気成分が除去される。
【0035】
塩基性成分添着材における芳香族アミノ酸塩基性塩および塩基の担持量は、適宜決定することができる。すなわち、用いられる芳香族アミノ酸塩基性塩および第二担体の種類により適宜決定できる。
【0036】
塩基性成分添着材は、たばこ臭などの臭気成分のうち、酢酸等の低級脂肪酸などの成分と芳香族アミノ酸塩基性塩および塩基とで反応させることで、臭気成分を中和させ、担体上に捕捉し、これにより臭気成分が漏れ出すことによる臭気の発生を抑えることができる。
【0037】
本発明の吸着材は、塩基性成分添着材により酢酸などの低級脂肪酸を化学吸着するため、吸着材が劣化しても、臭気成分が放出されなくなっている。この結果、本発明の吸着材は、臭気の漏れ出しが抑えられた吸着材となっている。
【0038】
酸性成分添着材と塩基性成分添着材とが混合していることが好ましい。すなわち、酸性成分添着材と塩基性成分添着材とが混合されることで、両者が近接した状態で配置されることで、臭気成分の化学吸着が十分に行われるようになる。
【0039】
酸性成分添着材と塩基性成分添着材との混合割合は、適宜決定される。すなわち、酸性成分添着材および塩基性成分添着材は、多孔質担体や芳香族アミノ酸の塩などにより吸着性能がそれぞれ異なっている。
【0040】
芳香族アミノ酸酸性塩と芳香族アミノ酸塩基性塩との割合は、特に限定されるものではなく、適宜決定される。
【0041】
たとえば、酸性成分添着材と塩基性成分添着材とを構成する第一担体と第二担体および芳香族アミノ酸が同一種であるときには、芳香族アミノ酸塩基性塩は、芳香族アミノ酸酸性塩と芳香族アミノ酸塩基性塩との合計に対して30〜50wt%であることが好ましい。ここで、芳香族アミノ酸塩基性塩が30〜50wt%の割合となることで、アセトアルデヒドやアンモニアなどの成分と酢酸等の低級脂肪酸などの成分とからなる臭気成分をバランスよく吸着除去することができる。詳しくは、芳香族アミノ酸塩基性塩が30wt%未満になると、酢酸などの成分が除去されなくなり、芳香族アミノ酸塩基性塩が50wt%を超えると、アンモニアなどの成分の除去が不十分となる。より好ましくは、芳香族アミノ酸塩基性塩の割合が芳香族アミノ酸の塩に対して40wt%である。
【0042】
本発明の吸着材は、その製造方法が特に限定されるものではない。たとえば、酸性化合物あるいは塩基性化合物と芳香族アミノ酸とを可溶性溶媒に溶解させ、この溶解液を多孔質担体に含浸させた後に溶媒を除去することで酸性成分添着材または塩基性成分添着材を調整し、調整された酸性成分添着材および塩基性成分添着材を混合して製造する方法がある。
【0043】
本発明の吸着材は、酸性成分添着材によりアセトアルデヒド、アンモニアなどの成分が化学吸着により除去され、塩基性成分添着材により酢酸などの低級脂肪酸やアセトアルデヒドが化学吸着により除去される。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材において低級脂肪酸も化学吸着により除去するため、低級脂肪酸が漏れ出すことが防止される。
【0044】
本発明の吸着材は、ガス中の臭気成分の除去に優れるため、空気清浄機などに用いることが好ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0046】
(実施例)
実施例として、吸着材を調製した。
【0047】
実施例の吸着材は、以下の手法により製造された。
【0048】
まず、p−アミノ安息香酸8gと、89%リン酸14gとを70℃の温水60gに溶解させ、芳香族アミノ酸酸性塩および酸が共存する水溶液を調整した。
【0049】
つづいて、この水溶液に8−20メッシュのヤシ殻活性炭100gを投入し、十分に攪拌して、活性炭の細孔中に水溶液を充填した。その後、この水溶液中から活性炭を取り出し、100℃で5時間保持して乾燥した。
【0050】
以上の手段により、芳香族アミノ酸リン酸塩およびリン酸が担持した活性炭よりなるA添着炭が製造された。
【0051】
つづいて、p−アミノ安息香酸4gと、水酸化ナトリウム2gと、を水60gに溶解させ、芳香族アミノ酸塩基性塩および塩基が共存する水溶液を調整した。
【0052】
つづいて、この水溶液に8−20メッシュのヤシ殻活性炭100gを投入し、十分に攪拌して、活性炭の細孔中に水溶液を充填した。なお、このヤシ殻活性炭は、A添着炭の製造に用いられた活性炭と同じ活性炭である。その後、この水溶液中から活性炭を取り出し、100℃で5時間保持して乾燥させた。
【0053】
以上の方法により、芳香族アミノ酸ナトリウム塩および水酸化ナトリウムが担持した活性炭よりなるB添着炭が製造された。
【0054】
60gのA添着炭と、40gのB添着炭とを混合して、実施例の吸着材が製造された。
【0055】
(比較例)
比較例は、上述のA添着炭を60gと、8−20メッシュのヤシ殻活性炭を40gと、を混合して製造された吸着材である。なお、8−20メッシュのヤシ殻活性炭は、実施例の吸着材を構成するA添着炭に用いられた活性炭と同一種の活性炭である。
【0056】
(評価)
実施例の吸着材の評価として、実施例および比較例の吸着材に酢酸を吸着させ、酢酸が吸着した吸着材にエアーを供給し、エアーに漏れ出た酢酸量を測定することで、低級脂肪酸に対する吸着性能を測定した。
【0057】
まず、実施例および比較例の吸着材に酢酸を吸着させた。
【0058】
詳しくは、実施例および比較例の吸着材をそれぞれ3mlづつ分取し、カラムに充填した。このカラムに酢酸が10ppmで含まれるサンプルガスを30分間通ガスさせ、吸着材に酢酸を吸着させた。このときの通ガスの条件を表1に示した。なお、この酢酸の吸着は、常温で行われた。
【0059】
【表1】
Figure 0004726360
【0060】
つづいて、図1に示される脱離試験機を用いて、吸着材から漏れだした酢酸濃度を測定した。
【0061】
図1の脱離試験機は、吸着材を保持するカラム1と、20Lの内容量を有するテドラーバッグ2と、カラム1とテドラーバッグ2とを連通させるとともにガスが循環するガス流路4と、ガス流路4中にもうけられたテドラーバッグ2に保持されたガスを循環させるポンプ3と、から構成される装置である。
【0062】
つづいて、酢酸が吸着した実施例および比較例の吸着材を脱離試験機のカラムに充填した状態で、テドラーバッグに20Lの空気を充填する。その後、ポンプを作動させて、カラム内に10L/分の流速で30分間空気を供給した。このとき、カラムの底面側から上方に向かって空気が供給された。なお、空気の供給は、常温で行われた。
【0063】
30分後、ポンプを停止し、テドラーバッグ内の空気を採取し、この空気中に含まれる酢酸濃度を測定した。この酢酸濃度は、ガス検知管を用いて測定された。ここで、ガス検知管には、ガステック製NO.81Lが用いられた。
【0064】
酢酸濃度の測定結果を表2に示した。
【0065】
【表2】
Figure 0004726360
【0066】
表2より、実施例の吸着材を用いたときの測定された酢酸濃度は0.12ppmであり、比較例は1.0ppmであった。すなわち、実施例の吸着材からは0.12ppmの酢酸が、比較例の吸着材から1.0ppmの酢酸が漏れだした。
【0067】
表2より、実施例の吸着材は比較例と比較して、酢酸の漏れ出しが大幅に抑えられている。このことは、B添着炭による効果であることが明らかである。
【0068】
すなわち、実施例の吸着材は、常温での酢酸などの低級脂肪酸の漏れ出しが抑えられた吸着材となっている。
【0069】
さらに、実施例の吸着材の評価として、実際に実施例および比較例の吸着材によりアセトアルデヒド、アンモニアおよび酢酸の除去を行い、それぞれの成分の除去率を測定した。
【0070】
アセトアルデヒドの除去率の測定は、図2に構成が示された装置を用いて行われた。
【0071】
詳しくは、250ppmのアセトアルデヒドを含有し残部が窒素よりなるアセトアルデヒドガスボンベ51より供給されたアセトアルデヒド含有ガスと、エアーコンプレッサー52から供給されガス洗浄瓶53内に保持された純水を通過させて加湿された空気とを、ガス混合器50で混合し、アセトアルデヒド濃度が10ppm、湿度60%のサンプルガスを調製した。なお、サンプルガスは、ガス混合器50へのそれぞれのガスのガス流量を調節することで濃度調節が行われた。また、このガス混合器50への流量の調節は、ガス混合器50に流入するガス流量を図示されない流量計により測定し、ガス供給源51、52のガス供給量を調節することで行われた。
【0072】
サンプルガスを5.88mlの吸着材が充填されたカラム54に2.35L/分の流速で通過させ、15分ごとにアセトアルデヒド濃度を測定し、吸着材を通過する前後におけるアセトアルデヒド濃度から除去率を求めた。なお、カラム54へのサンプルガスの流量は流量計55により測定され、アセトアルデヒド濃度は図示されないガスクロマトグラフィーGC−8A(FID)により測定された。
【0073】
得られたアセトアルデヒドの除去率を図3に示した。
【0074】
アンモニアの除去率の測定は、アセトアルデヒドガスボンベがアンモニアガスボンベに変更された以外は、図2に示されたアセトアルデヒドの除去率の測定の装置と同様の構成の装置を用いて行われた。
【0075】
詳しくは、250ppmのアンモニアを含有し残部が窒素よりなるアンモニアガスボンベより供給されたアンモニア含有ガスと、エアーコンプレッサーから供給されガス洗浄瓶内に保持された純水を通過させて加湿された空気とを、ガス混合器で混合し、アンモニア濃度が10ppm、湿度60%のサンプルガスを調製した。また、このガス混合器への流量の調節は、ガス混合器に流入するガス流量を図示されない流量計により測定し、ガス供給源のガス供給量を調節することで行われた。
【0076】
このサンプルガスを1.47mlの吸着材が充填されたカラムに2.35L/分の流速で通過させ、15分ごとにアンモニア濃度を測定し、吸着材を通過する前後におけるアンモニア濃度から除去率を求めた。なお、アンモニア濃度の測定は、ガス検知管を用いて行われた。
【0077】
得られたアンモニアの除去率を図4に示した。
【0078】
酢酸の除去率の測定は、図5に構成が示された装置を用いて行われた。
【0079】
詳しくは、窒素ガスボンベ61から発せられ20%酢酸水溶液が内部に保持されたガス洗浄瓶63を通過させて調製された酢酸ガスと、エアーコンプレッサー62から供給された空気とを、ガス混合器60で混合し、酢酸濃度が10ppm、湿度10%のサンプルガスを調製した。また、このガス混合器60への流量の調節は、ガス混合器60に流入するガス流量を図示されない流量計により測定し、ガス供給源61、62のガス供給量を調節することで行われた。
【0080】
このサンプルガスを3.0mlの吸着材が充填されたカラム64に20L/分の流速で通過させ、15分ごとに酢酸濃度を測定し、吸着材を通過する前後における酢酸濃度から除去率を求めた。なお、カラム64へのサンプルガスの流量は流量計65により測定され、酢酸濃度は図示されないガス検知管により測定された。
【0081】
得られた酢酸の除去率を図6に示した。
【0082】
図3、4および6より、実施例の吸着材は、すべての通気時間内において、比較例の吸着材と比較すると、酢酸、アセトアルデヒドおよびアンモニアのいずれの成分においても、高い除去率を示した。また、実施例の吸着材は、酢酸およびアセトアルデヒドの除去性能に特にすぐれている。
【0083】
以上のことから、実施例の吸着材は、常温での酢酸などの低級脂肪酸の漏れ出しが抑えられていることで、高い浄化性能を有する吸着材となっている。
【0084】
【発明の効果】
本発明の吸着材は、酸性成分添着材によりアセトアルデヒド、アンモニアなどの成分を化学吸着により除去し、塩基性成分添着材により酢酸などの低級脂肪酸が化学吸着により除去される。本発明の吸着材は、塩基性成分添着材において低級脂肪酸も化学吸着により除去されるため、低級脂肪酸の漏れ出しを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の評価において用いられた脱離試験機の構成を示した図である。
【図2】 実施例および比較例の吸着材を用いてアセトアルデヒドの除去率を測定した装置の構成を示した図である。
【図3】 実施例および比較例の吸着材のアセトアルデヒドの除去率の測定結果を示した図である。
【図4】 実施例および比較例の吸着材のアンモニアの除去率の測定結果を示した図である。
【図5】 実施例および比較例の吸着材を用いて酢酸の除去率を測定した装置の構成を示した図である。
【図6】 実施例および比較例の吸着材の酢酸の除去率の測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1…カラム 2…テドラーバッグ
3…ポンプ 4…ガス流路
50、60…ガス混合器
51…アセトアルデヒドガスボンベ
61…窒素ガスボンベ 52、62…エアコンプレッサー
53、63…ガス洗浄瓶 54、64…カラム
55、65…流量計

Claims (2)

  1. 多孔質担体よりなる第一担体と、該第一担体に担持された芳香族アミノ酸酸性塩と、該第一担体に担持された酸と、を有する酸性成分添着材と、
    多孔質担体よりなる第二担体と、該第二担体に担持された芳香族アミノ酸塩基性塩と、該第二担体に担持された塩基と、を有する塩基性成分添着材と、
    からなることを特徴とする吸着材。
  2. 前記酸性成分添着材と前記塩基性成分添着材とが混合している請求項1記載の吸着材。
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