JPH0427731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、車両の駐車ブレーキ機構に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の駐車ブレーキ機構にあつては、第５図に
示すように、車体側に枢着される駐車ブレーキレ
バー１の枢軸２を中心とする円弧状の縁３に沿つ
てブレーキケーブル４を配置し、ブレーキケーブ
ル４の端部に設けたアジヤスタブルボルト５を、
前記駐車ブレーキレバー１に設けた案内孔１ａに
通し、この案内孔１ａから突出するアジヤスタブ
ルボルト５にナツト６を螺合さて、このナツト６
が駐車ブレーキレバー１に係当するようにしたも
のがある。

また、この駐車ブレーキレバー１は、コンソー
ルボツクス８内に収納され、グリツプ部７とブレ
ーキレバー１上端部分のみがこのコンソールボツ
クス８の外に位置するようにされている（実開昭
58−25764号など）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の駐車ブレーキ
機構にあつては、駐車ブレーキレバーの解除動作
時に、駐車ブレーキケーブル４が弛み、アジヤス
タブルボルトが案内孔１ａからさらに突出して、
抜け出してしまう問題点があつた。

また、コンソールボツクス８には、前記グリツ
プ部７の操作に伴う揺動を許容するための切欠き
部が開設されており、この切欠き部からは、侵入
したゴミや内部の機構が覗き見えるため不潔感や
見栄の悪さを有していた。

この考案は、このような従来例の問題点に着目
して案出されたものであつて、アジヤスタブルボ
ルトの案内孔１ａからの抜け出しを防止すると共
に、コンソールボツクス８の内側を遮蔽した外観
の良い駐車ブレーキ機構の提供をその目的として
いる。

〔問題点を解決するための手段〕 この考案は、駐車ブレーキレバーをコンソール
ボツクス外にグリツプ部が突出するように、車体
側に枢着すると共に、駐車ブレーキレバーに設け
た案内部に挿入されて軸方向へ移動可能とされた
駐車ブレーキケーブルの端部に設けられたアジヤ
スタブルボルトに螺合するナツトを案内部開口端
に当てて駐車ブレーキケーブルの引張り方向の移
動を抑止した駐車ブレーキにおいて、前記グリツ
プ部の操作に伴なう揺動を許容するように駐車ブ
レーキレバーに係合されてコンソールボツクスの
切欠きの内側を遮蔽する遮蔽部と、前記アジヤス
タブルボルトが前記案内部から駐車ブレーキケー
ブルの引張り方向と逆方向に変位するのを制限す
るストツパ部とからなる留め部材を前記コンソー
ルボツクス内に備えたことを、その構成としてい
る。

〔作用〕

駐車ブレーキレバーに設けられた遮蔽部がコン
ソールボツクスの切欠きを遮蔽し、コンソールボ
ツクスの内部が該切欠きを通して見えないように
すると共に、ごみ等がコンソールボツクス内部に
入るのを防止する。

ストツパ部は、アジヤスタブルボルト頭部を押
えてこのボルトの駐車ブレーキレバーに対する揺
動を制限し、アジヤスタブルボルトの抜け出しを
防止する。

〔実施例〕

以下、この考案の詳細を図面に示す一実施例に
ついて説明する。

図中、１は車体側に枢着された駐車ブレーキレ
バーである。この駐車ブレーキレバー１には、枢
軸２を中心とする円弧状の縁３が設けられてお
り、この縁３に沿つて駐車ブレーキケーブルの先
端には、アジヤスタブルボルト５を設け、このア
ジヤスタブルボルト５は、駐車ブレーキレバー１
に設けた案内部としての案内孔１ａ（断面として
図は描いてある）に通し、この案内孔１ａから突
出する部分にナツト６及び袋状ナツト１２を螺合
させている。なお、前記袋状ナツト１２は、駐車
ブレーキレバー１に開設されたナツト嵌挿孔１ｂ
から外方に突出し得る長さを有したものである。

図中、８はコンソールボツクスであつて、前記
駐車ブレーキレバー１の上端部分をグリツプ部７
を除いた基部を収納している。また、コンソール
ボツクス８には、グリツプ部７の操作による揺動
を許容するための切欠き８ａが開設されている。

そして、前記駐車ブレーキレバー１における、
前記切欠き８ａの内側位置には、この切欠き８ａ
の内側を遮蔽する板状の遮蔽部９を設けている。

また、遮蔽部９の上側縁には、板状のストツパ
部１０を前記筒状ナツト９の頭部を押す方向にバ
ネ（図示せず）をもつて付勢するようにピン１３
にて枢支して、留め部材Ａを構成している。な
お、第２図に示すように、遮蔽部９には、駐車ブ
レーキレバー１を嵌合する孔９ａを開設してい
る。そして、前記ストツパ部１０の端縁には、袋
状ナツト１２の頭部に係合する係合片１０ａを設
けている。前記ストツパ部１０は、バネに抗して
持ち上げることが可能である。袋状ナツト１２及
びナツト６の調整を可能にしている。

次に、上記実施例の作用を説明する。

第１図の状態は駐車ブレーキ解除時を示してい
る。この状態では駐車ブレーキレバー１に係合し
た遮蔽部９が図示の状態にあり、コンソールボツ
クス８の切欠き８ａの所に位置してコンソールボ
ツクス内部が見えないようになつている。また、
ストツパ部１０は図示しないスプリングにて袋状
ナツト１２を下方へ付勢し、アジヤスタブルボル
ト５が案内孔１ａから不必要に上方移動するのを
抑止している。

この状態からグリツプ部７を持つて上方へ引き
上げると、遮蔽部９も駐車ブレーキレバー１と一
体的にピン１３を中心として第１図中時計方向へ
回動し、駐車ブレーキレバー１の回動を防ぐこと
はない。駐車ブレーキレバー１は駐車ブレーキケ
ーブル４を引き、車輪側の駐車ブレーキを作動さ
せる。この場合も遮蔽部９がコンソールボツクス
の切欠き８ａから内部から見えないようになつて
いる。

駐車ブレーキを解除するにはグリツプ部７先端
のプツシユボタンを押しながら駐車ブレーキレバ
ー１を押し下げればよい。このときも遮蔽部９は
駐車ブレーキレバー１と一体的にピン１３回りに
反時計方向へ回動し、ブレーキレバー１の回動を
防げない。このとき駐車ブレーキケーブル４が緩
み場合によつてはアジヤスタブルボルト５が案内
孔１ａから上方へ脱け出ようとするが、ストツパ
部１０の付勢により阻止される。コンソールボツ
クス内部が見えないのも前記同様である。

第３図は、この考案に係わる駐車ブレーキレバ
ー機構の他の一実施例を示している。

この実施例においては、ナツト６の上から筒状
ナツト１１をアジヤスタブルボルト５に螺合させ
ている。また、駐車ブレーキレバー１に設けられ
る留め部材Ａにおけるストツパ部１０の下面には
突起１０ｂが設けられており、この突起１０ｂは
筒状ナツト１１の上部開口部に係合している。こ
のストツパ部１０は、上記実施例と同様、板状の
ものであり、遮蔽部９に枢着され、さらにバネ
（図示せず）により前記筒状ナツト１１を押す方
向に付勢されている。

なお、他の構成は、上記実施例と同様である。

第４図は、留め部材Ａの他の例を示しており、
遮蔽部９に対して所定の角度を持たせて一体的に
設けたストツパ部１０に、持ち上げることにより
ナツト６，１１，１２等の調整を可能にする可動
片１０ｃを設けた構成としている。

なお、この留め部材Ａは、ゴムなどの弾性体で
成形され、袋状ナツト１１又は筒状ナツト１２を
押す方向に付勢するように、駐車ブレーキレバー
１に固定されている。

以上、実施例について、述べたが、この考案に
おいては、この他に各種の設計変更か可能であ
る。

前記した各実施例にあつては、ストツパ部１０
が、袋状ナツト１１又は筒状ナツト１２の頭部を
おさえる構成であるが、これらのナツト１１，１
２を省略し、アジヤスタブルボルト５を該ストツ
パ部１０が直接係当する構成とすることも可能で
ある。

また、留め部材Ａは、駐車ブレーキレバー１に
接着等により固定させる他、駐車ブレーキレバー
１と一体的に成形する構成とすることも可能であ
る。

さらに、案内部も上記実施例の形状に限ること
なく、例えば四角筒状や上下に分割したものでも
よいことは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかように、この考案にあつ
ては、ストツパ部がアジヤスタブルボルト又は、
このアジヤスタブルボルトに螺合したナツトなど
に当接してアジヤスタブルボルトをおさえること
により、駐車ブレーキレバーに対するアジヤスタ
ブルボルトの不必要な軸方向移動を制限するた
め、駐車ブレーキレバーの解除動作に伴いアジヤ
スタブルボルトが駐車ブレーキレバーから遊離す
るのを防止する効果がある。

また、遮蔽辺はコンソールボツクス外から、グ
リツプ部の操作に伴う揺動を許容するための切欠
き部を通して、コンソールボツクス内部が見える
のを防止し、外観を向上させ、かつごみ等がコン
ソールボツクス内部に入るのを防ぐ効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る駐車ブレーキ機構の一
実施例を示す側面図、第２図は同実施例における
留め部材を示す斜視図、第３図は同他の一実施例
を示す側面図、第４図は留め部材の変形例を示す
斜視図、第５図は従来例を示す側面図である。 １……駐車ブレーキレバー、４……ブレーキケ
ーブル、５……アジヤスタブルボルト、７……グ
リツプ部、８……コンソールボツクス、９……遮
蔽部、１０……ストツパ部、１２……筒状ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駐車ブレーキレバーをコンソールボツクス外に
   グリツプ部が突出するように、車体側に枢着する
   と共に、駐車ブレーキレバーに設けた案内部に挿
   入されて軸方向へ移動可能とされた駐車ブレーキ
   ケーブルの端部に設けられたアジヤスタブルボル
   トに螺合するナツトを案内部開口端に当てて駐車
   ブレーキケーブルの引張り方向の移動を抑止した
   駐車ブレーキにおいて、前記グリツプ部の操作に
   伴なう揺動を許容するように駐車ブレーキレバー
   に係合されてコンソールボツクスの切欠きの内側
   を遮蔽する遮蔽部と、前記アジヤスタブルボルト
   が前記案内部から駐車ブレーキケーブルの引張り
   方向と逆方向に変位するのを制限するストツパ部
   とからなる留め部材を前記コンソールボツクス内
   に備えたことを特徴とする駐車ブレーキ機構。