JP2010210028A - 自転車用ハブブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム部材の揺動位置に関わらず制動開始後の所望の制動特性を維持できるようにする。
【解決手段】前ブレーキ装置は、車輪のハブを制動可能な装置であり、フレームに装着可能な固定ブラケットと、ブレーキドラム40と、ブレーキ動作部と、円弧状の複数のブレーキシュー41とを備えている。ブレーキ動作部は、動作アーム部と、カム部材と、複数のローラ62とを有している。動作アーム部は、ブレーキレバーと連結可能である。カム部材は、動作アーム部と一体的に回動し、外周面に第1カム部を有する。複数のローラは、カム部材の回動により転動しつつ径方向に移動する。ブレーキシューは、ブレーキドラムの制動面に接触可能な接触面、及びローラとの接触部分にハブの回動中心C1からの距離が徐々に変化するように形成された第2カム部41d、を有している。ブレーキシューは、ブレーキドラムに制動作用する。
【選択図】図9

Description

本発明は、ハブブレーキ装置、特に、自転車のフレームに装着される車輪のハブを制動する自転車用ハブブレーキ装置に関する。
自転車用ブレーキ装置には、車輪のハブを制動する、ローラブレーキなどのハブブレーキ装置が従来知られている。ローラブレーキ装置は、フレームに固定可能な固定ブラケットと、固定ブラケットに対向して配置されたブレーキドラムと、動作アーム部、ローラ及びカム部材を有するブレーキ動作部と、ローラによりブレーキドラムに押圧されるブレーキシューと、を備えている。動作アーム部は、ブレーキレバーとブレーキケーブルを介して連結されている。カム部材は、動作アーム部の揺動に応じて制動解除位置から所定角度ハブ軸回りに回動する。カム部材の外周面には、制動解除位置から徐々に外径が大きくなるカム面が形成されている。ローラは、周方向に間隔を隔てて複数配置されており、カム部材とブレーキシューとの間に配置されている。動作アーム部が制動方向に揺動すると、ブレーキシューは、ローラを介してカム部材により押圧されてブレーキドラムに接触する。ブレーキシューは、ばね部材によりブレーキドラムから離反する方向に付勢されており、動作アーム部が制動解除方向に揺動すると、ばね部材の作用によりブレーキドラムから離反する方向に移動する。
このようなローラブレーキ装置において、従来は、カム部材のカム角度は一定に設定されている。カム部材のカム角度を一定にすると、ブレーキレバーを握り込んだときに、制動力が突然曲線的に上昇するおそれがある。
そこで、ブレーキレバーの握り始めは軽い力でブレーキを効かせ、握り込むと所望の制動力が得られる制動特性を有するものが知られている。このような機能を実現するために、従来は、カム部材のカム面の角度を、握り始めから徐々に大きくなるように設定している(例えば、特許文献1参照)。このようにカム面の角度を徐々に大きくすることにより、ブレーキレバーを充分に握り込んだときの制動力が小さくなる。この結果、ブレーキレバーのストロークに対して制動力が直線的に上昇する制動特性を得ることができる。このよう直線的な制動特性により、握り込んだときに所望の制動力が得られるようにしている。
特許第3682957号公報
一般に、ローラブレーキ装置では、経年使用によるブレーキドラム又はブレーキシューの磨耗若しくはカム部材(すなわち、動作アーム部)の初期位置のばらつきにより、ブレーキシューとブレーキドラムとの隙間が変化する。この隙間が変化すると、ブレーキシューがブレーキドラムに接触する制動開始時のカム部材の回動位置が変化する。前記従来のカム面の角度を徐々に大きくする構成では、このように制動開始時のカム部材の回動位置が変化すると、制動開始時からの制動特性が変化するおそれがある。
具体的には、磨耗によりブレーキシューとブレーキドラムとの隙間が広がると、ブレーキレバーで制動を開始するまでのストロークが大きくなる。すると、制動開始時の動作アーム部の揺動位置、つまりカム部材の回動位置が、磨耗が無い場合に比べて制動方向に変化し、制動開始後の制動特性が変化する。
また、制動開始までのストロークが大きい場合、ブレーキケーブルの張りをブレーキレバー側で調整したり、ブレーキケーブルを張り直したりする。すると、動作アーム部が制動方向に揺動し、ローラを介してカム部材により押圧されてブレーキシューがブレーキドラム方向に移動する。これにより、ブレーキシューとブレーキドラムとの隙間が狭くなり、制動開始までのストロークを小さくすることができる。このような調整を行っても、調整しない場合と同じように、制動開始時の動作アーム部の揺動位置、つまりカム部材の回動位置が制動方向に変化して制動開始後の制動特性が変化し、所望の制動特性を維持できない。
本発明の課題は、自転車用ハブブレーキ装置において、制動開始時のカム部材の揺動位置に関わらず制動開始後の所望の制動特性を維持できるようにすることにある。
発明1に係る自転車用ハブブレーキ装置は、自転車のフレームに装着される車輪のハブを制動可能な装置である。ハブブレーキ装置は、固定ブラケットと、ブレーキドラムと、ブレーキ動作部と、円弧状の複数のブレーキシューと、を備えている。固定ブラケットは、フレームに回転不能に装着可能なものである。ブレーキドラムは、内周面に形成された制動面を有し、固定ブラケットに対向して配置されハブと一体回転可能な円筒状のものである。ブレーキ動作部は、動作アーム部と、カム部材と、複数のローラと、を有している。動作アーム部は、固定ブラケットにハブの軸回りに揺動自在に装着され、自転車に装着されたブレーキレバーと連結可能なものである。カム部材は、動作アーム部と一体的に回動し、外周面に周方向で外径が徐々に大きくなる第1カム部を有する。複数のローラは、第1カム部に接触しかつ回転方向に間隔を隔てて設けられ、カム部材の回動により転動しつつ径方向に移動する。複数のブレーキシューは、カム部材とでローラを挟むように配置され、ブレーキドラムの制動面に接触可能な接触面、及びローラとの接触部分にハブの回動中心からの距離が徐々に変化するように形成された第2カム部、を有している。ブレーキシューは、固定ブラケットに対して実質的に回転不能であり、ブレーキドラムに制動作用する。
このハブブレーキ装置では、走行中にブレーキレバーを操作して動作アーム部を制動方向に揺動させると、カム部材が回動し、第1カム部がローラを介してブレーキシューを押圧し、ブレーキシューがブレーキドラムに接触する。ブレーキシューがブレーキドラムに接触して制動が開始されると、第1カム部の回動によりローラがブレーキシューに形成された第2カム部に接触して転がる。これにより、ブレーキシューが第1及び第2カム部のカム形状に応じてブレーキドラムを押圧する。このとき、第1カム部のカム角度を一定に設定しても、ブレーキレバーを握り込んだときの制動力を小さくすることができ、制動開始時から第2カム部で直線的に制動力を上昇させることができる。
ここでは、制動開始後はブレーキシューに形成した第2カム部のカム形状により制動特性を直線的に変化させることができる。このため、ブレーキシュー又はブレーキドラムの磨耗により、制動開始時の動作アーム部の回動位置が変化しても、制動開始後の制動特性が変化しにくい。したがって、制動開始時のカム部材の回動位置に関わらず制動開始後の制動特性を維持できるようになる。
発明2に係る自転車用ハブブレーキ装置は、自転車のフレームに装着される車輪のハブを制動可能な装置である。ハブブレーキ装置は、固定ブラケットと、ブレーキドラムと、ブレーキ動作部と、円弧状の複数のブレーキシューと、を備えている。ブレーキ動作部は、動作アーム部と、カム部材と、複数のローラと、を有している。動作アーム部は、固定ブラケットにハブの軸回りに揺動自在に装着され、自転車に装着されたブレーキレバーと連結可能なものである。カム部材は、動作アーム部と一体的に回動し、外周面に周方向で外径が徐々に大きくなる第1カム部を有する。複数のローラは、第1カム部に接触しかつ回転方向に間隔を隔てて設けられ、カム部材の回動により転動しつつ径方向に移動する。複数のブレーキシューは、カム部材とでローラを挟むように配置され、ブレーキドラムの制動面に接触可能な接触面、及びローラとの接触部分の第1位置でのハブの回動中心との距離が、第1位置から離反した第2位置での回動中心との距離と異なるように形成された第2カム部と、を含む。ブレーキシューは、固定ブラケットに対して実質的に回転不能であり、ブレーキドラムに制動作用する円弧状のものである。
このハブブレーキ装置では、走行中にブレーキレバーを操作して動作アーム部を制動方向に揺動させると、カム部材が回動し、第1カム部がローラを介してブレーキシューを押圧し、ブレーキシューがブレーキドラムに接触する。ブレーキシューがブレーキドラムに接触して制動が開始されると、第1カム部の回動によりローラがブレーキシューに形成された第2カム部に接触して第1位置から第2位置に向かって転がる。この第1位置は第2位置より回転軸芯からの距離が長いので、第2カム部によってブレーキシューはさらに押圧される。これにより、ブレーキシューが第1及び第2カム部のカム形状に応じてブレーキドラムを押圧し、制動開始時から第2カム部で直線的に制動力を上昇させることができる。
ここでは、制動開始後はブレーキシューに形成した第2カム部のカム形状により制動特性を直線的に変化させることができる。このため、ブレーキシュー又はブレーキドラムの磨耗により、制動開始時の動作アーム部の回動位置が変化しても、制動開始後の制動特性が変化しにくい。したがって、制動開始時のカム部材の回動位置に関わらず制動開始後の制動特性を維持できるようになる。
発明3に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明1に記載の装置において、ブレーキ動作部は、固定ブラケットに制動開始位置から所定距離回動可能に設けられ、ローラを周方向に間隔を隔てて配置するローラケースと、ローラケースを制動開始位置側に付勢する付勢部材と、をさらに有する。
この場合には、ブレーキシューがブレーキドラムに接触する制動時にローラケースが制動開始位置から移動しても、ブレーキシューがブレーキドラムから離反する制動解除時に付勢部材の付勢力によりローラケースが制動解除位置に戻る。このため、制動解除時のローラの位置を一定に維持できる。
発明4に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明2に記載の装置において、ブレーキ動作部は、固定ブラケットに制動開始位置から所定距離回動可能に設けられ、ローラを周方向に間隔を隔てて配置するローラケースと、ローラケースを制動開始位置側に付勢する付勢部材と、をさらに有する。
この場合には、ブレーキシューがブレーキドラムに接触する制動時にローラケースが制動開始位置から移動しても、ブレーキシューがブレーキドラムから離反する制動解除時に付勢部材の付勢力によりローラケースが制動解除位置に戻る。このため、制動解除時のローラの位置を一定に維持できる。
発明5に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明3に記載の装置において、第2カム部は、制動解除状態のときにローラが配置される内径が最も大きい制動解除カムと、制動解除カムの少なくとも片側に形成された制動カムと、有する。
この場合には、動作アーム部を制動解除方向に揺動させて制動解除すると、ローラが制動カムから制動解除カムに移動するので、制動解除時にローラが制動解除カムに確実に移動する。
発明6に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明5に記載の装置において、制動カムは、制動解除カムから離反するに連れて回動中心からの距離が徐々に小さくなるように形成されている。この場合には、ローラが制動カムを転がると、制動力が直線的に大きくなる制動特性を得ることができる。
発明7に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明4に記載の装置において、第2カム部は、制動解除状態のときにローラが接触する内径が最も大きい制動解除カムと、制動解除カムの少なくとも片側に形成された制動カムと、有する。
この場合には、動作アーム部を制動解除方向に揺動させて制動解除すると、ローラが制動カムから制動解除カムに移動するので、制動解除時にローラが制動解除カムに確実に移動する。
発明8に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明7に記載の装置において、制動カムは、制動解除カムとの境界にある第1位置と回動中心との距離が、第2位置から前記回動中心までの距離より長くなるように形成されている。この場合には、制動解除カムとの境界の第1位置が第2位置より回転軸芯からの距離が長いので、制動解除カムから制動カムへのローラの移動によりブレーキシューに直線的に上昇する力で押圧できる。
発明9に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明5から8のいずれかに記載の装置において、制動カムは、制動解除カムの両側に形成されている。この場合には、制動解除カムを挟んで同じカム形状の制動カムを対称に配置すると、前輪の動作アーム部と後輪の動作アーム部とは、逆方向に揺動するので、一方の制動カムを前輪用に使用し、他方の制動カムを後輪用に使用することができる。このため、前輪用と後輪用のブレーキシューを共通化できる。
また、同じカム形状の制動カムが制動解除カムの両側に配置されているので、ブレーキシューの表裏を反転して装着しても問題が生じなくなり、組立ミスが減少する。
さらに、異なるカム形状の制動カムを制動解除カムの両側に配置すると、表裏を反転させることにより1つのブレーキシューで異なる制動特性を得ることができる。
発明10に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明9に記載の装置において、制動カムは、制動解除カムを挟んで同じ割合で内径が徐々に小さくなる。この場合には、制動カムが制動解除カムを挟んで対称に配置されるので、ブレーキシューを表裏反転して装着しても同じ制動特性を得ることができる。また、前輪用のブレーキシューと後輪用のブレーキシューとを共通化できる。
発明11に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明5から10のいずれかに記載の装置において、制動解除カムと制動カムとの間には段差が形成されている。この場合には、段差を形成したので、段差によりブレーキシューを急速に径方向外方に移動させることができる。このため、制動解除状態から制動を開始するまでのブレーキケーブルのストロークを短くすることができる。
発明12に係る自転車用ハブブレーキ装置は、発明11に記載の装置において、ハブの回転中心と段差の始点及び終点とを結ぶ線分の差で表される段差の径方向の長さの差は、0.3mmから0.7mmの範囲である。この場合には、段差が小さいので、ブレーキケーブルのストロークを小さくするために段差を設けても、ローラがスムーズに段差を超えて転がることができる。
本発明によれば、制動開始後はブレーキシューに形成した第2カム部のカム形状により制動特性を直線的に変化させることができる。このため、ブレーキシュー又はブレーキドラムの磨耗により、制動開始時の動作アーム部の回動位置が変化しても、制動開始後の制動特性が変化しにくい。したがって、制動開始時のカム部材の回動位置に関わらず制動開始後の所望の制動特性を維持できるようになる。
本発明の一実施形態を採用した自転車の右側面図。 その自転車の制動システムの構成図。 前ブレーキ装置の側面図。 前ブレーキ装置の正面図。 前ブレーキ装置のカバー部材を外した状態の側面図。 前ブレーキ装置の半截断面拡大図。 前ブレーキ装置の分解斜視図。 ブレーキドラム及び固定ブラケットを除くブレーキ装置の正面図。 ブレーキシューのカム部分の拡大断面図。 前制動装置の制動動作を示す図。 前制動装置の制動動作を示す図。 レバー操作力と制動力との関係を示すグラフ。 レバーストロークと制動力との関係を示すグラフ。
<全体構成>
図1において、本発明の一実施形態を採用した自転車は軽快車であり、フレーム体2とフロントフォーク3とを有するフレーム1と、操舵用のハンドル部4と、ペダル5aの回転を後輪7に伝達するための駆動部5と、前輪6と、後輪7と、前輪6及び後輪7を制動するための制動システム8とを備えている。
フレーム1には、ハンドル部4、駆動部5、前輪6、後輪7、腰掛け用のサドル9、及び制動システム8等の各部が取り付けられている。
ハンドル部4は、フロントフォーク3の上部に固定されたハンドルステム10と、ハンドルステム10に固定されたハンドルバー11とを有している。前輪6及び後輪7は、ハブ軸15a(前輪用のみ図6に図示)を有する前後のハブ6a(前輪用のみ図4に図示)とハブ6aの外周側に配置される前後のリム6b,7bと、前後のリム6b,7bに装着されるタイヤ6c,7cと、ハブ6aとリム6b,7bとを連結するスポーク6d,7dとを有している。ハブ6aは、図6に示すように、フレーム1のフロントフォーク3に回転不能に装着されるハブ軸15aと、ハブ軸15aに回転自在に支持されるハブシェル15bとを有している。前ハブ6aは、図1に示すように、クイックレバー6eを有し、着脱が容易なクイックレリーズハブとなっている。ただし、クイックレリーズ部分の構造については、公知であるので、以下の説明ではクイックレリーズ部分の説明を省略し、通常の袋ナットで締め込むタイプのハブを用いた制動システムについて説明する。
<制動システムの構成>
制動システム8は、図2に示すように、前後の制動レバー12f,12rと、前後の制動レバー12f,12rによって動作するブレーキ装置13f,13rと、前後の制動レバー12f,12rと前後のブレーキ装置13f,13rとにそれぞれ連結された前後の制動ケーブル14f,14rとを有している。
制動ケーブル14f,14rは両端が制動レバー12f,12r及びローラブレーキ装置13f,13rに連結されたインナーケーブル16f,16rと、インナーケーブル16f,16rを覆うアウターケーブル17f,17rと、を有している。
前制動レバー12fはハンドルバー11の左端に装着されたグリップ18aの内側に、後制動レバー12rはハンドルバー11の右端に装着されたグリップ18bの内側にそれぞれ装着されている。制動レバー12f,12rは、鏡像関係にある同じ構造の部材である。制動レバー12f,12rは、ハンドルバー11に装着されたレバーブラケット20と、レバーブラケット20に揺動自在に支持されたレバー部材21と、レバーブラケット20にねじ込み固定されたアウター係止部22とを有している。
レバーブラケット20は、レバー部材21を揺動自在に支持するための揺動軸20aと、ハンドルバー11に着脱自在に装着可能な装着部20bと、アウター係止部22をねじ込み可能であるとともにインナーケーブル16f,16rが通過可能な雌ねじ部20cとを有している。
レバー部材21は、揺動軸20aに揺動自在に装着されており、図示しない付勢部材により制動解除側に付勢されている。レバー部材21は、制動ケーブル14f,14rのインナーケーブル16f,16rを係止するインナー係止部21aを有している。
<ブレーキ装置の構成>
前後のブレーキ装置13f,13rは、自転車用ハブブレーキ装置の一例であるローラブレーキである。ブレーキ装置13f,13rは、図2に示すように、フレーム1に装着される前輪6及び後輪7のハブ6aを制動するものである。ブレーキ装置13f,13r
は、図2、図3及び図7(前側のみ図示)に示すように、自転車のフレーム1に回転不能に固定される固定ブラケット30f,30rと、固定ブラケット30f,30rに対向して配置された円筒状のブレーキドラム40と、固定ブラケット30f,30rにハブ軸回りに揺動自在に装着されたブレーキ動作部33f,33rと、ブレーキドラム40に制動作用する複数のブレーキシュー41と、を有している。
固定ブラケット30f,30rは、ブレーキ装置13f,13rをフレーム1のフロントフォーク3又はチェーンスティ2a(図1)に装着するためのものである。固定ブラケット30f,30rは、たとえば鋼板をプレス成形して得られた第1面及び第2面を有するブラケット本体34と、ブラケット本体34に嵌合固定されブラケット本体34の第2面を覆うカバー部材35とを有している。カバー部材35は、金属薄板をプレス成形して形成されており、その表面に焼付塗装が施されかつ型番などの意匠が施されている。
ブラケット本体34は、ハブ軸15a(図6に前側のみ図示)が貫通する基部34aと、基部34aから実質的に径方向に延びる先細りのアーム部34bと、アーム部34bの先端に形成された実質的に等幅の板状の係止部34cとを有している。
ブラケット本体34の基部34aは、図6に示すように、ハブ軸15aの一端にねじ込まれた袋ナット45により押圧されてハブ軸15aに固定されている。基部34aにはアーム部34bの延出部分を除いて僅かな長さで筒部34dが形成されている。この筒部34dには、後述するブレーキドラム40の脱落を防止する第1抜け止め部材36,37を装着するための1対の装着孔38a,38bからなる部材装着部38が形成されている。
ブラケット本体34の係止部34cは、ブラケット固定部材25f,25rに固定されている。前側のブラケット本体34の係止部34cは、前輪6の着脱を容易にするためにブラケット固定部材25fにワンタッチで着脱可能に係止されている。前側の係止部34cの第1面(図6の表面)には、装着方向に延びかつ凹んだ凹部34eが形成されている。
ブラケット固定部材25f及び固定ブラケット30rには、アウターケーブル17f,17rを係止可能なアウター装着部31f,31rがそれぞれ装着されている。前側のブラケット固定部材25fには、アウター装着部31fがねじ止め固定されている。図4に示すように、アウター装着部31fは、アウターケーブル17fを係止可能なアウター係止部31aと、アウター係止部31aのケーブル軸線方向の係止位置をねじにより調整可能にアウター係止部31aを固定するアウター固定部31bとを有している。この軸線位置の調整によりブレーキの遊び(ブレーキドラムとブレーキシューとの隙間)を調整できる。
なお、以降の説明では、前後のブレーキ装置13f,13rにおいて、概ね構成が同じであるため、前ブレーキ装置13fの構成について説明する。
<ブレーキドラムの構成>
ブレーキドラム40は、図6に示すように、ハブと一体回転可能であり内周面に制動面51aを有する円筒状のドラム本体43と、ブレーキドラム40の外周側に固定されブレーキドラム40に固定された冷却ディスク44とを有している。
ドラム本体43は、開口50aを有する底部50と、底部50の外周側に形成された円周部51とを有する鉄製の皿状の部材である。開口50aの内周面には、ハブシェル15bを構成する左玉受け15cの外周面に一体回転可能に装着される凹凸部50bが形成されている。
円周部51の内周面には、円形の制動面51aが形成されている。制動面51aは、断面が径方向外方にいくにつれて幅が狭くなる等脚台形状に円周部51の軸方向中央部に凹んで形成されている。制動面51aの両辺が交差する角度は80度から100度の範囲が好ましい。制動面51aは、制動面に径方向外方に向けて凹んで形成されグリースが内部に充填される環状のグリース充填溝54を内周面に有している。グリース充填溝54は、制動面51aの最も凹んだ部分に形成されている。グリース充填溝54には組立時にグリースが充填されている。
冷却ディスク44は、図4〜図7に示すように、アルミニウム合金製の部材であり、ドラム本体43の外周面に圧入及びカシメにより固定されたものである。前側の冷却ディスク44には、多数の冷却フィン44aが内側面(図4右側面)に放射状に形成されている。
このように、冷却ディスク44をドラム本体43に圧入後カシメ固定することにより、冷却ディスク44をドラム本体43に確実に固定できる。この圧入及びカシメによる作業は熱を加える必要がないとともに同じ場所で行える。このため、熱による変色や変形を防止できるとともに、製造作業の手間も簡素になり、冷却ディスク44をドラム本体43に簡単かつ安価に固定できるようになる。
<ブレーキ動作部の構成>
ブレーキ動作部33f,33rは、形状は異なるが略同一の構成であるので、ここでは、前ブレーキ動作部33fについて説明する。前ブレーキ動作部33fは、固定ブラケット30fに揺動自在に設けられ、ブレーキシュー41をブレーキドラム40側に圧接させるものである。
前ブレーキ動作部33fは、図6及び図7に示すように、動作アーム部60と、動作アーム部60と一体的に回動するカム部材61と、カム部材61とブレーキシュー41との間に配置されたローラ62と、を有している。また、ブレーキ動作部33fは、カム部材61とブレーキシュー41との間に両者に接触しかつ回転方向に間隔を隔てて設けられた複数(例えば6つ)のローラ62と、回転方向に間隔を隔ててローラ62を保持するローラケース63とをさらに有している。
<動作アーム部の構成>
動作アーム部60は金属板材の部材である。動作アーム部60は、固定ブラケット30fのブラケット本体34に、ハブ軸15a回りに制動解除位置(図10)と、制動位置(図11)とに揺動自在に装着されている。動作アーム部60の先端には制動ケーブル14fのインナーケーブル16fの先端を係止するインナー装着部64が着脱自在に装着されている。このインナーケーブル16fによりインナー装着部64を介して動作アーム部60は、自転車のハンドル部4に装着された制動レバー12fと連結される。動作アーム部60の基端は、折れ曲がってブラケット本体34の基部の内側に挿入されている。挿入部分には、カム部材61の外周面に係合する係合孔60a(図6,図7)が形成されている。動作アーム部60は、第2ばね部材70(図7)により制動解除方向に付勢されている。第2ばね部材70は、捩じりコイルばねであり、一端がブラケット本体34に係止され、他端が動作アーム部60の先端まで延び先端に形成された係止孔60bに係止されている。動作アーム部60の外方はカバー部材35により覆われている。動作アーム部60の先端にインナー装着部64が着脱自在に装着される。インナー装着部64は、インナーケーブル16fを係止可能なインナー係止部68を有している。
<カム部材の構成>
カム部材61は、動作アーム部60に一体回動可能にカシメ固定されており、動作アーム部60の揺動により回動する。カム部材61は、図7、図8及び図10に示すように、厚肉円筒状のたとえば鋼鉄製の部材である。カム部材61の外周面には、制動レバー12fのレバーストロークに比例して外径が徐々に大きくなる傾斜カム面61aと、傾斜カム面61aの間に配置され傾斜カム面61aより凹んで形成された凹部61bとを有する第1カム部61cが形成されている。この実施形態では、傾斜カム面61aは、図10の時計回りに周方向の外径が徐々に大きくなるように形成されている。具体的には、カム角度が一定に設定されている。このため、第1カム部61cによりローラ62を押圧すると、動作アーム部60の揺動位置に関わらず一定の制動特性が得られる。
<ローラの構成>
ローラ62は、カム部材61の回動によりブレーキシュー41を径方向に押圧してブレーキシュー41に圧接させるためのものである。ローラ62は、カム部材61の外周面とブレーキシュー41の後述する第2カム部41dとの間に装着されている。ローラ62はローラケース63によりブレーキドラム40の回転方向に間隔を隔てて配置され径方向に移動自在である。ローラ62は、カム部材61の回動により転動しつつ径方向に移動する。具体的には、ローラ62はカム部材61の回動によって時計回りに自転しながら反時計回りに公転し、ローラケース63はローラ62の公転によって反時計回りに移動する。
<ローラケース63の構成>
ローラケース63は、ハブ軸回りに僅かな距離だけ回動可能である。ローラケース63には、ローラ62を保持するためのハブ軸方向外方に突出した、たとえば6つの保持突起63aが回転方向に間隔を隔てて形成されている。一つの保持突起63aにさらにハブ軸方向外方に突出して形成された係止突起63bが形成されている。この係止突起63bは、ブラケット本体34に制動開始位置から僅かな距離だけハブ軸回りに移動可能に係止されている。ブラケット本体34には、図5、図6及び図7に示すように、この係止突起63bが係合する円周方向に長い円弧状の長孔34gが形成されている。長孔34gは、円周方向の長さが係止突起63bより長い。この長さの差だけローラケース63は、制動開始位置から円周方向に回動可能である。ローラケース63と係止突起63bとの間には第3ばね部材72が装着されている。第3ばね部材72は、ローラケース63を図5の時計回りに制動解除位置に向けて付勢している。このため、ローラケース63に保持されたローラ62は、カム部材61の回動によりブレーキドラム40に対して反時計回りに僅かの距離(長孔34gと係止突起63bの円周方向の長さの差の距離)だけ転動可能である。ローラケース63内において、ローラ62の周囲には防錆油が充填されている。これにより、カム部材61の回動に対してローラ62がスムーズに径方向に移動できる。
<ブレーキシューの構成>
ブレーキシュー41は、図8に示すように、たとえば周方向で3つに分割されたリング状の、例えばクロムモリブデン鋼製の部材である。ブレーキシュー41は、カム部材61とでローラ62を挟むように配置されている。ブレーキシュー41は、図6に示すように、制動時に制動面51aに接触可能に接触面41aを外周面に有している。接触面41aは、断面が制動面51aに接触可能に凸に突出した等脚台形状に形成されている。接触面41aの両辺が交差する角度は、制動面51aの交差角度より大きいか等しい。接触面41aの中央部には、第1ばね部材53が装着される環状の収納溝41bが形成されている。収納溝41bは、グリース充填溝54の第1溝54aに対向するように形成されている。
ブレーキシュー41の内周面には、回転方向に所定の長さで形成された回転止め部41cが径方向外方に凹んで形成されている。この回転止め部41cに固定ブラケット30fのブラケット本体34に形成された3つの係止突起34f(図6,図7)がはまり込み、分割されたブレーキシュー41の回転を防止している。ただし、係止突起34fと回転止め部41cとの遊び分はブレーキシュー41が僅かに回転する。
分割されたブレーキシュー41の回り止め部41cの両側内周面には、図8に示すように、ローラ62に係合する第2カム部41dが形成されている。第2カム部41dは、ローラ62との接触部分に内径が徐々に変化するように形成されている。第2カム部41dは、制動解除時にローラ62が配置される制動解除カム41eと、制動解除カム41eの両側に配置された制動カム41f,49gと、を有している。
制動解除カム41eは、回動中心C1を中心とし回動中心C1からの内径が最も大きい円弧状の部分である。制動解除カム41eは、制動カム41fとの間には、段差41hが形成されている。段差41hは、制動解除カム41eと制動カム41fとの間をつなぐ円弧で構成されている。前ハブ6aの回動中心C1から段差41hの始点及び終点を結ぶ2本の直線L1,L2の差で表せる段差41hの径方向の長さは、0.3mmから0.7mmの範囲である。
制動カム41fは、例えば前輪用のブレーキ装置13fに用いられ、制動カム41gは、後輪用のブレーキ装置13rに用いられる。ブレーキ装置13fの動作アーム部60は、制動時に図2反時計回りに揺動し、ブレーキ装置13rの動作アーム部60は、図2時計回りに揺動する。このため、カム部材61の回動方向が前輪用と後輪用とでは逆方向になる。この結果、ローラ62の公転方向も逆になり、前輪用の場合は、ローラ62が制御カム41f側に反時計回りに公転し、後輪用の場合は、時計回りに公転する。
制動カム41fは、制動解除カム41e側の第1位置D1での回動中心C1からの距離が第1位置D1から離反した第2位置D2での回動中心C1からの距離より長く形成された傾斜カム面を有している。具体的には、制動カム41fは、第1位置D1での回動中心C1から延びる直線L2の長さより第2位置D2での直線L3の長さが短くかつ第1位置D1から第2位置D2に向かって回動中心C1からの距離が徐々に短くなるような傾斜カム面を有している。この実施形態では、傾斜カム面は、概ね円弧状の曲線で構成されている。傾斜カム面の円弧の中心C2は、回動中心C1より制動解除カム41eに接近しかつ制動解除カム41eの中心部と回動中心C1とを結ぶ直線L4より逆側の制動カム41f側に変位した位置にある。なお、傾斜カム面の中心C2は、上記位置に限定されない。また、傾斜カム面を円弧ではなく、複数の連続する直線や円弧と異なる曲線で形成してもよい。
制動カム41gは、制動カム41fと制動解除カム41eを挟んで同じ割合で内径が徐々に小さくなるように形成されている。したがって、制動カム41fと制動カム41gとは、直線L4を挟んで線対称に配置されている。このため、たとえば、制動カム41fを前輪用のブレーキ装置13fに用い、制動カム41gを後輪用のブレーキ装置13rに用いても略同等の制動特性が得られる。
なお、図9では、回動中心C1と中心C2との半径方向の距離は正確には表されていない。
第1ばね部材53は、弾性線材を円形に湾曲して形成された環状のばね部材である。第1ばね部材53は、3つの分割されたブレーキシュー41をブレーキドラム40から離反する位置、つまり径方向内方に付勢している。第1ばね部材53の一端には、径方向外方に折り曲げて突出した突出部53aが形成されている。突出部53aは、内周部から1.4mm〜2.0mmの範囲で突出して形成されている。突出部53aの先端は、ブレーキシュー41がブレーキドラム40に接触する制動時にグリース充填溝54の第1溝54a内に位置し、ブレーキシュー41がブレーキドラム40から離反する制動解除時に第1溝54a溝より径方向内方に位置する。これにより、制動時に突出部53aは、第1溝54aに充填されたグリースを制動面51aに向けてかき出すことができる。
<制動システムの動作>
制動ケーブル14f,14rをセットした状態では、インナーケーブル16f,16rは緊張状態になっているため、制動レバー12f,12rに装着されたアウター係止部22又は前後のブレーキ装置13f,13rに装着されたアウター装着部31f,31rによって遊びを調整する。これにより、制動レバー12f,12rを操作しないと、図10に示すように、ブレーキシュー41とブレーキドラム40との間に隙間(遊び)が形成される。
この状態で前制動レバー12fを引き込み操作すると、インナーケーブル16fが第2ばね部材70の付勢力に抗して引っ張られ、動作アーム部60が図10に示す制動解除位置から図11に示す制動位置に反時計回りに揺動する。動作アーム部60が反時計回りに回動すると、カム部材61も回動する。カム部材61が回動すると、ローラ62が第1カム部61cの傾斜カム面61aに乗り上げる。これよりローラ62が傾斜カム面61aに押圧されて第1ばね部材53の付勢力に抗して径方向外方に移動する。この移動途中で、ブレーキシュー41がブレーキドラム40に接触すると、ローラ62がブレーキシュー41をブレーキドラム40に向けて押圧する。また、ローラ62がカム部材61との摩擦等により図9に矢印Rで示す時計回りに転動し、ローラケース63が反時計回りに回動する。
ローラ62が時計回りに転動すると、ローラ62は、第2カム部41dの制動解除カム41eから図9左側の制動カム41fに向かって移動する。この結果、第1カム部61cの径方向の増加量に加えて第2カム部41dの径方向の減少量が加わって、レバーストロークに対して直線的に増加する制動力が得られる。
この様子を図12及び図13にグラフで示す。図12は、制動レバー12fの操作力を横軸に、制動力を縦軸に表したグラフである。また、図13は、制動レバー12fのレバーストロークを横軸に、制動力を縦軸に表したグラフである。ここで、実線は、ブレーキシュー41の内周面に第2カム部41dを有する本発明の一実施形態によるブレーキ装置13fを示している。破線は、第1カム部を有さずかつカム部材の第1カム部のカム角度が一定の比較対照の従来のブレーキ装置を示している。
図12及び図13から明らかなように、第2カム部41dの有無以外は全く同じ本実施形態のブレーキ装置13fと従来のブレーキ装置とを比較した場合、レバー操作力又はレバーストロークが小さいときの制動力は略同じである。レバー操作力又はレバーストロークが大きいときの制動力は、第2カム部41dがある本実施形態のブレーキ装置13fの方が小さくなる。
従来の第2カム部を有さないブレーキ装置では、レバー操作力又はレバーストロークを徐々に大きくしていくと突然制動力が曲線的に上がる。これに対し、第2カム部41dを有するブレーキ装置13fでは、レバー操作力又はレバーストロークが大きいときでも制動力が突然大きくなることはなく、直線的になる。
また、カム部材61が一定のカム角度を有しているので、どのような回動位相にあっても、ブレーキシュー41がブレーキドラム40に接触し制動を開始してからの制動特性が変動しにくい。したがって、制動開始時のカム部材61の回動位置に関わらず制動開始後の制動特性を維持できるようになる。
前制動レバー12fから手を離すと、第2ばね部材70により動作アーム部60が制動解除位置側に戻されるとともに、動作アーム部60に連動するカム部材61の回動に伴って第1ばね部材53によりブレーキシュー41が内周側に移動する。このとき、ローラケース63も第3ばね部材72により図11時計回りに付勢されて回動する。これにより、ローラ62は、制動解除カム41eに配置される。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、制動面51aや接触面41aを台形状に形成したが、平坦な円周面であってもよい。
(b)前記実施形態では、第2カム部41dをブレーキシュー41の内周面に一体形成したが、別体で形成してもよい。
(c)前記実施形態では、同じカム形状の制動カム41f,41gを制動解除カム41eの両側に配置した。このように、二つの制動カムのカム形状を同じにすれば、前輪用と後輪用とでブレーキシューの共通化を図れる。また、表裏を反転しても使用できるため、組立ミスを減少できる。しかし、本発明はこれに限定されない。たとえば、異なる形状の二つの制動カムを、制動解除カムを挟んで配置しても良い。この場合には、ブレーキシューの表裏を反転して装着すると、一つのブレーキシューで異なる制動特性を得ることができる。また、制動解除カムの片側にだけ制動カムを配置しても良い。
1 フレーム
6,7 前輪及び後輪
6a 前ハブ
13f,13r 前後のブレーキ装置
30f,30r 前後の固定ブラケット
33f,33r 前後のブレーキ動作部
40 ブレーキドラム
41 ブレーキシュー
41a 接触面
41d 第2カム部
41e 制動解除カム
41f,41g 制動カム
41h 段差
51a 制動面
60 動作アーム部
61 カム部材
61c 第1カム部
62 ローラ
C1 回動中心

Claims (12)

  1. 自転車のフレームに装着される車輪のハブを制動可能な自転車用ハブブレーキ装置であって、
    前記フレームに回転不能に装着可能な固定ブラケットと、
    内周面に形成された制動面を有し、前記固定ブラケットに対向して配置され前記ハブと一体回転可能な円筒状のブレーキドラムと、
    前記固定ブラケットに前記ハブの軸回りに揺動自在に装着され、前記自転車に装着されたブレーキレバーと連結可能な動作アーム部、前記動作アーム部と一体的に回動し、外周面に周方向で外径が徐々に大きくなる第1カム部を有するカム部材、及び前記第1カム部に接触しかつ周方向に間隔を隔てて設けられ、前記カム部材の回動により転動しつつ径方向に移動する複数のローラ、を有するブレーキ動作部と、
    前記カム部材とで前記ローラを挟むように配置され、前記ブレーキドラムの前記制動面に接触可能な接触面、及び前記ローラとの接触部分に前記ハブの回動中心との距離が徐々に変化するように形成された第2カム部、を有し、前記固定ブラケットに対して実質的に回転不能であり、前記ブレーキドラムに制動作用する円弧状の複数のブレーキシューと、
    を備えた自転車用ハブブレーキ装置。
  2. 自転車のフレームに装着される車輪のハブを制動可能な自転車用ハブブレーキ装置であって、
    前記フレームに回転不能に装着可能な固定ブラケットと、
    内周面に形成された制動面を有し、前記固定ブラケットに対向して配置され前記ハブと一体回転可能な円筒状のブレーキドラムと、
    前記固定ブラケットに前記ハブの軸回りに揺動自在に装着され、前記自転車に装着されたブレーキレバーと連結可能な動作アーム部、前記動作アーム部と一体的に回動し、外周面に周方向で外径が徐々に大きくなる第1カム部を有するカム部材、及び前記第1カム部に接触しかつ回転方向に間隔を隔てて設けられ、前記カム部材の回動により転動しつつ径方向に移動する複数のローラ、を有するブレーキ動作部と、
    前記カム部材とで前記ローラを挟むように配置され、前記ブレーキドラムの前記制動面に接触可能な接触面、及び前記ローラとの接触部分の第1位置での前記ハブの回動中心との距離が、前記第1位置から離反した第2位置での前記回動中心との距離と異なるように形成された第2カム部と、を含み、前記固定ブラケットに対して実質的に回転不能であり、前記ブレーキドラムに制動作用する円弧状の複数のブレーキシューと、
    を備えた自転車用ハブブレーキ装置。
  3. 前記ブレーキ動作部は、
    前記固定ブラケットに制動開始位置から所定距離回動可能に設けられ、前記ローラを周方向に間隔を隔てて配置するローラケースと、
    前記ローラケースを前記制動開始位置側に付勢する付勢部材と、をさらに有する、請求項1に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  4. 前記ブレーキ動作部は、
    前記固定ブラケットに制動開始位置から所定距離回動可能に設けられ、前記ローラを周方向に間隔を隔てて配置するローラケースと、
    前記ローラケースを前記制動開始位置側に付勢する付勢部材と、をさらに有する、請求項2に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  5. 前記第2カム部は、制動解除状態のときに前記ローラが配置される内径が最も大きい制動解除カムと、前記制動解除カムの少なくとも片側に形成された制動カムと、有する、請求項3に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  6. 前記制動カムは、前記制動解除カムから離反するに連れて前記回動中心からの距離が徐々に小さくなるように形成されている、請求項5に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  7. 前記第2カム部は、制動解除状態のときに前記ローラが接触する内径が最も大きい制動解除カムと、前記制動解除カムの少なくとも片側に形成された制動カムと、有する、請求項4に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  8. 前記制動カムは、前記制動解除カムとの境界にある前記第1位置と前記回動中心との距離が、前記第2位置から前記回動中心までの距離より長くなるように形成されている、請求項7に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  9. 前記制動カムは、前記制動解除カムの両側に形成されている、請求項5から8のいずれか1項に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  10. 前記制動カムは、前記制動解除カムを挟んで同じ割合で内径が徐々に小さくなる、請求項9に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
    請求項9に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  11. 前記制動解除カムと前記制動カムとの間には段差が形成されている、請求項5から10のいずれか1項に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
  12. 前記ハブの回転中心と前記段差の始点及び終点とを結ぶ線分で表される前記段差の径方向の長さは、0.3mmから0.7mmの範囲である、請求項11に記載の自転車用ハブブレーキ装置。
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