JP2002084686A - 給電装置、搬送車及び搬送システム - Google Patents

給電装置、搬送車及び搬送システム

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JP2002084686A
JP2002084686A JP2000267703A JP2000267703A JP2002084686A JP 2002084686 A JP2002084686 A JP 2002084686A JP 2000267703 A JP2000267703 A JP 2000267703A JP 2000267703 A JP2000267703 A JP 2000267703A JP 2002084686 A JP2002084686 A JP 2002084686A
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pickup
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Tsubakimoto Chain Co
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷に過大電流が流れるのを防ぎ、ピックア
ップコイルに生じる過大電流、及び共振コンデンサに生
じる過大電圧により回路素子が破壊・燃焼するのを防
ぎ、異常の表示が可能であり、電力供給を遠隔操作する
ことができる給電装置、搬送車及び搬送システムの提
供。 【解決手段】 ピックアップコイルL1,L2、整流回
路4、及び出力端子U,Vを備える給電装置において、
前記整流回路4の出力側端子と前記出力端子U,Vとの
間にリレーR1,R2が接続されており、一方、前記ピ
ックアップコイルL1,L2とリレーコイルr1,r2
とに接続され、前記整流回路4の出力側端子から電力を
得ることにより、前記ピックアップコイルL1,L2の
両端の電圧に応じて前記リレーR1,R2のオン/オフ
制御を行う保護回路(スイッチング制御回路)6を備え
る構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過負荷が加わるこ
とにより回路素子が破壊されることを回避することがで
きる給電装置、該給電装置を備える搬送車及び搬送シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、案内レールに沿って移動する搬送
車によって物資の搬送を行うために数々の搬送システム
が実現されており、工場内、倉庫内等において物資搬送
の効率化が図られている。一般にこのような搬送車の走
行にはモータが使用されており、このモータには、案内
レールに沿って取り付けられた給電線を介して電力が供
給されている。
【0003】給電装置としてはトロリー式及び非接触式
があり、主として塵芥の発生が少なくメンテナンスの必
要性が低いという理由から非接触給電方式が多用されて
いる。非接触給電方式は、搬送車側に設けたピックアッ
プを給電線の近傍に配置し、ピックアップと給電線との
間の電磁気結合によりコイルに誘導起電力を発生させて
電力を供給する方式である。
【0004】図5は、従来の非接触給電装置を示すブロ
ック図である。図中1は、ピックアップコイルLを図示
しないピックアップコアに巻装してなるピックアップで
あり、該ピックアップ1は搬送車等に備えられ、電力源
11と接続されている給電線9の近傍に位置しており、
前記給電線9は、工場内に付設された図示しない案内レ
ール等に沿って付設され、前記搬送車は前記案内レール
に沿って移動可能となっている。前記ピックアップコイ
ルLには、共振コンデンサCと整流回路4とが共に並列
に接続されており、前記コイルL及び前記共振コンデン
サCにより共振回路2が構成されている。前記整流回路
4の出力端子は定電圧回路40の入力端子と接続され、
該定電圧回路40の出力端子は、非接触給電装置の出力
端子U,Vをなし、該出力端子U,Vにおいて前記搬送
車の駆動部と接続している。
【0005】このような構成をなす非接触給電装置は、
電力源11に接続された給電線9に交流電力が供給され
ることにより、ピックアップコイルLに誘導起電力が生
じる。該誘導起電力は、共振回路2において共振される
ことにより最大電力が得られ、さらに整流回路4におい
て整流され、定電圧回路40により定電圧特性を有する
電力となり、出力端子U,Vより出力される。出力端子
U,Vから出力された電力は、図示しない搬送車等の駆
動部へ供給されることにより前記搬送車を駆動させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した非接
触給電装置では、整流回路4、定電圧回路40が開放
し、又は、負荷10がインバータを含む場合に回路が短
絡したとき、ピックアップコイルLには過大電流が流
れ、共振することにより共振コンデンサCには過大電圧
が生じる。したがって、回路素子の破壊、及び発熱によ
る燃焼の恐れがあり、作業員による異常箇所の点検・修
理等のために、他の非接触給電装置が正常であっても電
力源11を停止させる必要がある。
【0007】ピックアップコイルLに過大電流が流れ、
共振することによって共振コンデンサCに過大電圧が生
じることにより、回路素子が破壊・燃焼するのを防ぐた
め、前記ピックアップコイルLの近傍に取り付けられた
感熱器と、前記ピックアップコイルLの両端または整流
回路4の出力端子間に備えられた接点とを有し、電力の
供給が断たれても接点状態が維持される感熱式のメカラ
ッチ式リレーを設け、前記ピックアップコイルLの温度
が所定温度を超えた場合、前記メカラッチ式リレーの接
点を閉じることにより、前記ピックアップコイルLの両
端、又は、整流回路4の出力端子間を短絡し、回路素子
の破壊・燃焼等を防止する非接触給電装置が特開平11
−164497号に開示されている。
【0008】この非接触給電装置によれば、異常が発生
した場合に前記定電圧回路40の入力電圧が0となり非
接触給電装置の出力電力がなくなるため、異常が発生し
た非接触給電装置との通信、該非接触給電装置自身によ
る異常の表示等をすることはできない。さらに、瞬時的
に過大電流がピックアップコイルLに流れた場合、該ピ
ックアップコイルLの温度は上昇するが、前記所定温度
に達するのに比較的長時間を要するため、メカラッチ式
リレーが作動するまでに、回路素子に過大電圧が印加さ
れて破壊される場合がある。また、メカラッチ式リレー
を用いているため、異常による停止を解除するためには
異常が生じた非接触給電装置の場所において、作業員が
ラッチの解除作業をする必要があり、工場内の天井付近
などに架設された場合は作業が煩雑であり危険が伴う。
【0009】上述したメカラッチ式リレーのラッチの解
除作業の危険性・煩雑さを改善するため、ピックアップ
コイルLの両端、又は、整流回路4の出力端子間に接点
を有し、ピックアップコイルL近傍に感熱器を有するサ
ーモスタットを備えることにより、ピックアップコイル
Lの温度が所定値以上となると前記接点を閉じて回路素
子の破壊等を回避し、その後温度が低下して所定値以下
となると自動的に前記接点が開いて電力供給を再開すべ
くなしてある非接触給電装置が特開平11−16449
8号に開示されている。
【0010】この非接触給電装置によれば、異常が発生
した場合において、作業員による異常箇所の点検・修理
等が終了する前であっても、ピックアップコイルLの温
度が所定値以下に低下したときサーモスタットの接点が
開いて自動復帰するため、点検・修理等を行う作業員が
感電するなどの可能性があり、また、同じ原因による異
常の発生が繰り返される可能性がある。
【0011】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであり、整流回路の出力側端子と給電装置の
出力端子との間に接続され、負荷の短絡等によってピッ
クアップコイルの両端に所定値を越える過大電圧が生じ
た場合に不通状態となるスイッチング素子を備えること
により、前記負荷に過大電流が流れるのを防ぐことがで
き、また、ピックアップコイルに生じる過大電流、及び
共振コンデンサに生じる過大電圧によって回路素子が破
壊・燃焼するのを防ぐことができ、さらに、瞬時的な過
大電圧の発生に対して遅れを生じることなく前記スイッ
チング素子を不通状態とすることができる給電装置を実
現することを目的とする。
【0012】また、前記スイッチング制御回路は前記整
流回路の出力側端子から電力を得る構成とすることによ
り、異常時において前記スイッチング素子を不通状態と
した場合であっても電力を得ることができ、異常時であ
っても非接触給電装置自身による異常の表示等が可能で
ある給電装置を実現することが可能である。
【0013】また、前述したところに加えて前記スイッ
チング制御回路に通信部を備えることにより、前記スイ
ッチング素子の不通状態を維持し、遠隔操作により制御
することが可能であり、該スイッチング素子の解除作業
に伴う危険性が回避できると共に、自動復帰による作業
員の危険等を回避することができる給電装置を実現する
ことを目的とする。
【0014】また、ピックアップコイル近傍に位置し、
前記スイッチング制御回路と接続された温度センサを備
えることにより、前記ピックアップコイル両端の電圧が
前記所定値以下である場合でも、前記ピックアップコイ
ル近傍の温度上昇、電流増加等により前記ピックアップ
コイルが所定温度以上となった場合に、スイッチング素
子が不通状態とされ、回路素子の破壊・燃焼を回避する
ことができる給電装置を実現することを目的とする。
【0015】また、前記ピックアップコイルと前記スイ
ッチング制御回路との接続点にヒューズを備えることに
より、前記スイッチング制御回路に異常が生じて前記ス
イッチング素子の制御が不能となり過大電流が流れた場
合であっても、前記ヒューズが開放され、過大電流、過
大電圧の供給により回路素子が破壊されることを回避す
ることができる給電装置を実現することを目的とする。
【0016】さらに、前記給電装置を備えることによ
り、電力が供給される場合における異常発生に対応する
ことが可能であり安定した駆動が可能である搬送車と、
該搬送車と該搬送車が備える前記給電装置へ電力を供給
する給電線とを備えることにより、安定した駆動が可能
である搬送システムとを実現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る給電装置
は、誘導起電力を生じるピックアップコイルと、該ピッ
クアップコイルに生じる誘導起電力を整流する整流回路
と、該整流回路からの出力電力を出力する出力端子とを
備える給電装置において、前記整流回路の出力側端子と
前記出力端子との間にスイッチング素子が接続されてお
り、一方、前記ピックアップコイルと前記スイッチング
素子とに接続され、前記整流回路の出力側端子から電力
を得ることにより、前記ピックアップコイルの両端の電
圧に応じて前記スイッチング素子のオン/オフ制御を行
うスイッチング制御回路を備えていることを特徴とす
る。
【0018】第2発明に係る給電装置は、請求項1に記
載の給電装置において、前記スイッチング制御回路と接
続され、前記ピックアップコイルの温度に対応する信号
を出力する温度センサを備え、前記スイッチング制御回
路が、前記温度センサの出力信号に応じて前記スイッチ
ング素子のオン/オフ制御をすべくなしていることを特
徴とする。
【0019】第3発明に係る給電装置は、請求項1又は
2に記載の給電装置において、前記ピックアップコイル
と前記スイッチング制御回路との接続点にヒューズを備
えることを特徴とする。
【0020】第4発明に係る給電装置は、請求項1乃至
3の何れかに記載の給電装置において、前記スイッチン
グ制御回路が、通信部を備えることを特徴とする。
【0021】第5発明に係る搬送車は、請求項1乃至4
の何れかに記載の給電装置を備え、該給電装置が供給す
る電力により駆動されるべくなしてあることを特徴とす
る。
【0022】第6発明に係る搬送システムは、電力源に
接続され、ピックアップに誘導起電力を生じさせる給電
線と、請求項5に記載の搬送車とを備えることを特徴と
する。
【0023】第1発明に係る給電装置による場合は、負
荷の短絡等によって前記ピックアップコイルの両端に所
定値を超える過大電圧が生じた場合、スイッチング制御
回路により前記スイッチング素子が不通状態となり、電
力源を停止させることなく負荷に過大電流が流れるのを
防ぐことができ、また、ピックアップコイルに生じる過
大電流、及び共振コンデンサに生じる過大電圧によって
回路素子が破壊・燃焼するのを防ぐことができ、さら
に、瞬時的な過大電圧の発生に対しても遅れを生じるこ
となく前記スイッチング素子を不通状態にすることがで
きる。また、前記スイッチング制御回路は、異常時にお
いて前記スイッチング素子を不通状態にした場合であっ
ても給電装置自身による異常の表示、スイッチング素子
の不通状態の維持等が可能である。
【0024】第2発明に係る給電装置による場合は、ピ
ックアップコイルに生じた電圧が前記所定値以下である
場合でも、前記ピックアップコイル近傍の温度上昇、電
流増加等により前記ピックアップコイルが所定温度以上
となった場合に、前記スイッチング素子が不通状態とな
り、回路素子の破壊・燃焼を回避することができる。
【0025】第3発明に係る給電装置による場合は、前
記スイッチング制御回路に異常が生じて前記スイッチン
グ素子の制御が不能となり過大電流が流れたときであっ
ても、前記ヒューズが開放され、過大電流、過大電圧の
供給により回路素子が破壊・燃焼することを回避するこ
とができる。
【0026】第4発明に係る給電装置による場合は、遠
隔操作による前記スイッチング素子の制御が可能であ
り、異常が生じた給電装置が備えられている場所におい
て前記スイッチング素子の解除作業を行う危険性・煩雑
性を回避することができると共に、自動復帰による作業
員の危険等を回避することができる。
【0027】第5発明に係る搬送車による場合は、電力
が供給される場合における異常発生に対応可能であり安
定した駆動を実現することができる。
【0028】第6発明に係る搬送システムによる場合
は、安定した駆動及び効率の良い物資の搬送を実現する
ことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る給電装置を
用いた非接触給電装置における実施の形態を示すブロッ
ク図であり、図2は、前記非接触給電装置を備える搬送
車の構成を示す模式的側面図である。図中23はU字形
をなす車体枠24の下部に、被搬送物を着脱可能に取り
付けるキャリア25を吊設して構成されている搬送車で
あり、前記車体枠24の上部には、前記ピックアップ1
及びモータMが取り付けられている。断面略I字形をな
し工場内に付設された案内レール20に沿って給電線9
が付設され、該給電線9に電力源11から供給される交
流電力は、前記ピックアップ1に電磁気結合による誘導
起電力を発生させ、該電力によりモータMは転動され搬
送車23は駆動される。該搬送車23が備える駆動車輪
24aは、前記案内レール20の上板部20uの上面に
転接しており、前記搬送車23は案内レール20に沿っ
て移動する。
【0030】前記ピックアップ1は、ピックアップコイ
ルL1,L2を図示しないピックアップコアに巻装して
なり、前記ピックアップコイルL1,L2には共振コン
デンサC1が並列に接続され、ピックアップコイルL
1,L2及び共振コンデンサC1により共振回路2が構
成されている。また、ピックアップコイルL1と共振コ
ンデンサC1との接続間にはヒューズFが直列に接続さ
れている。
【0031】前記共振コンデンサC1には、コンデンサ
C2と、直列に接続されたコイルL3及びコンデンサC
3とが並列に接続され、コンデンサC2,C3及びコイ
ルL3によりπ型(C−L−C型)イミタンス変換回路
3が構成されている。コンデンサC3とコイルL3との
共通接点、及びコンデンサC2とコンデンサC3との共
通接点はそれぞれ整流回路4の入力側端子との接続点と
なっている。該整流回路4の出力側端子には、コンデン
サC4が並列に接続され、また、スイッチング素子であ
るリレーR1,R2の一方の端子が接続されている。前
記リレーR1,R2の他方の端子は、それぞれ非接触給
電装置の出力端子U,Vをなしており、搬送車23のモ
ータMなどの負荷10に接続されている。
【0032】前記共振コンデンサC1の両端、及び前記
ピックアップコイルL1,L2の近傍に位置して接点を
有する温度センサ7が保護回路(スイッチング制御回
路)6に接続されている。また、該保護回路6は前記リ
レーR1,R2のリレーコイルr1,r2と接続され、
通信部をなすアンテナW及びアラーム12が備えられて
おり、DC/DCコンバータ8を介して整流回路4の出
力側端子から電力が供給されている。なお、温度センサ
7はピックアップコイルL1,L2近傍に位置してお
り、磁界の影響を小さくするために、ピックアップコア
に生じる磁界に対して直角に設け、また、感温フェライ
ト、サーミスタ等の非金属製のものを使用する。前記非
接触給電装置においてピックアップ1を除く回路部分
は、前記搬送車23の車体枠24の上部に取り付けられ
た回路ボックス30内に収納されている。
【0033】図3は、本発明に係る給電装置を用いた非
接触給電装置が備える保護回路6の構成を示すブロック
図である。共振コンデンサC1の両端に生じる電圧は、
保護回路6を構成する整流平滑回路62により直流化・
平滑化され、コンパレータ等の比較回路63において閾
値電圧と比較される。比較回路63とリレーシーケンス
回路61との間にはフォトカプラ64が介されているた
め、絶縁された状態で前記比較回路63の出力信号がリ
レーシーケンス回路61へ伝達され、リレーR1,R2
をオン/オフ制御する制御信号に変換されて前記リレー
コイルr1,r2へ入力される。
【0034】温度センサ7は、ピックアップコイルL
1,L2の温度に対応する電圧信号を検知し、リレーシ
ーケンス回路61へ入力する。また、前記温度センサ7
は接点71を備えており、前記ピックアップコイルL
1,L2の温度に対応して前記接点71は接点動作を行
う。つまり、ピックアップコイルL1,L2の温度が閾
値以下の場合は接点71は閉ざされ、閾値以上の場合は
接点71は開かれる。前記電圧信号は前記リレーシーケ
ンス回路61において、リレーR1,R2をオン/オフ
制御する制御信号に変換され、前記リレーコイルr1,
r2へ入力される。
【0035】このような構成をなす非接触給電装置の動
作について以下に説明する。電力源11に接続された給
電線9に定電流特性を有する交流電力が供給されること
により、ピックアップ1のピックアップコイルL1,L
2に定電流特性を有する誘導起電力が生じる。該誘導起
電力は共振回路2において共振されて電圧が昇圧される
と共に無効電力成分が除去され、イミタンス変換回路3
により定電流特性が定電圧特性に変換される。さらに、
整流回路4及びコンデンサC4により整流・平滑化さ
れ、開路状態のリレーR1,R2を介して出力端子U,
Vより出力される。該電力は、前記搬送車23のモータ
M等の負荷10へ供給されることにより前記搬送車23
を駆動させる。
【0036】一方、保護回路6は、DC/DCコンバー
タ8を介して整流回路4の出力側端子から電力が供給さ
れ、共振コンデンサC1の両端に生じる電圧に対応する
信号、及び温度センサ7が検出したピックアップコイル
L1,L2の温度に対応する信号を取り込む。
【0037】負荷10の内蔵する回路において短絡等の
異常が生じた場合、非接触給電装置の出力端子U,V間
が短絡されるのと同じ状態となるため、ピックアップコ
イルL1,L2には過大電流が流れ、共振コンデンサC
1には過大電圧が生じる。共振コンデンサC1に生じた
電圧が閾値を超えた場合、保護回路6によりリレーR
1,R2は遮断され、同時にアラーム12が作動する。
また、共振コンデンサC1に生じた電圧が閾値以下であ
っても、ピックアップコイルL1,L2周辺の温度が上
昇し、又は電流増加等により前記ピックアップコイルL
1,L2の温度が上昇することにより、温度センサ7が
検知する温度が閾値以上となった場合は、保護回路6に
よりリレーR1,R2は遮断され、同時にアラーム12
が作動する。
【0038】このような非接触給電装置では、リレーR
1,R2を遮断することにより非接触給電装置の出力電
力は0となるが、保護回路6は、DC/DCコンバータ
8を介して整流回路4の出力側端子から電力を得ること
ができるため、前記リレーR1,R2の遮断状態及びア
ラーム12の作動状態を維持することができる。
【0039】リレーR1,R2の遮断状態が維持されて
いる間に、搬送車等の負荷10に生じた異常についての
点検・修理など必要な措置が施され、その後、外部から
リレーR1,R2を開放状態とさせるための指示信号が
アンテナWを介して保護回路6へ送られ、該保護回路6
は前記指示信号に基づき、リレーR1,R2を開放状態
に制御し、再び搬送車等の負荷10は非接触給電装置か
ら電力を供給されて駆動される。
【0040】また、イミタンス変換回路3、整流回路
4、リレーR1,R2、及び保護回路6の何れかにおい
て異常が発生し、リレーR1,R2の制御が不能とな
り、さらに、ピックアップコイルL1,L2に過大電流
が流れた場合は、ヒューズFが開放されることにより、
異常が生じた非接触給電装置による電力供給は強制的に
停止される。
【0041】なお、イミタンス変換回路3は図1に示し
たものの他、π型(L−C−L型)、T型(C−L−C
型)、T型(L−C−L型)、クロス型のイミタンス変
換回路でもよく、またイミタンス変換回路の代わりに定
電圧回路を用いてもよい。また、本実施の形態における
保護回路6は、共振コンデンサC1両端の電圧及びピッ
クアップコイルL1,L2の温度を対象としてリレーR
1,R2の制御を行っているが、この他、共振コンデン
サC1,ピックアップコイルL1,L2の電流、イミタ
ンス変換回路3の出力電流、整流回路4の直流出力電流
のそれぞれについて、変流器,シャント抵抗などを用い
て検出した値を対象とし、また、コイルL3の両端電圧
を抵抗を用いて検出した値を対象とし、また、ピックア
ップコアの磁束密度をサーチコイルを用いて検出した値
を対象としてリレーR1,R2を制御してもよい。さら
に、スイッチング素子としてリレーの他、トランジス
タ、サイリスタ等を用いてもよい。
【0042】図4は、本発明に係る給電装置を用いた非
接触給電装置を備える搬送システムを示す模式的斜視図
である。この搬送システムでは、工場内に付設された案
内レール20に沿って、図示しない給電線が付設され、
電力源11に接続されている。また、前記案内レール2
0には図3に示す搬送車23が複数懸架され、システム
コントローラ22により駆動制御されて被搬送物を搬送
する。なお、図1に示す非接触給電装置において説明し
たように、搬送車23の駆動に際して、非接触給電装置
の回路の開放、又は、前記搬送車23の駆動部回路の短
絡等の異常が発生した場合は、非接触給電装置が備える
保護回路6により電力の供給が停止され、アラーム12
が作動して異常の発生を通知する。
【0043】
【発明の効果】第1発明に係る給電装置によれば、負荷
の短絡等によって前記ピックアップコイルの両端に所定
値を超える過大電圧が生じた場合、前記スイッチング素
子を不通状態とすることにより、電力源を停止させるこ
となく負荷に過大電流が流れるのを防ぐことができる。
また、ピックアップコイルに生じる過大電流、及び共振
コンデンサに生じる過大電圧によって回路素子が破壊・
燃焼するのを防ぐことができる。また、瞬時的な過大電
圧の発生に対しても遅れを生じることなく前記スイッチ
ング素子を不通状態にすることができる。さらに、異常
発生時であっても給電装置自身による異常の表示等が可
能である。
【0044】第2発明に係る給電装置によれば、ピック
アップコイル両端の電圧が前記所定値以下である場合で
も、前記ピックアップコイル近傍の温度上昇、電流増加
等により前記ピックアップコイルが所定温度以上となっ
た場合に、スイッチング素子が不通状態となり、回路素
子の破壊・燃焼を回避することができる。
【0045】第3発明に係る給電装置によれば、スイッ
チング制御回路に異常が生じてスイッチング素子の制御
が不能となり過大電流が流れた場合であっても、ヒュー
ズが開放され、過大電流、過大電圧の供給により回路素
子が破壊・燃焼することを回避することができる。
【0046】第4発明に係る給電装置によれば、遠隔操
作によるスイッチング素子の制御が可能であり、異常が
生じた給電装置が備えられている場所において前記スイ
ッチング素子の解除作業を行う危険性・煩雑性を回避す
ることができると共に、自動復帰による作業員の危険等
を回避することができる。
【0047】第5発明に係る搬送車によれば、電力が供
給される場合における異常発生に対応可能であり安定し
た駆動を実現することができる。
【0048】第6発明に係る搬送システムによれば、安
定した駆動及び効率の良い物資の搬送を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給電装置を用いた非接触給電装置
における実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る給電装置を用いた非接触給電装置
を備える搬送車の構成を示す模式的側面図である。
【図3】本発明に係る給電装置を用いた非接触給電装置
が備える保護回路(スイッチング制御回路)の構成を示
すブロック図である。
【図4】本発明に係る給電装置を用いた非接触給電装置
を備える搬送システムを示す模式的斜視図である。
【図5】従来の非接触給電装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 ピックアップ 2 共振回路 3 イミタンス変換回路 4 整流回路 6 保護回路(スイッチング制御回路) 7 温度センサ 8 DC/DCコンバータ 9 給電線 10 負荷 11 電力源 12 アラーム 20 案内レール 22 システムコントローラ 23 搬送車 24 車体枠 25 キャリア 30 回路ボックス F ヒューズ L1,L2 ピックアップコイル M モータ R1,R2 リレー r1,r2 リレーコイル W アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 晋吾 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 Fターム(参考) 5G065 BA01 BA04 DA06 EA06 GA09 KA05 LA01 LA07 MA01 MA10 NA03 5H105 AA12 BB07 CC02 CC19 DD10 GG03 GG04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導起電力を生じるピックアップコイル
    と、該ピックアップコイルに生じる誘導起電力を整流す
    る整流回路と、該整流回路からの出力電力を出力する出
    力端子とを備える給電装置において、 前記整流回路の出力側端子と前記出力端子との間にスイ
    ッチング素子が接続されており、一方、前記ピックアッ
    プコイルと前記スイッチング素子とに接続され、前記整
    流回路の出力側端子から電力を得ることにより、前記ピ
    ックアップコイルの両端の電圧に応じて前記スイッチン
    グ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御回路を
    備えていることを特徴とする給電装置。
  2. 【請求項2】 前記スイッチング制御回路と接続され、
    前記ピックアップコイルの温度に対応する信号を出力す
    る温度センサを備え、前記スイッチング制御回路が、前
    記温度センサの出力信号に応じて前記スイッチング素子
    のオン/オフ制御をすべくなしていることを特徴とする
    請求項1に記載の給電装置。
  3. 【請求項3】 前記ピックアップコイルと前記スイッチ
    ング制御回路との接続点にヒューズを備えることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の給電装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチング制御回路が、通信部を
    備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載
    の給電装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の給電装
    置を備え、該給電装置が供給する電力により駆動される
    べくなしてあることを特徴とする搬送車。
  6. 【請求項6】 電力源に接続され、ピックアップに誘導
    起電力を生じさせる給電線と、請求項5に記載された搬
    送車とを備えることを特徴とする搬送システム。
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