JP2016179040A - 消臭フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な臭い成分に対して効果的に安定した消臭性能を発揮する消臭フィルターである防汚性や着座感を損なうことなく、耐摩耗性に優れるシート状物の提供。
【解決手段】表裏の地組織とそれらを連結する連結部からなるダブルラッセル編地に消臭剤とバインダーを付与してなる消臭フィルターであって、前記ダブルラッセル編地が以下の要件を満たす消臭フィルター。(1)裏地組織において、ニードルループの糸占有率が30〜70%、シンカーループの糸占有率が30〜80%の無地組織(2)表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和が、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さい
【選択図】なし

Description

本発明は、消臭フィルターに関する。詳しくは、エアコン、空気清浄機等のフィルターや、車室内空間の不快なにおいを取り除くフィルターとして使用する消臭フィルターに関する。
近年の生活環境の質の高度化に伴い、住環境についてもより質の高い快適さが求められている。最近の気密性の高い家屋では快適さを向上させている反面、においがこもりやすい。また、自動車や電車などにおける車室内空間も、閉鎖された空間であるため、においがこもりやすい。そのため、生活臭、たばこ臭、ペット臭など、様々なにおいに対する消臭性が求められている。
消臭フィルターは、様々な用途に利用されており、その消臭方法として活性炭やゼオライト等の物理吸着材を利用した物理吸着タイプと、化学吸着タイプと、オゾンや光触媒、金属フタロシアニン錯体等により悪臭物質を分解除去する触媒タイプ、あるいはこの吸着タイプと触媒タイプを併用した併用タイプがある。このうち、吸着作用を利用した技術がよく知られている。
例えば、特許文献1には、繊維シートの少なくとも繊維の表面に、無機粒子、酸ヒドラジド、およびアミノ基を有する難燃剤を有することにより、除去対象とする有害ガス成分のみを選択的、かつ効率よく除去するエアフィルター濾材に適した脱臭シートが開示されている。しかしながら、繊維シートとして不織布を用いているため、消臭剤を付着させることで脱臭シートの通気性が大幅に低下し、十分な消臭性能を得ることができないという課題がある。
また、特許文献2には、表層および裏層のうち少なくともどちらか一方に、単繊維径が10〜1000nm以下の極細フィラメント糸を配し、かつ前記表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織をメッシュ組織とすることにより、クッション性、軽量感に優れ、高い表面摩擦抵抗と通気性を有する、表層および中間層および裏層の3層構造を有する多層構造織編物が開示されている。表層および裏層のうち少なくともどちらか一方の織編組織をメッシュ組織とすることにより、通気性を向上させることはできるが、消臭フィルターとして使用した場合、通気性が高すぎるため、消臭剤の付与されている層との接触時間が短くなることにより、におい成分が十分に消臭剤と接触できないため、十分な消臭性能を得ることができないという課題がある。
特開第2009−28207号公報 特許第5229890号公報
本発明は、様々なにおい成分に対して効果的に安定した消臭性能を発揮する消臭フィルターを提供することを目的とする。
本発明は、表裏の地組織とそれらを連結する連結部からなるダブルラッセル編地に消臭剤とバインダーを付与してなる消臭フィルターであって、前記ダブルラッセル編地が以下の要件を満たす消臭フィルターである。
(1)裏地組織において、下記式1により算出されるニードルループの糸占有率が30〜70%、下記式2により算出されるシンカーループの糸占有率が30〜80%の無地組織である。
(2)表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和が、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さい。
式1:ニードルループの糸占有率(%)=((D1×3÷2)×π×c×w)÷(25.4×25.4)×100
式2:シンカーループの糸占有率(%)=(D3×S×25.4)÷(25.4×25.4)×100
D1:ニードルループを構成する糸条の直径の和(mm)
D3:シンカーループを構成する糸条の直径の和(mm)
糸条の直径は下記式3によって求められる。
式3:糸条の直径(mm)=11.9×√(0.9d/ρ)×10−3
d:糸条の繊度(dtex)
ρ:糸条を構成する繊維の密度(g/cm
S :長さ方向25.4mm当たりのシンカーループ数
シンカーループ数は下記式4によって求められる。
式4:シンカーループ数=糸条の振り数(アンダーラップ数)×シンカーループを構成する糸の本数×c
c :コース密度(コース/25.4mm)
w :ウエル密度(ウエル/25.4mm)
裏地組織を形成する隣り合うニードルループの間隔が200〜500μmであることが好ましい。
裏地組織を形成するシンカーループ数(S)が、長さ方向25.4mm当たり60〜300であることが好ましい。
連結部25.4mm四方当たりの連結糸の表面積が1500〜4000mmであることが好ましい。
本発明によれば、様々なにおい成分に対して効果的に安定した消臭性能を発揮する消臭フィルターを提供することができる。
本発明の消臭フィルターは、表裏の地組織とそれらを連結する連結部からなるダブルラッセル編地に消臭剤とバインダーを付与してなるものであって、前記ダブルラッセル編地が以下の要件を満たすものである。なお、フィルター使用時における風流の上流側の編地を表地組織、風流の下流側の編地を裏地組織と称する。
(1)裏地組織において、下記式1により算出されるニードルループの糸占有率が30〜70%、下記式2により算出されるシンカーループの糸占有率が30〜80%の無地組織である。
(2)表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和が、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さい。
式1:ニードルループの糸占有率(%)=((D1×3÷2)×π×c×w)÷(25.4×25.4)×100
式2:シンカーループの糸占有率(%)=(D3×S×25.4)÷(25.4×25.4)×100
D1:ニードルループを構成する糸条の直径の和(mm)
D3:シンカーループを構成する糸条の直径の和(mm)
糸条の直径は下記式3によって求められる。
式3:糸条の直径(mm)=11.9×√(0.9d/ρ)×10−3
d:糸条の繊度(dtex)
ρ:糸条を構成する繊維の密度(g/cm
S :長さ方向25.4mm当たりのシンカーループ数
シンカーループ数(S)は下記式4によって求められる。
式4:シンカーループ数=糸条の振り数(アンダーラップ数)×シンカーループを構成する糸の本数×c
c :コース密度(コース/25.4mm)
w :ウエル密度(ウエル/25.4mm)
本発明の消臭フィルターとして用いられるダブルラッセル編物は、それぞれ少なくとも1枚の筬に導糸される地糸により形成される表裏地組織、すなわち表地組織および裏地組織と、少なくとも1枚の筬に導糸される連結糸により表裏地組織を連結する連結部とからなるものである。
本発明に用いられるダブルラッセル編物は、表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和が、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さいことが肝要である。これにより、消臭フィルターとして用いた場合に、表地組織の方が裏地組織よりも通気しやすくなり、消臭フィルターに流入したにおい成分が消臭剤と十分に接触してから排出されるため、消臭性能が向上する。
本発明に用いられるダブルラッセル編物の表裏地組織の編組織については、特に限定されるものでなく、鎖編組織、コード編組織、デンビ編組織、アトラス編組織、挿入組織などの従来公知の編組織を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。通気性の観点から、表地組織は網目状組織(開口部を有する組織)であることが好ましい。
表地組織の開口の形状は、菱形、丸形、楕円形、四角形など特に限定されず、その大きさも、ゲージや使用する糸の総繊度、求められる性能などに応じて適宜設定することができる。
裏地組織は、無地組織(非開口組織)であることが肝要である。さらに、下記式1により算出されるニードルループの糸占有率が30〜70%、下記式2により算出されるシンカーループの糸占有率が30〜80%であることが肝要である。各々の糸占有率が上記範囲であることにより、空気の排出時に負荷がかかり、におい成分が消臭剤と十分に接触してから排出されるため、消臭性能が向上する。各々の糸占有率が上限値以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。さらには、ニードルループの糸占有率が35〜65%、シンカーループの糸占有率が35〜70%であることが好ましい。
式1:ニードルループの糸占有率(%)=((D1×3÷2)×π×c×w)÷(25.4×25.4)×100
式2:シンカーループの糸占有率(%)=(D3×S×25.4)÷(25.4×25.4)×100
D1:ニードルループを構成する糸条の直径の和(mm)
D3:シンカーループを構成する糸条の直径の和(mm)
糸条の直径は下記式3によって求められる。
式3:糸条の直径=11.9×√(0.9d÷ρ)×10−3
d:糸条の繊度(dtex)
ρ:糸条を構成する繊維の密度(g/cm
S :長さ方向25.4mm当たりのシンカーループ数
シンカーループ数(S)は下記式4によって求められる。
式4:シンカーループ数=糸条の振り数(アンダーラップ数)×シンカーループを構成する糸の本数×c
c :コース密度(コース/25.4mm)
w :ウエル密度(ウエル/25.4mm)
裏地組織を形成する隣り合うニードルループの間隔は、200〜500μmであることが好ましく、250〜450μmであることがより好ましい。隣り合うニードルループの間隔が500μm以下であることにより、空気の排出時に負荷がかかり、におい成分が消臭剤と十分に接触できるため、消臭性能が向上する。隣り合うニードルループの間隔が200μm以上であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。ここで、本発明における隣り合うニードルループの間隔とは、隣り合うニードルループの互いの外周が最も近接している部分の距離をいう。
裏地組織を形成するシンカーループ数(S)は、長さ方向25.4mm当たり60〜300であることが好ましく、90〜200であることがより好ましい。シンカーループ数が60以上であることにより、空気の排出時に負荷がかかり、におい成分が消臭剤と十分に接触できるため、消臭性能が向上する。シンカーループ数が300以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。なお、シンカーループ数(S)は、下記式により求めることができる。
S=糸条の振り数(アンダーラップ数)×シンカーループを構成する糸の本数×c
c:コース密度
本発明に用いられるダブルラッセル編物は、連結糸により表裏地組織が連結されてなる連結部が形成されている。連結部25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は、1500〜4000mmであることが好ましく、1700〜3500mmであることがより好ましい。表面積が1500mm以上であることにより、フィルターとして十分なゴミ捕集性能を有し、且つ、におい成分が編物に付着した消臭剤と十分に接触できるため、消臭性能が向上する。表面積が4000mm以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。なお、連結糸の表面積は、下記式により求めることができる。
連結部25.4mm四方当たりの連結糸の表面積(mm)=D2×π×c×w×2×f×h
D2:連結糸を構成する単糸の直径(mm)
f :連結糸のフィラメント数
c :コース密度(コース/25.4mm)
w :ウェル密度(ウェル/25.4mm)
h :生地厚み(mm)
連結部25.4mm四方当たりの連結糸の本数は1200〜3500本であることが好ましく、1400〜2800本であることがより好ましい。連結糸の本数が1200本以上であることにより、消臭フィルターとして十分なごみ捕集性能を有し、且つ、におい成分が編物に固着した消臭剤と十分に接触できるため、消臭性能が向上する。連結糸の本数が3500本以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。なお、連結糸の本数は、下記式により求めることができる。
連結部25.4mm四方当たりの連結糸の本数(本)=c×w×2
c:コース密度(コース/25.4mm)
w:ウェル密度(ウェル/25.4mm)
ダブルラッセル編物を編成する際の編機のゲージは、特に限定されるものでなく、適宜選択することが可能であるが、14〜32ゲージであることが好ましく、18〜28ゲージであることがより好ましい。上述の範囲であることにより、ダブルラッセル編物の保型性と通気性に優れる。
また、ダブルラッセル編物のコース密度は20〜50コース/25.4mmであることが好ましく、30〜50コース/25.4mmであることがより好ましい。またウェル密度は15〜35ウェル/25.4mmであることが好ましく、25〜30ウェル/25.4mmであることがより好ましい。密度が各々の下限値以上であることにより、消臭フィルターとして十分なごみ捕集性能が得られる。密度が各々の上限値以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。
表裏地組織を編成する地糸に用いられる糸条(編糸)の繊維素材は特に限定されるものでなく、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維など、従来公知の繊維を挙げることができ、これらを2種以上組み合わせてもよい。なかでも物性、例えば耐熱性や耐湿熱性に優れるという理由から、合成繊維が好ましく、特にはポリエステルが好ましい。
表裏地組織を編成する地糸に用いられる糸条の形態も特に限定されるものでなく、紡績糸、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸など従来公知の形態の糸条を挙げることができる。なかでもダブルラッセル編物の表面積を大きくし、消臭性能を向上させるという理由から、マルチフィラメント糸が好ましく、特には捲縮性が付与されたマルチフィラメント糸(単に、「マルチフィラメント加工糸」あるいは「加工糸」という場合がある)が好ましい。
連結糸に用いられる糸条の繊維素材は特に限定されるものでなく、表裏地組織と同様に従来公知の繊維を挙げることができるが、物性、例えば耐熱性や耐湿熱性に優れるという理由により合成繊維が好ましく、特にはポリエステルが好ましい。
連結糸に用いられる糸条の形態は、連結糸の表面積を大きくし、消臭性能を向上させるという理由から、マルチフィラメント糸であることが好ましく、特には捲縮性が付与されたマルチフィラメント糸(単に、「マルチフィラメント加工糸」あるいは「加工糸」という場合がある)を用いることがより好ましい。
表裏地組織を編成する地糸に用いられる糸条の総繊度は限定されるものでなく、33〜550dtexであることが好ましい。総繊度が33dtex以上であることにより、消臭フィルターとして十分なごみ捕集性能が得られる。総繊度が550dtex以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。
また、単繊維繊度(以後、単繊度ともいう。)も特に限定されるものでなく、0.55〜3.3dtexであることが好ましい。単繊維繊度が0.55dtex以上であることにより、消臭フィルターの保型性が良好なものとなる。単繊維繊度が3.3dtex以下であることにより、消臭フィルターとして十分なごみ捕集性能を有することができる。さらに、十分な表面積が得られることにより、消臭剤を所望の量付与することができる。
連結糸に用いられる糸条の総繊度は限定されるものでなく、33〜440dtexであることが好ましく、55〜84dtexであることがより好ましい。総繊度が33dtex以上であることにより、消臭フィルターの保型性に優れる。総繊度が440dtex以下であることにより、消臭フィルターとして十分な通気性が得られる。
また、単繊維繊度(以後、単繊度ともいう。)は、1.1〜3.3dtexであることが好ましく、2.2〜3.3dtexであることがより好ましい。単繊維繊度が1.1dtex以上であることにより、消臭フィルターの保型性に優れ、かつ十分な通気性が確保できる。単繊維繊度が3.3dtex以下であることにより、連結糸の表面積が大きくなり、消臭性能が向上する。
ダブルラッセル編物の厚みは、0.7〜3.0mmであることが好ましく、1.0〜1.5mmであることがより好ましい。厚みが0.7mm以上であることにより、連結糸にも消臭剤を十分に付与させることができ、におい成分と消臭剤との接触効率が上がり、消臭性能が向上する。厚みが3.0mm以下であることにより、消臭フィルターとしての通気性が良好なものとすることができる。
本発明の消臭フィルターは、上述のダブルラッセル編物に消臭剤とバインダーを付与してなるものである。
本発明に用いられる消臭剤としては、特に限定されるものでなく、従来公知の消臭剤を用いることができるが、消臭成分を不活性な無機多孔質体からなる担体に担持させたものを使用することが好ましい。不活性な無機多孔質体からなる担体に担持させることにより、消臭剤成分同士が相互に直接作用することにより消臭性能が阻害されることを防ぐことができる。さらに、悪臭成分が不活性な無機多孔質体に物理吸着されることにより、より高い消臭性能を得ることができる。
消臭成分としては、金属化合物、アミン系化合物を用いることが好ましい。これらは、1種単独でまたは2種を組み合せて用いることができる。
金属化合物としては、におい成分を分解することができる消臭性の各種金属化合物を用いることができる。前記金属化合物としては、例えば、亜鉛、銅、アルミニウム、チタン、鉛、鉄などの金属の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、珪酸塩などが挙げられ、これらはいずれか1種単独でまたは2種以上組み合せて用いることができる。これらの金属化合物の消臭メカニズムは、第一段階で化学吸着作用、第二段階で金属化合物の酸化力による分解作用である。
好ましい金属化合物の具体例としては、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、水酸化銅、水酸化鉄、塩化亜鉛、塩化銅、ケイ酸亜鉛などが挙げられる。これらの中でも、金属酸化物が好ましく用いられる。また、ペット臭に含まれる酸性臭気(例えば、酢酸や酪酸、イソ吉草酸など)に対する消臭性能の観点から、亜鉛又は銅を含む金属化合物、例えば、亜鉛又は銅の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩が好ましく、特には酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛を用いることで、アンモニア、トリメチルアミン(以上、生活臭)、酢酸(生活臭、たばこ臭、ペット臭)、硫化水素(生活臭、たばこ臭)、イソ吉草酸(ペット臭)などの悪臭成分に対する消臭性能が発揮される。
アミン系化合物としては、ポリヒドラジド化合物を用いることが好ましい。ここで、ポリヒドラジド化合物とは、1分子中に2個以上のヒドラジド基(−NH−NH)を有する化合物をいう。ポリヒドラジド化合物を用いることで、ホルムアルデヒド、プロパナール、ブタナール(以上、たばこ臭)、アセトアルデヒド、イソバレルアルデヒド(以上、ペット臭)などの悪臭成分が、ポリヒドラジド化合物との脱水縮合反応により化学吸着され、消臭効果が発揮される。具体的には、ポリヒドラジド化合物のヒドラジド基と、アルデヒド類のアルデヒド基との間で、脱水縮合反応が起こる。前述の通り、酸化亜鉛(金属化合物として用いられる)では、アルデヒド類を悪臭成分とするにおいに対する消臭効果が期待できないが、ポリヒドラジド化合物を併用することにより、前記弱点を補い、生活臭、たばこ臭、ペット臭などの様々な悪臭成分に対して、広く効果を発揮することができる。
ポリヒドラジド化合物として具体的には、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、ナフトエジヒドラジド、ベンゼンジヒドラジド、ピリジンジヒドラジド、シクロヘキサンジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジド(以上、1分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物)、クエン酸トリヒドラジド、トリニトロ酢酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、ナフトエ酸テトラヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド(以上、1分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物)などを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合せて用いることができる。
前記ポリヒドラジド化合物のなかでも、単位質量当たりの反応するヒドラジド基の量が多く、高い消臭性能が得られるという観点から、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、トリニトロ酢酸トリヒドラジド、およびナフトエ酸テトラヒドラジドからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリヒドラジド化合物は、金属と配位結合して錯体を形成していてもよい。金属錯体とすることにより、広範囲の悪臭成分に対し消臭性能を発揮させることができる。金属錯体を形成する金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを挙げることができ、目的とする悪臭成分に応じて適宜選択すればよい。なかでも、消臭性能の観点から、銀、銅、亜鉛、鉛、鉄、アルミニウム、インジウム、スズ、チタン、マンガン、ニッケル、コバルト、白金、およびパラジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリヒドラジド化合物の金属錯体は、公知の方法、例えば、溶液法などにより製造することができる。具体的には、例えば所望の金属の塩化物などとポリヒドラジド化合物とを溶媒に溶解、撹拌することにより、所望の金属とポリヒドラジド化合物との錯体を得ることができる。
上記の消臭成分の担体である不活性な無機多孔質体としては、例えば、シリカゲル、エアロゾル、コロイダルシリカ等のシリカ系無機多孔質体;活性アルミナ等のアルミナ系無機多孔質体;アルミノシリケートゼオライト、メタロシリケートゼオライト、アルミノリン酸塩ゼオライト等のゼオライト系無機多孔質体;カオリナイト、モンモリロナイト、雲母等のケイ酸塩化合物系無機多孔質体;メソポーラスシリカ等のメソポーラス系無機多孔質体;ヒドロキシアパタイト、層状リン酸ジルコニウム、ヘテロポリ酸塩、多孔性酸化マンガンをはじめとする金属酸化物や水酸化物等の無機多孔質体などを挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、消臭性能、安全性の観点から、シリカ系無機多孔質体、ゼオライト系無機多孔質体が好ましい。
本発明における消臭成分を不活性な無機多孔質体に担持させる方法としては、公知の方法、例えば、溶液含浸法などを挙げることができる。
本発明において、前記消臭剤成分は、バインダーとともに、ダブルラッセル編物に付与される。
バインダーとしては、特に限定されるものでなく、通常の繊維加工用のバインダー樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。なかでも、消臭フィルターの保型性を良好にすることができるという理由により、ポリエステル樹脂が好ましい。
ダブルラッセル編物に対する消臭剤の付与量は、5〜50g/mであることが好ましく、5〜20g/mであることがより好ましい。付与量が5g/m以上であることにより、消臭フィルターとして十分な消臭性能が得られる。付与量が50g/m以下であることにより、消臭フィルターの通気性を確保することができる。
本発明の消臭フィルターは、以上に説明した消臭剤とバインダーを水に分散させてなる処理液を、ダブルラッセル編物に付与し、次いで、乾燥およびキュアすることにより製造することができる。
処理液をダブルラッセル編物に付与する方法としては、特に限定されるものでなく、浸漬法、マングルパッド法、スプレー法、グラビア法、コーティング法などを挙げることができる。なかでも、ダブルラッセル編物全体に均等に処理液が付与できるという観点から、マングルパッド法が好ましい。なお、処理液には、本発明の効果を損なわない範囲内で、難燃剤、柔軟剤など、他の機能性成分を添加してもよい。
消臭フィルターの通気度は、80〜260mL/cm・secであることが好ましく、100〜240mL/cm・secであることがより好ましい。通気度が上述の範囲であることにより、通気性が保持される消臭フィルターとなり、エアコンの負荷を軽減することができる。
本発明の消臭フィルターは、ダブルラッセル編物をそのままの状態で用いてもよいし、フィルターの表面積、通気抵抗性を向上させることにより消臭性能を高めるためにプリーツ形状に折りたたんだ状態で用いてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、得られた消臭フィルターの評価は以下の方法に従った。
[通気度]
JIS L1096 8.26.1 A法(フラジール形法)に準拠して測定した。
測定値が大きいほど通気性が高いことを示す。
[消臭性能]
模擬エアコン(内寸タテ155mm、ヨコ240mm、高さ150mm、容量5.58L)の発泡スチロール容器の155mm×150mmの面に、ファン(商品名「SUN Ace」、山洋電気株式会社製)を取り付けた。これに対向する155mm×150mmの面に、発泡スチロール容器の下部から45mm、一方の端から60mmの位置にタテ40mm×ヨコ40mmの開口部を形成した。この開口部に試験片(40mm四方)を取り付けた。試験片を取り付けた模擬エアコンを、アクリル容器(タテ630mm、ヨコ630mm、高さ630mm、容量250L)の中央に設置した。あらかじめ濾紙(グレードGF/A、CEヘルスケア・ジャパン株式会社製)を入れたシャーレ(フラットシャーレ、アズワン株式会社製)に、におい液を規定量滴下した。アクリル容器内の一辺の中央に、濾紙がアクリル容器の底面に対し垂直になるように前記シャーレを設置した。さらに濾紙に風が当たるように、疑似エアコンのファン(商品名「SUN Ace」、山洋電気株式会社製)の位置を調整した後、アクリル容器をビニールテープで密封した。
ファンを10分間稼動させた後、アクリル容器内のにおい成分の濃度をガス検知管(アンモニア:3L、ガステック株式会社製、酢酸:81L、ガステック株式会社製)で測定し、計測された値をにおい成分の初期濃度Aとした。次に、模擬エアコンを30分間稼動させた後、アクリル容器内のにおい成分の濃度をガス検知管で測定し、計測された値をにおい成分の消臭後の濃度Bとした。下記式により、消臭率を算出した。消臭率50%以上で十分な消臭性能を有するといえる。
消臭率(%)=(初期濃度A−消臭後の濃度B)÷ 初期濃度A × 100

<におい液:アンモニア>
アンモニア(ナカライテスク株式会社製)を濃度10%になるように蒸留水で希釈する。
規定量:アンモニア10%水溶液を50μL注入する。
<におい液:酢酸>
酢酸(ナカライテスク株式会社製)を濃度50%になるように蒸留水で希釈する。
規定量:酢酸50%水溶液を40μL注入する。
[実施例1]
ダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−28G、カールマイヤー社製)を使用して、編機上のコース密度を45コース/25.4mmで、筬L1、L2に導糸した地糸により裏地組織を編成し、筬L5、L6に導糸した地糸により表地組織を編成し、筬L3、L4に導糸した連結糸により表裏地組織を連結してダブルラッセル編物を編成した。
このとき、表地組織は、筬L1に1in1out(すなわち、1本入れ、1本糸抜きの配列)で導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成され、地糸のアンダーラップが2針間であるコード編組織(2−3/1−0)と、筬L2に1out1in(すなわち、1本抜き、1本入れの配列)で導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された地糸のアンダーラップが2針間であるコード編組織(1−0/2−3)とが一体化された地組織である。また、裏地組織は、筬L5にフルセットで導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成されたデンビ編組織(2−1/0−1)と、筬L6にフルセットで導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された地糸のアンダーラップが2針間であるコード編組織(0−1/3−2)とが一体化された地組織である。また、連結糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)は、上記表裏地組織を連結するもので、筬L3、L4にフルセットで導糸された。
上記ダブルラッセル編物をヒートセッターにて150℃で2分間プレセットして、消臭フィルターの基材であるダブルラッセル編物を得た。
上記ダブルラッセル編物に、処方1に従って調製した処理液を、ピックアップ率80%でマングルパッド法にて付与した。次いで、ヒートセッターにて150℃で2分間熱処理することにより乾燥およびキュアして、消臭剤とバインダーを付与し、消臭フィルターを得た。このとき、消臭フィルターの厚みは1.35mm、コース密度は44コース/25.4mm、ウェル密度は25ウェル/25.4mm、目付けは265g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は55.1%、シンカーループの糸占有率は37.1%、幅方向の隣り合うニードルループの間隔は374.3μm、25.4mm当たりのシンカーループ数は132、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は3245mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は2200本、通気度は218.3mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さかった。また、消臭剤の付与量は7.7g/mであり、消臭率はアンモニア55%、酢酸55%であった。
[処方1]
消臭剤:ゼオミックHW10N(株式会社シナネンゼオミック製、ゼオライト担持酸化亜鉛、固形分20質量%):8質量部
バインダー:RZ570(互応化学株式会社製、ポリエステル樹脂、固形分25質量%):20質量部
難燃剤:フランDH60F(大和化学株式会社製、リン酸エステル、固形分40質量%):5質量部
水:67質量部
[実施例2]
ダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−28G、カールマイヤー社製)を使用して、編機上のコース密度を32コース/25.4mmで、筬L1、L2、L3に導糸した地糸により表地組織を編成し、筬L5、L6に導糸した地糸により裏地組織を編成し、筬L4に導糸した連結糸により表裏地組織を連結してダブルラッセル編物を編成した。
このとき、表地組織は、筬L1に1in1out(すなわち、1本入れ、1本糸抜きの配列)で導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された挿入組織(4−4/0−0)と、筬L2に1out1in(すなわち、1本糸抜き、1本入れの配列)で導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された挿入組織(4−4/0−0)と、筬L3にフルセットで導糸された(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された鎖編組織(0−1/1−0)が一体化された地組織である。また、裏地組織は、筬L5にフルセットで導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された鎖編組織(0−1/1−0)と、筬L6にフルセットで導糸された地糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)により編成された編組織(1−2/5−4/0−1/5−4)とが一体化された地組織である。また、連結糸(55dtex/24fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸)は、上記表裏地組織を連結するもので、筬L4にフルセットで導糸された。
上記ダブルラッセル編物をヒートセッターにて150℃で2分間プレセットして、消臭フィルターの基材であるダブルラッセル編物を得た。
上記ダブルラッセル編物に、実施例1と同様に処理液を処理して、消臭フィルターを得た。消臭フィルターの厚みは1.40mm、コース密度は33コース/25.4mm、ウェル密度は25ウェル/25.4mm、目付けは196g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は41.3%、シンカーループの糸占有率37.1%、幅方向の隣り合うニードルループの間隔は374.3μm、25.4mm当たりのシンカーループ数は132、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は2542mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は1650本、通気度は171.7mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さかった。また、消臭剤の付与量は5.7g/mであり、消臭率はアンモニア53%、酢酸51%であった。
[実施例3]
筬L1〜L6に導糸する糸を33dtex/12fポリエステルマルチフィラメント2H加工糸に変更し、筬L6を地糸のアンダーラップが6針間であるコード編組織(6−7/1−0)とした以外は、全て実施例1と同様にして、消臭フィルターを得た。
消臭フィルターの厚みは1.20mm、コース密度は45コース/25.4mm、ウェル密度は30ウェル/25.4mm、目付けは261g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は40.5%、シンカーループの糸占有率は68.5%、幅方向の隣り合うニードルループの間隔は349.9μm、25.4mm当たりのシンカーループ数は315、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は1941mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は2700本、通気度は108.5mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さかった。また、消臭剤の付与量は7.5g/mであり、消臭率はアンモニア58%、酢酸60%であった。
[比較例1]
筬L6を地糸のアンダーラップが1針間であるデンビ編組織(1−2/1−0)とした以外は、全て実施例1と同様にして、消臭フィルターを得た。
消臭フィルターの厚みは1.30mm、コース密度は44コース/25.4mm、ウェル密度は25ウェル/25.4mm、目付けは250g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は55.1%、シンカーループの糸占有率は24.7%、幅方向の隣り合うニードルループの間隔は374.3μm、25.4mm当たりのシンカーループ数は88、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は3147mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は2200本、通気度は340mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さかった。また、消臭剤の付与量は7.2g/mであり、消臭率はアンモニア22%、酢酸30%であった。
[比較例2]
筬L6を地糸のアンダーラップが7針間であるコード編組織(7−8/1−0)とした以外は、全て実施例1と同様にして、消臭フィルターを得た。
消臭フィルターの厚みは1.40mm、コース密度は44コース/25.4mm、密度は25ウェル/25.4mm、目付けは325g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は55.1%、シンカーループの糸占有率は98.8%、幅方向の隣り合うニードルループの間隔は374.3mm、25.4mm当たりのシンカーループ数は352、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は3389mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は2200本、通気度は40mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さかった。また、消臭剤の付与量は9.4g/mであり、消臭率はアンモニア40%、酢酸40%であった。
[比較例3]
筬L5を1in1out(すなわち、1本入れ、1本糸抜きの配列)で導糸された地糸のアンダーラップが2針間であるコード編組織(2−3/0−1)、筬L6を1out1in(すなわち、1本糸抜き、1本入れの配列)で導糸された地糸のアンダーラップが2針間であるコード編組織(0−1/2−3)とした以外は、全て実施例1と同様にして、消臭フィルターを得た。
消臭フィルターの厚みは1.35mm、コース密度は44コース/25.4mm、ウェル密度は25ウェル/25.4mm、目付けは255g/m、裏地組織のニードルループの糸占有率は24.5%、シンカーループの糸占有率は24.7%、幅方向の隣り合うループの間隔は588.2μm、25.4mm当たりのシンカーループ数は88、25.4mm四方当たりの連結糸の表面積は3245mm、25.4mm四方当たりの連結糸の本数は2200本、通気度は278.3mL/cm・secであった。表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和は、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和と同じであった。また、消臭剤の付与量は7.4g/mであり、消臭率はアンモニア38%、酢酸38%であった。
Figure 2016179040

Claims (4)

  1. 表裏の地組織とそれらを連結する連結部からなるダブルラッセル編地に消臭剤とバインダーを付与してなる消臭フィルターであって、前記ダブルラッセル編地が以下の要件を満たす消臭フィルター。
    (1)裏地組織において、下記式1により算出されるニードルループの糸占有率が30〜70%、下記式2により算出されるシンカーループの糸占有率が30〜80%の無地組織である。
    (2)表地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和が、裏地組織のニードルループの糸占有率とシンカーループの糸占有率の和より小さい。

    式1:ニードルループの糸占有率(%)=((D1×3÷2)×π×c×w)÷(25.4×25.4)×100
    式2:シンカーループの糸占有率(%)=(D3×S×25.4)÷(25.4×25.4)×100
    D1:ニードルループを構成する糸条の直径の和(mm)
    D3:シンカーループを構成する糸条の直径の和(mm)
    糸条の直径は下記式3によって求められる。
    式3:糸条の直径(mm)=11.9×√(0.9d/ρ)×10−3
    d:糸条の繊度(dtex)
    ρ:糸条を構成する繊維の密度(g/cm
    S :長さ方向25.4mm間のシンカーループ数
    シンカーループ数(S)は下記式4によって求められる。
    式4:シンカーループ数=糸条の振り数(アンダーラップ数)×シンカーループを構成する糸の本数×c
    c :コース密度(コース/25.4mm)
    w :ウエル密度(ウエル/25.4mm)
  2. 裏地組織を形成する隣り合うニードルループの間隔が200〜500μmである、請求項1に記載の消臭フィルター。
  3. 裏地組織を形成するシンカーループ数が、長さ方向25.4mm当たり60〜300である、請求項1または2に記載の消臭フィルター。
  4. 連結部25.4mm四方当たりの連結糸の表面積が1500〜4000mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の消臭フィルター。

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