JP2002081157A - プレキャスト製雑壁ユニット並びにそれを用いた集合住宅の雑壁構築方法 - Google Patents
プレキャスト製雑壁ユニット並びにそれを用いた集合住宅の雑壁構築方法Info
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Abstract
壁を高品質且つ短い工期で構築する事が出来るようにす
る事である。 【解決手段】 集合住宅躯体(11)の廊下(7)側の壁面
に形成された躯体開口部(22)に嵌め込まれて使用される
既成の雑壁ユニット(A)であって、(a)廊下(7)側に開口
する窓部を構成する空間部(14a)(14b)と、(b)前記躯体
開口部(22)の床面(6a)を覆う底板(4)とを具備し、(c)施
工状態において、少なくとも廊下(7)側に露出する面は
仕上げ加工或いは下地加工が施されている事を特徴とす
る。
Description
雑壁ユニット並びにそれを用いた集合住宅の雑壁部分の
構築方法に関する。
造の施工におけるコンクリートの打設時には、小さく複
雑な型枠を多数組み立てなければならず、しかもコンク
リートを打設後、使用した型枠を離脱するという手間の
掛かる作業を必要とした。特に、共用廊下部等に設けら
れる雑壁は、構成的に小さく入り組んだ複雑な形状であ
ることが多いため、手間が掛かり時間を要する部位であ
り、工期を長びかせる原因の1つであった。ちなみに従
来工法の一例に付いて説明すると、鉄筋型枠工事、コン
クリート打設と長い養生期間、型枠脱型、補修、表面の
タイル仕上げその他細々とした補修作業というようにな
り、長い工期が必要であった。
その大半は壁厚が薄く、しかもその中に鉄筋が配置され
る。さらに、形状が複雑なことから、これらの条件の下
では現場施工ではコンクリートの充填性が悪く、外観並
びに品質の観点から現場施工は好ましくなかった。近
年、建築業界の問題点として職人不足による工期の遅れ
と、熟練工不足による品質の低下が挙げられている中、
工期の短縮及び品質の向上は早急に取り組むべき問題で
あった。
事期間中は安全通路として使用されるが、共用廊下で雑
壁部分の構築作業及びこれに付随する仕上げ作業をする
場合、安全通路が閉ざされ通路としての役割を十分に果
たすことが出来なくなり、安全管理上からも問題があっ
た。
複雑な形状の出窓タイプ及び非出窓タイプなどの雑壁を
高品質且つ短い工期で構築する事が出来るようにする事
である。
レキャスト製の雑壁ユニット(A)は、『集合住宅躯体(1
1)の廊下(7)側の壁面に形成された躯体開口部(22)に嵌
め込まれて使用される既成の雑壁ユニット(A)であっ
て、(a)廊下(7)側に開口する窓部を構成する空間部(14
a)(14b)と、(b)前記躯体開口部(22)の設置位置(6a)の床
面を覆う底板(4)とを具備し、(c)施工状態において、少
なくとも廊下(7)側に露出する面は、仕上げ加工又は下
地加工が施されている』事を特徴とする。
などで既に仕上げられている場合、複雑な形状の雑壁ユ
ニット(A)を工場で1ブロックとして形成するので、こ
れを躯体(11)の躯体開口部(22)の設置位置(6a)に設置
し、雑壁ユニット(A)に合わせて躯体(11)を構成する(柱
も含む)壁面(11b)を施工するだけで雑壁部分の仕上げ施
工を含めた施工をする事が出来、現場での作業量が減少
し、工期を短縮することができる。逆に、露出面が下地
加工だけである場合は、吹きつけ仕上げを行うことにな
るが、吹きつけ仕上げを残して複雑な形状の雑壁ユニッ
ト(A)全体が形成されているので、現場での作業量が減
少し工期短縮に寄与する。また、実際の工事現場では、
高所や狭い所等、悪環境の下で作業する場合が多く、前
述のようなコンクリートの充填不足というような問題が
生じやすいが、工場内は比較的環境が良く、設備も整備
されているため、薄肉で且つ内部に鉄筋(15)が入ってい
たとしてもコンクリートの充填不足というような問題を
生じる事がなく、雑壁ユニット(A)の品質の向上を図る
ことが出来る。さらに、現場において、従来のように共
用廊下(7)で作業をする必要がなく、共用廊下(7)を安全
通路として利用することを確保できるため、安全な環境
のもとで作業に専念することができる。
場所(6a)の上面をモルタル加工をしなければならない
が、本請求項に係る雑壁ユニット(A)は、予め底板(4)が
形成され、仕上げまでの作業が既に完了されている。こ
のため雑壁ユニット(A)をスラブ(6)の設置場所(6a)に自
立させると設置場所(6a)の表面は底板(4)によって閉塞
されて外部に露出しなくなり、この部分の仕上げ施工が
不要となり現場での作業量が減少して工期を短縮するこ
とができる。
は、出窓タイプ(A1)及び非出窓タイプ(A2)に適用される
もので、『躯体開口部(22)と縁が切られており、天井梁
(8)の廊下(7)側の面を被覆する梁表面化粧板(5)を有
し、梁表面化粧板(5)には天井梁(8)に埋設される取付部
材(9)が突設され、底板(4)は点にて設置場所(6a)の床面
に支持されている事を特徴とする』事を特徴とするもの
で、雑壁ユニット(A)が現場において躯体開口部(22)の
設置位置(6a)に自立したとき、梁表面化粧板(5)は天井
梁(8)の共用廊下(7)側の表面を覆い、打設された天井梁
(8)の表面に一体に固着されることになる。その結果前
記天井梁(8)の表面を現場で仕上げる必要がなくなり、
これによって現場での仕上げ工期を短縮することができ
る。
て天井梁(8)に固着され、雑壁ユニット(A)の両側面は躯
体(11)の一部を構成する壁面(11b)から縁を切られ、且
つ底面は点にて設置場所(6a)の床面に支持されているた
め、例えば地震のような大きな揺れや振動が躯体(11)に
伝わり、躯体(11)が撓んだ時、雑壁ユニット(A)が計算
外の動きをして躯体(11)に予想以上の応力が働いて躯体
(11)を損傷させることを防止している
は、請求項2の改良で『底板(4)に当接する調整部材(1
6)が高さ調整可能になっている』事を特徴とする。
は、『底板(4)の前縁下面に躯体開口部(22)の段状に形
成された床部前面(6b)を被覆する垂れ部(4a)が垂設され
ている』事を特徴とするもので、垂れ部(4a)の存在によ
り、躯体開口部(22)の雑壁ユニット(A)の設置箇所(6a)
の前面(4b)の仕上げを簡略化する事ができる。
(A)を使用して躯体(11)の雑壁部分を構築する方法で、
前記プレキャスト製雑壁ユニット(A)を使用すること
で、現場での作業量が減少し、現場施工の工期を短縮す
ることができ、また、安全な環境のもとで作業に専念す
ることができる。
て説明する。本発明の第1実施例(A1)は図1〜4に示す
ように、出窓タイプの雑壁で、左右一対の側板(1)と、
天井板(2)と、底板(4)と、中間板(3)と、梁表面化粧板
(5)、内部に埋入される配筋(15)とで一体的に構成され
る。
形板からなり互いに向き合って立設され、天井板(2)は
前記側板(1)の上端近くに水平に一体的に配設される。
中間板(3)は前記側板(1)の中間点を繋ぎ水平に一体的に
配設され、底板(4)は前記側板(1)の下端に一体的に配設
されている。
底板(4)の底面には、後述するスラブ(6)の、雑壁ユニッ
ト(A)の設置場所(6a)に取り付けられる調整部材(16)の
頭部に当接する金属メタル(17)が埋設されている。ま
た、天井板(2)が側板(1)に配設される位置は、側板(1)
の上端部分で、その天井板(2)の後方寄りの位置に長方
形板からなる梁表面化粧板(5)が設けられており、前記
梁表面化粧板(5)の背面には背方に向けて取付部材(9)が
突設されている。梁表面化粧板(5)の両端或いは何れか
一方の端部は、側板(1)の上端部分を構成する突出部(1
a)が連設されている。
に共通する事であるが、雑壁ユニット(A)内に埋入され
ている配筋(15)をそのまま背方に1列にて或いは上下複
数列にて突出させる場合、別体の金具(図示せず)を装着
する場合など現場に応じて最適の方式がとられる。
が、底板(4)の前縁下面には仮想線で示すように、垂れ
部(4a)が設けられる場合があり、この場合は雑壁ユニッ
ト(A)を配置するスラブ(6)の段部の設置位置(6a)の前面
(6b)を垂れ部(4a)が覆うようになり、雑壁ユニット(A)
の施工後の段状に形成された設置位置(6a)の前面の化粧
作業が不要となる。逆に垂れ部(4a)がなかった場合、前
記段状の設置位置(6a)の前面は廊下(7)側にむき出しに
なるため化粧作業が必要となる。
左右の側板(1)と天井板(2)と中間板(3)とに囲まれて形
成される上部空間(14a)と、左右の側板(1)と中間板(3)
と底板(4)とに囲まれて形成される下部空間(14b)とが設
けられる事になり、前記上空間(14a)の室外側に上窓(13
a)がスライド開閉可能或いは固定的に嵌め込まれ、下部
空間(14b)の室内側に下窓(13b)が固定的或いはスライド
開閉可能に嵌め込まれる。上部空間(14a)は出窓用空間
として使用され、下部空間(14b)は例えば空調機器の室
外機の収納空間として使用される。
あるが、雑壁ユニット(A)の全体、少なくとも廊下(7)側
に露出する面には仕上げ加工が施されている場合と下地
加工だけが施されている場合とがある。
の設置場所(6a)への設置が完了し、雑壁ユニット(A)に
合わせて形成された柱を含む躯体(11)の一部を構成する
壁面(11b)との境界部分など周縁部分の仕上げ作業を除
き、仕上げ作業が必要のない程度に完成している。特
に、廊下(7)側の外面にタイル貼りなどが必要な場合、
雑壁ユニット(A)の工場施工の段階で完全に仕上げられ
るようになっている。後者の場合は、柱を含む躯体(11)
の一部を構成する壁面(11b)と共に吹きつけ作業が行わ
れる。
雑壁ユニット(A)の高さ調整部材(16)は、スラブ(6)のプ
レキャスト製雑壁ユニット(A)を配設する部位(6a)の適
所に2個以上埋設され、ナット部(18)と、前記ナット部
(18)に螺入されているボルト部(19)とで構成されてい
る。
雑壁ユニット(A)の両側面は躯体(11)の躯体開口部(22)
に建て込まれる壁面(11b)とは縁が切られており、その
間隙には、単にスリット充填材(20)が充填されている
だけである。
雑壁ユニット(A1)を用いて、集合住宅の雑壁の構築方法
を図4に従って説明する。まず、スラブ(6)の設置位置
(6a)の段部の高さ調整部材(16)のボルト部(19)を上下さ
せてその高さを予め設定しておく。続いて、現場に搬送
された前記プレキャスト製雑壁ユニット(A1)をクレーン
で吊り下げ、スラブ(6)の設置位置(6a)の段部上に建て
込み前記金属メタル(17)を当接させる。
分(11b)を構成する躯体型枠(10)及び梁表面化粧板(5)の
背部を天井梁(8)が通るように躯体型枠(10)をそれぞれ
建て込む。この時、雑壁ユニット(A)の取付部材(9)は天
井梁(8)内に挿入され、必要に応じて結線によって取付
部材(9)と天井梁(8)の配筋(21)とが接続される。
クリートを打設して天井梁(8)や壁面(11b)などの躯体(1
1)を構成する。この場合、雑壁ユニット(A1)の底板(4)
とスラブ(6)の立設位置(6a)との間及び雑壁ユニット(A)
の側板(1)と壁面(11b)との間は隙間が明いており、ゴム
系シーリング材、グラスウールやロックウールなど断熱
・耐火材などで構成された目地充填材(20)が充填され
る。従って、この点は他の実施例(A1)の場合でも同様で
あるが、雑壁ユニット(A1)は主として取付部材(9)によ
る天井梁(8)への取り付けと、高さ調整部材(16)による
支持によって保持される事になる。
が、非出窓タイプ(A2)の雑壁ユニット(A)にも適用可能
であり、以下簡単に説明する。第1実施例(A1)と同じ箇
所は説明を割愛し、異なる部分を中心に説明する。
する。左右一対の側板(1)と、必要に応じて設けられる
天井板(2)「図5の場合は天井板(2)なし。」と、底板
(4)と、中間板(3)と、梁前面化粧板(5)と、内部に埋入
される配筋(15)とで一体的に構成れる組立構造は第1実
施例(A1)と同じである。
は、工場生産であるので、形状が複雑であり、薄肉で且
つ内部に鉄筋が入っていたとしてもコンクリートの充填
不足というような問題を生じる事がなく品質の向上を図
ることが出来る。更には、雑壁ユニットを設置位置に立
て込むだけで雑壁の現場作業は基本的に終了するので、
従来のように共用廊下で作業をする必要がなく安全な環
境のもとで作業に専念することができる。また、少なく
とも廊下側に露出する面が、仕上げ加工迄施されている
場合は、現場に建て込まれた段階で現場施工が殆ど終了
することになり、現場施工の工期を短縮することができ
る。
天井梁に固着され、雑壁ユニットの両側面は躯体の一部
を構成する壁面から縁を切られ、且つ底面は点にて設置
場所の床面に支持されているているため、地震のような
大きな揺れを受けても躯体(11)を損傷させる事がない。
ユニットの第1実施例を正面側から見た時の斜視図
視図
壁ユニットの第2実施例を正面側から見た時の断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 集合住宅躯体の廊下側の壁面に形成さ
れた躯体開口部に嵌め込まれて使用される既成の雑壁ユ
ニットであって、(a)廊下側に開口する窓部を構成する
空間部と、(b)前記開口部の床面を覆う底板とを具備
し、(c)施工状態において、少なくとも廊下側に露出す
る面は、仕上げ加工又は下地加工が施されている事を特
徴とする雑壁ユニット。 - 【請求項2】 請求項1の雑壁ユニットにおいて、躯
体開口部と縁が切られており、天井梁の廊下側の面を被
覆する梁表面化粧板を有し、梁表面化粧板には天井梁に
埋設される取付部材が突設され、底板は点にて設置場所
の床面に支持されている事を特徴とする事を特徴とする
雑壁ユニット。 - 【請求項3】 請求項2の雑壁ユニットにおいて、底
板に当接する調整部材が高さ調整可能になっている事を
特徴とする雑壁ユニット。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の雑壁
ユニットにおいて、底板の前縁下面に躯体開口部の段状
に形成された床部前面を被覆する垂れ部が垂設されてい
る事を特徴とする雑壁ユニット。 - 【請求項5】(a)請求項1〜4のいずれかに記載雑壁ユ
ニットを躯体開口部内に嵌め込んで躯体開口部の床部に
自立させ、(b)該雑壁ユニットの上部に合わせて天井梁
形成用型枠を建て込み、(c)続いて、該型枠内にコンク
リートを打設して天井梁を形成し且つ雑壁ユニットに設
けた取付部材にて雑壁ユニットと天井梁とを連結する事
を特徴とする集合住宅の雑壁部分の構築方法。 - 【請求項6】 梁表面化粧材を有する雑壁ユニットを用
いた請求項5に記載の方法において、梁表面化粧板の背
部を天井梁が通るように天井梁形成用型枠を建て込む事
を特徴とする集合住宅の雑壁部分の構築方法。
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- 2001-05-24 JP JP2001156113A patent/JP3535478B2/ja not_active Expired - Fee Related
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