JP6255934B2 - フッ素除去フィルター、物品、及びフッ素除去方法 - Google Patents
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Description
フッ酸は、毒性が高いことから、廃棄する又は使用中に拡散するフッ酸又はフッ酸を生成する薬品を処理する技術は重要である。
また、フッ素を含む水溶液にカルシウム化合物を添加し、難溶性のフッ化カルシウムにしてフッ素を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
開示のフッ素除去フィルターは、
フッ素と反応してフッ化物を生成可能な化合物と、
pHの変化により色が変化するpH指示薬とを含有する。
開示の物品によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、フッ素除去フィルターの使用限界を確認することができ、安全かつ経済的に使用可能な物品を提供できる。
開示のフッ素除去方法によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、フッ素除去フィルターの使用限界を確認することができ、安全かつ経済的なフッ素除去方法を提供できる。
開示のフッ素除去フィルターは、フッ化物を生成可能な化合物と、pH指示薬とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
予め、消費される前記フッ化物を生成可能な化合物の量と、前記フッ素除去フィルターの色の変化との関係を把握しておくことで、前記フッ素除去フィルターの使用限界を確認することができ、その結果、安全かつ経済的に前記フッ素除去フィルターを使用することができる。
前記フッ化物を生成可能な化合物としては、フッ素と反応してフッ化物を生成可能な化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生成するフッ化物よりも酸性及びアルカリ性のいずれかであることが好ましい。そうすることにより、前記pH指示薬による前記フッ素除去フィルターの色の変化がより明確に確認できる。
前記カルシウム含有化合物としては、例えば、カルシウム塩などが挙げられる。
前記カルシウム塩としては、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、酪酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、フッ酸との反応性に優れる点で、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウムが好ましく、乳酸カルシウムがより好ましい。
前記pH指示薬としては、pHの変化により色が変化する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルバイオレッド、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエローなどが挙げられる。
これらの中でも、アルカリ性から中性に変化した際の色の変化が明瞭である点でフェノールレッド、ニュートラルレッドが好ましく、フェノールレッドがより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材などが挙げられる。
また、前記基材がハイドロゲルの場合、前記フッ化物を生成可能な化合物及び前記pH指示薬を溶媒に溶解又は分散させて得られる液体中で、前記ハイドロゲルを合成することにより、前記フッ化物を生成可能な化合物及び前記pH指示薬を、前記基材に保持させることもできる。
また、前記基材として、前記ハイドロゲルと、前記不織布とを併用してもよい。その場合、例えば、前記フッ化物を生成可能な化合物及び前記pH指示薬を溶媒に溶解又は分散させて得られる液体中で、前記ハイドロゲルを合成することにより、前記フッ化物を生成可能な化合物及び前記pH指示薬を前記ハイドロゲルに保持させる。その後に、前記ハイドロゲルを前記不織布に付着させて、前記フッ素除去フィルターを得ることができる。
開示の物品は、開示の前記フッ素除去フィルターを少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
前記物品としは、例えば、エアフィルター、防護用品などが挙げられる。前記防護用品としては、例えば、防毒マスク、防護服、防護ゴーグルなどが挙げられる。
前記エアフィルターは、例えば、フッ酸を使用する工場、実験室などで使用される。
前記防護用品は、例えば、フッ酸を使用する工場、実験室などで使用される。
前記防毒マスクにおいては、例えば、ガス用吸収缶に前記フッ素除去フィルターが収容される。
前記防護服において前記フッ素除去フィルターは、例えば、前記基材として不織布を用い、前記フッ素除去フィルターを前記防護服の表面に貼付されてもよい。
また、前記防護服を構成する生地に前記不織布を用いてもよい。
開示のフッ素除去方法は、開示の前記フッ素除去フィルターに、フッ素を含有する気体を通過させ、前記気体から前記フッ素を除去する工程(フッ素除去工程)を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記気体としては、例えば、フッ酸を含有する気体などが挙げられる。
前記気体としては、例えば、フッ酸を使用する工場、実験室の排気ガスなどが挙げられる。
前記気体を、前記フッ素除去フィルターに通過させる時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<ハイドロゲル粒子の製造>
フェノールレッド(C19H14O5S、分子量354.4)1.77g、乳酸カルシウム(C6H10CaO6・5H2O、分子量308.29)0.77g、及び分子量1万のポリアクリル酸ナトリウム(ポリアクリル酸ナトリウム 196−10765、和光純薬工業株式会社製)5gをエタノール50mLによく溶かした後に、水を加え1Lに調整した混合物を、噴霧法により噴霧して、平均粒径100μmのハイドロゲル粒子を作製した。
得られたハイドロゲル粒子をエタノールに、エタノール:ハイドロゲル粒子=10:1(質量比)の割合で分散させた液中に不織布(ダスクリーンロールフィルタ(DSR)、日本無機株式会社製)を浸漬し、不織布100質量部に対し10質量部の割合でハイドロゲル粒子を表面に付着させた不織布を作製した。その不織布を10層重ね、フッ素除去フィルターを得た。
使用前の前記フッ素除去フィルターの色と、前記フッ素除去フィルターに含まれる乳酸カルシウムの量との関係、及び乳酸カルシウムが全量消費された後の前記フッ素除去フィルーの色を予め把握しておくことにより、前記フッ素除去フィルターの使用限界を、前記フッ素除去フィルターの色により容易に判断することができる。
(付記1) フッ素と反応してフッ化物を生成可能な化合物と、
pHの変化により色が変化するpH指示薬とを含有することを特徴とするフッ素除去フィルター。
(付記2) 前記フッ素が、フッ酸中のフッ素である付記1に記載のフッ素除去フィルター。
(付記3) 前記フッ化物を生成可能な化合物が、生成するフッ化物よりも酸性及びアルカリ性のいずれかである付記1から2のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
(付記4) 前記フッ化物を生成可能な化合物が、カルシウム含有化合物である付記1から3のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
(付記5) 前記カルシウム含有化合物が、カルシウム塩である付記4に記載のフッ素除去フィルター。
(付記6) 前記カルシウム塩が、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、酪酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、及びグルコン酸カルシウムの少なくともいずれかである付記5に記載のフッ素除去フィルター。
(付記7) 前記カルシウム塩が、乳酸カルシウムである付記6に記載のフッ素除去フィルター。
(付記8) 前記pH指示薬が、メチルバイオレッド、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、及びアリザリンイエローのいずれかである付記1から7のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
(付記9) 前記pH指示薬が、フェノールレッドである付記8に記載のフッ素除去フィルター。
(付記10) 付記1から9のいずれかに記載のフッ素除去フィルターを備えることを特徴とする物品。
(付記11) 付記1から9のいずれかに記載のフッ素除去フィルターに、フッ素を含有する気体を通過させ、前記気体から前記フッ素を除去する工程を含むことを特徴とするフッ素除去方法。
Claims (12)
- ハイドロゲル粒子と、
前記ハイドロゲル粒子に保持された、フッ素と反応してフッ化物を生成可能な化合物と、
前記ハイドロゲル粒子に保持された、pHの変化により色が変化するpH指示薬とを含有することを特徴とするフッ素除去フィルター。 - 前記フッ素が、フッ酸中のフッ素である請求項1に記載のフッ素除去フィルター。
- 前記フッ化物を生成可能な化合物が、生成物よりも酸性及びアルカリ性のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
- 前記フッ化物を生成可能な化合物が、カルシウム含有化合物である請求項1から3のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
- 前記カルシウム含有化合物が、カルシウム塩である請求項4に記載のフッ素除去フィルター。
- 前記カルシウム塩が、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、酪酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、及びグルコン酸カルシウムの少なくともいずれかである請求項5に記載のフッ素除去フィルター。
- 前記カルシウム塩が、乳酸カルシウムである請求項6に記載のフッ素除去フィルター。
- 前記pH指示薬が、メチルバイオレッド、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、及びアリザリンイエローのいずれかである請求項1から7のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。
- 前記pH指示薬が、フェノールレッドである請求項8に記載のフッ素除去フィルター。
- 更に、不織布を含有し、
前記ハイドロゲル粒子が、前記不織布に付着されてなる、
請求項1から9のいずれかに記載のフッ素除去フィルター。 - 請求項1から10のいずれかに記載のフッ素除去フィルターを備えることを特徴とする物品。
- 請求項1から10のいずれかに記載のフッ素除去フィルターに、フッ素を含有する気体を通過させ、前記気体から前記フッ素を除去する工程を含むことを特徴とするフッ素除去方法。
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