JPH11285633A - 低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤 - Google Patents

低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤

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JPH11285633A
JPH11285633A JP10091120A JP9112098A JPH11285633A JP H11285633 A JPH11285633 A JP H11285633A JP 10091120 A JP10091120 A JP 10091120A JP 9112098 A JP9112098 A JP 9112098A JP H11285633 A JPH11285633 A JP H11285633A
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adsorption
urea
lower aliphatic
humidity
remover
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JP10091120A
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Isao Hashida
勲 橋田
Hiroshi Nakajima
中島  博
Hiroshi Murai
博 村井
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Osaka City
Azumi Filter Paper Co Ltd
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AZUMI FILTER PAPER
Osaka City
Azumi Filter Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全に使用できるうえ、低濃度の領域におい
ても雰囲気の相対湿度の高低にかかわらず優れた吸着除
去性能を安定して発揮できるようにする。 【解決手段】 吸着成分に無機塩からなる調湿剤と尿素
とを含有させ、さらに必要に応じてpH調整剤を含有さ
せる。この吸着成分をフィルター素材に担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相中に存在する
低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤に関し、安全に使
用できるうえ、例えば100ppm以下等の低濃度の領
域においても、雰囲気の相対湿度の高低にかかわらず優
れた吸着除去性能を安定して発揮できる吸着除去剤に関
する。
【0002】
【発明の背景】ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等
の低級脂肪族アルデヒドは、これらの製造工場や製品、
関連物質を使用する場所、或いは燃焼ガス中などで発生
する。特にアセトアルデヒドは悪臭物質に規定されてお
り、その閾値は10ppbと低く、除去が義務づけられ
ている。またホルムアルデヒドは、建材、家具、壁紙、
塗料、タイル等の接着剤や防カビ剤に含まれており、こ
れらから発生するガスで室内が汚染される虞れがあり、
いわゆるシックビル症候群の主要因子に挙げられてい
る。このホルムアルデヒドは、低濃度でも目や上部気道
への刺激、催涙性があり、吐き気、呼吸困難など様々な
症状を引き起こし、また、発癌性も指摘されており、世
界保健機関の室内ガイドラインは0.08ppm以下と
され、欧州各国では0.1ppm以下の勧告値が採用さ
れている。従って、快適な生活環境を保持するためにこ
れらの低級脂肪族アルデヒドを効率よく除去することが
望まれている。
【0003】
【従来の技術】従来、上記低級脂肪族アルデヒドの吸着
除去剤としては、例えば特公昭60−54095号公報
に開示の、活性炭にアニリンを添着させたもの(以下、
従来技術1という)や、特公平6−22673号公報に
開示の、セピオライトを含有する紙にアミノ安息香酸等
を担持させたもの(以下、従来技術2という)、特公平3
−262532号公報に開示の、親水性空隙材料にヒド
ロキシルアミンや尿素などのアミン基を有する物質を付
加したもの(以下、従来技術3という)、などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1や従来
技術2では、低級脂肪族アルデヒド類のガスをある程度
まで吸着除去できるものの、その吸着除去性能はこれら
のガスをゼロレベルにまで除去できるほど十分には高く
ない。また、これらアニリンなどの芳香族アミンや脂肪
族アミンは人体に有害である場合が多く、さらにアルデ
ヒド類との反応で有害ガスを生成する場合もあり、これ
らの飛散防止に別の吸着剤を要するなど、そのままでは
室内空気の浄化に適しておらず、また廃棄時には環境を
汚染する虞れもある。一方、上記従来技術3には、尿素
が低級脂肪族アルデヒド類のガスを捕集し除去すると記
載されているものの、この従来技術3に記載のように親
水性空隙材料へ尿素を付加しただけでは、この尿素と低
級脂肪族アルデヒド類との反応性はそれほど大きくない
うえ雰囲気の湿度によって左右され易く、相対湿度の低
い雰囲気中ではアルデヒド類のガスとの反応性が低いた
め吸着除去性能を十分に発揮することができない問題が
ある。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解消し、安全
に使用できるうえ、低濃度の領域においても雰囲気の相
対湿度の高低にかかわらず優れた吸着除去性能を安定し
て発揮できる、低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤を
提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤を次
のように構成したものである。即ち本発明は、無機塩か
らなる調湿剤と尿素とを含有した吸着成分を、フィルタ
ー素材に担持させたことを特徴とする。
【0007】ここで、上記無機塩とは、塩化カルシウム
や塩化マグネシウムなど吸湿性を有するものをいう。ま
た上記フィルター素材とは、濾紙、不織布、編物、織
物、活性炭等の多孔性物質など通常のフィルターに用い
られるものをいい、シート状のものを用いてもよいが、
後加工などにより種々の形態に成形してもよく、例えば
段ボール状、ハニカム状、プリーツ状など、ガスとの接
触面積が広い形状に形成して吸着速度を高めるのが好ま
しい。
【0008】上記吸着成分をフィルター素材に担持させ
る場合、界面活性剤を添加して界面への親和性を高め、
添着率やコーティング効率を高めるのが好ましい。この
添加する界面活性剤としては、フィルター素材の性質に
よりカチオン性、ノニオン性或いはアニオン性のいずれ
かの界面活性剤が適宜選択され、添加量としてはフィル
ター素材へ添着する吸着成分の0.05〜1重量%程度
が好ましい。
【0009】上記吸着成分をフィルター素材に担持させ
る方法としては、濾紙や不織布などのフィルター素材に
吸着成分の溶液を塗布し、あるいはこれらの繊維性フィ
ルター素材や活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アルミ
ナ等の多孔性フィルター素材を吸着成分の溶液中へ浸漬
して含浸させ、その後、乾燥することにより添着させる
ことができる。なお、上記吸着成分の溶液は懸濁液や分
散液にすることも可能であるが、水溶液にしておくと乾
燥により尿素等の吸着成分が微粒子状に析出するので、
吸着速度が大きくなり、またフィルター素材から零れる
虞れが少なく確りと担持されることから、より好まし
い。また、上記乾燥は室温での放置や加熱処理により行
うが、作業性を考慮すると95〜130℃での加熱処理
により乾燥するのが好ましい。
【0010】
【作用】上記無機塩からなる調湿剤は湿気を吸収するた
め、フィルター素材全体が高湿度に保持される。この結
果、吸着成分中の尿素は、雰囲気の相対湿度が高低にか
かわりなく、高湿度に保持されたフィルター素材内で低
級脂肪族アルデヒド類との優れた反応性を安定して発揮
し、これらのアルデヒド類が効率よく吸着除去される。
【0011】上記無機塩からなる調湿剤は、添加量が多
いほど吸湿性能が高まり、アルデヒド類の吸着除去性能
が向上するが、過剰に多くなると吸着除去剤全体が湿潤
して形状保持が困難となるので、この調湿剤の添加量は
全吸着成分の0.5〜20重量%に設定するのが好まし
い。
【0012】上記尿素とアルデヒド類との反応性は、中
性領域よりも酸性領域や塩基性領域において、なかでも
酸性領域において優れており、従って、上記吸着成分に
酸性領域へのpH調整剤や塩基性領域へのpH調整剤を
含有させることにより、吸着性能を大幅に向上させるこ
とができる。上記酸性領域はpH6〜2が好ましく、ま
た塩基性領域はpH9〜11が好ましい。
【0013】上記酸性領域へのpH調整剤として、具体
的には酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸や、塩
酸、硫酸、リン酸などの無機酸を挙げることができる
が、吸着除去剤の安全性等を考慮すると有機酸の使用が
好ましい。また上記塩基性領域へのpH調整剤として、
具体的には脂肪族または芳香族アミン、ポリエチレンイ
ミンやポリスチレンの四級化物等の高分子アミン化合
物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機物が
よい結果を与える。ただし、吸着除去剤の安全性等を考
慮すると高分子アミン化合物や無機物のアルカリ金属塩
化合物が好ましい。
【0014】上記吸着成分にアミン化合物を含有させた
場合、上記尿素とともにこのアミン化合物もアルデヒド
類と反応するので吸着除去性能が高まり、より好まし
い。
【0015】上記フィルター素材に担持される吸着成分
はその溶液の粘度により添着量が左右されるので、上記
吸着成分に水溶性高分子化合物からなる増粘剤を混合す
ることにより添着量を高めることができる。この水溶性
高分子化合物からなる増粘剤としては、具体的にはカル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸ナトリウムとその金属塩などを
挙げることができるが、添着した吸着成分の粒径や形
状、物理的安定性等を考慮するとポリビニルアルコール
が好ましい。このポリビニルアルコールは、通常、0.
5〜4%濃度の水溶液で使用されるが、完全加水分解物
であっても部分加水分解物であってもよく、粘度と粘性
を増大するものであれば分子量の大きさも特に限定され
ない。
【0016】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基
づいて説明する。
【0017】
【第1実施形態】本発明の吸着除去剤の第1実施形態
は、調湿剤として塩化カルシウムを用い、この塩化カル
シウムと尿素とを水に溶解してフィルター素材であるポ
リエステル製不織布に含浸させ、これを乾燥したもので
ある。
【0018】
【実施例1】水100部に尿素42部と塩化カルシウム
2.22部を溶解させて吸着成分の水溶液を調製し、こ
の水溶液にカチオン性界面活性剤を0.1重量%添加し
た。この水溶液にポリエステル製不織布を浸して十分に
含浸させ、絞りロールにかけて余剰の水溶液を除去した
後、105℃で乾燥した。得られた吸着除去剤のうち上
記吸着成分が占める重量比率、即ち添着率は38.5%
であった。
【0019】上記吸着除去剤の吸着除去性能を、フィル
ター素材に尿素のみを添着したもの(比較例1)、及びフ
ィルター素材単体のもの(比較例2)と比較した。即ち、
比較例1は水100部に尿素42部を溶解し、得られた
水溶液をポリエステル製不織布に含浸したのち乾燥した
ものであり、比較例2はポリエステル製不織布に水を含
浸したのち乾燥したものである。なお、比較例1の尿素
の添着率は37.8%であった。
【0020】上記実施例1、比較例1及び比較例2のそ
れぞれについて、200ppm濃度のホルムアルデヒド
ガスを充填した容積10リットルの容器内に各試料0.
2gを入れ、24時間放置したのち各容器内のホルムア
ルデヒドガス濃度を測定した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から明らかなように、本実施例
1の吸着除去剤は、フィルター素材単体の比較例2はも
とより、尿素を添着した比較例1よりも良好にホルムア
ルデヒドガスを吸着除去している。特に、相対湿度が5
0%の場合には、比較例1では吸着除去性能が著しく低
下するのに対し、本実施例1では、かなり高い吸着除去
性能を示している。
【0023】
【第2実施形態】上記第1実施形態では、低湿度におけ
る吸着除去性能が比較例1や比較例2よりも高いもの
の、24時間後の残留ガス濃度から判断して吸着除去性
能を更に高める必要がある。そこでこれを改良するため
に、本第2実施形態では吸着成分にpH調整剤を含有さ
せてある。
【0024】
【実施例2】水100部に尿素42部、塩化カルシウム
2.22部、及び酸性領域へのpH調整剤としての酒石
酸0.2部を添加し、pH2.8の水溶液を調製した。こ
の吸着成分の水溶液を上記実施例1と同様、ポリエステ
ル製不織布に含浸させ、乾燥して吸着除去剤を得た。な
お、吸着成分の添着率は38.5%であった。
【0025】
【実施例3】水100部に尿素42部、塩化カルシウム
2.22部、及び塩基性領域へのpH調整剤としてポリ
エチレンイミン3.2部を添加し、pH10.8の水溶液
を調製した。この吸着成分の水溶液をポリエステル製不
織布に含浸させ、乾燥して吸着除去剤を得た。なお、吸
着成分の添着率は39.0%であった。
【0026】上記実施例2及び実施例3の各吸着除去剤
について、相対湿度50%における吸着除去性能を、上
記実施例1と同様の方法で測定した。その結果を、上記
実施例1及び比較例1と対比して表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】上記表2から明らかなように、pH調整剤
を添加することで吸着除去性能が大きく向上し、特に酸
性領域へ調整することにより著しく向上した。
【0029】次に、上記実施例2の吸着除去剤につい
て、吸着除去性能の繰り返し特性を調べた。即ち、容積
1立方メートルのアクリル製容器内に、35%濃度のホ
ルムアルデヒド水溶液を注入し、空気と2時間混合して
ホルムアルデヒドガスを発生させ、容器内の雰囲気のホ
ルムアルデヒドガス濃度を50ppmに設定し、この雰
囲気中に上記吸着除去剤を4g設置し、1分間空気と混
合したのち一定時間ごとに容器内のホルムアルデヒドガ
ス濃度を測定した。そして容器内のホルムアルデヒドガ
ス濃度が所定値以下に達すると、再度容器内のホルムア
ルデヒドガス濃度を所定の50ppmに調整し、測定を
繰り返した。なお、各測定時には予め空気を1分間混合
した。
【0030】上記繰り返し実験の測定結果を図1に示す
が、この測定結果から明らかなように、10回の吸着除
去を繰り返しても本実施例2の吸着除去性能は低下せ
ず、いずれも50ppmのホルムアルデヒドガスを0.
1ppm以下に除去することができた。
【0031】
【第3実施形態】フィルター素材に吸着成分の水溶液を
含浸等させて吸着成分を担持させる場合、添着量はフィ
ルター素材の化学的性質や界面張力だけでなく水溶液の
粘度にも左右される。そこで本発明の第3実施形態で
は、上記吸着成分に水溶性高分子化合物からなる増粘剤
を混合して吸着成分の添着量を増加させた。
【0032】
【実施例4】増粘剤としてプルラン1.5gを混合した
水100gに、尿素42g、塩化カルシウム0.22
g、および酒石酸0.2gを添加して吸着成分の水溶液
を調製した。この水溶液に濾紙を浸漬し、十分に含浸さ
せたのち余剰の水分を除去し、室温で30分間放置した
のち105℃で15分間乾燥して吸着除去剤を得た。
【0033】
【実施例5】上記実施例4のプルランに代えて、増粘剤
としてヒドロキシエチルセルロース1.5gを混合し
た。他は上記実施例4と同様に処理して吸着除去剤を得
た。
【0034】
【実施例6】上記実施例4のプルランに代えて、増粘剤
としてポリビニルピロリドン1.5gを混合した。他は
上記実施例4と同様に処理して吸着除去剤を得た。
【0035】
【実施例7】上記実施例4のプルランに代えて、増粘剤
としてポリビニルアルコール1.5gを混合した。他は
上記実施例4と同様に処理して吸着除去剤を得た。
【0036】上記実施例4〜実施例7の各吸着成分の添
着率と、アルデヒド類の吸着除去性能、即ち、ホルムア
ルデヒドガス濃度が200ppmの雰囲気中に設置して
24時間経過した後のホルムアルデヒドガス濃度を、表
3に示す。なお、表3中の比較例3は、水100gに尿
素42gを溶解し、この水溶液を上記実施例4と同様
に、濾紙に含浸させて乾燥したものである。
【0037】
【表3】
【0038】
【第4実施形態】上記第1〜第3実施形態ではいずれも
不織布や濾紙などの繊維製フィルター素材を用いたが、
本発明は活性炭などの多孔性物質を用いることも可能で
あり、この第4実施形態では、粉末活性炭に吸着成分を
担持させてある。
【0039】
【実施例8】ポリビニルピロリドン1.5gを混合した
水溶液100gに、尿素42g、塩化カルシウム0.2
2g、及び酒石酸0.2gを溶解させて吸着成分の水溶
液を調整した。この水溶液に粉末活性炭を浸漬し、液切
りしたのち105℃で15分間乾燥して吸着除去剤を得
た。吸着成分の添着率は38%であった。
【0040】この実施例8の吸着除去剤0.1gを容積
10リットルの容器内に封入し、200ppmのホルム
アルデヒドガスを充満したのち、経時的に容器内のガス
濃度を測定した。24時間経過後の測定値を、粉末活性
炭単体からなる比較例4と対比して表4に示すが、吸着
成分を添着した本実施例8では、無添着の活性炭を用い
る場合に比べて格段に優れた吸着除去性能を発揮してい
る。
【0041】
【表4】
【0042】上記実施例ではいずれも調湿剤として塩化
カルシウムを用いたが、本発明の調湿剤は吸湿性を有す
る無機塩であればよく、これに限定されるものではな
い。また、吸着成分に含有させる各成分の種類や配合
率、フィルター素材の材質、フィルター素材への担持方
法等は、上記実施例のものに限定されないことは言うま
でもない。
【0043】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0044】(イ) アルデヒド類と反応する成分として
尿素を用いるので、室内空気の浄化にも安全に使用で
き、廃棄による環境汚染の虞れも低減できる。しかも吸
着成分に含有させた無機塩からなる調湿剤の吸湿作用で
フィルター素材全体が高湿度に保持されることから、こ
の高湿度のフィルター素材内で上記尿素が低級脂肪族ア
ルデヒド類との優れた反応性を発揮し、例えば100p
pm以下等の低濃度の領域においても、雰囲気の相対湿
度の高低にかかわりなく、これらのアルデヒド類を安定
して効率よく吸着除去することができる。
【0045】(ロ) 上記吸着成分に酸性領域へのpH調
整剤を含有させた場合には、尿素がアルデヒド類と優れ
た反応性を発揮するので、吸着性能を大幅に向上させる
ことができる。
【0046】(ハ) 上記吸着成分に塩基性領域へのpH
調整剤を含有させた場合にも、尿素がアルデヒド類と優
れた反応性を発揮するので、吸着性能を大幅に向上させ
ることができる。
【0047】(ニ) 上記吸着成分にアミン化合物を含有
させた場合には、上記尿素とともにこのアミン化合物も
アルデヒド類と反応するので吸着除去性能が高まり、よ
り好ましい。
【0048】(ホ) 上記吸着成分を、上記フィルター素
材に5〜70重量%担持させた場合、雰囲気中の低級脂
肪族アルデヒド類を効果的に吸着除去することができ
る。
【0049】(ヘ) 上記吸着成分に水溶性高分子化合物
からなる増粘剤を混合した場合、フィルター素材への吸
着成分の添着量を高めることができ、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2における吸着除去剤の、吸着
除去性能の繰り返し特性を調べた結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 博 大阪府大阪市東淀川区小松4丁目2番15号 安積濾紙株式会社内 (72)発明者 村井 博 大阪府大阪市東淀川区小松4丁目2番15号 安積濾紙株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機塩からなる調湿剤と尿素とを含有す
    る吸着成分を、フィルター素材に担持させたことを特徴
    とする、低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤。
  2. 【請求項2】 上記吸着成分に酸性領域へのpH調整剤
    を含有させた、請求項1に記載の低級脂肪族アルデヒド
    類の吸着除去剤。
  3. 【請求項3】 上記吸着成分に塩基性領域へのpH調整
    剤を含有させた、請求項1に記載の低級脂肪族アルデヒ
    ド類の吸着除去剤。
  4. 【請求項4】 上記吸着成分にアミン化合物を含有させ
    た、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の低級
    脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤。
  5. 【請求項5】 上記吸着成分を上記フィルター素材に5
    〜70重量%担持させた、請求項1から請求項4のいず
    れか1項に記載の低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去
    剤。
  6. 【請求項6】 上記吸着成分に水溶性高分子化合物から
    なる増粘剤を混合した、請求項1から請求項5のいずれ
    か1項に記載の低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤。
JP10091120A 1998-04-03 1998-04-03 低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤 Pending JPH11285633A (ja)

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