JP5618518B2 - 脱臭シート、繊維状脱臭材及びその製造方法 - Google Patents

脱臭シート、繊維状脱臭材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維状脱臭材及びこれを用いた脱臭シートに関する。
近年、屋内及び車内環境には、臭気及び埃が少ないことが求められている。例えば、車内環境については、樹脂部品、エンジンからの排気ガス、燃料、煙草及び人体などに由来した臭気の除去が望まれている。
特許文献1には、酸性ガス除去用繊維状活性炭、アルカリガス除去用繊維状活性炭、及び低級アルデヒド除去用繊維状活性炭の2つ以上を含んだ脱臭シートが記載されている。低級アルデヒド除去用繊維状活性炭は、例えば、繊維状活性炭にp−アミノ安息香酸を担持させることによって得られる。
特開2002−126511号公報
この脱臭シートは、低級アルデヒド除去用繊維状活性炭を含んでいる場合、低級アルデヒドの除去に関して優れた性能を発揮する。しかしながら、本発明者らは、この低級アルデヒド除去用繊維状活性炭及びこれを用いた脱臭シートには、貯蔵寿命に関して改善の余地があることを見出している。
そこで、本発明は、悪臭成分を高い効率で除去可能とし且つ優れた貯蔵安定性を達成可能とすることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、繊維状活性炭及び芳香族アミノ酸に加えて硫酸を更に含んだ以下の繊維状脱臭材並びにこれを用いた脱臭シートは、悪臭成分を高い効率で除去することができ且つ優れた貯蔵安定性を有していることを見出した。
即ち、本発明の一側面によると、繊維状活性炭とアミノ安息香酸と硫酸とを含んだ繊維状脱臭材であって、芳香族アミノ酸と硫酸とを含有した水溶液中に繊維状活性炭を浸漬させて繊維状活性炭に芳香族アミノ酸と硫酸とを担持させる工程であって、繊維状活性炭に対する芳香族アミノ酸の質量比を10質量%乃至20質量%の範囲内とし、繊維状活性炭に対する硫酸の質量比を13質量%乃至25質量%の範囲内とする工程と、芳香族アミノ酸及び硫酸を担持させた繊維状活性炭から水溶液を除去する工程と、水溶液を除去した繊維状活性炭を乾燥させる工程とを含んだ方法によって得られる繊維状脱臭材が提供される。
本発明の他の側面によると、繊維状活性炭と芳香族アミノ酸と硫酸とを含んだ繊維状脱臭材の製造方法であって、芳香族アミノ酸と硫酸とを含有した水溶液中に繊維状活性炭を浸漬させて前記繊維状活性炭に前記芳香族アミノ酸と前記硫酸とを担持させる工程を含み、この工程を、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う繊維状脱臭材の製造方法が提供される。
(1)前記水溶液中における前記芳香族アミノ酸の含有量が、前記繊維状活性炭に対して10質量%乃至20質量%の範囲内であること。
(2)前記水溶液中における前記硫酸の含有量が、前記繊維状活性炭に対して13質量%乃至25質量%の範囲内であること。
また、本発明の更に他の側面によると、先の繊維状脱臭材を含んだ脱臭シートが提供される。
芳香族アミノ酸としては、例えば、p−アミノ安息香酸などのアミノ安息香酸を使用する。アミノ安息香酸を使用した場合、他の芳香族アミノ酸を使用した場合と比較して、悪臭成分をより高い効率で除去することができる。
本発明によると、悪臭成分を高い効率で除去し且つ優れた貯蔵安定性を達成することが可能となる。
硫酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の一例を示すグラフ。 硫酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の他の例を示すグラフ。 使用したアミノ安息香酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の一例を示すグラフ。
以下、本発明の態様について説明する。
本発明の一態様に係る繊維状脱臭材は、繊維状活性炭と芳香族アミノ酸と無機酸とを含んでいる。
繊維状活性炭は、小さな径を有している。繊維状活性炭の直径は、例えば7μm乃至25μmの範囲内にあり、典型的には10μm乃至20μmの範囲内にある。従って、繊維状活性炭は、一般的な粒径、例えば数百μmの粒径を有している粒状活性炭と比較して外比表面積が大きい。
また、粒状活性炭の表面はマクロポア及びメソポアなどの大きな孔を有しているため、被吸着物質は、内部のミクロポアによって吸着されるまでに、上述した大きな孔の開口から内壁へと拡散しなければならない。これに対し、繊維状活性炭の表面はミクロポアを有しているので、被吸着物質は、マクロポアやメソポアなどにおける拡散を経ることなしにミクロポアによって吸着される。即ち、繊維状活性炭は、被吸着物質を、粒状活性炭と比較して極めて高い速度で吸着する。
従って、繊維状活性炭を使用した場合、悪臭成分を、粒状活性炭を使用した場合と比較して高い効率で除去することができる。
繊維状活性炭は、直径に対する長さの比が大きい。繊維状活性炭の長さは、例えば1mm以上であり、典型的には20mm乃至150mmの範囲内にある。
上記の通り、繊維状活性炭は細長い。そして、典型的には、繊維状活性炭は可撓性を有している。従って、例えば、脱臭シートを製造するべく接着剤を用いて繊維状活性炭同士を接合させた場合、繊維状活性炭の表面に占める接合部の面積比が小さくても、繊維状活性炭の脱落は生じ難い。また、繊維状活性炭が十分に細長く且つ十分な可撓性を有していれば、繊維状活性炭同士を又は繊維状活性炭と他の繊維とを絡め合わせることも可能である。
芳香族アミノ酸は、例えば、アミノ安息香酸である。アミノ安息香酸は、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせである。芳香族アミノ酸の少なくとも一部は、硫酸塩などの酸性塩を形成している。
無機酸としては、硫酸を使用する。硫酸は、沸点が比較的高く、揮発を生じ難い。そして、硫酸は、水への芳香族アミノ酸の溶解を促進し、繊維状活性炭に芳香族アミノ酸を均一に担持させることを可能とする。加えて、硫酸は、繊維状脱臭材において、芳香族アミノ酸を互いから離間させ、それらの重合を抑制する。
なお、硫酸以外の無機酸の存在を排除する訳ではないが、硫酸の代わりに塩酸及び硝酸などの沸点が比較的低い酸を使用した繊維状脱臭材は、酸の揮発に起因した経時劣化を生じ易い。また、硫酸の代わりに燐酸などの沸点が比較的高い弱酸を使用した場合、多量の酸を使用しなければならない。そのため、硫酸の代わりに弱酸を使用した繊維状脱臭材も、経時劣化を生じ易い。従って、典型的には無機酸として硫酸のみを使用するが、硫酸と他の無機酸とを使用する場合、無機酸に占める硫酸の割合は、例えば70モル%以上とする。
この繊維状脱臭材は、例えば、以下の方法により製造する。
まず、芳香族アミノ酸と硫酸と水とを含有した処理液を調製する。アミノ安息香酸などの芳香族アミノ酸を水に溶解させるために、硫酸水溶液を、例えば50乃至80℃の範囲内の温度に加熱してもよい。この処理液は、加熱された状態で使用してもよく、冷却した後に使用してもよい。また、芳香族アミノ酸は、水で十分に希釈した硫酸水溶液中に溶解させてもよく、硫酸を比較的高い濃度で含んだ水溶液中に溶解させた後にこれを水で希釈してもよい。なお、処理液中の芳香族アミノ酸及び硫酸の量については、後で説明する。
次に、この処理液中に繊維状活性炭を浸漬させて、繊維状活性炭に芳香族アミノ酸と硫酸とを担持させる。例えば、繊維状活性炭を処理液中に均一に分散させ、その後、十分な時間に亘ってこの分散液を静置する。繊維状活性炭を処理液中に浸漬させる時間は、例えば約1時間以上とする。
次いで、芳香族アミノ酸及び硫酸を担持させた繊維状活性炭から水溶液を除去する。例えば、繊維状活性炭を処理液から引き上げる、芳香族アミノ酸及び硫酸を担持させた繊維状活性炭から処理液を除去するのに先立って、処理液を水で希釈してもよい。
その後、処理液を除去した繊維状活性炭を乾燥させる。この乾燥には、例えば、自然乾燥、通風乾燥、熱風乾燥、マイクロ波加熱乾燥又は間接加熱乾燥を利用する。
この乾燥は、繊維状活性炭の温度が、例えば130℃以下に、典型的には80℃以下に維持されるように行う。以上のようにして繊維状脱臭材を得る。
上記処理液中に繊維状活性炭を分散させてなる分散液において、繊維状活性炭に対する芳香族アミノ酸の質量比は、10質量%乃至20質量%の範囲内とし、例えば13質量%乃至17質量%の範囲内とする。この比を小さくすると、脱臭シートの初期性能が低下する。この比を大きくすると、貯蔵寿命が短くなる。
この分散液において、繊維状活性炭に対する硫酸の質量比は、5質量%乃至25質量%の範囲内とし、例えば5質量%乃至17質量%の範囲内とする。この比が小さい場合、芳香族アミノ酸に対する硫酸の質量比が小さい。従って、この場合、上記水溶液中に芳香族アミノ酸を溶解させることが難しい。また、アミノ安息香酸は強酸性の環境下で活性化し易いため、この比を大きくすると、悪臭成分をより高い効率で除去することができる。但し、この比を過剰に大きくすると、硫酸が繊維状活性炭の細孔内に凝集し、芳香族アミノ酸の重合を促進することがある。この場合、貯蔵寿命が短くなる。
また、この分散液において、繊維状活性炭に対する硫酸の質量比は、例えば10質量%以上としてもよく、13質量%以上としてもよい。この比が小さい場合、製品の品質にばらつきを生じ易い。
この方法では、繊維状活性炭の質量と処理液の体積との比は、例えば5乃至50g/Lの範囲内とする。この比が小さい場合、芳香族アミノ酸及び硫酸を繊維状活性炭に担持させるのにより長い時間を要する。他方、この比が大きい場合、芳香族アミノ酸及び硫酸を繊維状活性炭に均一に担持させることが難しい。なお、繊維状活性炭を水溶液と接触させている時間が十分に長ければ、この比が繊維状活性炭に担持される芳香族アミノ酸及び硫酸の量に及ぼす影響は無視することができる。
上述した方法により得られる繊維状脱臭材は、悪臭成分、例えばアンモニア及びアルデヒド類などの揮発性有機化合物を、高い効率で気相から除去することが可能である。加えて、この繊維状脱臭材は、貯蔵安定性に優れている。即ち、この繊維状脱臭材は、製造を完了してから使用を開始するまでの時間に拘らず、優れた性能を発揮する。
この繊維状脱臭材を用いた脱臭シートは、典型的には、繊維状脱臭材に加え、熱可塑性樹脂などのバインダを更に含んでいる。バインダは、繊維状脱臭材同士を結合させる。繊維状脱臭材からなる層をシート状に保つことができれば、バインダは省略してもよい。
なお、この脱臭シートは、例えば、上述した方法によって得られた繊維状脱臭材から層を形成することによって製造することができる。或いは、この脱臭シートは、まず、繊維状活性炭を含んだ層を準備し、次いで、この層が含んでいる繊維状活性炭に、上述したのと同様の方法によりアミノ安息香酸及び硫酸を担持させることによって製造してもよい。
この脱臭シートは、上述した繊維状脱臭材を含んでいるので、悪臭成分、例えばアンモニア及びアルデヒド類などの揮発性有機化合物を、高い効率で気相から除去することが可能である。加えて、この脱臭シートは、繊維状脱臭材の劣化を生じ難いので、貯蔵安定性に優れている。即ち、この脱臭シートは、製造を完了してから使用を開始するまでの時間に拘らず、優れた性能を発揮する。
この脱臭シートを空気浄化用として用いる場合は、エレクトレット化された不織布シート又はHEPA(high efficiency particulate air)フィルタ及びULPA(ultra low penetration air)フィルタなどの除塵シートをこれに貼り合せることによって、除塵効果を付与することも可能である。そのような積層品は、空気浄化と除塵とを行う空気清浄器などにおいて好適に使用され得る。
以下、本発明の例について説明する。
<繊維状脱臭材FD1乃至FD12の製造>
以下の方法により、繊維状脱臭材を製造した。
まず、75質量%の濃度で硫酸を含有した3.75質量部の硫酸水溶液を65℃以上に加熱し、これに10質量部のp−アミノ安息香酸を加えた。この溶液を65℃以上の温度で撹拌して、アミノ安息香酸を水溶液に完全に溶解させた。
次に、この溶液に、100質量部の繊維状活性炭を加えた。繊維状活性炭としては、比表面積が1200m2/gのピッチ系繊維状活性炭であるユニチカ株式会社製アドールA−10を使用した。
続いて、この溶液を10分間に亘って撹拌して、繊維状活性炭を溶液中に均一に分散させた。その後、この分散液を静置した。
8時間以上経過後、繊維状活性炭を溶液から引き上げた。この繊維状活性炭は、乾燥機を用いて80℃で3時間に亘って乾燥させた。
以上のようにして、繊維状脱臭材を得た。以下、この繊維状脱臭材を「繊維状脱臭材FD1」と呼ぶ。
また、硫酸水溶液及びアミノ安息香酸の量の1つ以上を、以下の表1及び表2に示すように変更したこと以外は繊維状脱臭材FD1について説明したのと同様の方法により、繊維状脱臭材を製造した。以下、これら繊維状脱臭材を、「繊維状脱臭材FD2」、「繊維状脱臭材FD3」、「繊維状脱臭材FD4」、「繊維状脱臭材FD5」、「繊維状脱臭材FD6」、「繊維状脱臭材FD7」、「繊維状脱臭材FD8」、「繊維状脱臭材FD9」、「繊維状脱臭材FD10」、及び「繊維状脱臭材FD11」と呼ぶ。
更に、比較のために、以下の表2に示すように、アミノ安息香酸の量を15質量部とし、75質量%の濃度で硫酸を含有した3.75質量部の硫酸水溶液を使用する代わりに85質量%の濃度で燐酸を含有した15質量部の燐酸水溶液としたこと以外は繊維状脱臭材FD1について説明したのと同様の方法により、繊維状脱臭材を製造した。以下、この繊維状脱臭材を「繊維状脱臭材FD12」と呼ぶ。
Figure 0005618518
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<脱臭シートDS1乃至DS12の製造>
5質量%の繊維状脱臭材FD1と、25質量%のピッチ系繊維状活性炭と、70質量%のポリエステル系バインダ繊維とを混綿し、これを不織ウェブ化した。ここでは、ピッチ系繊維状活性炭として、比表面積が1200m2/gのピッチ系繊維状活性炭であるユニチカ株式会社製アドールA−10を使用した。また、ポリエステル系バインダ繊維としては、ユニチカ株式会社製メルティー4080を使用した。次いで、不織ウェブを110℃の乾燥機内に通過させ、バインダ繊維と繊維状活性炭とを熱融着させた。このようにして、目付が100g/m2の脱臭シートを得た。以下、この脱臭シートを「脱臭シートDS1」と呼ぶ。
また、繊維状脱臭材FD1の代わりに繊維状脱臭材FD2乃至FD12を使用したこと以外は、脱臭シートDS1について説明したのと同様の方法により脱臭シートを製造した。以下、繊維状脱臭材FD2、繊維状脱臭材FD3、繊維状脱臭材FD4、繊維状脱臭材FD5、繊維状脱臭材FD6、繊維状脱臭材FD7、繊維状脱臭材FD8、繊維状脱臭材FD9、繊維状脱臭材FD10、繊維状脱臭材FD11、及び繊維状脱臭材FD12を用いて得られた脱臭シートを、それぞれ、「脱臭シートDS2」、「脱臭シートDS3」、「脱臭シートDS4」、「脱臭シートDS5」、「脱臭シートDS6」、「脱臭シートDS7」、「脱臭シートDS8」、「脱臭シートDS9」、「脱臭シートDS10」、「脱臭シートDS11」、及び「脱臭シートDS12」と呼ぶ。
<性能評価>
脱臭シートDS1を裁断して、5.5cm×10cmの矩形形状を有している試験片を得た。
この試験片と100ppmのアセトアルデヒドを含んだ5Lの空気とを、容積が5Lの密閉容器内に封入した。そして、25℃で24時間放置後に、容器内の雰囲気中のアセトアルデヒド濃度を測定した。アセトアルデヒド濃度は、島津製作所社製ガスクロマトグラフィーGC−8Aを使用し、水素炎イオン化検出器によって測定した。アセトアルデヒドの初期濃度(100ppm)とこの測定値との差と、アセトアルデヒドの初期濃度(100ppm)との比を、初期アルデヒド除去率とした。
次に、別途用意した繊維状脱臭材FD1を、大気中での加速寿命試験に供した。具体的には、これを、空気中、105℃で48時間の熱処理に供した。この加速寿命試験後の繊維状脱臭材FD1を用いたこと以外は脱臭シートDS1について説明したのと同様の方法により脱臭シートを製造した。そして、この脱臭シートから5.5cm×10cmの矩形形状を有している試験片を裁断し、この試験片についても、初期アルデヒド除去率について説明したのと同様の方法により、アルデヒド除去率を求めた。
更に、別途用意した繊維状脱臭材FD1を、密閉空間中での加速寿命試験に供した。具体的には、これを、密閉容器中、105℃で48時間の熱処理に供した。この加速寿命試験後の繊維状脱臭材FD1を用いたこと以外は脱臭シートDS1について説明したのと同様の方法により脱臭シートを製造した。そして、この脱臭シートから5.5cm×10cmの矩形形状を有している試験片を裁断し、この試験片についても、初期アルデヒド除去率について説明したのと同様の方法により、アルデヒド除去率を求めた。
続いて、上述した試験片の作成、初期アルデヒド除去率の測定、大気中での加速寿命試験及びその後のアルデヒド除去率の測定、並びに密閉空間中での加速寿命試験及びその後のアルデヒド除去率の測定を、脱臭シートDS2乃至DS12の各々に対して行った。
これらの結果を、上記表1及び表2並びに図1乃至図3に纏める。
図1は、使用した硫酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の一例を示すグラフである。図2は、使用した硫酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の他の例を示すグラフである。図3は、使用したアミノ安息香酸の量が脱臭シートの性能に及ぼす影響の一例を示すグラフである。
なお、図1及び図2には、それぞれ、アミノ安息香酸の量を10質量部及び20質量部とした場合に得られたデータを示している。図3には、硫酸の量を15質量部とした場合に得られたデータを示している。また、表1及び表2において、「貯蔵安定性」は、加速寿命試験後のアルデヒド除去率と初期アルデヒド除去率との比を百分率で表した値を示している。
表1及び表2に示すように、脱臭シートDS1乃至DS11は、脱臭シートDS12と比較して優れた初期アルデヒド除去率を達成した。即ち、酸として硫酸を使用した場合、燐酸を使用した場合と比較して優れた初期性能を達成できた。また、脱臭シートDS2乃至DS4は、脱臭シートDS1と比較して優れた初期アルデヒド除去率を達成した。そして、脱臭シートDS6乃至DS8は、脱臭シートDS5と比較して優れた初期アルデヒド除去率を達成した。即ち、硫酸の量が十分に多い場合、硫酸の量が少ない場合と比較して優れた初期性能を達成できた。
また、脱臭シートDS1乃至DS11は、脱臭シートDS12と比較して優れた貯蔵安定性を達成した。即ち、酸として硫酸を使用した場合、燐酸を使用した場合と比較して優れた経時安定性を達成できた。また、脱臭シートDS2及び3は、脱臭シートDS1及びDS4と比較して優れた貯蔵安定性を達成した。そして、脱臭シートDS6及びDS7は、脱臭シートDS5及びDS8と比較して優れた貯蔵安定性を達成した。即ち、硫酸の量が十分に少ない場合、硫酸の量が多い場合と比較して優れた経時安定性を達成できた。
脱臭シートDS10は、脱臭シートDS9と比較して優れた初期アルデヒド除去率を達成した。そして、脱臭シートDS11は、脱臭シートDS10と比較して優れた初期アルデヒド除去率を達成した。即ち、アミノ安息香酸の量が多い場合、アミノ安息香酸の量が少ない場合と比較して優れた初期性能を達成できた。
また、脱臭シートDS9及びDS10は、脱臭シートDS11と比較して優れた貯蔵安定性を達成した。即ち、アミノ安息香酸の量が十分に少ない場合、アミノ安息香酸の量が多い場合と比較して優れた経時安定性を達成できた。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]繊維状活性炭と芳香族アミノ酸と硫酸とを含んだ繊維状脱臭材であって、芳香族アミノ酸と硫酸とを含有した水溶液中に繊維状活性炭を浸漬させて前記繊維状活性炭に前記芳香族アミノ酸と前記硫酸とを担持させる工程であって、前記繊維状活性炭に対する前記芳香族アミノ酸の質量比を10質量%乃至20質量%の範囲内とし、前記繊維状活性炭に対する前記硫酸の質量比を5質量%乃至25質量%の範囲内とする工程と、前記芳香族アミノ酸及び前記硫酸を担持させた前記繊維状活性炭から前記水溶液を除去する工程と、前記水溶液を除去した前記繊維状活性炭を乾燥させる工程とを含んだ方法によって得られる繊維状脱臭材。
[2]項1に記載の繊維状脱臭材を含んだ脱臭シート。

Claims (4)

  1. 繊維状活性炭と芳香族アミノ酸と硫酸とを含んだ繊維状脱臭材であって、芳香族アミノ酸と硫酸とを含有した水溶液中に繊維状活性炭を浸漬させて前記繊維状活性炭に前記芳香族アミノ酸と前記硫酸とを担持させる工程であって、前記繊維状活性炭に対する前記芳香族アミノ酸の質量比を10質量%乃至20質量%の範囲内とし、前記繊維状活性炭に対する前記硫酸の質量比を13質量%乃至25質量%の範囲内とする工程と、前記芳香族アミノ酸及び前記硫酸を担持させた前記繊維状活性炭から前記水溶液を除去する工程と、前記水溶液を除去した前記繊維状活性炭を乾燥させる工程とを含んだ方法によって得られ、前記芳香族アミノ酸は、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせである繊維状脱臭材。
  2. 繊維状活性炭と芳香族アミノ酸と硫酸とを含んだ繊維状脱臭材の製造方法であって、芳香族アミノ酸と硫酸とを含有した水溶液中に繊維状活性炭を浸漬させて前記繊維状活性炭に前記芳香族アミノ酸と前記硫酸とを担持させる工程を含み、この工程を、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う繊維状脱臭材の製造方法。
    (1)前記水溶液中における前記芳香族アミノ酸の含有量が、前記繊維状活性炭に対して10質量%乃至20質量%の範囲内であること。
    (2)前記水溶液中における前記硫酸の含有量が、前記繊維状活性炭に対して13質量%乃至25質量%の範囲内であること。
  3. 請求項1に記載の繊維状脱臭材又は請求項2に記載の方法により得られる繊維状脱臭剤を含んだ脱臭シート。
  4. 前記脱臭シートから5.5cm×10cmの矩形形状を有している試験片を裁断し、この試験片と100ppmのアセトアルデヒドを含んだ5Lの空気とを、容積が5Lの密閉容器内に封入して、25℃で24時間放置し、その後、水素炎イオン化検出器によってアセトアルデヒドの濃度を測定した場合、アセトアルデヒドの初期濃度とこの測定値との差と、アセトアルデヒドの初期濃度との比である初期アルデヒド除去率が97.2%以上であり、かつ、
    前記繊維状脱臭材を、空気中、105℃で48時間の熱処理である大気中での加速寿命試験に供し、この加速寿命試験後の繊維状脱臭材を用いたこと以外は前記脱臭シートと同様のシートを製造し、このシートから5.5cm×10cmの矩形形状を有している試験片を裁断し、この試験片について、前記初期アルデヒド除去率と同様の方法によりアルデヒド除去率を求めた場合、このアルデヒド除去率と前記初期アルデヒド除去率との比である大気中での加速寿命試験における貯蔵安定性が94.8%以上である請求項3に記載の脱臭シート。
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