JP3322519B2 - 回転式有機溶剤蒸気吸着装置のローター - Google Patents

回転式有機溶剤蒸気吸着装置のローター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤蒸気を含有す
る空気等の気体を処理して有機溶剤蒸気を除去するため
の装置の一つである回転式有機溶剤蒸気吸着装置におい
て溶剤蒸気吸着素子として作用する部材・ローターに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤が気化して大気中に拡散するの
を完全には防止できない各種工場、作業場等において
は、良好で安全な作業環境を維持する必要上、常に強制
換気をするか、有機溶剤蒸気を含む空気を集めて清浄化
処理することが必要になる。特に有機溶剤気化量が多い
場合は、安全性確保と周辺環境の悪化防止のためにも、
清浄化処理が欠かせない。
【0003】有機溶剤蒸気を含有する空気から有機溶剤
を除去するために、あるいは気化した有機溶剤を回収す
るために、従来さまざまな吸着剤と吸着装置が使われて
きたが、水蒸気よりも有機溶剤蒸気を良く吸着する性質
を有する疎水性ゼオライト質の吸着剤を担持させたハニ
カム構造ローターを用いる回転式有機溶剤蒸気吸着装置
(たとえば国際公開第91/16971号等)は、有機
溶剤蒸気を低濃度で含有する空気を湿度に関係なく能率
よく処理するのに適したものである。
【0004】すなわち、この回転式吸着装置では、図1
に示したようにセラミック繊維等の無機繊維を主原料と
するシートの波形に型付け加工したものと未加工のもの
とを重ねてロール状に巻き上げて作られた担体に吸着剤
を担持させてなるハニカム構造ローター1を、巻き上げ
の中心を回転の軸にして回転させる。ローター1の長手
方向には型付けされたシートにより形成された管状の通
気間隙が伸びており、ここに送風機F1により被処理空
気Aを送り込むと、その中の有機溶剤蒸気がローター1
上の吸着剤に吸着され、反対側から清浄化された空気a
が排出される。
【0005】但し、ローター1の通気間隙全部に被処理
空気Aを供給するのではなく、ローター1の通気間隙が
開口する端面2の近傍にセパレーター3を設置し(反対
側端面にも同様のものを同軸配置で設置する)、それに
より隔離された扇形の領域・再生ゾーン4を設けて、こ
こには被処理空気Aのかわりに再生用加熱空気Rを送風
機F2により供給する。有機溶剤を吸着したローター1
上の吸着剤がローター1の回転に伴いこの再生ゾーン4
に入ったとき、再生用空気Rで加熱されて有機溶剤が脱
着され、脱着された有機溶剤蒸気を含む再生排気Sがロ
ーター1の反対側端面から排出される。上述のようにし
て、この吸着装置では被処理空気Aが供給される処理ゾ
ーン5における有機溶剤吸着と再生ゾーン4における吸
着剤再生が常時並行して行われ、安定した処理能力が発
揮される。
【0006】特開平7−75714号公報には、上述の
ような回転式有機溶剤吸着装置の空気清浄化能力の向上
と消費熱量節減を可能にした構造上の改良に関する発明
が開示されている。
【0007】回転式有機溶剤吸着装置のローターにおい
て吸着剤はハニカム構造の担体に無機質結合剤で固定さ
れている。従来、ローターを製造するに当たり吸着剤固
定用の無機質結合剤としてはシリカゾル、アルミナゾル
等が使われており、これらの結合剤は、最終的にはゲル
を形成してローター上に残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】結合剤から形成された
シリカゲルやアルミナゲルは、通常、比表面積が大き
く、空気中の水蒸気をよく吸着する。そのため、水蒸気
を吸着しにくい疎水性ゼオライトを吸着剤として用いて
も、処理ゾーンにおいては結合剤による水蒸気の吸着も
起こり、吸着された水は再生ゾーンにおいて有機溶剤脱
着と並行して脱着されることになる。有機溶剤蒸気の除
去のみを目的とする空気浄化処理においては、上記水蒸
気の吸着は無用のものであるから、水の脱着に要する熱
エネルギーはまったく無駄に使われ、且つ有機溶剤の脱
着を遅らせてしまう。
【0009】本発明の目的は、従来のローターにおける
上述のような問題点を解決し、結合剤による水蒸気吸着
が少なく、従来品よりも少ない熱エネルギーで速やかに
高度の再生が可能なローターを提供しようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明により提供された
回転式有機溶剤吸着装置のローターは、構造的には上述
のような従来のものと同様の回転式有機溶剤蒸気吸着装
置のローターにおいて、疎水性ゼオライト質の吸着剤
が、一般式mR 2 O・nSiO 2 (式中、RはNH 4 または
アルカリ金属原子を表し、mおよびnは整数を表す。但
しn/mは2〜8である。)で示される脱水ケイ酸塩ゲ
ルにより担体に固定されていることを特徴とする。
【0011】上記一般式で示される脱水ケイ酸塩ゲル
は、シリカゾルやアルミナゾルから生じる脱水ゲルと比
べるとはるかに小さい比表面積を有し、水蒸気を吸着し
にくい(比表面積は、後者が100m2/g以上であるのに
対し50m2/g以下であり、10m2/g以下のものを形成さ
せることも可能である。)。したがって、水蒸気吸着に
よる無駄な熱エネルギー消費を最小限度にすると同時
に、有機溶剤脱着能率の向上を可能にする。
【0012】上記一般式におけるRがアルカリ土類金属
であるものやn/mが上記範囲外であるものもシリカゾ
ルやアルミナゾルから生じる脱水ゲルと比べれば有利な
性質を有するが、RがNH 4 またはアルカリ金属原子で
n/mが2〜8であるものは上述の有利な特性が特に優
れており、且つ耐水性や結合力の点でも優れている。
【0013】次に本発明のローターの製造法を説明す
る。吸着剤を担持させる担体としては、前記従来のロー
ターと同様に、無機繊維を主原料とする高空隙率のシー
トの波形に型付け加工したものと未加工のものとを重ね
てロール状に巻き上げて作られたハニカム構造のものを
用いる。
【0014】有機溶剤蒸気の吸着剤として用いる疎水性
ゼオライトは、SiO2/Al23比が15以上のもの、
特に好ましくは50〜500程度のものである。その代
表的な例の組成を示すと、HAlSi3572、HAlSi25
52等がある(特表昭60−501495号公報,特開
平1−31457号公報等参照)。その粒径は、0.5〜
30μm程度であることが望ましい。
【0015】結合剤として用いるケイ酸塩ゾルは、乾燥
・焼成により前記特定の脱水ケイ酸塩ゲルを生じ得る組
成のものである。その好ましい具体例としては、(N
4)2O・5SiO2、29Li2O・200SiO2等があ
る。上述の材料はいずれも市販品があり、それらをその
まま用いることができる。
【0016】疎水性ゼオライトは、ケイ酸塩ゾルと共に
水に懸濁させておく。このとき、結合剤は、疎水性ゼオ
ライトを担体の繊維表面に固定するのに必要な最小限度
の量を使用することが望ましく、過剰に使用するとその
硬化物がゼオライト粒子を覆って有機溶剤吸着能力を減
殺する。
【0017】結合剤を加えた疎水性ゼオライトの懸濁液
を浸漬または塗工により担体に十分吸収させ、過剰の疎
水性ゼオライト懸濁液を除去したのち100〜150℃
の熱風で乾燥すると、結合剤がゲル化して、疎水性ゼオ
ライト粒子が担体の微細な空隙に入り込んだ状態で固定
される。次に約400〜500℃で焼成して担体に含ま
れていた微量の有機物を除き、引き続き上記含浸処理と
乾燥処理を行なって、有機物の焼失により形成された空
孔部に疎水性ゼオライト粒子を充填固定する。
【0018】吸着剤固定を終わったハニカム構造担体
は、ローターとするのに必要な仕上げ加工と付属部材取
り付けを行なってローターとする。回転式有機溶剤吸着
装置への取付け法およびこれを取付けた吸着装置の運転
法に特に制限はない。
【0019】
【実施例】
実施例 担体として、シリカアルミナ繊維製の紙(厚さ0.2m
m、空隙率90%)からなる、直径400mm、通気方向
長さ400mmのローター形状ハニカム構造担体・ハニク
ル(ニチアス株式会社製品;ハニカムの山高さ2.0m
m,ピッチ3.3mm)を用意した。
【0020】疎水性ゼオライト(SiO2/Al23=1
50、平均粒径5μm)50重量部、SiO2/Li2
(モル比)=3.5のリチウムシリケートゾル(固形分
20重量%)100重量部、および水80重量部を混合
したスラリーに上記ハニカム構造担体を浸漬したのち、
過剰のスラリーを除いて105℃で乾燥した。得られた
ローターを顕微鏡で観察したところ、疎水性ゼオライト
微粒子は担体の繊維間間隙まで入り込んで、リチウムシ
リケートから形成された脱水ゲルにより強固に固定され
ているのが確認された。
【0021】比較例 結合剤のリチウムシリケートゾルをシリカゾルに変更し
たほかは上記実施例と同様にして、ローターを製造し
た。
【0022】試験例 上記実施例および比較例のローターについて、吸湿特性
と有機溶剤吸着特性とを比較した。試験方法は次のとお
りである。
【0023】吸湿特性:約10gの試料片を105℃の
乾燥器で絶乾状態にしたのち精秤し、温度25℃、相対
湿度50%または90%の恒湿槽中に3日間放置する。
その後、再度精秤して、吸湿前の試料重量に対する吸湿
量(重量%)を求める。また、吸湿特性に及ぼす結合剤
の影響を正確に知るため、結合剤だけを105℃で乾燥
してゲル化させたものについても同様の吸湿試験を行
い、さらに比表面積の測定を行なう。
【0024】有機溶剤吸着特性:先に説明した図1の装
置と同様の回転式有機溶剤蒸気吸着装置にローターを装
着し、温度30℃、相対湿度60%RH、絶対湿度16g/
kgの被処理空気(有機溶剤としてトルエンを300ppm
含む空気)を一定条件で流す。再生には160℃の空気
を使用する。上記条件で5時間、連続処理を行い、その
間、処理済み空気を定期的に採取して湿度および有機溶
剤濃度を測定する。
【0025】試験結果を表1〜表3に示す。なお、有機
溶剤吸着特性の試験結果は平均値で示した。表3におけ
る「浄化効率」は次式により算出される値である。 〔(300−処理済み空気の有機溶剤濃度)/300〕
×100
【0026】
【表1】 吸湿量〔重量%〕 相対湿度50% 相対湿度90% 実施例(ローター) 2.2 2.8 〃 (結合剤ゲル化物) 3.2 4.3 比較例(ローター) 4.6 12.0 〃 (結合剤ゲル化物) 6.5 18.0
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】 有機溶剤吸着特性
【0029】
【発明の効果】結合剤による吸湿が少ない本発明のロー
ターは、有機溶剤蒸気吸着と同時に吸着した水分の脱着
に消費される無駄な熱エネルギーが少なくて済む。ま
た、それに伴い、再生ゾーンにおいて供給される熱エネ
ルギーが有機溶剤脱着に有効に利用されるので、他の条
件が同じであればより高度の脱着・再生が速やかに行わ
れ、有機溶剤吸着効率も向上して優れた空気浄化効率が
達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転式有機溶剤蒸気吸着装置の要部を示す略
図。
【符号の説明】
1:ローター 3:セパレーター 4:再生ゾーン 5:処理ゾーン A:被処理空気 R:再生用空気 S:再生排気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/02 - 53/06 B01D 53/34 B01D 53/44 B01D 53/81 - 53/83 B01J 20/18 B01J 20/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール状のハニカム構造担体に疎水性ゼ
    オライト質吸着剤を担持させてなる回転式有機溶剤蒸気
    吸着装置のローターにおいて、一般式mR 2 O・nSiO
    2 (式中、RはNH 4 またはアルカリ金属原子を表し、m
    およびnは整数を表す。但しn/mは2〜8である。)
    示される脱水ケイ酸塩ゲルにより上記吸着剤が担体に固
    定されていることを特徴とするローター。
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AT510635B1 (de) * 2010-10-18 2015-06-15 Paltentaler Minerals Gmbh & Co Kg Hydrophobierter zeolith für die anwendung in silikatischen bindemittelsystemen
AT511250B1 (de) * 2011-03-17 2013-02-15 Paltentaler Minerals Gmbh & Co Kg Photokatalytisch aktiver natürlicher zeolith in alkalischen baustoffsystemen

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