JPH08128147A - 多層集合住宅 - Google Patents

多層集合住宅

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JPH08128147A
JPH08128147A JP6290598A JP29059894A JPH08128147A JP H08128147 A JPH08128147 A JP H08128147A JP 6290598 A JP6290598 A JP 6290598A JP 29059894 A JP29059894 A JP 29059894A JP H08128147 A JPH08128147 A JP H08128147A
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slab
cantilever
cantilevered
slab portion
cantilevered slab
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Application number
JP6290598A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Ikeda
清志 池田
Hideo Yamaga
英雄 山鹿
Makoto Sasaki
誠 佐々木
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Haseko Corp
Original Assignee
Haseko Corp
Hasegawa Komuten Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共用竪管の貫設領域における片持スラブの構
造を変更することによって、片持スラブ筋を分断して貫
通孔を形成することに起因する片持スラブの強度低下を
補い、更に、共用竪管の配管スペースを区画形成する区
画体のコストダウンと量産化を図る。 【構成】 上下階にわたって共用される竪管6〜10の
貫通孔11を、片持スラブ5の基部側に開設した多層集
合住宅において、前記貫通孔11の開設部を含む開設部
領域よりも広い範囲の所定領域における片持スラブ部分
5aのスラブ厚さを、他の領域における片持スラブ部分
5bのスラブ厚さよりも厚くすると共に、前記共用竪管
6〜10の配管スペースを区画形成する区画体12を、
上下の片持スラブ5の前記所定領域における片持スラブ
部分5a,5a間に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、片持ちスラブによる外
部廊下やバルコニーなどを備えた多層集合住宅に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】上記の多層集合住宅においては、例え
ば、水道管やガス管、電気製品の電源となる電線(以
下、強電系の電線)、電話線やテレビのアンテナ線など
の通信線(以下、弱電系の電線)、その他、雨水や空調
用機器のドレン等の排水管など、上下階にわたって共用
される竪管を、例えば戸境壁の柱に対応させて片持ちス
ラブの基部側に貫設させる形態がとられていた。
【0003】この竪管の貫設に際しては、片持ちスラブ
用の型枠上に片持ちスラブ筋を配筋すると共に、それぞ
れ2本の上側小梁主筋(上端筋)と下側小梁主筋(下端
筋)とにわたってスターラップ筋を巻き掛けて成る小梁
筋を、その小梁主筋の基部側を柱筋内にのみ込ませた状
態に配筋して、片持ちスラブにかゝる荷重の一部を柱に
伝達させるようにし、かつ、この小梁筋の基部側の両側
で片持ちスラブ筋の一部を分断して、その部分に貫通孔
形成用の型枠として例えばボイドを配置している。
【0004】そして、この片持ちスラブ筋の分断が片持
ち小梁の荷重負担の増大に繋がることから、この片持ち
小梁の断面を大きく設定すると共に、片持ちスラブ筋の
分断に伴う強度低下を補うために、前記ボイドの設置周
域に斜め補強筋を配筋し、これらの鉄筋を埋め込むよう
にスラブコンクリートを打設して、基部側に貫通孔を備
えた片持ちスラブを構築し、この貫通孔に例えばガスと
水の系と電気の系とを分けるようにして竪管を貫設させ
ている。
【0005】一方、上記の共用竪管周りを囲って外観上
の見栄えを良くするために、壁の一部とによって共用竪
管の配管スペースを区画形成する区画体が、上下の片持
ちスラブにわたって設置される。
【0006】この場合、区画体の設置箇所に片持ち小梁
が存在することから、この区画体の片持ち小梁が干渉す
る部位に、片持ち小梁の施工誤差を見込んで設計上の小
梁寸法よりもやゝ大きめの凹部を形成して、この凹部に
片持ち小梁を嵌め込みつつ、その上端部を片持ちスラブ
の下面部に突き合わせるようにして、区画体を上下の片
持ちスラブ間に立て込み、かつ、この区画体の凹部と片
持ち小梁との間と、区画体の上端部と片持ちスラブの下
面部との間、及び、区画体の下端部と片持ちスラブの上
面部との間に、それぞれシールやモルタル詰め処理を施
すといった手法が採られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、片持ち小梁の
断面を大きく形成することは、片持ちスラブの構築コス
トの増大に繋がる。また、斜め補強筋を配筋すること
は、貫通孔周辺の配筋が複雑になって、作業自体が非常
に煩わしく、手間のかゝるものとなる。更には、配筋作
業とボイドの設置作業とが交錯する関係上、余り早い時
期にボイドを設置すると配筋作業の邪魔になり、配筋完
了後にボイドを設置する場合は、斜め補強筋のためにボ
イドが所定の位置に納まらないことがあるから、工事の
進行状況を見ながら異種の作業を行うことになるが、工
事の進行状況によっては、互いに異種作業の手待ちが生
じることもあり、施工工程上においても問題があった。
【0008】しかも、共用竪管を囲う区画体の設置に際
して、この区画体の据え付け誤差や片持ち小梁の施工誤
差などによっては、区画体の凹部と片持ち小梁との間の
隙間寸法が一定しないことから外観上の見栄えが悪くな
り、しかも、一棟当たりでも膨大な数となる区画体に、
それぞれ小梁受け入れ用の凹部を形成するには膨大な手
間がかゝる上に、片持ち小梁の形状が建物ごとに異なる
場合は区画体の量産ができないことから、区画体の製作
コストが非常に高く付くという問題があった。
【0009】上記の実情に鑑み、本発明は、貫通孔の開
設に伴う片持ちスラブの強度低下を好適に補い、上記の
不都合を一挙に解消し得るようにした多層集合住宅を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即
ち、本発明は、上下階にわたって共用される竪管の貫通
孔を、片持ちスラブの基部側に開設した多層集合住宅に
おいて、前記貫通孔の開設部を含む開設部領域よりも広
い範囲の所定領域における片持ちスラブ部分のスラブ厚
さを、他の領域における片持ちスラブ部分のスラブ厚さ
よりも厚くすると共に、前記共用竪管の配管スペースを
区画形成する区画体を、上下の片持ちスラブの前記所定
領域における片持ちスラブ部分に設置した点に特徴があ
る。
【0011】
【作用】上記の構成によれば、上記所定領域における片
持ちスラブ部分のスラブ厚さを厚くしたことで、片持ち
スラブ筋の分断に伴う強度低下を補うことができ、この
所定領域における片持ちスラブ部分の強度低下が防止さ
れる。
【0012】共用竪管を囲う区画体の立て込みが、この
区画体の上下の端部を片持ちスラブ部分のフラットな面
部に当接させる立て込み形態となるので、区画体には見
栄えを悪くする凹部を形成する必要がなくなり、従っ
て、区画体の製作コストの低減はもとより、区画体の量
産も可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は多層集合住宅の概略横断平面図を示す。こ
の多層集合住宅は、桁方向を柱1と梁2とから成るラー
メン構造とし、梁間方向を梁付き耐震壁とし、この耐震
壁を戸境壁3として構成してある。建物の梁間方向両側
部には、RC造の片持ちスラブによるバルコニー4aと
共用の外部廊下4bとが各住戸Rに対応させて設けられ
ている。外部廊下4bを構成する片持ちスラブ5の基部
側には、図2〜図5に示すように、隣り合う二住戸R,
Rが上下階にわたって共用する竪管6〜10の貫通孔1
1…が、1スパン置きの戸境壁3の柱1に対応させて開
設されている。
【0014】上記の共用竪管6〜10は、具体的には、
水道管6とガス管7と強電系の電線8と弱電系の電線9
と空調用機器のドレン排水管10とであって、これらの
共用竪管6〜10を貫設させる貫通孔11…は、前記柱
1の幅よりも広い範囲にわたって分散させて開設されて
おり、この貫通孔11…の開設部を含む柱1よりも広い
範囲の所定領域における片持ちスラブ部分5aのスラブ
厚さを、その上面を他の領域における片持ちスラブ部分
5bの上面と面一にする状態で、この他の領域における
片持ちスラブ部分5bのスラブ厚さよりも厚く形成する
と共に、上記の共用竪管6〜10の配管スペースを区画
形成する区画体12を、その幅寸法を所定領域の片持ち
スラブ部分5aの幅寸法に一致させる状態で、この片持
ちスラブ部分5aの上下間にわたって設置している。
【0015】区画体12としては、例えば、鋼製のパネ
ル乃至はカバーや扉、コンクリート壁、ブロック壁、A
LC壁、それらの組合せ等々、耐火部材で構成されるも
のであれば、如何なる材質、構造のものであってもよい
が、この実施例では、区画体12を、次のような構成と
している。
【0016】即ち、上記の区画体12は、図6に示すよ
うに、壁14を奥壁にして共用竪管6〜10の収納室を
構成するもので、例えば軽量型鋼と薄肉鋼板との組み合
わせによって構成される。15は、軽量型鋼による支柱
15aと横材15bにより矩形状に枠組みした左右の枠
体である。左右の枠体15,15には、それぞれ上下方
向中間部の横材15bに受け架台16を設けると共に、
この左右の枠体15,15の前部側の上下と中間部とを
連結材17…によって連結し、上下の連結材17,17
にわたってそれの中間部に、折り曲げによって上下方向
の補強凹部が形成された板状部材18を連結してある。
上下の連結材17,17には、それぞれガラリ19,2
0を設けてある。これらの部材(左右の枠体15,1
5、連結材17…、板状部材18、ガラリ19,20
等)によって、平面視でコの字状の骨組み21が形成さ
れており、骨組み21には、更に、共用竪管6〜10と
壁14との間に差し込んだ後部連結材22を、左右の枠
体15,15の後部側の上下方向中間部にわたって連結
してある。23は給湯器であり、ガラリ19の下端の連
結材17と上下方向中間部の連結材17との間に、アン
グル材を介して取り付けられている。24は空調用室外
機であり、枠体15の上部の横材15bと上下方向中間
部の連結材15bとの間に取り付けられるようになって
いる。空調用室外機24の取付けにあたっては、前記受
け架台16に空調用室外機24を載置し、位置決め後、
アングル材を介して上下の横材15b,15bに固定す
るようになっている。
【0017】そして、左右の枠体15,15と板状部材
18と上下のガラリ19,20とによって囲まれた開口
部に、給湯器23の排気筒aに臨む開口bを形成した開
閉扉25,25を設けると共に、左右の枠体15,15
の上下の開口部には、それぞれ目隠しパネル26,27
を設け、かつ、上部側のパネル26には、空調用室外器
24の排風部に臨ませてガラリ28を形成している。
【0018】尚、図示はしないが、この収納室の内部に
は、設置高さの位置を調節するためのねじ式のジャッキ
機構を備えている。空調用室外器24の取付けは、区画
体12の設置後、何時の時点でおこなってもよい。この
場合、区画体12により形成される共用竪管6〜10の
収納室内の奥壁である壁14に、予め、住戸内への貫通
口を形成し、鋼板等の耐火材で塞いでおけば、後日、空
調用室外器24を設置したとき、新たに壁に孔を開ける
必要がなく、容易に住戸内への配管ができる。さらに、
前記貫通口と住戸内の空調用室内機設置予定位置まで冷
媒管を通すためのサヤ管を随時配管しておけば、建物完
成後に、入居者が任意に空調機を設置できる。
【0019】一方、前記外部廊下側の片持ちスラブ5
は、例えば次のようにして構築されている。即ち、図3
〜図5に示すように、所定領域の片持ちスラブ部分5a
を形成する型枠28を、柱1の構築箇所に対応させて設
けると共に、この型枠28の両側に、他の領域の片持ち
スラブ部分5bを形成する型枠29を配置し、かつ、こ
れらの型枠28,29上に片持ちスラブ筋30,30a
を配筋すると共に、この片持ちスラブ筋30が配筋され
ない竪管貫設部の周域において、貫通孔11を形成する
ための例えばボイド31を型枠28上に設置し、更に、
片持ちスラブ部分5aの形成域にスラブ補強筋32を配
筋して、これら片持ちスラブ筋30とスラブ補強筋32
を埋め込むようにコンクリート33を打設し、もって、
図7にも示すように、所定領域における片持ちスラブ部
分5aのスラブ厚さが他の領域における片持ちスラブ部
分5bのスラブ厚さよりも厚く且つ互いに上面が面一
で、更に、片持ちスラブ部分5aの基部側には、共用竪
管の貫通孔11…が形成された片持ちスラブ5を構築し
ているのである。尚、図5に示すように、片持ちスラブ
部分5aの四隅にスラブ筋30より太径の鉄筋を配置
し、それを囲む拘束筋を配筋しておくことが望ましい。
【0020】上記の構成によれば、貫通孔11の開設部
を含む所定領域の片持ちスラブ部分5aのスラブ厚さを
厚くしたことで、片持ちスラブ筋30の分断に伴う強度
低下が補われる。そして、片持ちスラブ部分5aの形成
領域として、これを柱1よりも広い範囲としているの
で、共用竪管6〜10の貫設本数に制約を受けることな
く、これらを余裕をもって貫設させることができる。
【0021】また、片持ちスラブ部分5aの幅寸法を、
共用竪管6〜10を囲う区画体12の幅寸法に一致させ
ているので、この区画体12の上下の片持ちスラブ5,
5間への立て込みが、ねじ式のジャッキ機構によって区
画体12の全体を持ち上げて高さ調節をしつつ、区画体
12の上端部を片持ちスラブ部分5aのフラットな面部
に当接させる立て込み形態となるので、区画体12には
見栄えを悪くする凹部を形成する必要がなくなり、従っ
て、この区画体12の製作コストを低減できる上に、区
画体12の量産も可能となる。
【0022】尚、所定領域における片持ちスラブ部分5
aの幅寸法を、区画体12の幅寸法に一致させている
が、片持ちスラブ部分5aの幅寸法を区画体12の幅寸
法よりも大にしてもよく、また、片持ちスラブ部分5a
をスラブ端部の排水溝34の近傍までとしているが、片
持ちスラブ部分5aをスラブ端部にまで形成したり、或
いは図8に示すように、片持ちスラブ部分5aを区画体
12の設置領域にのみ形成するもよい。
【0023】以下に、各種変形構造の片持ちスラブの態
様について説明する。図9〜図11に示す片持ちスラブ
5は、それぞれ少なくとも2本の上側小梁主筋(上端
筋)36と下側小梁主筋(下端筋)37とにわたってス
ターラップ38を巻き掛けて成る小梁筋39を、その小
梁主筋の基部側を柱筋40内にのみ込ませた状態に配筋
して、上下の面部を片持ちスラブ部分5aの上下の面部
と面一にした片持ち小梁41を、所定領域の片持ちスラ
ブ部分5aの中央部に形成すると共に、この片持ちスラ
ブ部分5aの形成に際しては、例えば水道管6と空調用
機器のドレン排水管10とガス管7を第1グループに
し、強電系の電線8と弱電系の電線9とを第2グループ
にして、これらの貫通孔11を片持ち小梁41の両側に
振り分けて開設し、この貫通孔11に共用竪管6〜10
を貫設させた点に特徴がある。尚、ここで、片持ち小梁
とは、片持ちスラブの張り出し方向にのびる鉄筋(小梁
主筋)を他の片持ちスラブの鉄筋より太径の鉄筋とし、
小梁主筋を囲むように拘束筋(スターラップ)を配筋し
たものを言う。以下、同じ。
【0024】かゝる構成において、片持ちスラブ部分5
aを、スラブ端部の排水溝34の近傍にまで或いはスラ
ブ端部にまで形成することが選択されるが、この外に、
図12に示すように、片持ちスラブ部分5aを区画体1
2の設置領域にのみ形成して、片持ち小梁41を、片持
ちスラブ部分5aの中央部から片持ちスラブ5の下面側
に突出させる構成をとることも可能である。
【0025】図13に示す片持ちスラブ5は、左右一対
の小梁筋39を、一方の小梁筋39における小梁主筋の
基部側を柱筋40内に、他方の小梁筋39における小梁
主筋の基部側を梁筋42内に、それぞれのみ込ませた状
態に配筋して、上下の面部を片持ちスラブ部分5aの上
下の面部と面一にした二本の片持ち小梁41,41を、
所定領域の片持ちスラブ部分5aの左右両側に形成する
と共に、この片持ちスラブ部分5aの形成に際して、共
用竪管6〜10の貫通孔を片持ち小梁41,41間に開
設させた点に特徴がある。
【0026】図14に示す片持ちスラブ5は、三組の小
梁筋39…を、それの中間部の小梁筋39における小梁
主筋の基部側を柱筋40内に、左右一対の小梁筋39に
おける小梁主筋の基部側を梁筋42内に、それぞれのみ
込ませた状態に配筋して、上下の面部を片持ちスラブ部
分5aの上下の面部と面一にした三本の片持ち小梁41
…を、所定領域の片持ちスラブ部分5aの左右両側に形
成すると共に、この片持ちスラブ部分5aの形成に際し
て、例えば水道管6と空調用機器のドレン排水管10と
ガス管7を第1グループにし、強電系の電線8と弱電系
の電線9とを第2グループにして、これらの貫通孔を中
間部の片持ち小梁41の両側に振り分けて開設させた点
に特徴がある。
【0027】これらの各実施例においては、片持ち小梁
41を設けることで片持ちスラブ部分5aの強度が大幅
に向上することから、貫通孔11まわりの斜め補強筋を
を省略することが可能である。因に、貫通孔11まわり
に斜め補強筋を配筋することには、次のような問題があ
る。 貫通孔周辺の配筋が複雑になって、作業自体が非常に
煩わしく、手間のかゝるものとなる。 配筋作業とボイド(貫通孔形成用型枠の一例)の設置
作業とが交錯する関係上、余り早い時期にボイドを設置
すると配筋作業の邪魔になり、配筋完了後にボイドを設
置する場合は、斜め補強筋のためにボイドが所定の位置
に納まらないことがある。このため、工事の進行状況を
見ながら異種の作業を行うことになるが、工事の進行状
況によっては、互いに異種作業の手待ちが生じることも
ある。上記の各実施例では、貫通孔11まわりの斜め補
強筋を省略することによって、これらの問題を解決でき
るのである。
【0028】また、図示した各実施例の通り、スラブ補
強筋32を設けた上で更に片持ち小梁41を設けるなら
ば、小梁筋39としては、小梁主筋の基部側にのみ、つ
まり、貫通孔11が形成される領域に対応する部分にの
みスターラップ38を配筋したものであっても、片持ち
スラブ部分5aの強度を十分に確保することが可能であ
る。
【0029】図15に示す片持ちスラブ5は、左右に一
対の片持ち小梁41,41を備えた所定領域の片持ちス
ラブ部分5aを、共用竪管6〜10の貫通孔を形成した
プレキャスト製にして、これの片持ちスラブ張り出し方
向にわたって複数本のPC鋼材(例えば、PC鋼線やP
C鋼棒など)線43を設け、かつ、このPC鋼材43の
基部側を柱筋40と梁筋42の内部にのみ込ませて、プ
レキャスト製の片持ちスラブ部分5aにポストテンショ
ンによるプレストレスの導入を可能と成した点に特徴が
ある。
【0030】尚、図16に示すように、1スパン置きの
戸境壁3の柱1に対応させて、それの所定の領域にわた
って片持ちスラブ部分5aを形成し、この間の戸境壁3
の柱1に対応させるように片持ち小梁44を形成するも
よい。
【0031】或いは、図17に示すように、それぞれ戸
境壁3の柱1に対応させて、それの所定の領域にわたっ
て片持ちスラブ部分5aを形成する一方、例えば水道管
6と空調用機器のドレン排水管10とガス管7を第1グ
ループにし、かつ、強電系の電線8と弱電系の電線9と
を第2グループに系統別けして、各系統の共用竪管6,
7,10と8,9とを1本置きの柱1に対応させて片持
ちスラブ部分5aに貫設し、これらの共用竪管6〜10
を隣り合う二住戸で共用させる形態にするもよい。これ
によれば、各領域の貫通孔の数が少なくなるので、片持
ちスラブの強度低下を小さくでき、配筋等が簡略化さ
れ、施工手間が少なくなるという利点がある。
【0032】更に、図1に示した図示例では、柱1と壁
14との外面を面一にする構造としているが、本発明
は、図18に示すように、柱1を壁14から突出させる
構造のものを対象にして実施可能であることは勿論であ
る。この場合、区画体12としては、柱1の外面よりも
内側に位置する部分の上端側に、大梁に対応する凹部を
形成したものが使用される。
【0033】また、本発明は、図19に示すように、所
定領域の片持ちスラブ部分5aに対応させて柱1部分を
窪ませるように壁14を構築したり、或いは図20,2
1に示すように、所定領域の片持ちスラブ部分5aに対
応させて、左右一対の壁体45,45を壁14の外方に
突出させたり、更には、その間にも壁体45を突出させ
たりして、これら柱1の窪み部や壁体45,45の突出
部間に共用竪管6〜10を貫設させる構造での実施も可
能である。この図19〜21に示した実施例では、区画
体12としては、平面的な形状のもので足り、例えば開
閉扉を備えた扉枠を区画体12として、これを柱1の窪
み部や壁体45,45の突出部に設けることで共用竪管
6〜10の収納室を構成することができる。
【0034】尚、上記の各実施例では、区画体12を軽
量型鋼と薄肉鋼板との組み合わせ構成としたが、例えば
図18〜21に示した収納室に対応させる区画体12と
して、これを扉枠装着用の開口部を形成したプレキャス
ト製の壁体構造に変更可能であり、或いは、図1に示し
た収納室に対応させる区画体12として、これを扉枠装
着用の開口部を形成した前壁面と、これに隣合う左右の
側壁面とから成る、平面視でコの字状の自立可能なプレ
キャスト製の構造体と、開閉扉との組み合わせ構造など
に変更可能である。
【0035】また、壁14が出窓状の突出部を備える場
合は、その出窓状突出部の一側面を共用竪管の収納室の
一側壁として利用し、収納室を構成する区画体として、
平面視でL字状のもの、例えば、自立可能な平面形状L
字形のプレキャスト製の構造体と、開閉扉とを組み合わ
せた構造のものに変更可能である。
【0036】更に、バルコニー4a側の片持ちスラブ5
の所定領域にスラブ厚さの厚い片持ちスラブ部分を形成
して、この片持ちスラブ部分に貫通孔を開設し、この貫
通孔に共用竪管を貫設し、かつ、これらを囲うように上
記した所定領域の片持ちスラブ部分間に、共用竪管の収
納室を構成する区画体を設ける構成とするもよい。
【0037】以上のいずれの実施例においても、片持ち
スラブ部分5aの下面を、片持ちスラブの張り出し方向
に水平かつフラットに形成すれば、同方向の先端に向か
って上方向に斜めの面を形成する(いわゆるハンチを形
成する)場合に比較して型枠の施工が容易であるだけで
なく、区画体の上部の隙間が一定となり、シーリング等
がしやすく、見栄えも良くなる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、貫
通孔の開設部を含む所定領域の片持ちスラブ部分のスラ
ブ厚さを厚くしたことで、この片持ちスラブ部分に、そ
れの片持ちスラブ筋を分断して共用竪管を貫設させる貫
通孔を形成しながらも、この片持ちスラブ筋の分断に伴
う強度低下を補うことができる。従って、従来のよう
に、煩わしくて手間がかゝる斜め補強筋を貫通孔の開設
部周域に設ける必要がなくなる。
【0039】これによって、異種作業の手待ちを生じさ
せないで、貫通孔形成用の例えばボイドを所定の位置に
納めることが容易に達成されるようになり、延いては片
持ちスラブの構築工期を大幅に短縮できる。
【0040】また、共用竪管の配管スペースを区画形成
する区画体を、上下の片持ちスラブの所定領域における
片持ちスラブ部分間に設置するようにしているので、こ
の区画体の立て込みが、区画体の上下の端部を片持ちス
ラブ部分のフラットな面部に当接させる立て込み形態と
なり、従って、区画体には見栄えを悪くする凹部を形成
する必要がなくなることから、区画体の製作コストの低
減はもとより、区画体の量産も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集合住宅の或る階の部分的な横断平面図であ
る。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】片持ちスラブにおける要部の配筋図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】区画体の分解斜視図である。
【図7】区画体設置部の斜視図である。
【図8】変形例の区画体設置部の斜視図である。
【図9】片持ち小梁を1本設けた場合の片持ちスラブに
おける要部の配筋図である。
【図10】図9のC−C線断面図である。
【図11】図9のD−D線断面図である。
【図12】変形例の片持ちスラブ部分と共に示す区画体
設置部の斜視図である。
【図13】片持ち小梁を2本設けた場合の片持ちスラブ
における要部の配筋図である。
【図14】片持ち小梁を3本設けた場合の片持ちスラブ
における要部の配筋図である。
【図15】左右一対の小梁とその間の片持ちスラブ部分
をプレキャスト製にした別実施例の片持ちスラブの部分
平面図である。
【図16】別実施例の集合住宅の或る階の部分的な横断
平面図である。
【図17】更に別実施例の集合住宅の或る階の部分的な
横断平面図である。
【図18】柱部分の第1変形構造を示す要部の横断平面
図である。
【図19】柱部分の第2変形構造を示す要部の横断平面
図である。
【図20】柱部分の第3変形構造を示す要部の横断平面
図である。
【図21】柱部分の第4変形構造を示す要部の横断平面
図である。
【符号の説明】
1…柱、5…片持ちスラブ、5a,5b…片持ちスラブ
部分、6〜10…共用竪管、11…貫通孔、12…区画
体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下階にわたって共用される竪管の貫通
    孔を、片持ちスラブの基部側に開設した多層集合住宅に
    おいて、前記貫通孔の開設部を含む開設部領域よりも広
    い範囲の所定領域における片持ちスラブ部分のスラブ厚
    さを、他の領域における片持ちスラブ部分のスラブ厚さ
    よりも厚くすると共に、前記共用竪管の配管スペースを
    区画形成する区画体を、上下の片持ちスラブの前記所定
    領域における片持ちスラブ部分に設置してあることを特
    徴とする多層集合住宅。
  2. 【請求項2】 前記所定領域の片持ちスラブ部分が、各
    住戸の戸境壁の位置に対応して形成され、当該片持ちス
    ラブ部分の下面が水平かつフラットに形成され、上面が
    他の領域の片持ちスラブ部分の上面と面一に形成されて
    いる請求項1に記載された多層集合住宅。
  3. 【請求項3】 前記所定領域の片持ちスラブ部分の張り
    出し方向と直交する方向の幅が、前記配管スペースの幅
    と一致している請求項1または2に記載された多層集合
    住宅。
  4. 【請求項4】 前記所定領域の片持ちスラブ部分が、1
    スパンおきに形成されている請求項1乃至3のいずれか
    に記載された多層集合住宅。
  5. 【請求項5】 前記所定領域の片持ちスラブ部分が、各
    住戸の戸境壁の位置に対応して形成され、前記配管スペ
    ースには、共用竪管が、電気系の配線と、その他の共用
    竪管とに分けて配管され、電気系の配線が、1スパンお
    きに設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載さ
    れた多層集合住宅。
JP6290598A 1994-10-31 1994-10-31 多層集合住宅 Pending JPH08128147A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009287272A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Sumitomo Fudosan Kk メーターボックスユニット
JP2015158075A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 株式会社長谷工コーポレーション 共同住宅のメーターボックス

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