JP2002081641A - 加熱炉および加熱炉における空気予熱器の冷却方法 - Google Patents

加熱炉および加熱炉における空気予熱器の冷却方法

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JP2002081641A JP2000264835A JP2000264835A JP2002081641A JP 2002081641 A JP2002081641 A JP 2002081641A JP 2000264835 A JP2000264835 A JP 2000264835A JP 2000264835 A JP2000264835 A JP 2000264835A JP 2002081641 A JP2002081641 A JP 2002081641A
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air preheater
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heating furnace
air
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Isao Mori
功 森
Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続燃焼
式バーナとを併有する加熱炉において、空気予熱器に流
入する排ガス温度が空気予熱器の耐熱温度を超えないよ
うに、その排ガスの冷却を必要に応じて行い、さらに排
ガス量の必要以上の増加を防止して排気能力への負荷を
軽減するとともに、排ガスの過剰な冷却の防止を図り熱
損失の低下を抑制する。 【解決手段】 蓄熱式バーナ1と空気予熱器32を有す
る連続燃焼式バーナ2とを併有する加熱炉において、蓄
熱式バーナ1から排出される熱交換後の低温の排ガスを
導入する蓄熱排ガス導入系7、8を空気予熱器32の排
ガス入側および出側のそれぞれに設置し、そのいずれか
の系統または両方の系統に流量調整弁72、81を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラブ等の鋼片の
加熱炉およびその加熱炉における空気予熱器の冷却方法
に関し、さらに詳しくは、燃焼と蓄熱を交互に行う蓄熱
式バーナと通常の連続燃焼式バーナとを併有する加熱炉
および連続燃焼式バーナ用に設置されている空気予熱器
(レキュペレータ)の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図16はスラブ等の加熱を行う従来の連
続式加熱炉の概要図である。この連続式加熱炉100
は、予熱帯、加熱帯および均熱帯の全てに連続燃焼式バ
ーナ2を設置したもので、被加熱材であるスラブ110
を炉内で連続的に搬送しながら加熱を行うものである。
各バーナ2に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給系3
には燃焼用空気ファン31、レキュペレータと呼ばれる
空気予熱器32および流量制御弁33が設けられ、空気
予熱器32は燃焼排ガス排出系4の煙道41に設置さ
れ、燃焼排ガスの廃熱によって各バーナ2に供給する燃
焼用空気を予熱するようになっている。なお、図16で
は簡単のため、予熱帯におけるバーナ2の一部にのみ代
表的に燃焼用空気供給系3が示してあるが、その他のバ
ーナ2についても同様に同一の空気予熱器32に通じる
燃焼用空気供給系3が配管で分岐接続されている。
【0003】この連続式加熱炉100において、各バー
ナ2からの燃焼排ガスは、その全量がスラブ入口側へ流
れ、煙道41における空気予熱器32にて熱交換されて
燃焼用空気の予熱に使われ、その後煙突42を通過し炉
外に排出される。また、空気予熱器32には耐熱温度が
あり、一般的には800〜900℃程度である。そのた
め、空気予熱器32に流入する排ガス温度が高い場合に
備えて空気予熱器32を冷却するための常温空気の供給
系5が空気予熱器32入側(空気予熱器32の排ガス入
側のことである。空気予熱器32前ともいう。)の燃焼
排ガス排出系4に接続されており、冷却用空気ファン5
1から送気される常温空気の流量を流量調整弁52によ
り調整することによって、空気予熱器32入側の温度計
6による排ガス温度が空気予熱器32の耐熱温度を超え
ないように制御されている。
【0004】図17は従来のバッチ式加熱炉の概要図で
あり、このバッチ式加熱炉120においても、上記連続
式加熱炉と同様、各バーナ2からの燃焼排ガスは、その
全量がスラブ入口側へ流れ、煙道41を介し空気予熱器
32にて熱交換されて燃焼用空気の予熱に使われ、その
後煙突42を通過し炉外に排出される。また、空気予熱
器32には耐熱温度があり、一般的には800℃程度で
ある。従って、空気予熱器32に流入する排ガス温度が
高い場合、冷却用ファン51から送気される常温空気に
よって、空気予熱器32入側の温度計6による排ガス温
度が空気予熱器32の耐熱温度を超えないように制御さ
れている。図中、121は扉、122は被加熱材110
を支持する架台である。
【0005】ところが、こうした常温空気を用いた空気
予熱器の冷却は、炉内の燃焼排ガスの量に加えて、新た
に燃焼排ガスの希釈を行うため、図18に示すように、
冷却前排ガス温度が900℃の場合、冷却前の排ガス量
に対し約16%の希釈空気量となり、また冷却前排ガス
温度が1100℃、1300℃の場合であれば、それぞ
れ、約50%、約81%の希釈空気量となり、排ガス温
度が高いほど必要な希釈空気量は増加する傾向となり、
排ガス温度が1300℃といった場合には冷却前の排ガ
ス量に匹敵するほどの希釈空気量が必要になる。なお、
このとき使用した燃料の組成は、CO:30%、C
2:10%、H2:27%、N2:19%、C24:1
4%である。
【0006】このように希釈空気量が多いと、その希釈
空気量を賄うためのブロワ容量が大きくなり、また通常
の燃焼排ガスに加えて大容量の希釈空気が必要となり、
これら排ガスを大気に排気するためには煙突の通風力、
または煙突前に排ガスファンを設けて排気する場合に
は、通常の燃焼排ガス量に加えて希釈空気量による排ガ
ス量の増加も考慮して設計を行う必要がある。
【0007】例えば、煙突のみによる排気を行う場合に
おいて、煙突の排気能力を示す式は下式であらわされ
る。 h=355×H(1/T1−1/T2) ・・・(1) h :煙突に生じる通風力(mmAq) H :煙突高さ T1:大気温度(℃)+273(K) T2:煙突内排ガス温度(℃)+273(K)
【0008】いま例えば、燃焼排ガスが50000Nm
3/hとし、必要な通風力が30mAq、このときの大
気温度が30℃、煙突内排ガス温度が150℃の場合、
必要な煙突の高さは、90mとなる。これに加えて、1
300℃の条件の希釈空気量40500Nm3/hを追
加し、90500Nm3/hとすると、必要な通風力
は、配管等の圧力損失で決まるため、下式であらわされ
る。 ΔP=λ×L/D×γ/2g×v2 ・・・(2) ΔP:圧力損失 λ :抵抗係数(配管内の表面粗さ等によって決まる定
数) L :配管長 D :配管径 γ :流体密度 g :重力加速度 v :配管内流速
【0009】(2)式より、燃焼排ガスが50000N
3/hとし、必要な通風力が30mAqとすると、9
0500Nm3/hの場合、必要な通風力は、98mm
Aqとなり、T1,T2の温度条件が前記と同じであれ
ば、必要な煙突高さは296mと極端に大きくなる。排
ガスファンを設置する場合においても必要な誘引圧力お
よび排ガス量の増加に伴い、必要な動力は大きくなる。
このようなことから設備投資額の軽減を図る上で極力希
釈空気量を減ずる必要がある。
【0010】しかしながら、連続式加熱炉においては、
能率が上がるほど、すなわちスラブ量が増加するほど、
短時間でのスラブ加熱が必要になるので炉内温度が全体
的に上昇し、その結果、煙道を流れる排ガス温度は上昇
する。バッチ式加熱炉においては、炉内温度と同等の排
ガス温度が煙道に流れるため、スラブの加熱温度が高い
ほど、煙道を流れる排ガス温度は上昇する。すなわち、
必要な希釈空気量を減ずる場合、排ガス温度の低減が最
も望ましいが、前述したように排ガス温度の低減を行う
と、連続式加熱炉の場合には能率の低下、バッチ式加熱
炉の場合にはスラブの加熱温度の低下を招き、操業条件
への影響が生じてくる。
【0011】一方、特開平8−199231号公報に開
示された連続式加熱炉の概要を図19に示す。図中、1
は燃焼と蓄熱を一定時間間隔で交互に行う蓄熱式バー
ナ、2は連続燃焼式バーナ、7は蓄熱式バーナ1で熱交
換された排ガスを空気予熱器32の排ガス入側に導入す
るための、排ガスファン71および流量調整弁72を有
する蓄熱排ガス導入系である。この方法は、予熱帯に蓄
熱式バーナ1を設置し、加熱帯および均熱帯に連続燃焼
式バーナ2を設置した加熱炉において、予熱帯に複数設
置した蓄熱式バーナ1からの熱交換後の約200℃の低
温の燃焼排ガスを希釈空気の代替として空気予熱器32
入側の燃焼排ガス中に導入するものである。この方法に
よると、蓄熱式バーナの燃焼排ガスの活用により、前述
のごとき希釈空気を用いずに冷却を行うので、必要以上
に排ガス量を増やさないため、操業条件への影響が最小
限に止められる利点がある。
【0012】しかし、蓄熱式バーナ1の熱交換に使用さ
れた排ガスの全量が空気予熱器32入側の煙道41に流
れる構成となっているため、炉内から煙道41に流れる
排ガスの温度が冷却を不要とする場合であっても蓄熱式
バーナ1を経由した約200℃の排ガスが流れるため、
必要以上に空気予熱器32入側の排ガス温度を低下させ
ることになり、その結果、空気予熱器32による熱交換
の性能が低減される問題がある。
【0013】例えば、炉内から煙道に流れる排ガス温度
を700℃、900℃、1100℃、1300℃の条件
とし、また蓄熱式バーナからの排ガス温度を200℃と
し、その排ガス量が炉内から煙道に流れる排ガス量に対
して0から60%の割合とした場合に、共に排ガスの比
熱を同一として試算すると、図20のような結果とな
る。空気予熱器の耐熱温度を一般的な800℃とする
と、排ガス温度が1300℃の場合、排ガス比率が60
%であっても耐熱温度800℃以下になることはなく、
蓄熱式バーナの排ガスによる冷却がこれ以上望めない場
合、別途希釈空気による冷却を行う必要がある。また排
ガス温度が1100℃の場合、排ガス比率が51%のと
ころで耐熱温度800℃となるため、51%未満の領域
では空気予熱器に流入する排ガス温度は耐熱温度800
℃より高く、空気予熱器の耐熱温度を超え、冷却不足と
なり空気予熱器の破損を招くこととなる。一方、51%
より高い比率であると、空気予熱器に流入する排ガス温
度は耐熱温度800℃よりも低くなり、耐熱温度条件を
満足することになるが、その比率が高くなるに従い、空
気予熱器に流入する排ガス温度が必要以上に低下するた
め、熱回収性能が低下することになる。排ガス温度が9
00℃の場合では、耐熱温度800℃になる排ガス比率
が17%になり、その影響は排ガス温度1100℃の場
合と同じである。排ガス温度が700℃の場合では既に
耐熱温度以下となっており、蓄熱式バーナの排ガスによ
る冷却は不要であり、空気予熱器に流入する排ガス温度
を必要以上に低下させることとなるため、熱回収能力を
低下させることとなる。
【0014】空気予熱器等の熱交換器における性能指標
としては、次式がよく用いられている。 η=(Ta2−Ta1)/(Tg−Ta1) ・・・(3) η :温度効率 Ta1:熱交換前の空気温度(℃) Ta2:熱交換後の空気温度(℃) Tg :熱交換前の排ガス温度(℃)
【0015】一般的な空気予熱器の温度効率ηとして
は、0.8程度であり、図20の条件をもとに温度効率
ηを0.8として算出した予熱空気温度を図21に示
す。このとき空気予熱器に流入する排ガス温度が800
℃以上となっているものは、空気予熱器の耐熱温度以上
での使用はあり得ないので希釈空気により800℃にな
ったと想定して算出している。排ガス温度が900℃の
場合について述べると、排ガス比率が17%までは排ガ
ス温度が800℃であるため、得られる予熱空気温度は
646℃と一定であるが、17%以上になると排ガス比
率が上がるに従い、排ガス温度が低下するため、排ガス
比率が60%になると、得られる予熱空気温度は516
℃になり、必要以上に冷却することにより得られる予熱
空気温度が130℃分だけ熱損失を招くことになり、加
熱炉において余計なエネルギーを投じる必要が生じてし
まう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、前述
したような蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続燃焼
式バーナとを併有する加熱炉において、空気予熱器に流
入する排ガス温度が空気予熱器の耐熱温度を超えないよ
うに、その排ガスの冷却を必要に応じて行い、さらに排
ガス量の必要以上の増加を防止して排気能力への負荷を
軽減するとともに、排ガスの過剰な冷却の防止を図り熱
損失の低下を抑制することを目的としたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る加熱炉は、
蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続燃焼式バーナと
を併有する加熱炉において、前記蓄熱式バーナから排出
される熱交換後の低温の排ガスを導入する系統を前記空
気予熱器の排ガス入側および出側のそれぞれに設置し、
そのいずれかの系統または両方の系統に流量調整手段を
設けたことを特徴とするものである。なお、本発明にお
いて、蓄熱式バーナは少なくとも一対以上有するもので
あればよく、その設置個所は、連続式加熱炉の場合、予
熱帯、加熱帯、均熱帯のいずれでよく、また1つまたは
2つ以上の領域に設置されていてもよい。いずれにして
も連続燃焼式バーナと混在する形態の加熱炉(連続式加
熱炉あるいはバッチ式加熱炉を問わず)に本発明は適用
される。
【0018】蓄熱式バーナから排出される熱交換後の低
温の排ガス(蓄熱排ガス)を空気予熱器入側に導入する
系統と空気予熱出側に導入する系統の2系統を設置し、
それぞれの系統に流れる蓄熱排ガス量を調整することに
より、空気予熱器入側の排ガス温度を空気予熱器の上限
耐熱温度の近傍となるよう制御を行う。これにより、常
温の希釈空気による冷却を必要とする場合であっても、
全体の排ガス量が必要以上に増えることがなく、そのた
め排気能力を圧迫することが抑制でき、更には空気予熱
器により熱回収される予熱空気温度を、空気予熱器の耐
熱温度の制約上考えられる最高温度に上げることができ
るため、熱回収効率が向上し、かつ省エネルギーを図る
ことが可能となる。
【0019】また、本発明の加熱炉は、前記空気予熱器
の排ガス入側に温度検出手段を設け、該温度検出手段に
より前記流量調整手段を制御することを特徴とする。す
なわち、温度検出手段の温度検出値信号によって流量調
整手段の開度を制御することにより、空気予熱器の排ガ
ス入側および/または出側に導入する蓄熱排ガス量をそ
れぞれ調整する。
【0020】また、本発明の加熱炉は、前記空気予熱器
の排ガス入側に常温空気を導入する系統を設置したこと
を特徴とする。
【0021】空気予熱器の排ガス入側に導入する蓄熱排
ガス量のみでは空気予熱器入側の排ガスの冷却が不十分
な場合には、その冷却不足を補うために、空気予熱器の
排ガス入側に常温空気の導入系を設置し、冷却用ファン
から送られる常温空気と前記蓄熱排ガス量とで排ガスの
冷却を行う。
【0022】本発明の加熱炉における空気予熱器の冷却
方法は、蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続燃焼式
バーナとを併有する加熱炉において、前記空気予熱器の
排ガス入側の排ガス温度が該空気予熱器の耐熱温度を超
えないように、該空気予熱器の排ガス入側および出側の
それぞれに設けられた前記蓄熱式バーナからの熱交換後
の排ガスの導入系における流量を調整することを特徴と
する。
【0023】また、本発明の加熱炉における空気予熱器
の冷却方法は、前記空気予熱器の排ガス入側に常温空気
を導入する系統を設置し、該空気予熱器の冷却不足があ
る場合、その冷却不足を常温空気で補うことを特徴とす
る。
【0024】また、本発明の加熱炉における空気予熱器
の冷却方法は、蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続
燃焼式バーナとを併有する加熱炉において、下記(a)
式に示す条件を常に満足する場合、前記蓄熱式バーナか
ら排出される熱交換後の低温の排ガスを前記空気予熱器
の排ガス入側および出側に導入することにより、空気予
熱器入側の排ガス温度を目標排ガス温度T0に調整する
ことを特徴とする加熱炉における空気予熱器の冷却方
法。 T0≧(Q1×T1×Cp1+Q2×T2×Cp2)/{(Q1+Q2)×Cp0}…(a) T0:空気予熱器入側の目標排ガス温度 T1:炉出口排ガス温度 T2:蓄熱排ガス温度 Q1:炉出口排ガス量 Q2:蓄熱排ガス量 Cp0:空気予熱器入側の目標排ガスの比熱 Cp1:炉出口排ガスの比熱 Cp2:蓄熱排ガスの比熱
【0025】また、本発明の加熱炉における空気予熱器
の冷却方法は、前記(a)式に示す条件を常に満足する
ことができない場合、更に前記空気予熱器の排ガス入側
に常温空気を導入する系統を設置し、該空気予熱器の排
ガス入側に導入される蓄熱排ガスと常温空気により、空
気予熱器入側の排ガス温度を目標排ガス温度T0まで冷
却することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0027】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1を示す連続式加熱炉の概要図である。この連続式加熱
炉10は、予熱帯および加熱帯に蓄熱式バーナ1を設置
し、均熱帯に連続燃焼式バーナ2を設置したものであ
り、さらに、各蓄熱式バーナ1からの熱交換後の低温の
排ガス(蓄熱排ガス)を空気予熱器32の排ガス入側お
よび出側のそれぞれに導入するための2系統の蓄熱排ガ
ス導入系7、8を設置したものである。また、蓄熱排ガ
スの流量調整弁72は空気予熱器32の排ガス入側に設
置した蓄熱排ガス導入系7に設けられている。なお、図
1では代表的に、一部の蓄熱式バーナ1に対してのみ蓄
熱排ガス導入系7、8が接続されているが、その他の蓄
熱式バーナ1に対しても同様に接続されている。また、
各蓄熱式バーナ1に対する燃焼用空気供給系は図示を省
略している。以下の図においても同様である。図中、4
3は煙道41に設けられた炉圧制御弁で、その開度は圧
力計44の炉圧によって制御される。その他の構成は従
来例を示した図16と同じである。
【0028】この連続式加熱炉10においては、燃焼停
止期間中の全蓄熱式バーナ1から排出される熱交換後の
蓄熱排ガスは排ガスファン71によりそれぞれ蓄熱排ガ
ス導入系7、8を通じて空気予熱器32の排ガス入側お
よび出側に導入される。いま例えば、炉内から煙道41
を流れる排ガスの温度が最大1100℃、空気予熱器3
2の耐熱温度が800℃とした場合において、蓄熱排ガ
ス導入系7より空気予熱器32の排ガス入側に流れる蓄
熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量と、炉内から空気予熱
器32へ流れる排ガス量との比率が、図20に示す蓄熱
排ガス/炉内排ガスで51%以上、常に確保できる場
合、温度計6により空気予熱器32前の排ガス温度を監
視しながら、流量調整弁72による流量調整により常に
空気予熱器32の耐熱温度が800℃となるように制御
を行う。なお、排ガスの冷却に要しない蓄熱排ガスは、
第2の蓄熱排ガス導入系8を通じて空気予熱器32の排
ガス出側に導入するが、同じくその出側に炉内圧力を調
整する炉圧制御弁43がある場合、炉内圧制御への外乱
を抑制する観点から、図1に示すように炉圧制御弁43
の二次側に第2の蓄熱排ガス導入系8を接続することが
望ましい。
【0029】この連続式加熱炉10において、炉内から
空気予熱器32に流れる排ガスの温度が、例えば、図2
のように変化する場合(同図には冷却前の排ガス温度を
示してある。冷却後の排ガス温度はほぼ800℃とな
る。)、空気予熱器32前の温度をみながら、前記流量
調整弁72による調整により常に空気予熱器32の耐熱
温度が800℃となるように制御を行うと、同図中に示
すように空気予熱器32前に投入する蓄熱排ガスの比率
が変化する。これにより、空気予熱器32前の排ガス温
度が常に実用上の最大値である800℃に保たれ、空気
予熱器32の破損を招くことなく、また熱回収される予
熱空気温度も温度効率ηを0.8とすれば、646℃と
なり、最大限の熱回収が実現できる。
【0030】これに対して、図19に示す従来例のよう
に、空気予熱器32前の温度によらず、蓄熱式バーナ1
の蓄熱排ガスを成り行きで空気予熱器32前に導入した
場合、蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量および炉内か
ら空気予熱器32に流れる排ガスの温度によっては、空
気予熱器32前の排ガス温度もこれら状況に応じて変化
するため、場合によっては、空気予熱器32の耐熱温度
を超える場合やその耐熱温度よりも極端に低い温度にな
ることが考えられ、そうなると空気予熱器32の破損や
熱回収能力の極端な低下を招き、操業に悪影響を及ぼす
ことが十分に考えられる。
【0031】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2を示す連続式加熱炉の概要図である。この実施の形態
では、空気予熱器32の排ガス出側に接続した蓄熱排ガ
ス導入系8にも流量調整弁81を設けたものである。第
1の蓄熱排ガス導入系7に設けた流量調整弁71と第2
の蓄熱排ガス導入系8に設けた流量調整弁81とをそれ
ぞれ調整することにより、空気予熱器32入側に導入す
る蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量を調整し、空気予
熱器32の耐熱温度を超えないように制御する。
【0032】すなわち、この連続式加熱炉10において
は、空気予熱器32の排ガス入側に流れる蓄熱式バーナ
1からの蓄熱排ガス量と炉内から空気予熱器32へ流れ
る排ガス量の比率が、図20に示す蓄熱排ガス/炉内排
ガスで51%以上の確保が不可能であるが、蓄熱式バー
ナ1から排ガスファン70に流れるトータルの蓄熱排ガ
ス量で、蓄熱排ガス/炉内排ガスで51%以上の確保が
可能な場合には、第2の流量調整弁81により空気予熱
器32の排ガス出側に流れる蓄熱排ガス量を減らし、逆
に空気予熱器32の排ガス入側に流れる蓄熱排ガス量を
増加させる。
【0033】例えば、空気予熱器32の排ガス入側に流
れる蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量と炉内から空気
予熱器32へ流れる排ガス量の比率が、図20に示す蓄
熱排ガス/炉内排ガスで30%までしか確保できない場
合において、30%以上の蓄熱排ガスによる冷却が必要
となった場合、第2の流量調整弁81を制御することに
より、空気予熱器32の耐熱温度条件を満足させる。す
なわち、蓄熱排ガス/炉内排ガスで30%以下の条件で
空気予熱器32前の排ガス温度を800℃に制御できる
場合は、第2の流量調整弁81は弁開度が全開の状態
で、第1の流量調整弁72により空気予熱器32前の排
ガス温度を制御する。しかし、炉内から流れる排ガス温
度の上昇に伴い、蓄熱排ガス/炉内排ガスが30%以下
で空気予熱器32前の排ガス温度を800℃に保持でき
ない状況の場合、第1の流量調整弁72は全開となる。
このとき、これまで全開であった第2の流量調整弁81
の弁開度は全開から閉じる方向となり、空気予熱器32
出側に流れる蓄熱排ガス量を減少させることで、逆に空
気予熱器32入側に流れる蓄熱排ガス量を増加させ、蓄
熱排ガス/炉内排ガス比率を増加させる。第1の流量調
整弁72が全開になると、それまで弁開度が全開であっ
た第2の流量調整弁81の開度を調整することにより、
空気予熱器32入側に流れる蓄熱排ガス量を増減し、空
気予熱器32前の排ガス温度を調整する。
【0034】図4に、第1の流量調整弁72、第2の流
量調整弁81それぞれの制御により、空気予熱器32入
側に流れる蓄熱排ガス量の比率の時間変化を示す。これ
により、空気予熱器32前の排ガス温度が常に実用上の
最大値である800℃に保たれ、空気予熱器32の破損
を招くことなく、また熱回収される予熱空気温度も温度
効率ηを0.8とすれば、646℃となり、最大限の熱
回収が実現できる。
【0035】実施の形態3.図5は本発明の実施の形態
3を示す連続式加熱炉の概要図である。この実施の形態
では、さらに常温空気供給系5に設けた流量調整弁52
を用いて、常温空気(希釈空気)により排ガスの冷却不
足分を補うものである。すなわち、実施の形態2で述べ
た連続式加熱炉において、蓄熱式バーナ1から排ガスフ
ァン71に流れるトータルの蓄熱排ガス量でも、蓄熱排
ガス/炉内排ガスで51%以上の確保が不可能な場合に
は、この常温空気供給系5の流量調整弁52により常温
空気を空気予熱器32入側に導入して空気予熱器32の
耐熱温度条件を満足させる。
【0036】例えば、空気予熱器32の排ガス入側に流
れる蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量と炉内から空気
予熱器32へ流れる排ガス量の比率が、図20に示す蓄
熱排ガス/炉内排ガスで20%までしか確保できず、ま
た空気予熱器32の排ガス出側に流れる蓄熱式バーナ1
からの蓄熱排ガス量を加えても蓄熱排ガス/炉内排ガス
で30%までしか確保できない場合、この冷却不足分を
流量調整弁52による希釈空気量の調整により補い、空
気予熱器32の耐熱温度条件を満足させるのである。
【0037】実施の形態4.本発明の実施の形態4を図
6に示す。この実施の形態は、実施の形態1における蓄
熱排ガス導入系7、8と、実施の形態3における常温空
気供給系5を有する構成としたものである。蓄熱式バー
ナ1の設置は既設炉の改造すなわち従来型の連続燃焼式
バーナ2からの代替となる場合もあり得る。こうした場
合、既に希釈空気ファン51が設置されていることも考
えられ、設備投資費用の節約の観点から、その希釈空気
ファン51との併用を前提で考える場合もある。例え
ば、図6に示すように、蓄熱式バーナ1から排出される
熱交換後の蓄熱排ガスを空気予熱器32の排ガス入側に
導入する蓄熱排ガス導入系7に流量調整弁72を、希釈
空気ファン51から送られる常温空気の供給系5にも同
様の流量調整弁52を設けておく。通常は、流量調整弁
72の弁開度の調整により、空気予熱器32前の排ガス
温度を制御し、耐熱温度条件を満足するように温度制御
を行い、流量調整弁72の調整のみで対応可能な場合
は、常温空気供給系5の流量調整弁52は弁開度が全
閉、あるいは最小開度の状態である。一方、流量調整弁
72の調整のみでは空気予熱器32前の排ガス冷却が不
十分な場合、空気予熱器32前の排ガス温度は耐熱温度
以上になるため、流量調整弁72の弁開度は全開とな
り、常温空気供給系5の流量調整弁52がそれまで全
閉、あるいは最小開度であった状態から、開度が開方向
となり、空気予熱器32前の排ガス温度を流量調整弁5
2の開度調整により、800℃になるように制御を行う
のである。
【0038】実施の形態5.次に、前記(a)式に基づ
く本発明の空気予熱器の冷却方法を図7を用いて説明す
る。この連続式加熱炉10は、蓄熱式バーナ1を予熱帯
の一部、加熱帯の全部に設置し、連続燃焼式バーナ2を
予熱帯の残りの部分および均熱帯の全部に設置したもの
である。この連続式加熱炉において、炉内から煙道41
に流れる排ガス量Q1および温度T1がそれぞれ500
00Nm3/h、1000℃、蓄熱式バーナ1から排出
される蓄熱排ガス量Q2および温度T2がそれぞれ30
000Nm3/h、200℃、空気予熱器32の耐熱温
度を考慮した目標排ガス温度T0が800℃である場
合、各排ガスの比熱Cp0、Cp1、Cp2がいずれも0.3
5kcal/Nm3・℃とすると、(a)式の右辺は7
00℃という結果になる。このことは、炉内から煙道4
1に流れる排ガス温度T1(1000℃)が蓄熱排ガス
による排ガス冷却のみで目標排ガス温度T0(800
℃)まで冷却できることを意味している。このとき、目
標排ガス温度T0(800℃)まで冷却するのに必要な
蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量は17000Nm3
/hであり、この量のみを図8あるいは図9のような蓄
熱排ガス導入系7、8にて空気予熱器32前に送ること
にすれば、目標排ガス温度T0までの冷却が可能とな
る。
【0039】図8および図9に示す蓄熱排ガス導入系
7、8は、それぞれ図1、図3に示したものと同じであ
る。すなわち、図8の系統においては、蓄熱式バーナ1
からの蓄熱排ガスを空気予熱器32の排ガス入側および
出側にそれぞれ導入するとともに、空気予熱器32入側
に接続した第1の蓄熱排ガス導入系7に流量調整弁72
を設け、空気予熱器32入側の排ガス温度が目標排ガス
温度T0となるように流量調整弁72により、空気予熱
器32入側に流れる蓄熱式バーナ1からの蓄熱排ガス量
を調整するものである。
【0040】例えば、前述の条件で炉内から煙道に流れ
る排ガス温度T1が1000℃から900℃に変化した
場合、必要蓄熱排ガス量は8300Nm3/hとなり、
蓄熱排ガス量の流量調整による温度制御を実施すれば対
応可能である。このように炉内から煙道に流れる排ガス
温度T1が変化しても、更には排ガス量Q1が変化して
も、空気予熱器32入側の温度の変化として現れるた
め、状況の変化に応じて、蓄熱排ガス量の流量調整によ
る温度制御を実施することで、適正な蓄熱排ガス量によ
る冷却が達成され、必要以上に排ガスの冷却を行い、空
気予熱器32による熱回収率を損なうことなく、また排
ガス量を必要以上に増やすことなく、煙突等の排気処理
能力への圧迫が回避される。
【0041】図9に示す系統においては、図3と同様
に、空気予熱器32の排ガス入側および出側に接続した
蓄熱排ガス導入系7、8にそれぞれ流量調整弁72、8
1を設け、空気予熱器32入側の排ガス温度が目標排ガ
ス温度T0となるように各流量調整弁72、81によ
り、空気予熱器32入側に流れる蓄熱式バーナ1からの
蓄熱排ガス量を調整するものである。
【0042】例えば、前述の条件で炉内から煙道に流れ
る排ガス温度T1が1100℃となった場合、必要蓄熱
排ガス量は25000Nm3/hとなる。このとき、排
出される蓄熱排ガス量Q2は30000Nm3/hであ
るため、約83%を空気予熱器32入側に冷却用として
送る必要がある。こうした場合、図8の系統であると、
空気予熱器32入側に設置された流量調整弁72が全開
となっても、よほど入出側各系統の配管系および配管長
による圧力損失差がないと、約83%の量を流すことは
現実的に困難であると考えられる。これに対応するた
め、空気予熱器32出側に設けた流量調整弁81を調整
することで、空気予熱器32出側に流れる蓄熱排ガス量
を減少させ、空気予熱器32入側に流れる蓄熱排ガス量
を強制的に増加させることがあると考えられる。
【0043】この例の場合であれば、冷却に用いること
ができる蓄熱排ガス量は、出側の流量調整弁81を全閉
にした状態であるので、最大30000Nm3/hとな
る。この場合の使用方法としては、通常時、空気予熱器
32出側の流量調整弁81は全開とし、炉内から煙道に
流れる排ガス温度T1が900℃となった場合、必要蓄
熱排ガス量は8300Nm3/hであり、排出される蓄
熱排ガス量Q2は30000Nm3/hに対し比率が低
いため、空気予熱器32入側の流量調整弁72のみで温
度制御を行う。炉内から煙道に流れる蓄熱排ガス量が変
わらずに排ガス温度T1が1000℃、1100℃と上
昇すると、冷却に要する蓄熱排ガス量は増加するため、
空気予熱器32入側の流量調整弁72の開度は全開の方
向になり、最終的に全開となっても前述したように空気
予熱器32前後に接続された蓄熱排ガス導入系7、8の
圧力損失の関係から、入側に流すべき蓄熱排ガス量を必
要量確保できない場合がある。このような場合、空気予
熱器32入側の温度検出値は、目標排ガス温度T0を超
えた温度指示値となる。すなわち、空気予熱器32入側
の流量調整弁72が全開であり、かつ空気予熱器32入
側の温度検出値が目標排ガス温度T0を超えた場合に
は、空気予熱器32出側の流量調整弁81が全開から閉
側の方向の開度となり、空気予熱器32入側に流れる蓄
熱排ガス量を増加し、空気予熱器32入側の温度検出値
が目標排ガス温度T0となるように制御を行うものであ
る。
【0044】このように炉内から煙道に流れる排ガス温
度T1が変化しても、更には排ガス量Q1が変化して
も、空気予熱器32入側の温度の変化として現れるた
め、状況の変化に応じて、空気予熱器32の入出側に接
続された蓄熱排ガス導入系7、8の各流量調整弁72、
81を調整することにより、蓄熱排ガス量の流量調整に
よる温度制御を実施することで、適正な蓄熱排ガス量に
よる冷却が達成され、必要以上に排ガスの冷却を行い、
空気予熱器32による熱回収率を損なうことなく、また
排ガス量を必要以上に増やすことなく、煙突等の排気処
理能力への圧迫が回避される。
【0045】実施の形態6.図10に示す実施の形態6
は基本的に前述した実施の形態4と同じである。例え
ば、図7のように蓄熱式バーナ1を予熱帯の一部、加熱
帯の全部に設置し、炉内から煙道41に流れる排ガス量
Q1および温度T1がそれぞれ50000Nm 3/h、
1000℃、蓄熱式バーナ1から排出される蓄熱排ガス
量Q2および温度T2がそれぞれ10000Nm3
h、200℃、空気予熱器32の耐熱温度を考慮した目
標排ガス温度T0が800℃である場合、各排ガスの比
熱Cp0、Cp1、Cp2がいずれも0.35kcal/Nm
3・℃とすると、(a)式の右辺は867℃という結果
になり、このことは、炉内から煙道41に流れる排ガス
温度T1(1000℃)が蓄熱排ガスによる排ガス冷却
のみで目標排ガス温度T0(800℃)まで冷却するこ
とは不可能であることを意味している。こうした場合、
例えば図10に示すような構成とすることができる。
【0046】図10の構成に従って説明すると、前述の
条件では、蓄熱バーナ1からの蓄熱排ガスの全量による
冷却であっても867℃となり、図10の構成の場合、
空気予熱器32入側の流量調整弁72が全開であって
も、空気予熱器32出側に接続された第2の蓄熱排ガス
導入系8に幾分流れるため、蓄熱バーナ1からの蓄熱排
ガスの全量が空気予熱器32入側に流れることはなく、
別の冷却源がなければ、空気予熱器32入側の排ガス温
度は867℃を超えるものとなる。空気予熱器32入側
の流量調整弁72が全開で、かつ空気予熱器32入側の
排ガス温度が目標排ガス温度T0を超えている場合は、
図10に示すように常温空気供給系5の流量調整弁52
が開き、空気予熱器32入側の排ガス温度が目標排ガス
温度T0となるように制御を行うものである。
【0047】このように炉内から煙道に流れる排ガス温
度T1、排ガス量Q1が変化しても、更には排ガス量Q
1が変化しても、空気予熱器32入側の温度の変化とし
て現れるため、状況の変化に応じて、空気予熱器32の
入側に接続された流量調整弁72を調整することによ
り、蓄熱排ガス量の流量調整による温度制御を行うとと
もに、蓄熱排ガスのみでの冷却では目標排ガス温度T0
とすることが不可能である場合、常温空気供給系5の流
量調整弁52による温度制御を実施することで、適正な
排ガスの冷却が達成され、必要以上に排ガスの冷却を行
い、空気予熱器32による熱回収率を損なうことなく、
また排ガス量を必要以上に増やすことなく、煙突等の排
気処理能力への圧迫が回避される。
【0048】また、図10の系統に対して、システムお
よび配管の構成は複雑になるが、図10の系統の場合よ
りも最大の全排ガス量を削減したい場合には、図10の
系統に更に蓄熱排ガスの空気予熱器32出側に接続した
蓄熱排ガス導入系8に流量調整弁81を設けた図11の
ような系統となる。前述の条件の場合で、この流量調整
弁81が全閉となることで、蓄熱排ガスの全量を空気予
熱器32入側に流すことが可能となり、図10に示した
系統に対して、必要時には空気予熱器32出側に流れて
いる蓄熱排ガス量の分だけ、図11の場合は冷却に要す
る蓄熱排ガス量を増加させ、その結果、最終的に排出す
る排ガス量は低減される。これにより、必要以上に排ガ
スの冷却を行い、空気予熱器32の熱回収率を損なうこ
となく、また排ガス量を必要以上に増やすことなく、煙
突等の排気処理能力への圧迫が回避される。
【0049】以上の各実施の形態においては、連続式加
熱の予熱帯、加熱帯に蓄熱式バーナを適用した例として
述べたが、予熱帯、加熱帯、均熱帯のいずれかへの適
用、あるいは複数帯への適用をした場合でも各実施の形
態で述べた対応が可能であり、また、炉内から空気予熱
器に流れる排ガス温度の最大値が1100℃の場合で述
べたが、900℃、1300℃の場合でも空気予熱器の
耐熱温度800℃、あるいは目標排ガス温度T0まで冷
却するのに必要な蓄熱排ガス量の条件すなわち蓄熱排ガ
ス/炉内排ガスの比率が異なるだけで、各実施の形態に
おいて述べた作用および効果は同様である。また、炉内
から空気予熱器に流れる排ガス温度および蓄熱排ガス量
の条件についても同様である。
【0050】また、各実施の形態では連続式加熱炉につ
いて述べたが、バッチ式加熱炉においても連続式加熱炉
と同様、蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続燃焼式
バーナとを併用することが考えられ、バッチ式加熱炉を
示す図12は図1、図8に対応し、図13は図3、図9
に対応し、図14は図5、図11に対応し、図15は図
6、図10に対応するものである。その作用および効果
は、連続式加熱炉と同様である。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、蓄熱式
バーナと空気予熱器を有する連続燃焼式バーナとを併有
する加熱炉において、蓄熱式バーナから排出される熱交
換後の蓄熱排ガスを空気予熱器の排ガス入側および出側
に導入し、また必要に応じて常温空気を空気予熱器の排
ガス入側に導入するようにしたので、空気予熱器入側の
剥がす温度を適正な温度に制御することができるととも
に、必要以上の排ガス量の増加を抑制することができ、
そのため排気設備の能力の負荷を軽減でき、加えて、空
気予熱器の耐熱温度条件を満足しその破損を防止すると
もに、高い熱回収能力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図2】実施の形態1における作用を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図4】実施の形態2における作用を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図6】本発明の実施の形態4を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図7】本発明の空気予熱器の冷却方法図である。
【図8】本発明の実施の形態5を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図9】実施の形態5の他の例を示す連続式加熱炉の概
要図である。
【図10】本発明の実施の形態6を示す連続式加熱炉の
概要図である。
【図11】実施の形態6の他の例を示す連続式加熱炉の
概要図である。
【図12】本発明の実施の形態を示すバッチ式加熱炉の
概要図である。
【図13】本発明の実施の形態を示すバッチ式加熱炉の
概要図である。
【図14】本発明の実施の形態を示すバッチ式加熱炉の
概要図である。
【図15】本発明の実施の形態を示すバッチ式加熱炉の
概要図である。
【図16】従来の連続式加熱炉の概要図である。
【図17】従来のバッチ式加熱炉の概要図である。
【図18】空気予熱器前の排ガス温度を800℃までに
冷却する際に要する必要希釈空気量を示す図である。
【図19】特開平8−199231号公報に示された連
続式加熱炉の概要図である。
【図20】空気予熱器前の排ガス温度を蓄熱排ガスにて
冷却する際に要する蓄熱排ガス量と炉内から流れる排ガ
ス量との比率および冷却後排ガス温度の関係を示す図で
ある。
【図21】図20の排ガス温度から得られる予熱空気温
度を示す図である。
【符号の説明】
1 蓄熱式バーナ 2 連続燃焼式バーナ 3 燃焼用空気供給系 4 燃焼排ガス排出系 5 常温空気供給系 6 温度計 7 第1の蓄熱排ガス導入系 8 第2の蓄熱排ガス導入系 10 連続式加熱炉 32 空気予熱器 41 煙道 42 煙突 51 冷却用ファン 52 流量調整弁 71 排ガスファン 72 流量調整弁 81 流量調整弁 110 被加熱材(スラブ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続
    燃焼式バーナとを併有する加熱炉において、 前記蓄熱式バーナから排出される熱交換後の低温の排ガ
    スを導入する系統を前記空気予熱器の排ガス入側および
    出側のそれぞれに設置し、そのいずれかの系統または両
    方の系統に流量調整手段を設けたことを特徴とする加熱
    炉。
  2. 【請求項2】 前記空気予熱器の排ガス入側に温度検出
    手段を設け、該温度検出手段により前記流量調整手段を
    制御することを特徴とする請求項1記載の加熱炉。
  3. 【請求項3】 前記空気予熱器の排ガス入側に常温空気
    を導入する系統を設置したことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の加熱炉。
  4. 【請求項4】 蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続
    燃焼式バーナとを併有する加熱炉において、 前記空気予熱器の排ガス入側の排ガス温度が該空気予熱
    器の耐熱温度を超えないように、該空気予熱器の排ガス
    入側および出側のそれぞれに設けられた前記蓄熱式バー
    ナからの熱交換後の排ガスの導入系における流量を調整
    することを特徴とする加熱炉における空気予熱器の冷却
    方法。
  5. 【請求項5】 前記空気予熱器の排ガス入側に常温空気
    を導入する系統を設置し、該空気予熱器の冷却不足があ
    る場合、その冷却不足を常温空気で補うことを特徴とす
    る請求項4記載の加熱炉における空気予熱器の冷却方
    法。
  6. 【請求項6】 蓄熱式バーナと空気予熱器を有する連続
    燃焼式バーナとを併有する加熱炉において、 下記(a)式に示す条件を常に満足する場合、前記蓄熱
    式バーナから排出される熱交換後の低温の排ガスを前記
    空気予熱器の排ガス入側および出側に導入することによ
    り、空気予熱器入側の排ガス温度を目標排ガス温度T0
    に調整することを特徴とする加熱炉における空気予熱器
    の冷却方法。 T0≧(Q1×T1×Cp1+Q2×T2×Cp2)/{(Q1+Q2)×Cp0}…(a) T0:空気予熱器入側の目標排ガス温度 T1:炉出口排ガス温度 T2:蓄熱排ガス温度 Q1:炉出口排ガス量 Q2:蓄熱排ガス量 Cp0:空気予熱器入側の目標排ガスの比熱 Cp1:炉出口排ガスの比熱 Cp2:蓄熱排ガスの比熱
  7. 【請求項7】 前記(a)式に示す条件を常に満足する
    ことができない場合、更に前記空気予熱器の排ガス入側
    に常温空気を導入する系統を設置し、該空気予熱器の排
    ガス入側に導入される蓄熱排ガスと常温空気により、空
    気予熱器入側の排ガス温度を目標排ガス温度T0まで冷
    却することを特徴とする請求項6記載の加熱炉における
    空気予熱器の冷却方法。
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