JP2007248510A - 光拡散部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の液晶表示装置に用いる光拡散部材であって、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能な光拡散部材の提供。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層の光拡散層を設けた光拡散部材において、前記光拡散部材の長手方向の収縮率(CL)及びその垂直方向の収縮率(CP)が、−0.7〜+0.7%であり、前記CLと前記CPがともに正の値である場合、前記CL/前記CPの値は2以上、0.4未満であり、前記CL及び前記CPのいずれかが負の値である場合、前記CLの絶対値/前記CPの絶対値の値は2より大きく、0.5未満であり、前記光拡散部材が長手方向が長さ440mm以上であり、その垂直方向が長さ250mm以上であることを特徴とする光拡散部材である。
【選択図】図2

Description

本発明は、大型の、液晶表示装置、液晶プロジェクタのスクリーン、平板型照明光源等に用いられ、優れた視野角特性を有する光拡散部材に関する。
近年、液晶表示装置はあらゆる分野で使用されてきており、特に、ワードプロセッサーやパーソナルコンピューター等の電子産業分野で数多く使用されている。この液晶表示装置は、現在、液晶面のカラー化や大型化へ移行しつつあり、これを促進するためには、液晶の表示品位を向上させる必要がある。
そこで、この液晶表示装置に用いられるバックライトは、少しでも多くの光量を液晶部に供給し、且つ均一な光を発せられるものが要求され、これまで以上に多くの光量を液晶部に供給することを強いられている。バックライトから供給する光を均一に、光量を多くする為には、拡散効率が高く、全光線透過率の高い光拡散部材が必要とされている。
前記バックライトは、光源を透明な導光板の横に置く方式と直接光源を液晶部の後部に置く方式とがある。いずれの方式においても、光拡散部材はバックライトから供給する光量を多くし、省電力化を実行するために用いられているが、光拡散部材の光線透過率が低いと薄暗い画面となり、一方、光拡散効率が低いと、均一な光量が得られない画面になる。したがって、光拡散部材は、全光線透過率が高く、光拡散効率の高いものが要求されている。
また、前記光拡散部材は、前記バックライトの光源による発熱の影響により、ゆがみが発生し、又は基材と光拡散層とからなる光拡散部材において、前記基材と前記光拡散層とが剥離することがある。そのため、液晶表示装置の液晶部の輝度が低下したり、画像にゆがみが発生するという問題がある。特に、大型の液晶表示装置に用いる光拡散部材の場合は、前記光拡散部材の熱によるゆがみに影響が、液晶表示装置の画像に大きなゆがみを与えてしまうという問題がある。
そこで、熱によるゆがみを抑制可能な光拡散部材が提案されている。例えば、厚みが200μm以上ある支持体を用いた光拡散部材(特許文献1参照)、剛性の高い支持体を用いた光拡散部材(特許文献2参照)、熱変形しにくい光拡散部材(特許文献1及び特許文献3参照)が提案されている。
しかし、これらの光拡散部材では、正面から見たときの輝度ムラを抑えることが可能であったが、斜めから見たときの輝度ムラを抑えることができないため、大型の液晶表示装置の光拡散部材としては、画像のゆがみを十分に抑えることができないという問題がある。
したがって、大型の液晶表示装置に用いる光拡散部材であって、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能な光拡散部材は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特表2004−533655号公報 特開2001−264517号公報 特開2000−141574号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、大型の光拡散部材であって、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能な光拡散部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。即ち、光拡散部材において、長手方向の収縮率(CL)及びその垂直方向の収縮率(CP)が、一定の条件で、一定の値を充たし、長手方向の長さ及びその垂直方向の長さが、一定の値以上であることで、大型の光拡散部材であっても、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能であるという知見である。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、少なくとも1層の光拡散層を設けた光拡散部材において、前記光拡散部材の150℃、30分での、長手方向の収縮率(CL)及びその垂直方向の収縮率(CP)が、−0.7〜+0.7%であり、前記CL及び前記CPがともに正の値である場合、前記CLと前記CPとの比の値(前記CL/前記CP)は2以上、0.4未満であり、前記CL及び前記CPのいずれかが負の値である場合、前記CLの絶対値と前記CPの絶対値との比の値(前記CLの絶対値/前記CPの絶対値)は2より大きく、0.5未満であり、前記長手方向の長さが、440mm以上であり、その垂直方向の長さが250mm以上であることを特徴とする光拡散部材である。
<2> CL及びCPが、−0.5〜+0.5%である前記<1>に記載の光拡散部材である。
<3> CL及びCPのいずれかの絶対値が0.7%未満であり、且つもう一方の絶対値が0.2%未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<4> CL及びCPのいずれかの絶対値が0.5%未満であり、且つもう一方の絶対値が0.1%未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<5> 光拡散部材が、支持体上に光拡散層を設けた後、0.04〜6kg/cm2の張力で搬送しながら80〜200℃で熱処理したものである前記<1>から<4>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<6> 光拡散部材が、支持体上に光拡散層を設けた後、0.1〜20kg/cm2の張力でロールに巻き取り、該ロールに巻き取った状態で80〜200℃に加熱した後、−0.1〜−10℃/時間で35℃まで除冷したものである前記<1>から<5>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<7> 支持体が、熱可塑性樹脂からなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<8> 支持体が、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである前記<1>から<7>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<9> 支持体が、樹脂を溶融押出しすること、及び樹脂を溶融製膜することのいずれかにより形成されたものである前記<1>から<8>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<10> 支持体が、延伸されたものである前記<1>から<9>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<11> 支持体が、実質的にフィラーを含有しない前記<1>から<10>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<12> 光拡散層は、支持体の上に熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂層を可塑化した状態で、その表面に、凹凸が表面に形成された型に押し当てることにより形成される前記<1>から<11>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<13> 光拡散層は、支持体上に放射線硬化性樹脂層を設け、その表面に、凹凸が表面に形成された型に押し当てた状態で放射線を照射し、該放射線硬化性樹脂を硬化させることにより形成される前記<1>から<11>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<14> 光拡散層は、支持体上に少なくとも樹脂及び揮発性液体を含有する塗布液を塗布してなる塗布層を設け、該塗布層を乾燥して海島構造を形成することにより行われる前記<1>から<11>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<15> 光拡散層は、支持体上に少なくとも樹脂、揮発性液体、及び乾燥後の塗布層の平均厚みより平均粒径の大きい粒子を含有する塗布液を塗布してなる塗布層を設け、該塗布層を乾燥することにより行われる前記<1>から<11>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<16> 塗布液が、水を含有する前記<14>から<15>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<17> 塗布液が、熱可塑性ラテックスを含有する前記<14>から<16>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<18> 塗布層の樹脂の屈折率と、粒子の屈折率との比の値(前記樹脂の屈折率/前記粒子の屈折率)が、0.9〜1.1である前記<15>から<17>のいずれかに記載の光拡散部材である。
<19> 塗布層の樹脂の屈折率と、粒子の屈折率との比の値(前記樹脂の屈折率/前記粒子の屈折率)が、0.95〜1.05である前記<15>から<18>のいずれかに記載の光拡散部材である。
本発明によると、従来における前記問題を解決し、大型の光拡散部材であっても、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能な光拡散部材を提供することができる。
(光拡散部材)
本発明の光拡散部材は、支持体上に、光拡散層、及び必要に応じてその他の層(下塗り層、バック層等)を設けた光拡散部材において、前記光拡散部材の長手方向の収縮率(CL)及びその垂直方向の収縮率(CP)が、一定の条件で、一定の値を充たし、且つ、前記長手方向の長さ及びその垂直方向の長さが一定の値以上である。
前記CLとしては、−0.7〜+0.7%であり、−0.5〜+0.5%であることが好ましい。前記CLの絶対値が0.7%を超えると、正面以外から見た場合の輝度ムラ、即ち輝度角度分布ムラが生じることがある。
前記CPとしては、−0.7〜+0.7%であり、−0.5〜+0.5%であることが好ましい。前記CPの絶対値が、0.7%を超えると、輝度角度分布ムラが生じることがある。
前記CLと前記CPとの比の値(前記CL/前記CP)としては、前記CLと前記CPがともに正の値である場合、2より大きく、0.4未満であり、4より大きく、0.25未満であることが好ましい。前記CL/前記CPの値が2以下であると、輝度角度分布ムラが生じることがあり、0.4以上であると、輝度角度分布ムラが生じることがある。
前記CL及び前記CPのいずれかが負の値である場合、前記CLの絶対値と前記CPの絶対値との比の値(前記CLの絶対値/前記CPの絶対値)としては、2より大きく、0.5未満であり、4より大きく、0.25未満であることが好ましい。前記CLの絶対値/前記CPの絶対値の値が2以下であると、輝度角度分布ムラが生じることがあり、0.5以上であると、輝度角度分布ムラが生じることがある。
前記CL及びCPのいずれか(C1)の絶対値としては、0.7%未満であり、且つもう一方(C2)の絶対値としては、0.2%未満であることが好ましい。
前記C1としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5%未満であることが好ましく、0.2%未満であることがより好ましい。
前記C2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1%未満であることが好ましい。
前記光拡散部材の長手方向の長さとしては、440mm以上であり、前記光拡散部材の長手方向の垂直方向の長さとしては、250mm以上である。
本発明の光拡散部材としては、支持体上に光拡散層を設けた後、熱処理したものであることが好ましい。
前記熱処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光拡散部材を一定の張力で搬送しながら熱処理を行う搬送熱処理方法、光拡散部材を一定の張力でロールに巻き取りロール状態にし、該ロール状態で加熱した後、除冷するロール熱処理方法等により行うことができる。
前記熱処理の方法としては、搬送熱処理を行った後、ロール熱処理を行うことが好ましい。
前記搬送熱処理における搬送の張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.04〜6kg/cm2であることが好ましく、0.2〜5.5kg/cm2であることがより好ましく、1〜5kg/cm2であることが特に好ましい。前記搬送の張力が、0.04kg/cm2未満、又は6kg/cm2を超えると、熱収縮が大きくなることがある。
前記搬送熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80〜200℃が好ましく、90〜180℃がより好ましく、100〜150℃が特に好ましい。前記熱処理の温度が、80℃未満、又は200℃を超えると、熱収縮が大きくなることがある。
前記搬送熱処理の時間としては、1〜60分間が好ましく、2〜40分間がより好ましく、3〜30分間がさらに好ましい。前記熱処理の時間が、1分間未満、又は60分間を超えると、熱収縮が大きくなることがある。
前記搬送熱処理の後に、引き続き後熱処理を行うことが好ましい。
前記後熱処理の温度としては、15〜70℃が好ましく、20〜60℃がより好ましく、25〜50℃がさらに好ましい。
前記後熱処理の時間としては、1秒間〜5分間が好ましく、5秒間〜3分間がより好ましく、10秒〜1分がさらに好ましい。
前記後熱処理としては、前記搬送熱処理に引き続き搬送しながら行うのが好ましい。
前記後熱処理の搬送張力としては、0.04〜6kg/cm2が好ましく、0.2〜5.5kg/cm2がより好ましく、1〜5kg/cm2がさらに好ましい。
前記ロール熱処理における光拡散部材をロール状に巻き取る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができる。
前記巻き取り時に用いる芯ロールとしては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記芯ロールの直径としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、直径150〜1,000mmであることが好ましい。より好ましくは、直径300〜800mmであり、さらに好ましくは直径450〜600mmである。
前記芯ロールの長さとしては、前記支持体の垂直方向の長さよりも長ければ特に制限はないが、前記支持体の垂直方向の長さよりも10〜200mm長い物が好ましい。
前記光拡散部材をロール状に巻き取る張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20kg/cm2が好ましい。
前記ロール状で加熱するときの温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80〜200℃が好ましい。前記温度が、80℃未満、又は200℃を超えると、熱収縮が大きくなるということがある。
前記ロール状で加熱するときの時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜24時間が好ましく、2〜10時間がより好ましい。前記加熱の時間が、0.5時間未満、又は24時間を超えると、熱収縮が大きくなるということがある。
前記除冷処理が、−0.1℃/時間未満、又は−10℃/時間を超えると、熱収縮が大きくなるということがある。なお、前記ロール熱処理方法における除冷処理としては、35℃まで下げることを意味する。
本発明の光拡散部材としては、支持体上に下塗りを行った後で熱処理を行い、その後、光拡散層を形成したものであることが好ましい。なお、前記下塗りは、後述する下塗り層を形成することである。
前記熱処理を前記支持体に下塗りを行った後で行う場合は、例えば、下塗りを行った支持体を一定の張力でロールに巻き取りロール状態にし、該ロール状態で加熱した後、除冷するロール熱処理方法等により行うことができる。
前記下塗りを行った支持体をロールに巻き取る張力としては、0.1〜20kg/cm2が好ましく、0.2〜18kg/cm2がより好ましく、0.5〜15kg/cm2がさらに好ましい。前記張力が、0.1kg/cm未満、又は20kg/cmを超えると、熱収縮が大きくなるということがある。
前記支持体をロール状態で加熱するときの温度としては、80〜200℃が好ましく、90〜180℃がより好ましく、100〜150℃がさらに好ましい。
前記支持体の除冷の速度としては、75℃まで冷却する場合、−0.1〜−10℃/時間が好ましく、−0.3〜−8℃/時間がより好ましい、−0.5〜−5℃/時間がより好ましい。このような条件で除冷すると、支持体と下塗層間密着性が向上する。
本発明の光拡散部材としては、支持体に下塗り層液を塗布する時の張力が、1〜5kg/cm2であること好ましく、前記下塗り層の塗布液を90〜190℃で乾燥した後、支持体に熱処理を行い、その後、光拡散層を形成したものであることが特に好ましい。
前記熱処理としては、ロール熱処理及び前記搬送熱処理のいずれかを行うことが特に好ましい。
前記ロール熱処理及び前記搬送熱処理としては、例えば、前記光拡散部材のロール熱処理及び前記搬送熱処理と同様の方法が好ましい。
前記光拡散部材の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の構成の中から適宜選択することができ、例えば、支持体、光拡散層、更に必要に応じてその他の層が挙げられる。
−支持体−
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の形状の中から適宜選択することができ、例えば、長尺状、正方形状等が挙げられる。
前記支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の構造の中から適宜選択することができ、例えば、単層、多層等が挙げられる。
前記支持体の大きさとしては、400mm×600mm以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一辺が1000mm以上であることが好ましい。また短辺が1000mm以上、かつ長辺が10m以上の長尺状であることが、製造適性の点で好ましい。
前記支持体の平均厚みとしては、支持体として通常採用される範囲の厚みであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02〜4.0mmが好ましい。
前記支持体の平均厚みは、例えば、対象を挟み測定する膜厚計や、光学的な干渉を利用する非接触膜厚計を使用することにより測定することができる。
前記支持体の材料としては、透明であり、ある程度の強度を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、ガラス等が挙げられる。これらの中でも、柔軟性があり、軽量であることから、樹脂が好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート、トリアセチルセルロール、部分エステル化セルロース、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、アクリル(PMMA)等が挙げられる。
これらは、1種単独でもよいし、2種以上併用してもよい。
前記樹脂を支持体として用いる場合は、樹脂をペレット化し溶融押出しして成形する押出成形法、樹脂を溶液化して塗布し乾燥する溶液成膜法等が好ましい。
前記樹脂を溶融押出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができるが、溶融した樹脂をT型ダイから押し出し、急冷しフイルムを作製する方法等を用いて行うことが好ましい。
前記樹脂を溶液製膜する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、溶剤に溶解した樹脂を押し出し、乾燥しフイルムを作製する方法等を用いて行うことが好ましい。
前記樹脂としては、前記支持体の原料となるものであれば、特に制限はなく、例えば、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、アクリル樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロール、部分エステル化セルロース等が挙げられる。
前記支持体における樹脂以外の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。ただし、前記支持体には、フィラーを実質的に含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、前記フィラーの含有量が、前記支持体の全固分に対して、0.1質量部以下であることを意味する。 前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルプロピレングリコール(MFG)、塩素系溶剤等が挙げられる。
前記支持体の延伸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体の進行方向に延伸する縦一軸延伸、支持体の進行方向に直交する方向に延伸する横一軸延伸(例えば、テンター延伸など)、二軸延伸等が挙げられる。
前記支持体の表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する樹脂層と支持体との密着性を向上させるための放電処理、その他の層を設ける処理等が挙げられる。
−光拡散層−
前記光拡散層は、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記光拡散層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、揮発性液体及び粒子からなる塗布液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより行われる方法(A)、支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂を可塑化した状態で、その表面に、凹凸が表面に形成された型を押し当てることにより行われる方法(B)、支持体上に放射線硬化性樹脂層を設け、硬化前の該放射線硬化性樹脂層の表面に、凹凸が表面に形成された型を押し当てた状態で放射線を照射し、硬化させることにより行われる方法(C)、樹脂及び揮発性液体を混合し塗布液を調製し、得られた塗布液を支持体上に塗布及び乾燥して海島構造を形成することにより行われる方法(D)等が挙げられる。
<樹脂、揮発性液体及び粒子からなる塗布液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより行われる方法(A)>
前記塗布液としては、例えば、樹脂、揮発性液体、粒子、さらに必要に応じてその他の成分等を含有してなる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等が挙げられる。
前記揮発性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の揮発性液体の中から適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルエン、水等が挙げられる。
前記粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の形状の中から適宜選択することができ、例えば、球状、楕円球状、勾玉状等が挙げられる。
前記粒子平均粒径としては、乾燥後の樹脂層の平均厚みよりも大きければ、特に制限はないが、0.5〜50μmであることが好ましい。
前記粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法等を用いた測定装置により測定することができる。
前記乾燥後の塗布層の平均厚みとは、粒子を除く樹脂塗布層の平均厚みのことを示しており、ここで、乾燥後の塗布層について図2を参照しながら説明する。図2に示す光拡散部材1は、支持体2と、塗布層3とからなり、該塗布層3は少なくとも樹脂5と、粒子4とからなり、前記乾燥後の塗布層の平均厚みは1aの部分を示している。
前記乾燥後の塗布層の平均厚みとしては、0.1〜14μmであることが好ましい。
前記乾燥後の塗布層の平均厚みは、例えば、SEM断面観察より、前記乾燥後の塗布層の厚みを20点測長し、得られた測定値を平均して平均厚みを求める方法により測定することができる。
前記塗布液の樹脂の質量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜15g/mが好ましい。
前記粒子としては、特に制限はなく、公知の粒子の中から適宜選択することができ、例えば、有機粒子、無機粒子等が挙げられる。
前記有機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の有機粒子の中から適宜選択することができ、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、架橋構造を有するものが好ましい。
前記架橋構造を有する有機粒子としては、架橋構造を有するアクリル樹脂粒子等好ましい。
前記無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の無機粒子の中から適宜選択することができ、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリコン、アルミナ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粒子の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましく25〜400質量部がより好ましい。前記添加量が、1質量部未満であると、光拡散剤としての機能を果たせなくなることがあり、1,000質量部を超えると、有機粒子が分散しにくくなることがある。
前記その成分としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の成分の中から適宜選択することができ、例えば、粒子沈降防止剤、増粘剤、フッ素系界面活性剤、散乱剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、硬化剤、架橋剤、光重合開始剤、モノマー等が挙げられる。
前記粒子沈降防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の酸化防止剤の中から適宜選択することができ、例えば、脂肪酸アミド、酸化ポリエチレン、金属石鹸類、有機ベントナイト、水添ヒマシ油ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アミド、酸化ポリエチレンがより好ましい。これらは、1種単独でよいし、2種以上を併用してもよい。
前記散乱剤は、上述した粒子と同様に、光拡散剤としての機能を果たすので、光拡散性を更に向上させることができる。
前記散乱剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5μmであることが好ましい。
前記散乱剤の平均粒径は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法等を用いた測定装置により測定することができる。
前記散乱剤の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の散乱剤の中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
前記散乱剤の前記塗布液中における添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記塗布液全量に対して、1〜20質量部が好ましい。
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の増粘剤を適宜選択することがき、例えば、アクリルアミドアミン塩等が挙げられる。
前記増粘剤の添加量としては、前記樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のフッ素系界面活性剤を適宜選択することがき、例えば、フッ素系アニオン界面活性剤、フッ素系両性界面活性剤等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤の添加量としては、前記樹脂100質量部に対して、0.001〜0.1質量部が好ましい。
前記樹脂の屈折率と、前記粒子の屈折率との比の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、25℃で測定したD(n25)線の屈折率において、0.9〜1.1となることが好ましい。より好ましくは、0.95〜1.05である。
前記屈折率の比の値が、0.9未満又は1.1を超えると、粒子、樹脂界面での反射光成分が大きくなり、光の透過率が低下することがある。
前記塗布液の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40N/m以下が好ましく、30N/m以下がより好ましい。前記表面張力が40N/mを超えると、面状が悪化することがある。
前記塗布液の表面張力は、例えば、協和界面科学株式会社製自動表面張力計CBVP−A3により測定することができる。
前記塗布液の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃において、5〜200mPa・sが好ましく、10〜150mPa・sがより好ましい。前記粘度が、5mPa・s未満であると、粒子沈降性を維持することができないことがあり、200mPa・sを超えると、送液性、塗布性、面状等が悪化することがある。
前記塗布液の粘度は、例えば、東京計器株式会社製E型粘度計(ELD型)により測定することができる。
前記塗布液の固形分の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。
−−塗布液の塗布及び乾燥方法−−
前記塗布層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記支持体の上に前記塗布液を塗布した後、乾燥して形成する方法等が挙げられる。
前記塗布層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の構造の中から適宜選択することができ、例えば、単層、多層等が挙げられる。
前記塗布液を塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、押出しコーター等を用いる方法が挙げられる。これらの中でも、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、押出しコーターを用いる方法が好ましい。
前記塗布液の乾燥方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、温風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等を用いる方法が挙げられる。
前記乾燥を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、90〜230℃が好ましく、100〜190℃がより好ましい。
前記乾燥を行う時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10秒間〜25分間が好ましく、1〜12分間がより好ましい。
前記塗布層を支持体の両面に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、逐次塗布を行う方法、同時に両面に塗布を行う方法等を行うことが挙げられる。
<支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂を可塑化した状態で、その表面に、凹凸が表面に形成された型に押し当てることにより行われる方法(B)>
前記熱可塑性樹脂層としては、例えば、熱可塑性樹脂、溶剤、可塑剤、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート、トリアセチルセルロール、部分エステル化セルロース等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の溶剤の中から適宜選択することができ、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、塩素系溶剤等が挙げられる。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の可塑剤の中から適宜選択することができ、例えば、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、脂肪酸誘導体、リン酸誘導体、グリコール誘導体、パラフィン類、エポキシ誘導体、比較的低分子のポリマー等が挙げられる。
前記可塑剤の添加量としては、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
前記支持体上に熱可塑性樹脂層を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の塗布方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂、前記溶剤、及び前記可塑剤を混合し熱可塑性樹脂層液を調製した後、該熱可塑性樹脂層液を前記(A)に記載の塗布液の塗布する方法と同様の方法により塗布することが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層を支持体の両面に設ける場合は、例えば、支持体に前記熱可塑性樹脂層液を逐次に塗布する方法、支持体の両面に前記熱可塑性樹脂層液を同時に塗布する方法等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加工温度において、106〜108mPa・sであることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂の粘度は、例えば、東京計器株式会社製E型粘度計(ELD型)により測定することができる。
前記熱可塑性樹脂の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂層液の全固形濃度に対して、5〜100質量部であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂の塗布量としては、必要な拡散性を得られる程度であれば、特に制限はないが、0.2〜50g/m2が好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の表面に、凹凸が表面に形成された型を押し当てる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、熱プレス法、熱エンボス法等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層の表面に、凹凸が表面に形成された型を押し当てた後、前記熱可塑性樹脂層を乾燥することが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層を乾燥する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の乾燥方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記(A)に記載の塗布液を乾燥する方法と同様の方法により乾燥することが挙げられる。
前記凹凸の厚み方向の断面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三角形状、波形状、方形状、円弧状、双曲線状、それらを組み合わせたランダムな形状等が挙げられる。
前記凹凸が形成された支持体の表面粗さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜50μmの範囲であることが好ましい。
前記凹凸が形成された支持体の表面粗さは、例えば、JIS B0601に準拠することにより測定することができる。
前記凹凸を形成する方法及び凹凸を持つ型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、セラミック、樹脂上に金属を被覆したもの等が挙げられる。
<支持体上に放射線硬化性樹脂層を設け、硬化前の該放射線硬化性樹脂層表面に凹凸を持つ型に押し当て、放射線照射により硬化させることにより凹凸のある樹脂層を形成する方法(C)>
前記放射硬化性樹脂層としては、例えば、放射硬化性樹脂、溶剤、界面活性剤、光重合開始剤、増感剤、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記放射硬化性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の放射線硬化性樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の溶剤の中から適宜選択することができ、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、塩素系溶剤等が挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の界面活性剤を適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。具体的には、脂肪酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールエステル塩、4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、脂肪酸エステル、高級アルコールエーテル、アルキルフェノール類等が挙げられる。
前記界面活性剤の添加量としては、前記放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、反応させるモノマーに応じて公知の光重合開始剤を適宜選択することができ、例えば、ラジカル発生剤、カチオン(酸)発生剤、アニオン(塩基)発生剤等が挙げられる。より具体的には、p−アニシール、ベンゾイン誘導体、クロロベンゾフェノン等が挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。
前記増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の増感剤を適宜選択することができる。
前記増感剤の添加量としては、前記放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
前記放射線として、例えば、紫外線、可視光、赤外線、電子線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられる。これらの中でも、紫外線、電子線が好ましい。
前記支持体上に放射線硬化性樹脂を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記放射線硬化性樹脂、前記溶剤、前記界面活性剤、前記光重合開始剤、及び前記増感剤を混合し放射線硬化性樹脂層液を調製した後、該放射線硬化性樹脂層液を前記(A)に記載の塗布液と塗布する方法と同様の方法により塗布することが挙げられる。
前記放射線硬化性樹脂層を支持体の両面に設ける方法としては、例えば、支持体に前記放射線硬化性樹脂層液を逐次に塗布する方法、支持体の両面に前記放射線硬化性樹脂層液を同時に塗布する方法等が挙げられる。
前記放射硬化性樹脂を支持体の両面に設ける方法としては、例えば、スリットコーター、バーコーター、グラビアコート等を用いて両面塗布する方法が挙げられる。
前記放射硬化性樹脂層液の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃において、1〜100mPa・sであることが好ましい。
前記放射硬化性樹脂の粘度は、例えば、例えば、東京計器株式会社製E型粘度計(ELD型)により測定することができる。
前記放射硬化性樹脂の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記放射硬化性樹脂層液の全固形濃度に対して、5〜100質量部であることが好ましい。
前記放射硬化性樹脂の塗布量としては、必要な拡散性を得られる程度であれば、特に制限はないが、0.2〜50g/m2が好ましい。
前記硬化前の放射線硬化性樹脂層表面に凹凸を持つ型を押し当てる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができる。
前記凹凸を形成する方法及び凹凸を持つ型としては、特に制限はなく、例えば、前記(B)で用いたものと同様のものが挙げられる。
前記放射線を照射する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の照射方法の中から適宜選択することができる。
<樹脂及び揮発性液体を混合し塗布液を調製し、得られた塗布液を支持体上に塗布及び乾燥して海島構造を形成することにより行われる方法(D)>
前記塗布液としては、例えば、樹脂、揮発性溶液、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ラテックスとして用いることが好ましい。
前記ラテックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂ラテックス、アクリルラテックス等が好ましい。
前記ラテックスにおける樹脂の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜60質量%が好ましい。
前記揮発性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の揮発性液体の中から適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ビニル等が挙げられる。
前記その他成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、水が好ましい。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記(A)に記載の塗布液の塗布及び乾燥方法と同様の方法が挙げられる。
前記塗布液粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃において、5〜200mPa・sであることが好ましい。
前記塗布液の粘度は、例えば、例えば、東京計器株式会社製E型粘度計(ELD型)により測定することができる。
前記塗布液の固形分の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましい。
前記塗布層を支持体の両面に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、スリットコーター、バーコーター、グラビアコート等により両面塗布を行うことが挙げられる。
−その他の層−
前記光拡散部材としては、支持体及び光拡散層以外に、必要に応じて、その他の層を設けることができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中からを適宜選択することができ、例えば、バック層、下塗り層等が挙げられる。
−−バック層−−
前記バック層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の材料の中から適宜選択することができ、例えば、樹脂、水溶性ポリマー、ラテックス、有機粒子、無機粒子、増粘剤、界面活性剤、硬膜剤、溶剤、滑り剤、帯電防止剤、接着防止剤、反射防止剤等が挙げられる。
前記バック層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の構造の中から適宜選択することができ、例えば、単層、多層等が挙げられる。
前記バック層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましい。
前記バック層の平均厚みは、例えば、光学的な干渉を利用する非接触膜厚計あるいはSEM断面観察より測長することにより測定することができる。
前記バック層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記ラテックス、増粘剤、界面活性剤、有機粒子、溶剤等からなるバック層液を調製し、該バック層液を塗布及び乾燥することにより、バック層を形成することができる。
前記バック層液を塗布及び乾燥する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記(A)に記載の塗布液の塗布及び乾燥方法と同様の方法が挙げられる。
また、前記バック層の形成方法としては、例えば、塗布、グラビア印刷、IJ印刷、フイルム転写等が挙げられる。
−−下塗り層−−
前記下塗り層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の材料の中から適宜選択することができ、例えば、樹脂、水溶性ポリマー、ラテックス、有機粒子、無機粒子、界面活性剤、硬膜剤、溶剤、帯電防止剤等が挙げられる。
前記下塗り層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の構造の中から適宜選択することができ、例えば、単層、多層等が挙げられる。
前記下塗り層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましい。
前記下塗り層の平均厚みは、例えば、光学的な干渉を利用する非接触膜厚計、SEM断面観察より測長することにより測定することができる。
前記下塗り層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記ラテックス、増粘剤、界面活性剤、有機粒子、溶剤等からなる下塗り層液を調製し、該バック層液を塗布及び乾燥することにより、バック層を形成することができる。
前記下塗り層液を塗布及び乾燥する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記(A)に記載の塗布液の塗布及び乾燥方法と同様の方法が挙げられる。
また、前記下塗り層の形成方法としては、例えば、塗布、グラビア印刷、IJ印刷、フイルム転写等が挙げられる。
(光拡散部材の製造方法)
前記光拡散部材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、支持体を製造する支持体製造工程と、光拡散層を形成する光拡散層形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
−支持体製造工程−
前記支持体製造工程は、支持体を製造する工程である。
前記支持体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記支持体の説明に記載した内容が挙げられる。
前記支持体製造工程としては、前記支持体製造工程の後で、前記支持体を延伸する支持体延伸工程を行うことができる。
前記支持体の延伸としては、支持体の進行方向に延伸する縦一軸延伸、支持体の進行方向に直交する方向に延伸する横一軸延伸(例えば、テンター延伸など)、二軸延伸等が挙げられる。
−光拡散層形成工程−
前記光拡散層形成工程は、支持体上に少なくとも一層の光拡散層を形成する工程である。
前記光拡散形成工程は、特に制限はなく、目的に応じて工程の方法を適宜選択することができるが、例えば、前記支持体製造後に、該支持体を巻き取ることなく、連続して、該支持体上に一層の光拡散層を形成することが好ましい。この場合、前記支持体は、前記支持体の表面と支持体の裏面とが接する場合(支持体を巻き取る場合)における、支持体の表面と裏面との接触面の密着度を調節する必要がなく、フィラー等を含有させる必要がない。そのため、前記支持体は、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、カールの発生を抑制可能であり、前記支持体を用いた前記光拡散部材は、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、カールの発生抑制可能であり、前記支持体と前記光拡散層との密着性に優れることができる。
前記光拡散層形成する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光拡散層の説明に記載した内容が挙げられる。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記その他の層を形成する工程、熱処理工程等が挙げられる。
−−その他の層を形成する工程−−
前記その他の層を形成する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記バック層の形成方法、前記下塗り層の形成方法等により行うことができる。
−−熱処理工程−−
前記熱処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光拡散部材の説明に記載した熱処理の方法等により行うことができる。
−用途−
前記光拡散部材としては、大型液晶表示装置に用いた場合であっても、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラを抑制可能である。前記光拡散部材は、大型液晶テレビ、液晶プロジェクタ用スクリーン、液晶以外の大型表示装置、広告等の大型平面照明光源、一般大型平面照明光源に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[光学拡散部材の製造]
−支持体の作製−
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い、固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のポリエチレンテレフタレ−トを得た。得られたポリエチレンテレフタレートをペレット化し、130℃で4時間乾燥した。次いで、乾燥したペレットを300℃で溶融してT型ダイから押し出した後、急冷、熱固定した後、厚み120μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを作製した。得られた未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを周速の異なるロ−ルを用いて、3.3倍に縦延伸、次いで、テンタ−を用いて、4.5倍に横延伸を行った。このときの温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。その後、得られた延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを240℃で20秒間熱固定後、同じ温度で横方向に4%緩和した。その後、得られた延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのテンタ−によるチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4.8kg/cm2でロールに巻き取り、幅2.4m、長さ3,500m、厚み120μmのロ−ル状のポリエチレンテレフタレートの支持体を得た。
−光拡散層の作製−
下記光拡散層塗布液を調製し、得られた支持体(幅2.4、長さ3,500m)上に、下記塗布量になるように、塗布した。支持体に光拡散層塗布液を塗布後、180℃にて乾燥を行って、光拡散層を形成した。
なお、得られた光拡散層塗布液Aの物性は、固形分濃度40%、粘度83mPa・s、pH7.9であり、乾燥後の光拡散層樹脂膜厚の平均厚みは14μmであった。
<光拡散層塗布液>
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・架橋PMMA粒子(日本純薬製、ジュリマーMB−20X、重量平均粒子径18μmの球状)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g/m2
・アクリル樹脂ラテックス(固形分濃度27%、MMA59%の5元系樹脂ラテックス)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18.5g/m2
・アクリルアミドアミン塩(増粘剤、楠本化成製、AQ−610、) ・・0.5g/m2
・フッ素系アニオン界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.04g/m2
・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・必要量
・合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−バック層の作製−
下記バック層塗布液を調製し、前記支持体の前記光拡散層を塗布していない面に、下記塗布量になるように、塗布した。支持体にバック層を塗布後180℃で乾燥を行って、バック層を形成した。
なお、得られたバック層塗布液の物性は、固形分濃度約7%、粘度50mPa・s、pH8.1であり、乾燥後のバック層の平均厚みは1.5μmであった。
<バック層塗布液>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・架橋PMMA超微粒子(日本純薬製、ジュリマーMB−1X、重量平均粒子径6.2μmの球状)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.015g/m2
・アクリル樹脂ラテックス(固形分濃度27%、MMA59%の5元系樹脂ラテックス)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0g/m2
・アクリルアミドアミン塩(増粘剤、楠本化成製、AQ−610)・0.5g/m
・フッ素系アニオン界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・0.04g/m
・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・必要量
・合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
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−熱処理−
前記光拡散層及びバック層を設けた支持体(光拡散部材前駆体(web))を、160℃に設定した、全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力2kg/cm、搬送速度20m/minで搬送した。次いで、40℃のゾーンに15秒間通し、巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2.6mの円柱状の芯ロールに、ロール状に巻き取って、光拡散部材を得た。
−特性の評価−
<熱収縮率の測定>
得られた光拡散部材を、測定方向250mm×垂直方向50mmに裁断し、熱収縮率被験シートとする。これに200mm間隔に孔を2点開け、25℃、60%RHで12時間以上調湿した後、ピンゲージを用いて、2点の孔の長さ(L1)を測定した。
その後、被験シートを150℃の空気恒温槽中に張力を加えないで30分間放置し、次いで、25℃、60%RHで12時間以上調湿した後、再びピンゲージを用いて2点の孔の長さ(L2)を測定する。得られた値を下記式(1)にあてはめて熱寸法変化率を求めた。なお、L1及びL2は、それぞれ別サンプルにて計5回測定して、得られた値を平均したものである。
熱収縮率(%)=(100×(L1−L2)/L1) 式(1)
<輝度角度分布測定>
得られた光拡散シートを、色彩輝度計(BM−7、株式会社トプコンテクノハウス製)を用いて角度を変えながら輝度測定を行うことで輝度角度分布を測定し、正面輝度、及び輝度角度分布半値角を求めた。
<輝度面内ムラの測定>
得られた光拡散部材を、長手方向を長尺にして、487mm×274mmの大きさで裁断し、輝度ムラ被験シートとする。該輝度ムラ被験シートを150℃の空気恒温槽中に張力を加えないで30分間放置し、その後、室温に取り出し、図1に示す輝度ムラ被験シートの9箇所の測定点を前記輝度角度測定方法で、輝度角度分布測定を行った。得られた輝度の最大値と最小値の差を輝度ムラの値とする。また、輝度ムラ被験シートに対し垂直方向から目視判定し、下記基準に従い判定した。
○:ムラが視認できない状態
△:ムラが視認できるが気にならない状態
×:ムラが視認でき気になる状態
<輝度角度分布面内ムラの測定>
前記輝度面内ムラの測定と同様の方法で、図1に示す輝度ムラ被験シートの9箇所の測定点を前記輝度角度測定方法で、輝度角度分布面内ムラ測定を測定した。得られた輝度の半値角の、最大値と最小値の差を輝度角度分布面内ムラの値とする。また、前記輝度ムラ被験シートに対し斜め方向、及び全周方向から目視判定し、下記基準に従い判定した。
○:ムラが視認できない状態
△:ムラが視認できるが気にならない状態
×:ムラが視認でき気になる状態
<バック層密着性試験>
得られた光拡散シートを2cm×5cmの長方形に切り出し、バック層密着性被験シートとする。得られたバック層密着性被験シートを、カッターナイフで碁盤目に切れ込み(光拡散シートの短尺における切れ込みの間隔は2mm、長尺における切れ込みの間隔は5mm、10本×10本の目)をバック層および支持体の一部に掛かるように入れ、その状態で、切れ込みを入れた表面にテープを貼り、テープ剥離テストを実施した。その時のバック層の破壊される面積(剥離された目の数)を、下記基準に従い判定した。各水準3サンプルを実施し平均的な値を採用した。
○ :剥離された目の数0個
△ :剥離された目の数が9〜1個
× :剥離された目の数が10〜32個
××:剥離された目の数が100〜33個
<光拡散層密着性試験>
得られた光拡散シートを2cm×5cmの長方形に切り出し、カッターナイフで碁盤目に切れ込み(光拡散シートの短尺における切れ込みの間隔は2mm、長尺における切れ込みの間隔は5mm、10本×10本の目)を光拡散層及び支持体の一部に掛かるようにいれ、その状態で、表面にテープを貼り、テープ剥離テストを実施した。その時の光拡散層の破壊される面積(剥離された目の数)を、下記基準に従い判定した。各水準3サンプルを実施し平均的な値を採用した。
○ :剥離された目の数0個
△ :剥離された目の数が9〜1個
× :剥離された目の数が10〜32個
××:剥離された目の数が100〜33個
<全光線透過率測定>
得られた光拡散部材を、JIS K6714に準じて全光線透過率を測定した。
<ヘイズ測定>
得られた光拡散部材を、JIS K6714に準じてヘイズ値を測定した。
(実施例2)
実施例1で得られた光拡散部材前駆体(web)を、160℃に設定した、全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力2kg/cm、搬送速度20m/minで搬送した。次いで、40℃のゾーンに15秒間通し、巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2600mmの円柱状のロールに、ロール状で巻き取った。得られたロール状態の光拡散シート前駆体(web)を120℃に加熱し24時間保管した後、−1℃/時間で除冷し、35℃まで冷却し、さらに室温(25℃)まで戻して、光拡散部材を得て、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例3)
実施例1で得られた光拡散部材前駆体(web)を、160℃に設定した、全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力5kg/cm、搬送速度20m/minで搬送した。次いで、40℃のゾーンに15秒間通し、巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2.6mの円柱状の芯ロールに、ロール状に巻き取って、光拡散部材を得て、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例4)
実施例1で得られた光拡散部材前駆体(web)を、160℃に設定した、全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力8kg/cm、搬送速度20m/minで搬送した。次いで、40℃のゾーンに15秒間通し、巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2600mmの円柱状のロールに、ロール状で巻き取った。得られたロール状態の光拡散シート前駆体(web)を120℃に加熱し24時間保管した後、−1℃/時間で除冷し、35℃まで冷却し、さらに室温(25℃)まで戻して、光拡散部材を得て、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1)
実施例1で得られた光拡散部材前駆体(web)を、160℃に設定した、全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力8kg/cm、搬送速度20m/minで搬送した。次いで、40℃のゾーンに15秒間通し、巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2600mmの円柱状のロールに、ロール状で巻き取った。得られた光拡散部材を実施例1と同様の評価を行った。
(比較例2)
実施例1で得られた光拡散部材前駆体(web)を、熱処理ゾーンを通すことなく巻き取り張力10kg/cmの条件で、直径450mm、長さ2600mmの円柱状のロールに、ロール状で巻き取った。得られた光拡散部材を、実施例1と同様の評価を行った。
(参考例1)
実施例1で得られた光拡散部材を、大きさ300mm×200mmに断裁し、前述と同様に、正面輝度、輝度面内ムラおよび輝度角度分布面内ムラの評価を行った。
(参考例2)
実施例3で得られた光拡散部材を、大きさ300mm×200mmに断裁し、前述と同様に、正面輝度、輝度面内ムラおよび輝度角度分布面内ムラの評価を行った。
(参考例3)
比較例1で得られた光拡散部材を、大きさ300mm×200mmに断裁し、前述と同様に、正面輝度、輝度面内ムラおよび輝度角度分布面内ムラの評価を行った。
表1の結果から、実施例1から4の光拡散部材では、CP及びCLが0.7%以下の値であり、さらに、前記CL/CPが2を超えているため、正面輝度に優れ、輝度面内ムラ、輝度角度分布面内ムラ、全光線透過率、及びヘイズ値が優れるということがわかり、比較例1及び2では、CLが0.7%を超えているため、輝度面内ムラ及び輝度角度面内ムラが生じており、また、支持体とバック層との密着性が不十分であることがわかった。
本発明の光拡散部材は、大型の液晶表示装置の用いる光拡散部材であっても、優れた全光線透過率及びヘイズ値を有し、輝度ムラ抑制可能である光拡散部材を提供することができる。
本発明の光拡散部材は、その利点により、テレビ等に使われる大型の液晶表示装置や液晶プロジェクタのスクリーン、平板型照明光源等に好適に使用することができる。
図1は、輝度ムラ被験シートを示す図である。 図2は、本発明の塗布層を示す説明図である。
符号の説明
1 :光拡散部材
1a:塗布膜の厚み
2 :支持体
3 :塗布層
4 :粒子
5 :樹脂
10:測定点

Claims (6)

  1. 支持体上に、少なくとも1層の光拡散層を設けた光拡散部材において、
    前記光拡散部材の150℃、30分での、長手方向の収縮率(CL)及びその垂直方向の収縮率(CP)が、−0.7〜+0.7%であり、
    前記CL及び前記CPがともに正の値である場合、前記CLと前記CPとの比の値(前記CL/前記CP)は2より大きく、0.4未満であり、
    前記CL及び前記CPのいずれかが負の値である場合、前記CLの絶対値と前記CPの絶対値との比の値(前記CLの絶対値/前記CPの絶対値)は2より大きく、0.5未満であり、
    前記長手方向の長さが、440mm以上であり、その垂直方向の長さが250mm以上であることを特徴とする光拡散部材。
  2. CL及びCPのいずれかの絶対値が0.7%未満であり、且つもう一方の絶対値が0.2%未満である請求項1に記載の光拡散部材。
  3. 光拡散部材が、支持体上に光拡散層を設けた後、0.04〜6kg/cm2の張力で搬送しながら80〜200℃で熱処理したものである請求項1から2のいずれかに記載の光拡散部材。
  4. 光拡散部材が、支持体上に光拡散層を設けた後、0.1〜20kg/cm2の張力でロールに巻き取り、該ロールに巻き取った状態で80〜200℃に加熱した後、−0.1〜−10℃/時間で35℃まで除冷したものである請求項1から3のいずれかに記載の光拡散部材。
  5. 支持体が、熱可塑性樹脂からなる請求項1から4のいずれかに記載の光拡散部材。
  6. 支持体が、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである請求項1から5のいずれかに記載の光拡散部材。
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