JP2959801B2 - 酸性ガス吸収剤の製造法 - Google Patents

酸性ガス吸収剤の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、空気や麻酔ガスの清浄化に用いられる、二
酸化炭素、塩化水素ガス、弗化水素ガス等の酸素ガスの
吸収剤の製造法に関する。
[発明の背景] ソーダ石灰は、空気或は麻酔ガス中の二酸化炭素の吸
収剤として広く用いられている物質であり、その製法と
しては、生石灰を水酸化ナトリウムの濃厚水溶液に浸
し、これを加熱処理して、得られた塊状物を粉砕して粒
状物とする方法や水酸化カルシウムと他の金属水酸化物
及び水とを混合し、これを加熱処理して、得られた塊状
物を粉砕して粒状物とする方法等が一般的である。
しかしながら、このようにして得られたソーダ石灰
は、その物理的形状が不規則であり、且つ部分的に鋭い
角を有している場合が多い。このため、これを容器内に
詰めて出荷した場合には、輸送中に容器中のソーダ石灰
の粒がお互いに擦れ合い鋭い角が摩耗し、その結果微粉
末状或は塵状のソーダ石灰が生じると言う問題点があっ
た。即ち、この微粉末状或は塵状のソーダ石灰は、元来
腐食性を有するものであるので、例えば麻酔ガス中の二
酸化炭素を除去する目的で、これを吸収剤として充填し
たカラムを装着した装置を使用した場合には、ソーダ石
灰の微粉末或は塵が麻酔ガスと共に運び出され、麻酔さ
れている患者が吸引して重大な影響を受ける可能性があ
る。また、吸収剤としてのソーダ石灰を詰め替える際に
ソーダ石灰の塵が室内に飛散し、室内の空気を汚染する
等の問題も生じる。
これらの問題点を解決するために、種々の工夫が成さ
れている。例えば、吸収剤としてのソーダ石灰の粒に、
例えばデキストランの如き膠状物質によりコーティング
を施す方法、ソーダ石灰の粒子にカルボキシメチルセル
ロースを添加して混合する方法(特公昭42−20464号公
報)、ソーダ石灰の形状を半円球状とする方法等がそれ
である。
しかしながら、これらの方法により製造したソーダ石
灰粒子は吸収剤としての性能やコストの面に於いて、必
ずしも満足できるものではなく、例えば、コーティング
を施す方法により製造されたものは、コストが高くなる
上に、コーティングする膠状物質によっては二酸化炭素
の吸収能が低下する等の問題点を生じ、カルボキシメチ
ルセルロースを用いる方法はコスト面に問題があり、ま
た、半円球状とする方法により製造されたものは、物理
的形状に起因する輸送時の微粉末或は塵の発生はある程
度は低下させることができるが、硬度的に弱く充分満足
できる程にはその発生を押さえることができない等の問
題点を有しており、更なる改良が望まれていた。
[発明の目的] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、
輸送時の微粉末や塵の発生が殆どなく、且つ二酸化炭
素、塩化水素ガス、弗化水素ガス等の酸性ガスの吸収能
力の高い吸収剤の製造法を提供することをその目的とす
る。
[発明の構成] 本発明は、水酸化カルシウムと、アルカリ金属の水酸
化物又は/及びカルシウム以外のアルカリ土類金属の水
酸化物(以下、アルカリ金属等の水酸化物と略記す
る。)と、を含む粉体又は/及び顆粒を加圧成型し、次
いでこれに水を含浸させた後、更にこれを一定量の水分
が保持されるような状態で加熱処理することを特徴とす
る、酸性ガス吸収剤の製造法の発明である。
また、本発明は、水酸化カルシウム、アルカリ金属等
の水酸化物、及び水を主成分とし、平均硬度が900〜260
0gであって、且つその表面の50%以上が熔融固化した状
態となっている錠剤型酸性ガス吸収剤の発明である。
即ち、本発明者らは、二酸化炭素、塩化水素ガス、弗
化水素ガス等の酸性ガス、特に二酸化炭素の吸収能力を
低下させることなく、輸送時の摩擦や振動による微粉末
や塵の発生を低下させた、ソーダ石灰を主成分とする酸
性ガス吸収剤の製造方法につき鋭意研究の結果、水酸化
カルシウムとアルカリ金属等の水酸化物とを含む粉体又
は顆粒を加圧成型し(ここで得られたものを、以下、単
に成型品と略記する。)、次いでこれに水を含浸させた
後、更にこれを一定量の水分が保持されるような状態で
加熱処理することにより酸性ガス吸収剤を製造した場合
には、酸性ガスの吸収能力が高く、且つ輸送時の摩擦や
振動による微粉末或は塵の発生が殆どない酸性ガス吸収
剤の製造が可能となることを見出し本発明を完成するに
至った。
本発明に於いて用いられる、水酸化カルシウム、アル
カリ金属等の水酸化物並びに水は、本発明の係る酸性ガ
ス吸収剤を空気や麻酔ガス中の二酸化炭素の吸収剤等と
して用いる際に問題となる様な不純物を含まないもので
あれば、何れにてもよく、特に高純度のものを用いる必
要はない。
本発明で用いられるアルカリ金属の水酸化物として
は、例えばリチウム,ナトリウム,カリウム等のアルカ
リ金属の水酸化物が挙げられ、カルシウム以外のアルカ
リ土類金属の水酸化物としては、例えば水酸化バリウ
ム,水酸化マグネシウム等が挙げられる。また、これら
アルカリ金属等の水酸化物は、単独で用いても、適宜組
み合わせて用いても何れにてもよい。
本発明の方法により酸性ガス吸収剤を製造するには、
例えば以下の如く行えばよい。
即ち、先ず、粉末状又は/及び顆粒状の水酸化カルシ
ウムと粉末状又は/及び顆粒状のアルカリ金属等の水酸
化物とを混合したもの、又は、水酸化カルシウムとアル
カリ金属等の水酸化物との混合物の粉末又は/及び顆粒
を、適当な型、例えば錠剤型(円板状、円盤状等)に加
圧成型する。これに、糖衣機,コーティングパン等を用
いる常法により水を噴霧、含浸させて、次いでこれを一
定量の水分が保持されるような状態で加熱処理すれば、
本発明に係る酸性ガス吸収剤が得られる。
本発明の製造法の特徴は、この含水加熱処理にある。
この処理を行うことにより、酸性ガス吸収剤の表面が通
常50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%
以上熔融固化したような状態となって、該吸収剤の硬度
が増加し、結果的に輸送中の微粉末の発生率が低下する
のである。
水酸化カルシウムとアルカリ金属等の水酸化物とを含
む粉体又は/及び顆粒を加圧成型する際の、粉末或は顆
粒中の水酸化カルシウムとアルカリ金属等の水酸化物と
の混合比は、本発明に係る酸性ガス吸収剤とした時に有
効に作用し得る混合比であれば特に限定されないが、通
常水酸化カルシウム100重量部に対してアルカリ金属等
の水酸化物が1〜7重量部程度、好ましくは3〜5重量
部程度となるように適宜混合される。
また、加圧成型する方法としては、部分的に鋭い角を
有する等摩耗により微粉末を生じやすい成型品が得られ
るような方法でなければ特に限定することなく挙げられ
るが、例えば市販の打錠機を用いる方法等が、機械の入
手の容易さや操作性等から好ましく挙げられる。
成型品の大きさとしては、通常酸性ガス吸収剤を充填
するために用いられるカラム等に適当な密度で充填し得
る大きさであれば特に限定されないが、例えば錠剤に成
型する場合の大きさとしては、直径が1〜10mm、好まし
くは2〜7mm程度で、厚みが1〜10mm、好ましくは1.5〜
3mm程度がより一般的である。
尚、成型時の圧力は非常に重要である。即ち、該圧力
を大きくして行くと、微粉末や塵の発生は少ないが、酸
性ガスの吸収能力が小さい酸性ガス吸収剤が結果的に得
られるし、該圧力を小さくして行くと、酸性ガスの吸収
能力は大きいが、硬度が低いため微粉末や塵が発生し易
い酸性ガス吸収剤が結果的に得られるからである。本発
明に係る酸性ガス吸収剤の製造に於ける成型時の圧力と
しては、通常200〜1300Kg/cm2、好ましくは250〜800Kg/
cm2であるが、より好ましくは250〜400Kg/cm2の圧力が
望ましい。尚、このようにして得られた成型品のうち、
円板状錠剤型のものは、通常200〜2000g、好ましくは30
0〜1200g、より好ましくは500g前後の平均硬度を有する
ものとなる[成型品の硬度の測定は、日寒水式ゼリー強
度測定計(木屋製作所製)を用いて常法により測定し
た。]。また、この成型品に水分を含有させる方法とし
ては、例えばコーティングパン等を用いてこれに水を万
遍なく吹き付ける方法等が一般的であり、成型品に対し
て、通常5〜21W/W%、好ましくは14〜19W/W%相当の水
を噴霧、吹き付け等により成型品に含浸させればよい。
水分を含有させた成型品の加熱処理は、加熱温度は通
常50〜120℃、好ましくは75〜85℃の範囲から、また、
加熱時間は通常1〜24時間、好ましくは4〜15時間の範
囲から適宜選択して行えばよい。但し、加熱処理を行う
際には、成型品中に含まれる水分が蒸発揮散し難いよう
に注意しなければならない。即ち、本発明に係る酸性ガ
ス吸収剤が酸性ガス吸収剤としての作用を発揮するため
には、一定量の水分を保持していることが必須要件であ
るからである。従って、加熱処理する際には、水蒸気圧
がほぼ飽和となっている状態で行うことが望ましい。こ
の状態で加熱処理を行うための最も簡単な方法として
は、例えば密閉可能な容器や袋に上記の成型品を詰めた
後にこれを密封若しくは密閉に近い状態にし、その状態
で加熱処理を行う方法等が挙げられるが、具体的な方法
に関してはこのような条件下で加熱処理を行い得る方法
であれば特に限定されない。尚、本発明に係る酸性ガス
吸収剤中の水分含量としては、通常5〜21W/W%、好ま
しくは14〜19W/W%の範囲が挙げられる。
このようにして得られた本発明に係る酸性ガス吸収剤
は、酸性ガスの吸収能力が高いばかりでなく、輸送中に
発生する微粉末や塵の量が非常に少ないという特徴を有
している。本発明に係る酸性ガス吸収剤の硬度は、例え
ば円板状錠剤型のものの場合通常900〜2600gの範囲であ
るが、特に硬度900〜1400gの範囲のものは、より微粉末
や塵の発生量が少なく、且つより酸性ガスの吸収能力が
高いのでより好ましい。
また、本発明に係る酸性ガス吸収剤は、個々の成分含
量が一定である必要もなければ、個々の重さが一定であ
る必要もなく、更にその外観、大きさ等も画一的である
必要はないことは、その使用目的から類推し得る通りで
ある。
本発明に係る酸性ガス吸収剤には、酸性ガス吸収能力
の残存能力を検知するためのインジケーターを含有させ
ておいてもよい。即ち、例えばエチルバイオレット,チ
タンイエロー,コンゴーレッド等のアルカリ指示薬を本
発明に係る酸性ガス吸収剤に含有させておけば、酸性ガ
スを吸収して吸収剤自体のアルカリ性の度合が低下して
くると、言い換えれば酸性ガスの吸収能力が低下してく
ると錠剤の色が変化して、吸収剤の交換時期を肉眼で判
断することができる。上記した如き酸アルカリ指示薬を
本発明に係る酸性ガス吸収剤に含有させる方法として
は、例えば成型時に、粉末状の酸アルカリ指示薬を混合
して成型する方法や、成型品に含有させる水の中に酸ア
ルカリ指示薬を溶解しておく方法等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。
尚、本発明に係る酸性ガス吸収剤の形状としては、部
分的に鋭い角を有する等摩耗により微粉末を生じやすい
形状でなければ特に限定することなく挙げられるが、具
体的には例えば球状、半球状、錠剤型等が挙げられ、中
でも錠剤型のものは調製の容易さ等から好ましいものと
して挙げられる。また、錠剤型のものの形状としては、
第1図の(a)に示す如き円板状のものや円盤状のもの
が一般的ではあるが、例えば第1図(b),(c),
(d)の如き形状としてもよい。このような形状とした
場合には、該吸収剤の表面積を大きくすることができる
ので、酸性ガスの吸収能力を向上させることができるこ
とは言うまでもない。
以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。
[実施例] 実験例1〜6 (1)錠剤型酸性ガス吸収剤の調製 粉末状の水酸化カルシウム6Kgと粉末状の水酸化ナト
リウム280gとを良く混合した後、6等分した。これら
を、市販の打錠機を用い、所定の打錠圧力で直径5mm、
厚さ2.5mmの錠剤に成型した。得られた錠剤を市販のコ
ーティングパンを用いて、水分含量が17%となるよう
に、水を噴霧、含浸させた。次いで、これをポリ袋中に
入れて密封し、80℃の恒温器中に15時間放置して、錠剤
型酸性ガス吸収剤を得た。尚、得られた錠剤型酸性ガス
吸収剤の表面は、その80%以上が熔融固化した状態とな
っていた。
また、得られた錠剤型酸性ガス吸収剤中の水分含量
(W/W%)を測定したところ、コーティングパンを用い
て含浸させた水分含量と殆ど同じであった。
(2)二酸化炭素吸収能力テスト (1)で得た錠剤型酸性ガス吸収剤の二酸化炭素吸収
能力テストを以下の操作に従って行った。
錠剤型酸性ガス吸収剤810gを充填した吸収剤カニスタ
ー(容量950ml)に、人工呼吸装置(ケープブリストル
ベンチレーター、日本メディコ(株)製)を用いて、4.
6%の二酸化炭素を含む酸素ガスを6000ml/minの流速で
通過させ、吸収剤カニスターから流出する気体中に痕跡
量の二酸化炭素が漏洩するまでの時間を測定した。尚、
気体中の二酸化炭素の測定はガスクロマトグラフィによ
り行った。
結果を表1に示す。
(3)錠剤型酸性ガス吸収剤の硬度測定 (1)で得た錠剤型酸性ガス吸収剤の硬度の測定を、
以下の操作に従って行った。
所定の条件で調製した錠剤型酸性ガス吸収剤の中から
各々5錠を任意に選び、その錠剤の硬度を日寒水式ゼリ
ー強度測定計(木屋製作所製)を用いて常法により測定
した。
測定値を統計処理した結果を表1に併せて示す。
(4)粉末発生率の測定 (1)で得た錠剤型酸性ガス吸収剤の振動や摩擦によ
る粉末発生率の測定を、以下の操作に従って行った。
精秤した錠剤型酸性ガス吸収剤20gをガラス瓶(容量2
50ml)に入れ、これを往復式振盪機(高橋製作所製)に
固定し、振盪幅90mm、振盪数60回/minの条件で7時間振
盪させた。これをふるいにかけ、12メッシュ以下の粉末
の発生率(W/W%)を測定した。
結果を表1に併せて示す。
比較例1. 市販の塊状の二酸化炭素吸収剤(素材の主成分はソー
ダ石灰)を用いて、実験例1〜6と同様の方法により、
二酸化炭素吸収能力テスト、硬度の測定及び粉末発生率
の測定を行った。
結果を表1に併せて示す。
比較例2. 市販の半円球状の二酸化炭素吸収剤(素材の主成分は
ソーダ石灰)を用いて、実験例1〜6と同様の方法によ
り、二酸化炭素吸収能力テスト、硬度の測定及び粉末発
生率の測定を行った。
結果を表1に併せて示す。
表1の結果から明らかな如く、本発明の方法により打
錠圧力300〜1200Kg/cm2の範囲で打錠して得られた錠剤
型酸性ガス吸収剤は市販の二酸化炭素吸収剤に比較して
粉末の発生率が明らかに低く、且つ市販の二酸化炭素吸
収剤と同等若しくはそれ以上の二酸化炭素吸収能力を有
することが判る。
実施例1〜3 (1)錠剤型酸性ガス吸収剤の調製 粉末状の水酸化カルシウム3Kgと粉末状の水酸化ナト
リウム140gとを良く混合した後、市販の打錠機を用い、
打錠圧力300Kg/cm2で直径5mm、厚さ2.5mmの錠剤に成型
した(得られた錠剤の平均硬度は500gであった。)。得
られた錠剤を3等分し、各々を市販のコーティングパン
を用いて、所定の水分含量となるように、水を噴霧、含
浸させた。次いで、これをポリ袋中に入れて密封し、80
℃の恒温器中で15時間放置して、錠剤型酸性ガス吸収剤
を得た。尚、得られた錠剤型酸性ガス吸収剤の表面は、
その80%以上が熔融固化した状態となっていた。
また、得られた錠剤型酸性ガス吸収剤中の水分含量
(W/W%)を測定したところ、コーティングパンを用い
て含浸させた水分含量と殆ど同じであった。
(2)性能テスト (1)で得た錠剤型酸性ガス吸収剤を用いて、実験例
1〜6と同様の方法により、二酸化炭素吸収能力テス
ト、硬度の測定及び粉末発生率の測定を行った。
結果を表2に示す。尚、比較のために、表2には比較
例1及び2で得られた結果も併せて示した。
表2の結果から明らかな如く、実施例1〜3で得られ
た本発明に係る錠剤型酸性ガス吸収剤は、市販の二酸化
炭素吸収剤に比較して粉末の発生率が明らかに低く、し
かも市販の二酸化炭素吸収剤とほぼ同等若しくはそれ以
上の二酸化炭素吸収能力を有していることが判る。
実施例4及び5 (1)錠剤型酸性ガス吸収剤の調製 粉末状の水酸化カルシウム3Kgと粉末状の水酸化ナト
リウム140gとを良く混合した後、市販の打錠機を用い、
打錠圧力300Kg/cm2で直径5mm、厚さ2.5mmの錠剤に成型
した(得られた錠剤の平均硬度は500gであった。)。得
られた錠剤を市販のコーティングパンを用いて、水分含
量が17%となるように、水を噴霧、含浸させた。次い
で、これを2等分し、夫々ポリ袋中に入れて密封し、80
℃の恒温器中に所定時間放置して、錠剤型酸性ガス吸収
剤を得た。尚、得られた錠剤型酸性ガス吸収剤の表面
は、何れもその80%以上が熔融固化した状態となってい
た。
また、得られる錠剤型酸性ガス吸収剤中の水分含量
(W/W%)を測定したところ、コーティングパンを用い
て含浸させた水分含量と殆ど同じであった。
(2)性能テスト (1)で得た錠剤型酸性ガス吸収剤を用いて、実験例
1〜6と同様の方法により、二酸化炭素吸収能力テス
ト、硬度の測定及び粉末発生率の測定を行った。
結果を表3に示す。
比較例3. 粉末状の水酸化カルシウム3Kgと粉末状の水酸化ナト
リウム140gとを良く混合した後、市販の打錠機を用い、
打錠圧力300Kg/cm2で直径5mm、厚さ2.5mmの錠剤に成型
した。得られた錠剤をコーティングパンを用いて、水分
含量が17%となるように、水を噴霧、含浸させて、錠剤
型の吸収剤を得た。
これを用いて、実験例1〜6と同様の方法により、二
酸化炭素吸収能力テスト、硬度の測定及び粉末発生率の
測定を行った。
結果を第3に併せて示す。尚、比較のために、表3に
は比較例1及び2で得られた結果も併せて示した。
第3の結果から明らかの如く、実施例4及び5で得ら
れた本発明に係る錠剤型酸性ガス吸収剤は、市販の二酸
化炭素吸収剤に比較して粉末の発生率が明らかに低く、
しかも市販の二酸化炭素吸収剤とほぼ同等若しくはそれ
以上の二酸化炭素吸収能力を有していることが判る。
また、同じ錠剤型の吸収剤でも、含水させた後加熱処
理を行わない比較例3の場合には、二酸化炭素の吸収能
力は市販の二酸化炭素吸収剤以上のものを有している
が、粉末の発生率は市販の二酸化炭素吸収剤と大差ない
ことが判る。
ここで参考までに、比較例3により得られた酸性ガス
吸収剤の表面を撮影した写真を参考資料1に、また、実
例例3及び5により得られた酸性ガス吸収剤の表面を撮
影した写真を参考資料2及び参考資料3に夫々示す。こ
れら参考資料1〜参考資料3から明らかな如く、含水加
熱処理を施すことにより、錠剤型酸性ガス吸収剤の表面
が熔融固化した状態となることが判る。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明に係る酸性ガス吸収剤は、従
来の酸性ガス吸収剤に比較して、酸性ガスの吸収能力は
同等以上のものを有し、加えて微粉末の発生率が非常に
少ないと言う特徴と有している。このため、本発明に係
る酸性ガス吸収剤は、ソーダ石灰の微粉末に起因する従
来品の問題点、例えば該吸収剤を詰め替える際の室内の
空気の汚染の問題や、麻酔ガス中の二酸化炭素を除去す
る目的で使用した場合に於いての麻酔ガスを吸入してい
る患者のソーダ石灰微粉末吸入の危険性等を排除するこ
とができ、斯業に貢献するところ甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る酸性ガス吸収剤の形状の例を示
したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 中野 孝一 (56)参考文献 特開 平1−297144(JP,A) 特開 昭63−283745(JP,A) 特開 昭63−80830(JP,A) 特開 昭58−177137(JP,A) 特公 昭42−20464(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 20/00 - 20/34 B01D 53/34 - 53/96

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化カルシウムと、アルカリ金属の水酸
    化物又は/及びカルシウム以外のアルカリ土類金属の水
    酸化物と、を含む粉体又は/及び顆粒を加圧成型し、次
    いでこれに水を含浸させた後、更にこれを一定量の水分
    が保持されるような状態で加熱処理することを特徴とす
    る、酸性ガス吸収剤の製造法。
  2. 【請求項2】加熱処理を密閉系又は密閉に近い状態で行
    う請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】粉体又は/及び顆粒を200〜1300Kg/cm2
    圧力で加圧成型する請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】粉体又は/及び顆粒を錠剤型に成型する請
    求項1〜3の何れかに記載の製造法。
  5. 【請求項5】水酸化カルシウム、アルカリ金属の水酸化
    物又は/及びカルシウム以外のアルカリ土類金属の水酸
    化物、及び水を主成分とし、平均硬度が900〜2600gであ
    って、且つその表面の50%以上が熔融固化した状態とな
    っている錠剤型酸性ガス吸収剤。
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