JP2002080621A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2002080621A
JP2002080621A JP2001178744A JP2001178744A JP2002080621A JP 2002080621 A JP2002080621 A JP 2002080621A JP 2001178744 A JP2001178744 A JP 2001178744A JP 2001178744 A JP2001178744 A JP 2001178744A JP 2002080621 A JP2002080621 A JP 2002080621A
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polyester film
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Hiroshi Kusume
博 楠目
Koji Furuya
幸治 古谷
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光線の均一拡散性、耐熱寸法安定性に優れ、
輝度にも優れた、液晶表示装置の光拡散板の基板として
好適なポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 (1)主たる繰返し単位がエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートである芳香族ポ
リエステルからなり、(2)フィルム面内の直交する2
方向において、無荷重下、105℃で30分間熱処理し
た際の熱収縮率が0.3%以下であり、(3)フィルム
の断面積基準で0.37MPaの荷重下、30℃から1
50℃の温度範囲における寸法変化率が、フィルム面内
の直交する2方向において、1.0%以下であり、
(4)密度が1.350g/cm3以上であり、(5)
全光線透過率が87%以上であり、(6)ヘーズ値が
1.5%未満でありそして(7)厚さが50〜130μ
mの範囲にあることを特徴とする光拡散板用二軸配向ポ
リエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光拡散板用二軸配
向ポリエステルフィルムおよびそれをベースフィルムと
する光拡散板に関する。さらに詳しくは、例えば液晶表
示ディスプレイ、特にデスクトップ型パソコンに使用さ
れるような15インチ以上の大型の液晶表示ディスプレ
イに用いた際に、液晶パネルのバックライトに用いられ
る光源からの熱に対して寸法安定性に優れ、輝度にも優
れた光拡散板のベースフィルムとして有用な二軸配向ポ
リエステルフィルムおよび光拡散板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフィルム
は、機械的性質、耐熱性、高温での寸法安定性に優れ、
従来より液晶表示ディスプレイの光拡散板用集光ビーズ
を担持するためのベースフィルムとして用いられてい
る。
【0003】近年、液晶表示のコントラストをさらに向
上させたいという要求があり、また表示板をさらに大型
化したいという要求がある。このような要求に伴い光源
であるバックライト光源の光量増加が必要となるが、光
量が増加すると使用中の温度が従来よりも高温となる。
ところが、従来のポリエチレンテレフタレート基材では
光拡散板の耐熱性が不足するので、光量アップができな
いという問題がある。また光拡散板用ポリエステルフィ
ルムの厚み斑が不良であったり、異物が多いと輝度が劣
るという別の問題も生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解消し、耐熱性に優れ、厚み斑が非常に小さく
かつ優れた透明性を有する、光拡散板のベースフィルム
として有用な二軸配向ポリエステルフィルムを提供する
ことにある。
【0005】本発明の他の目的は、液晶表示ディスプレ
イにおいて、液晶パネルのバックライトに用いられる光
源からの熱に対して、寸法安定性に優れ、輝度にも優れ
た光拡散板のベースフィルムとして有用な光拡散板用二
軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、本発明の二軸
配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとする光拡
散板を提供することにある。
【0007】本発明のさらに他の目的および利点は、以
下の説明から明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、(1)主たる繰返し
単位がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トである芳香族ポリエステルからなり、(2)フィルム
面内の直交する2方向において、無荷重下、105℃で
30分間熱処理した際の熱収縮率が0.3%以下であ
り、(3)フィルムの断面積基準で0.37MPaの荷
重下、30℃から150℃の温度範囲における寸法変化
率が、フィルム面内の直交する2方向において、1.0
%以下であり、(4)密度が1.350g/cm3以上
であり、(5)全光線透過率が87%以上であり、
(6)ヘーズ値が1.5%未満でありそして(7)厚さ
が50〜130μmの範囲にある、ことを特徴とする光
拡散板用二軸配向ポリエステルフィルムによって達成さ
れる。
【0009】本発明によれば、本発明の上記目的および
利点は、第2に、下記要件(1)〜(7): (1)主たる繰返し単位がエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートである芳香族ポリエステルからな
り、(2)フィルム面内の直交する2方向において、無
荷重下、105℃で30分間熱処理した際の熱収縮率が
0.3%以下であり、(3)フィルムの断面積基準で
0.37MPaの荷重下、30℃から150℃の温度範
囲における寸法変化率が、フィルム面内の直交する2方
向において、1.0%以下であり、(4)密度が1.3
50g/cm3以上であり、(5)全光線透過率が87
%以上であり、(6)ヘーズ値が1.5%未満でありそ
して(7)厚さが50〜130μmの範囲にある、で特
定される二軸配向ポリエステルフィルム並びに上記二軸
配向ポリエステルフィルムの片面上の光拡散層からなる
光拡散板によって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムについて
説明する。
【0011】(芳香族ポリエステル)本発明の二軸配向
ポリエステルフィルムを構成する芳香族ポリエステル
は、主たる繰返し単位がエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートからなる。エチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレート単位は、全繰返し単位の50
モル%を超え、少なくとも80モル%であるのが好まし
く、少なくとも90モル%がより好ましい。エチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位とは異なる
繰返し単位は、2,6−ナフタレンジカルボン酸および
/またはエチレングリコール以外の他のジカルボン酸お
よび/または他のグリコール等を共重合成分として用い
ることにより導入することができる。
【0012】かかる共重合成分としては2個のエステル
形成官能基を有する化合物を用いることができる。この
共重合成分としては、例えばシュウ酸、アジピン酸、フ
タル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク
酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、テレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、フェニルインダンジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸およびこれらの低級アルキルエステル;
p−オキシエトキシ安息香酸等のごときオキシカルボン
酸およびその低級アルキルエステル;プロピレングリコ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加
体、トリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグ
リコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ネ
オペンチルグリコール等を挙げることができる。
【0013】また、芳香族ポリエステルは、例えば安息
香酸、メトキシポリアルキレングリコール等の1官能性
化合物により、末端の水酸基および/またはカルボキシ
ル基の一部または全部を封鎖したものであってもよく、
あるいは例えば極少量のグリセリン、ペンタエリスリト
ールなどのごとき3官能以上のエステル形成化合物で実
質的に線状のポリマーが得られる範囲内で変成されたも
のであってもよい。
【0014】また、本発明における芳香族ポリエステル
としては、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートを主たる繰返し単位とする芳香族ポリエステル
と、それ以外の他のポリエステル、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を少
量、例えば20重量%以下の量でブレンドしたブレンド
を使用することができる。
【0015】本発明における芳香族ポリエステルは亜鉛
化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウ
ム化合物およびマンガン化合物よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の化合物を重縮合触媒として製造するの
が好ましい。かかる重縮合触媒を用いることにより本発
明における芳香族ポリエステルを透明性の優れたものと
して容易に調製することができる。
【0016】(添加剤)また、本発明において上記芳香
族ポリエステルは添加剤、例えば安定剤、染料、滑剤、
紫外線吸収剤、難燃剤などを所望により含有していても
よい。例えば、フィルムに滑り性を付与するために、不
活性粒子を少量割合含有させることは好ましいことであ
る。かかる不活性粒子としては、例えば球状シリカ、多
孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、アルミ
ナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼ
オライトのごとき無機粒子、あるいはシリコーン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子のごとき有機粒子を挙げるこ
とができる。不活性粒子は天然品、合成品のいずれでも
よいが、無機粒子の場合は、粒径が均一であることが好
ましいなどの理由により、天然品よりも合成品であるこ
とが好ましい。結晶形態、硬度、比重、色などについて
は特に制限を受けることなく使用することができる。
【0017】不活性粒子は単独であるいは2種以上一緒
に用いることができる。上記の不活性粒子の平均粒径は
0.05〜1.5μmの範囲であることが好ましく、
0.1〜1.0μmであることがさらに好ましい。ま
た、不活性粒子の含有量は0.001〜0.1重量%で
あることが好ましく、0.003〜0.01重量%であ
ることがさらに好ましい。
【0018】不活性粒子の添加時期は、ポリエステルフ
ィルムを製膜するまでの段階であれば特に制限はなく、
例えば芳香族ポリエステルの重合段階で添加してもよ
く、また製膜の際に芳香族ポリエステルに添加してもよ
い。
【0019】不活性粒子としては、球状シリカ微粒子が
好ましく、平均粒径が0.05〜1.5μmであり、か
つ粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2の球状シリカ
微粒子が特に好ましい。この球状シリカ微粒子は個々の
微粒子の形状が極めて真球に近い球状であって、粗大粒
子がほとんどなく、従来から滑剤として知られているシ
リカ微粒子(10nm程度の超微細な塊状粒子か、また
はこれらが凝集して0.5μm程度の凝集物(凝集粒
子)を形成しているもの)とは著しく異なる。球状シリ
カ微粒子の平均粒径が1.5μmより大きくなると、球
状シリカ微粒子による突起の周りの重合体フィルムにひ
び割れが生じやすく、ヘーズ値が増加しやすくなるため
好ましくない。また、0.05μmより小さいと、滑り
性が劣りハンドリングしにくいフィルムとなる。添加量
が0.1重量%より多いと、滑り性は十分であるが、ひ
び割れの総数が増加して、ヘーズ値が増加する傾向が見
られるため好ましくない。0.001重量%より少ない
と、滑り性が劣ってハンドリングしにくいフィルムとな
る。
【0020】球状シリカ微粒子は、上述の条件を満たせ
ば、その製法、その他に何ら限定されるものではない。
例えば、球状シリカ微粒子は、オルトケイ酸エチル(S
i(OC254)の加水分解から含水シリカ(Si
(OH)4)単分散球を作り、さらにこの含水シリカ単
分散球を脱水化処理して下記シリカ結合を三次元的に成
長させることで製造できる(日本化学会誌、’81,N
o.9,P.1503参照)。
【0021】
【化1】≡Si−O−Si≡…シリカ結合
【0022】
【化2】 Si(OC2H5)4+4H2O →Si(OH)+4C2H5OH ≡Si−OH+HO−Si≡ →≡Si−O−Si≡+H2O
【0023】(熱収縮率)本発明の光拡散板用二軸配向
ポリエステルフィルムは、無荷重下、105℃で30分
間処理した際の熱収縮率が、フィルム面内の直交する2
方向例えば縦方向(以下『MD』ということがある)お
よび横方向(以下『TD』ということがある)におい
て、いずれも0.3%以下である。この105℃での熱
収縮率は、縦方向、横方向とも0.2%以下であること
が好ましい。熱収縮率が、上記の範囲にあると、それを
ベースフィルムとする拡散板は熱が加わったときの平面
性を良好な状態に保つことができるので好ましい。
【0024】また、本発明の光拡散板用二軸配向ポリエ
ステルフィルムは、無荷重下、150℃で30分間処理
した際の熱収縮率が、フィルム面内の直交する2方向例
えば縦方向および横方向において、いずれも0.5%以
下、特に0.4%以下であることが好ましい。熱収縮率
が、この範囲にあると拡散板は熱が加わったときの平面
性を特に良好な状態に保つことができるので好ましい。
【0025】(寸法変化率)本発明の光拡散板用二軸配
向ポリエステルフィルムは、フィルムの断面積基準で
0.37MPaの荷重下、30℃から150℃の温度範
囲における寸法変化率が、フィルム面内の直交する2方
向において、いずれも1.0%以下であり、好ましくは
0.5%以下である。寸法変化率がこの範囲にあると、
これをベースフィルムとする光拡散板の熱寸法安定性が
良好となる。また、30℃から200℃の温度範囲にお
ける寸法変化率は、フィルム面内の直交する2方向にお
いて、いずれも2.0%以下であることがさらに好まし
く、1.0%以下であることが特に好ましい。
【0026】(密度)本発明の光拡散板用二軸配向ポリ
エステルフィルムの密度は1.350g/cm3以上で
あり、好ましくは1.350〜1.365g/cm3
範囲にある。また、下限値は好ましくは1.355g/
cm3以上である。密度がこの範囲にあると、フィルム
の熱寸法安定性が良好となり、光拡散板用ベースフィル
ムとして好ましい。
【0027】(全光線透過率)本発明の光拡散板用二軸
配向ポリエステルフィルムはその全光線透過率が87%
以上であり、好ましくは90%以上である。全光線透過
率がこの値より低いと光拡散板にベースフィルムとして
用いたときに光拡散板の輝度が不良となる。このため全
光線透過率は高い程よく、87〜98%の範囲にあるの
が好ましい。
【0028】(ヘーズ)本発明の光拡散板用二軸配向ポ
リエステルフィルムのヘーズは1.5%未満であり、好
ましくは1.5%未満0.2%以上である。上限は好ま
しくは1.0%未満である。この値より大きいと入射光
がフィルム内部で拡散して出射光量が減少するため、光
拡散板にベースフィルムとして用いたときに光線透過率
が不良となる。このためヘーズは低い程よい。
【0029】(厚みおよび厚みむら)本発明の光拡散板
用二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、50〜13
0μmである。フィルムの厚みは、好ましくは70〜1
25μmである。厚みが50μmより薄いと、拡散板と
したときに腰(剛性)がなく取り扱い難くなり好ましく
ない。一方、厚みが130μmを超えると、厚みによる
光の吸収量が増加し、光線透過率が下がるため好ましく
ない。
【0030】また、本発明のフィルムは、フィルム面内
の直交する2方向において、長さ100mm当りの厚み
の最大値と最小値の差が4.0μm以下であることが好
ましく、3.0μm以下であることがさらに好ましい。
【0031】この範囲から外れると局所的に光線透過率
が大きく異なって液晶ディスプレイ上で輝度が劣ってし
まうことがあり、好ましくない。
【0032】さらに、本発明のフィルムは、フィルム面
内の直交する2方向における長さ100mm当りの厚み
の最大値と最小値との間に、下記式(1)で定義される
厚みの変動率が5%以下である関係が成立する。
【0033】
【数2】 厚みの変動率(%)=[(最大厚み−最小厚み)/最小厚み]×100…式(1)
【0034】(屈折率)本発明の光拡散板用二軸配向ポ
リエステルフィルムの、フィルム面内の直交する2方向
の2つの屈折率の比、例えば縦方向の屈折率と横方向の
屈折率の比が、0.8〜1.2の間にあることが好まし
く、0.9〜1.1の間にあることがさらに好ましい。
この範囲を外れると、熱収縮のバランスが崩れてしまう
ことのために平面性が不良となることがあるので好まし
くない。
【0035】(フライスペック)本発明の光拡散板用二
軸配向ポリエステルフィルムは直径が50μmを超える
フライスペックがフィルム面100cm2当り、5個以
下、特に1個以下であることが好ましい。このフライス
ペックが5個/100cm2より多いと、これをベース
フィルムとする拡散板の輝度が低下することがあり好ま
しくない。フライスペックが原料チップ中に含まれてい
るゴミ等の異物に起因する場合は、フィルムを製造する
際に溶融押出しの過程で目開きの小さいフィルターを用
いることで除去することができる。フィルターの目開き
は、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは25μ
m以下である。
【0036】(塗布層)本発明の光拡散板用二軸配向ポ
リエステルフィルムは、フィルムの少なくとも片面上す
なわち片面上または両面上に、表面反射抑制層を有する
ことができる。この層により、表面反射が抑制されるこ
とで、これをベースフィルムとする光拡散板の輝度が増
加する。この表面反射抑制層は、一方では、光拡散層と
の接着性を良好とする機能も有する。
【0037】かかる表面反射抑制層は、例えばウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびビニル樹
脂で変性されたポリエステル樹脂よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の水溶性または水分散性樹脂からな
る。
【0038】(ウレタン樹脂)ウレタン樹脂は、多価ヒ
ドロキシ化合物と多価イソシアネート化合物との反応に
より得られる水溶性または水分散性(以下併せて『水
性』と略記することがある)ウレタン樹脂であり、必要
に応じて成分として、鎖長延長剤、架橋剤などを加えて
得られたものであることができる。
【0039】多価ヒドロキシ化合物としては、例えばポ
リオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのよう
なポリエーテル類、ポリエチレンアジペート、ポリエチ
レン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンのよう
なポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリル系ポ
リオール、ひまし油などを挙げることができる。
【0040】また、多価イソシアネート化合物として
は、例えばトリレンジイソシアネート、フェニレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを
挙げることができる。
【0041】さらに、鎖長延長剤あるいは架橋剤として
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、エチレンジアミン−ナトリウムアクリレート付加
物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などを用いること
ができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ
以上選択して、常法の重縮合−架橋反応によりポリウレ
タン樹脂を合成することができる。
【0042】(ポリエステル樹脂)表面反射抑制層に用
いられるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸および多
価ヒドロキシ化合物を重合して得られる水性ポリエステ
ル樹脂である。
【0043】多価カルボン酸としては、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、4,4’−ジフ
ェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、
無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらの
エステル形成性誘導体等を挙げることができる。
【0044】また、多価ヒドロキシ化合物としては、例
えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリ
コール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加
物、ビスフェノールA−1,2−プロピレングリコール
付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレ
ンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチ
ルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カ
リウムおよびそれらのエステル形成性誘導体等を挙げる
ことができる。
【0045】ポリエステル樹脂は、これらの多価カルボ
ン酸化合物と多価ヒドロキシ化合物の中から、それぞれ
適宜1つ以上選択して、常法の重縮合反応により合成す
ることができる。なお、ポリエステル樹脂は、ポリエス
テルポリオールをイソシアネートで鎖延長したポリエス
テルポリウレタン、アクリル樹脂で変性したアクリル変
性ポリエステルなどのポリエステル成分を有する複合高
分子として用いることもできる。
【0046】[アクリル系樹脂]表面反射抑制層に用い
られるアクリル系樹脂は、主成分としてアクリル酸誘導
体を付加重合して得られる水性アクリル樹脂であり、ア
ルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレートを
主要な成分とするものが好ましい。特にアルキルアクリ
レートあるいはアルキルメタクリレート成分が30〜9
0モル%であり、共重合可能でかつ官能基を有するビニ
ル単量体成分が70〜10モル%の水性アクリル樹脂で
あることが好ましい。
【0047】アルキルアクリレートおよびアルキルメタ
クリレートのアルキル基の例としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基など
を挙げることができる。
【0048】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニル
単量体としては、例えば官能基としてカルボキシル基ま
たはその塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、
アミド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ
基(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化された
アミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基など
を有するビニル単量体を挙げることができる。これらの
中でも特に好ましいものはカルボキシル基またはその
塩、酸無水物基、エポキシ基などである。これらの基は
樹脂中に2種類以上含有されていてもよい。
【0049】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合する、官能基を有するビニル系単
量体には、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水性基
などの官能基を有する下記の化合物類を使用することが
できる。
【0050】カルボキシル基またはその塩、酸無水物基
を有する化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、これらのカルボン酸の
ナトリウムなどとの金属塩、アンモニウム塩あるいは無
水マレイン酸などを挙げることができる。
【0051】スルホン酸基またはその塩を有する化合物
としては、例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、これらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属塩、
アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0052】アミド基あるいはアルキロール化されたア
ミド基を有する化合物としては、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタクリル
アミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイソブ
チルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレートなど
を挙げることができる。
【0053】アミノ基あるいはアルキロール化されたア
ミノ基あるいはそれらの塩を有する化合物としては、例
えばジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエー
テル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り4級化したものなどを挙げることができる。
【0054】水酸基を有する化合物としては、例えばβ
−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、β−ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチル
ビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエ
チレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノメタクリレートなどを挙げることができる。
【0055】エポキシ基を有する化合物としては、例え
ばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
などが挙げられる。その他官能基を有する化合物とし
て、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネートなど
を挙げることができる。
【0056】さらに、エチレン、プロピレン、メチルペ
ンテン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレンな
どのオレフィン類や、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化
ビニル、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、酢酸ビ
ニルなどもビニル系単量体化合物として挙げることがで
きる。
【0057】(ビニル系樹脂で変性されたポリエステル
樹脂)表面反射防止層に用いられるビニル系樹脂で変性
されたポリエステル樹脂は、水に溶解したまたは水に分
散した水性ポリエステル樹脂にビニル系成分を反応させ
て得ることができる。
【0058】この水性ポリエステル樹脂を構成する成分
としては、以下の多塩基酸またはそのエステル形成誘導
体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体を例示で
きる。多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ダイマー酸等が挙げられる。これら酸成分を2種以
上を用いて共重合ポリエステル樹脂を合成する。また、
若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコ
ン酸等およびp−ヒドロキシ安息香酸等のごときヒドロ
キシカルボン酸を用いることができる。
【0059】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレ
ングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレン
オキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール等が挙げられる。これらは2種以上を用
いることができる。
【0060】また、ビニル系樹脂成分として、例えば、
アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アル
キル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基
等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等
のヒドロキシ含有モノマー;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキル
メタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミ
ド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N
−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリ
ルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,
N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブト
キシ基等)、N−メチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミ
ド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基含有モ
ノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン
酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩、第三級アミン塩等)等のガルボキシ基またはそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、
アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエ
ステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイ
タコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーを例示
することができる。また、これらモノマーが挙げられる
がこれらに限定されるものではない。これらモノマーは
1種あるいは2種以上を用いて共重合することができ
る。
【0061】(塗布層の塗設)二軸配向ポリエステルフ
ィルムの表面上に上記表面反射抑制層を塗設するには、
上記水溶性または水分散性樹脂を主要固形成分とする塗
布液を用いることができる。この塗布液は上記樹脂の水
溶性または水分散性樹脂や他の添加物に影響を与えない
限り、若干の有機溶剤を含んでいてもよい。この塗布液
はアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニ
オン型界面活性剤等の界面活性剤を必要量添加して用い
ることができる。
【0062】かかる界面活性剤としては水性塗布液の表
面張力を低下でき、ポリエステルフィルムへの濡れを促
進するものが好ましく、例えばポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモ
ニウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸、ベタイン型
界面活性剤等を挙げることができる。
【0063】また、表面反射抑制層には、固着性(ブロ
ッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度を良好な
ものとするために、架橋剤として、例えばイソシアネー
ト化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジ
リジン化合物、メラミン化合物、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカッ
プリング剤などを含有させることが好ましい。また、塗
布層の樹脂成分に架橋反応点があれば、過酸化物、アミ
ン類などの反応開始剤や、感光性樹脂などに増感剤を含
有させることが好ましい。
【0064】また、固着性や滑り性を改良するために、
表面反射抑制層中に無機粒子としてシリカ、シリカゾ
ル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオ
リン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸
化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、硫化モリ
ブデン、酸化アンチモンゾルなどの固体粒子を、また有
機粒子として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの固体粒子を含
有させてもよい。
【0065】この固体粒子の平均粒径は0.01〜0.
2μmの範囲にあることが好ましい。また、添加量とし
てはフィルム表面に1万〜1000万個/mm2存在す
るような量とすることが好ましい。微粒子が存在するこ
とで、フィルムの滑り性が向上し、ハンドリング性が向
上するとともに、光線透過率が向上する。この理由は明
確ではないが、フィルム表面が均一にかつ微細に粗れる
ことで、入射光の界面反射が抑えられるためと考えられ
る。固体粒子の粒径が0.2μmより大きいと、粗さが
大きくなり逆に光線透過率が低下し、また粒子の脱落に
より工程が汚れることがあり好ましくない。
【0066】また、平均粒径が0.01μm以下では、
滑り性の向上および、光線透過率の向上効果がほとんど
なく好ましくない。添加量は1000万個/mm2より
多い場合、粒子の脱落により工程が汚れてしまい好まし
くない。1万個/mm2より少ない場合、滑り性の向上
および、光線透過率の向上効果がほとんどなく好ましく
ない。添加する固体粒子は1成分であってもよく、2成
分あるいは3成分以上であってもよい。
【0067】さらに、表面反射抑制層には、必要に応じ
て、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機
潤滑剤、酸化防止剤、発泡剤、染料および顔料などを含
有させてもよい。
【0068】この塗布液はポリエステルフィルム製造工
程中で結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの
片面または両面に塗工するのが好ましい。ポリエステル
フィルム製造工程と切り離して塗工してもよいが、この
場合では塵、埃等を巻き込みやすく、その部分が印刷時
の欠点となりクリーンな雰囲気が望ましく、さらには好
適なフィルムを比較的安価で製造でき、これらの点から
製造工程中の塗工が好ましい。その際塗布液の固形分濃
度は通常0.1〜30重量%であり、さらに好ましくは
1〜10重量%である。塗布量は走行中のフィルム1m
2当り0.5〜50gが好ましく、表面反射抑制層の厚
み50〜150nmを与えることができる。
【0069】塗工方法としては公知の方法が適用でき
る。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、
含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて適用
するとよい。
【0070】(二軸配向ポリエステルフィルムの製造方
法)本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、例えば
ポリエステルをIダイまたはTダイから溶融シート状に
押出し、冷却ドラム上で急冷して未延伸フィルムとし、
さらに熱収縮率、寸法変化率、密度、全光線透過率、ヘ
ーズが本発明のフィルム特性の範囲内となる条件で二軸
延伸、熱固定することにより製造することができる。延
伸は、例えばロール法やテンター法で行うことができ、
縦方向と横方向を同時に延伸してもよく、また縦方向と
横方向に逐次延伸してもよい。
【0071】延伸温度は100〜150℃が好ましく、
延伸倍率は縦方向に1.5〜5.0倍、特に2.5〜
4.0倍、横方向に2.5〜5.0倍、特に2.8〜
4.2倍であることが好ましい。延伸して得られた二軸
延伸フィルムは170〜255℃、特に180〜250
℃で1〜100秒間熱固定することが好ましく、さらに
熱弛緩処理することが好ましい。
【0072】(光拡散板)次に、本発明の光拡散板につ
いて説明する。本発明の光拡散板は、本発明の光拡散板
用二軸配向ポリエステルフィルムについての前記要件
(1)〜(7)で特定される二軸配向ポリエステルフィ
ルムとこのポリエステルフィルムの片面上の光拡散層か
らなる。
【0073】本発明の光拡散板を構成するベースフィル
ムとしての上記二軸配向ポリエステルフィルムについて
ここに説明のない事項は、本発明の光拡散板用二軸配向
ポリエステルフィルムについての前記説明がそのままあ
るいは当業者に、自明の改変を加えて適用されると理解
されるべきである。
【0074】また、上記光拡散層は、光透過性固体粒子
およびこの固体粒子をその中に分散している光透過性樹
脂からなる。
【0075】この光透過性固体粒子としては、例えば
(i)ガラス、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂およびポリカーボネート樹脂等を挙げることがで
きる。これらは単独であるいは2種以上一緒に用いるこ
とができる。これらの固体粒子は集光用ビーズとして知
られており、好ましくは1〜500μmの平均粒径を有
している。
【0076】また、これらの固体粒子をその中に分散す
る基材となる光透過性樹脂としては、光透過性のアクリ
ル樹脂が好ましく、例えば主剤のアクリル樹脂と硬化剤
としてイソシアネート系合成樹脂を使用した2液硬化型
のアクリル樹脂が挙げられる。
【0077】光拡散層中の固体粒子の含有量は20〜9
0重量%が良好である。20重量%未満では光が均一に
拡散され難く、90重量%より多い場合には、密着性が
得られ難いため好ましくない。
【0078】また、光拡散層の厚さは、基材樹脂とし
て、10〜20μmとなるようにするのが好ましい。こ
の好ましい厚さによって、二軸配向ポリエステルフィル
ム(ベースフィルム)との密着性および光拡散効果が望
ましい水準で達成される。
【0079】基材樹脂への固体粒子の分散には、例えば
ロール練り機、ボールミル、ブレンダー等の混合機を用
いることができる。また、光拡散層をベースフィルム上
に形成するには、例えばローラー塗り、ロールコータ
ー、スプレー塗装、静電塗装などを適宜採用することが
できる。
【0080】本発明の光拡散板は液晶ディスプレイのた
めの光拡散板として好適に用いられる。
【0081】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例に記載した種々の特性値は、次に示
す方法により測定したものである。また、実施例の中
『部』は、『重量部』のことを表す。また、フィルムの
縦方向とはフィルムの製造における押出方向を、横方向
とはフィルム面内の縦方向と直交する方向を意味する。
【0082】(1)全光線透過率 JIS K6714−1958に記載の方法に準じて、
村上色彩技術研究所製のHR−100型ヘーズメーター
を用いて可視光線でのフィルムサンプルの全光線透過率
Tt(%)を測定する。
【0083】(2)ヘーズ JIS K6714−1958に記載の方法に準じて、
村上色彩技術研究所製のHR−100型ヘーズメーター
を用いて可視光線でのフィルムサンプルの全光線透過率
Tt(%)と散乱光透過率Td(%)を測定し、下記式
によりヘーズ(Hz%)を算出する。 Hz=(Td/Tt)×100
【0084】(3)フィルム厚み アンリツ(株)製電子マイクロメータ(K−312A
型)を用いて、針圧30gにてフィルム厚みを測定す
る。
【0085】(4)フィルム厚み斑 フィルム面内の直交する方向(例えばフィルムの縦方向
と横方向)において長さ100mmのフィルム厚みを連
続してアンリツ株式会社製の電子マイクロメータ(K−
312A型)を用い、針圧30gにて測定し、下記の式
により厚み斑を求める。 厚み斑(μm)=厚みの最大値(μm)−厚みの最小値
(μm)
【0086】(5)熱収縮率(105℃) フィルム面内の直交する方向(例えばフィルムの縦方向
と横方向)において、それぞれ標点間距離が100mm
の個所に印を付けた後、温度をそれぞれ105℃に設定
したオーブン中で、フィルムを無緊張状態(無荷重の状
態)で30分間保持し、加熱処理前後の標点間距離を測
定し、下記式により熱収縮率(105℃)を算出する。 熱収縮率(%)=((L0−L)/L0)×100 上記式でL0は熱処理前の標点間距離、Lは熱処理後の
標点間距離を表わす。
【0087】(6)熱収縮率(150℃) オーブンの温度を150℃に設定する以外は、上記の
『(5)熱収縮率(105℃)』と同じ方法で熱収縮率
(150℃)を算出する。
【0088】(7)寸法変化率(30℃から150℃ま
で昇温) セイコーインスツルメンツ(株)製の熱機械分析装置
(TMA/SS120C型機)を用い、断面積当り0.
37Mpaの荷重下で5℃/分の昇温速度で、30℃か
ら150℃まで昇温させた場合について温度寸法変化曲
線を測定し、下記式により寸法変化率(30℃から15
0℃まで昇温)を算出する。 寸法変化率(%)=|{(変化後の寸法)−(原長)}
/(原長)|×100 具体例として、長さ15mm、幅4mm、厚み100μ
mのフィルム試料を、石英製ホルダーを用い、荷重15
gで上記測定温度範囲で昇温速度5℃/分の測定条件を
挙げることができる。
【0089】(8)寸法変化率(30℃から200℃ま
で昇温) 熱機械分析装置での昇温を30℃から200℃までとす
る以外は上記の『(7)寸法変化率(30℃から150
℃まで昇温)』と同じ方法で寸法変化率(30℃から2
00℃まで昇温)を算出する。
【0090】(9)屈折率 アッベ式屈折計を用いて、フィルム面内の一方向の屈折
率nx(例えばフィルム縦方向の屈折率nMD)と、そ
れに直交する方向の屈折率ny(例えばフィルム横方向
の屈折率nTD)をナトリウムD線(589nm)を用
い、マウント液にはヨウ化メチレンもしくはヨウ化メチ
レンと硫黄の混合体を用いて、23℃、65%RHにて
測定する。
【0091】(10)密度 硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管を用いて、2
5℃で浮沈法により測定する。
【0092】(11)フライスペック フィルム面を万能投影機を用いて偏光透過照明にて50
倍に拡大し、測定面積100cm2に存在するフライス
ペックを観察し、マーキングした後、さらに光学顕微鏡
で各々のフライスペックを観察する。次いで、フライス
ペックの核およびその周辺に発生したボイドを含めて相
当径((最大径+最小径)/2)を求め50μmを超え
るものの数を数える。
【0093】(12)輝度 (12−1)輝度(導光板を使用した場合の輝度測
定) ポリエステルフィルムを用いて光拡散板を作成し、図1
に概要を示した輝度測定用の装置を作成して輝度を評
価する。図1でランプには冷陰極管(1.6W)を用
い、反射板には白色フィルム(東レ株式会社製:商品名
ルミラーE60L、188μm)を用い、導光板には旭
化成株式会社製のフィルム(商品名デラグラスAD)を
用いる。
【0094】輝度は、測定器にトプコン社製のレンズ式
輝度計BM−7を用い、測定条件は、光拡散板の表面の
視野角±80°(冷陰極管側を−90°、正面を0°、
冷陰極管から最も離れている側を+90°とする)と
し、輝度測定結果の最大値(cd/cm2)を輝度と
する。なお、図1で反射板、導光板、拡散板の各機材間
には間隙が在るように記載してあるが、実際にはこれら
の機材を密着させて輝度を測定した。また、液晶パネル
を除いた図1で点線内で囲まれた部分を輝度測定用の装
置として輝度測定を行う。
【0095】(12−2)輝度(直下型冷陰極管を使
用した場合の輝度測定) ポリエステルフィルムを用いて光拡散板を作成し、図2
に概要を示した輝度測定用の装置を作成して輝度を評
価する。図2でランプには冷陰極管(3W)を用い、反
射板には白色フィルム(東レ株式会社製:商品名ルミラ
ーE60L、188μm)を用いる。
【0096】輝度は、測定器にトプコン社製のレンズ式
輝度計BM−7を用い、測定条件は、光拡散板の表面の
視野角±80°(冷陰極管側を−90°、正面を0°、
冷陰極管から最も離れている側を+90°とする)と
し、輝度測定結果の最大値(cd/cm2)を輝度と
する。なお、図2で反射板、ランプ、拡散板の各機材間
には間隙が在るように記載してあるが、実際にはこれら
の機材を密着させて輝度を測定する。また、液晶パネル
を除いた図2で点線内で囲まれた部分を輝度測定用の装
置として輝度測定を行う。
【0097】(13)総合評価 下記の基準により評価する。 ○印(総合評価良好):輝度、輝度の総和が470
cd/cm2以上でかつ熱寸法安定性(熱収縮率、温度
寸法変化率)に優れている。 ×印(総合評価不良):輝度、輝度の総和が470
cd/cm2未満であるか、熱寸法安定性(熱収縮率、
温度寸法変化率)が劣る。
【0098】[実施例1]ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸ジメチル100部、およびエチレングリコール6
0部を、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水塩
0.03部を使用し、150℃から238℃に徐々に昇
温させながら120分間エステル交換反応を行った。途
中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン
0.024部を添加し、さらに平均粒径が0.5μmの
球状シリカ粒子を0.004重量部を添加し、エステル
交換反応終了後、リン酸トリメチル(エチレングリコー
ル中で135℃、5時間0.11〜0.16MPaの加
圧下で加熱処理した溶液:リン酸トリメチル換算量で
0.023部)を添加した。その後反応生成物を重合反
応器に移し、290℃まで昇温し、27Pa以下の高真
空下にて重縮合反応を行って25℃のo−クロロフェノ
ール溶融で測定した固有粘度が0.61dl/g、ジエ
チレングリコール(DEGと略記することがある)共重
合量1.0mol%のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートを得た。
【0099】このポリエチレン−2,6−ナフタレート
のペレットを170℃で6時間乾燥後、押出機ホッパー
に供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが2
5μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、1mm
のスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ド
ラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。この
ようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱
し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より9
00℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.0倍に
延伸した。この縦延伸後のフィルムの両面に下記組成1
の塗剤を乾燥後の塗膜厚みが0.1μmになるようにグ
ラビアコーターで塗工した。
【0100】続いてテンターに供給し、145℃にて横
方向に3.1倍に延伸した。得られた二軸配向フィルム
を230℃の温度で5秒間熱固定し190℃の温度で幅
方向に0.5%弛緩させ、厚み100μmの二軸配向フ
ィルムを得た。この二軸配向フィルムを熱処理に引き続
いて横方向の把持を解除し、縦方向は緊張状態で冷却ロ
ールに接触させて急冷した後ロールに巻取り、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。
【0101】得られたフィルム上に光拡散層として、ア
クリルビーズ(日本触媒株式会社製:商品名エポスター
YS:粒径5〜40μm)を基剤となるアクリル樹脂
(日本カーバイド工業株式会社製:商品名RX−102
1)100重量部に対し140重量部となるように分散
させてコート主剤とし、この100重量部に対し硬化剤
としてイソシアネート(第一工業製薬株式会社製:商品
名C7E37)5重量部を添加して2液硬化型の樹脂と
した。この樹脂を上記ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィルム表面に厚さ15〜25μm(ビーズを含ま
ない厚さ)となるように、周知のMB(コンマ)ロール
コート方式を用いて塗布乾燥を行い光拡散シートを作製
した。この光拡散用シートの特性は表1〜3に示すとお
り、良好なものであった。
【0102】塗剤1の組成は以下のような構成のもので
ある。 アクリル樹脂(日本純薬株式会社製:商品名N31−
4):メチルメタクリレート65モル%/エチルアクレ
ート28モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリレート
2モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%の成
分割合のもの(固形分重量で31重量%) ポリエステル樹脂(竹本油脂株式会社製:商品名TPE
シリーズ):酸成分としてテレフタル酸70モル%/イ
ソフタル酸26モル%/5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸4モル%、グリコール成分としてエチレングリコー
ル90モル%/ジエチレングリコール10モル%の成分
割合のもの(固形分重量で61重量%) 球状シリカ微粒子(触媒化成株式会社製:商品名SI−
80P):平均粒径0.08μmのもの(固形分重量で
6重量%) 濡れ剤(三洋化成株式会社製:商品名SS−70):ラ
ウリルポリオキシエチレン(固形分重量で2重量%)。
【0103】[実施例2]熱固定温度を240℃にする
以外は実施例1と同様に行って光拡散用シートを作製し
た。フィルムの特性と評価結果を表1〜3に示す。
【0104】[実施例3]縦の延伸倍率を3.3倍、横
の延伸倍率を3.4倍、横延伸後の熱弛緩を1.0%に
する以外は実施例1と同様に行って光拡散用シートを作
製した。フィルムの特性と評価結果を表1〜3に示す。
【0105】[実施例4]厚みを75μmとする以外は
実施例1と同様に行って光拡散用シートを作製した。フ
ィルムの特性と評価結果を表1〜3に示す。
【0106】[比較例1]延伸倍率を縦方向5倍、横方
向5倍とし、熱固定を210℃で行う以外は実施例1と
同様に行って光拡散用シートを作製した。フィルムの特
性と評価結果を表1〜3に示す。
【0107】[比較例2]濾過フィルターを平均目開き
50μmの不織布型フィルターを使用する以外は実施例
1と同様に行って光拡散用シートを作製した。フィルム
の特性と評価結果を表1〜3に示す。
【0108】[比較例3]熱固定を220℃で行う以外
は実施例1と同様に行って光拡散用シートを作製した。
フィルムの特性と評価結果を表1〜3に示す。
【0109】[比較例4]0.8mmのスリットダイを
使用し、熱固定の際、熱固定と同時に幅方向5%緊張し
て、190℃での熱弛緩をしない以外は実施例1と同様
に行って光拡散用シートを作製した。フィルムの特性と
評価結果を表1〜3に示す。
【0110】[比較例5]テレフタル酸ジメチル100
重量部をエチレングリコール60部の混合物に酢酸マン
ガン・4水塩0.024部を添加し、150℃から24
0℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。
途中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモ
ン0.019部を添加し、さらに平均粒径が0.5μm
の球状シリカ粒子(日本触媒株式会社製:商品名シーホ
スターKE)を0.004重量部を添加した。引続いて
エステル交換反応を行い、エステル交換反応終了後、リ
ン酸トリメチルをエチレングリコール中で135℃、5
時間0.11−0.16MPaの加圧下で加熱処理した
溶液(リン酸トリメチル換算量で0.018部)を添加
した。その後反応生成物を重合反応器に移し、290℃
まで昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応を
行ってポリエチレンテレフタレートを得た。
【0111】このポリマーを用いて290℃で溶融さ
せ、目開き25μmのステンレス鋼細線フィルターでろ
過し、1mmのスリット状ダイからシート状にし、水冷
キャスティングドラムに45℃で密着させて冷却固化
し、未延伸シートを得た。このようにして得られた未延
伸フィルムを90℃にて予熱し、さらに低速、高速のロ
ール間で15mm上方より800℃のIRヒーターにて
加熱して縦方向に3.0倍に延伸した。この縦延伸後の
フィルムの両面に下記組成1の塗剤を乾燥後の塗膜厚み
が0.1μmになるようにグラビアコーターで塗工し
た。
【0112】続いてテンターに供給し、110℃にて横
方向に3.1倍に延伸した。得られた二軸配向フィルム
を220℃の温度で5秒間熱固定し170℃の温度で幅
方向に0.5%弛緩させ、厚み100μmの二軸配向フ
ィルムを得た。この二軸配向フィルムを熱処理に引き続
いて横方向の把持を解除し、縦方向は緊張状態で冷却ロ
ールに接触させて急冷した後ロールに巻取り、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを得た。その後、実施例1
同様にして拡散用フィルムを加工した。フィルムの特性
と評価結果を表1〜3に示す。
【0113】[比較例6]厚み150μmの二軸配向フ
ィルムにした以外は比較例5と同様に行って光拡散用シ
ートを作製した。フィルムの特性と評価結果を表1〜3
に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【発明の効果】本発明の光拡散板用ポリエステルフィル
ムは、加熱した際の熱収縮率や寸法変化率が小さく、ま
た異物、厚み斑が少ないので光拡散板用フィルムとして
用いた際に輝度に優れ、特に15インチ以上の大型のデ
ィスプレイ用として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二軸配向ポリエステルフィルムに関して、導光
板を使用して輝度を測定する方法を示す概念図であ
る。
【図2】二軸配向ポリエステルフィルムに関して、直下
型冷陰極管を使用して輝度を測定する方法を示す概念
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13357 G02F 1/13357 // C08L 67:02 C08L 67:02 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA20 2H091 FA32Z FB02 FB12 FD06 FD14 FD22 GA16 LA18 4F006 AA35 AB24 AB35 AB37 BA00 BA14 CA05 CA08 4F071 AA45 AA82 AF30Y AF54Y AF61Y AH12 AH16 BB06 BB08 BC01 BC11 BC12 BC14 BC17 4J029 AA03 AB07 AC01 AE03 AE04 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BB06A BD06A BD07A BF18 BF25 BF26 CA01 CA02 CA06 CB04A CB05A CB10A CC05A CD03 CF03 JA093 JA123 JA203 JA283 JA293

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)主たる繰返し単位がエチレン−2,
    6−ナフタレンジカルボキシレートである芳香族ポリエ
    ステルからなり、(2)フィルム面内の直交する2方向
    において、無荷重下、105℃で30分間熱処理した際
    の熱収縮率が0.3%以下であり、(3)フィルムの断
    面積基準で0.37MPaの荷重下、30℃から150
    ℃の温度範囲における寸法変化率が、フィルム面内の直
    交する2方向において、1.0%以下であり、(4)密
    度が1.350g/cm3以上であり、(5)全光線透
    過率が87%以上であり、(6)ヘーズ値が1.5%未
    満でありそして(7)厚さが50〜130μmの範囲に
    ある、ことを特徴とする光拡散板用二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  2. 【請求項2】 エチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
    キシレートが全繰返し単位の少なくとも80モル%を占
    める芳香族ポリエステルからなる請求項1に記載の二軸
    配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリエステルが、亜鉛化合物、ア
    ンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物お
    よびマンガン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも
    1種の化合物を重縮合触媒として得られたものである請
    求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム面内の直交する2方向におい
    て、無荷重下、150℃で30分間熱処理した際の熱収
    縮率が0.5%以下である請求項1に記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 フィルムの断面積基準で0.37MPa
    の荷重下、30℃から200℃の温度範囲における寸法
    変化率が、フィルム面内の直交する2方向において、
    2.0%以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエス
    テルフィルム。
  6. 【請求項6】 密度が1.350〜1.365g/cm
    3の範囲にある請求項1に記載の二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  7. 【請求項7】 全光線透過率が87〜98%の範囲にあ
    る請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 ヘーズ値が1.5%未満0.2%以上で
    ある請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 フィルム面内の直交する2方向におい
    て、長さ100mm当りの厚みの最大値と最小値の差が
    4.0μm以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  10. 【請求項10】 フィルム面内の直交する2方向におけ
    る長さ100mm当りの厚みの最大値と最小値との間
    に、下記式(1)で定義される厚みの変動率が5%以下
    である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。 【数1】 厚みの変動率(%)=[(最大厚み−最小厚み)/最小厚み]×100…式(1)
  11. 【請求項11】 フィルム面内の直交する2方向におけ
    る2つの屈折率の比が0.8〜1.2の間にある請求項
    1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  12. 【請求項12】 直径が50μmを超えるフライスペッ
    クがフィルム面100cm2当り最大で5個しか見られ
    ない請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  13. 【請求項13】 フィルムの少なくとも片面上に表面反
    射抑制層をさらに有する請求項1に記載の二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
  14. 【請求項14】 表面反射抑制層がウレタン樹脂、ポリ
    エステル樹脂、アクリル樹脂およびビニル樹脂で変性さ
    れたポリエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の水溶性または水分散性樹脂からなる請求項13
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  15. 【請求項15】 表面反射抑制層が平均粒径0.01〜
    0.2μmの固体粒子を含有する請求項13に記載の二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  16. 【請求項16】 表面反射抑制層が50〜150nmの
    範囲にある請求項13に記載の二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  17. 【請求項17】 下記要件(1)〜(7): (1)主たる繰返し単位がエチレン−2,6−ナフタレ
    ンジカルボキシレートである芳香族ポリエステルからな
    り、(2)フィルム面内の直交する2方向において、無
    荷重下、105℃で30分間熱処理した際の熱収縮率が
    0.3%以下であり、(3)フィルムの断面積基準で
    0.37MPaの荷重下、30℃から150℃の温度範
    囲における寸法変化率が、フィルム面内の直交する2方
    向において、1.0%以下であり、(4)密度が1.3
    50g/cm3以上であり、(5)全光線透過率が87
    %以上であり、(6)ヘーズ値が1.5%未満でありそ
    して(7)厚さが50〜130μmの範囲にある、で特
    定される二軸配向ポリエステルフィルム並びに上記二軸
    配向ポリエステルフィルムの片面上の光拡散層からなる
    光拡散板。
  18. 【請求項18】 光拡散層が(i)ガラス、アクリル樹
    脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂およびポリカーボネ
    ート樹脂よりなる群から選ばれる樹脂からなりかつ平均
    粒径1〜500μmの光透過性固体粒子、並びに(ii)
    光透過性アクリル樹脂からなる請求項17に記載の光拡
    散板。
  19. 【請求項19】 液晶ディスプレイ用である請求項17
    に記載の光拡散板。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルムの光拡散板のベースフィルムとしての用途。
  21. 【請求項21】 請求項17に記載の光拡散板の液晶デ
    ィスプレイの光拡散板としての用途。
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