JP2020199020A - 脱臭材及びその製造方法 - Google Patents
脱臭材及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020199020A JP2020199020A JP2019107243A JP2019107243A JP2020199020A JP 2020199020 A JP2020199020 A JP 2020199020A JP 2019107243 A JP2019107243 A JP 2019107243A JP 2019107243 A JP2019107243 A JP 2019107243A JP 2020199020 A JP2020199020 A JP 2020199020A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- carrier
- guanidino
- guanidine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
Description
(1)予め減圧雰囲気下で細孔内が脱気された前記含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物に対して前記脂肪族アミノカルボン酸溶液を含浸させ、及び/又は、前記含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物に対する前記脂肪族アミノカルボン酸溶液の含浸を加圧雰囲気下に行う方法、
(2)前記含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物を浸漬した前記脂肪族アミノカルボン酸溶液を煮沸する方法、
(3)超臨界流体を溶媒として含浸する方法、
のいずれかの処理を行うことが記載されている。
本発明に用いられる担体としては、グアニジノ基を有する化合物と、アルカリ土類金属化合物及び亜鉛族元素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物とを担持できるものであれば特に制限はなく、例えば、多孔性物質(活性炭、珪藻土、アルミナ、シリカゲル、多孔質粘土鉱物等)、繊維、パルプ、布(織物布、不織布等)が挙げられる。これらの担体は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの担体のうち、担体自体もアルデヒド類除去性能を発現するという観点から、多孔性物質(活性炭、珪藻土、アルミナ、シリカゲル、多孔質粘土鉱物等)が好ましく、多孔質粘土鉱物がより好ましく、含水珪酸塩系粘土鉱物が更に好ましく、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物が特に好ましい。
本発明に用いられるグアニジノ基を有する化合物は、前記溶出試験により測定される、全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合が95〜100%(好ましくは97〜100%、より好ましくは99〜100%)となるpH域(以下、「適性pH域」という)において、アルデヒド類(特に、低級アルデヒド類)の除去性能を発現するものである。このようなグアニジノ基を有する化合物としては、例えば、アルギニン(適性pH域:pH9.0〜11.2(好ましくはpH9.2〜11.0、より好ましくはpH9.5〜10.5))及びその塩、グアニジン(適性pH域:pH9.0〜12.4(好ましくはpH10.0〜12.0、より好ましくはpH10.5〜11.5))及びその塩が挙げられる。アルギニンの塩としては、グルタミン酸塩、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、グアニジンの塩としては、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらのグアニジノ基を有する化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらのグアニジノ基を有する化合物のうち、前記適性pH域へのpH調整が容易であるという観点から、アルギニンそのもの及びグアニジンそのものが好ましく、アルギニンそのものがより好ましい。
本発明に用いられる周期表第2族元素を含む化合物は、得られる脱臭材の適性pH域(すなわち、前記グアニジノ基を有する化合物の適性pH域)において、周期表第2族元素(アルカリ土類金属元素)の金属イオン〔M2+(Mは周期表第2族元素(アルカリ土類金属元素))〕を生成するアルカリ土類金属化合物であり、また、本発明に用いられる周期表第12族元素を含む化合物は、得られる脱臭材の適性pH域(すなわち、前記グアニジノ基を有する化合物の適性pH域)において、周期表第12族元素(亜鉛族元素)の金属イオン〔M2+(Mは周期表第12族元素(亜鉛族元素))〕を生成する亜鉛族元素化合物であって、前記金属イオンM2+(Mはアルカリ土類金属元素又は亜鉛族元素)がアンモニアと錯体を形成することによって、アンモニアを捕捉できる金属化合物である。このような金属化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の脱臭材について説明する。本発明の脱臭材は、前記担体と、この担体に担持されている、前記グアニジノ基を有する化合物、並びに前記アルカリ土類金属化合物及び前記亜鉛族元素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物とを含有し、前記溶出試験により測定される、全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合が95〜100%の範囲内にあるものである。前記グアニジウムイオンの数の割合が95%未満になると、pHが高くなり、前記グアニジノ基を有する化合物からのアンモニア臭の発生が起こりやすくなる。また、アルデヒド類除去性能とアンモニア放散抑制とをより高度に両立させるという観点から、前記グアニジウムイオンの数の割合の下限としては97%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
次に、本発明の脱臭材の製造方法について説明する。本発明の脱臭材の製造方法においては、前記担体と前記アルカリ土類金属化合物及び前記亜鉛族元素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物とを含有する混合物に対して、前記グアニジノ基を有する化合物を含有し、前記グアニジノ基を有する化合物の電離平衡状態図に基づいて、全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合が95〜100%となるpHに調整されている添着液を接触させる。これにより、前記グアニジノ基を有する化合物が前記担体の外表面及び細孔内表面に担持されるとともに、前記金属化合物の少なくとも一部が金属イオン〔M2+(Mは前記アルカリ土類金属元素及び前記亜鉛族元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を表す)〕が生成する状態で存在する脱臭材を得ることができる。
(1)予め減圧(好ましくは、20Torr以下)雰囲気下で細孔内が脱気された前記担体と前記金属化合物との混合物に対して前記グアニジノ基を有する化合物の水溶液を含浸させる方法(負圧法)。これにより、前記グアニジノ基を有する化合物の水溶液は細孔内へ良好に浸入し、前記グアニジノ基を有する化合物が細孔内表面に十分に担持される。
(2)前記担体と前記金属化合物との混合物に対する前記グアニジノ基を有する化合物の水溶液の含浸を加圧(好ましくは、10気圧以上)雰囲気下に行う方法(正圧法)。これにより、前記グアニジノ基を有する化合物の水溶液は細孔内へ良好に浸入し、前記グアニジノ基を有する化合物が細孔内表面に十分に担持される。
(3)前記担体と前記金属化合物との混合物を浸漬した前記グアニジノ基を有する化合物の水溶液を煮沸する方法。
容量1Lのポリ容器にイオン交換水100mlを入れ、これに含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物であるセピオライト(近江鉱業株式会社製「P150」、平均直径:0.1μm、平均アスペクト比:20)0.8g及び酸化マグネシウム(MgO、飽和水溶液のpH10.3、25℃の水に対する溶解度積:1.0×10−7)0.08gを投入し、十分に攪拌した。次いで、直径11cmのろ紙(アズワン株式会社製「Code No.2−873−03」、最大孔径:20〜25μm、質量:83g/m2)を用いて吸引ろ過を行い、セピオライトと酸化マグネシウムとの混合物をろ別した。その後、ろ紙上の残渣(セピオライトと酸化マグネシウムとの混合物)をそのままの状態で室温で風乾させた。
酸化マグネシウム(MgO)の代わりに酸化亜鉛(ZnO、飽和水溶液のpH7、25℃の水に対する溶解度積:3.9×10−10)0.08gを用いた以外は実施例1と同様にして、セピオライトにアルギニンと酸化亜鉛とが担持した脱臭材を得た。
酸化マグネシウムを使用せず、添着液として、グリシン(pK2=9.78)10gをイオン交換水100mlに溶解し、さらに、炭酸ナトリウムを徐々に添加してpHを10.09に調整したグリシン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、セピオライトにグリシンが担持した脱臭材を得た。
酸化マグネシウムを使用せず、添着液として、アルギニン(pK3=12.48)10gと炭酸ナトリウム12.14gとをイオン交換水100mlに溶解して調製したアルギニン水溶液(pH12.74)を用いた以外は実施例1と同様にして、セピオライトにアルギニンと炭酸ナトリウムとが担持した脱臭材を得た。
実施例及び比較例で得られた脱臭材1.5gを秤量し、これに水50mlを加えて、周波数50kHz、出力100Wの超音波処理を5分間施した後、pH計を用いて懸濁液のpHを室温(23℃)で測定した。また、図1に示したアルギニンの電離平衡状態図に基づいて、得られた懸濁液のpHから全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合を求めた。これらの結果を表1に示す。なお、表1には、使用した添着液のpH、並びに、図1に示したアルギニンの電離平衡状態図に基づいて求めた前記添着液のpHに対応する全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合も示した。
実施例及び比較例で得られた脱臭材をそれぞれろ紙とともに、容量1Lのガス非透過性の袋に入れ、アセトアルデヒド(CH3CHO,97.03ppm)と窒素(残部)との混合ガス1Lを導入した後、密封した。各袋を室温の実験室内で1時間静置した。その後、袋内のアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフ(FID検出器)を用いて測定し、アセトアルデヒド除去率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた脱臭材をそれぞれろ紙とともに、容量1Lのガス非透過性の袋に入れ、空気1Lを導入した後、密封した。各袋を室温の実験室内で18時間静置した。その後、袋内のアンモニア(NH3)濃度を北川式ガス検知管を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Claims (8)
- 担体と、該担体に担持されている、グアニジノ基を有する化合物、並びに周期表第2族元素を含む化合物及び周期表第12族元素を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物とを含有し、
溶出試験により測定される、全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合が95〜100%であることを特徴とする脱臭材。 - 前記グアニジノ基を有する化合物が、アルギニン及びグアニジンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の脱臭材。
- 前記金属化合物が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱臭材。
- 前記担体が含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物であることを特徴とする脱臭材の請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の脱臭材。
- 担体と周期表第2族元素を含む化合物及び周期表第12族元素を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物とを含有する混合物に対して、グアニジノ基を有する化合物を含有し、該グアニジノ基を有する化合物の電離平衡状態図に基づいて、全グアニジノ基の数に対するグアニジウムイオンの数の割合が95〜100%となるpHに調整されている添着液を接触させて、前記グアニジノ基を有する化合物を前記担体の外表面及び細孔内表面に担持させるとともに、前記金属化合物の少なくとも一部を金属イオン〔M2+(Mは周期表第2族元素及び周期表第12族元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を表す)〕が生成する状態で存在させることを特徴とする脱臭材の製造方法。
- 前記グアニジノ基を有する化合物が、アルギニン及びグアニジンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の脱臭材の製造方法。
- 前記金属化合物が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又は6に記載の脱臭材の製造方法。
- 前記担体が含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物であることを特徴とする脱臭材の請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の脱臭材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019107243A JP6982808B2 (ja) | 2019-06-07 | 2019-06-07 | 脱臭材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019107243A JP6982808B2 (ja) | 2019-06-07 | 2019-06-07 | 脱臭材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020199020A true JP2020199020A (ja) | 2020-12-17 |
JP6982808B2 JP6982808B2 (ja) | 2021-12-17 |
Family
ID=73742932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019107243A Active JP6982808B2 (ja) | 2019-06-07 | 2019-06-07 | 脱臭材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6982808B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007252499A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Aisin Seiki Co Ltd | 有機物質除去材 |
JP2016179040A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | セーレン株式会社 | 消臭フィルター |
JP2019063432A (ja) * | 2017-10-05 | 2019-04-25 | 株式会社豊田中央研究所 | 脱臭材の製造方法 |
-
2019
- 2019-06-07 JP JP2019107243A patent/JP6982808B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007252499A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Aisin Seiki Co Ltd | 有機物質除去材 |
JP2016179040A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | セーレン株式会社 | 消臭フィルター |
JP2019063432A (ja) * | 2017-10-05 | 2019-04-25 | 株式会社豊田中央研究所 | 脱臭材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6982808B2 (ja) | 2021-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4194729B2 (ja) | 多孔質吸着剤およびフィルター | |
JP6328373B2 (ja) | 一価の重金属イオン、特にタリウムおよびセシウムイオン、ならびにそれらの放射性同位体を選択的に結合するための成形リヨセル物品 | |
KR100336309B1 (ko) | 탈취용 조성물, 그것을 이용한 탈취장치와 필터 및 탈취방법 | |
JP6851834B2 (ja) | アルデヒド吸着剤 | |
JP6871535B2 (ja) | 脱臭材の製造方法 | |
JP6982808B2 (ja) | 脱臭材及びその製造方法 | |
USRE29410E (en) | Process for manufacturing of deodorizing air filters | |
JPH11347109A (ja) | ホルムアルデヒド吸収剤 | |
JP5174326B2 (ja) | 有機物質除去材 | |
JP4507296B2 (ja) | 脱臭材 | |
JP2011143359A (ja) | 複合ガス吸着材、複合ガス吸着材組成物、およびそれを用いた吸着フィルター | |
JP7097004B2 (ja) | 脱臭材の製造方法 | |
JP3309428B2 (ja) | 脱臭剤及びその製造方法 | |
JP3700909B2 (ja) | 脱臭材及びその製造方法 | |
CN117980064A (zh) | 气体吸附剂以及使用其的气体吸附片材、滤材和空气过滤器 | |
JP6053121B2 (ja) | ガス吸着剤 | |
KR19990072765A (ko) | 이온교환필터,필터의제조방법및필터장치 | |
JPH042350A (ja) | アルデヒド除去剤 | |
JP2019063432A (ja) | 脱臭材の製造方法 | |
JP2007014857A (ja) | 吸着剤およびその製造方法 | |
WO2016031474A1 (ja) | 吸着剤 | |
JPH0639238A (ja) | 吸着性シート | |
JP4378449B2 (ja) | 吸着材およびその製造方法 | |
JPH10235130A (ja) | フィルタ | |
JP3419360B2 (ja) | 脱臭材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210708 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211022 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211104 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6982808 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |