JP2006280997A - スラリー組成物、並びにエアフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】(1)単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量が多く且つ圧力損失が小さいエアフィルタ、又は単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量が多く且つイオン交換樹脂が金属担体に担持されているエアフィルタ、(2)通気空洞の開口の面積が小さくても、イオン交換樹脂を担持することができるエアフィルタの製造方法、(3)これらに用いられるスラリー組成物を提供すること。
【解決手段】イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有することを特徴とするスラリー組成物。該スラリー組成物を用いて、エアフィルタ用担体に塗布処理又は浸漬処理を行い、次いで、乾燥させて得られることを特徴とするエアフィルタ。該スラリー組成物を用いて、シート状の繊維質担体に塗布処理又は浸漬処理を行い、次いで、乾燥させてエアフィルタ用シートを得、次いで、該エアフィルタ用シートを成形して得られることを特徴とするエアフィルタ。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体、液晶、精密電子部品の製造工場等のガス状汚染物質の除去用部材に、吸着剤を担持するために用いられるスラリー組成物、又は半導体、液晶、精密電子部品の製造工場等のクリーンルーム若しくは製造装置等に設置される空気清浄用のエアフィルタの製造に用いられるスラリー組成物、並びに該エアフィルタ及びその製造方法に関する。
半導体製造、液晶製造等の先端産業では、製品の歩留まりや品質、信頼性を確保するため、クリーンルーム内における空気や製品表面の汚染制御が重要となっている。特に半導体産業分野では製品の高集積度化が進むにつれ、HEPA、ULPA等を用いた粒子状汚染物質の制御に加え、イオン性ガス状汚染物質の制御が不可欠となっている。
該イオン性ガス状汚染物質には、塩基性ガス及び酸性ガスがある。このうち、例えば塩基性ガスであるアンモニアは、半導体製造時の露光工程において、露光時の解像性の悪化や、ウェハー表面の曇りの原因になるとされている。また、酸性ガスであるSOは、半導体製造時の熱酸化膜形成工程において、基板内に積層欠陥を引き起こしてデバイス特性や信頼性を悪化させる原因となる。
このように、該イオン性ガス状汚染物質は半導体製造等において種々の困難を引き起こすため、半導体製造等で使用されるクリーンルーム内ではイオン性ガス状汚染物質の濃度が数μg/m以下であることが要求されている。
そこで、従来より、該イオン性ガス状汚染物質を除去するために、イオン交換基を、エアフィルタに導入することが行われていた。例えば、特開2001−259339号公報(特許文献1)には、粒径及びイオン交換容量が特定範囲内にある粉末状イオン交換樹脂を基材に含有させた紙からなるエアフィルタ用濾材が開示されている。
また、特開2000−5544号公報(特許文献2)には、吸着媒体及びイオン交換樹脂を含む脱臭剤が開示されている。
また、特開2003−10613号公報(特許文献3)には、捕捉対象ガスをアルカリ性イオンガスとするエアフィルタを構成するろ材であって、該ろ材における基材が陽イオン交換樹脂よりなる粉状体若しくは粒状体又は繊維を含んでいると共に、リン酸が担持されているエアフィルタ用ろ材が開示されている。
これらのエアフィルタとしては、通気空洞を有し、且つ該通気空洞の形成方向と被処理空気の通気方向が平行である構造、一般にハニカム構造と呼ばれている構造を有する担体に、吸着剤が担持されているものが多い。これは、被処理ガスと吸着剤の接触効率を高くし且つ圧力損失を少なくすることができるからである。該ハニカム構造は、例えば、平坦状のエアフィルタ用シートと波形状のエアフィルタ用シートを、交互に積層させることにより、形成される。
また、他には、例えば、ウレタン樹脂を発泡成形して得られる発泡体のように、多孔質の構造を有する担体に、吸着剤が担持されているもの、吸着剤が担持されているエアフィルタ用シートを、プリーツ加工して、ケーシングしたもの等が挙げられる。
該エアフィルタには、イオン性ガス状汚染物質を数μg/m以下の濃度まで除去できるという初期の除去性能に加え、該除去性能が長時間持続すること、すなわち優れた持続性を有することも要求されている。そのため、該エアフィルタの単位体積当りのイオン交換容量を多くする必要がある。
そこで、従来より、ハニカム構造を有するエアフィルタにおいては、エアフィルタの単位体積当りのイオン交換容量を多くするためには、単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量を多くすることが行われてきた。その方法として、(i)イオン交換樹脂を含有するスラリーを、担体に塗布する回数を増やす方法、(ii)エアフィルタ中に形成させる通気空洞の開口の面積を小さくして、単位体積当りの通気空洞の数を多くすることにより、担体の表面積、すなわち、イオン交換樹脂が担持される箇所を多くする方法、(iii)担体を構成する担体シートの厚さを薄くして、単位体積当りの通気空洞の数を増やすことにより、担体の表面積を多くする方法が行われてきた。
特開2001−259339号公報(請求項1、段落番号0009及び0010) 特開2000−5544号公報(請求項1) 特開2003−10613号公報(請求項1及び2)
ところが、該(i)の方法では、イオン交換樹脂を含有するスラリーの塗布回数を増やしても、担体に担持されているイオン交換樹脂上に、更にイオン交換樹脂を担持することはできないので、イオン交換樹脂の担持量には限界があるという問題があった。
また、該(ii)の方法では、通気空洞の開口の面積を小さくしたために、圧力損失が高くなるという問題があった。また、通気空洞の開口の面積を小さくすると、ハニカム構造を有する担体に、イオン交換樹脂を担持させる際に、イオン交換樹脂を含有するスラリーが、目詰まりを起こし易いという問題があった。また、通気空洞の開口の面積が小さい担体を用いる場合、スラリー中のイオン交換樹脂の含有量を多くすると、該スラリーの粘度が高くなり、目詰まりを起こすので、イオン交換樹脂の含有量の多いスラリーを用いることができなかった。そのため、イオン交換樹脂の含有量が少ないスラリーを用いて、何度も塗布を繰り返さねばならないので、製造効率が悪いという問題もあった。
また、該(iii)の方法の場合、特開2001−259339号公報記載のエアフィルタ用濾材、特開2000−5544号公報記載の脱臭剤及び特開2003−10613号公報記載のエアフィルタ用濾材では、担体として繊維質のものが用いられているために、薄くし過ぎると該エアフィルタの強度が不十分となる。そのため、担体シートの厚さを、薄くできないという問題があった。そこで、該(iii)の方法には、通常、強度が高い金属担体が用いられてきた。例えば、特開2002−282708号公報には、金属ハニカム担体の表面に、親水性樹脂及び無機バインダー固化物を含む表面処理層と、触媒、前記無機バインダー固化物及び有機バインダー固化物を含む触媒担持層とがこの順に形成されている金属ハニカム触媒ユニット、及び金属ハニカム担体を、親水性樹脂バインダー及び無機バインダーを含む表面処理液と接触させた後に乾燥し、次いで、触媒、前記無機バインダー及び有機バインダーを含む触媒担持スラリーと接触させた後に乾燥して得られる金属ハニカム触媒ユニットが開示されている。
特開2002−282708号公報(請求項1)
イオン交換樹脂は、触媒と異なり、イオン性ガス状汚染物質と当量反応するため、エアフィルタのイオン交換樹脂の担持量を、触媒担持エアフィルタの担持量に比べ、極めて多くしなければならない。ところが、特開2002−282708号公報に記載の金属ハニカム担体では、イオン交換樹脂が担持されるのは、該表面処理層上のみなので、繊維質の担体のように、繊維間空隙にも担持されるようなことはない。そのため、イオン交換樹脂の担持量を多くすることができないという問題があった。また、金属ハニカム担体には、通気空洞の開口の面積が小さいものが用いられることが多く、その場合、イオン交換樹脂を含有するスラリーの塗布時に、スラリーが目詰まりを起こし易いという問題もあった。
また、多孔質の構造を有する担体の場合、該担体を、イオン交換樹脂を含有するスラリーに含浸させることにより、イオン交換樹脂の担持を行うが、該担体中の孔に、該スラリーが含浸し難いという問題があった。
従って、本発明の課題は、単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量が多く、且つ圧力損失が小さいエアフィルタ及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、金属ハニカム担体等の金属担体に、イオン交換樹脂が担持されており、且つ単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量が多いエアフィルタ及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、ハニカム構造を有する担体の通気空洞の開口の面積が小さくても、イオン交換樹脂を担持することができるエアフィルタの製造方法、又は多孔質の構造を有する担体中の孔の径が小さくても、イオン交換樹脂を担持することができるエアフィルタの製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、これらのエアフィルタの製造又はエアフィルタの製造方法に用いられるスラリー組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリーを、担体等に付着させた後、乾燥させると、該イオン交換樹脂粉末と該ゼオライト粉末が、非常に緻密な担持物を形成すること、(2)担体の表面上ばかりでなく、該担体に担持されているイオン交換樹脂粉末上にも、ゼオライト粉末を介して、イオン交換樹脂粉末が担持されること、(3)ゼオライト粉末を含有させると、イオン交換樹脂粉末を含有するスラリーの流動性が向上するので、該スラリーの粘度を低くできること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を提供するものである。
また、本発明(2)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されており、且つ該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有する緻密層が形成されているエアフィルタを提供するものである。
また、本発明(3)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されており、且つ担持物の嵩密度が0.6g/ml以上であるエアフィルタを提供するものである。
また、本発明(4)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、シート状の繊維質担体に塗布し、又はシート状の繊維質担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、エアフィルタ用シートを得る、エアフィルタ用シート製造工程と、該エアフィルタ用シートを成形する、成形工程と、を有するエアフィルタの製造方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、エアフィルタ用担体に塗布し、又はエアフィルタ用担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を担持する、担持工程を有するエアフィルタの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、単位体積当りのイオン交換容量が多く、且つ圧力損失が小さいエアフィルタ及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、金属ハニカム担体等の金属担体に、イオン交換樹脂が担持されており、且つ単位体積当りのイオン交換容量が多いエアフィルタ及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、ハニカム構造を有する担体の通気空洞の開口の面積が小さくても、イオン交換樹脂を担持することができるエアフィルタの製造方法、又は多孔質の構造を有する担体中の孔の径が小さくても、イオン交換樹脂を担持することができるエアフィルタの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、これらのエアフィルタの製造又はエアフィルタの製造方法に用いられるスラリー組成物を提供することができる。
本発明のスラリー組成物は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有する。
該イオン交換樹脂粉末としては、特に制限されず、陽イオン交換樹脂粉末又は陰イオン交換樹脂粉末の少なくとも一方であっても、又は陽イオン交換樹脂粉末及び陰イオン交換樹脂粉末の両方であってもよい。このうち、該陽イオン交換樹脂粉末に用いられる陽イオン交換樹脂の種類としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂等が挙げられる。また、該陰イオン交換樹脂粉末に用いられる陰イオン交換樹脂の種類としては、例えば、強塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられる。
該イオン交換樹脂粉末の平均粒径は、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。該イオン交換樹脂粉末の平均粒径が、上記範囲にあることにより、本発明のスラリー組成物を乾燥することにより得られる担持物(以下、単に担持物とも記載する。)が、緻密な構造になり易い。該イオン交換樹脂粉末の平均粒径が、1μm未満だと、本発明のスラリー組成物の粘度が高くなり易く、また、100μmを超えると、該イオン交換樹脂粉末が沈降し易くなる。
また、該イオン交換樹脂粉末は、イオン交換容量が、通常1〜10m当量/g(乾燥樹脂)、好ましくは3〜6m当量/g(乾燥樹脂)である。イオン交換容量が1m当量/g(乾燥樹脂)未満であると、イオン性ガス状汚染物質との反応量が小さくなり、除去性能が低下し易い。また、イオン交換容量が10m当量/g(乾燥樹脂)を超えると、イオン交換樹脂粉末を構成するイオン交換樹脂の化学的安定性が劣り、イオン交換樹脂粉末自体からイオン交換基が脱離し易くなる。
また、被処理空気が、塩基性ガス(アンモニア、アミン類等)及び酸性ガス(SO、NO等)の両方を含む場合、該イオン交換樹脂粉末が、陽イオン交換樹脂粉末及び陰イオン交換樹脂粉末の両方であると、塩基性ガス及び酸性ガスの両方を除去することができる点で好ましい。
該ゼオライト粉末としては、特に制限されず、親水性のゼオライト又は疎水性のゼオライトのいずれもよく、また、天然ゼオライト又は合成ゼオライトのいずれでもよい。合成により得られる該ゼオライト粉末は、通常、酸点の対イオンがナトリウムであるナトリウム型ゼオライトであるが、酸点の対イオンの一部又は全部が水素イオンであるゼオライト、酸点の対イオンの一部又は全部がナトリウム以外の金属イオンであるゼオライト、脱ナトリウムしたゼオライト、脱アルミニウムしたゼオライト等であってもよい。また、該イオン交換樹脂粉末が、陽イオン交換樹脂粉末の場合、酸点の対イオンの全部が水素イオンであるゼオライトであることが、ゼオライトの対イオンである陽イオンを、該陽イオン交換樹脂粉末が吸着して、該陽イオン交換樹脂粉末の性能が低下するということがない点で好ましい。また、該イオン交換樹脂粉末が、陰イオン交換樹脂粉末の場合、酸点の対イオンの全部が水素イオンであるゼオライトであることが、該陰イオン交換樹脂から遊離するアミン等を吸着し易い点で好ましい。また、該ゼオライト粉末の結晶構造としては、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5等が挙げられる。これらのうち、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びZSM−5が、安価な点で好ましい。
該ゼオライト粉末の平均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、特に好ましくは1〜5μmである。該ゼオライト粉末の平均粒径が、上記範囲にあることにより、該担持物が緻密な構造になり易い。該ゼオライト粉末の平均粒径が、0.1μm未満だと、該担持物が緻密な構造になり難くなるか、又は本発明のスラリーの粘度が高くなり易い。また、該ゼオライト粉末の平均粒径が、10μmを超えると、該担持物が緻密な構造になり難くなる。
また、該ゼオライト粉末は、予め純水又は超純水等で洗浄し、不要なイオンを除去しておくことが好ましい。
本発明のスラリー組成物は、水に、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を分散させることにより製造される。該水としては、特に制限されず、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等が挙げられる。
該スラリー組成物の全重量に対する、該イオン交換樹脂粉末の固形分及び該ゼオライト粉末の固形分の合計重量の重量割合((イオン交換樹脂粉末の固形分の重量+該ゼオライト粉末の固形分の重量)/スラリー組成物の全重量)は、10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。該イオン交換樹脂粉末の固形分及び該ゼオライト粉末の固形分の合計重量の重量割合が、10重量%未満だと、製造効率が低くなり易く、また、60重量%を超えると、該スラリー組成物の粘度が高くなり易い。なお、該イオン交換樹脂粉末の固形分の重量とは、該イオン交換樹脂粉末の乾燥重量のことを指し、例えば、該スラリー組成物を製造するための原料となるイオン交換樹脂粉末が、水分を含有する場合、該原料となるイオン交換樹脂粉末の重量から、該原料となるイオン交換樹脂粉末中の水分量を減じた値が、該イオン交換樹脂粉末の固形分の重量である。また、該ゼオライト粉末の固形分の重量とは、細孔内等に吸着されている水分及び結晶水を除いた該ゼオライト粉末の重量のことを指し、例えば、該スラリー組成物を製造するための原料となるゼオライト粉末が水分を含有する場合、該原料となるゼオライト粉末の重量から、該ゼオライト粉末の結晶水も含めた全水分量を減じた値が、該ゼオライト粉末の固形分の重量である。
該スラリー組成物中の、該ゼオライト粉末の固形分の重量に対する該イオン交換樹脂粉末の固形分の重量の比(イオン交換樹脂粉末の固形分の重量/ゼオライト粉末の固形分の重量)は、2.3〜49、好ましくは4〜32.4、特に好ましくは5.6〜19である。該重量比が、上記範囲にあることにより、該担持物が緻密な構造になり易い。該重量比が、2.3未満だと、イオン交換樹脂粉末の相対比率が低くなるので、充分なイオン交換容量を確保し難くなり、また、49を超えると、本発明のスラリー組成物の流動性が低くなり易い。
例えば、該スラリー組成物中、該イオン交換樹脂粉末の固形分及び該ゼオライト粉末の固形分の合計重量の重量割合が、40重量%であり、該ゼオライト粉末の固形分の重量に対する該イオン交換樹脂粉末の固形分の重量の比が、19である場合、該スラリー組成物中の該イオン交換樹脂粉末の固形物濃度(該スラリー組成物の全重量に対する、該イオン交換樹脂粉末の固形分の重量の重量割合)は、38重量%である。
該スラリー組成物において、該イオン交換樹脂粉末の平均粒径に対する該ゼオライト粉末の平均粒径の比(ゼオライト粉末/イオン交換樹脂粉末)は、0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.4、特に好ましくは0.05〜0.25である。該イオン交換樹脂粉末の平均粒径に対する該ゼオライト粉末の平均粒径の比が、上記範囲にあることにより、該担持物が緻密な構造になり易い。
本発明のスラリー組成物は、バインダー成分を含有する。該バインダー成分としては、無機バインダー、有機バインダーが挙げられ、通常、エアフィルタの製造において、吸着剤を担持するために用いられる無機バインダー又は有機バインダーを、適宜用いることができる。
また、本発明のスラリー組成物は、必要に応じて、フィラー、分散剤、消泡剤、浸透剤等を含有することができる。
本発明のスラリー組成物は、本発明のエアフィルタを製造するために用いられる。
本発明の第一の形態のエアフィルタ(以下、本発明のエアフィルタ(1)とも記載する。)は、本発明のスラリー組成物を、エアフィルタ用担体に塗布し、又はエアフィルタ用担体を、本発明のスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させることにより、該エアフィルタ用担体に、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を担持し、製造される。すなわち、本発明のエアフィルタ(1)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、エアフィルタ用担体に塗布し(以下、塗布処理とも記載する。)、又はエアフィルタ用担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し(以下、浸漬処理とも記載する。)、次いで、乾燥させて(以下、乾燥処理とも記載する。)得られるエアフィルタである。
本発明のエアフィルタ(1)に係るエアフィルタ用担体としては、特に制限されず、例えば、繊維質担体、金属担体、多孔質担体等が挙げられる。
本発明のエアフィルタ(1)に係る繊維質担体は、繊維により構成される織布又は不繊布であり、該繊維間に多数の空隙(以下、繊維間空隙とも記載する。)を有する多孔質の織布又は不繊布である。該繊維質担体に係る繊維(担体繊維)としては、例えば、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維、ロックウール繊維、炭素繊維等の無機繊維;及びポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維、パルプ繊維、レーヨン繊維等の有機繊維が挙げられる。また、該担体繊維は、1種単独又は2種以上の組合わせであっても良い。該無機繊維及び該有機繊維の組合わせが、エアフィルタの機械的強度が高くなる点で好ましく、シリカ・アルミナ繊維又はボロンレスのガラス繊維、及びポリエチレンテレフタレート繊維の組合わせが特に好ましい。
該繊維質担体に係る担体繊維の平均繊維径は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.5〜50μmであり、該担体繊維の平均繊維長は、好ましくは0.1〜50mm、特に好ましくは1〜10mmである。該平均繊維径及び該平均繊維長が上記範囲内にあることにより、該繊維質担体の機械的強度が高くなる。該繊維質担体の繊維間空隙率は、特に制限されないが、好ましくは50〜95%、特に好ましくは70〜95%である。該繊維間空隙率とは、該繊維質担体の見かけ体積から、該繊維質担体中の該担体繊維の体積を引いた部分(繊維間空隙)が、該繊維質担体の見かけ体積中に占める割合をいう。該繊維間空隙率が上記範囲内にあることにより、該イオン交換樹脂粉末が該繊維質担体の外側表面だけでなく、繊維間空隙にも担持されるので、該イオン交換樹脂粉末の担持量が多くなる。
該繊維質担体の形状は、特に制限されず、例えば、シート状の繊維質担体;ハニカム構造の繊維質担体;波折りに加工したプリーツ形状の繊維質担体と、平坦状の繊維質担体とを、通気方向に対して直角に順に積層して得られる構造の繊維質担体等が挙げられる。また、該ハニカム構造の繊維質担体のうち、平坦状の繊維質担体をコルゲート状に加工して得られるコルゲート状の繊維質担体と、平坦状の繊維質担体とを交互に積層して得られる構造の繊維質担体が、コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体であり、該コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体が、被処理空気の流路が通気方向に対して平行流となるため、圧力損失が低い点で、好ましい。
該コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、該コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体の模式的な斜視図である。繊維質担体1は、該平坦状の繊維質シート3及びコルゲート状の繊維質シート2が交互に積層されている。該平坦状の繊維質シート3及び該コルゲート状の繊維質シート2の間には、該コルゲート状の繊維質シート2の山部4が連続する方向に延びた、略半円柱状の通気空洞5が形成される。そして、被処理空気が、通気空洞5を通過することができるようになっている。また、該被処理空気の通気方向と、該通気空洞5の形成方向は、平行である。
該平坦状の繊維質シート3は、該担体繊維により形成される織布又は不繊布の平坦状物であり、該コルゲート状の繊維質シート2は、該織布又は該不繊布の平坦状物を、コルゲート加工して波形に成形したものである。該コルゲート加工とは、該平坦状の繊維質シート3等の平坦状物を上下一対の波形段ロールの間に通して波形状に成形する加工方法をいう。
そして、平坦状の繊維質シート3及びコルゲート状の繊維質シート2が、該コルゲート状の繊維質シート2を中芯として交互に積層され、該繊維質担体1が形成される。この場合、該平坦状の繊維質シート3及び中芯である該コルゲート状の繊維質シート2は、該コルゲート状の繊維質シート2(中芯)の上下の山部4、4及び該平坦状の繊維質シート2を接着剤等で接着して一体化したものであってもよいし、接着等を行わずにこれらを単に積層し、積層したものを枠体等に収めて固定しただけのものであってもよい。該平坦状の繊維質シート3及びコルゲート状の繊維質シート2の接着に用いられる該接着剤としては、例えば、シリカゾル等の無機系接着が挙げられる。
図2は、該繊維質担体1において、開口部6に平行な面で切った時の模式的な断面図である。図2において、該コルゲート状の繊維質シート2の該山部4が該平坦状の繊維質シート3と接着されている。該繊維質担体1の山高さ(図2中、符号h)は、特に制限されないが、好ましくは0.5〜10mm、特に好ましくは0.6〜5mm、更に好ましくは0.7〜2mmである。また、該繊維質担体1のピッチ(図2中、符号p)は、特に制限されないが、好ましくは1〜20mm、特に好ましくは1〜5mm、更に好ましくは1.5〜4mmである。該山高さ及び該ピッチが上記範囲内であることにより、被処理空気中のイオン性ガス状汚染物質の除去効率と、圧力損失とのバランスがよくなる。また、該平坦状の繊維質シート3又は該コルゲート状の繊維質シート2の厚み(図2中、符号t)は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜1.0mm、特に好ましくは0.2〜0.7mmである。該厚みが、0.1mm未満だと該イオン交換樹脂粉末の担持量が少なくなり、また、1.0mmを超えるとエアフィルタの圧力損失が高くなる。
本発明のエアフィルタ(1)に係る該金属担体は、金属シートを、例えば、ハニカム構造に成形したものである。該金属担体としては、例えば、特開平2002−282706号公報又は特開平2002−282708号公報に記載の金属ハニカム担体が挙げられる。コルゲート状ハニカム構造の金属担体の作製は、例えば、該平坦状の繊維質シートの代わりに該金属シートを用いる以外は、該繊維質担体の作製と同様の方法で行うことができる。
該金属シートとしては、実質的にシート状の金属材料全てを含む。該金属シートの金属材質としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、白金、ステンレス、銅等が挙げられ、アルミニウムが、軽量で、加工性が良く、硬さ、厚さの種類が豊富で、且つ安価である点で好ましい。
該金属担体の表面には、特開平2002−282708号公報に記載されているように、通常、表面処理層が設けられており、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末等の担持物は、該表面処理層上に担持される。
該金属担体が、コルゲート状ハニカム構造の金属担体の場合、すなわち、図2中、該平坦状の繊維質シート3及び該コルゲート状の繊維質シート2が、平坦状の金属シート及びコルゲート状の金属シートの場合、厚み(図2中、符号t)は、特に制限されないが、通常0.1mm以下、好ましくは10μm〜50μmである。山高さ(図2中、符号h)は、特に制限されないが、好ましくは0.5〜10mm、特に好ましくは0.6〜5mm、更に好ましくは0.7〜2mmである。また、ピッチ(図2中、符号p)は、特に制限されないが、好ましくは1〜20mm、特に好ましくは1〜5mm、更に好ましくは1.5〜4mmである。
本発明のエアフィルタ(1)に係る多孔質担体は、互いに連通する多数の連通孔を有し、該連通孔が被処理空気の通気経路となる構造を有する担体である。該多孔質担体としては、例えば、ウレタン樹脂、エチレンプロピレン樹脂(EPDM)等を発泡成形して得られる発泡体、エキスパンドメタル、樹脂製の網、又は該樹脂製の網を積層して接着したもの等が挙げられる。
該多孔質担体に形成されている連通孔の径は、通常、0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmである。また、該多孔質担体の空隙率は、通常、60〜98%、好ましくは80〜95%である。なお、該多孔質担体の空隙率とは、該多孔質担体の見かけ体積中に占める、該連通孔の容積を指す。
そして、本発明のスラリー組成物を、該エアフィルタ用担体に塗布し(塗布処理)、又はエアフィルタ用担体を、本発明のスラリー組成物に浸漬し(浸漬処理)、すなわち、該塗布処理又は該浸漬処理のいずれかを行い、該エアフィルタ用担体に、本発明のスラリー組成物を付着させる。例えば、該繊維質担体の場合、該繊維質担体の外部表面及び繊維間空隙に、該金属担体の場合、金属担体の表面に、多孔質担体の場合、多孔質担体の連通孔内に、本発明のスラリー組成物を付着させる。本発明のスラリー組成物を該エアフィルタ用担体に塗布する方法としては、例えば、本発明のスラリー組成物を霧状で噴射することができるスプレー等により、該エアフィルタ用担体に該スラリー組成物を吹き付ける方法が挙げられ、また、該エアフィルタ用担体が、シート状の繊維質担体の場合、例えば、ロールコータ又はフローコーターを用いて、連続的に該シート状の繊維質担体に、本発明のスラリー組成物を塗布する方法等が挙げられる。また、該エアフィルタ用担体を本発明のスラリー組成物に浸漬する方法としては、例えば、本発明のスラリー組成物が入れられている浸漬槽に、該エアフィルタ用担体を一定時間静置する方法、又は該浸漬槽中で該エアフィルタ用担体を移動させる方法等が挙げられる。また、該浸漬の際の浸漬時間は、特に制限されないが、好ましくは1〜30分、特に好ましくは5〜15分である。
次いで、本発明のスラリー組成物が付着している該エアフィルタ用担体を、乾燥させる(乾燥処理)。該乾燥の際の乾燥温度は、60〜150℃、好ましくは80〜130℃である。該乾燥の乾燥時間は、特に制限されないが、5〜120分である。また、該乾燥は、自然乾燥であってもよい。該乾燥により、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が、該エアフィルタ用担体に担持される。
また、該塗布処理又は該浸漬処理、及び該乾燥処理を、2回以上行なうこともできる。
該エアフィルタ用担体が、シート状の繊維質担体の場合、本発明のエアフィルタ(1)の単位面積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量は、50〜200g/m、好ましくは70〜200g/m、特に好ましくは100〜200g/mであり、本発明のエアフィルタ(1)の単位面積当りのイオン交換容量は、50〜2000m当量/m、好ましくは200〜2000m当量/m、特に好ましくは500〜2000m当量/mである。
該エアフィルタ用担体が、コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体の場合、本発明のエアフィルタ(1)の単位体積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量は、100〜300kg/m、好ましくは150〜300kg/m、特に好ましくは200〜300kg/mであり、本発明のエアフィルタ(1)の単位体積当りのイオン交換容量は、100〜3000当量/m、好ましくは200〜3000当量/m、特に好ましくは500〜3000当量/mである。
また、該エアフィルタ用担体が金属担体の場合、該金属担体を構成する金属シートの単位面積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量は、50〜150g/m、好ましくは70〜150g/m、特に好ましくは100〜150g/mである。
また、該エアフィルタ用担体が、コルゲート状ハニカム構造の金属担体の場合、本発明のエアフィルタ(1)の単位体積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量は、100〜300kg/m、好ましくは150〜300kg/m、特に好ましくは200〜300kg/mであり、本発明のエアフィルタ(1)の単位体積当りのイオン交換容量は、100〜3000当量/m、好ましくは200〜3000当量/m、特に好ましくは500〜3000当量/mである。
本発明の第二の形態のエアフィルタ(以下、本発明のエアフィルタ(2)とも記載する。)は、本発明のスラリー組成物を、シート状の繊維質担体に塗布し(塗布処理)、又はシート状の繊維質担体を、本発明のスラリー組成物に浸漬し(浸漬処理)、すなわち、該塗布処理又は該浸漬処理のいずれかを行い、次いで、乾燥させて(乾燥処理)、エアフィルタ用シート得、次いで、該エアフィルタ用シートを成形することによって製造される。
本発明のエアフィルタ(2)に係るシート状の繊維質担体は、本発明のエアフィルタ(1)に係るシート状の繊維質担体と同様である。また、本発明のエアフィルタ(2)に係る塗布処理、浸漬処理、及び乾燥処理は、本発明のエアフィルタ(1)に係る塗布処理、浸漬処理及び乾燥処理と同様である。
そして、該塗布処理又は該浸漬処理、及び該乾燥処理を行い得られる、該エアフィルタ用シートを成形することにより、本発明のエアフィルタ(2)を得ることができる。例えば、該エアフィルタ用シートをコルゲート状に加工して、コルゲート状のエアフィルタ用シートを得、次いで、平坦状のエアフィルタ用シートとコルゲート状のエアフィルタ用シートを、順に積層し、コルゲート状ハニカム構造体に成形すること等により、本発明のエアフィルタ(2)を製造することができる。
本発明の第一の形態のエアフィルタの製造方法(以下、本発明のエアフィルタの製造方法(1)とも記載する。)は、本発明のスラリー組成物を、該エアフィルタ用担体に塗布し(塗布処理)、又は該エアフィルタ用担体を本発明のスラリー組成物に浸漬し(浸漬処理)、すなわち、該塗布処理又は該浸漬処理のいずれかを行い、次いで、乾燥させて(乾燥処理)、該エアフィルタ用担体に、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を担持する、担持工程を有する。すなわち、本発明のエアフィルタの製造方法(1)は、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、該エアフィルタ用担体に塗布し、又は該エアフィルタ用担体を、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を担持する、担持工程を有するエアフィルタの製造方法である。
また、本発明の第二の形態のエアフィルタの製造方法(以下、本発明のエアフィルタの製造方法(2)とも記載する。)は、本発明のスラリー組成物を、シート状の繊維質担体に塗布し(塗布処理)、又はシート状の繊維質担体を、本発明のスラリー組成物に浸漬し(浸漬処理)、すなわち、該塗布処理又は該浸漬処理のいずれかを行い、次いで、乾燥させて(乾燥処理)、エアフィルタ用シートを得る、エアフィルタ用シート製造工程と、該エアフィルタ用シートを成形する、成形工程と、を有するエアフィルタ用シートの製造方法である。すなわち、本発明のエアフィルタの製造方法(2)は、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、シート状の繊維質担体に塗布し、又はシート状の繊維質担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、エアフィルタ用シートを得る、エアフィルタ用シート製造工程と、該エアフィルタ用シートを成形する、成形工程と、を有するエアフィルタ用シートの製造方法である。
本発明のエアフィルタの製造方法(1)及び本発明のエアフィルタの製造方法(2)に係る塗布処理、浸漬処理及び乾燥処理は、本発明のエアフィルタ(1)に係る塗布処理、浸漬処理及び乾燥処理と同様である。また、本発明のエアフィルタの製造方法(1)に係るエアフィルタ用担体は、本発明のエアフィルタ(1)に係るエアフィルタ用担体と同様である。また、本発明のエアフィルタの製造方法(2)に係るシート状の繊維質担体は、本発明のエアフィルタ(1)に係るシート状の繊維質担体と同様である。また、本発明のエアフィルタの製造方法(2)に係るエアフィルタ用シートの成形は、本発明のエアフィルタ(2)に係るエアフィルタ用シートの成形と同様である。
本発明のエアフィルタの製造方法(1)に係る担持工程では、該塗布処理又は該浸漬処理を、2回以上行うことが、該イオン交換樹脂粉末の担持量が多くなる点で好ましい。該塗布処理又は該浸漬処理を、2回以上行う場合は、各処理後毎に、該乾燥処理を行うことが、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が確実に担持される点で好ましい。また、本発明のエアフィルタの製造方法(2)に係るエアフィルタ用シート製造工程についても、同様である。
本発明のスラリー組成物は、ゼオライト粉末の作用により、流動性が向上するので、粘度が低くなるため、イオン交換樹脂粉末の含有量が同程度であり且つゼオライト粉末を含まない従来のスラリー組成物に比べ、粘度が低い。従って、本発明のスラリー組成物は、ハニカム構造のエアフィルタ用担体の通気空洞の開口の面積が小さくても、該通気空洞内に含浸し易いので、該スラリー組成物の塗布時に、該スラリー組成物が目詰まりを起こし難い。また、本発明のスラリー組成物は、多孔質担体の連通孔の径が小さくても、該連通孔内に含浸し易い。また、本発明のスラリー組成物は、ゼオライト粉末の作用により、スラリー組成物中のイオン交換樹脂粉末の含有量を多くしても、粘度の上昇を低く抑えることができるので、従来のスラリー組成物に比べ、粘度を同程度に抑えつつ、且つイオン交換樹脂粉末の含有量が多くすることができる。従って、本発明のスラリー組成物によれば、スラリーの塗布又は含浸の回数を少なくすることができるので、製造効率を高くすることができる。
また、本発明のスラリー組成物は、乾燥後に担体上で緻密な構造の担持物を形成する。本発明のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物と、従来のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物の差異を、図3〜図7を参照に説明する。図3は、担持面に対して垂直な面で切った時の、本発明のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物の模式的な断面図であり、図4は、担持物をA方向から見た時の、担持物の一部を示す模式図であり、図5は、担持面に対して垂直な面で切った時の、本発明のスラリー組成物を乾燥して得られる、他の形態例の担持物の模式的な断面図であり、図6は、担持面に対して垂直な面で切った時の、従来のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物の模式的な断面図であり、図7は、担持物をB方向から見た時の、担持物の一部を示す模式図である。すなわち、図3、図5及び図6は、担持物を、側面から見たときの断面図であり、図4及び図7は、担持物を上面から見たときの平面図である。
本発明のスラリー組成物を用いる場合、イオン交換樹脂粉末11及びゼオライト粉末12を含有する本発明のスラリー組成物13を、エアフィルタ用担体14の表面に、塗布することにより、該エアフィルタ用担体14の表面に、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12が付着する(図3中(I))。次いで、本発明のスラリー組成物13を乾燥させると、バインダー成分により、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12が、該エアフィルタ用担体14に担持される(図3中(II))。本発明のスラリー組成物13の塗布時に、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12は、互いにファンデルワールス力で引き付け合うので、互いに接触した状態で、該エアフィルタ用担体14に付着する。そのため、本発明のスラリー組成物13を乾燥して得られる担持物15は、緻密な構造を有する。つまり、該エアフィルタ用担体14上に、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12を含有する緻密層が形成されている。また、該イオン交換樹脂粉末11同士は、該ゼオライト粉末12を介して、引き寄せられるので、該担体物15中の、該イオン交換樹脂粉末11同士の平面方向の間隔10は、非常に小さい。
一方、従来のスラリー組成物を用いる場合、イオン交換樹脂粉末31を含有する従来のスラリー組成物32を、エアフィルタ用担体33の表面に塗布することにより、該エアフィルタ用担体33の表面に、該イオン交換樹脂粉末31が付着する(図6中(III))。次いで、従来のスラリー組成物32を乾燥させると、バインダー成分により、該イオン交換樹脂粉末31が、該エアフィルタ用担体33に担持される(図6中(IV))。従来のスラリー組成物32は、本発明のスラリー組成物13と違い、ゼオライト粉末を含有しないので、従来のスラリー組成物32が、該エアフィルタ用担体33に付着する時に、該イオン交換樹脂粉末31同士が、静電反発するため、引き寄せられることはない。そのため、従来のスラリー組成物32を乾燥して得られる担持物34中の、該イオン交換樹脂粉末31同士の平面方向の間隔30は、該担持物15中の、該イオン交換樹脂粉末同士の平面方向の間隔10に比べ、大きい。
このため、図4及び図7に示すように、該エアフィルタ用担体の単位面積16当りに存在するイオン交換樹脂粉末の数が、本発明のスラリー組成物13を用いる場合は、従来のスラリー組成物32を用いる場合に比べ、多くなる。なお、図4は、該担持物15の一部を示す図であり、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12が、図4中の上下左右方向に、同様に、連続して存在している。また、図7は、該担持物34の一部を示す図であり、該イオン交換樹脂粉末31が、図7中の上下左右方向に、同様に、連続して存在している。
また、図3に示す該担持物15の表面に、本発明のスラリー組成物13を塗布することにより、図5に示すように、該エアフィルタ用担体14に担持されているイオン交換樹脂粉末11aの上に、更にイオン交換樹脂粉末11bが担持される。これは、該イオン交換樹脂粉末11と該ゼオライト粉末12のバインディング力により、該イオン交換樹脂粉末11aと該イオン交換樹脂粉末11bが、強く引き付け合い、且つ該イオン交換樹脂粉末11b同士が、該エアフィルタ用担体14の平面方向21に、強く引き付け合うので、強固に結合した担持物20が形成されるからである。そのため、該イオン交換樹脂粉末11bは、脱落し難い。そして、該担持物20は、該エアフィルタ用担体14の平面方向21及び厚み方向22のいずれにも、緻密な構造を有する。つまり、該エアフィル用担体14上に、該イオン交換樹脂粉末11及び該ゼオライト粉末12を含有する緻密層を形成させ、該緻密層の厚み23を、該イオン交換樹脂粉末11の平均粒径の値より大きくすることができる。このように、該エアフィルタ用担体14の表面に、該イオン交換樹脂粉末11が担持される隙間がなくても、本発明のスラリー組成物13を用いて、複数回の塗布処理又は浸漬処理を行うことにより、該イオン交換樹脂粉末11の担持量を増やすことができる。
一方、図6に示す該担持物34の表面に、従来のスラリー組成物32を塗布しても、該イオン交換樹脂粉末31の上には、イオン交換樹脂粉末が担持されないか、又は担持されても該イオン交換樹脂粉末は脱落し易い。これは、従来のスラリー組成物を用いる場合は、イオン交換樹脂粉末同士が、バインダー成分のバインディング力のみにより担持されることになるが、該バインダー成分のバインディング力は弱く且つイオン交換樹脂粉末に担持されているイオン交換樹脂粉末同士が、該エアフィルタ用担体33の平面方向に結合することがないからである。そのため、従来のスラリー組成物32では、該担持物34の厚み35を、該イオン交換樹脂粉末31の平均粒径の値より大きくすることはできない。また、従来のスラリー組成物32を用いて、複数回の塗布処理又は浸漬処理を行う場合、先の塗布処理又は浸漬処理で該イオン交換樹脂粉末31が担持されなかった、該エアフィルタ用担体33の表面上の隙間36に、該イオン交換樹脂粉末31が担持されるのみで、該隙間36がなくなると、それ以上塗布処理又は浸漬処理を繰り返しても、該イオン交換樹脂粉末31の担持量が増えることはない。また、例え該隙間36が存在していても、既に担持されているイオン交換樹脂粉末31と、従来のスラリー組成物中のイオン交換樹脂粉末とが反発し合うために、加えて、該隙間36の幅が狭いために、該隙間36に従来のスラリー組成物32が、入り難くなり、該イオン交換樹脂粉末31が、担持されないということもあった。
従って、本発明のスラリー組成物を用いる場合は、該厚み方向22にも、該イオン交換樹脂粉末11が担持されるので、単位面積当りに存在するイオン交換樹脂粉末の数が、従来のスラリー組成物を用いる場合に比べ、更に多くなる。
なお、上記では、本発明のスラリー組成物を用いて、一旦、該エアフィルタ用担体に該イオン交換樹脂粉末を担持させ、更に本発明のスラリー組成物用いて、塗布処理又は浸漬処理することにより、該エアフィルタ用担体に担持されているイオン交換樹脂粉末上に、更にイオン交換樹脂粉末が担持される旨述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、本発明のスラリー組成物中の該イオン交換樹脂粉末の含有量を調整すること等により、1回の塗布処理又は浸漬処理で、図5中の該担持物20のように、イオン交換樹脂粉末が、エアフィルタ用担体上だけでなく、イオン交換樹脂粉末上にも担持されている担持物を得ることもできる。また、図5中、該イオン交換樹脂粉末11bの上にも、更に、イオン交換樹脂粉末を担持することもできる。
該エアフィルタ用担体の表面に形成されている該担持物15及び該担持物20の嵩密度(D)は、0.6g/ml以上、好ましくは0.7〜1.8g/ml、特に好ましくは0.8〜1.5g/mlである。該嵩密度(D)が、0.6g/ml未満だと、該担持物が緻密な構造になり難いので、該イオン交換樹脂粉末の担持量が少なくなり易い。なお、本発明において、該担持物とは、該エアフィルタ用担体に付着している、該エアフィルタ用担体以外の固形物を指す。図3〜図5では、説明の都合上、該担持物のうち、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末のみを記載しているが、該担持物には、他に、バインダー成分等も含まれる。
すなわち、本発明の第三の形態のエアフィルタは、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されており、且つ該担持物の嵩密度(D)が、0.6g/ml以上、好ましくは0.7〜1.8g/ml、特に好ましくは0.8〜1.5g/mlである。
なお、該担持物の嵩密度(D)は、例えば、エアフィルタ用担体の表面に形成されている担持物を、該エアフィルタから切り出し、乾燥して分析用サンプルを得、次いで、該分析用サンプルの重量(W)を測定し、次いで、透過型電子顕微鏡(SEM)による観察により、該分析用サンプルの見掛け体積(V)を求めて、下記式(1)により算出される。なお、該分析用サンプルの見掛け体積とは、該イオン交換樹脂粉末、該ゼオライト粉末等の固形分の間に形成される空隙も含めた体積を指す。
D(g/ml)=W(g)/V(ml) (1)
また、該エアフィルタ用担体の表面に形成されている該担持物15及び該担持物20は、緻密層を形成している。すなわち、本発明の第四の形態のエアフィルタは、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されており、且つ該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有する緻密層が形成されている。
該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有する緻密層の厚み23は、該イオン交換樹脂粉末の平均粒径以上であり、該厚み23を、該イオン交換樹脂粉末の平均粒径より大きくすることが、該イオン交換樹脂粉末の担持量が多くなる点で好ましい。該厚み23は、該イオン交換樹脂粉末の平均粒径により異なるため、一概に数値範囲を定めることはできないが、通常、50〜1000μmである。また、該厚み23は、本発明のスラリー組成物中の該イオン交換樹脂粉末の固形物の重量割合、又は該塗布処理又は該浸漬処理を行う回数により、適宜調節することができる。
このように、本発明のスラリー組成物は、エアフィルタ用担体上で、平面方向及び厚み方向に、緻密な構造を有する担持物を与えるので、該エアフィルタ用担体の単位面積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量を多くすることができる。
そのため、本発明のエアフィルタは、単位体積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量が多い。よって、エアフィルタ用担体の表面積が同じ場合、本発明のエアフィルタは、従来のエアフィルタに比べ、単位体積当りの該イオン交換樹脂粉末の担持量が多い。また、該イオン交換樹脂粉末の担持量が同程度のエアフィルタを製造する場合、従来のエアフィルタに比べ、表面積が小さいエアフィルタ用担体を用いて、本発明のエアフィルタを製造することができる。すなわち、例えば、ハニカム構造のエアフィルタを用いる場合、従来のエアフィルタに比べ、通気空洞の開口の面積が大きい、ハニカム構造のエアフィルタ用担体を用いて、本発明のエアフィルタを製造することができる。言い換えると、該イオン交換樹脂粉末の担持量が同程度の場合、本発明のエアフィルタは、従来のエアフィルタに比べ、圧力損失が少ない。
すなわち、本発明のエアフィルタによれば、該イオン交換樹脂粉末の担持量が多く且つ圧力損失が少ないエアフィルタを提供することができる。
また、本発明のスラリー組成物によれば、金属担体を用いる場合、表面処理層上に担持されている該イオン交換樹脂粉末の上にも、該ゼオライト粉末を介して、該イオン交換樹脂粉末を担持することができるので、該イオン交換樹脂粉末の担持量を多くすることができる。すなわち、金属担体を用いる場合、本発明のエアフィルタによれば、従来の金属担体が用いられているエアフィルタに比べ、単位体積当たりの該イオン交換樹脂粉末の担持量が多いエアフィルタを提供することができる。
また、本発明のエアフィルタは、該イオン交換樹脂粉末に加え、該ゼオライト粉末も担持されているので、イオン性ガス状汚染物質の除去性能が高い。また、本発明のエアフィルタは、該ゼオライト粉末が、該イオン交換樹脂粉末からイオン交換基が遊離して生じる、スルフォン酸、アミン等を吸着するので、該イオン交換樹脂粉末に由来する物質による汚染を少なくすることができる。また、被処理空気が、イオン性ガス状汚染物質以外の汚染物質、例えば、TOCを含有している場合は、別に、該汚染物質の除去用にエアフィルタを設置する必要がないので、本発明のエアフィルタは、省スペースに貢献することができる。
なお、本発明のエアフィルタ及び本発明のエアフィルタの製造方法では、ロールコータを用いて、連続的に該シート状の繊維質担体に、本発明のスラリー組成物を塗布し、乾燥させることにより、連続的に該塗布処理及び該乾燥処理を行うことができるので、その形態例を、図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は共にロールコータを用いて、連続的に塗布処理及び乾燥処理を行う方法の模式的な説明図であって、図8は塗布装置40を一方の側面から見た図であり、図9は塗布装置40を他方の側面から見た図、すなわち図8と反対方向の側面から見た図である。
先ず、図8に示すようにベルトコンベア44上のシート状の繊維質担体42を矢印Aの方向に連続的に繰り出し、ロールコータ45により、シート状の繊維質担体42の上面(第1塗布面47)にスラリー41を塗布、乾燥して、シート状の繊維質担体42の上側の外部表面(第1塗布面47)及び繊維間空隙に、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されている繊維質担体43aを得る。次に、図9に示すように該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されている繊維質担体43aを塗布面(第1塗布面47)が下面、未塗布面(第2塗布面48)が上面になるように図8と上下逆にして塗布装置40にセットし、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されている繊維質担体43aを矢印Bの方向に連続的に繰り出し、図8と同様にして該未塗布面(第2塗布面48)にスラリー41を塗布、乾燥して、該シート状の繊維質担体42の両外部表面(第1塗布面47及び第2塗布面48)及び繊維間空隙に、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末が担持されている繊維質担体43bを得る。
この時、該スラリー41をシート状の繊維質担体42等に塗布した後の乾燥処理は、乾燥機46を用い、図中矢印Xで示す方向に熱又は熱風を当てることにより行われる。該乾燥処理の乾燥温度は、通常50〜130℃、乾燥時間は通常5〜30分である。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(金属ハニカム担体の作製)
厚さ30μmのアルミ箔をコルゲート加工するものと、コルゲート加工しないものとに分け、コルゲート加工するものを、上下一対の波形段ロールの間に通してコルゲート状アルミ箔とした。得られたコルゲート状アルミ箔の山部にポリエステル系熱可塑性樹脂のエマルジョン(樹脂分30重量%)を塗布した後、該コルゲート状アルミ箔をコルゲート加工しない平坦状アルミ箔と共に190℃に加熱した段ロールに通した。このコルゲート状アルミ箔は、段ロールを通過する0.2秒の間に段ロールの山部においてエマルジョンの水分が蒸発すると共にポリエステル樹脂が溶融し、この状態でコルゲート加工していない平坦状アルミ箔と共に0.5MPa で加圧し、段ロールの通過後に自然冷却することにより接着して、コルゲート状アルミ箔と平坦状アルミ箔とがコルゲート状アルミ箔の山部で接着され一体化されたアルミ箔(アルミハニカム基本構造体)を得た。このアルミハニカム基本構造体を長さ170mmに切断し、コルゲート状アルミ箔の山部にアクリル樹脂系接着剤を塗布して複数積層し、乾燥して、170mm×170mm×210mmのアルミハニカム構造体を得た。得られたアルミハニカム構造体は、波形コルゲートのピッチが2.5mm、セル高さが1.1mmであった。次に、このアルミハニカム構造体を厚さ75mmに切断して、十分な強度を有する100mm×100mm×75mmのアルミハニカム構造体を得た。得られたアルミハニカム構造体を上記と同様のポリエステル系熱可塑性樹脂のエマルジョンを10重量部(樹脂分として3重量部)、固形分30重量%のコロイダルシリカを20重量部(固形分として6重量部)、水90重量部からなる表面処理液に浸漬し、引き揚げた後110℃で1時間乾燥し、表面処理層が形成されている金属ハニカムAを得た。
(スラリー組成物の製造)
強酸性イオン交換樹脂(商品名ダイヤイオン、三菱化学社製、固形分60重量%、水分量40重量%)を粉砕し、平均粒径20μmのイオン交換樹脂粉末Bを得た。該イオン交換樹脂粉末B 158.3重量部、ゼオライト粉末(SiO/Al=6.2、SiO 76.3%、Al 23.6%、平均粒径3μm、水分量7.4重量%)5.4重量部、ポリエステル系のバインダー(固形分30%)3重量部及び水193.4重量部を混合し、スラリー組成物Cを得た。該スラリー組成物C中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形分の重量割合は26.4重量%、全固形分の重量割合は28重量%であった。また、該スラリー組成物Cの粘度を、岩田カップ粘度計で測定したところ、該スラリー組成物Cの粘度は、25sであった。
(エアフィルタの製造)
該スラリー組成物Cに、該金属ハニカム担体Aを浸漬し、引き上げた後、110℃で1時間乾燥した。この操作を、更に2回繰り返し、エアフィルタDを得た。該エアフィルタDの単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量は、220kg/m、単位体積当りのイオン交換容量は、1144当量/mであった。
(担持物の嵩密度の測定)
該エアフィルタDの担持物を、該エアフィルタから切り出し、乾燥して、分析用サンプルを得、次いで、該分析用サンプルの重量(W)を測定した。該分析用サンプルの重量は、0.00725gであった。次いで、透過型電子顕微鏡(SEM)による観察により、該分析用サンプルの見掛け体積(V)を求めたところ、0.0098mlであった。嵩密度(D)を、下記式(1)により算出したところ、0.74g/mlであった。
D(g/ml)=W(g)/V(ml) (1)
(エアフィルタの性能評価)
該エアフィルタD用い、下記条件でアンモニアの除去率の経時的変化及びエアフィルタDの寿命を測定した。なお、実際のクリーンルームで問題となるアンモニア濃度は数μg/mであるが、加速試験とするために、アンモニア濃度を340μg/mにした。その結果、該エアフィルタDの寿命は1670時間であった。また、この条件で該エアフィルタDの圧力損失を測定したところ、36Paであった。なお、エアフィルタの寿命はアンモニアの除去率が90%まで低下した時点における時間とした。
<試験条件>
・通気ガスの組成 :アンモニアを340μg/m含む空気
・通気ガスの温度及び湿度:25℃、50%RH
・除去対象ガス :アンモニア
・通気風速 :0.5m/s
(比較例1)
(スラリー組成物の製造)
実施例1で用いた該イオン交換樹脂粉末B 158.3重量部、実施例1で用いたポリエステル系のバインダー3重量部及び水198.8重量部を混合し、スラリー組成物を得た。該スラリー組成物中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形物の重量割合は26.4重量%、全固形分の重量割合は26.6重量%であった。また、該スラリー組成物の粘度は、50sであった。
(比較例2)
(スラリー組成物の製造)
実施例1で用いたイオン交換樹脂粉末B 134.2重量部、実施例1で用いたポリエステル系のバインダー3重量部及び水215.9重量部を混合し、スラリー組成物Eを得た。該スラリー組成物E中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形物の重量割合は22.8重量%、全固形分の重量割合は23重量%であった。また、該スラリー組成物Eの粘度は、27sであった。
(エアフィルタの製造)
該スラリー組成物Eに、実施例1と同様の方法で得た該金属ハニカム担体Aを浸漬し、引き上げた後、110℃で1時間乾燥した。この操作を、更に2回繰り返し、エアフィルタFを得た。該エアフィルタFの単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量は、53kg/mであった。また、該エアフィルタFの担持物の嵩密度は、0.42g/mlであった。
また、該エアフィルタFを、更にもう1回、該スラリー組成物Eに浸漬し、引き上げた後、110℃で1時間乾燥したところ、単位体積当りのイオン交換樹脂の担持量は、53kg/mであり、浸漬回数を増やしても、イオン交換樹脂の担持量は増えないことがわかった。
(比較例3)
(スラリー組成物の製造)
実施例1で用いたイオン交換樹脂粉末B 166.7重量部、実施例1で用いたポリエステル系のバインダー3重量部及び水190.3重量部を混合し、スラリー組成物Gを得た。該スラリー組成物G中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形分の重量割合は、27.8重量%、全固形分の重量割合は28重量%であった。また、該スラリー組成物Gの粘度を測定したところ、測定限界である120sを超えたため、測定することができなかった。
(エアフィルタの製造)
該スラリー組成物Gに、実施例1と同様の方法で得た該金属ハニカム担体Aを浸漬し、引き上げたところ、開口部付近で目詰まりを起こしているセルが多数見られ、目詰まりを起こしたセルの中には、該スラリー組成物Gは、入っていなかった。
(実施例2)
(スラリー組成物の製造)
実施例1で用いたイオン交換樹脂粉末B 226.1重量部、実施例1で用いたゼオライト粉末6.7重量部、実施例1で用いたポリエステル系のバインダー4.8重量部及び水119.4重量部を混合し、スラリー組成物Hを得た。該スラリー組成物H中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形分の重量割合は、38重量%、全固形分の重量割合は40重量%であった。
(エアフィルタ用シートの製造)
シリカ・アルミナ繊維(平均繊維径5μm、平均繊維長20mm)により構成されるシート状の繊維質担体42(厚さ0.2mm、繊維間空隙率90%)の上面に、上記スラリー組成物H(41)をロールコーター45を用いて塗布し、さらに乾燥機46により80℃で乾燥させて、シート状の繊維質担体42にイオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されたシート状の片面塗布繊維質担体43aを巻き取った(図8)。次に、該片面塗布繊維質担体43aを、塗布された面(第一塗布面47)が下面になるようにセットした後、塗布されていない上面(第二塗布面48)について、上記と同様にスラリー組成物Hを塗布し乾燥させて、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されたシート状の両面塗布繊維質担体43bを巻き取り、平坦状のエアフィルタ用シートJを得た(図9)。
(エアフィルタの作製)
次に、該平坦状のエアフィルタ用シートJの一部について上下一対の波形コルゲータの間を通し、波形状のエアフィルタ用シートJを中芯として作製した。この波形状のエアフィルタ用シートJ(中芯)の山部に接着剤としてシリカゾルを塗布した後、上記平坦状のエアフィルタ用シートJを重ね合わせて積層した。この中芯と平坦状のエアフィルタ用シートJとの積層を中芯の通気方向が同一方向になるようにして繰り返して行い、図1及び図2に示すような中芯のピッチ(図2中、符号p)が2.5mm、山高さ(図2中、符号h)が1.1mmのコルゲート状ハニカム構造のエアフィルタ用シート積層物を得た。次いで、該コルゲート状ハニカム構造のエアフィルタ用シート積層物を、縦100mm×横100mm×厚さ75mmになるようにカットし、これをアルミニウム製の枠材に嵌め込んで、エアフィルタKを得た。
該エアフィルタKの単位体積当たりのイオン交換容量は1200当量/m、該エアフィルタKの単位体積当たりのイオン交換樹脂粉末の担持量は240kg/mであった。なお、単位体積当たりのイオン交換容量は、担持させたイオン交換樹脂粉末の重量にイオン交換樹脂粉末のイオン交換容量をかけて算出したものである。
(エアフィルタの性能評価)
エアフィルタDに代えて、エアフィルタKとする以外は、実施例1と同様の方法で行ったところ、該エアフィルタKの寿命は1710時間であった。また、この条件で該エアフィルタKの圧力損失を測定したところ、35Paであった。
(比較例4)
(スラリー組成物の製造)
実施例1で用いたイオン交換樹脂粉末B 235.6重量部、実施例1で用いたポリエステル系のバインダー4.8重量部及び水116.6重量部を混合し、スラリー組成物Lを得た。該スラリー組成物L中の、該イオン交換樹脂粉末Bの固形分の重量割合は、39.6重量%、全固形分の重量割合は40重量%であった。
(エアフィルタ用シートの製造)
スラリー組成物Hに代えて、スラリー組成物Lとする以外は、実施例2と同様の方法でおこない、平坦状のエアフィルタ用シートMを得た。
(エアフィルタの作製)
次に、該平坦状のエアフィルタ用シートMの一部について上下一対の波形コルゲータの間を通し、波形状のエアフィルタ用シートMの作製を試みたところ、イオン交換樹脂粉末の脱落が激く、波形状のエアフィルタ用シートMを作製することはできなかった。
コルゲート状ハニカム構造の繊維質担体の模式的な斜視図である。 繊維質担体1において開口部6に平行な面で切った模式的な断面図である。 担持面に対して垂直な面で切った時の、本発明のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物の模式的な断面図である。 担持物をA方向から見た時の、担持物の一部を示す模式図である。 担持面に対して垂直な面で切った時の、本発明のスラリー組成物を乾燥して得られる他の形態例の担持物の模式的な断面図である。 担持面に対して垂直な面で切った時の、従来のスラリー組成物を乾燥して得られる担持物の模式的な断面図である。 担持物をB方向から見た時の、担持物の一部を示す模式図である。 塗布装置40を一方の側面から見た図である。 塗布装置40を図8と反対方向の側面から見た図である。
符号の説明
1、42 繊維質担体
2 コルゲート状の繊維質シート
3 平坦状の繊維質シート
4 山部
5 通気空洞
6 開口
10 イオン交換樹脂粉末11同士の平面方向の間隔
11、11a、11b、31 イオン交換樹脂粉末
12 ゼオライト粉末
13 本発明のスラリー組成物
14、33 エアフィルタ用担体
15、20、34 担持物
16 単位面積
21 エアフィルタ用担体の平面方向
22 厚み方向
23 緻密層の厚み
30 イオン交換樹脂粉末31同士の平面方向の間隔
32 従来のスラリー組成物
35 担持物34の厚み
36 隙間
40 塗布装置
41 スラリー
43a、43b イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されている繊維質担体
44 ベルトコンベア
45 ロールコーター
46 乾燥機
47 第1塗布面
48 第2塗布面
p ピッチ
h 山高さ
t 厚み

Claims (6)

  1. イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有することを特徴とするスラリー組成物。
  2. 前記イオン交換樹脂粉末の平均粒径が1〜100μmであり、前記ゼオライト粉末の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1記載のスラリー組成物。
  3. イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されており、且つ該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を含有する緻密層が形成されていることを特徴とするエアフィルタ。
  4. イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末が担持されており、且つ担持物の嵩密度が0.6g/ml以上であることを特徴とするエアフィルタ。
  5. イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、シート状の繊維質担体に塗布し、又はシート状の繊維質担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、エアフィルタ用シートを得る、エアフィルタ用シート製造工程と、該エアフィルタ用シートを成形する、成形工程と、を有することを特徴とするエアフィルタの製造方法。
  6. イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物を、エアフィルタ用担体に塗布し、又はエアフィルタ用担体を、イオン交換樹脂粉末及びゼオライト粉末を含有するスラリー組成物に浸漬し、次いで、乾燥させて、該イオン交換樹脂粉末及び該ゼオライト粉末を担持する、担持工程を有することを特徴とするエアフィルタの製造方法。
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