JP2013192392A - インバータ装置 - Google Patents

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祐司 鈴木
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Abstract

【課題】入力電源の交流電圧を整流してなる電圧を所望の交流電圧に変換して負荷に給電するインバータ装置において、前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路に備える半導体スイッチ素子が短絡故障したときに好適な処置方法に提供する。
【解決手段】このインバータ装置20では、状態監視回路17が何等かの要因により回生制動回路22を形成する半導体スイッチ素子22bが短絡故障状態に陥ったと判定すると、この短絡故障を異常信号としてインバータ制御回路23に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路23から主コンデンサ充電回路21を形成する電磁接触器21cに遮断指令を発信して開路させることにより、整流器11→充電抵抗器21a→ヒューズ21b→回生制動回路22→整流器11の径路に電流が流れ、この電流によりヒューズ21bを溶断させて、回生制動回路22を構成する制動抵抗器22aの過熱焼損を防止するようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、入力電源の交流電圧を整流してなる電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換して負荷に給電するインバータ装置に関し、特に、前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路に備える半導体スイッチ素子が短絡故障したときの処置方法に関する。
図3は、この種のインバータ装置の従来例を示す回路構成図であり、この図において、1は商用電源などの入力電源、2は回路遮断器、3はインバータ装置10から給電される負荷としての電動機である。
このインバータ装置10には、回路遮断器2を介して印加された入力電源1の交流電圧を整流して出力するためのダイオード素子をブリッジ接続してなる整流器11と、この整流した電圧を平滑するための電解コンデンサからなる主コンデンサ13と、前記整流した電圧を主コンデンサ13に印加する際の初期充電電流を抑制するために、充電抵抗器12aとスイッチ12b(以下、電磁接触器12bともいう)とからなる主コンデンサ充電回路12と、主コンデンサ13の両端電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換して電動機3に給電するために、トランジスタなどの自己消弧素子とダイオード素子の逆並列回路からなる半導体スイッチ回路をブリッジ接続にした構成のインバータ主回路14と、主コンデンサ13の両端に並列接続して電動機3からの回生電力を吸収するために備えるヒューズ15aと制動抵抗器15bと半導体スイッチ素子15cとからなる回生制動回路15と、主コンデンサ充電回路12,インバータ主回路14,回生制動回路15それぞれを所望の状態に制御するインバータ制御回路16と、回生制動回路15を構成する半導体スイッチ素子15cの動作状態を監視する状態監視回路17とを備えている。
図3に示したインバータ装置10では、先ず、回路遮断器2を投入することにより、入力電源1の交流電圧がインバータ装置10に印加され、この交流電圧を整流器11で整流した電圧は、電磁接触器12bが開路状態にある主コンデンサ充電回路12の充電抵抗器12aを介して主コンデンサ13へ印加され、主コンデンサ13への充電を開始する。
その後、インバータ制御回路16からの図示しない投入指令により、電磁接触器12bを閉路させることで、主コンデンサ13への充電電流を抑制しつつ、主コンデンサ13への充電動作が完了する。
次に、インバータ制御回路16からの図示しないインバータ主回路14への制御信号により、インバータ主回路14では主コンデンサ13の両端電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換しつつ、電動機3への給電を開始し、やがて、電動機3は通常状態で回転しつつ、機械設備などを駆動する。
このインバータ装置10が通常の動作中において、主コンデンサ13の両端電圧を図示しない電圧検出回路によりインバータ制御回路16が監視し、この両端電圧が予め設定した上限電圧を超えたときには、電動機3が回生運転状態にあると判定し、インバータ制御回路16からの図示しない制御信号により、回生制動回路15の半導体スイッチ素子15cへのオン信号を出力することで、回生制動回路15の制動抵抗器15bが電動機3からの回生電力を吸収して、主コンデンサ13の両端電圧が前記上限電圧を超えないように抑制する機能を有している。
図3に示した従来のインバータ装置10に備える状態監視回路17では、回生制動回路15を構成する制動抵抗器15bの両端電圧または半導体スイッチ素子15cに流れる電流と、半導体スイッチ素子15cへのオン・オフ信号との関係を監視し、半導体スイッチ素子15cへオフ信号が発せられている期間に、制動抵抗器15bの両端電圧が存在している時、または半導体スイッチ素子15cに流れる電流が存在している時には、何等かの要因により半導体スイッチ素子15cが短絡故障状態に陥ったと判定し、この短絡故障を異常信号としてインバータ制御回路16に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路16から回路遮断器2に遮断指令を発信して開路させ、インバータ装置10の動作を停止させて、回生制動回路15を構成するヒューズ15aの溶断や制動抵抗器15bの過熱焼損を防止するようにしている。
また、下記特許文献1では、回生制動回路15を構成する制動抵抗器15bと半導体スイッチ素子15cとが直列接続された両端間にサイリスタスイッチを並列に追加装備し、半導体スイッチ素子15cが短絡故障状態に陥ったと判定された時には、前記サイリスタスイッチをオンさせて、制動抵抗器15bの過熱焼損を防止するようにしている。
さらに、下記特許文献2では、回生制動回路15の何れか一端に電磁接触器を追加装備し、半導体スイッチ素子15cが短絡故障状態に陥ったと判定された時には、電磁接触器を開路させて、制動抵抗器15bの過熱焼損を防止するようにしている。
特開5−336758号公報 特開9−9660号公報
従来のインバータ装置や特許文献1,2においては、負荷としての電動機からの回生電力を吸収する回生制動回路に備える半導体スイッチ素子が短絡故障した時に、該回生制動回路を構成するヒューズの溶断や制動抵抗器の過熱焼損を防止するために、上述の如く、回路遮断器、サイリスタスイッチ、電磁接触器などを追加装備する必要があり、これらは大形部品であり装置全体を大型化させ、価格上昇を招くという問題点があった。
この発明の目的は、上記問題点を解消できるインバータ装置を提供することにある。
この第1の発明は、入力電源の交流電圧を整流して出力する整流器と、この整流した電圧を平滑する主コンデンサと、前記整流した電圧を前記主コンデンサに印加する際の初期充電電流を抑制する主コンデンサ充電回路と、前記主コンデンサの両端電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換して負荷に給電するインバータ主回路と、前記主コンデンサの両端に並列接続して前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路と、前記主コンデンサ充電回路,インバータ主回路,回生制動回路それぞれを所望の状態に制御するインバータ制御回路とを備えたインバータ装置において、
前記主コンデンサ充電回路は、充電抵抗器とヒューズの直列接続回路と、この直列接続回路の両端に並列接続されるスイッチとで形成し、前記回生制動回路は、制動抵抗器と半導体スイッチ素子の直列接続回路で形成し、前記半導体スイッチ素子の動作状態を監視する状態監視回路を備え、前記状態監視回路が前記半導体スイッチ素子の短絡故障を検知したときには、この短絡故障を異常信号として前記インバータ制御回路に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路を介して前記主コンデンサ充電回路のスイッチを開路させることをより、該主コンデンサ充電回路のヒューズを溶断させることを特徴とする。
また第2の発明は前記インバータ装置において、
前記回生制動回路は、制動抵抗器とヒューズの直列接続回路またはヒューズ機能を内蔵した制動抵抗器に、半導体スイッチ素子を直列接続して形成し、前記半導体スイッチ素子の動作状態を監視する状態監視回路を備え、前記状態監視回路が前記半導体スイッチ素子の短絡故障を検知したときには、この短絡故障を異常信号として前記インバータ制御回路に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路を介して、前記インバータ主回路を形成する半導体スイッチ回路それぞれを同時にオンさせることにより、前記入力電源とインバータ装置との間に備える回路遮断器を過電流遮断させることを特徴とする。
この発明によれば、従来のインバータ装置に比してより安価なインバータ装置により、前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路に備える半導体スイッチ素子が短絡故障したときの制動抵抗器の過熱焼損を防止することができる。
この発明の第1の実施例を示すインバータ装置の回路構成図 この発明の第2の実施例を示すインバータ装置の回路構成図 従来例を示すインバータ装置の回路構成図
図1は、この発明の第1の実施例を示すインバータ装置の回路構成図である。
このインバータ装置20が図3に示した従来のインバータ装置10と異なる点は、充電抵抗器12aと電磁接触器12bとからなる主コンデンサ充電回路12に代えて、充電抵抗器21aとヒューズ21bとスイッチ21c(以下、電磁接触器21cともいう)とからなる主コンデンサ充電回路21を備えており、それぞれの充電抵抗器と電磁接触器とは互いに同一仕様である。また、ヒューズ15aと制動抵抗器15bと半導体スイッチ素子15cとからなる回生制動回路15に代えて、制動抵抗器22aと半導体スイッチ素子22bとからなる回生制動回路22を備えており、それぞれの制動抵抗器と半導体スイッチ素子とは互いに同一仕様である。
このインバータ装置20では、状態監視回路17が何等かの要因により半導体スイッチ素子15cが短絡故障状態に陥ったと判定すると、この短絡故障を異常信号としてインバータ制御回路23に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路23から主コンデンサ充電回路21を形成する電磁接触器21cに遮断指令を発信して開路させることにより、整流器11→充電抵抗器21a→ヒューズ21b→回生制動回路15→整流器11の径路に電流が流れ、この電流によりヒューズ21bを溶断させて、回生制動回路21を構成する制動抵抗器21aの過熱焼損を防止するようにしている。
従って、従来のインバータ装置10に備える回生制動回路15を構成するヒューズ15aを省略でき、また、主コンデンサ充電回路21を構成するヒューズ21bには、ヒューズ15aよりも溶断電流が小さく格段に安価なヒューズで対応できる利点がある。
なお、インバータ制御回路23は上記異常信号の処理動作以外の通常の制御動作は、従来のインバータ制御回路16における動作と同じである。
図2は、この発明の第2の実施例を示すインバータ装置の回路構成図である。
このインバータ装置30が図3に示した従来のインバータ装置10と異なる点は、インバータ制御回路16に代えて、インバータ制御回路31を備えていることである。
このインバータ制御回路31は、以下に記す異常信号の処理動作以外の通常の制御動作は、従来のインバータ制御回路16における動作と同じである。
すなわち、このインバータ装置30では、状態監視回路17が何等かの要因により半導体スイッチ素子15cが短絡故障状態に陥ったと判定すると、この短絡故障を異常信号としてインバータ制御回路31に送信し、この異常信号を受信したインバータ制御回路31からの全オン信号により、インバータ主回路14を形成する半導体スイッチ回路それぞれを同時にオンさせることにより、入力電源11とインバータ装置30との間に備える回路遮断器4を過電流遮断させて、回生制動回路15を構成するヒューズ15aの溶断や制動抵抗器15bの過熱焼損を防止するようにしている。なお、図2に示す破線の矢印のように、回路遮断器4が出力した過電流の遮断信号により、インバータ制御回路31からの前記全オン信号を停止するようにしても良い。
この回路遮断器4は、従来の回路遮断器2に対して、インバータ装置30の動作仕様に基づいた過電流遮断レベルを予め設定できる機能を有する必要があるが、このインバータ装置30は、従来のインバータ装置10とそのハード仕様が同一で済む利点がある。
なお、図2に示す破線の矢印のように、回路遮断器4が出力した過電流の遮断信号により、インバータ制御回路31からの前記全オン信号の出力を停止するようにしても良い。
1…入力電源、2…回路遮断器、3…電動機、4…回路遮断器、10…インバータ装置、11…整流器、12…主コンデンサ充電回路、13…主コンデンサ、14…インバータ主回路、15…回生制動回路、16…インバータ制御回路、17…状態監視回路、20…インバータ装置、21…主コンデンサ充電回路、22…回生制動回路、23…インバータ制御回路、30…インバータ装置、31…インバータ制御回路。

Claims (2)

  1. 入力電源の交流電圧を整流して出力する整流器と、この整流した電圧を平滑する主コンデンサと、前記整流した電圧を前記主コンデンサに印加する際の初期充電電流を抑制する主コンデンサ充電回路と、前記主コンデンサの両端電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換して負荷に給電するインバータ主回路と、前記主コンデンサの両端に並列接続して前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路と、前記主コンデンサ充電回路,インバータ主回路,回生制動回路それぞれを所望の状態に制御するインバータ制御回路とを備えたインバータ装置において、
    前記主コンデンサ充電回路は、充電抵抗器とヒューズの直列接続回路と、この直列接続回路の両端に並列接続されるスイッチとで形成し、
    前記回生制動回路は、制動抵抗器と半導体スイッチ素子の直列接続回路で形成し、
    前記半導体スイッチ素子の動作状態を監視する状態監視回路を備え、
    前記状態監視回路が前記半導体スイッチ素子の短絡故障を検知したときには、この短絡故障を異常信号として前記インバータ制御回路に送信し、
    この異常信号を受信したインバータ制御回路を介して前記主コンデンサ充電回路のスイッチを開路させることをより、該主コンデンサ充電回路のヒューズを溶断させることを特徴とするインバータ装置。
  2. 入力電源の交流電圧を整流して出力する整流器と、この整流した電圧を平滑する主コンデンサと、前記整流した電圧を前記主コンデンサに印加する際の初期充電電流を抑制する主コンデンサ充電回路と、前記主コンデンサの両端電圧を所望の周波数・振幅の交流電圧に変換して負荷に給電するインバータ主回路と、前記主コンデンサの両端に並列接続して前記負荷からの回生電力を吸収する回生制動回路と、前記主コンデンサ充電回路,インバータ主回路,回生制動回路それぞれを所望の状態に制御するインバータ制御回路とを備えたインバータ装置において、
    前記回生制動回路は、制動抵抗器とヒューズの直列接続回路またはヒューズ機能を内蔵した制動抵抗器に、半導体スイッチ素子を直列接続して形成し、
    前記半導体スイッチ素子の動作状態を監視する状態監視回路を備え、
    前記状態監視回路が前記半導体スイッチ素子の短絡故障を検知したときには、この短絡故障を異常信号として前記インバータ制御回路に送信し、
    この異常信号を受信したインバータ制御回路を介して、前記インバータ主回路を形成する半導体スイッチ回路それぞれを同時にオンさせることにより、前記入力電源とインバータ装置との間に備える回路遮断器を過電流遮断させることを特徴とするインバータ装置。
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