JPWO2005032608A1 - ガス吸着フィルター - Google Patents
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Abstract
空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等、担体自体に非特異的に吸着している微量物質の放出が少ないガス吸着フィルター及びガス浄化装置、空気浄化フィルター、及びファンフィルター複合ユニットを提供する本発明は、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下である担体を用いてなり、担体表面に、アルカリ性物質、酸性物質のいずれかの添着薬剤に加え、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬の指示薬群より選ばれる少なくとも1種の指示薬を有する担持層が形成されてなることを特徴とするガス吸着フィルター、及び空気清浄機、並びにエアコンディショナーに関する。
Description
本発明は、空気中のアンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン等の微量塩基性ガス、又は、硫化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物等の微量酸性ガス、若しくは、タバコ臭等の悪臭ガスを除去するガス吸着フィルター、これを備えてなる空気清浄機に関するものである。
一般に、空気清浄機において、ゴミやほこりを除去するための除塵フィルターは脱臭機能を持たない。そのため、空気清浄機で空気中に含まれる臭気成分を除去するためには、除塵フィルターのほかに脱臭フィルターを装着しなければならない。脱臭フィルターを用いて空気中のアンモニア、トリメチルアミン、硫黄酸化物等の悪臭成分(有害ガス)を除去する方法としては、活性炭や酸化剤または光触媒等を用いて物理・化学的に吸着、酸化除去を行う方法が主流をなしている。
例えば、活性炭を用いる吸着法、各種香料を用いるマスキング法、酸化剤等で臭気化合物を化学変化させるオゾン酸化法等の化学的方法、そしてイオン交換繊維や、セラミック材料等により汚染物質除去や臭気の低減を行う方法等が用いられている。また、湿式で水溶性ガスを除去する拡散スクラバー法等も開発されている(日本国公開特許公報特開平9−236589号)。
これらフィルター類の寿命を判断する方法としては、ゴミやほこりを除去する除塵フィルターの場合であれば、その目詰まりによりフィルターの色が黒く変色することで寿命を判断することができる。すなわち、目詰まりによる黒っぽい色が目立つように、除塵フィルターの一部に青色又は緑色系統の色彩を施すようにしたものも提案されている(日本国実用新案登録公告公報実公昭41−23028号)。
一方、脱臭フィルターの交換時期などの寿命を表示する方法としては、日本電気工業会の試験方法(JEM−1467)に準じた耐久試験を行い、その結果を基にフィルター寿命を算出し、交換時期の目安として6ヶ月、1年などの使用期間を表示する方法が主流である。しかしながら上記従来の判定方法は、脱臭フィルターの寿命や性能を、使用者が視覚的・直接的に判断できるものではない。
この点を改善するために、脱臭フィルターにインジケータ機能をもたせる方法が提案されている。例えば、日本国公開特許公報特開平6−71137号には、脱臭フィルターの表面やフィルターを形成する枠などに色が変化する変色センサーを設ける方法が提案されている。また日本国公開特許公報特開2002−361015号にはハニカム状のフィルター自体に変色剤が担持されて、インジケータとしての機能を有するものが提案されている。
上記脱臭フィルターの脱臭部には活性炭やゼオライトなどの吸着剤が用いられているが、活性炭以外の脱臭材料も用いられてきている。日本国公開特許公報特開2002−113078号には活性炭以外の繊維や不織布基材に光触媒や光反応性半導体を担持・塗布し、さらに変色指示薬が付与されたフィルターが提案されている。
また、色変化のインジケータ的役割はないが活性炭以外のフィルター基材を用いる例は従来から報告されている。「空気清浄ハンドブック、(社)日本空気清浄協会編.1981,pp335」では活性炭および活性炭以外の担体への薬剤添着フィルターの亜硫酸ガス除去性能が紹介されている。日本国公開特許公報特願平4−169364号には消臭材料としてセルロース繊維に薬剤を添着したガス吸着フィルターが開示されている。
しかしながら、上記吸着剤として用いられている活性炭やゼオライト等の多孔質担体基材は、悪臭成分の上流濃度変動や温度変動により、吸着した悪臭成分を再放出するなど、フィルターからのアウトガス(主として微細な細孔からなり比表面積が大きい活性炭等の性質上、濾材自体である活性炭等に多量に添着し徐々に放出される微量の化学物質)の発生が問題となる。
すなわち、活性炭からは微細な粉塵が発生し、フィルターの下流側でフィルター粉塵、微量アウトガスによる環境への二次汚染が問題となる。
また、空気中の微量濃度領域での有害ガスによる汚染の制御は、上記マスキング法では根本的に除去することは不可能である。一方、オゾン酸化法等では除去効率を上げるために不必要なオゾンが残存してしまい、周囲の環境を悪化させる。さらには、イオン交換繊維単独やセラミックス多孔体材料を用いた微量領域濃度での塩基性ガス制御のためのフィルターが知られているが、水洗することによる再生が不可能であり、使用後は産業廃棄物処理されている。
また、上記特開2002−113078号公報記載の方法では、活性炭等の多孔質以外の不織布等を基材としているが、脱臭剤(吸着剤・添着剤)としては、活性炭やゼオライト等の多孔質体や、その他、比表面積の大きい無機物等が使用されている。このため、上記方法でもやはり、濾材からのアウトガスの発生が避けられないという問題点を有している。
例えば、活性炭を用いる吸着法、各種香料を用いるマスキング法、酸化剤等で臭気化合物を化学変化させるオゾン酸化法等の化学的方法、そしてイオン交換繊維や、セラミック材料等により汚染物質除去や臭気の低減を行う方法等が用いられている。また、湿式で水溶性ガスを除去する拡散スクラバー法等も開発されている(日本国公開特許公報特開平9−236589号)。
これらフィルター類の寿命を判断する方法としては、ゴミやほこりを除去する除塵フィルターの場合であれば、その目詰まりによりフィルターの色が黒く変色することで寿命を判断することができる。すなわち、目詰まりによる黒っぽい色が目立つように、除塵フィルターの一部に青色又は緑色系統の色彩を施すようにしたものも提案されている(日本国実用新案登録公告公報実公昭41−23028号)。
一方、脱臭フィルターの交換時期などの寿命を表示する方法としては、日本電気工業会の試験方法(JEM−1467)に準じた耐久試験を行い、その結果を基にフィルター寿命を算出し、交換時期の目安として6ヶ月、1年などの使用期間を表示する方法が主流である。しかしながら上記従来の判定方法は、脱臭フィルターの寿命や性能を、使用者が視覚的・直接的に判断できるものではない。
この点を改善するために、脱臭フィルターにインジケータ機能をもたせる方法が提案されている。例えば、日本国公開特許公報特開平6−71137号には、脱臭フィルターの表面やフィルターを形成する枠などに色が変化する変色センサーを設ける方法が提案されている。また日本国公開特許公報特開2002−361015号にはハニカム状のフィルター自体に変色剤が担持されて、インジケータとしての機能を有するものが提案されている。
上記脱臭フィルターの脱臭部には活性炭やゼオライトなどの吸着剤が用いられているが、活性炭以外の脱臭材料も用いられてきている。日本国公開特許公報特開2002−113078号には活性炭以外の繊維や不織布基材に光触媒や光反応性半導体を担持・塗布し、さらに変色指示薬が付与されたフィルターが提案されている。
また、色変化のインジケータ的役割はないが活性炭以外のフィルター基材を用いる例は従来から報告されている。「空気清浄ハンドブック、(社)日本空気清浄協会編.1981,pp335」では活性炭および活性炭以外の担体への薬剤添着フィルターの亜硫酸ガス除去性能が紹介されている。日本国公開特許公報特願平4−169364号には消臭材料としてセルロース繊維に薬剤を添着したガス吸着フィルターが開示されている。
しかしながら、上記吸着剤として用いられている活性炭やゼオライト等の多孔質担体基材は、悪臭成分の上流濃度変動や温度変動により、吸着した悪臭成分を再放出するなど、フィルターからのアウトガス(主として微細な細孔からなり比表面積が大きい活性炭等の性質上、濾材自体である活性炭等に多量に添着し徐々に放出される微量の化学物質)の発生が問題となる。
すなわち、活性炭からは微細な粉塵が発生し、フィルターの下流側でフィルター粉塵、微量アウトガスによる環境への二次汚染が問題となる。
また、空気中の微量濃度領域での有害ガスによる汚染の制御は、上記マスキング法では根本的に除去することは不可能である。一方、オゾン酸化法等では除去効率を上げるために不必要なオゾンが残存してしまい、周囲の環境を悪化させる。さらには、イオン交換繊維単独やセラミックス多孔体材料を用いた微量領域濃度での塩基性ガス制御のためのフィルターが知られているが、水洗することによる再生が不可能であり、使用後は産業廃棄物処理されている。
また、上記特開2002−113078号公報記載の方法では、活性炭等の多孔質以外の不織布等を基材としているが、脱臭剤(吸着剤・添着剤)としては、活性炭やゼオライト等の多孔質体や、その他、比表面積の大きい無機物等が使用されている。このため、上記方法でもやはり、濾材からのアウトガスの発生が避けられないという問題点を有している。
本発明は、以上のような問題点を解決すべくなされたもので、その目的は、空気中の悪臭ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等、担体自体に非特異的に吸着(添着)している悪臭物質の放出が少なく、脱臭寿命をフィルターの色変化で視覚的・直接的に、より明確に判断できるガス吸着フィルター及びこれを用いた空気清浄機並びにエアコンディショナーを提供することにある。
すなわち、本発明は、下記のガス吸着フィルター及び空気清浄機並びにエアコンディショナーに係るものである。
1.担体表面にアルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくともいずれか1種の添着物質と、発色剤とを有する担持層が形成されてなることを特徴とするガス吸着フィルター。
2.発色剤が、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬からなる群より選ばれる少なくとも1種の指示薬であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
3.担体は、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
4.担体は、担体表面が、JISK6768に定めるぬれ指数45〜70dyn/cmで示される親水性を有していることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
5.担持層は、担体重量に対して0.5重量%を超え95重量%以下の割合で担持されていることを特徴とする請求項1項記載のガス吸着フィルター。
6.担持層は、担体容積に対して、0.001g/cm3〜5g/cm3の割合で担持されていることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
7.前記担体が、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、炭素繊維、炭化ケイ素、フェノール樹脂、ガラス、シリカ・アルミナ、液晶ポリマー、天然セルロース、岩綿、羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の物質であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
8.担体は、ペーパー状、板状、球状、円柱状、繊維状からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
9.担体は、物質に対して同物質群より選ばれる1種以上の他の物質が0〜50重量%の割合で混合された混合物質であることを特徴とする請求項7記載のガス吸着フィルター
10.洗浄及び再担持を行うことにより再生されることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
11.担体が、フェノール樹脂繊維であり、発色剤がブロモチモールブルーであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
12.担体が、天然セルロース、岩綿、天然羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種を主成分とする繊維であり、発色剤がフェノールフタレインであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
13.ハニカム状、ミニプリーツ状、フェルト状、または細密充填状の所定形状に加工してなる請求項1記載のガス吸着フィルター。
14.請求項1記載のガス吸着フィルターと、送風手段および除塵フィルターとを備えてなる空気清浄機。
15.請求項1記載のガス吸着フィルターを備えてなるエアコンディショナー。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のガス吸着濾材は、担体表面にアルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくともいずれか1種の添着物質と、発色剤とを有する担持層が形成されてなる。本発明によれば、発色剤の色調により除去性能の残存程度が視覚的・直接的に、より明確に判定できる。
発色剤は特に限定するものではなく、公知の薬剤の中から選択することができ、揮発性が低くある程度安定であればよい。具体的には、例えば、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬等が挙げられる。上記例示の発色剤は、1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
本発明者らは、比較的低濃度領域での塩基性ガス等の吸着性能メカニズムにおいて、単なる物理的吸着ではガス濃度依存性が高いため絶対吸着量が少ないこと、また化学的吸着では添着物質の種類や添着量、フィルターの水分保持量等にガス吸着量が依存していることに着眼した。
例えば、従来、活性炭等、多孔質で比表面積が比較的大きな固体を担体とし、物理・化学的吸着により有毒ガスを除去していた。これに対して、細孔は存在しないが、担体表面に親水性基を有する繊維表面官能基の特性を利用して、水分吸着に優れる有機繊維等の担体を用いれば、空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等の放出が少ないガス吸着フィルターを提供できる。
本発明のガス吸着フィルターは、担体として、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下である担体を用いることがより好ましい。上記担体を用いることにより、多孔質体等の細孔が多い担体を用いる場合と比較し、吸着した悪臭成分の再放出や、担体自体の添着物質に由来する微量物質放出が少ないガス吸着フィルターを提供することができる。
上記比表面積は、上記範囲内であれば特に限定されないが、0m2/gを超え100m2/g以下の範囲内がより好ましく、0m2/gを超え50m2/g以下の範囲内がさらに好ましい。本発明におけるBET法による比表面積は、例えば、ユアサアイオニクス社製オートソーブ6等により求めることができる。
次に、本発明に用いられる担体を、対応する好ましい添着物質及び吸着除去されるガス類と関連付けて表1に示す。
表1に示すように、例えば、吸着除去されるガスが硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、フッ化水素等である場合には、フェノール樹脂(フェノール樹脂繊維を三次元構造化したノボロイド樹脂繊維を含む)が特に好ましい。
表1に示すように、水分保持量の大きい上記担体により、充分量のアルカリ性、酸性、及び酸化性、還元性の性質を持つ物質を有する担持層を導入することができるので、低濃度領域でのガスの化学的吸着量をさらに高めることができる。また、上記官能基を適宜組み合わせることにより、低濃度領域において、より多種類のガスを吸着することができる。添着薬剤は特に限定するものではなく、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去性能を高める為の公知の薬剤で、かつ揮発性が低く、ある程度安定であればよい。
本発明のガス吸着フィルターに用いられる担体の種類としては、担体表面に、JISK6768に定めるぬれ指数45〜70dyn/cmで表される範囲内の親水性基を有する担体が特に好ましく、55〜70dyn/cmで表される範囲内の親水性基を有する繊維状の担体がさらに好ましい。
担体が上記ぬれ指数で表される範囲内の適度な親水性を有することで、水分保持性に優れるため、担体の水分保持量を高めることができる。これにより担体自体の水分保持量に依存した、低濃度領域でのガスの化学的吸着量を高めることができるとともに、担体への担持層、すなわち添着物質の添着量を増大させることができるので、特に低濃度領域でのガスの化学的吸着効率を改善し、全体として空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れたガス吸着フィルターを提供することができる。
本発明におけるぬれ指数は、JIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に規定されている方法、ぬれ張力判定試薬(米国COROTEC社製「ぬれ張力判定試薬」)によるぬれ指数測定方法等により測定される。
上記ぬれ張力判定試薬により、本発明における担体としてのフェノール樹脂繊維シート(日本カイノール(株)製「カイノールS−210」(商標名))のぬれ指数測定を行った。結果を表2に示す。
表2に示すようにPP繊維は35であったのに対し、フェノール樹脂繊維は50であった。上記フェノール樹脂繊維に対し、さらにコロナ放電処理をした結果、ぬれ指数は60まで上昇した。
また、これら担体は、繊維状のものを用いることがより好ましく、繊維直径が0.001μmを超え50μm以下の範囲内である繊維として用いることがより好ましい。また、繊維長は、比表面積が上記範囲内となる範囲であれば特に限定されないが、比較的長い方がコンタミネーションが抑制されるため、より好ましい。上記繊維を1種のみ用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の担体として用いられる上記繊維としては、炭素繊維、炭化ケイ素(SiC)繊維、フェノール樹脂繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維その他のポリアミド繊維、ポリカーボネート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテルサルホン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリアセタール繊維、親水性ガラス繊維その他のガラス繊維、親水性シリカ・アルミナ繊維その他のシリカ・アルミナ繊維、液晶ポリマー繊維、天然セルロース繊維、岩綿、羊毛、綿、麻、絹繊維等が挙げられる。上記例示の繊維は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合は、上記例示のある特定の繊維に対して、同繊維群より選ばれる1種以上の他の繊維が、0〜50重量%の割合で混合された混繊維であることがより好ましい。前記担体が、前記繊維に対して上記繊維群から選ばれる1種以上の他の繊維が0〜50重量%の割合で混合された混繊維であることで、より優れた水分保持量を有し、かつ、安価な再生布を利用したガス吸着フィルターを提供できる。
本発明のガス吸着フィルターに用いられる担体には、その表面に、アルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくとも1種の添着物質を有する第二の担持層がさらに形成されていてもよい。これにより、上記アルカリ性物質、酸性物質基、又は酸化剤、還元剤との化学的吸着により、さらに優れた微量ガス吸着性能を得ることができる。
本発明者等は、上記フェノール樹脂繊維(日本カイノール(株)製「カイノールS−210」)等の、表面に親水性基を有する基材を担体として用いて化学吸着による微量塩基性ガス除去材の作製を試みた結果、予め濡れ性がよく、添着物質が、担体重量比で0.5重量%〜45重量%の範囲で担持可能であることを見出した。添着物質は、上記範囲内のうち、さらに、担体重量比で、20重量%〜45重量%の範囲内で担持されていることがより好ましい。
以下において、本発明の担持層を導入するための、担持手法の一例を示す。
(1)添着物質水溶液を準備する
(2)フェルト状基材とした担体に添着物質水溶液を含浸させる。
(3)数時間、乾燥器内で乾燥させる。
上記のように、本発明の担持層は、導入すべき官能基を有する添着物質水溶液(添着溶液)に担体を含浸させ、または担体に前記添着溶液を吹き付ける等して形成することができる。
上述したように、本発明の担体は、優れた水分保持量を有することにより、添着物質の担持量を飛躍的に増大させることができる。このため、多孔質等の比表面積が比較的大きい構造を有しなくても優れた微量ガス吸着能を得ることができるので、空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等、担体自体に非特異的に吸着している微量物質の放出が少ない。
担体と担持層を構成する添着物質との好ましい組み合わせとしては、上記表1に例示されるが、担体が添着物質に対して不活性であることがより好ましい。
また、本発明の担体の形状としては、特に限定はなく、例えば、上記繊維等をシート状に形成した不織布としたものであってもよく、また、シート状にした後、ハニカム構造、プリーツ構造に成形したものであってもよい。
上記フェノール樹脂を用い、表面が親水性の機能を有する繊維質シートの場合、シートの目付は5g/m2を超え400g/m2以下が好ましい。
本発明の担持層として担体表面に導入される添着物質は、特に限定するものではなく、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去性能を高める為の公知の薬剤で、かつ揮発性が低く、ある程度安定であればよい。本発明の担持層に導入される上記添着物質を、吸着除去されるガス及び担体の種類と対応づけて表1に示す。
上記表1に例示した添着物質のうち、酸性物質としてはリン酸、硫酸が、またアルカリ性物質としては、炭酸カリウムが好ましい。上記酸性物質及びアルカリ性物質はいずれも、担持層形成時において、水溶液(添着物質溶液)として用いられることが好ましい。
また、微量の二酸化硫黄ガスを除去するためには、アルカリ性物質と併用して、酸化剤としての過マンガン酸カリウム等が担持されていてもよい。上記のほか、本発明の担持層形成に使用される優れた添着物質として、水酸化カリウム、二酸化マンガン等が特に好適に用いられる。
本発明のガス吸着フィルターにより吸着除去されるガスを、担持層として担体表面に導入される添着物質、担体との対応関係とともに上記表1に挙げる。例えば、添着物質として表1に示されるようなアルカリ性物質が用いられる場合、空気中のアンモニア、トリメチルアミンその他のアミン類等の微量塩基性ガスが特に好適に吸着除去される。また、添着物質として、表1に示されるような酸性物質が用いられる場合、二酸化硫黄等の硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、フッ化水素等の微量酸性ガス等が挙げられる。
本発明のガス吸着フィルターは、上記例示のガス等を、特に、ppbオーダー〜ppmオーダーの範囲の低濃度領域で、有効に吸着除去することができる。
本発明のガス吸着フィルターは、使用済みの前記ガス吸着フィルターを、例えば、水洗、超音波洗浄等により洗浄した後、上述したように担持層の形成を再度行う(再担持を行う)ことにより、再生することが可能である。すなわち、使用済みのガス吸着フィルターは、水洗、超音波洗浄により、繊維表面に反応固着した吸着物質に対して容易に洗浄可能である。さらに再度、リン酸、硫酸等の添着物質を担持すれば吸着フィルターが再生され、新品と同様の初期除去性能を発現する。ここに再生処理方法の一例の詳細を記す。
(1)水洗・脱搾を数回繰り返す。
(2)超純水中で超音波洗浄を15分間行う。
(3)乾燥器内で数時間乾燥させる。
(4)再度、リン酸又は硫酸を前述の手法で担持させる。
本発明の吸着フィルターの担体は比表面積が活性炭等に比較して著しく少ないものであるにもかかわらず、その担体表面に担持層が形成されるところに特徴がある。洗浄及び再担持を行うことで繰返し再利用することができるので、環境に配慮し得るとともに低コスト化を図ることができる。
表3に本発明の一実施の形態に係るガス吸着フィルターとしてのフェノール樹脂繊維、及びその他の担体について、薬品担持性を評価した結果を示す。薬品担持特性は、「担体重量に対する担持層重量%」で表される担持量として示す。
表3より明らかなように、フェノール樹脂繊維は、PP(ポリプロピレン)繊維等の疎水性繊維と比較し優れた薬品担持特性を示し、親水性ガラス繊維、ロックウール、親水性シリカ・アルミナ繊維、活性炭等の他の各種担体と遜色のないことが認められる。
本発明のガス吸着フィルターの用途としては、例えば、空気清浄機、エアコンディショナー、クリーンルームその他の空調装置、に備えられる空気浄化フィルター、脱臭フィルター;これらと、送風手段とを一体化させてなる各種ファンフィルター複合ユニット;等が挙げられる。
次に、以下において、本発明のガス吸着フィルターを用いた空気浄化フィルターの構成を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のガス吸着フィルターを用いた空気浄化フィルターの一実施の形態である、ケミカルフィルター3(ガス吸着フィルター)を、クリーンルーム4内で使用した例を示した説明図である。同図に示すように、クリーンルーム4内は、天井付近にケミカルフィルター3が、クリーンルーム4の天井部分側壁に設けられた図示しない外気導入孔から導入される外気の通過経路上に配置されている。ケミカルフィルター3の下方には、これに当接して、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター7が積層して配置されている。また、クリーンルーム4内部には、半導体製造装置(局所クリーンブース)5が設置されている。半導体製造装置5内に導入される空気の通過経路上には、同図に示すようにケミカルフィルター3が配置されている。
また、クリーンルーム4の外気導入孔外側には、空調機2と外調機1とがこの順に取り付けられている。
クリーンルーム4内に導入される外気は、まず、ケミカルフィルター3が取り付けられた外調機1を通過することにより、一次浄化され、空調機2に送られた後、外気導入孔を通って、クリーンルーム4内に入る。次に、ケミカルフィルター3により、空気中に含まれる微量有毒ガスのほとんどが吸着濾過されるようになっている。次に、積層されているHEPAフィルター7により、その他の不純物質を濾過された後、半導体製造装置5内に導入される。半導体製造装置5内に導入される前に別に設けられたケミカルフィルター3により、さらに残余の微量有毒ガスを除去することが可能である。導入された外気は、その後、図示しない排気孔から排気される。
図2は、上記ケミカルフィルター3が、上記クリーンルーム4内の天井付近にフィルター複合ユニット(FFU)9として取り付けられた場合の詳細を示す説明図である。同図に示すように、本発明の一実施の形態に係るフィルター複合ユニット9は、外気をファン8により外気導入孔付近からケミカルフィルター3方向へ送るようにする構成としてもよい。
図3(a)は、本発明のガス吸着フィルターとしての、ケミカルフィルター3の内部構造を示す平面図であり、図3(b)は、その斜視図である。両図において、矢線は、いずれも、浄化されるべき空気の流れる方向を示している。ケミカルフィルター3は、図3に示すように、繊維シート状に形成されたフィルターをさらにプリーツ構造に成形した構成である。これにより、通過する空気の接触面積を増大させることにより、微量ガス吸着をより効率的に行うことができる。
本発明のガス浄化装置は、上記本発明のガス吸着フィルターを用いてなる。ガス浄化装置は、例えば、上記ケミカルフィルター3を載置した半導体製造装置5のような局所クリーンブースとして構成されていてもよく、外調機1として示されるような、クリーンルーム4外部に取り付けられる外調機として構成されていてもよい。
図6は、本発明のガス吸着フィルターを脱臭フィルター13として備えてなる空気清浄機11の概略構成を示す説明図である。同図に示すように、空気清浄機11は、吸引口14側に設けられた除塵フィルター12と、除塵フィルター12の内側に当接して設けられたガス吸着フィルターとしての脱臭フィルター13と、空気吸引用のファン15と、浄化した空気を排気するための吹き出し口16とから主に構成されている。ファン15により強制的に吸引口14から取り込まれた室内空気は、除塵フィルター12により、除塵が行われた後、脱臭フィルター13で悪臭ガスが吸着されて取り除かれ、吹き出し口16から排気される(室内空気の流れを図中矢印で示す)。空気清浄機11に設けられた脱臭フィルター13により、室内の悪臭、タバコ臭等の原因となるガスが取り除かれ、しかも微量アウトガス等による二次汚染は発生しない。また、脱臭フィルター13には、下記に述べるように発色剤が担持されており、フィルター寿命を視覚的・直接的に判定することができる。
ガス吸着フィルターは、前記担体に対して担持層が0.5重量%を超え95重量%以下の割合で形成されていることがより好ましい。
また、本発明のガス吸着フィルターは、担持層が、担体容積に対して、0.001g/cm3〜5g/cm3の割合で担持されていることがより好ましい。担持層が上記範囲で担持されていることにより、悪臭ガス等の除去性能を最大限に引き出すことができる。
本発明のガス吸着フィルターは、上記担体が、ペーパー状、板状、円柱状、球状、繊維状など各種の形状に加工されていてもよい。
また、本発明のガス吸着フィルターは、例えば、ミニプリーツ状あるいは(コルゲート)ハニカム状、フェルト状、最密充填状等の所定形状に加工されていてもよい。
本発明の空気清浄機は、上記本発明のガス吸着フィルターと、送風手段、除塵フィルターとを備えてなる。最出口には、除塵フィルターとしてHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターが装着されても良い。上記構成により、本発明の空気清浄機は、空気中の悪臭ガスおよび粉塵の除去性能に優れるとともに、微量アウトガス等、担体自体、または添着物質に由来する微量物質の放出による二次汚染等がなく、かつ、フィルター寿命が視覚的・直接的に、より明確に判別することができる。
本発明のガス吸着フィルターは、前記担体が、繊維状である構成であってもよい。上記担体が繊維状であることで、担体の水分保持量をさらに高めることができ、微量有毒ガスの除去性能をさらに高めることができる。
次に、本発明のガス吸着フィルターにおいて、添着物質とともに担持層を形成する発色剤について詳細に説明する。
本発明におけるガス吸着フィルターの担持層が有する発色剤の一例を挙げると、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬等が挙げられる。上記例示の発色剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
担持層に添着物質として塩基性物質が担持されている場合には、発色剤としてフェノールフタレインを添加することが好ましい。この場合、初期は赤であるが、酸性ガスの吸着量の増加とともに色が退色し、除去性能の終末期には無色に変化する(フェノールフタレインの変色域はpH8.3〜10.0)。
従って、例えば、天然セルロース、岩綿、天然羊毛、綿、麻、絹等の1種若しくは2種以上からなる繊維を担体として用いた場合、発色剤としてフェノールフタレインを用いれば、初期は、明度に優れる鮮やかなピンク色を呈しているが、除去性能の終末期には、無色となり、判別性に優れたガス吸着フィルターを得ることができる。
また、チモールフタレインを添加すると初期は青であるが、酸性ガスを吸着するにつれて、同様に退色し無色になる(チモールフタレインの変色域はpH9.3〜10.5)。
逆に酸性物質が添着されている場合はブロモチモールブルー(BTB)を添加すると、初期は黄色であるが、塩基性ガスの吸着量増加に伴い、黄緑がかり、除去性能の終末期には緑色に変化する(BTBの変色域はpH6.0〜7.6(アルカリ領域では青))。
例えば、担体として、黄色系を呈するフェノール樹脂繊維を用いる場合、発色剤としてブロモチモールブルーを用いることにより、初期は、材質本来と同様の黄色を呈しているが、除去性能の終末期に緑色に変化するので、より明度が高く、判定性に優れたガス吸着フィルターを得ることができる。
さらに万能指示薬を用いると、薬剤添着濾材の酸性度にごとに色変化がわかる。万能指示薬の調合方法の一例を以下に示す。
1)TB(チモールブルー)5mg、MR(メチルレッド)12.5mg、BTB(ブロモチモールブルー)50mg、TP(チモールフタレイン)100mg の4つに指示薬をエタノール100mlに溶かす。
2)溶液が緑色になるまで0.1mol/l NaOH(約0.4%)を加える。上記調合により、pHによって以下の様に7色に変色する万能指示薬が作製できる。万能指示薬を添加することで、濾剤の残存寿命をより詳しく表示することができる。例えば塩基性薬剤を添着した濾材は酸性ガスを吸着するにつれて初期の紫から藍⇒青⇒緑と変色し、逆に酸性薬剤を添着している濾材は塩基性ガスを吸着するにつれて初期の赤から橙⇒黄色⇒緑と変化する。
本発明におけるガス吸着フィルター担体のBET法による比表面積は、0m2/gを超え300m2/g以下である担体を用いている。本発明のガス吸記範囲内であれば特に限定されないが0m2/gを超え100m2/g以下の範囲内がより好ましく50m2/g以下の範囲内がさらに好ましい。
上記比表積は、例えば、ユアサアイオニクス社製オートソーブ6等によって求めることができる。
本発明におけるぬれ指数はJIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に規定されている方法により測定される。
上記ぬれ張力判定試薬(米国COROTEC社製「ぬれ張力判定試薬」)によるぬれ指数測定を行った結果、実施例で用いたフェノール樹脂繊維は50dyne/cmであり、ポリプロピレン(PP)繊維は35dyne/cmであった。
以上のように、本発明のガス吸着フィルターには、pH指示薬や酸化還元指示薬その他の上記発色剤を添加してあることから、吸着過程が外観から視覚的・直接的に知ることができ、残存除去程度も色素強度で判断できる。また非多孔質担体を用いることで担体由来のアウトガスの発生もなく、フィルターの下流側での二次汚染等が削減できる。これにより本発明のガス吸着フィルターを空気清浄機に用いれば、空気中に含まれるアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素など悪臭ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等も少なく、フィルターの寿命判断も容易になりフィルター交換等の利便性が向上する。
すなわち、本発明は、下記のガス吸着フィルター及び空気清浄機並びにエアコンディショナーに係るものである。
1.担体表面にアルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくともいずれか1種の添着物質と、発色剤とを有する担持層が形成されてなることを特徴とするガス吸着フィルター。
2.発色剤が、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬からなる群より選ばれる少なくとも1種の指示薬であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
3.担体は、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
4.担体は、担体表面が、JISK6768に定めるぬれ指数45〜70dyn/cmで示される親水性を有していることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
5.担持層は、担体重量に対して0.5重量%を超え95重量%以下の割合で担持されていることを特徴とする請求項1項記載のガス吸着フィルター。
6.担持層は、担体容積に対して、0.001g/cm3〜5g/cm3の割合で担持されていることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
7.前記担体が、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、炭素繊維、炭化ケイ素、フェノール樹脂、ガラス、シリカ・アルミナ、液晶ポリマー、天然セルロース、岩綿、羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の物質であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
8.担体は、ペーパー状、板状、球状、円柱状、繊維状からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
9.担体は、物質に対して同物質群より選ばれる1種以上の他の物質が0〜50重量%の割合で混合された混合物質であることを特徴とする請求項7記載のガス吸着フィルター
10.洗浄及び再担持を行うことにより再生されることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
11.担体が、フェノール樹脂繊維であり、発色剤がブロモチモールブルーであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
12.担体が、天然セルロース、岩綿、天然羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種を主成分とする繊維であり、発色剤がフェノールフタレインであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
13.ハニカム状、ミニプリーツ状、フェルト状、または細密充填状の所定形状に加工してなる請求項1記載のガス吸着フィルター。
14.請求項1記載のガス吸着フィルターと、送風手段および除塵フィルターとを備えてなる空気清浄機。
15.請求項1記載のガス吸着フィルターを備えてなるエアコンディショナー。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のガス吸着濾材は、担体表面にアルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくともいずれか1種の添着物質と、発色剤とを有する担持層が形成されてなる。本発明によれば、発色剤の色調により除去性能の残存程度が視覚的・直接的に、より明確に判定できる。
発色剤は特に限定するものではなく、公知の薬剤の中から選択することができ、揮発性が低くある程度安定であればよい。具体的には、例えば、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬等が挙げられる。上記例示の発色剤は、1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
本発明者らは、比較的低濃度領域での塩基性ガス等の吸着性能メカニズムにおいて、単なる物理的吸着ではガス濃度依存性が高いため絶対吸着量が少ないこと、また化学的吸着では添着物質の種類や添着量、フィルターの水分保持量等にガス吸着量が依存していることに着眼した。
例えば、従来、活性炭等、多孔質で比表面積が比較的大きな固体を担体とし、物理・化学的吸着により有毒ガスを除去していた。これに対して、細孔は存在しないが、担体表面に親水性基を有する繊維表面官能基の特性を利用して、水分吸着に優れる有機繊維等の担体を用いれば、空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等の放出が少ないガス吸着フィルターを提供できる。
本発明のガス吸着フィルターは、担体として、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下である担体を用いることがより好ましい。上記担体を用いることにより、多孔質体等の細孔が多い担体を用いる場合と比較し、吸着した悪臭成分の再放出や、担体自体の添着物質に由来する微量物質放出が少ないガス吸着フィルターを提供することができる。
上記比表面積は、上記範囲内であれば特に限定されないが、0m2/gを超え100m2/g以下の範囲内がより好ましく、0m2/gを超え50m2/g以下の範囲内がさらに好ましい。本発明におけるBET法による比表面積は、例えば、ユアサアイオニクス社製オートソーブ6等により求めることができる。
次に、本発明に用いられる担体を、対応する好ましい添着物質及び吸着除去されるガス類と関連付けて表1に示す。
表1に示すように、例えば、吸着除去されるガスが硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、フッ化水素等である場合には、フェノール樹脂(フェノール樹脂繊維を三次元構造化したノボロイド樹脂繊維を含む)が特に好ましい。
表1に示すように、水分保持量の大きい上記担体により、充分量のアルカリ性、酸性、及び酸化性、還元性の性質を持つ物質を有する担持層を導入することができるので、低濃度領域でのガスの化学的吸着量をさらに高めることができる。また、上記官能基を適宜組み合わせることにより、低濃度領域において、より多種類のガスを吸着することができる。添着薬剤は特に限定するものではなく、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去性能を高める為の公知の薬剤で、かつ揮発性が低く、ある程度安定であればよい。
本発明のガス吸着フィルターに用いられる担体の種類としては、担体表面に、JISK6768に定めるぬれ指数45〜70dyn/cmで表される範囲内の親水性基を有する担体が特に好ましく、55〜70dyn/cmで表される範囲内の親水性基を有する繊維状の担体がさらに好ましい。
担体が上記ぬれ指数で表される範囲内の適度な親水性を有することで、水分保持性に優れるため、担体の水分保持量を高めることができる。これにより担体自体の水分保持量に依存した、低濃度領域でのガスの化学的吸着量を高めることができるとともに、担体への担持層、すなわち添着物質の添着量を増大させることができるので、特に低濃度領域でのガスの化学的吸着効率を改善し、全体として空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れたガス吸着フィルターを提供することができる。
本発明におけるぬれ指数は、JIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に規定されている方法、ぬれ張力判定試薬(米国COROTEC社製「ぬれ張力判定試薬」)によるぬれ指数測定方法等により測定される。
上記ぬれ張力判定試薬により、本発明における担体としてのフェノール樹脂繊維シート(日本カイノール(株)製「カイノールS−210」(商標名))のぬれ指数測定を行った。結果を表2に示す。
表2に示すようにPP繊維は35であったのに対し、フェノール樹脂繊維は50であった。上記フェノール樹脂繊維に対し、さらにコロナ放電処理をした結果、ぬれ指数は60まで上昇した。
また、これら担体は、繊維状のものを用いることがより好ましく、繊維直径が0.001μmを超え50μm以下の範囲内である繊維として用いることがより好ましい。また、繊維長は、比表面積が上記範囲内となる範囲であれば特に限定されないが、比較的長い方がコンタミネーションが抑制されるため、より好ましい。上記繊維を1種のみ用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の担体として用いられる上記繊維としては、炭素繊維、炭化ケイ素(SiC)繊維、フェノール樹脂繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維その他のポリアミド繊維、ポリカーボネート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテルサルホン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリアセタール繊維、親水性ガラス繊維その他のガラス繊維、親水性シリカ・アルミナ繊維その他のシリカ・アルミナ繊維、液晶ポリマー繊維、天然セルロース繊維、岩綿、羊毛、綿、麻、絹繊維等が挙げられる。上記例示の繊維は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合は、上記例示のある特定の繊維に対して、同繊維群より選ばれる1種以上の他の繊維が、0〜50重量%の割合で混合された混繊維であることがより好ましい。前記担体が、前記繊維に対して上記繊維群から選ばれる1種以上の他の繊維が0〜50重量%の割合で混合された混繊維であることで、より優れた水分保持量を有し、かつ、安価な再生布を利用したガス吸着フィルターを提供できる。
本発明のガス吸着フィルターに用いられる担体には、その表面に、アルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくとも1種の添着物質を有する第二の担持層がさらに形成されていてもよい。これにより、上記アルカリ性物質、酸性物質基、又は酸化剤、還元剤との化学的吸着により、さらに優れた微量ガス吸着性能を得ることができる。
本発明者等は、上記フェノール樹脂繊維(日本カイノール(株)製「カイノールS−210」)等の、表面に親水性基を有する基材を担体として用いて化学吸着による微量塩基性ガス除去材の作製を試みた結果、予め濡れ性がよく、添着物質が、担体重量比で0.5重量%〜45重量%の範囲で担持可能であることを見出した。添着物質は、上記範囲内のうち、さらに、担体重量比で、20重量%〜45重量%の範囲内で担持されていることがより好ましい。
以下において、本発明の担持層を導入するための、担持手法の一例を示す。
(1)添着物質水溶液を準備する
(2)フェルト状基材とした担体に添着物質水溶液を含浸させる。
(3)数時間、乾燥器内で乾燥させる。
上記のように、本発明の担持層は、導入すべき官能基を有する添着物質水溶液(添着溶液)に担体を含浸させ、または担体に前記添着溶液を吹き付ける等して形成することができる。
上述したように、本発明の担体は、優れた水分保持量を有することにより、添着物質の担持量を飛躍的に増大させることができる。このため、多孔質等の比表面積が比較的大きい構造を有しなくても優れた微量ガス吸着能を得ることができるので、空気中の微量有毒ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等、担体自体に非特異的に吸着している微量物質の放出が少ない。
担体と担持層を構成する添着物質との好ましい組み合わせとしては、上記表1に例示されるが、担体が添着物質に対して不活性であることがより好ましい。
また、本発明の担体の形状としては、特に限定はなく、例えば、上記繊維等をシート状に形成した不織布としたものであってもよく、また、シート状にした後、ハニカム構造、プリーツ構造に成形したものであってもよい。
上記フェノール樹脂を用い、表面が親水性の機能を有する繊維質シートの場合、シートの目付は5g/m2を超え400g/m2以下が好ましい。
本発明の担持層として担体表面に導入される添着物質は、特に限定するものではなく、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去性能を高める為の公知の薬剤で、かつ揮発性が低く、ある程度安定であればよい。本発明の担持層に導入される上記添着物質を、吸着除去されるガス及び担体の種類と対応づけて表1に示す。
上記表1に例示した添着物質のうち、酸性物質としてはリン酸、硫酸が、またアルカリ性物質としては、炭酸カリウムが好ましい。上記酸性物質及びアルカリ性物質はいずれも、担持層形成時において、水溶液(添着物質溶液)として用いられることが好ましい。
また、微量の二酸化硫黄ガスを除去するためには、アルカリ性物質と併用して、酸化剤としての過マンガン酸カリウム等が担持されていてもよい。上記のほか、本発明の担持層形成に使用される優れた添着物質として、水酸化カリウム、二酸化マンガン等が特に好適に用いられる。
本発明のガス吸着フィルターにより吸着除去されるガスを、担持層として担体表面に導入される添着物質、担体との対応関係とともに上記表1に挙げる。例えば、添着物質として表1に示されるようなアルカリ性物質が用いられる場合、空気中のアンモニア、トリメチルアミンその他のアミン類等の微量塩基性ガスが特に好適に吸着除去される。また、添着物質として、表1に示されるような酸性物質が用いられる場合、二酸化硫黄等の硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、フッ化水素等の微量酸性ガス等が挙げられる。
本発明のガス吸着フィルターは、上記例示のガス等を、特に、ppbオーダー〜ppmオーダーの範囲の低濃度領域で、有効に吸着除去することができる。
本発明のガス吸着フィルターは、使用済みの前記ガス吸着フィルターを、例えば、水洗、超音波洗浄等により洗浄した後、上述したように担持層の形成を再度行う(再担持を行う)ことにより、再生することが可能である。すなわち、使用済みのガス吸着フィルターは、水洗、超音波洗浄により、繊維表面に反応固着した吸着物質に対して容易に洗浄可能である。さらに再度、リン酸、硫酸等の添着物質を担持すれば吸着フィルターが再生され、新品と同様の初期除去性能を発現する。ここに再生処理方法の一例の詳細を記す。
(1)水洗・脱搾を数回繰り返す。
(2)超純水中で超音波洗浄を15分間行う。
(3)乾燥器内で数時間乾燥させる。
(4)再度、リン酸又は硫酸を前述の手法で担持させる。
本発明の吸着フィルターの担体は比表面積が活性炭等に比較して著しく少ないものであるにもかかわらず、その担体表面に担持層が形成されるところに特徴がある。洗浄及び再担持を行うことで繰返し再利用することができるので、環境に配慮し得るとともに低コスト化を図ることができる。
表3に本発明の一実施の形態に係るガス吸着フィルターとしてのフェノール樹脂繊維、及びその他の担体について、薬品担持性を評価した結果を示す。薬品担持特性は、「担体重量に対する担持層重量%」で表される担持量として示す。
表3より明らかなように、フェノール樹脂繊維は、PP(ポリプロピレン)繊維等の疎水性繊維と比較し優れた薬品担持特性を示し、親水性ガラス繊維、ロックウール、親水性シリカ・アルミナ繊維、活性炭等の他の各種担体と遜色のないことが認められる。
本発明のガス吸着フィルターの用途としては、例えば、空気清浄機、エアコンディショナー、クリーンルームその他の空調装置、に備えられる空気浄化フィルター、脱臭フィルター;これらと、送風手段とを一体化させてなる各種ファンフィルター複合ユニット;等が挙げられる。
次に、以下において、本発明のガス吸着フィルターを用いた空気浄化フィルターの構成を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のガス吸着フィルターを用いた空気浄化フィルターの一実施の形態である、ケミカルフィルター3(ガス吸着フィルター)を、クリーンルーム4内で使用した例を示した説明図である。同図に示すように、クリーンルーム4内は、天井付近にケミカルフィルター3が、クリーンルーム4の天井部分側壁に設けられた図示しない外気導入孔から導入される外気の通過経路上に配置されている。ケミカルフィルター3の下方には、これに当接して、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター7が積層して配置されている。また、クリーンルーム4内部には、半導体製造装置(局所クリーンブース)5が設置されている。半導体製造装置5内に導入される空気の通過経路上には、同図に示すようにケミカルフィルター3が配置されている。
また、クリーンルーム4の外気導入孔外側には、空調機2と外調機1とがこの順に取り付けられている。
クリーンルーム4内に導入される外気は、まず、ケミカルフィルター3が取り付けられた外調機1を通過することにより、一次浄化され、空調機2に送られた後、外気導入孔を通って、クリーンルーム4内に入る。次に、ケミカルフィルター3により、空気中に含まれる微量有毒ガスのほとんどが吸着濾過されるようになっている。次に、積層されているHEPAフィルター7により、その他の不純物質を濾過された後、半導体製造装置5内に導入される。半導体製造装置5内に導入される前に別に設けられたケミカルフィルター3により、さらに残余の微量有毒ガスを除去することが可能である。導入された外気は、その後、図示しない排気孔から排気される。
図2は、上記ケミカルフィルター3が、上記クリーンルーム4内の天井付近にフィルター複合ユニット(FFU)9として取り付けられた場合の詳細を示す説明図である。同図に示すように、本発明の一実施の形態に係るフィルター複合ユニット9は、外気をファン8により外気導入孔付近からケミカルフィルター3方向へ送るようにする構成としてもよい。
図3(a)は、本発明のガス吸着フィルターとしての、ケミカルフィルター3の内部構造を示す平面図であり、図3(b)は、その斜視図である。両図において、矢線は、いずれも、浄化されるべき空気の流れる方向を示している。ケミカルフィルター3は、図3に示すように、繊維シート状に形成されたフィルターをさらにプリーツ構造に成形した構成である。これにより、通過する空気の接触面積を増大させることにより、微量ガス吸着をより効率的に行うことができる。
本発明のガス浄化装置は、上記本発明のガス吸着フィルターを用いてなる。ガス浄化装置は、例えば、上記ケミカルフィルター3を載置した半導体製造装置5のような局所クリーンブースとして構成されていてもよく、外調機1として示されるような、クリーンルーム4外部に取り付けられる外調機として構成されていてもよい。
図6は、本発明のガス吸着フィルターを脱臭フィルター13として備えてなる空気清浄機11の概略構成を示す説明図である。同図に示すように、空気清浄機11は、吸引口14側に設けられた除塵フィルター12と、除塵フィルター12の内側に当接して設けられたガス吸着フィルターとしての脱臭フィルター13と、空気吸引用のファン15と、浄化した空気を排気するための吹き出し口16とから主に構成されている。ファン15により強制的に吸引口14から取り込まれた室内空気は、除塵フィルター12により、除塵が行われた後、脱臭フィルター13で悪臭ガスが吸着されて取り除かれ、吹き出し口16から排気される(室内空気の流れを図中矢印で示す)。空気清浄機11に設けられた脱臭フィルター13により、室内の悪臭、タバコ臭等の原因となるガスが取り除かれ、しかも微量アウトガス等による二次汚染は発生しない。また、脱臭フィルター13には、下記に述べるように発色剤が担持されており、フィルター寿命を視覚的・直接的に判定することができる。
ガス吸着フィルターは、前記担体に対して担持層が0.5重量%を超え95重量%以下の割合で形成されていることがより好ましい。
また、本発明のガス吸着フィルターは、担持層が、担体容積に対して、0.001g/cm3〜5g/cm3の割合で担持されていることがより好ましい。担持層が上記範囲で担持されていることにより、悪臭ガス等の除去性能を最大限に引き出すことができる。
本発明のガス吸着フィルターは、上記担体が、ペーパー状、板状、円柱状、球状、繊維状など各種の形状に加工されていてもよい。
また、本発明のガス吸着フィルターは、例えば、ミニプリーツ状あるいは(コルゲート)ハニカム状、フェルト状、最密充填状等の所定形状に加工されていてもよい。
本発明の空気清浄機は、上記本発明のガス吸着フィルターと、送風手段、除塵フィルターとを備えてなる。最出口には、除塵フィルターとしてHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターが装着されても良い。上記構成により、本発明の空気清浄機は、空気中の悪臭ガスおよび粉塵の除去性能に優れるとともに、微量アウトガス等、担体自体、または添着物質に由来する微量物質の放出による二次汚染等がなく、かつ、フィルター寿命が視覚的・直接的に、より明確に判別することができる。
本発明のガス吸着フィルターは、前記担体が、繊維状である構成であってもよい。上記担体が繊維状であることで、担体の水分保持量をさらに高めることができ、微量有毒ガスの除去性能をさらに高めることができる。
次に、本発明のガス吸着フィルターにおいて、添着物質とともに担持層を形成する発色剤について詳細に説明する。
本発明におけるガス吸着フィルターの担持層が有する発色剤の一例を挙げると、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬等が挙げられる。上記例示の発色剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
担持層に添着物質として塩基性物質が担持されている場合には、発色剤としてフェノールフタレインを添加することが好ましい。この場合、初期は赤であるが、酸性ガスの吸着量の増加とともに色が退色し、除去性能の終末期には無色に変化する(フェノールフタレインの変色域はpH8.3〜10.0)。
従って、例えば、天然セルロース、岩綿、天然羊毛、綿、麻、絹等の1種若しくは2種以上からなる繊維を担体として用いた場合、発色剤としてフェノールフタレインを用いれば、初期は、明度に優れる鮮やかなピンク色を呈しているが、除去性能の終末期には、無色となり、判別性に優れたガス吸着フィルターを得ることができる。
また、チモールフタレインを添加すると初期は青であるが、酸性ガスを吸着するにつれて、同様に退色し無色になる(チモールフタレインの変色域はpH9.3〜10.5)。
逆に酸性物質が添着されている場合はブロモチモールブルー(BTB)を添加すると、初期は黄色であるが、塩基性ガスの吸着量増加に伴い、黄緑がかり、除去性能の終末期には緑色に変化する(BTBの変色域はpH6.0〜7.6(アルカリ領域では青))。
例えば、担体として、黄色系を呈するフェノール樹脂繊維を用いる場合、発色剤としてブロモチモールブルーを用いることにより、初期は、材質本来と同様の黄色を呈しているが、除去性能の終末期に緑色に変化するので、より明度が高く、判定性に優れたガス吸着フィルターを得ることができる。
さらに万能指示薬を用いると、薬剤添着濾材の酸性度にごとに色変化がわかる。万能指示薬の調合方法の一例を以下に示す。
1)TB(チモールブルー)5mg、MR(メチルレッド)12.5mg、BTB(ブロモチモールブルー)50mg、TP(チモールフタレイン)100mg の4つに指示薬をエタノール100mlに溶かす。
2)溶液が緑色になるまで0.1mol/l NaOH(約0.4%)を加える。上記調合により、pHによって以下の様に7色に変色する万能指示薬が作製できる。万能指示薬を添加することで、濾剤の残存寿命をより詳しく表示することができる。例えば塩基性薬剤を添着した濾材は酸性ガスを吸着するにつれて初期の紫から藍⇒青⇒緑と変色し、逆に酸性薬剤を添着している濾材は塩基性ガスを吸着するにつれて初期の赤から橙⇒黄色⇒緑と変化する。
本発明におけるガス吸着フィルター担体のBET法による比表面積は、0m2/gを超え300m2/g以下である担体を用いている。本発明のガス吸記範囲内であれば特に限定されないが0m2/gを超え100m2/g以下の範囲内がより好ましく50m2/g以下の範囲内がさらに好ましい。
上記比表積は、例えば、ユアサアイオニクス社製オートソーブ6等によって求めることができる。
本発明におけるぬれ指数はJIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に規定されている方法により測定される。
上記ぬれ張力判定試薬(米国COROTEC社製「ぬれ張力判定試薬」)によるぬれ指数測定を行った結果、実施例で用いたフェノール樹脂繊維は50dyne/cmであり、ポリプロピレン(PP)繊維は35dyne/cmであった。
以上のように、本発明のガス吸着フィルターには、pH指示薬や酸化還元指示薬その他の上記発色剤を添加してあることから、吸着過程が外観から視覚的・直接的に知ることができ、残存除去程度も色素強度で判断できる。また非多孔質担体を用いることで担体由来のアウトガスの発生もなく、フィルターの下流側での二次汚染等が削減できる。これにより本発明のガス吸着フィルターを空気清浄機に用いれば、空気中に含まれるアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素など悪臭ガスの除去性能に優れ、微量アウトガス等も少なく、フィルターの寿命判断も容易になりフィルター交換等の利便性が向上する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るガス吸着フィルターをクリーンルーム内で使用した例を示した説明図である。
図2は、上記ガス吸着フィルターが、上記クリーンルーム内の天井付近にフィルターユニットとして取り付けられた場合の詳細を示す説明図である。
図3(a)は、ガス吸着フィルターの内部構造の一例を示す平面図である。
図3(b)は、空気浄化フィルターの内部構造を示す斜視図である。
図4は、本発明のガス吸着フィルターによるガス残存率の変化を示すグラフである。
図5は、比較用のガスフィルターのガス濃度減衰特性を示すグラフである。
図6は、本発明のガス吸着フィルターを脱臭フィルターとして備えてなる本発明の空気清浄機の概略構成を示す説明図である。
図2は、上記ガス吸着フィルターが、上記クリーンルーム内の天井付近にフィルターユニットとして取り付けられた場合の詳細を示す説明図である。
図3(a)は、ガス吸着フィルターの内部構造の一例を示す平面図である。
図3(b)は、空気浄化フィルターの内部構造を示す斜視図である。
図4は、本発明のガス吸着フィルターによるガス残存率の変化を示すグラフである。
図5は、比較用のガスフィルターのガス濃度減衰特性を示すグラフである。
図6は、本発明のガス吸着フィルターを脱臭フィルターとして備えてなる本発明の空気清浄機の概略構成を示す説明図である。
以下、実施例を示して詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<低濃度ガス除去性能評価方法>
ガス吸着フィルターの低濃度ガス除去性能評価は、塩基性ガス代表指標としてアンモニアを用い、以下の方法を用いて行った。1パス除去試験装置にガス吸着フィルターを取り付け、室内空気(微量ガスを含んだ試験用空気)を線速0.2m/sでフィルター部に導入した。一定時間ごとにガス吸着フィルターの入口側・出口側で空気を湿式捕集し、空気中のアンモニア濃度(入口アンモニア濃度,出口アンモニア濃度,単位;ppb)の測定を行った。
湿式捕集は、吸収液が入ったガス吸収瓶とミニポンプとを1セットとし、吸収液中に試料空気をバブリングによりサンプリングし濃縮捕集を行った。吸収液としては比抵抗率18.0メガオーム以上18.3メガオーム以下の超純水を100ミリリットル用い、サンプリング条件は毎分2リットルの吸引流量で360Lの吸引サンプリングであった。捕集溶液はイオン交換クロマトグラフィー分析装置で分析し、得られたアンモニアイオン濃度からガス吸着フィルターのアンモニア除去率を下記の計算式で算出した。イオン交換クロマトグラフィーの分析条件を表5に示す。湿式捕集(サンプリング)は、通気開始後約50時間において、約60分間ずつ3回行い、それらの平均データを入口アンモニア濃度及び出口アンモニア濃度としてもとめ除去率(%)を算出した。
ただし、
η:除去率(%)
Ci:入口アンモニア濃度(ppb)
Co:出口アンモニア濃度(ppb)
また、担持層に添着物質として炭酸カリウム等のアルカリ性物質を用いた場合には、上記アンモニアに代えて二酸化硫黄を用いた。
<自己発塵性比較評価方法>
ガス吸着フィルターについての自己発塵性比較評価は以下の方法にて行った。上記1パス除去試験装置に吸着フィルターを取り付け、高性能除塵フィルターで浄化した室内清浄空気を線速0.2m/sでフィルター部に導入し、吸着フィルターの出口側で光散乱式自動粒子計数器(大同酸素製パーティクルカウンターモデルDS−300)により粒子個数濃度の測定を行った。
<自己脱着性評価方法>
ガス吸着フィルター下流側での添着物質の脱着性の有無について検証した。湿式サンプリング法により、超純水中にフィルター下流側空気を2L/minの流量で24時間捕集し、溶液100mL中のイオン成分を上記表6と同様の溶出条件で、イオン交換クロマトグラフィー(DIONEX製IC20)により分析した。
<濃度減衰評価方法>
ガス濃度減衰評価は、下記のとおり行った。22L密閉型循環式試験装置にガス吸着フィルターを取り付け、試験指標として二酸化硫黄、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン等の標準ガスを用い、以下の方法で評価を行う。循環系に評価濾材を設置し初期濃度100ppmの吸着対象ガスを循環通気させる。一定時間経過後、系内のガス濃度をガス検知管(ガステック社製、ガス検知管)により測定した。
<低濃度ガス除去性能評価方法>
ガス吸着フィルターの低濃度ガス除去性能評価は、塩基性ガス代表指標としてアンモニアを用い、以下の方法を用いて行った。1パス除去試験装置にガス吸着フィルターを取り付け、室内空気(微量ガスを含んだ試験用空気)を線速0.2m/sでフィルター部に導入した。一定時間ごとにガス吸着フィルターの入口側・出口側で空気を湿式捕集し、空気中のアンモニア濃度(入口アンモニア濃度,出口アンモニア濃度,単位;ppb)の測定を行った。
湿式捕集は、吸収液が入ったガス吸収瓶とミニポンプとを1セットとし、吸収液中に試料空気をバブリングによりサンプリングし濃縮捕集を行った。吸収液としては比抵抗率18.0メガオーム以上18.3メガオーム以下の超純水を100ミリリットル用い、サンプリング条件は毎分2リットルの吸引流量で360Lの吸引サンプリングであった。捕集溶液はイオン交換クロマトグラフィー分析装置で分析し、得られたアンモニアイオン濃度からガス吸着フィルターのアンモニア除去率を下記の計算式で算出した。イオン交換クロマトグラフィーの分析条件を表5に示す。湿式捕集(サンプリング)は、通気開始後約50時間において、約60分間ずつ3回行い、それらの平均データを入口アンモニア濃度及び出口アンモニア濃度としてもとめ除去率(%)を算出した。
ただし、
η:除去率(%)
Ci:入口アンモニア濃度(ppb)
Co:出口アンモニア濃度(ppb)
また、担持層に添着物質として炭酸カリウム等のアルカリ性物質を用いた場合には、上記アンモニアに代えて二酸化硫黄を用いた。
<自己発塵性比較評価方法>
ガス吸着フィルターについての自己発塵性比較評価は以下の方法にて行った。上記1パス除去試験装置に吸着フィルターを取り付け、高性能除塵フィルターで浄化した室内清浄空気を線速0.2m/sでフィルター部に導入し、吸着フィルターの出口側で光散乱式自動粒子計数器(大同酸素製パーティクルカウンターモデルDS−300)により粒子個数濃度の測定を行った。
<自己脱着性評価方法>
ガス吸着フィルター下流側での添着物質の脱着性の有無について検証した。湿式サンプリング法により、超純水中にフィルター下流側空気を2L/minの流量で24時間捕集し、溶液100mL中のイオン成分を上記表6と同様の溶出条件で、イオン交換クロマトグラフィー(DIONEX製IC20)により分析した。
<濃度減衰評価方法>
ガス濃度減衰評価は、下記のとおり行った。22L密閉型循環式試験装置にガス吸着フィルターを取り付け、試験指標として二酸化硫黄、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン等の標準ガスを用い、以下の方法で評価を行う。循環系に評価濾材を設置し初期濃度100ppmの吸着対象ガスを循環通気させる。一定時間経過後、系内のガス濃度をガス検知管(ガステック社製、ガス検知管)により測定した。
フェノール樹脂繊維シート(日本カイノール(株)製「カイノールS−210」(商標名))よりなる担体と、この担体に担持されたリン酸層とから構成されたシート状構造物を本発明のガス吸着フィルターとして作製した。上記担体は、繊維直径14μm、窒素吸着BET比表面積が0.0001m2/g以上50m2/g以下のフェノール樹脂繊維を目付210g/m2でシート状に加工したものである。リン酸は、担体容積あたり、0.05g/cm3の割合で、すなわち、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。これをブロモチモールブルー2重量%水溶液に浸漬し、発色剤としてのブロモチモールブルーを担体に担持させた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。また、上記自己発塵性比較評価方法により自己発塵性を評価した。結果を表7に示す。上記自己脱着性評価方法により、ガス吸着フィルター下流において上記と同様の湿式捕集を行い、リン酸イオン成分、その他のイオン性物質、陽イオン性物質(いずれも単位;μg/m3)を定量しガス吸着フィルター下流側での自己脱着性測定結果を得た。結果を表8に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈し、18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。
〔比較例1〕
担体として繊維直径10μm、窒素吸着BET比表面積が800m2/g以上1200m2/g以下、目付230g/m2の石炭ピッチ系繊維状活性炭を原料とした塩基性ガス吸着フェルトを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用のガス吸着フィルターを作製した。リン酸は、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。また、実施例1と同様にして自己発塵性を評価した。結果を表7に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤の色の変化を見た。通気時間に応じて発色剤由来の緑色を呈したが、色ムラがあり、また、活性炭に由来する灰色により色の判別は困難であった。
〔比較例2〕
担体として粒子直径10〜100μm、窒素吸着BET比表面積が800m2/g以上1200m2/g以下、ヤシガラ系粒状活性炭を原料として、実施例1とほぼ同一目付(目付200g/m2)のシート状となるように目皿上に均一に充填した充填層を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用のガス吸着フィルターを作製した。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。また、実施例1と同様にして自己発塵性を評価した。結果を表7に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤の色の変化を見た。通気時間に応じて発色剤由来の緑色を呈したが、色ムラがあり、また、活性炭に由来する灰色により色の判別は困難であった。
〔比較例1〕
担体として繊維直径10μm、窒素吸着BET比表面積が800m2/g以上1200m2/g以下、目付230g/m2の石炭ピッチ系繊維状活性炭を原料とした塩基性ガス吸着フェルトを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用のガス吸着フィルターを作製した。リン酸は、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。また、実施例1と同様にして自己発塵性を評価した。結果を表7に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤の色の変化を見た。通気時間に応じて発色剤由来の緑色を呈したが、色ムラがあり、また、活性炭に由来する灰色により色の判別は困難であった。
〔比較例2〕
担体として粒子直径10〜100μm、窒素吸着BET比表面積が800m2/g以上1200m2/g以下、ヤシガラ系粒状活性炭を原料として、実施例1とほぼ同一目付(目付200g/m2)のシート状となるように目皿上に均一に充填した充填層を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用のガス吸着フィルターを作製した。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。また、実施例1と同様にして自己発塵性を評価した。結果を表7に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤の色の変化を見た。通気時間に応じて発色剤由来の緑色を呈したが、色ムラがあり、また、活性炭に由来する灰色により色の判別は困難であった。
実施例1と同様の操作を行い作製したガス吸着フィルターを使用(通気600時間経過)後に、水洗・脱搾を3回繰り返した。次にこれを超純水中で超音波洗浄を15分間行い、乾燥機内で2時間乾燥させた後、リン酸を再度担持させ、実施例1と同様に発色剤を担持させて、ガス吸着フィルターの再生品を作製した。リン酸は、担体容積あたり、0.05g/cm3の割合で、すなわち、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈した。この時点の除去率は約60%までに低下していた。18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。この時点での除去率は、約10%にまで低下していた。
天然羊毛繊維不織布シート(ウールマークカンパニー製)よりなる担体と、この担体に担持されたリン酸層とから構成されたシート状構造物を本発明のガス吸着フィルターとして作製した。上記担体は、繊維直径25〜40μm、窒素吸着BET比表面積が0.0001m2/g以上50m2/g以下の羊毛繊維を目付200g/m2でシート状に加工したものである。リン酸は、担体容積あたり、0.05g/cm3の割合で、すなわち、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈した。この時点の除去率は約60%までに低下していた。18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。この時点での除去率は、約10%にまで低下していた。
混合繊維(天然羊毛繊維70%、綿15%、レーヨン8%、ポリエステル7%)(東亜紡織(株)製)よりなる担体と、この担体に担持されたリン酸層とから構成されたシート状構造物を本発明のガス吸着フィルターとして作製した。上記担体は、繊維直径25〜100μm、窒素吸着BET比表面積が0.0001m2/g以上50m2/g以下の羊毛、綿、レーヨン、ポリエステル繊維を上記割合で混合させ目付400g/m2でシート状に加工したものである。リン酸は、担体容積あたり、0.05g/cm3の割合で、すなわち、担体の100重量部あたり25重量部の割合で担持されていた。上記低濃度ガス除去性能評価方法によりガス除去性能を評価した。結果を表6に示す。さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈した。この時点の除去率は約60%までに低下していた。18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。この時点での除去率は、約10%にまで低下していた。
表6に示されるように、本発明のガス吸着フィルターは、低濃度領域でのガス除去性能が他種フィルターと比較して同等以上であった。これにより、本発明のガス吸着フィルターは、低濃度領域のアンモニアの除去性能が高いことがわかる。すなわち、比表面積がほとんど存在しなくても、担持物質の化学吸着効果により高除去率を発現していることが明らかである。
また、使用済みフィルターは半永久的に再生、再利用できるので、産業廃棄物削減に貢献できる。再生品の除去性能も新品レベルに確実に復元できている。さらに、天然繊維である羊毛や、羊毛・レーヨン、綿、ポリエステル混合繊維もフィルター基布として有効であることがわかる。衣料再生品の応用形態として期待できる。
表7より明らかなように、本発明のガス吸着フィルターは、粒状活性炭と比較すれば、発塵は皆無といえる。
表8に示すように、本発明のガス吸着フィルターは、添着物質由来のリン酸イオン成分が検出下限値以下であることから、添着物質の脱離がなく、優れたガス吸着性能を維持できることがわかる。また、他のイオン性物質も検出下限値以下であることから担体由来のアウトガスの発生もなく、フィルターの下流側で危害を及ぼすことがないことがわかる。
さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈した。この時点の除去率は60%までに低下していた。18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。この時点での除去率は、10%にまで低下していた。
表6に示されるように、本発明のガス吸着フィルターは、低濃度領域でのガス除去性能が他種フィルターと比較して同等以上であった。これにより、本発明のガス吸着フィルターは、低濃度領域のアンモニアの除去性能が高いことがわかる。すなわち、比表面積がほとんど存在しなくても、担持物質の化学吸着効果により高除去率を発現していることが明らかである。
また、使用済みフィルターは半永久的に再生、再利用できるので、産業廃棄物削減に貢献できる。再生品の除去性能も新品レベルに確実に復元できている。さらに、天然繊維である羊毛や、羊毛・レーヨン、綿、ポリエステル混合繊維もフィルター基布として有効であることがわかる。衣料再生品の応用形態として期待できる。
表7より明らかなように、本発明のガス吸着フィルターは、粒状活性炭と比較すれば、発塵は皆無といえる。
表8に示すように、本発明のガス吸着フィルターは、添着物質由来のリン酸イオン成分が検出下限値以下であることから、添着物質の脱離がなく、優れたガス吸着性能を維持できることがわかる。また、他のイオン性物質も検出下限値以下であることから担体由来のアウトガスの発生もなく、フィルターの下流側で危害を及ぼすことがないことがわかる。
さらに、アンモニアの通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、担体本来の色と同様の黄色を呈していたが、10ヶ月経過後薄い緑色を呈した。この時点の除去率は60%までに低下していた。18ヶ月経過後、濃い緑色を呈した。この時点での除去率は、10%にまで低下していた。
パルプ繊維ペーパーをコルゲートハニカム構造体に加工したものを本発明のガス吸着フィルターとして作製した。上記担体は、窒素吸着BET比表面積が1m2/gのセルロース繊維を目付0.2g/m2でペーパー状に製紙しさらにコルゲートハニカム構造(210セル/cm3)に加工したものである。それに0.18g/cm3の割合で薬剤担持(炭酸カリウム)および発色剤としてフェノールフタレイン添加を行った。フェノールフタレイン添加は、フェノールフタレイン2重量%水溶液に浸漬し、フェノールフタレインを担体に担持させた。上記濃度減衰評価方法により、二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。結果を図5に示す。さらに、二酸化硫黄の通気を継続的に行い発色剤が呈する色の変化を見た。ガス吸着フィルターは、初期は、鮮やかなピンク色を呈していたが、10ヶ月経過後薄いピンク色を呈した。この時点の除去率は約60%までに低下していた。18ヶ月経過後、ピンク色はほぼ消滅し、パルプ繊維ペーパー本来の白色を呈した。この時点での除去率は、約10%にまで低下していた。
〔比較例3〕
市販品ハニカム方式ガス吸着フィルターとして活性炭系ハニカムフィルター(いずれも単位:μg/m3)を用い、上記濃度減衰評価方法により、二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。試料サンプルを25Φに切り出し、試験装置に取り付け、評価した。フェノールフタレイン添加は、実施例5と同様にして、フェノールフタレイン2重量%水溶液にフィルターを浸漬し、フェノールフタレインを担体に担持させた。上記濃度減衰評価方法により、二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。結果を図6に示す。発色剤は担体に担持されたが色ムラがあり、色の減色は、活性炭に由来する灰色で判別が困難であった。
〔比較例4〕 市販品ハニカム方式ガス吸着フィルターのとしてポリプロピレン製脱臭フィルターを比較用のガス吸着フィルターとした。上記濃度減衰評価方法により二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。結果を図6に示す。フェノールフタレイン添加は、実施例5と同様にして、フェノールフタレイン2重量%水溶液にフィルターを浸漬し、フェノールフタレインを担体に担持させた。発色剤は担体に担持されたが色ムラがあり、また担持量が不十分であったので、色の減色は、判別が困難であった。
〔比較例3〕
市販品ハニカム方式ガス吸着フィルターとして活性炭系ハニカムフィルター(いずれも単位:μg/m3)を用い、上記濃度減衰評価方法により、二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。試料サンプルを25Φに切り出し、試験装置に取り付け、評価した。フェノールフタレイン添加は、実施例5と同様にして、フェノールフタレイン2重量%水溶液にフィルターを浸漬し、フェノールフタレインを担体に担持させた。上記濃度減衰評価方法により、二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。結果を図6に示す。発色剤は担体に担持されたが色ムラがあり、色の減色は、活性炭に由来する灰色で判別が困難であった。
〔比較例4〕 市販品ハニカム方式ガス吸着フィルターのとしてポリプロピレン製脱臭フィルターを比較用のガス吸着フィルターとした。上記濃度減衰評価方法により二酸化硫黄ガスの除去性能を評価した。結果を図6に示す。フェノールフタレイン添加は、実施例5と同様にして、フェノールフタレイン2重量%水溶液にフィルターを浸漬し、フェノールフタレインを担体に担持させた。発色剤は担体に担持されたが色ムラがあり、また担持量が不十分であったので、色の減色は、判別が困難であった。
Claims (15)
- 担体表面にアルカリ性物質、酸性物質、酸化剤、及び還元剤の少なくともいずれか1種の添着物質と、発色剤とを有する担持層が形成されてなることを特徴とするガス吸着フィルター。
- 発色剤が、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、万能指示薬、酸化還元指示薬からなる群より選ばれる少なくとも1種の指示薬であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担体は、窒素吸着によるBET比表面積が300m2/g以下であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担体は、担体表面が、JISK6768に定めるぬれ指数45〜70dyn/cmで示される親水性を有していることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担持層は、担体重量に対して0.5重量%を超え95重量%以下の割合で担持されていることを特徴とする請求項1項記載のガス吸着フィルター。
- 担持層は、担体容積に対して、0.001g/cm3〜5g/cm3の割合で担持されていることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 前記担体が、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、炭素繊維、炭化ケイ素、フェノール樹脂、ガラス、シリカ・アルミナ、液晶ポリマー、天然セルロース、岩綿、羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の物質であることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担体は、ペーパー状、板状、球状、円柱状、繊維状からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担体は、物質に対して同物質群より選ばれる1種以上の他の物質が0〜50重量%の割合で混合された混合物質であることを特徴とする請求項7記載のガス吸着フィルター。
- 洗浄及び再担持を行うことにより再生されることを特徴とする請求項1に記載のガス吸着フィルター。
- 担体が、フェノール樹脂繊維であり、発色剤がブロモチモールブルーであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 担体が、天然セルロース、岩綿、天然羊毛、綿、麻、絹からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種を主成分とする繊維であり、発色剤がフェノールフタレインであることを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルター。
- ハニカム状、ミニプリーツ状、フェルト状、または細密充填状の所定形状に加工してなる請求項1記載のガス吸着フィルター。
- 請求項1記載のガス吸着フィルターと、送風手段および除塵フィルターとを備えてなる空気清浄機。
- 請求項1記載のガス吸着フィルターを備えてなるエアコンディショナー。
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