JP2002085468A - 車椅子 - Google Patents

車椅子

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JP2002085468A
JP2002085468A JP2000274638A JP2000274638A JP2002085468A JP 2002085468 A JP2002085468 A JP 2002085468A JP 2000274638 A JP2000274638 A JP 2000274638A JP 2000274638 A JP2000274638 A JP 2000274638A JP 2002085468 A JP2002085468 A JP 2002085468A
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wheelchair
outer race
wheels
bite
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JP2000274638A
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Masayuki Dobashi
正幸 土橋
Makoto Ikemizu
誠 池水
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Ichikoh Industries Ltd
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者が意図する方向と逆の方向への車輪の
回転を防止することにより坂道の通行を容易化し、ひい
ては使用者の行動範囲を拡げることのできる車椅子を提
供する。 【解決手段】 本発明に係る車椅子は、椅子本体と車輪
との間に介在して車輪の回転を許容・阻止するクラッチ
機構を備え、このクラッチ機構において扇形アーム34
dがコロ38a,38bのいずれにも接しない中立位置
にあるときに、コロ38a,38bが間隙Kに食い込ん
で車輪に固定されたアウターレース32の一方向及び他
方向の回転がロックされ、扇形アーム34dがコロ38
aに接する位置にあるときに、扇形アーム34dがコロ
38aの食込みを解除してアウターレース32の一方向
の回転のロックが解除され、扇子アーム34dがコロ3
8bに接する位置にあるときに、扇形アーム34dがコ
ロ38bの食込みを解除してアウターレース32の他方
向の回転のロックが解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる2ウェイ
クラッチ機構が設けられた車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車椅子として、例えば図15
に示すようなものが知られている。この車椅子1は、座
部2及び背凭れ部3が設けられた椅子本体4と、椅子本
体4の左右に回転可能に設けられた車輪5と、椅子本体
4の前部左右に旋回可能に設けられた補助輪6と、車輪
5の外側に設けられて車輪5と一体に回転するハンドリ
ム7と、背凭れ部3の後方に設けられたグリップ8と、
車輪5の回転を阻止するブレーキ機構9とを有する。ブ
レーキ機構9はレバー9aとブレーキアーム9bとから
概略なり、使用者がレバー9aを操作するとブレーキア
ーム9bが車輪5に食い込んでその回転を阻止するよう
になっている。
【0003】この車椅子1を介助者が動かす場合には、
使用者が座部2に着座した状態で介助者がグリップ8を
握り車椅子1を押し、車椅子1を使用者自身が動かす場
合には、着座した使用者がハンドリム7を握りこれを回
して車輪5を回転させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車椅子
1ではブレーキがかかっていないと車輪5が正逆両方向
に回転可能で前進・後退が自由であるため、とりわけ使
用者自身が車椅子1を動かす場合には使用者の意図せぬ
方向に車椅子1が進んでしまうことがある。
【0005】例えば、使用者自身がハンドリム7を操作
して坂道を上る場合、腕の力が不足したり腕が疲労した
りすると車椅子1の後退を防ぐために使用者はレバー9
aを操作しなければならないが、レバー9aを操作する
ためには一時的にでもハンドリム7から手を離す必要が
あり、その間車椅子1が坂に沿って下がってしまうとい
う問題があった。
【0006】また、レバー9aを操作せずして車椅子1
を坂道で止めるためには、ハンドリム7を回転しないよ
うに握り続ける必要があるので、使用者が坂道の途中で
休憩をとることは実際上極めて難しく、これにより使用
者の行動範囲が著しく狭められていた。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、使用者が意図する方向と逆の方向への車輪の回転
を防止することにより坂道の通行を容易化し、ひいては
使用者の行動範囲を拡げることのできる車椅子を提供す
ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、椅子本体と車輪との間に介在し
て該車輪の回転を許容・阻止するクラッチ機構が設けら
れ、該クラッチ機構は前記椅子本体又は前記車輪の一方
に固定されたインナーレースと他方に固定された筒状の
アウターレースとを備え、前記インナーレースは前記ア
ウターレースの内部に設けられて該アウターレースが前
記インナーレースに対して回転可能であるとともに、前
記インナーレースの外面と前記アウターレースの内周面
との間に間隙が形成されて該間隙に第一の食込手段、リ
リース手段及び第二の食込手段がこの順に配設され、前
記リリース手段が前記第一の食込手段及び前記第二の食
込手段のいずれにも接しない中立位置にあるときに、前
記第一の食込手段及び前記第二の食込手段がそれぞれ前
記間隙に食い込んで前記アウターレースの一方向及び他
方向の回転がロックされ、前記リリース手段が前記第一
の食込手段に接する位置にあるときに、前記リリース手
段が前記第一の食込手段の食込みを解除して前記アウタ
ーレースの一方向の回転のロックが解除され、前記リリ
ース手段が前記第二の食込手段に接する位置にあるとき
に、前記リリース手段が前記第二の食込手段の食込みを
解除して前記アウターレースの他方向の回転のロックが
解除される車椅子を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る車椅子の実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】図1において、車椅子10は、椅子本体1
1と、椅子本体11の左右両側に回転可能に設けられた
一対の車輪12と、椅子本体11の前部左右両側に旋回
可能に設けられた一対の補助輪13と、椅子本体11と
車輪12との間に配置されて操作部14の操作に応じて
一対の車輪12の回転を個々に阻止する一対のブレーキ
機構15とを備えている。車輪12の外側には車輪12
と一体に回転するハンドリム12aが設けられている。
操作部14及びブレーキ機構15は左右対称の構成を有
するが、以下では車椅子10の右側のものについて説明
する。
【0011】操作部14は、図2に示すように、椅子本
体11の一部を構成する横フレーム11aに固定された
ブラケット16と、ブラケット16に固定されたピン1
7aを中心として回動するレバー17と、レバー17の
下端に一端が連結されたリンクアーム18とを備えてい
る。
【0012】ブラケット16は、図3(A)に示すよう
に、レバー17の回動位置を規定するガイド溝16aが
形成された天板16bが、横フレーム11aに固定され
且つピン17aが固定されたベース16fに一体に形成
されて構成されている。ガイド溝16aは、レバー17
を略直立状態に位置決めする双方向ロック位置部16c
と、レバー17を前傾状態に位置決めする前進方向許容
位置部16dと、レバー17を後傾状態に位置決めする
後進方向許容位置部16eとを備えている。各位置部1
6c〜16eはベース16fから椅子本体11の側方に
離間した位置に形成されており、位置部16c〜16e
のいずれかに位置決めされたレバー17はそれ自体又は
ベース16fの有する弾性(撓み)によって椅子本体1
1の側に付勢され、その位置部16c〜16eとレバー
17との係合状態が維持されるようになっている。
【0013】ところで、ガイド溝16aについては、例
えば図3(B)及び図3(C)に示すガイド溝16a’
及びガイド溝16a”のようにレバー17の位置を規定
するものであればその形状は特に限定されるものではな
いが、図3(B),(C)に示した形状の場合には、レ
バー17を位置部16c〜16e(ガイド溝16a’及
びガイド溝16a”における各位置部16c〜16e
は、ガイド溝16aの各位置部16c〜16eとレバー
17の位置決めという作用上は同一であるため、同一の
符号を付して図示する。)に入れる方向を椅子本体11
から離間する方向(図3(B))、若しくは椅子本体1
1の後ろ方向(図3(C))というように揃えることが
できるため、レバー17の操作の容易性が図られる。ま
た、このようにレバー17を位置部16c〜16eに入
れる際の方向が一定であるため、レバー17の位置決め
状態(位置部16c〜16eとの係合状態)をバネによ
る付勢力等によって維持させることも可能である。
【0014】ブレーキ機構15は、図4〜図6に示すよ
うに、椅子本体11に固定するための固定部ユニット2
0と、固定部ユニット20に同軸に設けられて車輪12
の前進方向、後進方向、双方向の回転をロックさせる2
ウェイクラッチ機構部ユニット30と、2ウェイクラッ
チ機構部ユニット30と同軸に設けられて常時は車輪1
2と一体に回転し且つ車輪12から所定以上の荷重が加
わったときに2ウェイクラッチ機構部ユニット30への
荷重伝達を阻止する荷重制御部ユニット40とを備えて
いる。
【0015】固定部ユニット20は、車輪12のハブ1
9を回転可能に保持するネジシャフト21と、ネジシャ
フト21の先端部21aに螺合するナット22と、スプ
リングワッシャー23と、ワッシャー24と、フレーム
連結部材25と、カラー26とを備えている。
【0016】フレーム連結部材25は、椅子本体11の
一部を構成する縦フレーム11bに貫通状態で固定され
るもので、その縦フレーム11bが貫通するフレーム貫
通穴25aと、ネジシャフト21が貫通するシャフト貫
通穴25bとを備える。縦フレーム11bには位置決め
貫通穴11cが形成され、この位置決め貫通穴11cと
シャフト貫通穴25bとを重ねてこれらをネジシャフト
21が貫通することによって、ネジシャフト21の椅子
本体11に対する位置決めがなされる。
【0017】カラー26は、図7(A)〜(C)に示す
ように、フレーム連結部材25と係合する座部26a
と、座部26aから突出した断面略小判型形状の脚部2
6bと、座部26a及び脚部26bに跨って設けられネ
ジシャフト21が貫通するシャフト貫通穴26cとを備
えている。
【0018】2ウェイクラッチ機構部ユニット30は、
カラー26に回転不能に保持されて椅子本体11に固定
されたインナーレース31と、インナーレース31の外
周に相対回転可能に設けられたアウターレース32と、
インナーレース31とアウターレース32との間に配置
されたコロ38及び板バネ39と、アウターレース32
に相対回転可能に保持されたリリース手段としてのリリ
ース部材34と、ネジシャフト21が貫通した状態でア
ウターレース32並びにリリース部材34をインナーレ
ース31に同軸に組み付けるCリング35と、ネジシャ
フト21の基部21bと螺合することでナット22と協
動して固定部ユニット20と一体同軸に2ウェイクラッ
チ機構部ユニット30を組み付けるナット36とを備え
ている。
【0019】インナーレース31は、円盤状のベース3
1aと、ベース31aの中心から一体に立ち上げられた
筒部31bと、筒部31bからベース31aに跨って形
成されてカラー26の脚部26bが貫通するとともに脚
部26bの断面形状と略一致する断面略小判型形状の貫
通穴31cと、筒部31bの先端寄りに形成されてCリ
ング35が嵌合するスリット31dと、図8(A)に示
すように、筒部31bの三等分点位置から放射状に突出
した扇形突起31eと、隣接する扇形突起31eの間に
形成された凹部31fと、扇形突起31e及び凹部31
fの間に形成された平面部31gとを備えている。
【0020】アウターレース32は、小径円筒部32a
と大径円筒部32bとが一体に形成された多段円筒形状
を呈し、その内部に形成された段部32cにインナーレ
ース31のベース31aが係合する。また、各円筒部3
2a,32bの内周面は段部32cの箇所を除いて互い
に連続しており、この連続した内周面に符号32dを付
すと、内周面32dとインナーレース31の筒部31b
の外面との間には間隙Kが形成され、この間隙Kのうち
内周面32dと平面部31gとで挟まれた部分(食込空
間)はその大きさが図8(B)に示すように変化してい
る。すなわち、平面部31gの中央付近から内周面32
dまでの距離L1は比較的大きく、平面部31gの両端
付近から内周面32dまでの距離L2,L3は比較的小
さく、平面部31gの中央付近から両端に向かうにつれ
て間隙Kは徐々に狭くなっている。
【0021】大径円筒部32bの下端面には、ネジ部材
37が取り付けられている。このネジ部材37は、図9
(A),(B)に示すように、大径円筒部32bの下端
面に形成されたネジ穴(図示せず)に螺合するネジ部3
7aと、大径円筒部32bの下端面から突出するピン3
7bと、ピン37bの端面に形成されて上記ネジ穴にネ
ジ部37aを螺合させるための工具(例えば、マイナス
ドライバー)と係合するスリット37cとが形成されて
いる。なお、ネジ部材37は大径円筒部32bの四等分
点位置にそれぞれ設けられている。
【0022】コロ38及び板バネ39はそれぞれ円柱形
状及び断面略N字形状を呈し、間隙Kの食込空間に配設
される。ここで、凹部31fを挟んで一方の食込空間に
符号Kaを付し、凹部31fを挟んで他方の食込空間に
符号Kbを付し、食込空間Kaに配設されるコロ38、
板バネ39に符号38a,39aを付し、食込空間Kb
に配設されるコロ38、板バネ39に符号38b,39
bを付すと、ここでは一対のコロ38a,38b及び一
対の板バネ39a,39bがそれぞれ三組ずつ設けられ
ていることになる。そして、コロ38a及び板バネ39
aは第一の食込手段を構成し、コロ38b及び板バネ3
9bは第二の食込手段を構成し、板バネ39aは食込空
間Kaにおいて一の扇形突起31eに当接するとともに
コロ38aを間隙Kの中央(間隙Kの狭まる方)に向け
て付勢し、板バネ39bは食込空間Kbにおいて他の扇
形突起31eに当接するとともにコロ38bを間隙Kの
中央(間隙Kの狭まる方)に向けて付勢する。
【0023】リリース部材34は、インナーレース31
の円筒部31bの先端が突出する突出穴34aを有する
円環状のベース34bと、ベース34bの周縁部に位置
してアウターレース32の小径円筒部32aとインロー
形式で係合する縦壁34cと、縦壁34cよりも内側の
ベース34bの三等分点位置から突出してインナーレー
ス31の凹部31fに挿入された扇形アーム34dと、
ベース34bの半径方向にのびる連結アーム34eとを
備えている。この連結アーム34eにはレバー17に一
端が連結されたリンクアーム18の他端が連結され、レ
バー17を前傾させた場合にはリリース部材34が椅子
本体11の後方(図2の反時計回り方向)に回動し、レ
バー17を後傾させた場合にはリリース部材34が椅子
本体11の前方(図2の時計回り方向)に回動する。
【0024】荷重制御部ユニット40は、ハブ19にハ
ブ固定ネジ41によって固定されたベース円板42と、
ベース円板42と一面が接触するブレーキ板43と、ブ
レーキ板43をベース円板42側に向けて付勢する皿バ
ネ44と、皿バネ44を撓ませて付勢力を生じさせるプ
レート45と、ベース円板42にネジ46によって固定
されるカバー47とを備えている。
【0025】ベース円板42は、図11(A),(B)
に示すように、円形平板42aの中心に形成されてネジ
シャフト21が貫通するシャフト貫通穴42bと、円形
平板42aの裏面(図11(A)の底面)にシャフト貫
通穴42bよりも大径に形成された凹部42cと、凹部
42cの外側三等分点位置に形成されてハブ固定ネジ4
1が螺合するハブ固定雌ネジ穴42dと、円形平板42
aの外周寄りの四等分点位置に形成されてネジ46が螺
合する雌ネジ穴42eとを備えている。
【0026】ブレーキ板43は、図12(A),(B)
に示すように、中心に形成されてネジシャフト21が貫
通するシャフト貫通穴43aと、ネジ部材37のピン3
7bが貫通するピン貫通穴43bとを備えている。な
お、ブレーキ板43の裏面(ベース円板42と接する
面)には、摩擦係数の高い材質のブレーキ部材(サンド
ブラスト状のものやゴム等)を設けるか、同等の摩擦係
数を有する表面加工処理が施されている。
【0027】プレート45は、図13(A),(B)に
示すように、中心に形成されてネジシャフト21が貫通
するシャフト貫通穴45aと、ネジ部材37のピン37
bが貫通するピン貫通穴45bと、皿バネ44を位置決
めするための位置決め凹部45cとを備えている。
【0028】カバー47は、図14(A),(B)に示
すように、ブレーキ板43、皿バネ44、プレート45
を畳重状態で収納する円筒収納部47aと、プレート4
5を介して皿バネ44を撓ませてブレーキ板43がベー
ス円板42に向けて付勢されるようにこれらをベース円
板42と協動して保持する蓋部47bと、蓋部47bに
形成されてアウターレース32の大径円筒部32bが位
置する開口47cと、ネジ46が貫通若しくは螺合する
固定穴47dを四等分点位置に形成した環状フランジ4
7eとを備えている。
【0029】上記の構成において、レバー17を直立さ
せてその中途部を双方向ロック位置部16cに係合させ
ると、図1の矢印A方向から見た場合、ピン17aを回
動中心とするレバー17の回動により、リンクアーム1
8を介してリリース部材34が回転し、その連結アーム
34eが図2の真上を向いた状態となる(このときのリ
リース部材34の回転位置を中立位置とする。)。
【0030】この状態においては、図8(A)に示すよ
うに、扇形アーム34dの基部34fが凹部31fの略
中央に位置しており、扇形アーム34dはその両側にあ
るコロ38a,38bのいずれにも非接触となってい
る。
【0031】したがって、コロ38aが板バネ39aに
より付勢されて間隙Kの狭い方へと食い込みアウターレ
ース32の時計回り方向の回転をロックするとともに、
コロ38bが板バネ39bにより付勢されて間隙Kの狭
い方へと食い込みアウターレース32の反時計回り方向
の回転をロックし、これによりアウターレース32の回
転が完全に阻止される。ここで、アウターレース32
は、荷重制御部ユニット40を介しての摩擦力により車
輪12のハブ19に連繋され固定されていることから、
その回転阻止によって車輪12の回転が前進・後進の双
方向についてロックされる。
【0032】一方、例えばその双方向についてのロック
状態からピン17aを回動中心としてレバー17を前傾
回動させ、これを前進方向許容位置部16dに係合させ
ると、レバー17の回動に連動してリンクアーム18を
介してリリース部材34が回転し、その連結アーム34
eが図2の斜め後方を向いた状態となる。
【0033】この状態においては、図10(A)に示す
ように、扇形アーム34dの基部34fが凹部31fの
左側に位置しており、扇形アーム34dはその左側にあ
るコロ38aに接触する。
【0034】したがって、コロ38aが扇形アーム34
dにより板バネ39aの付勢力に抗して間隙Kの広い方
へと押し戻され、食込空間Kaにおけるコロ38aの食
込みが解除されるので、アウターレース32の時計回り
方向の回転のロックが解除され、車輪12の前進方向に
ついての回転が許容される。また、このときコロ38b
は板バネ39bの付勢力によって間隙Kの狭い方へと食
い込み、これはアウターレース32が時計方向に回転し
ても変わらないので、アウターレース32の反時計回り
方向の回転のロックは維持され、車輪12の後進方向に
ついての回転は阻止される。
【0035】他方、例えば双方向についてのロック状態
からピン17aを回動中心としてレバー17の後傾回動
させ、これを後進方向許容位置部16eに係合させる
と、レバー17の回動に連動してリンクアーム18を介
してリリース部材34が回転し、その連結アーム34e
が図2の斜め前方を向いた状態となる。
【0036】この状態においては、図10(B)に示す
ように、扇形アーム34dの基部34fが凹部31fの
右側に位置しており、扇形アーム34dはその右側にあ
るコロ38bに接触する。
【0037】したがって、コロ38bが扇形アーム34
dにより板バネ39bの付勢力に抗して間隙Kの広い方
へと押し戻され、食込空間Kbにおけるコロ38bの食
込みが解除されるので、アウターレース32の反時計回
り方向の回転のロックが解除され、車輪12の後進方向
についての回転が許容される。また、このときコロ38
aは板バネ39aの付勢力によって間隙Kの狭い方へと
食い込み、これはアウターレース32が反時計方向に回
転しても変わらないので、アウターレース32の時計回
り方向の回転のロックは維持され、車輪12の前進方向
についての回転は阻止される。
【0038】この実施の形態に係る車椅子10では、椅
子本体11と車輪12との間に設けられた2ウェイクラ
ッチ機構において、対向間隔の変化する間隙K及びリリ
ース部材34を利用してコロ38及び板バネ39の食込
み、食込みの解除をコントロールすることにより車輪1
2を双方向、後進方向、前進方向についてロックするの
で、例えば双方向についてロックすることにより使用者
の乗降時や乗っていないときの走行を防止することがで
きるほか、前後進いずれかについてロックすることによ
り使用者が意図する方向と逆の方向への車輪の回転を防
止することができ、坂道通行の容易化、使用者の行動範
囲の拡張を図ることができる。すなわち、車輪12を後
進方向についてのみロックすれば、車椅子10が坂道を
上る際に前進のみが許容され後進は阻止されるので、そ
の逆走等が有効に防止される。また、車輪12を前進方
向についてのみロックすれば、車椅子10が信号待ちを
している際に不測に飛び出してしまうことが防止される
ばかりでなく、右左折車があった場合にその右左折車の
内輪差による接近を回避するためにすばやく車椅子10
を後進させることができる。
【0039】ところで、レバー17が椅子本体11の左
右に一対設けられていることから、双方のレバー17を
双方向ロック位置部16cに係合させれば、車椅子10
の前進・後進双方向の走行が停止されたことになる。ま
た、一方のレバー17を双方向ロック位置部16cに係
合させた状態で、他方のレバー17を前進方向許容位置
部16dに係合させてその他方のレバー17側の車輪1
2のハンドリム12aを押し出し回転させることによっ
て、一方のレバー17側の車輪12を回転中心として車
椅子10を前方向旋回(例えば、Uターン)させること
ができ、他方のレバー17を後進方向許容位置部16e
に係合させてその他方のレバー17側の車輪12のハン
ドリム12aを引き戻し回転させることによって、一方
のレバー17側の車輪12を回転中心として車椅子10
を後方向旋回(例えば、Uターン)させることができ
る。さらに、一方のレバー17を前進方向許容位置部1
6dに係合させるとともに他方のレバー17を後進方向
許容位置部16eに係合させ、その一方のレバー17側
の車輪12のハンドリム12aを押し出し回転させつつ
他方のレバー17側の車輪12のハンドリム12aを引
き戻し回転させることによって、車椅子10の中心自体
を中心として車椅子10を回転させることができる。
【0040】また、車輪12と2ウェイクラッチ機構部
ユニット30とは荷重制御部ユニット40を介して連繋
されていることから、その荷重制御部ユニット40のバ
ネ圧設定(皿バネ44の付勢力)やブレーキ板43の摩
擦係数設定により、通常の走行状態では車輪12を無理
なく回転させ、段差の乗上げ等に伴う大きな荷重が車輪
12から伝達された場合にはその荷重を吸収する分だけ
皿バネ44の付勢に抗してブレーキ板43がスリップす
るように調整することができる。これにより、2ウェイ
クラッチ機構部ユニット30に車輪12から過大な負荷
が伝達されず、2ウェイクラッチ機構部ユニット30の
破損や経時的劣化が防止される。
【0041】なお、本発明は上述した形態に限られるも
のではなく、例えばリリース部材34の回転をレバー1
7による手動操作ではなく電動操作で行っても、あるい
は、レバー17を車椅子10の左右一方に設けてその一
つのレバーで左右のリリース部材34を機械的・電気的
に回転させることとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る車椅子は、以上説明したよ
うに構成したので、使用者が意図する方向と逆の方向へ
の車輪の回転を防止することにより坂道の通行を容易化
し、ひいては使用者の行動範囲を拡げることができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車椅子を示し、車椅
子の外観斜視図である。
【図2】同じく、一方側の操作部の側面図である。
【図3】同じく、(A)はガイド溝形状の一例の要部の
平面図、(B)はガイド溝形状の変形例の要部の平面
図、(C)はガイド溝形状の他の変形例の要部の平面図
である。
【図4】同じく、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図5】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面図
である。
【図6】同じく、ブレーキ機構の一部を省略した正面図
である。
【図7】同じく、(A)はカラーの平面図、(B)はカ
ラーの破断図、(C)はカラーの底面図である。
【図8】同じく、(A)はクラッチ機構の要部断面図、
(B)は間隙の説明図である。
【図9】同じく、(A)ネジ部材の正面図、(B)はネ
ジ部材の底面図である。
【図10】同じく、(A)は図1の矢印A方向から見た
場合の前進方向許容状態の要部の作用説明図、(B)は
図1の矢印A方向から見た場合の後進方向許容状態の要
部の作用説明図である。
【図11】同じく、(A)はベース円板の断面図、
(B)はベース円板の底面図である。
【図12】同じく、(A)はブレーキ板の断面図、
(B)はブレーキ板の底面図である。
【図13】同じく、(A)はプレートの断面図、(B)
はプレートの底面図である。
【図14】同じく、(A)はカバーの断面図、(B)は
カバーの底面図である。
【図15】従来の車椅子の外観斜視図である。
【符号の説明】
10 車椅子 11 椅子本体 12 車輪 30 2ウェイクラッチ機構部ユニット(クラッチ機
構) 31 インナーレース 32 アウターレース 34 リリース部材(リリース手段) 34d 扇形アーム 38 コロ 38a コロ(第一の食込手段) 38b コロ(第二の食込手段) 39 板バネ 39a 板バネ(第一の食込手段) 39b 板バネ(第二の食込手段) K 間隙

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】椅子本体と車輪との間に介在して該車輪の
    回転を許容・阻止するクラッチ機構が設けられ、該クラ
    ッチ機構は前記椅子本体又は前記車輪の一方に固定され
    たインナーレースと他方に固定された筒状のアウターレ
    ースとを備え、前記インナーレースは前記アウターレー
    スの内部に設けられて該アウターレースが前記インナー
    レースに対して回転可能であるとともに、前記インナー
    レースの外面と前記アウターレースの内周面との間に間
    隙が形成されて該間隙に第一の食込手段、リリース手段
    及び第二の食込手段がこの順に配設され、 前記リリース手段が前記第一の食込手段及び前記第二の
    食込手段のいずれにも接しない中立位置にあるときに、
    前記第一の食込手段及び前記第二の食込手段がそれぞれ
    前記間隙に食い込んで前記アウターレースの一方向及び
    他方向の回転がロックされ、 前記リリース手段が前記第一の食込手段に接する位置に
    あるときに、前記リリース手段が前記第一の食込手段の
    食込みを解除して前記アウターレースの一方向の回転の
    ロックが解除され、 前記リリース手段が前記第二の食込手段に接する位置に
    あるときに、前記リリース手段が前記第二の食込手段の
    食込みを解除して前記アウターレースの他方向の回転の
    ロックが解除されることを特徴とする車椅子。
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