JP2002085469A - 車椅子 - Google Patents

車椅子

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JP2002085469A
JP2002085469A JP2000275281A JP2000275281A JP2002085469A JP 2002085469 A JP2002085469 A JP 2002085469A JP 2000275281 A JP2000275281 A JP 2000275281A JP 2000275281 A JP2000275281 A JP 2000275281A JP 2002085469 A JP2002085469 A JP 2002085469A
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outer race
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pair
brake
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JP2000275281A
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Masayuki Dobashi
正幸 土橋
Makoto Ikemizu
誠 池水
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Ichikoh Industries Ltd
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪から所定値以上の荷重が加わった場合に
は、その荷重伝達を途中で吸収してブレーキ機構のダメ
ージを緩和することができ、経時的な劣化を防止するこ
とができる車椅子を提供する。 【解決手段】車輪の前進方向,後進方向,双方向の回転
をロックさせる2ウェイクラッチ機構部ユニット30が
椅子本体に固定するための固定部ユニット20に同軸に
設けられると共に、2ウェイクラッチ機構部ユニット2
0に常時は車輪と一体に回転し且つ車輪から所定以上の
荷重が加わったときに2ウェイクラッチ機構部ユニット
20への荷重伝達を阻止する荷重制御部ユニット40が
同軸に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子、特に、車
輪の前進方向,後進方向,双方向の回転方向制御を可能
とした車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、図27に示すように、椅
子本体1の左右両側に回転可能に設けられた一対の車輪
2と、椅子本体1の前方左右両側に旋回可能に設けられ
た一対の補助輪3と、一対の車輪2の回転を個々に阻止
するブレーキ機構4とを備えた車椅子5が知られてい
る。
【0003】この車椅子5は、椅子本体1に設けられた
グリップ1aを操作しての他人の操作による前進・後進
・停止の他、車輪2に固定された環状のハンドリム2a
の自身の車輪押し回し操作によって前進し、ハンドリム
2aの車輪引き回し操作によって後進し、ハンドリム2
aの握持によって前進若しくは後進が停止される。
【0004】ブレーキ機構4は、レバー6の先端を前方
又は後方の何れか一方に倒すことによって、レバー6の
基端に連動連結されたブレーキアーム7の先端が車輪2
に食い込んで車輪2の回転を阻止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如く
構成された車椅子5にあっては、停止中に車椅子5が動
いてしまうことを防止する単なるロック機構であり、走
行中における前進方向又は後進方向のブレーキという作
用を行うものではなかった。
【0006】一方、例えば、上り坂道を前進する際に
は、車輪2の前進方向の回転のみが許容され、車輪2の
後進方向の回転はロックされているほうが、逆走防止の
観点から好ましい。また、信号待ちをしている際には、
あえて車輪2の双方向の回転をロックするよりも、右左
折車を回避するためにすばやく後進させたいなど、前進
方向の車輪2の回転をロックするほうが使い勝手が良い
場合もある。
【0007】そこで、本願発明者は、椅子本体1と車輪
2との間に、車輪2の前進方向,後進方向,双方向の回
転をロック可能とするブレーキ機構を設けるという考え
に至った。
【0008】この際、ブレーキ機構は、そのロック作用
を機械的に強固に行うことから、例えば、車椅子5が段
差を乗り上げた場合や急停止した場合の車輪2からの荷
重をブレーキ機構が直接受けると、ブレーキ機構のダメ
ージが大きいことから、その衝撃を緩和できれば、破損
や経時的な劣化を防止することができる。
【0009】本発明は、上記問題を解決するため、車輪
から所定値以上の荷重が加わった場合には、その荷重伝
達を途中で吸収してブレーキ機構のダメージを緩和する
ことができ、経時的な劣化を防止することができる車椅
子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項1に記載の車椅子は、椅子本体の左右両側に
回転可能に設けられた一対の車輪と、前記椅子本体に固
定されて前記一対の車輪の回転を個々に制御する一対の
ブレーキ機構と、該一対のブレーキ機構による前記一対
の車輪の制御状態を指定するように前記椅子本体に保持
された一対のレバーとを備え、前記ブレーキ機構は、前
記椅子本体に固定するための固定部ユニットと、該固定
部ユニットに同軸に設けられて前記車輪の前進方向,後
進方向,双方向の回転をロックさせる2ウェイクラッチ
機構部ユニットと、該2ウェイクラッチ機構部ユニット
と同軸に設けられて常時は前記車輪と一体に回転し且つ
前記車輪から所定以上の荷重が加わったときに前記2ウ
ェイクラッチ機構部ユニットへの荷重伝達を阻止する荷
重制御部ユニットとを備えていることを要旨とする。
【0011】請求項2に記載の2ウェイクラッチ機構部
は、前記車体側に固定されたインナーレースと、前記荷
重制御部ユニットを介して所定値以下の荷重の際に前記
車輪と一体に回転するアウターレースと、前記インナー
レースと前記アウターレースとの間に介装されて前記各
レース間に食い込むことによって前記アウターレースの
回転をロックする一対の食込手段と、前記レバーの操作
に連動して回動することによって前記食込手段の前記各
レース間への食込状態を操作するリリース部材とを備え
ていることを要旨とする。
【0012】請求項3に記載の荷重制御ユニットは、前
記車輪のハブに固定されたベース円板と、該ベース円板
に装着されて前記アウターレースの外壁面を所定の圧力
で締め付けるための一対のドラムブレーキ板と、該一対
のドラムブレーキ板に締め付け力を発生させる作用部材
とを備えていることを要旨とする。
【0013】請求項4に記載の荷重制御ユニットは、前
記車輪のハブに固定されたベース円板と、該ベース円板
に保持されて前記アウターレースと弾性係合するラチェ
ット板とを備えていることを要旨とする。
【0014】請求項5に記載の車椅子は、前記荷重制御
ユニットは、前記車輪のハブに固定されたベースと、該
ベースに保持されて前記アウターレースを前記ベースに
向けて付勢する楔部材とを備えていることを要旨とす
る。
【0015】請求項6に記載の荷重制御ユニットは、前
記車輪のハブに固定されたベース円板と、該ベース円板
に支持されて前記アウターレースを締め付ける環状ブレ
ーキと、該環状ブレーキに締め付け力発生させる作用部
材とを備えていることを要旨とする。
【0016】請求項7に記載の荷重制御ユニットは、前
記車輪のハブに固定されたベース円板と、該ベース円板
と一面が接触するブレーキ板と、該ブレーキ板を前記ベ
ース円板側に向けて付勢する作用板部材とを備えている
ことを要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の車椅子の実施の形
態を図面に基づいて説明する。
【0018】
【実施の形態1】図1乃至図9は、本発明の車椅子の実
施の形態1を示す。
【0019】図1において、車椅子10は、椅子本体1
1と、椅子本体11の左右両側に回転可能に設けられた
一対の車輪12と、椅子本体11の前方左右両側に旋回
可能に設けられた一対の補助輪13と、椅子本体11と
車輪12との間に配置されて操作部14の操作に応じて
一対の車輪12の回転を個々に阻止する一対のブレーキ
機構15とを備えている。
【0020】操作部14は、図2に示すように、椅子本
体11の一部を構成する横フレーム11aに固定された
ブラケット16と、ブラケット16に固定のピン17a
を中心として回動するレバー17と、レバー17の下端
に一端が連結されたリンクアーム18とを備えている。
【0021】ブラケット16は、図3(A)に示すよう
に、ピン17aを中心とするレバー17の回動位置を三
箇所で規定するガイド溝16aを形成した天板16bを
一体に備えている。ガイド溝16aは、レバー17を略
直立状態に位置決めする双方向ロック位置部16cと、
レバー17を前傾状態に位置決めする前進方向許容位置
部16dと、レバー17を後傾状態に位置決めする後進
方向許容位置部16eとを備えている。尚、各位置部1
6c〜16eは、レバー17の回動中心となるピン17
aを固定したブラケット16のベース16fから椅子本
体11の側方に離間した位置に形成されていることか
ら、レバー17自身の弾性力(撓み)によって係合状態
が維持される。
【0022】ところで、このガイド溝16aは、図3
(B)及び図3(C)に示すガイド溝16a’及びガイ
ド溝16a”のように、レバー17の位置が規定されれ
ば、その形状は特に限定されるものではないが、図3
(B),(C)に示した形状の場合には、レバー17の
操作時の位置決め方向を、椅子本体11から離間する方
向(図3(B))、若しくは、椅子本体11の後ろ方向
(図3(C))というように同一とすることができるた
め、操作の容易性が図られる。また、図3(B),
(C)に示した溝形状とした場合には、位置決め方向が
一定であることから、レバー17自身の弾性以外のバネ
等の付勢手段によって位置決め状態を維持させることも
可能である。尚、ガイド溝16a’及びガイド溝16
a”における各位置部16c〜16eは、ガイド溝16
aの各位置部16c〜16eとレバー17の位置決めと
いう作用上では同一であるため、同一の符号を付して図
示する。
【0023】ブレーキ機構15は、図4〜図6に示すよ
うに、椅子本体11に固定するための固定部ユニット2
0と、固定部ユニット20に同軸に設けられて車輪12
の前進方向,後進方向,双方向の回転をロックさせる2
ウェイクラッチ機構部ユニット30と、2ウェイクラッ
チ機構部ユニット30と同軸に設けられて常時は車輪1
2と一体に回転し且つ車輪12から所定以上の荷重が加
わったときに2ウェイクラッチ機構部ユニット30への
荷重伝達を阻止する荷重制御部ユニット40とを備えて
いる。
【0024】固定部ユニット20は、車輪12のハブ1
9と一体のネジシャフト21と、ネジシャフト21の先
端部21aに螺合するナット22と、スプリングワッシ
ャー23と、ワッシャー24と、フレーム連結部材25
と、カラー26とを備えている。
【0025】フレーム連結部材25は、椅子本体11の
一部を構成する縦フレーム11bに貫通状態で固定され
るもので、その縦フレーム11bが貫通するフレーム貫
通穴25aと、ネジシャフト21が貫通するシャフト貫
通穴25bとを備え、ネジシャフト21がシャフト貫通
孔25bを貫通する際に縦フレーム11bに形成された
位置決め貫通孔(図示せず)を貫通することによって椅
子本体11に対するブレーキ機構15の位置決めがなさ
れる。
【0026】カラー26は、図7(A)〜(C)に示す
ように、フレーム連結部材25と係合する座部26a
と、座部26aから突出された断面略小判型形状の脚部
26bと、座部26a及び脚部26bに跨って貫通して
ネジシャフト21が貫通するシャフト貫通穴26cとを
備えている。
【0027】2ウェイクラッチ機構部ユニット30は、
カラー26に回転不能に保持されたインナーレース31
と、インナーレース31の外周に位置して相対回転可能
に保持されたアウターレース32と、各レース31,3
2間に配置された一対三組の食込手段33と、アウター
レース32に相対回転可能に保持されたリリース部材3
4と、インナーレース31に嵌合してアウターレース3
2並びにリリース部材34をインナーレース31に同軸
(ネジシャフト21が貫通)組み付けるCリング35
と、ネジシャフト21の基部21bと螺合することでナ
ット22と協働して固定部ユニット20と一体同軸に2
ウェイクラッチ機構部ユニット30を組み付けるナット
36とを備えている。
【0028】インナーレース31は、円盤状のベース3
1aと、ベース31aの中心から一体に立ち上げられた
円筒部31bと、円筒部31bからベース31aに跨っ
て形成されて脚部26bが貫通すると共に脚部26bの
断面形状と略一致する断面略小判型形状の貫通孔31c
と、円筒部31bの突出端寄りに形成されてCリング3
5が嵌合するスリット31dと、図8(A)に示すよう
に、円筒部31bの三等分点位置から放射状に突出した
扇形突起31eと、隣接する扇形突起31eの間に形成
された凹部31fと、扇形突起31eと凹部31fとの
間に形成された平面部31gとを備えている。
【0029】アウターレース32は、小径円筒部32a
と大径円筒部32bとが一体に形成された多段円筒形状
を呈し、その内部に形成された段部32cにベース31
aが係合する。また、段部32cを除いた各円筒部32
a,32bの内壁面32dは同寸法となっており、その
内壁面32dと平面部31gとで食込空間Kを形成す
る。この食込空間Kは、図8(B)に示すように、平面
部31gの断面直線と内壁面32dの断面曲線とによっ
て、平面部31gの断面中央と対向する内壁面32dと
の間隙L1よりも、平面部31gの断面両端と対向する
内壁面32dとの間隙L2,L3の方が端部に向かうほ
ど狭くなっている。
【0030】食込手段33は、円柱形状の一対のコロ3
8と断面略N字形状の一対の板バネ39を一組として有
する。一対のコロ38と一対の板バネ39とは、食込空
間Kの扇形突起31eの間にそれぞれ設けられ、全体と
して一対三組づつ配置されている。この際、板バネ39
は食込空間Kの扇形突起31eに当接されている。従っ
て、板バネ39は、常時はコロ38を食込空間Kの対向
間隔の狭い方に向けて付勢し、これにより、コロ38が
食込空間Kに食い込んだ状態となっている。
【0031】リリース部材34は、円筒部31bの先端
が突出する突出穴34aを有するベース34bと、ベー
ス34bの周縁部に位置して小径円筒部32aとインロ
ー形式で係合する縦壁34cと、縦壁34cよりも内側
のベース34bの三等分点位置から突出されて凹部31
fに臨む扇形アーム34dと、縦壁34cから突出され
た連結アーム34eとを備えている。
【0032】この連結アーム34eにはリンクアーム1
8の一端が連結され、レバー17を前傾とした場合に
は、連結アーム34eが椅子本体11の後方(図2の反
時計回り方向)に回動し、レバー17を後傾とした場合
には、連結アーム34eが椅子本体11の前方(図2の
時計回り方向)に回動する。従って、レバー17を前傾
させると、図9(A)に示すように、扇形アーム34d
が椅子本体11の後方に回動し、レバー17を後傾させ
ると、図9(B)に示すように、扇形アーム34dが椅
子本体11の前方に回動する。
【0033】これにより、図9(A)の反時計回り方向
のアウターレース32(小径円筒部32a)の回転は、
扇形アーム34dの時計回り方向に位置するコロ38の
食込空間Kへの食い込みによって阻止されている。ま
た、図9(B)の時計回り方向のアウターレース32の
回転は、扇形アーム34dの反時計回り方向に位置する
コロ38の食込空間Kへの食い込みによって阻止されて
いる。
【0034】荷重制御部ユニット40は、ハブ19にハ
ブ固定螺子41によって固定されたベース円板42と、
ベース円板42に装着されて大径円筒部32bの外壁面
を所定の圧力で締め付けるための一対のドラムブレーキ
板43と、この一対のドラムブレーキ板43に締め付け
力を発生させる一対のコイルスプリング44と、ドラム
ブレーキ板43並びにコイルスプリング44をベース円
板42に保持させるEリング45とを備えている。
【0035】ベース円板42は、円形平板42aの中心
に形成されてネジシャフト21が貫通する貫通穴42b
と、円形平板42aの裏面にシャフト貫通穴42bより
も大径に形成された凹部42cと、凹部42cの外側四
等分点位置に形成されてハブ固定螺子41が螺合するハ
ブ固定雌ネジ穴42dと、円形平板42aの外周寄り四
等分点位置に立設されたピン42eと、ピン42eを略
同心円状に位置して円形平板42aの外周寄り二等分点
位置から退避した状態で立設された一対の保持壁42f
と、保持壁42fの各一方の面から互いに離反する方向
に突出された円柱状の保持ピン42gとを備えている。
【0036】ドラムブレーキ板43は、略半円弧形状を
呈するブレーキ本体43aと、ブレーキ本体43aの両
端から側方に折曲された一対のフランジ43bと、フラ
ンジ43bに形成されて保持ピン42gが貫通する貫通
孔43cと、ピン42eが遊挿される長孔43dを有す
る保持突起43eとを備えている。
【0037】これにより、保持ピン42gにコイルスプ
リング44を挿入した後に、ドラムブレーキ板43のフ
ランジ43b同士を互いに対向させた状態で保持壁42
f間に位置する隣接する一対の各ピン42eに長孔43
dを挿入すると同時に保持ピン42gに貫通孔43cを
貫通させた上で、Eリング45を保持ピン42gの先端
に嵌合して抜け止めをすることによって、自身の反力に
よって互いに離反しようとするドラムブレーキ板43に
コイルスプリング44の付勢力が働いて各ドラムブレー
キ板43の協働によりアウターレース32にブレーキ作
用が働く。
【0038】上記の構成において、レバー17を直立さ
せてその中途部を双方向ロック位置部16cに係合させ
ると、図1の矢印A方向から見た場合、ピン17aを回
動中心とするレバー17の回動により、リンクアーム1
8を介してリリース部材34が回転し、その連結アーム
34eが図2の真上を向いた状態となる。
【0039】この状態においては、図8(A)に示すよ
うに、扇形アーム34dの基部が凹部31fの略中間に
位置しており、扇形アーム34dの両端に位置するコロ
38には非接触となっている。
【0040】従って、扇形アーム34dの両端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢により狭い間隙L2(図
8(B)参照)に押し出され、これにより内壁面32d
と平面部31gの双方にコロ38が食い込んでアウター
レース32の回転が阻止された状態となる。
【0041】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト40を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その回転阻止によって車輪12
の回転が双方向ともロックされた状態となる。
【0042】このような車輪12の双方向ロック状態で
は、車椅子10の乗り降り時や空の状態での走行防止に
効果を発揮することができる。
【0043】一方、例えば、レバー17を直立させての
双方向ロック状態から、ピン17aを回動中心としてレ
バー17の前傾回動させて前進方向許容位置部16dに
レバー17を係合させると、そのレバー17の回動に連
動してリンクアーム18を介してリリース部材34が回
転し、その連結アーム34eが図2の斜め後方を向いた
状態となる。
【0044】この状態においては、図9(A)に示すよ
うに、扇形アーム34dの基部が凹部31fの左側に位
置して扇形アーム34dの左端に位置するコロ38に接
触する。
【0045】従って、扇形アーム34dの左端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢に抗して広い間隙L1
(図8(B)参照)に押し戻されて内壁面32dと平面
部31gの双方へのコロ38の食い込みが解除される。
また、扇形アーム34dの右端に位置するコロ38は板
バネ39の付勢によって狭い間隙L2(図8(B)参
照)に押し出されたまま内壁面32dと平面部31gの
双方にコロ38が食い込んでアウターレース32の回転
阻止状態を維持する。
【0046】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト40を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その一方の回転許容・他方の回
転阻止によって車輪12の前進方向の回転(矢視Aの状
態で時計回り方向)のみが許容され、車輪12の後進方
向の回転(矢視Aの状態で反時計回り方向)のみがロッ
クされた状態となる。
【0047】このような後進ロックの状態では、上り坂
道を前進する際のように、車輪12の前進方向の回転の
みが許容され、車輪12の後進方向の回転はロックされ
ているので、逆走防止等に効果を発揮することができ
る。
【0048】他方、例えば、レバー17を直立させての
双方向ロック状態から、ピン17aを回動中心としてレ
バー17の後傾回動させて後進方向許容位置部16eに
レバー17を係合させると、そのレバー17の回動に連
動してリンクアーム18を介してリリース部材34が回
転し、その連結アーム34eが図2の斜め前方を向いた
状態となる。
【0049】この状態においては、図9(B)に示すよ
うに、扇形アーム34dの基部が凹部31fの右側に位
置して扇形アーム34dの右端に位置するコロ38に接
触する。
【0050】従って、扇形アーム34dの右端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢に抗して広い間隙L1
(図8(B)参照)に押し戻されて内壁面32dと平面
部31gの双方へのコロ38の食い込みが解除される。
また、扇形アーム34dの左端に位置するコロ38は板
バネ39の付勢によって狭い間隙L2(図8(B)参
照)に押し出されたまま内壁面32dと平面部31gの
双方にコロ38が食い込んでアウターレース32の回転
阻止状態を維持する。
【0051】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト40を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その一方の回転許容・他方の回
転阻止によって車輪12の後進方向の回転(矢視Aの状
態で反時計回り方向)のみが許容され、車輪12の前進
方向の回転(矢視Aの状態で時計回り方向)のみがロッ
クされた状態となる。
【0052】このような前進ロックの状態では、信号待
ちをしている際に、不測に飛び出してしまうことが防止
されるばかりでなく、右左折車があった場合にその右左
折車が内輪差に伴う接近回避のためにすばやく車椅子1
0を後進させる等の際に効果を発揮することができる。
【0053】ところで、レバー17が椅子本体11の左
右に一対設けられていることから、双方のレバー17を
双方向ロック位置部16cに係合させれば、車椅子10
の前進・後進双方向の走行が停止されたことになる。ま
た、一方のレバー17を双方向ロック位置部16cに係
合させた状態で、他方のレバー17を前進方向許容位置
部16dに係合させてその他方のレバー17側の車輪1
2のハンドリム12aを押し出し回転することで一方の
レバー17側の車輪12を回転中心とした車椅子10を
前方向旋回(例えば、Uターン)させることができ、他
方のレバー17を後進方向許容位置部16eに係合させ
てその他方のレバー17側の車輪12のハンドリム12
aを引き戻し回転することで一方のレバー17側の車輪
12を回転中心とした車椅子10を後方向旋回(例え
ば、Uターン)させることが可能となる。さらに、一方
のレバー17を前進方向許容位置部16dに係合させる
と共に他方のレバー17を後進方向許容位置部16eに
係合させて、その一方のレバー17側の車輪12のハン
ドリム12aを押し出し回転しつつ他方のレバー17側
の車輪12のハンドリム12aを引き戻し回転すること
で車椅子10自体を中心として車椅子10を回転させる
ことができる。
【0054】また、車輪12と2ウェイクラッチ機構部
ユニット30とは、荷重制御部ユニット40を介して連
繋されていることから、その荷重制御部ユニット40の
バネ圧設定(コイルスプリング44の付勢力)並びに、
ドラムブレーキ板43の摩擦係数設定により、通常走行
状態では車輪12を無理なく回転させ、段差の乗り上げ
等に伴う大きな荷重が車輪12から伝達された場合に
は、その荷重を吸収する分だけ皿バネ44の付勢に抗し
てブレーキ板43がスリップするため、2ウェイクラッ
チ機構部ユニット30に車輪12からの過大負荷が伝達
されず、2ウェイクラッチ機構部ユニット30の部分的
な破損や経時的劣化が防止される。
【0055】
【実施の形態2】図10乃至図12は、本発明の車椅子
の実施の形態2を示す。尚、この実施の形態2では、上
記実施の形態1のアウターレース32の形状並びに荷重
制御部ユニット40の構成が異なるのみなので、以下、
実施の形態2でのアウターレース32’並びに荷重制御
部ユニット50の構成のみを説明し、これらアウターレ
ース32’並びに荷重制御部ユニット50以外の構成は
上記実施の形態1と同一に図示されるため、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0056】図において、アウターレース32’は、小
径円筒部32aと、外形が多角(この場合には正六角
形)形状を呈し且つ内形が小径円筒部32aの内径と同
一径な円筒形状状を呈する大径筒部32b’とを備えて
いる。尚、大径筒部32b’の内部には段部32cが形
成されていると共に、各筒部32a,32bで形成する
内壁面32dでの作用は上記実施の形態1と同一であ
る。
【0057】荷重制御部ユニット50は、ハブ19にハ
ブ固定螺子41によって固定されたベース円板52と、
ベース円板52に保持されたラチェット板53と、ラチ
ェット板53をベース円板52に保持させるEリング5
4とを備えている。
【0058】ベース円板52は、円形平板52aの中心
に形成されてネジシャフト21が貫通する貫通穴52b
と、円形平板52aの裏面にシャフト貫通穴52bより
も大径に形成された凹部52cと、凹部52cの外側四
等分点位置に形成されてハブ固定螺子41が螺合するハ
ブ固定雌ネジ穴52dと、円形平板52aの外周から突
出したリブ52eから立設された多角柱状(この場合に
は四角柱)の保持ピン52fとを備えている。
【0059】ラチェット板53は、保持ピン52fが貫
通する保持孔53aを有するベース53bと、ベース5
3bから傾斜することでバネ性を有するバネ部53c
と、バネ部53cから垂直方向に延在されて大径筒部3
2bの角に係合するラチェット部53dとを備えてい
る。
【0060】従って、常時は、ラチェット部53dが大
径筒部32b’に係合することでベース円板52とアウ
ターレース32’とが一体に回転し、車輪12側からの
過負荷によってバネ部53cの付勢に抗してラチェット
部53dと大径筒部32b’の角部との係合が外れて車
輪12からベース円板52に至る部材が回転し、アウタ
ーレース32’は回転しないようになっている。
【0061】このようなラチェット機構を採用した場
合、上記実施の形態1に比べて部品点数が減少し、材料
並びに組み付けコストが削減される。尚、バネ部53c
とラチェット部53dとは半割形状としても良い。
【0062】
【実施の形態3】図13乃至図15は、本発明の車椅子
の実施の形態3を示す。尚、この実施の形態3において
も、上記実施の形態1とアウターレース32の形状並び
に荷重制御部ユニット40の構成が異なるのみなので、
以下、実施の形態3でのアウターレース32”並びに荷
重制御部ユニット60の構成のみを説明し、これらアウ
ターレース32”並びに荷重制御部ユニット60以外の
構成は上記実施の形態1と同一に図示されるため、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0063】図において、アウターレース32”は、小
径円筒部32aと、外形が漏斗形状(逆截頭円錐形状)
を呈し且つ内形が小径円筒部32aの内径と同一径な円
筒形状状を呈する大径円筒部32b”とを備えている。
尚、大径円筒部32b”の内部には段部32cが形成さ
れていると共に、各筒部32a,32bで形成する内壁
面32dでの作用は上記実施の形態1と同一である。
【0064】荷重制御部ユニット60は、ハブ19にハ
ブ固定螺子41によって固定された有底で且つ漏斗形状
(逆截頭円錐形状)をするベース62と、ベース62に
保持された楔部材63と、楔部材63をベース62に保
持させるEリング64とを備えている。
【0065】ベース62は、座部62aの中心に形成さ
れてネジシャフト21が貫通する貫通穴62bと、座部
62aの裏面にシャフト貫通穴62bよりも大径に形成
された凹部62cと、凹部62cの外側四等分点位置に
形成されてハブ固定螺子41が螺合するハブ固定雌ネジ
穴62dと、座部62aの外周から拡開状に立ち上がる
周壁62eと、周壁62eの開放端四等分点位置から放
射状に突出されたリブ62fから立ち上げられた多角柱
状(この場合には四角柱)の保持ピン62gとを備えて
いる。また、周壁62eの内壁面62hは、アウターレ
ース32”の外形漏斗形状に一致している。
【0066】楔部材63は、保持ピン62gが貫通する
保持孔63aを有するベース63bと、このベース63
bから段差を設けることでバネ性を有すると共に大径円
筒部32b”の端面に弾接してアウターレース32”を
座部62aに向けて押し付けるバネ片63cとを備えて
いる。
【0067】従って、常時は、バネ片63cが大径円筒
部32b”を押し付けることでベース62とアウターレ
ース32”とが一体に回転し、車輪12側からの過負荷
によってバネ片63cの付勢に抗してバネ片63cと大
径円筒部32b”とがスリップして車輪12からベース
62に至る部材が回転し、アウターレース32”は回転
しないようになっている。
【0068】このような楔部材63を採用した場合、上
記実施の形態2と同様に実施の形態1に比べて部品点数
が減少し、材料並びに組み付けコストが削減されるばか
りでなく、アウターレース32”の漏斗形状と、このア
ウターレース32”の外形漏斗形状に一致する内壁面6
2hにより、楔部材63の付勢力による接触面積を大き
く確保することができ、小さい付勢力であってもベース
62とアウターレース32”とを容易に一体回転させる
ことが可能である。また、車輪12からの過負荷を受け
た場合には、アウターレース32”が浮き上がるように
作用されることから、上述した接触面積が減少してベー
ス62のみの回転を確実に確保することができる。
【0069】
【実施の形態4】図16乃至図18は、本発明の車椅子
の実施の形態4を示す。尚、実施の形態4においては、
上記実施の形態1と重制御部ユニット40の構成が異な
るのみなので、以下、実施の形態4での荷重制御部ユニ
ット70の構成のみを説明し、この荷重制御部ユニット
70以外の構成は上記実施の形態1と同一に図示される
ため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】荷重制御部ユニット70は、ハブ19にハ
ブ固定螺子41によって固定されたベース円板72と、
ベース円板72に支持されて大径円筒部32bを締め付
ける環状ブレーキ73と、この環状ブレーキ73に締め
付け力発生させるスプリング74と、環状ブレーキ73
並びにスプリング74の抜け止め用のナット75とを備
えている。
【0071】ベース円板72は、円形平板72aの中心
に形成されてネジシャフト21が貫通する貫通穴72b
と、円形平板72aの裏面にシャフト貫通穴72bより
も大径に形成された凹部72cと、凹部72cの外側四
等分点位置に形成されてハブ固定螺子41が螺合するハ
ブ固定雌ネジ穴72dと、円形平板72aの外周寄りか
ら立設された支持支柱72eと、この支持支柱72eの
近傍の円形平板72aから立設された支持壁72fとを
備えている。
【0072】環状ブレーキ73は、支持支柱72eに挿
入(圧入)される保持孔73aと、この保持孔73aを
一端に設けた環状ベース73bと、環状ベース73bの
他端から突出されて支持壁72fを貫通すると共にスプ
リング74を同軸に設けた状態でナット75が螺合する
螺子軸73cとを一体に備えている。
【0073】従って、常時は、環状ベース73bがスプ
リング74の引っ張り勢付によって大径円筒部32bを
閉め付けることでベース円板72とアウターレース32
とが一体に回転し、車輪12側からの過負荷がスプリン
グ74の付勢力、即ち、環状ベース73bによる大径円
筒部32bの締め付けに勝ると車輪12からベース円板
72に至る各部材が回転し、アウターレース32は回転
しないようになっている。
【0074】このような環状ブレーキ73を採用した場
合、上記実施の形態1に比べて部品点数が減少し、材料
並びに組み付けコストが削減されるうえ、組付けの容易
性並びに締め付け力の設計容易性が向上される。
【0075】
【実施の形態5】図19乃至図26は、本発明の車椅子
の実施の形態5を示す。尚、実施の形態5においては、
上記実施の形態1のアウターレース34に螺子部材37
が設けられると共に重制御部ユニット40の構成が異な
るのみなので、以下、実施の形態5での螺子部材37の
構成並びに荷重制御部ユニット70の構成を説明し、こ
れら螺子部材37並びに荷重制御部ユニット70以外の
構成は上記実施の形態1と同一に図示されるため、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0076】アウターレース32の大径円筒部32bの
下端面には螺子部材37が設けられている。この螺子部
材37は、図22(A),(B)に示すように、一端に
大径円筒部32bに螺合する螺子部37aと、大径円筒
部32bの下端面から突出するピン37bと、ピン37
bの端面に形成されて大径円筒部32bに螺子部37a
を螺合させる工具(例えば、マイナスドライバー)を係
合させるスリット37cとが形成されている。尚、螺子
部材37は大径円筒部32bの四等分点位置にそれぞれ
設けられている。
【0077】荷重制御部ユニット80は、ハブ19にハ
ブ固定螺子81によって固定されたベース円板82と、
ベース円板82と一面が接触するブレーキ板83と、ブ
レーキ板83をベース円板82側に向けて付勢する皿バ
ネ84と、皿バネ84の付勢力を発生させるために撓ま
せるプレート85と、ベース円板82に螺子86によっ
て固定されるカバー87とを備えている。
【0078】ベース円板82は、図23(A),(B)
に示すように、円形平板82aの中心に形成されてネジ
シャフト21が貫通する貫通穴82bと、円形平板82
aの裏面にシャフト貫通穴82bよりも大径に形成され
た凹部82cと、凹部82cの外側三等分点位置に形成
されてハブ固定螺子81が螺合するハブ固定雌ネジ穴8
2dと、円形平板82aの外周寄りの四等分点位置に形
成されて螺子86が螺合する雌螺子孔82eとを備えて
いる。
【0079】ブレーキ板83は、図24(A),(B)
に示すように、中心に形成されてネジシャフト21が貫
通する貫通穴83aと、螺子部材37のピン37bが貫
通するピン貫通孔83bとを備えている。なお、ブレー
キ板83の裏面(ベース円板82と接する面)には、摩
擦係数の高い材質のブレーキ部材(サンドブラスト状の
ものやゴムなど)を設けるか、同等の摩擦係数を有する
表面加工処理が施されている。
【0080】プレート85は、図25(A),(B)に
示すように、中心に形成されてネジシャフト21が貫通
する貫通穴85aと、螺子部材37のピン37bが貫通
するピン貫通孔85bと、皿バネ84を位置決めするた
めの位置決め凹部85cとを備えている。
【0081】カバー87は、図26(A),(B)に示
すように、ブレーキ板83,皿バネ84,プレート85
が畳重状態で位置する円筒収納部87aと、プレート8
5を介して皿バネ84を撓ませてブレーキ板83がベー
ス円板82に向けて付勢されるようにこれらをベース円
板82と協働して保持する蓋部87bと、蓋部87bに
形成されて大径円筒部32bが位置する開口87cと、
螺子86が貫通若しくは螺合する固定孔87dを四等分
点位置に形成した環状フランジ87eとを備えている。
【0082】上記の構成において、レバー17を直立さ
せてその中途部を双方向ロック位置部16cに係合させ
ると、図1の矢印A方向から見た場合、ピン17aを回
動中心とするレバー17の回動により、リンクアーム1
8を介してリリース部材34が回転し、その連結アーム
34eが図2の真上を向いた状態となる。
【0083】この状態においては、図8(A)に示すよ
うに、扇形アーム34dの基部が凹部31fの略中間に
位置しており、扇形アーム34dの両端に位置するコロ
38には非接触となっている。
【0084】従って、扇形アーム34dの両端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢により狭い間隙L2(図
8(B)参照)に押し出され、これにより内壁面32d
と平面部31gの双方にコロ38が食い込んでアウター
レース32の回転が阻止された状態となる。
【0085】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト80を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その回転阻止によって車輪12
の回転が双方向ともロックされた状態となる。
【0086】このような車輪12の双方向ロック状態で
は、車椅子10の乗り降り時や空の状態での走行防止に
効果を発揮することができる。
【0087】一方、例えば、レバー17を直立させての
双方向ロック状態から、ピン17aを回動中心としてレ
バー17の前傾回動させて前進方向許容位置部16dに
レバー17を係合させると、そのレバー17の回動に連
動してリンクアーム18を介してリリース部材34が回
転し、その連結アーム34eが図2の斜め後方を向いた
状態となる。
【0088】この状態においては、図10(A)に示す
ように、扇形アーム34dの基部が凹部31fの左側に
位置して扇形アーム34dの左端に位置するコロ38に
接触する。
【0089】従って、扇形アーム34dの左端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢に抗して広い間隙L1
(図8(B)参照)に押し戻されて内壁面32dと平面
部31gの双方へのコロ38の食い込みが解除される。
また、扇形アーム34dの右端に位置するコロ38は板
バネ39の付勢によって狭い間隙L2(図8(B)参
照)に押し出されたまま内壁面32dと平面部31gの
双方にコロ38が食い込んでアウターレース32の回転
阻止状態を維持する。
【0090】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト80を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その一方の回転許容・他方の回
転阻止によって車輪12の前進方向の回転(矢視Aの状
態で時計回り方向)のみが許容され、車輪12の後進方
向の回転(矢視Aの状態で反時計回り方向)のみがロッ
クされた状態となる。
【0091】このような後進ロックの状態では、上り坂
道を前進する際のように、車輪12の前進方向の回転の
みが許容され、車輪12の後進方向の回転はロックされ
ているので、逆走防止等に効果を発揮することができ
る。
【0092】他方、例えば、レバー17を直立させての
双方向ロック状態から、ピン17aを回動中心としてレ
バー17の後傾回動させて後進方向許容位置部16eに
レバー17を係合させると、そのレバー17の回動に連
動してリンクアーム18を介してリリース部材34が回
転し、その連結アーム34eが図2の斜め前方を向いた
状態となる。
【0093】この状態においては、図10(B)に示す
ように、扇形アーム34dの基部が凹部31fの右側に
位置して扇形アーム34dの右端に位置するコロ38に
接触する。
【0094】従って、扇形アーム34dの右端に位置す
るコロ38は板バネ39の付勢に抗して広い間隙L1
(図8(B)参照)に押し戻されて内壁面32dと平面
部31gの双方へのコロ38の食い込みが解除される。
また、扇形アーム34dの左端に位置するコロ38は板
バネ39の付勢によって狭い間隙L2(図8(B)参
照)に押し出されたまま内壁面32dと平面部31gの
双方にコロ38が食い込んでアウターレース32の回転
阻止状態を維持する。
【0095】アウターレース32は、荷重制御部ユニッ
ト80を介しての摩擦力により車輪12のハブ19に連
繋されていることから、その一方の回転許容・他方の回
転阻止によって車輪12の後進方向の回転(矢視Aの状
態で反時計回り方向)のみが許容され、車輪12の前進
方向の回転(矢視Aの状態で時計回り方向)のみがロッ
クされた状態となる。
【0096】このような前進ロックの状態では、信号待
ちをしている際に、不測に飛び出してしまうことが防止
されるばかりでなく、右左折車があった場合にその右左
折車が内輪差に伴う接近回避のためにすばやく車椅子1
0を後進させる等の際に効果を発揮することができる。
【0097】ところで、レバー17が椅子本体11の左
右に一対設けられていることから、双方のレバー17を
双方向ロック位置部16cに係合させれば、車椅子10
の前進・後進双方向の走行が停止されたことになる。ま
た、一方のレバー17を双方向ロック位置部16cに係
合させた状態で、他方のレバー17を前進方向許容位置
部16dに係合させてその他方のレバー17側の車輪1
2のハンドリム12aを押し出し回転することで一方の
レバー17側の車輪12を回転中心とした車椅子10を
前方向旋回(例えば、Uターン)させることができ、他
方のレバー17を後進方向許容位置部16eに係合させ
てその他方のレバー17側の車輪12のハンドリム12
aを引き戻し回転することで一方のレバー17側の車輪
12を回転中心とした車椅子10を後方向旋回(例え
ば、Uターン)させることが可能となる。さらに、一方
のレバー17を前進方向許容位置部16dに係合させる
と共に他方のレバー17を後進方向許容位置部16eに
係合させて、その一方のレバー17側の車輪12のハン
ドリム12aを押し出し回転しつつ他方のレバー17側
の車輪12のハンドリム12aを引き戻し回転すること
で車椅子10自体を中心として車椅子10を回転させる
ことができる。
【0098】また、車輪12と2ウェイクラッチ機構部
ユニット30とは、荷重制御部ユニット80を介して連
繋されていることから、その荷重制御部ユニット80の
バネ圧設定(皿バネ84の付勢力)並びに、ブレーキ板
83の摩擦係数設定により、通常走行状態では車輪12
を無理なく回転させ、段差の乗り上げ等に伴う大きな荷
重が車輪12から伝達された場合には、その荷重を吸収
する分だけ皿バネ84の付勢に抗してブレーキ板83が
スリップするため、2ウェイクラッチ機構部ユニット3
0に車輪12からの過大負荷が伝達されず、2ウェイク
ラッチ機構部ユニット30の部分的な破損や経時的劣化
が防止される。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
車椅子にあっては、椅子本体に固定するための固定部ユ
ニットと、固定部ユニットに同軸に設けられて車輪の前
進方向,後進方向,双方向の回転をロックさせる2ウェ
イクラッチ機構部ユニットと、2ウェイクラッチ機構部
ユニットと同軸に設けられて常時は車輪と一体に回転し
且つ車輪から所定以上の荷重が加わったときに2ウェイ
クラッチ機構部ユニットへの荷重伝達を阻止する荷重制
御部ユニットとでブレーキ機構を構成したことにより、
車輪から所定値以上の荷重が加わった場合には、その荷
重伝達を途中で吸収してブレーキ機構のダメージを緩和
することができ、経時的な劣化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる車椅子を示し、
車椅子の外観斜視図である。
【図2】同じく、一方側の操作部の側面図である。
【図3】同じく、(A)はガイド溝形状の一例の要部の
平面図、(B)はガイド溝形状の変形例の要部の平面
図、(C)はガイド溝形状の他の変形例の要部の平面図
である。
【図4】同じく、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図5】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面図
である。
【図6】同じく、ブレーキ機構の正面図である。
【図7】同じく、(A)はカラーの平面図、(B)はカ
ラーの破断図、(C)はカラーの底面図である。
【図8】同じく、(A)はクラッチ機構の要部断面図、
(B)は間隙の説明図である。
【図9】同じく、(A)は図1の矢印A方向から見た場
合の前進方向許容状態の要部の作用説明図、(B)は図
1の矢印A方向から見た場合の後進方向許容状態の要部
の作用説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係わる車椅子を示
し、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図11】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面
図である。
【図12】同じく、ブレーキ機構の正面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係わる車椅子を示
し、、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図14】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面
図である。
【図15】同じく、ブレーキ機構の正面図である。
【図16】本発明の実施の形態4に係わる車椅子を示
し、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図17】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面
図である。
【図18】同じく、ブレーキ機構の正面図である。
【図19】本発明の実施の形態5に係わる車椅子を示
し、ブレーキ機構の分解斜視図である。
【図20】同じく、ブレーキ機構の一部を破断した断面
図である。
【図21】同じく、ブレーキ機構の正面図である。
【図22】同じく、(A)螺子部材の正面図、(B)は
螺子部材の底面図である。
【図23】同じく、(A)はベース円板の断面図、
(B)はベース円板の底面図である。
【図24】同じく、(A)はブレーキ板の断面図、
(B)はブレーキ板の底面図である。
【図25】同じく、(A)はプレートの断面図、(B)
はプレートの底面図である。
【図26】同じく、(A)はカバーの断面図、(B)は
カバーの底面図である。
【図27】従来の車椅子の外観斜視図である。
【符号の説明】
10…車椅子 11…椅子本体 12…車輪 15…ブレーキ機構 20…固定部ユニット 30…2ウェイクラッチ機構部ユニット 40…荷重制御部ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D050 AA04 DD03 EE04 EE13 GG00 JJ01 3J058 AA03 AA06 AA13 AA18 AA23 AA30 AA37 BA46 CC08 CC76 CD30 FA50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】椅子本体の左右両側に回転可能に設けられ
    た一対の車輪と、前記椅子本体に固定されて前記一対の
    車輪の回転を個々に制御する一対のブレーキ機構と、該
    一対のブレーキ機構による前記一対の車輪の制御状態を
    指定するように前記椅子本体に保持された一対のレバー
    とを備え、 前記ブレーキ機構は、前記椅子本体に固定するための固
    定部ユニットと、該固定部ユニットに同軸に設けられて
    前記レバーの操作に応じて前記車輪の前進方向,後進方
    向,双方向の回転をロックさせる2ウェイクラッチ機構
    部ユニットと、該2ウェイクラッチ機構部ユニットと同
    軸に設けられて常時は前記車輪と一体に回転し且つ前記
    車輪から所定以上の荷重が加わったときに前記2ウェイ
    クラッチ機構部ユニットへの荷重伝達を阻止する荷重制
    御部ユニットとを備えていることを特徴とする車椅子。
  2. 【請求項2】前記2ウェイクラッチ機構部は、前記車体
    側に固定されたインナーレースと、前記荷重制御部ユニ
    ットを介して所定値以下の荷重の際に前記車輪と一体に
    回転するアウターレースと、前記インナーレースと前記
    アウターレースとの間に介装されて前記各レース間に食
    い込むことによって前記アウターレースの回転をロック
    する食込手段と、前記レバーの操作に連動して回動する
    ことによって前記食込手段の前記各レース間への食い込
    み状態を操作するように前記レバーに連結されたリリー
    ス部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の車椅子。
  3. 【請求項3】前記荷重制御ユニットは、前記車輪のハブ
    に固定されたベース円板と、該ベース円板に装着されて
    前記アウターレースの外壁面を所定の圧力で締め付ける
    ための一対のドラムブレーキ板と、該一対のドラムブレ
    ーキ板に締め付け力を発生させる作用部材とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車椅
    子。
  4. 【請求項4】前記荷重制御ユニットは、前記車輪のハブ
    に固定されたベース円板と、該ベース円板に保持されて
    前記アウターレースと弾性係合するラチェット板とを備
    えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の車椅子。
  5. 【請求項5】前記荷重制御ユニットは、前記車輪のハブ
    に固定されたベースと、該ベースに保持されて前記アウ
    ターレースを前記ベースに向けて付勢する楔部材とを備
    えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の車椅子。
  6. 【請求項6】前記荷重制御ユニットは、前記車輪のハブ
    に固定されたベース円板と、該ベース円板に支持されて
    前記アウターレースを締め付ける環状ブレーキと、該環
    状ブレーキに締め付け力発生させる作用部材とを備えて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車
    椅子。
  7. 【請求項7】前記荷重制御ユニットは、前記車輪のハブ
    に固定されたベース円板と、該ベース円板と一面が接触
    するブレーキ板と、該ブレーキ板を前記ベース円板側に
    向けて付勢する作用板部材とを備えていることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の車椅子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009000418A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Masaru Komiyama 車椅子のブレーキ装置
JP2014534361A (ja) * 2011-09-27 2014-12-18 ブローゼ ファールツォイクタイレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト コーブルクBrose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG,Coburg 自動車の調節エレメント用の駆動装置
CN111421998A (zh) * 2020-03-31 2020-07-17 无锡爱一力机械有限公司 一种棘轮助力机构

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