JP2010137113A - 低級アルデヒド類の吸着剤およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱安定性に優れ、担持薬品の臭気がなく、かつ、低級アルデヒド類を長時間にわたり効率よく吸着除去し優れた吸着能を有する吸着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】チオ尿素含有水溶液を40〜95℃に加温して多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着させることにより得られる吸着剤、およびチオ尿素含有水溶液にさらに炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩や脂肪族アルコール類を混入して添着させることにより得られる吸着剤が前記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】チオ尿素含有水溶液を40〜95℃に加温して多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着させることにより得られる吸着剤、およびチオ尿素含有水溶液にさらに炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩や脂肪族アルコール類を混入して添着させることにより得られる吸着剤が前記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類に対し優れた吸着性能を有し、使用期間中担持薬品臭のしない吸着剤に関する。
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類は、いずれも特異な刺激臭を発する有害なガスである。ホルムアルデヒドは、空気中の許容濃度が0.3ppmと低く、かつ発ガン性を有すると言われている。また、アセトアルデヒドをはじめとしてC1〜C4の脂肪族低級アルデヒド類は我が国では特定悪臭物質に指定され、いずれも嗅覚閾値が非常に低く悪臭公害を引き起こす物質である。
ホルムアルデヒドの発生源としては、ホルムアルデヒドの製造工場および尿素、メラミン、フェノールなどを原料とした樹脂の製造工場のほか、これらの樹脂の加工工場、さらにこれらの樹脂を使用した建材、家具など製造工場などが挙げられる。また、消毒剤としてのホルムアルデヒドや石油類の不完全燃焼排ガス、たばこの副流煙にも含まれている。最近では、室内においても新建材や家具などから発生するホルムアルデヒドが問題になっている。
アセトアルデヒドの発生源としては、アセトアルデヒドおよびその誘導体の製造工場のほか、下水汚泥の加熱処理時にも発生し、またたばこの主流煙中にも含まれている。
ホルムアルデヒドの発生源としては、ホルムアルデヒドの製造工場および尿素、メラミン、フェノールなどを原料とした樹脂の製造工場のほか、これらの樹脂の加工工場、さらにこれらの樹脂を使用した建材、家具など製造工場などが挙げられる。また、消毒剤としてのホルムアルデヒドや石油類の不完全燃焼排ガス、たばこの副流煙にも含まれている。最近では、室内においても新建材や家具などから発生するホルムアルデヒドが問題になっている。
アセトアルデヒドの発生源としては、アセトアルデヒドおよびその誘導体の製造工場のほか、下水汚泥の加熱処理時にも発生し、またたばこの主流煙中にも含まれている。
近年、これら低級アルデヒド類に対して、作業環境の改善および生活環境の向上などの観点から、有害物質や臭気などが問題視され、この観点から気体、特に空気中の低級アルデヒド類を効率よく除去する吸着剤の開発が強く要望されている。
従来から低級アルデヒド類の吸着剤としては、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどが挙げられ、なかでも活性炭が広く使用されてきたが、これらの吸着剤自体は、その特性上、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類に対する吸着容量が小さく、寿命が短いという欠点がある。
この改善策として、前記の吸着剤に低級アルデヒド類と反応する化合物、たとえば、脂肪族アミン類、芳香族アミン類などの有機化合物を担持させたものや、触媒として白金族化合物を前記の吸着剤に担持させたものなどが提案されている。
従来から低級アルデヒド類の吸着剤としては、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどが挙げられ、なかでも活性炭が広く使用されてきたが、これらの吸着剤自体は、その特性上、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低級アルデヒド類に対する吸着容量が小さく、寿命が短いという欠点がある。
この改善策として、前記の吸着剤に低級アルデヒド類と反応する化合物、たとえば、脂肪族アミン類、芳香族アミン類などの有機化合物を担持させたものや、触媒として白金族化合物を前記の吸着剤に担持させたものなどが提案されている。
しかしながら、有機化合物を担持させた吸着剤は、担持有機化合物の経時安定性、それら自体の有害性、臭気などに問題がある。たとえば、アニリン(沸点185℃)を常温付近で単に添着させたもの(特許文献1)は、アニリン自身が発ガン性の疑いがあり、かつ低級アルデヒド類の吸着に対して、経時的に不安定であるなどのために実用化に問題があった。また、活性炭に尿素系化合物の酸含有溶液を含浸、担持させたアルデヒド類吸着剤(特許文献2)やゼオライト、酸性白土、珪藻土、活性炭を尿素、チオ尿素などの水溶液に浸漬、担持させたアルデヒド類吸着剤(特許文献3)などが考案されているが、これらのアルデヒド類吸着剤は、活性炭などの多孔質担体に対する尿素、チオ尿素の担持量が多孔質担体1g当たり120mg以下であり、かつ、尿素、チオ尿素水溶液を多孔質担体に含浸・浸漬する際の温度は常温付近であるためにアルデヒド類の吸着性能は十分ではない。
触媒を担持させたものは、触媒が高価な上、常温では低級アルデヒド類の除去効果が低い。
このように従来の技術は、いずれも低級アルデヒド類の除去に対して満足できるものではなかった。
触媒を担持させたものは、触媒が高価な上、常温では低級アルデヒド類の除去効果が低い。
このように従来の技術は、いずれも低級アルデヒド類の除去に対して満足できるものではなかった。
本発明は、熱安定性に優れ、担持薬品の臭気や漏出がなく、かつ低級アルデヒド類を長時間にわたり効率よく吸着除去することができる優れた低級アルデヒド類の吸着剤を提供することを目的としている。
本発明者は、前記の点を鑑み鋭意研究して、多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着させた吸着剤が、熱安定性に優れ、添着薬品の臭気や漏出がなく、低級アルデヒド類を長期に渡り効率よく吸着除去することを見出した。チオ尿素を添着する際に、チオ尿素水溶液を40〜95℃に加温することで少量の水に多量のチオ尿素を溶解できるので、容易にチオ尿素の添着量を130〜650mg/gにすることができる。
また、チオ尿素水溶液に炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩やC1〜C3の脂肪族アルコール類を含有させることによって低級アルデヒド類の吸着性能が一層向上することを見出し、本発明を完成した。
また、チオ尿素水溶液に炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩やC1〜C3の脂肪族アルコール類を含有させることによって低級アルデヒド類の吸着性能が一層向上することを見出し、本発明を完成した。
本発明で使用される多孔質担体としては、活性炭、活性白土、シリカゲル、活性アルミナ、珪藻土、粘土鉱物などが挙げられ、一般に市販されているものが利用できる。これらの多孔質担体の形状は、破砕状、円柱状、球状、ハニカム状、繊維状などいかなるものでもよい。また、これらの多孔質担体の比表面積は、50m2/g以上、好ましくは100〜2500m2/gのものである。
これらの多孔質担体の中でも疎水性であり、大気中の水分の影響を受けにくい活性炭が特に好ましい。活性炭としては、木炭、コークス、石炭、ヤシ殻、樹脂などを原料として通常の方法により賦活されたものであれば、いかなるものでもよい。
従来技術では、尿素系化合物の多孔質担体に対する添着量は多孔質担体1g当たり高々120mgであったが、本発明では、多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着するのが最大の特徴である。このようにすることによって、低級アルデヒド類の吸着性能が飛躍的に向上する。
これらの多孔質担体の中でも疎水性であり、大気中の水分の影響を受けにくい活性炭が特に好ましい。活性炭としては、木炭、コークス、石炭、ヤシ殻、樹脂などを原料として通常の方法により賦活されたものであれば、いかなるものでもよい。
従来技術では、尿素系化合物の多孔質担体に対する添着量は多孔質担体1g当たり高々120mgであったが、本発明では、多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着するのが最大の特徴である。このようにすることによって、低級アルデヒド類の吸着性能が飛躍的に向上する。
また、多孔質担体にチオ尿素を添着する際にチオ尿素水溶液を45〜95℃に加温することも本発明の大きな特徴である。すなわち、多孔質担体1gに対して100〜1000μL、好ましくは150〜600μLといった少量の水に所定量のチオ尿素を加温下に溶解した溶液を、多孔質担体と混合して添着することにより、多量のチオ尿素を瞬時に多孔質担体に添着でき、添着後に乾燥しなくても低級アルデヒド類を非常によく吸着する吸着剤を得ることができる。従来技術では、活性炭などの多孔質担体に対して低濃度のチオ尿素水溶液を多量に使用して、多孔質担体をこの水溶液に長時間(たとえば60分以上)浸漬した後、固液分離し、100℃前後で乾燥してはじめてアルデヒドの吸着剤ができあがるが、チオ尿素添着率が低くアルデヒドの吸着性能は満足できるものではなかった。
さらに、本発明においては、チオ尿素水溶液に炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩やC1〜C3の脂肪族アルコール類を含有させることも他の特徴の一つである。チオ尿素水溶液にアルカリ金属塩やアルコール類を含有させることによって、低級アルデヒド類の吸着性能が著しく向上する。本発明で用いられるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム,セシウムが挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリ、炭酸カリなどが、燐酸塩としては、たとえば、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸二水素カリ、燐酸水素二カリ、燐酸三カリなどが、硫酸塩としては、たとえば、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素カリ、硫酸カリなどが、また、C1〜C6のカルボン酸塩としては、たとえば、蓚酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、蓚酸カリ、クエン酸カリ、酒石酸カリ、コハク酸カリ、乳酸カリなどが挙げられる。また、C1〜C3の脂肪族アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、およびプロピルアルコールである。
本発明においては乾燥状態の多孔質担体1gに対するチオ尿素の添着量は、130〜650mg、好ましくは、130〜600mg、より好ましくは、130〜550mgである。チオ尿素の添着量を650mg以上にすると、多孔質担体上にチオ尿素の結晶が析出して低級アルデヒド類の吸着性能が逆に低下してしまうので好ましくない。
本発明においては乾燥状態の多孔質担体1gに対するチオ尿素の添着量は、130〜650mg、好ましくは、130〜600mg、より好ましくは、130〜550mgである。チオ尿素の添着量を650mg以上にすると、多孔質担体上にチオ尿素の結晶が析出して低級アルデヒド類の吸着性能が逆に低下してしまうので好ましくない。
チオ尿素水溶液に含有させる炭酸塩、燐酸塩、硫酸塩、C1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩の量は、チオ尿素1ミリモルに対してアルカリ金属として0.005〜3mg−原子、好ましくは、0.01〜2mg−原子である。
チオ尿素と炭酸塩、燐酸塩、硫酸塩またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩とを多孔質担体に添着するに際しては、チオ尿素とアルカリ金属塩をあらかじめ水に入れて加温して溶解するのがよい。また、アルコール類を用いる場合には、使用する水1ミリモルに対してアルコール類を0.01〜0.50ミリモル、好ましくは、0.02〜0.45ミリモルであり、チオ尿素を水に溶解する際に水にアルコール類を混合するのが好ましい。
チオ尿素と炭酸塩、燐酸塩、硫酸塩またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩とを多孔質担体に添着するに際しては、チオ尿素とアルカリ金属塩をあらかじめ水に入れて加温して溶解するのがよい。また、アルコール類を用いる場合には、使用する水1ミリモルに対してアルコール類を0.01〜0.50ミリモル、好ましくは、0.02〜0.45ミリモルであり、チオ尿素を水に溶解する際に水にアルコール類を混合するのが好ましい。
本発明の低級アルデヒド類吸着剤は、チオ尿素水溶液または炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩を含有するチオ尿素水溶液またはC1〜C3の脂肪族アルコール類を含有するチオ尿素水溶液を40〜95℃に加温して多孔質担体に接触させてチオ尿素等を添着することにより容易に得られる。チオ尿素含有水溶液の加温は直接的あるいは間接的に通常の方法で行うことができる。チオ尿素含有水溶液を加温する時間は特に限定されず、チオ尿素含有水溶液の温度が所定の温度になればよい。チオ尿素含有水溶液などの加温を95℃以上にするとチオ尿素が変質したり、多量の水蒸気が発生したりするので好ましくない。チオ尿素を含有する水溶液の多孔質担体への接触は、多孔質担体に該水溶液を散布、又は噴霧することにより行うことができる。
本発明における除去対象の低級アルデヒド類は、炭素数が6以下で沸点が100℃以下のアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン、3−メチル−ブチルアルデヒドを指すが、代表的なものはホルムアルデヒドとアセトアルデヒドである。
本発明においては、上記のようにして得られたアルデヒド類吸着剤を空間内、装置内などに存在させて、アルデヒド類を効率よく除去する方法なども含まれる。アルデヒド類吸着剤を空間内に存在させる場合には、たとえば、アルデヒド類吸着剤をシート状などにしたり、建材に含ませたり、通常よく行われる方法などが挙げられる。また、装置内などに存在させる場合は、塔、容器などに充填したりして、これらにアルデヒド類を含むガスを通気する方法などが考えられる。
本発明においては、上記のようにして得られたアルデヒド類吸着剤を空間内、装置内などに存在させて、アルデヒド類を効率よく除去する方法なども含まれる。アルデヒド類吸着剤を空間内に存在させる場合には、たとえば、アルデヒド類吸着剤をシート状などにしたり、建材に含ませたり、通常よく行われる方法などが挙げられる。また、装置内などに存在させる場合は、塔、容器などに充填したりして、これらにアルデヒド類を含むガスを通気する方法などが考えられる。
本発明のアルデヒド吸着剤は、それを使用する常温付近では、無臭でかつ化学的に安定な固体薬品である、チオ尿素を多孔質担体に添着するので、添着薬品の臭気や蒸気が漏れ出すようなことは全くなく、しかもアルデヒド類の吸着除去性能は、従来の低級アルデヒド吸着剤に比べて非常に優れている。
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を具体的に説明する。
8〜32メッシュの瀝青炭系活性炭A(BET比表面積1150m2/g)に対して下記のような処理を施してチオ尿素を均一に添着した試料を作成した。
試料No.1:水400μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Aの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.2:試料No.1において、チオ尿素135mgを使用した。
試料No.3:試料No.1において、チオ尿素150mgを使用した。
試料No.4:試料No.1において、チオ尿素250mgを使用した。
試料No.5:試料No.1において、チオ尿素300mgを使用した。
試料No.6:試料No.1において、チオ尿素550mgを使用した。
試料No.7:試料No.1において、チオ尿素を使用しなかった。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を250ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表1に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
試料No.1:水400μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Aの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.2:試料No.1において、チオ尿素135mgを使用した。
試料No.3:試料No.1において、チオ尿素150mgを使用した。
試料No.4:試料No.1において、チオ尿素250mgを使用した。
試料No.5:試料No.1において、チオ尿素300mgを使用した。
試料No.6:試料No.1において、チオ尿素550mgを使用した。
試料No.7:試料No.1において、チオ尿素を使用しなかった。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を250ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表1に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
実施例1の各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のホルムアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のホルムアルデヒド濃度(C0)を100ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のホルムアルデヒド濃度(C)を測定した。ホルムアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表2に示した。
ホルムアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
ホルムアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
8〜32メッシュのヤシ殻系活性炭B(BET比表面積1200m2/g)に対して下記のような処理を施してチオ尿素を均一に添着した試料を作成した。
試料No.8:水400μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.9:試料No.8において、チオ尿素250mgを使用した。
試料No.10:試料No.8において、チオ尿素250mgと炭酸カリ40mgを使用した。
試料No.11:試料No.8において、チオ尿素250mgと燐酸水素二カリ55mgを使用した。
試料No.12:試料No.8において、チオ尿素250mgと第三燐酸カリ65mgを使用した。
試料No.13:試料No.8において、チオ尿素250mgとクエン酸三カリ50mgを使用した。
試料No.14:試料No.8において、チオ尿素250mgと燐酸二水素カリ60mgを使用した。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を550ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表3に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
試料No.8:水400μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.9:試料No.8において、チオ尿素250mgを使用した。
試料No.10:試料No.8において、チオ尿素250mgと炭酸カリ40mgを使用した。
試料No.11:試料No.8において、チオ尿素250mgと燐酸水素二カリ55mgを使用した。
試料No.12:試料No.8において、チオ尿素250mgと第三燐酸カリ65mgを使用した。
試料No.13:試料No.8において、チオ尿素250mgとクエン酸三カリ50mgを使用した。
試料No.14:試料No.8において、チオ尿素250mgと燐酸二水素カリ60mgを使用した。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を550ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表3に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
市販の活性白土(和光純薬)に水を加えてよく練合し、1mmφの円柱状に成型し、これを100℃で乾燥し、さらに空気中にて450℃で1時間焼成した。このようにして得られた多孔質担体C(BET比表面積450m2/g)に対して下記のような処理を施してチオ尿素を均一に添着した試料を作成した。
試料No.15:水600μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、多孔質担体Cの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.16:試料No.15において、チオ尿素200mgを使用した。
試料No.17:試料No.15において、チオ尿素350mgを使用した。
試料No.18:試料No.15において、チオ尿素を使用しなかった。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を250ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表4に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
試料No.15:水600μLにチオ尿素120mgを入れ、80℃に加温して溶解し、多孔質担体Cの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.16:試料No.15において、チオ尿素200mgを使用した。
試料No.17:試料No.15において、チオ尿素350mgを使用した。
試料No.18:試料No.15において、チオ尿素を使用しなかった。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を250ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表4に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
実施例3のヤシ殻系活性炭Bに対して下記のような処理を施してチオ尿素を均一に添着した試料を作成した。
試料No.19:水30000μLにチオ尿素340mgを入れ、30℃で溶解し、このチオ尿素水溶液に活性炭Bの1gを浸漬して、12時間保ち、ろ過して得られた湿潤状態の活性炭を100℃で1時間乾燥した。
試料No.20:水400μLにチオ尿素220mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.21:試料No.20において、水400μLにエチルアルコール100μLを混合して、チオ尿素220mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を550ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。
アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表5に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
試料No.19:水30000μLにチオ尿素340mgを入れ、30℃で溶解し、このチオ尿素水溶液に活性炭Bの1gを浸漬して、12時間保ち、ろ過して得られた湿潤状態の活性炭を100℃で1時間乾燥した。
試料No.20:水400μLにチオ尿素220mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
試料No.21:試料No.20において、水400μLにエチルアルコール100μLを混合して、チオ尿素220mgを入れ、80℃に加温して溶解し、活性炭Bの1gに均一に添着し、大気中で12時間放置した。
これらの各試料100mgを3Lのテトラバッグに量り込み、空気で満たした。各テトラバッグに所定量のアセトアルデヒド水溶液を注入して、各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C0)を550ppmとした。24時間後の各テトラバッグ中のアセトアルデヒド濃度(C)を測定した。
アセトアルデヒド除去性能として次式で求めた値を表5に示した。
アセトアルデヒド除去性能=(1−C/C0)×100(%)
本発明の低級アルデヒド吸着剤は、熱安定性に優れ、担持薬品の臭気がなく、かつ、低級アルデヒド類を長時間にわたり効率よく吸着除去し優れた吸着能を有しているので、ホルムアルデヒドの製造工場、尿素、メラミン、フェノールなどを原料とした樹脂の製造工場、これらの樹脂の加工工場、これらの樹脂を使用した建材、家具などを製造する工場、アセトアルデヒドおよびその誘導体を製造する工場のほか、下水汚泥の加熱処理場などで、低級アルデヒド類の吸着剤として好適に使用することができる。
Claims (6)
- 多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着させた低級アルデヒド類吸着剤。
- 多孔質担体が活性炭である請求項1記載の低級アルデヒド類吸着剤。
- チオ尿素の外にさらに炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩を添着させた請求項1又は2記載の低級アルデヒド類吸着剤。
- 多孔質担体に40〜95℃に加温したチオ尿素含有水溶液を接触させて多孔質担体1g当たりチオ尿素を130〜650mg添着させる低級アルデヒド類吸着剤の製造法。
- チオ尿素水溶液がさらに炭酸、燐酸、硫酸またはC1〜C6のカルボン酸のアルカリ金属塩を含有する請求項4記載の低級アルデヒド類吸着剤の製造法。
- チオ尿素水溶液がさらにC1〜C3の脂肪族アルコール類を含有する請求項4記載の低級アルデヒド類吸着剤の製造法。
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2008
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