JP2017117084A - 自動電圧調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】調整変圧器のタップ巻線からタップ切換器を通して調整電圧が与えられる直列変圧器の一次側が開放されたときに誘起する過電圧からタップ切換器を保護する保護動作を迅速に行わせることができるサイリスタ式自動電圧調整装置を提供する。
【解決手段】直列変圧器1の一次側に過電圧が誘起したときにタップ切換器3の出力端子間に接続した短絡用スイッチMCをオン状態にして過電圧を抑制する保護装置を設けるとともに、タップ切換器3内に設けられているサイリスタスイッチのうち、素通しタップ選択用のタップ選択用スイッチThA及びTh1を構成するサイリスタのアノード・ゲート間に、印加電圧が規定の動作電圧に達したときに導通するトリガ素子を接続し、保護装置が保護動作を行う前に、スイッチThA及びTh1をオン状態にすることにより、タップ切換器の保護を迅速に行わせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統に設置される間接切換式の自動電圧調整装置に関するものである。
間接切換式の自動電圧調整装置は、二次巻線が線路に直列に接続され、一次端子間に調整電圧が与えられる直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、線路の電圧を入力として直列変圧器の一次端子間に与える調整電圧をタップ巻線のタップ間に発生する調整変圧器と、直列変圧器の一次端子と調整変圧器のタップ巻線との間に設けられて、直列変圧器に与える調整電圧を出力するタップ巻線のタップを切り換える負荷時タップ切換器(OLTC《On Load Tap Changer》,以下単にタップ切換器という。)と、線路の電圧を設定された範囲に保つようにタップ切換器を制御する制御装置とを備えている。
タップ切換器は、直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともに、タップ巻線の複数のタップと上記出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有していて、タップを切り換える過程で橋絡用スイッチを一時的にオン状態にすることにより直列変圧器の一次側が開放状態になるのを防ぎつつ、オン状態にするタップ選択用スイッチを切り換えて、タップ巻線の通電タップ(直列変圧器に与える調整電圧を出力するタップ)を切り換える。
この種の自動電圧調整装置として、例えば特許文献1に示されているように、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチを双方向性を有するサイリスタスイッチにより構成した、サイリスタ式の自動電圧調整装置が知られている。双方向性を有するサイリスタスイッチは、逆並列接続された一対のサイリスタや、双方向性サイリスタ(トライアック)により構成できる。
この種の自動電圧調整装置においては、タップ切換器の各スイッチと調整変圧器のタップとの間を接続している接続部に接触不良が生じた場合や、各スイッチを構成するサイリスタに故障又は誤動作が生じた場合等に、直列変圧器の一次端子間が開放状態にされる事故が発生することがある。直列変圧器の一次端子間が開放状態にされる事故が発生すると、直列変圧器の二次側(系統側)を流れる負荷電流がすべて励磁電流となるため,直列変圧器の一次巻線に異常過電圧が発生する。この異常過電圧がタップ切換器内のオフ状態にあるサイリスタスイッチの両端に印加されると、該サイリスタスイッチを構成しているサイリスタが破損するおそれがある。
そこで、この種の自動電圧調整装置では、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに、直列変圧器の一次側からタップ切換器側の回路に印加される電圧を抑制する保護動作を行う保護装置を設けている。従来から用いられている保護装置は、タップ切換器の出力端子間に並列に接続された短絡用スイッチと、タップ切換器の出力端子間の電圧(直列変圧器の一次端子間の電圧)のレベルが設定された過電圧判定レベル(直列変圧器の一次側が開放されたときに発生する異常過電圧を検出するために適したレベル)以上であるときに短絡用スイッチを投入するスイッチ制御部とを備えていて、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに短絡用スイッチを投入することにより、タップ切換器側の回路を過電圧から保護する。短絡用スイッチとしては、通常電磁接触器が用いられている。
特開2014−115770号公報
間接切換式の自動電圧調整装置に設けられている保護装置は、直列変圧器の一次側の電圧を過電圧判定レベルと比較して、その比較の結果から、直列変圧器の一次側に開放事故に起因する過電圧が発生していると判定したときに、タップ切換器の出力端子間に接続された短絡用スイッチを駆動するドライバ回路に駆動指令を与えて、短絡用スイッチを投入する。そのため、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生してから実際に保護動作が行われるまでの間にある程度の遅れ時間が経過するのを避けられず、この遅れ時間の間、タップ切換器内でオフ状態にあるサイリスタスイッチを構成しているサイリスタに高い電圧が印加され続けて、当該サイリスタに過大なストレスがかかるという問題があった。
また保護装置の誤動作を防ぐためには、直列変圧器の一次側の電圧レベルが過電圧判定レベル以上になったことを複数回検出したときに保護動作を行わせるようにしておくことが好ましい。そのためには、過電圧が発生する状態を複数サイクルに亘って継続させる必要があるが、過電圧を何回も発生させると、タップ切換器に過電圧が印加される時間が更に長くなるため、タップ切換器内でオフ状態にあるサイリスタにかかるストレスが更に過大になり、該サイリスタが破壊されるおそれが大になる。
本発明の目的は、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに、保護装置が本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器からタップ切換器に印加される電圧のレベルを、タップ切換器内の回路を破壊するおそれがない安全なレベルに保つことができるようにして、開放事故発生時にタップ切換器内のサイリスタに過大なストレスがかかるのを防ぐことができるようにした間接切換式の自動電圧調整装置を提供することにある。
本願明細書には、上記の目的を達成するために少なくとも以下に示す第1ないし第8の発明が開示される。
<第1の発明>
本発明は、二次巻線が線路に直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、線路の電圧を入力としてタップ巻線のタップ間に調整電圧として用いる複数の電圧を発生する調整変圧器と、直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともにタップ巻線の複数のタップと出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有して、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら直列変圧器に与える調整電圧を出力するタップ巻線のタップを切換えるタップ切換器と、タップ切換器の出力端子間の電圧が直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したことを判定するための過電圧判定レベルに達したことを検出したときに出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する制御を行って直列変圧器からタップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置とを備えた自動電圧調整装置を対象とする。本発明が対象とする自動電圧調整装置では、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチがサイリスタスイッチからなっている。
本発明においては、タップ選択用スイッチのうち、同時にオン状態にされた際にタップ切換器の出力端子間を短絡するように設けられている一対のタップ選択用スイッチが即時保護用スイッチとして選定されて、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が即時保護用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間に接続されている。上記トリガ素子の動作電圧のレベルは、タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに上記トリガ素子がオン状態になって、即時保護用スイッチをオン状態にするように構成されている。
上記のように構成しておくと、直列変圧器の一次側に過電圧が誘起したときに、その過電圧の1サイクル目から即時保護用スイッチをオン状態にして直列変圧器からタップ切換器に印加される電圧を抑制することができるため、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに、タップ切換器の出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器からタップ切換器側の回路に印加される電圧のレベルを抑制する予備的な保護動作を行わせて、タップ切換器に過大な電圧が印加される状態が生じるのを防ぐことができる。従って、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに各サイリスタにかかるストレスを少なくすることができ、タップ切換器の寿命の延長と信頼性の向上とを図ることができる。また保護装置が本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器の一次側に過電圧を複数サイクルに亘って発生させても、その間直列変圧器からタップ切換器に印加される電圧のレベルを抑制されたレベルに保つことができるため、タップ切換器内のサイリスタに過大なストレスを与えることなく、開放事故により過電圧が発生していることの確認を正確に行わせて、保護装置による保護動作の信頼性を高めることができる。
また上記のように、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに予備的な保護動作を行わせるために用いる即時保護用スイッチとして、タップ選択用スイッチを用いるようにすると、特別の半導体スイッチを追加することなく、本格的な保護動作が行われるまでの間の保安を図ることができる。
なお、何らかの原因により、たまたま即時保護用スイッチとして選定されたタップ選択用スイッチが破損したことに起因して直列変圧器の一次側が開放される事故が発生した場合には、上記予備的な保護動作は行われないが、本発明が対象とする自動電圧調整装置には、直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときにタップ切換器の出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入して直列変圧器からタップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置が設けられているため、タップ選択用スイッチが破損する確率はきわめて低い。また万一即時保護用スイッチとして選定されたタップ選択用スイッチが破損していて、予備的な保護動作が行われなかったとしても、最終的には保護装置が短絡用スイッチをオン状態にして保護動作を行うので、タップ切換器の他のタップ選択用スイッチが破損する事態が生じることはない。本発明によれば、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに、殆どの場合に予備的な保護動作を行わせて、タップ切換器内のサイリスタに過大なストレスが与えられるのを防ぐことができるため、タップ切換器の信頼性を高めることができる。
<第2の発明>
本発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、一端が共通接続されるとともに他端がタップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されている一対のタップ選択用スイッチが即時保護用スイッチとして選定される。
上記のように一端が共通接続されるとともに他端がタップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されている一対のタップ選択用スイッチを即時保護用スイッチとして選定しておくと、直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに、即時保護用スイッチとして選定された一対のタップ選択用スイッチを同時にオン状態にしてタップ切換器の出力端子間を直接短絡することができるため、予備的な保護動作を適確に行わせることができる。
<第3の発明>
本発明は第2の発明に適用されるもので、本発明においては、素通しタップを選択する際にオン状態にされる一対のタップ選択用スイッチを、即時保護用スイッチとして選定する。
直列変圧器の一次側の開放事故が発生したときには、直列変圧器の一次側を短絡する保護動作を行うとともに、タップ切換器を素通しタップを選択した状態にする必要があるが、上記のように素通しタップを選択する際にオン状態にされる一対のタップ選択用スイッチを即時保護用スイッチとするようにしておけば、素通しタップを選択した状態にするためのタップ切換器の制御を容易にすることができる。
<第4の発明>
本発明は、第1の発明が対象とする自動電圧調整装置と同様の自動電圧調整装置に適用される。本発明においては、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が橋絡用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間に接続される。即ち、本発明では、橋絡用スイッチを即時保護用スイッチとして用いる。この場合も、トリガ素子の動作電圧のレベルは、タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定され、直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに上記トリガ素子がオン状態になって橋絡用スイッチをオン状態にする。
上記のように構成した場合も、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したときに、その過電圧の1サイクル目からトリガ素子の働きにより橋絡用スイッチをオン状態にしてタップ切換器の出力端子間の電圧を抑制できるため、保護装置が保護動作を行うまでの間タップ切換器を過電圧から保護することができる。
<第5の発明>
一般に、タップ切換器に設けられている複数のタップ選択用スイッチは、タップ巻線の一つのタップに一端が共通接続されるとともに他端がタップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されて素通しタップを選択する際に同時にオン状態にされる一対の素通しタップ選択用スイッチを含む。第5の発明においては、一対の素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノード・ゲート間に、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が接続される。この場合もトリガ素子の動作電圧のレベルは、タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときに該トリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときにトリガ素子がオン状態になって一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態にするように構成されている。この場合、保護装置は、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したことが検出されたときに橋絡用スイッチをオンにした後、短絡用スイッチを投入する動作を行うように構成されている。
上記のように構成すると、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したときに、その過電圧の1サイクル目からトリガ素子の働きにより橋絡用スイッチをオン状態にしてタップ切換器の出力端子間の電圧を抑制することができるため、タップ切換器内のサイリスタに過大なストレスを与えることなく、開放事故により過電圧が発生していることの確認を保護装置に正確に行わせて、保護装置による保護動作の信頼性を高めることができる。
<第6の発明>
本発明は、第5の発明が対象とする自動電圧調整装置と同様の自動電圧調整装置を対象とするもので、本発明においては、保護装置が、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したことが検出されたときに、橋絡用スイッチをオンにした後、トリガ素子の働きによりオンになった素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で短絡用スイッチを投入するように構成される。その他の構成は、第5の発明と同様である。
上記のように構成すると、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したことが検出されたときに、トリガ素子の働きによりオンになった素通しタップ選択用スイッチをオン状態に維持した状態で短絡用スイッチをオン状態にして本格的な保護動作に移行することができるため、短絡事故が解消するまでの間タップ切換器の保護を継続して、タップ切換器の保護を確実にすることができる。
<第7の発明>
本発明は第5の発明又は第6の発明に適用されるもので、本発明においては、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに直列変圧器の一次側に誘起する過電圧からタップ切換器を保護するだけでなく、系統で短絡事故が発生したときに直列変圧器の一次側に流れる過電流からタップ切換器及びタップ巻線を保護する保護動作をも行わせる。系統で短絡事故が発生すると、線路に直列に接続されている直列変圧器の二次巻線に短絡電流が流れる。このときタップ切換器が素通しタップ以外のタップを選択していると、直列変圧器の一次側からオン状態にあるタップ選択用スイッチとタップ巻線とを通して大きな電流が流れてタップ巻線が損傷するおそれがある。また系統で短絡事故が発生したときに、タップ切換器の橋絡用スイッチがオン状態になっていると、限流抵抗器を通して過電流が流れて該限流抵抗器が焼損するおそれがある。これらの事故を防ぐためには、系統で短絡事故が発生したときにもタップ切換器の出力端子間を短絡する短絡用スイッチをオン状態にする保護動作を行う必要があるが、系統で短絡事故が発生したときには、直列変圧器の一次側に高い電圧が誘起しないため、第5の発明又は第6の発明のように保護装置を構成しただけでは、タップ巻線や限流抵抗器の保護を図ることができない。
第7の発明においては、線路が設けられている系統で短絡事故が発生したことを検出したときに保護指令を発生するリレーが設けられる。この場合保護装置は、第5の発明又は第6の発明において保護装置が行う保護動作に加えて、更に下記の(1),(2)の保護動作を行うように構成される。
(1)一対の素通しタップ選択用スイッチがオンになっている状態でリレーが保護指令を発生したときには、該一対の素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で短絡用スイッチを投入する制御を行う。
(2)一対の素通しタップ選択用スイッチがオフになっている状態でリレーが保護指令を発生したときには一旦タップ切換器のすべてのタップ選択用スイッチと橋絡用スイッチとをオフ状態にして直列変圧器の一次側に異常過電圧を発生させることによりトリガ素子にオン動作を行わせて一対の素通しタップ選択用スイッチをオンにした後、橋絡用スイッチをオフ状態に維持し、一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態に維持した状態で短絡用スイッチを投入する制御を行う。
素通しタップが選択されていて、素通しタップ選択用スイッチがオンになっている状態で系統で短絡事故が発生したときには、直列変圧器の一次側を流れる電流が、オン状態にある一対の素通しタップ選択用スイッチを通してタップ巻線から側路されるため、タップ巻線に過電流が流れることはない。またこの時橋絡用スイッチはオフ状態にあるため、限流抵抗器を通して過電流が流れることはない。従って、素通しタップが選択されている状態でリレーが保護指令を発生したときには、一対の素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で短絡用スイッチを投入する制御を行うことにより、タップ巻線及び限流抵抗器の保護を図ることができる。
素通しタップ以外のタップが選択されていて、素通しタップ選択用スイッチがオフになっている状態で系統で短絡事故が発生したときには、直列変圧器の一次側からオン状態にあるタップ選択用スイッチを通してタップ巻線に過電流が流れる。また短絡事故発生時に橋絡用スイッチがオン状態になっていると、直列変圧器の一次側から限流抵抗器に過電流が流れる。これらの場合にも短絡用スイッチをオン状態にして保護動作を行わせる必要があるが、短絡事故発生時には直列変圧器の一次側に高い電圧が誘起しないため、直列変圧器の一次側の電圧(タップ切換器の出力端子間の電圧)が過電圧判定レベルに達したときに短絡用スイッチを投入する方法では、保護動作を行わせることができない。
そこで、第7の発明では、素通しタップ以外のタップが選択されている状態でリレーが保護指令を発生したとき(素通しタップ選択用スイッチがオフになっている状態で系統で短絡事故が発生したとき)に、一旦タップ切換器のすべてのタップ選択用スイッチと橋絡用スイッチとをオフ状態にして直列変圧器の一次側に故意に異常過電圧を発生させ、一対の素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノードゲート間に接続されたトリガ素子を直ちにオン状態にして、素通しタップ選択用スイッチをオン状態にする。これにより、短絡事故発生時に直列変圧器の一次側を流れる電流をタップ巻線から側路して、タップ巻線の保護を速やかに図る。また橋絡用スイッチをオフ状態に維持し、一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態に維持した状態で短絡用スイッチをオン状態にすることにより本格的な保護動作に移行して、短絡事故が解消するまでの間該保護動作を継続する。
上記のように、第7の発明によれば、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに発生する異常過電圧からタップ切換器を保護することができるだけでなく、系統で短絡事故が発生したときに直列変圧器の一次側を流れる電流からタップ切換器及びタップ巻線を保護することができるため、自動電圧調整装置の保護の万全を期することができる。また短絡事故発生時には、橋絡用スイッチをオフ状態に保つため、限流抵抗器が過電流により損傷するのを防ぐことができる。
<第8の発明>
第8の発明は、第1の発明ないし第6の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、トリガ素子の動作電圧のレベルを、タップ切換器の出力端子間の電圧レベルがタップ切換器内でオフ状態にあるサイリスタを降伏させるレベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベル未満のレベルに設定する。
このように構成しておくと、直列変圧器の一次側に過電圧が誘起する開放事故が発生したときに、タップ切換器に印加される電圧のレベルを、サイリスタを降伏させることがない安全なレベルに保つことができるため、タップ切換器内のサイリスタの保護の万全を期することができる。
本発明によれば、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに、タップ切換器の出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器からタップ切換器側の回路に印加される電圧のレベルを、タップ切換器内の回路を破壊するおそれがない安全なレベルに抑制する予備的な保護動作を行わせることができる。従って、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに各サイリスタに過大なストレスがかかるのを防ぐことができ、タップ切換器の寿命の延長と信頼性の向上とを図ることができる。
また本発明によれば、保護装置が本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器の一次側に過電圧を複数サイクルに亘って発生させても、その間直列変圧器からタップ切換器に印加される電圧のレベルを安全なレベルに保つことができるため、タップ切換器内のサイリスタに過大なストレスを与えることなく、開放事故により過電圧が発生していることの確認を正確に行わせて、保護装置による保護動作の信頼性を高めることができる。
また本発明によれば、直列変圧器の一次側に過電圧が発生したときに保護装置が本格的な保護動作を行うまでの間タップ切換器に印加される電圧のレベルを安全なレベルに保つ予備的な保護動作を行わせるために用いるスイッチを、タップ選択用スイッチを用いて構成するので、特別の半導体スイッチを追加することなく、本格的な保護動作が行われるまでの間の予備的な保護動作を行わせることができる。
特に第7の発明によれば、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに発生する過電圧からタップ切換器を保護することができるだけでなく、系統で短絡事故が発生したときに直列変圧器の一次側を流れる過電流からタップ切換器及びタップ巻線を保護する保護動作をも行わせることができるため、タップ切換器の保護の万全を期することができる。
本発明の一実施形態の構成を概略的に示した回路図である。 本発明の一実施形態において、即時保護用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタにトリガ素子を接続した状態を示した回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための更に他の回路図である。 本発明の一実施形態において、タップ切換器の出力端子間に印加される電圧の波形を示した波形図である。 本発明の他の実施形態の構成を概略的に示した回路図である。
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示したもので、同図において1は、二次巻線が電力系統の3相の線路LuないしLwに直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器、2は一次巻線が線路LuないしLwに並列に接続され、二次側にタップ巻線を有してタップ巻線のタップ間から直列変圧器1の一次側に与える調整電圧を出力する調整変圧器、3は調整変圧器2のタップ巻線と直列変圧器1の一次端子との間に設けられたタップ切換器である。
直列変圧器1は、第1の単位直列変圧器TSu,第2の単位直列変圧器TSv及び第3の単位直列変圧器TSwからなっていて、第1の単位直列変圧器TSuの二次巻線Csu、第2の単位直列変圧器TSvの二次巻線Csv及び第3の単位直列変圧器TSwの二次巻線Cswがそれぞれ3相の線路LuないしLwに直列に接続されている。第1ないし第3の単位直列変圧器TSuないしTSwの一次巻線Cpu〜Cpwはそれぞれの一端を中性点Nに接続することにより三相Y結線されている。一次巻線Cpu〜Cpwの他端からそれぞれ三相の一次端子1u〜1wが引き出されている。
調整変圧器2は、第1の単位調整変圧器TS1及び第2の単位調整変圧器TS2からなっている。第1の単位調整変圧器の一次巻線Cp1及び第2の単位調整変圧器の一次巻線Cp2は、それぞれの一端が共通接続されることにより三相V結線されていて、一次巻線Cp2の他端、一次巻線Cp1とCp2の共通接続点及び一次巻線Cp2の他端からそれぞれ3相の入力端子2u〜2wが引き出され、これらの入力端子がそれぞれ線路Lu〜Lwに接続されている。
第1の単位調整変圧器TS1及び第2の単位調整変圧器TS2のそれぞれの二次巻線Cs1及びCs2はタップ巻線となっていて、タップ巻線Cs1の一端及び他端からそれぞれタップt11及びt13が引き出され、タップ巻線Cs1の他端寄りの部分からタップt12が引き出されている。またタップ巻線Cs2の一端及び他端からそれぞれタップt21及びt23が引き出され、タップ巻線Cs2の他端寄りの部分からタップt22が引き出されている。
タップ切換器3は、直列変圧器1の一次端子1u〜1wにそれぞれ接続された出力端子3u〜3wを有するとともに,タップ巻線Cs1及びCs2の複数のタップと出力端子3u〜3wとの間に設けられた複数のタップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)、ThA(1)〜ThC(1),Th1(2)〜Th3(2)及びThA(2)〜ThC(2)と、出力端子3w、3v間に限流抵抗器R(1)を介して接続された橋絡用スイッチThS(1)と、出力端子3u,3v間に限流抵抗器R(2)を介して接続された橋絡用スイッチThS(2)とを有して、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら直列変圧器1に与える調整電圧を出力するタップ巻線のタップを切換える。各タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチは、サイリスタをスイッチング素子として用いた、双方向性を有するサイリスタスイッチにより構成されている。
図示の例では、タップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)のそれぞれの一端が出力端子3wに共通接続されるとともに、他端がそれぞれ第1の単位調整変圧器のタップ巻線のタップt13,t12及びt11に接続されている。またタップ選択用スイッチThA(1)〜ThC(1)のそれぞれの一端が出力端子3vに共通接続され、これらのタップ選択用スイッチの他端はそれぞれ第1の単位調整変圧器のタップ巻線Cs1のタップt11,t12及びt13に接続されている。タップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)及びタップ選択用スイッチThA(1)〜ThC(1)により、第1の単位調整変圧器側のタップ選択回路3A(1)が構成されている。
またタップ選択用スイッチTh1(2)〜Th3(2)の一端が出力端子3uに共通接続され、これらのタップ選択用スイッチの他端がそれぞれ第2の単位調整変圧器のタップ巻線Cs2のタップt23,t22及びt21に接続されている。更にタップ選択用スイッチThA(2)〜ThC(2)の一端が出力端子3vに接続され、これらのタップ選択用スイッチの他端がそれぞれ第2の単位調整変圧器TS2のタップ巻線のタップt21,t22及びt23に接続されている。タップ選択用スイッチTh1(2)〜Th3(2)及びタップ選択用スイッチThA(2)〜ThC(2)により、第2の単位調整変圧器側のタップ選択回路3A(2)が構成され、タップ選択回路3A(1)及び3A(2)と、限流抵抗器R(1),R(2)と、橋絡用スイッチThS(1),Ths(2)とによりタップ切換器3が構成されている。
本実施形態では,第1の単位調整変圧器側タップ選択回路3A(1)と第2の単位調整変圧器側タップ選択回路3A(2)とが出力端子3vを共有することにより、第1の単位調整変圧器TS1及び第2の単位調整変圧器TS2の二次側が3相V結線されていて、出力端子3vが接地されている。
本実施形態で用いているタップ切換器3においては、出力端子3vに一端が共通接続されたタップ選択用スイッチThA(1)〜ThC(1)の内の一つと、出力端子3wに一端が共通接続されたタップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)の内の一つとをオン状態にすることにより、タップ巻線Cs1に設けられている3つのタップの内の2つのタップを通電タップとして選択して、選択した2つの通電タップの間の電圧を出力端子3v、3wを通して直列変圧器1の一次端子1v、1w間に印加するように構成されていて、オン状態にするタップ選択用スイッチThA(1)〜ThC(1)の内の一つと、オン状態にするタップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)の内の一つとの組合わせを変えて調整電圧として用いるタップ巻線Cs1のタップ間電圧の大きさと位相とを切り換えることにより、調整電圧を出力するタップ(通電タップ)の位置として、素通しタップ位置を含む7種類のタップ位置を実現する。
同様に、出力端子3vに一端が共通接続されたタップ選択用スイッチThA(2)〜ThC(2)の内の一つと、出力端子3uに一端が共通接続されたタップ選択用スイッチTh1(2)〜Th3(2)の内の一つとをオン状態にすることにより、タップ巻線Cs2に設けられている3つのタップの内の2つのタップを通電タップとして選択して、選択した2つの通電タップの間の電圧を出力端子3v、3uを通して直列変圧器1の一次端子1v、1u間に印加するように構成されており、オン状態にするタップ選択用スイッチThA(2)〜ThC(2)の内の一つと、オン状態にするタップ選択用スイッチTh1(2)〜Th3(2)の内の一つとの組合わせを変えて、調整電圧として用いるタップ巻線Cs2のタップ間電圧の大きさと位相とを切り換えることにより、調整電圧を出力するタップ(通電タップ)の位置として、素通しタップ位置を含む7種類のタップ位置を実現する。
タップ切換器3の3相の出力端子3u,3v間、3v、3w間及び3w,3u間の電圧がそれぞれ直列変圧器1の3相の一次端子1u、1v間,1v,1w間及び1w、1u間に3相の調整電圧として入力されている。
第1の単位調整変圧器側のタップ選択回路3A(1)及び第2の単位調整変圧器側のタップ選択回路3A(2)は、直列変圧器1の一次端子間に与える調整電圧を出力するタップの位置を、タップ位置1からタップ位置7まで7段階に切り換えて、直列変圧器1の一次側に7種類の調整電圧を与えることができるように構成されている。例えばタップ位置1を選択する際には、タップ選択回路3A(1)側では、図1に薄墨色を付して示したタップ選択用スイッチThC(1)とTh1(1)とがオン状態にされ、タップ選択回路3A(2)側では、タップ選択用スイッチThC(2)とTh1(2)とがオン状態にされる。また素通しタップを選択する際には、タップ選択回路3A(1)側では、タップ選択用スイッチThA(1)とタップ選択用スイッチTh1(1)とがオン状態にされ、タップ選択回路3A(2)側では、タップ選択用スイッチThA(2)とタップ選択用スイッチTh1(2)とがオン状態にされる。タップ位置1〜タップ位置7とそれぞれのタップ位置を実現するためにオン状態にされるタップ選択用スイッチ(サイリスタスイッチ)との関係を下記の表1にまとめて示した。
Figure 2017117084
表1においては、図1において、第1の単位調整変圧器側タップ選択回路3Aと第2の単位調整変圧器側タップ選択回路3Bとを区別するために、各タップ選択用スイッチを示す符号の末尾に付した添え字(1)及び(2)を省略してある。タップ位置1〜タップ位置7のうち、タップ位置4は素通しタップの位置である。このタップ位置4が選択された状態では、タップt11に一端が共通接続され、他端が出力端子3v及び3wにそれぞれ接続されたタップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)が同時にオン状態にされると共に、タップt21に一端が共通接続され、他端が出力端子3v及び3uにそれぞれ接続されたタップ選択用スイッチThA(2)及びTh1(2)が同時にオン状態にされる。これにより、調整変圧器2のタップ巻線Cs1及びCs2のタップ間を短絡することがない状態で、タップ切換器3の出力端子3v、3w間及び3v、3u間が短絡されて、直列変圧器1の各相の一次端子間に与える調整電圧が0とされる。
図示してないが、線路電圧が規定の範囲から逸脱したときに、線路電圧を規定範囲に戻すように、タップ位置を切換えるべく、タップ切換器3のタップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチを制御するタップ切換器制御装置が設けられている。この制御装置は、線路電圧を検出して、線路の電圧を調整する必要が生じたときにタップ切換器3にタップ切換え動作を行わせるべく、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチをオンオフ制御するタップ切換器制御用のデジタルリレーを備えていて、このデジタルリレーの働きにより、線路電圧を調整する必要が生じたときに、一時的に橋絡用スイッチThS(1)及びThS(2)をオン状態にして出力端子3v,3w間及び3v,3u間が開放状態になるのを防ぎつつ、今までのタップ位置を選択していたタップ選択用スイッチをオフ状態にする動作と、新たなタップ位置を選択するためのタップ選択用スイッチをオン状態にする動作とを行わせて、タップ位置を、今までの位置から新たな位置へと切り換える。
図示の自動電圧調整装置において、タップ切換器3の各スイッチと調整変圧器2のタップとの間を接続している接続部に接触不良が生じたり、所定のタップ位置を選択するためにオン状態にあるタップ選択用スイッチが故障してオフ状態になると、直列変圧器1の一次端子間が開放状態になる事故(開放事故)が発生する。開放事故が発生すると、直列変圧器1の二次側(系統側)を流れる負荷電流Iu、Iv及びIw のうち、開放事故が発生した相の負荷電流が直列変圧器1の励磁電流となるため,直列変圧器1の開放された一次端子間に異常過電圧が発生する。この異常過電圧がタップ切換器3内の、オフ状態にあるタップ選択用スイッチを構成しているサイリスタに印加されると、該サイリスタが破損するおそれがある。
そのため、本実施形態の自動電圧調整装置では、直列変圧器1の一次側の電圧レベルを過電圧判定レベルと比較することにより開放事故が発生したか否かを判定して、開放事故が発生したと判定したときに、デジタルリレーの働きにより先ずタップ切換器3に素通しタップを選択する動作を行わせた後、タップ切換器3の出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入することによりタップ切換器3の出力端子間を短絡して、タップ切換器3を過電圧から保護する保護装置を設けている。
図1に示した例では、タップ切換器3の出力端子3v,3w間及び3v,3u間にそれぞれ図示されていないデジタルリレーにより制御される電磁接触器MC(1)及びMC(2)が短絡用スイッチとして接続されるとともに、出力端子3v,3w間及び3v,3u間の電圧レベルが設定された過電圧判定レベルに達したことを検出したときに、タップ巻線Cs1及びCs2の通電タップの位置を素通しタップ位置とする素通しタップ選択動作をタップ切換器3に行わせた後、図示しないデジタルリレーに指令を与えて電磁接触器MC(1),MC(2)を投入する動作を行わせるスイッチ制御部5(1),5(2)とを設けて、電磁接触器MC(1)及びMC(2)と、スイッチ制御部5(1)及び5(2)とにより上記保護装置を構成している。
上記過電圧判定レベルは、直列変圧器1の一次側が開放されたときに直列変圧器1の一次端子間に誘起する過電圧を確実に検出するのに適したレベルで、かつタップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタを降伏させるおそれがある電圧レベルよりは低く設定される。この過電圧判定レベルは、実験結果に基ついて適正値に決定される。
スイッチ制御部5(1),5(2)は、例えば、タップ切換器3の出力端子3v,3u間及び3v,3w間の電圧を常時監視する電圧監視部と、電圧監視部が監視している出力端子3v,3u間の電圧及び出力端子3v,3w間の電圧のレベルを過電圧判定レベルと比較して、いずれかの出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベル以上になったと判定したときにタップ巻線Cs1の通電タップ位置及びタップ巻線Cs2の通電タップ位置を共に素通しタップ位置とする素通しタップ選択動作をタップ切換器3に行わせるためにタップ切換器制御装置に素通しタップ選択指令を与える素通しタップ選択指令発生部と、タップ切換器制御装置がこの指令に応答してタップ切換器3が選択するタップ位置を素通しタップ位置とする制御を行ったことが確認されたときに、図示しないデジタルリレーに指令を与えて該デジタルリレーに電磁接触器MC(1)及びMC(2)を投入する動作を行わせる電磁接触器駆動部とにより構成することができる。
スイッチ制御部5(1)及び5(2)は、タップ切換器の出力端子3v,3w間の電圧レベル及び出力端子3v,3w間の電圧レベルの何れか一方のみが過電圧判定レベル以上になった場合でも、タップ巻線Cs1及びCs2の双方の通電タップ位置を素通しタップ位置とするとともに、電磁接触器MC(1)及びMC(2)の双方を投入するように構成される。
上記の保護装置によった場合には、直列変圧器1の一次側に異常過電圧が発生してから電磁接触器MC(1)及びMC(2)(短絡用スイッチ)が投入されるまでの間に若干の遅れ時間が経過するのを避けられない。この遅れ時間の間、直列変圧器1からタップ切換器3に異常過電圧が印加され続けるため、タップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタスイッチを構成しているサイリスタにストレスがかかる。
また保護装置の誤動作を防ぐためには、直列変圧器1の一次側の電圧レベルが過電圧判定レベル以上になったことを複数回検出したときに保護動作を行わせるように保護装置を構成することが好ましい。そのためには、過電圧が発生する状態を複数サイクルに亘って継続させる必要があるが、過電圧を何回も発生させると、タップ切換器3に過電圧が印加される時間が長くなるため、タップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタにかかるストレスが過大になり、該サイリスタが破壊されるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、タップ切換器3内に設けられているタップ選択用スイッチTh1(1)〜Th3(1)、ThA(1)〜ThC(1),Th1(2)〜Th3(2)及びThA(2)〜ThC(2)のうち、同時に導通状態にされた際にタップ切換器3の出力端子間を短絡するような位置関係を持って設けられている一対のタップ選択用スイッチを即時保護用スイッチとして選定しておいて、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子を即時保護用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間に接続しておく。そして、トリガ素子の動作電圧のレベルを、タップ切換器3の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりは高く、かつタップ切換器3の出力端子間の電圧がタップ選択用スイッチを構成するサイリスタを降伏させるレベルに達したときにトリガ素子に印加される電圧のレベルよりは低く設定しておいて、直列変圧器1の一次側に誘起する電圧のレベルが過電圧判定レベルを超えた直後に、トリガ素子をオン状態にして即時保護用スイッチを自動的にオン状態にすることにより、直列変圧器1からタップ切換器3に印加される電圧をタップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタを破壊するおそれがないレベル以下に抑制する予備的な保護動作を行わせる。
タップ選択回路3A側では、上記即時保護用スイッチとして、タップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)のペア、タップ選択用スイッチThB(1)及びTh2(1)のペア及びタップ選択用スイッチThC(1)及びTh3(1)のペアの何れかを即時保護用スイッチとして選定することができる。またタップ選択回路3B側では、タップ選択用スイッチThA(2)及びTh1(2)のペア、タップ選択用スイッチThB(2)及びTh2(2)のペア及びタップ選択用スイッチThC(2)及びTh3(2)のペアの何れかを即時保護用スイッチとして選定することができる。
本実施形態では、保護動作時に行う素通しタップへの移行を容易にするため、素通しタップ選択用のタップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)のペアと、同じく素通しタップ選択用のタップ選択用スイッチのペアThA(2)及びTh1(2)とを即時保護用スイッチとして選定する。
図2は、即時保護用スイッチとして用いる各タップ選択用スイッチ(本実施形態では素通しタップ選択用のタップ選択用スイッチThA(1),Th1(1),ThA(2)及びTh1(2))を構成するサイリスタスイッチの一例を示したものである。この例では、互いに逆並列接続された(それぞれの順方向を異なる向きに向けて並列接続された)単方向性を有する一対のサイリスタTha,Thbによりサイリスタスイッチが構成されている。サイリスタTha及びThbのゲートは、図示しないタップ切換器制御装置のトリガ信号出力端子に接続され、タップ切換器制御装置からサイリスタTha及びThbのゲートにトリガ信号が与えられたときに、サイリスタTha及びThbのうち、アノード・カソード間に順方向電圧が印加されているサイリスタがオン状態になる。ここでは、即時保護用スイッチとして選定されたタップ選択用スイッチThA(1),Th1(1),ThA(2)及びTh1(2)に正の半波の電圧が印加されているときにそれぞれのスイッチを構成するサイリスタThaのアノード・カソード間に順方向電圧が印加され、タップ選択用スイッチThA(1),Th1(1),ThA(2)及びTh1(2)に負の半波の電圧が印加されているときに、それぞれのスイッチを構成するサイリスタThbのアノード・カソード間に順方向電圧が印加されるものとする。
即時保護用スイッチとして選定されたサイリスタスイッチが、図2に示したように、逆並列接続されたサイリスタTha及びThbのペアからなる場合には、サイリスタThaのアノード・ゲート間及びサイリスタThbのアノード・ゲート間にそれぞれトリガ素子5a及び5bが接続される。トリガ素子5a及び5bは、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる電圧応動型の半導体素子(スイッチング素子)により構成される。
トリガ素子5a,5bを構成する半導体素子は、両端に印加された電圧が規定の動作電圧未満であるときにオフ状態を保持し、印加電圧が規定の動作電圧に達したときに自動的にオン状態になる半導体素子であって、即時保護用スイッチを適切なタイミングでオン状態にするのに適した動作電圧を選定できるものであれば如何なるものでもよい。
この半導体素子としては、例えばアノード・カソード間に印加された電圧が規定の電圧に達したときに自己トリガされてオン状態になるように構成された無ゲート2端子サイリスタ(ゲートを持たないサイリスタ)を用いることができる。無ゲート2端子サイリスタとしては、例えばサイダック(登録商標)の商品名で市販されているものを用いることができる。サイダックは、双方向特性を有するものと、単方向特性を有するものとがあるが、本発明においてはこれらの何れを用いてもよい。
またトリガ素子を構成する半導体素子としては、規定の動作電圧が両端に印加されたときにオン状態になるダイオードであるトリガ・ダイオード(商品名ダイアック)を用いたり、印加されている電圧のレベルが規定のレベルに達したときにブレーク・ダウンするツェナーダイオードなどを用いることも考えられる。
上記トリガ素子の動作電圧のレベルは、タップ切換器3の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときにトリガ素子5a,5bの両端に印加される電圧のレベルよりも高く、かつタップ切換器3の出力端子間の電圧レベルがタップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタを降伏させるレベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりは低いレベルに設定するのが好ましい。
次に、図3ないし図11を用いて、本実施形態に係る自動電圧調整装置で直列変圧器1の一次側が開放される事故が発生した際の動作について説明する。図3ないし図11においては、オフ状態にあるタップ選択用スイッチを示すブロックが白抜きで示されており、オン状態にあるタップ選択用スイッチを示すブロックが薄墨色で示されている。なお図3ないし図11においては、スイッチ制御部5(1),5(2)の図示が省略されている。
図1に示したように、タップ選択用スイッチTh1(1),ThC(1),Th1(2),ThC(2)をオン状態にしてタップ位置1を選択している状態で、図3にX印を付して示したようにタップ選択用スイッチThC(1)が故障してオフ状態になったとする。このとき、直列変圧器1の一次端子1v、1w間が開放された状態になるため、V相及びW相の負荷電流Iv 及びIw が直列変圧器1の励磁電流となって、直列変圧器1の一次端子1v、1w間に異常過電圧Vovが発生し、図4に示すように、この過電圧Vovがタップ切換器3の出力端子3v、3w間に印加される。
本実施形態では、このように、直列変圧器1の一次側で開放事故が発生して、直列変圧器1の一次端子間に過電圧が発生したときに、保護装置が電磁接触器(短絡用スイッチ)MC(1)及びMC(2)を投入して本格的な保護動作を行う前に、即時保護用スイッチとして選定された一対の素通しタップ選択用スイッチThA,Th1 をオン状態にして、これらのスイッチによりタップ切換器3の出力端子間を短絡することにより,タップ切換器3内の回路に過大な電圧が印加されるのを防ぐ予備的な保護動作を行う。
図3に示すように、タップ選択用スイッチTh1(1),ThC(1),Th1(2),ThC(2)をオン状態にして「タップ位置1」を選択している状態で開放事故が発生した場合には、素通しタップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)の内、タップ選択用スイッチTh1(1)は既にオン状態にされているので、他方の素通しタップ選択用スイッチThA(1)のみをオン状態にすることにより、素通しタップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)の双方をオン状態にしてタップ切換器3の出力端子間を短絡することができる。
ここで、直列変圧器1側からタップ切換器3の出力端子3v,3w間に印加される過電圧Vovが、図12に破線で示した波形を示すものとする。図12において、Vnはタップ切換器3の出力端子間の定格電圧のレベルを示し、Va は、直列変圧器1の一次側が開放される開放事故が発生したことを判定するために過電圧Vovのレベルと比較される過電圧判定レベルを示している。またVs は、素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタのアノード・ゲート間に接続されたトリガ素子の両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにタップ切換器3の出力端子間に印加されている電圧のレベル(このレベルをトリガ素子動作レベルと呼ぶことにする。)を示している。
タップ位置1が選択されている状態で開放事故が発生した場合には、直列変圧器1の一次端子1v,1w間からタップ切換器3の出力端子3v、3w間に印加された過電圧Vovが、オン状態にあるタップ選択用スイッチTh1(1)を通して、オフ状態にある素通しタップ選択用スイッチThA(1)に印加される。この素通しタップ選択用スイッチThA(1)を構成しているサイリスタTha,Thbのアノード・ゲート間にはトリガ素子5a,5b(図2参照)が接続されている。
図12に示すように、過電圧Vovの正の半波のレベルがトリガ素子動作レベルVsに達すると、それまでオフ状態にあったタップ選択用スイッチTA(1)を構成している一対のサイリスタTha,Thbの内、過電圧の正の半波で順方向電圧が印加される一方のサイリスタThaのアノード・ゲート間に接続されたトリガ素子5aがオン状態になって該一方のサイリスタThaをトリガする。これにより今までオフ状態にあったタップ選択用スイッチThA(1)がオン状態になり、タップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)の双方がオン状態になるため、これらのスイッチによりタップ切換器3の出力端子3v,3w間が短絡され、図6に示したように、タップ切換器3の出力端子3v,3w間の電圧がほぼ0Vまで低下させられる。
タップ切換器3の出力端子3v,3w間の電圧が0Vまで低下する過程で、タップ選択用スイッチTA(1)のサイリスタThaのアノード・ゲート間に接続されたトリガ素子5aがオフ状態になるが、サイリスタThaはオン状態を維持しているため、過電圧Vovの正の半波が終了するまでの間、素通しタップ選択用のタップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)はオン状態を維持する。
過電圧Vovの負の半波が開始されると、該負の半波の電圧がタップ切換器3の出力端子間に現れるが、この電圧がトリガ素子の動作レベル−Vsに達すると素通しタップ選択用のスイッチThA(1)を構成している他方のサイリスタThbのアノード・ゲート間に接続されているトリガ素子5bがオン状態になって、タップ選択用スイッチThA(1)及びTh1(1)の双方がオン状態になるため、タップ切換器3の出力端子3v,3w間が短絡され、図6に示したように、タップ切換器3の出力端子3v,3u間の電圧がほぼ0Vにされる。なお図6において、Vovの右に示された点線の矢印は、今まで印加されていた電圧Vovが消滅したことを表わしている。
これらの動作は、直列変圧器1の一次側に過電圧が誘起している間継続されるため、本実施形態のように即時保護用スイッチに予備的保護動作を行わせた場合のタップ切換器3の出力端子間の電圧の波形は図12に実線で示したようになり、タップ切換器3に印加される電圧がトリガ素子動作レベルVs 以下に抑制される。トリガ素子動作レベルVs は、過電圧判定レベルVa よりも高く設定されているため、予備的保護動作が行われている間も、過電圧が過電圧判定レベル以上になっていることの判定(開放事故が発生していることの確認)は支障なく行わせることができる。
上記のように即時保護用スイッチTh1(1)及びThA(1)の導通によりタップ切換器3の出力端子間に印加される電圧を抑制する予備的な保護動作が行われている間は、直列変圧器1側からタップ切換器3に印加される電圧がトリガ素子の動作レベルVs以下に制限される。そのため、トリガ素子動作レベルVsを、タップ切換器3内でオフ状態にあるサイリスタを降伏させるレベルよりも低いレベルに設定しておけば、予備的保護動作が行われている間、タップ切換器3内のサイリスタに過大なストレスがかかるのを防ぐことができる。従って、保護装置が電磁接触器(短絡用スイッチ)MC(1)及びMC(2)を投入して本格的な保護動作を行う前に、直列変圧器1の一次側に誘起した過電圧が過電圧判定レベル以上であるか否かの判定を、複数サイクルに亘って行わせても、その間直列変圧器1からタップ切換器3に印加される電圧のレベルを安全なレベルに保つことができる。従って、タップ切換器3内のサイリスタに過大なストレスを与えることなく、開放事故により過電圧が発生していることの確認を正確に行わせて、保護装置による保護動作の信頼性を高めることができる。
保護装置は、予備的保護動作が行われている間に、直列変圧器1の一次側の開放事故が発生していることを確認したとき(例えば過電圧Vovが過電圧判定レベルを超えたことを設定回数検出したとき)に、図示しされていないデジタルリレーに指令を与えて先ず図7に示すように、橋絡用スイッチThS(1)及びThS(2)をオン状態にし、次いで図8に示すように、タップ切換器3のすべてのタップ選択用スイッチをオフ状態にした後、図9に示すように、素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオン状態にして素通しタップ位置4を選択した状態にする。次いでスイッチ制御部5(1)及び5(2)からデジタルリレーに指令を与えて、図10に示すように電磁接触器MC(1)及びMC(2)を投入する動作を行わせた後、デジタルリレーの動作により、図11に示すように橋絡用スイッチThS(1)及びThS(2)をオフ状態にすると共に、すべてのタップ選択用スイッチをオフ状態にして、タップ切換器3を過電圧から保護された状態にする。
上記の説明では、図8に示すように、タップ切換器3のすべてのタップ選択用スイッチをオフ状態にした後、図9に示すように、素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオン状態にして素通しタップ位置4を選択した状態にするとしたが、図7に示す過程で橋絡用スイッチThS(1)及びThS(2)がオン状態にされることにより、直列変圧器1の一次側の電圧は既に抑制されているため、図8に示すように、タップ切換器3のすべてのタップ選択用スイッチをオフ状態にした後、図9に示すように素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオン状態にする制御は必須ではない。即ち、保護装置は、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したことが検出されたときに橋絡用スイッチThS(1)及びThS(2)をオンにした後、トリガ素子の働きによりオンになった素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で電磁接触器MC(1)及びMC(2)(短絡用スイッチ)を投入する動作と、橋絡用スイッチ及びすべてのタップ選択用スイッチをオフにする動作とを行うように構成されていてもよい。
上記の説明では、直列変圧器1の一次側が開放される開放事故が発生したときに、たまたま即時保護用スイッチを構成するタップ選択用スイッチTh1(1)及びThA(1)の内、一方のタップ選択用スイッチTh1(1)がオン状態になっているとしたが、開放事故が発生してタップ切換器3の出力端子3v、3w間に過電圧Vovが印加されたときに即時保護用スイッチを構成するタップ選択用スイッチのペアTh1(1),ThA(1)の双方がオフ状態にある場合には、タップ切換器3の出力端子3v、3w間の電圧Vovがトリガ素子動作レベルVsに達したときに、即時保護用スイッチを構成する両タップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)のそれぞれを構成するサイリスタのアノード・ゲート間に接続されたトリガ素子がオン状態になって、両タップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)をオン状態にすることにより、出力端子3v,3w間を短絡して予備的な保護動作を行う。
上記の説明では、タップ切換器3の出力端子3v、3w間に過電圧が印加された場合を例にとったが、タップ切換器3の出力端子3v,3u間に過電圧が印加された場合も上記と同様にして予備的保護動作が行われる。
上記の実施形態では、複数のタップ選択用スイッチのうち、同時にオン状態にされた際にタップ切換器の出力端子間を短絡するよう設けられている一対のタップ選択用スイッチ(上記の実施形態ではタップ選択用スイッチTh1(1)、ThA(1),Th1(2),ThA(2))を即時保護用スイッチとして選定して、これらの即時保護用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間にトリガ素子を接続するようにしたが、橋絡用スイッチThs(1),Ths(2)を即時保護用スイッチとして選定して、これらの橋絡用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間にトリガ素子を接続するようにしてもよい。この場合も、トリガ素子の動作電圧のレベルは、タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが過電圧判定レベルに達したときにトリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定され、直列変圧器の一次側(端子1v,1w間及び1u,1w間)に異常過電圧が誘起したときに上記トリガ素子がオン状態になって橋絡用スイッチThs(1),Ths(2)をオン状態にするように構成される。
このように構成した場合も、直列変圧器の一次側に異常過電圧が発生したときに、その過電圧の1サイクル目からトリガ素子の働きにより橋絡用スイッチをオン状態にしてタップ切換器の出力端子間の電圧を抑制することができるため、保護装置が本格的な保護動作を行うまでの間タップ切換器を過電圧から保護することができる。
上記の実施形態では、直列変圧器1の一次側が開放される事故が発生したときに、直列変圧器の一次側に誘起する異常過電圧からタップ切換器3を保護するように保護装置が構成されているが、直列変圧器の一次側が開放される事故が発生したときに直列変圧器の一次側に誘起する過電圧からタップ切換器を保護する保護動作を行うだけでなく、線路が設けられている系統で短絡事故が発生して、線路を短絡電流が流れたときに直列変圧器の一次側に流れる過電流からタップ切換器及びタップ巻線を保護する保護動作をも行うように保護装置を構成することもできる。系統で短絡事故が発生したときには、直列変圧器1の一次側に誘起する電圧が高くなることはなく、過電圧判定レベルに達することがないため、上記の実施形態のように保護装置を構成しただけでは、保護動作を行わせることができない。
系統で短絡事故が発生して線路を短絡電流が流れたときに直列変圧器1の一次側に流れる過電流からタップ切換器3及びタップ巻線を保護する保護動作をも行わせる場合には、上記の実施形態と同様に、素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)を構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノード・ゲート間にトリガ素子を接続しておくと共に、線路を流れる電流を常時監視して、監視している線路電流が系統短絡電流閾値(系統で短絡事故が発生したときに線路を流れる短絡電流の最小値)以上であることを検出したときに、保護指令を発生する短絡保護用デジタルリレーを自動電圧調整装置に設けて、上記の実施形態で行わせた保護動作に加えて、更に下記の保護動作を行うように保護装置を構成する。
系統で短絡事故が発生したことがデジタルリレーにより検出されたときには、下記の(1)及び(2)に示すように、タップ切換器で素通しタップが選択されている場合と、素通しタップ以外のタップが選択されている場合とで、異なる保護動作を行わせる。
(1)系統で短絡事故が発生してデジタルリレーが保護指令を発生したときに、素通しタップが選択されている場合(素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)がオンになっている場合)には、タップ切換器制御用デジタルリレーの働きにより素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)のオン状態を維持した状態で電磁接触器MC(1)及びMC(2)(短絡用スイッチ)を投入した後、タップ切換器制御用デジタルリレーの働きにより素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオフ状態にして(すべてのタップ選択用スイッチをオフにして)保護動作を完了する。
(2)系統で短絡事故が発生してデジタルリレーが保護指令を発生したときに、素通しタップ以外のタップが選択されている場合(素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)がオフになっている場合)には、タップ切換器制御用デジタルリレーの働きにより一旦タップ切換器3のすべてのタップ選択用スイッチと橋絡用スイッチとをオフ状態にして直列変圧器1の一次側に故意に異常過電圧を発生させることにより、各素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノード・ゲート間に接続されたトリガ素子にオン動作を行わせて、素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオン状態にする。次いで、橋絡用スイッチをオフ状態に保持したままで、タップ切換器制御用のデジタルリレーから素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)にトリガ信号を与えてこれらのタップ選択用スイッチをオン状態を維持した状態で、電磁接触器MC(1)及びMC(2)(短絡用スイッチ)を投入した後、素通しタップ選択用スイッチTh1(1),ThA(1)及びTh1(2),ThA(2)をオフ状態にして(タップ切換器のすべてのタップ選択用スイッチをオフ状態にして)保護動作を完了する。
上記のように、素通しタップ選択用スイッチがオフになっている状態で系統で短絡事故が発生したことが検出された時に、一旦タップ切換器のすべてのタップ選択用スイッチと橋絡用スイッチとをオフ状態にして直列変圧器の一次側に故意に異常過電圧を発生させると、トリガ素子の働きにより素通しタップ選択用スイッチをオン状態にして、直列変圧器の一次側を流れる電流をタップ巻線から側路することができ、またタップ切換器制御用デジタルリレーの働きにより、素通しタップ選択用スイッチをオン状態に保持した状態で、短絡用スイッチを投入して本格的な保護状態に移行するため、系統で短絡事故が発生したときにタップ巻線に過電流が流れてタップ巻線が損傷するのを防ぐことができる。
なお系統で短絡事故が発生したときに橋絡用スイッチThS(1),ThS(2)をオン状態にしてタップ切換器3に印加される電圧を制限した状態で、電磁接触器MC(1),MC(2)を投入することが考えられるが、系統で短絡事故が発生したときに橋絡用スイッチThS(1),ThS(2)をオン状態にすると、限流抵抗器R(1),R(2)に大きな電流が流れてこれらの限流抵抗器が焼損するおそれがある。従って、系統で短絡事故が発生した際に行う保護動作においては、橋絡用スイッチをオン状態にすることなく、素通しタップ選択用スイッチ(即時保護用スイッチ)をオンにした状態で短絡用スイッチMC(1)、MC(2)をオン状態にする制御を行わせる必要がある。
本発明を適用する自動電圧調整装置において用いるタップ切換器3は、直列変圧器1の一次端子に接続された出力端子を有するとともにタップ巻線の複数のタップとタップ切換器3の出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及びタップ切換器3の出力端子間に限流抵抗器Rを介して接続された橋絡用スイッチThSを有して、タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら直列変圧器1に与える調整電圧を出力するタップ巻線のタップ(通電タップ)を切換えるように構成されたものでもよく、その具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
例えば、図13に示したように、調整変圧器2のタップ巻線Cs1の一方の最端タップを含む3つのタップと出力端子3wとの間にそれぞれタップ選択用スイッチThA(1),ThB(1)及びThC(1)を設けるとともに、タップ巻線Cs1の他方の最端タップと出力端子3vとの間及びタップ巻線Cs1の一方の最端タップと出力端子3vとの間にそれぞれタップ選択用スイッチTh1(1)及びTh2(1)を設けることにより、タップ巻線Cs1側のタップ選択回路3A(1)を構成し、調整変圧器2のタップ巻線Cs2の一方の最端タップを含む3つのタップと出力端子3uとの間にそれぞれタップ選択用スイッチThA(2),ThB(2)及びThC(2)を設けるとともに、タップ巻線Cs2の他方の最端タップと出力端子3vとの間及びタップ巻線Cs2の一方の最端タップと出力端子3vとの間にそれぞれタップ選択用スイッチTh1(2)及びTh2(2)を設けることにより、タップ巻線Cs2側のタップ選択回路3A(2)を構成したタップ切換器3を用いることもできる。図13に示したタップ切換器3を構成しているタップ選択回路3A(1)及び3A(2)は、特許文献1にも示されているように既に公知であるので、その動作の説明は省略する。
図13に示した構成を有するタップ切換器3を用いる場合には、タップ選択用スイッチThA(1)とタップ選択用スイッチTh2(1)のペア及びタップ選択用スイッチThA(2)とタップ選択用スイッチTh2(2)のペアを、即時保護用スイッチとして選定することができる。
上記の各実施形態では、調整変圧器2及びタップ切換器3が3相V結線されているが、調整変圧器2として一次巻線及び二次巻線を3相分有するものを用いて、調整変圧器2及びタップ切換器3を3相Y結線又は3相Δ結線する構成を採用する場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
上記の各実施形態では、調整変圧器2として互いに絶縁された一次巻線及び二次巻線(タップ巻線)を有する絶縁変圧器を用いているが、調整変圧器2として、分路巻線にタップを有する単巻変圧器を用いる場合にも本発明を適用することができる。
1 直列変圧器
1u,1v,1w 直列変圧器の一次端子
2 調整変圧器
2u,2v,2w 調整変圧器の入力端子
3 タップ切換器
3u,3v,3w タップ切換器の出力端子
3A(1) タップ選択回路
3A(2) タップ選択回路
Cs1,Cs2 タップ巻線
ThA(1)〜ThC(1) タップ選択用スイッチ
Th1(1)〜T3(1) タップ選択用スイッチ
ThA(2)〜ThC(2) タップ選択用スイッチ
Th1(2)〜T3(2) タップ選択用スイッチ
ThS(1),ThS(2) 橋絡用スイッチ
R(1),R(2) 限流抵抗器
MC(1), MC(2) 電磁接触器

Claims (8)

  1. 二次巻線が線路に直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、前記線路の電圧を入力として前記タップ巻線のタップ間に前記調整電圧として用いる複数の電圧を発生する調整変圧器と、前記直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともに前記タップ巻線の複数のタップと前記出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び前記出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有して、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら前記直列変圧器に与える調整電圧を出力する前記タップ巻線のタップを切換えるタップ切換器と、前記タップ切換器の出力端子間の電圧が、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したことを判定するための過電圧判定レベルに達したことを検出したときに前記出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する制御を行って前記直列変圧器から前記タップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置とを備え、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチはサイリスタスイッチからなっている自動電圧調整装置において、
    前記タップ選択用スイッチのうち、同時にオン状態にされた際に前記タップ切換器の出力端子間を短絡するよう設けられている一対のタップ選択用スイッチが即時保護用スイッチとして選定されて、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が前記即時保護用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間に接続され、
    前記トリガ素子の動作電圧のレベルは、前記タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが前記過電圧判定レベルに達したときに前記トリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに前記トリガ素子がオン状態になって前記即時保護用スイッチをオン状態にするように構成されていること、
    を特徴とする自動電圧調整装置。
  2. 前記即時保護用スイッチとして選定された一対のタップ選択用スイッチは、一端が共通接続されるとともに他端がタップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されている一対のタップ選択用スイッチである請求項1に記載の自動電圧調整装置。
  3. 前記即時保護用スイッチとして選定されたタップ選択用スイッチは、素通しタップを選択する際に同時にオン状態にされる一対のタップ選択用スイッチである請求項2に記載の自動電圧調整装置。
  4. 二次巻線が線路に直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、前記線路の電圧を入力として前記タップ巻線のタップ間に前記調整電圧として用いる複数の電圧を発生する調整変圧器と、前記直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともに前記タップ巻線の複数のタップと前記出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び前記出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有して、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら前記直列変圧器に与える調整電圧を出力する前記タップ巻線のタップを切換えるタップ切換器と、前記出力端子間の電圧が前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したことを判定するための過電圧判定レベルに達したことを検出したときに前記タップ切換器の出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する制御を行って前記直列変圧器から前記タップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置とを備え、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチはサイリスタスイッチからなっている自動電圧調整装置において、
    両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が前記橋絡用スイッチを構成する各サイリスタのアノード・ゲート間に接続され、
    前記トリガ素子の動作電圧のレベルは、前記タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが前記過電圧判定レベルに達したときに前記トリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに前記トリガ素子がオン状態になって前記橋絡用スイッチをオン状態にするように構成されていること、
    を特徴とする自動電圧調整装置。
  5. 二次巻線が線路に直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、前記線路の電圧を入力として前記タップ巻線のタップ間に前記調整電圧として用いる複数の電圧を発生する調整変圧器と、前記直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともに前記タップ巻線の複数のタップと前記出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び前記出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有して、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら前記直列変圧器に与える調整電圧を出力する前記タップ巻線のタップを切換えるタップ切換器と、前記タップ切換器の出力端子間の電圧が、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したことを判定するための過電圧判定レベルに達したことを検出したときに前記出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する制御を行って前記直列変圧器から前記タップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置とを備え、前記複数のタップ選択用スイッチは、前記タップ巻線の一つのタップに一端が共通接続されるとともに他端が前記タップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されて素通しタップを選択する際に同時にオン状態にされる一対の素通しタップ選択用スイッチを含み、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチはサイリスタスイッチからなっている自動電圧調整装置において、
    前記一対の素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノード・ゲート間に、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が接続され、
    前記トリガ素子の動作電圧のレベルは、前記タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが前記過電圧判定レベルに達したときに前記トリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに前記トリガ素子がオン状態になって前記一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態にするように構成され、
    前記保護装置は、前記直列変圧器の一次側に前記異常過電圧が発生したことが検出されたときに前記橋絡用スイッチをオンにした後、前記短絡用スイッチを投入する動作を行うように構成されていること、
    を特徴とする自動電圧調整装置。
  6. 二次巻線が線路に直列に接続され、一次側に調整電圧が入力される直列変圧器と、複数のタップを備えたタップ巻線を有し、前記線路の電圧を入力として前記タップ巻線のタップ間に前記調整電圧として用いる複数の電圧を発生する調整変圧器と、前記直列変圧器の一次端子に接続された出力端子を有するとともに前記タップ巻線の複数のタップと前記出力端子との間に設けられた複数のタップ選択用スイッチ及び前記出力端子間に限流抵抗器を介して接続された橋絡用スイッチを有して、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチのオンオフ動作を伴いながら前記直列変圧器に与える調整電圧を出力する前記タップ巻線のタップを切換えるタップ切換器と、前記タップ切換器の出力端子間の電圧が前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したことを判定するための過電圧判定レベルに達したことを検出したときに前記出力端子間に接続した短絡用スイッチを投入する制御を行って前記直列変圧器から前記タップ切換器に印加される過電圧を抑制する保護動作を行う保護装置とを備え、前記複数のタップ選択用スイッチは、前記タップ巻線の一つのタップに一端が共通接続されるとともに他端が前記タップ切換器の対をなす出力端子の一方及び他方に接続されて素通しタップを選択する際に同時にオン状態にされる一対の素通しタップ選択用スイッチを含み、前記タップ選択用スイッチ及び橋絡用スイッチはサイリスタスイッチからなっている自動電圧調整装置において、
    前記一対の素通しタップ選択用スイッチを構成するサイリスタスイッチの各サイリスタのアノード・ゲート間に、両端に印加された電圧が規定の動作電圧に達したときにオン状態になる半導体素子からなるトリガ素子が接続され、
    前記トリガ素子の動作電圧のレベルは、前記タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが前記過電圧判定レベルに達したときに前記トリガ素子の両端に印加される電圧のレベルよりも高く設定されていて、前記直列変圧器の一次側に異常過電圧が誘起したときに前記トリガ素子がオン状態になって前記一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態にするように構成され、
    前記保護装置は、前記直列変圧器の一次側に前記異常過電圧が発生したことが検出されたときに、前記橋絡用スイッチをオンにした後、前記トリガ素子の働きによりオンになった前記素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で前記短絡用スイッチを投入するように構成されていること、
    を特徴とする自動電圧調整装置。
  7. 前記線路が設けられている系統で短絡事故が発生したことを検出したときに保護指令を発生するリレーが設けられ、
    前記保護装置は、前記一対の素通しタップ選択用スイッチがオンになっている状態で前記リレーが保護指令を発生したときに該一対の素通しタップ選択用スイッチのオン状態を維持した状態で前記短絡用スイッチを投入する制御を行い、前記一対の素通しタップ選択用スイッチがオフになっている状態で前記リレーが保護指令を発生したときには、一旦前記タップ切換器のすべてのタップ選択用スイッチと橋絡用スイッチとをオフにして前記直列変圧器の一次側に前記異常過電圧を発生させることにより前記トリガ素子にオン動作を行わせて前記一対の素通しタップ選択用スイッチをオンにした後、前記橋絡用スイッチをオフ状態に維持し、一対の素通しタップ選択用スイッチをオン状態に維持した状態で前記短絡用スイッチを投入する制御を行うように構成されていること、
    を特徴とする請求項5又は6に記載の自動電圧調整装置。
  8. 前記トリガ素子の動作電圧のレベルは、前記タップ切換器の出力端子間の電圧レベルが前記タップ切換器内でオフ状態にあるサイリスタを降伏させるレベルに達したときに前記トリガ素子の両端に印加される電圧のレベル未満のレベルに設定されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一つに記載の自動電圧調整装置。
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