JP2001158054A - 二軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法

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JP2001158054A
JP2001158054A JP34588899A JP34588899A JP2001158054A JP 2001158054 A JP2001158054 A JP 2001158054A JP 34588899 A JP34588899 A JP 34588899A JP 34588899 A JP34588899 A JP 34588899A JP 2001158054 A JP2001158054 A JP 2001158054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面性が良好で、熱寸法安定性に優れた二軸
延伸ポリエステルフィルムを効率よく得ることができる
二軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリエステルフィルムを弛緩熱処理する
方法において、二軸延伸ポリエステルフィルムを熱風を
吹き出さないオーブン内で懸垂した状態で式(1)に示
される最高温度Tmaxに到達させ、該フィルムをオー
ブン内に過供給することによって弛緩させ、オーブン出
口でのフィルム温度Tfを式(2)を満足する範囲とす
る二軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法。 Tg+50≦Tmax≦Tg+150・・・式(1) Tg−30≦Tf≦Tg+70・・・・・・式(2) (式(1)および式(2)で、Tmaxはオーブン内の
フィルム最高温度(℃)、Tgは二軸延伸フィルムを構
成するポリエステルのガラス転移温度(℃)、Tfはオ
ーブン出口でのフィルム温度(℃)を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸延伸されたポリ
エステルフィルムの弛緩熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは耐熱
性、機械特性、耐薬品性等にバランスの良い性能を示
し、種々の用途で使用されている。特に二次加工の行程
やユーザの使用段階で加熱を受ける用途、例えば,メン
ブレンスイッチ、FPC、熱現像方式の写真感光材料用
途などでは、低熱収縮のフィルムが要望されている。
【0003】これらの要請に対して、二軸延伸ポリエス
テルフィルムの製造工程中で熱固定温度を高く設定する
ことで結晶化度を上げたり、縦および横方向に弛緩熱処
理を施すことが行われている。しかし、オンラインの処
理だけでは充分に低熱収縮化することができないため、
二軸延伸ポリエステルフィルムを製造後さらにオフライ
ンで弛緩熱処理することが行われてきた。
【0004】弛緩熱処理には種々の方法があり、例えば
懸垂状態で連続的に走行させたフィルムを特定の温度条
件下で弛緩することで熱収縮率を0.1%以下にする方
法が提案されている(特許1891172号公報)。し
かしこの方法では熱処理速度を増加させようとすると、
フィルムの冷却が追いつかず平面性が損なわれる問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は平面性
が良好で、熱寸法安定性に優れた二軸延伸ポリエステル
フィルムを効率よく得るための弛緩熱処理方法を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、ポリエス
テルフィルムを弛緩熱処理する方法において、二軸延伸
ポリエステルフィルムを熱風を吹き出さないオーブン内
で懸垂した状態で式(1)に示される最高温度Tmax
に到達させ、該フィルムをオーブン内に過供給すること
によって弛緩させ、オーブン出口でのフィルム温度Tf
を式(2)を満足する範囲とすることを特徴とする二軸
延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法により達成でき
る。
【0007】
【数5】 Tg+50≦Tmax≦Tg+150・・・式(1) Tg−30≦Tf≦Tg+70・・・・・・式(2) (式(1)および式(2)で、Tmaxはオーブン内の
フィルム最高温度(℃)、Tgは二軸延伸フィルムを構
成するポリエステルのガラス転移温度(℃)、Tfはオ
ーブン出口でのフィルム温度(℃)を表わす。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
をさらに説明する。図1は本発明の1つの実施形態を表
す弛緩熱処理装置の1例である。図1で、1は予熱ロー
ル、2は二軸延伸ポリエステルフィルム、3は熱処理オ
ーブン、4〜6は冷却ロール、7は赤外線ヒーター、8
は放射温度計、9は温度測定用穴、10は張力検出用ロ
ール、11は加熱ゾーン、12は冷却ゾーン、13は仕
切り板、14は空気排出スリット、Tfはオーブン出口
でのフィルム温度である。
【0009】図2は懸垂状態のフィルムと、水平状態の
フィルムの張力のかかり方の比較説明図である。図2
で、21a、21b、22a、22bはガイドロールであ
る。Tvは懸垂状態のフィルムのスパン上端での張力、
Wはフィルムの自重、Thは水平状態のスパン両端での
張力である。
【0010】図3はエアフロート法による水平フィルム
の搬送状態の説明図である。図3で、31はエアフロー
トノズルである。
【0011】本発明で言う懸垂した状態でフィルムを走
行させるというのは、図1に示したように予熱ロールか
ら冷却ロールに向かって、重力方向に走行させることで
ある。重力方向に走行させることで、実質的にはフィル
ム自重の処理張力への影響を小さくすることができる。
例えば、ある一定スパンのフィルムの重量をWとする
と、懸垂状態のフィルムのスパン上端での張力Tv=W
であり、水平状態のスパン両端での張力Th=W/(2
・sinθ)である。ここでθはスパン端部でのフィルム
の水平からの角度である。θ>30°なら水平状態のほ
うが張力が小さくなるが、大きく垂れ下がった状態では
フィルムを安定走行させることは困難なため、エアフロ
ートノズル等によって僅かに上下に波打った状態で走行
させるのが現実的である(図3)。その場合θは大きく
とも10°以下であり、張力的には懸垂状態が有利であ
る。またエアフロート法は低張力下では走行フィルムが
蛇行し、安定な熱処理が困難である。これに対し懸垂状
態の走行は、重力と走行方向が同一のため低張力下でも
安定してフィルムを搬送することが可能である。
【0012】弛緩熱処理時のフィルムの最高温度(Tm
ax)は、Tg+50〜Tg+150の範囲である。こ
の温度範囲以下では低熱収縮率化が困難となり、これよ
り高い温度では平面性を乱しやすく、ともに発明の目的
が達成できない。
【0013】このTmaxの温度範囲で、その上限はT
g+130℃であることが好ましく、Tg+110℃で
あることがさらに好ましい。また、Tmaxの下限はT
g+65℃であることが好ましく、Tg+80℃である
ことがさらに好ましい。ポリエステルがポリエチレンテ
レフタレートの場合は、上記フィルムの最高温度(Tm
ax)は、通常120℃以上220℃以下の範囲であ
り、好ましい上限は200℃、特に好ましい上限180
℃、好ましい下限は135℃、特に好ましい下限は15
0℃である。
【0014】フィルムの加熱はフィルムに熱風を吹き付
ける方法は、フィルムのバタツキを誘発し好ましくない
ため、赤外線ヒーターのような輻射熱によって加熱する
のが好ましい。熱収縮の幅方向分布を小さくするため、
幅方向に複数のヒーターを並べて幅方向の温度分布を制
御することが好ましい。
【0015】フィルムの平面性を乱す最大の要因は、フ
ィルムに波シワが入った状態で急激に冷却されることで
シワが固定されることである。この急冷を防ぐために冷
却ロールと冷却ロールに触れる直前のフィルムの温度差
を小さくすること必要であり、さらに高い速度で熱処理
をするためにはオーブン内の冷却効率を上げ、オーブン
出口のフィルム温度Tfを式(2)の範囲に収めるのが
有効である。TfはポリエステルフィルムのTg−30
℃からTg+70℃の温度ならば、オーブン以降の工程
で熱収縮率が増加したり平面性が悪化することを抑える
ことができる。この範囲を下回らせるためには冷却過程
に非常に長い時間を要し生産性が上がらないし、この範
囲を上回ると前述のように製品の平面性を悪化させる原
因となる。Tfの温度範囲で、その上限はTg+50℃
であることが好ましく、Tg+30℃であることがさら
に好ましい。また、Tfの下限はTg−10℃であるこ
とが好ましく、Tgであることがさらに好ましい。
【0016】懸垂状態のフィルムを走らせる縦向きのオ
ーブンには加熱空気の上昇気流が生じるとともに、フィ
ルムの随伴流によって加熱ゾーンで高温空気が冷却ゾー
ンに運ばれる。オーブン内の冷却効率を上げるには、オ
ーブンの下端から吸い込まれる低温の空気を加熱ゾーン
へ通過させずに、冷却ゾーン内に循環させること、加熱
ゾーンからのフィルム随伴流をカットすることが有効で
ある。加熱ゾーンから冷却ゾーンに向ってながれる空気
の温度Taiを式(3)の範囲内とし、加熱ゾーンから
冷却ゾーンにみ向ってながれる空気の流速Vaiを式
(4)の範囲内に収めることによって、オーブン出口の
フィルム温度を式(2)の範囲内にすることができる。
Taiの温度範囲で、その上限はTg+30℃であるこ
とが好ましく、Tg+10℃であることがさらに好まし
い。また、Taiの下限はTg−30℃であることが好
ましく、Tg−10℃であることがさらに好ましい。更
にVaiの範囲で、その上限は3.0m/sであること
が好ましく、1.5m/sであることがさらに好まし
い。また、Vaiの下限は0.1m/sであることが好
ましく、0.2m/sであることがさらに好ましい。
【0017】これらTai、Vaiを得るための具体策
として、加熱ゾーンと冷却ゾーン間に仕切り板を設ける
こと、加熱ゾーンと冷却ゾーンの間から加熱された空気
を排出すること、またはこれらを併用するのが有効であ
る。
【0018】低熱収のフィルムを得る条件は、張力Fが
式(7)の範囲内であることが好ましい。この範囲を下
回るとロール搬送系でフィルムが蛇行し安定に処理がで
きないことがあり、この範囲を上回ると低熱収のフィル
ムを得ることができないことがある。フィルム単位断面
積当たりの熱処理張力は通常、0.04〜0.60Mp
aであればよい。この熱処理張力の範囲で、その上限は
0.40MPaであることが好ましく、0.20MPa
であることがさらに好ましい。また、熱処理張力の下限
は0.08MPaであることが好ましく、0.10Mp
aであることがさらに好ましい。
【0019】上記のような張力を得るために、フィルム
を過供給し弛緩させることが必要である。フィルムを弛
緩熱処理する際の過供給率(D)とは、引き取り速度に
対する供給速度の比であり、次式で示される。
【0020】
【数6】D=(供給速度−引き取り速度)/供給速度×
100(%)
【0021】フィルムの張力をオンラインで測定し制御
しても良いが、低張力域でのフィルム張力制御は安定さ
せるのが難しいため、過供給率を設定し張力をモニター
するのが実用的である。低熱収フィルムを得るには、D
>0でかつ、S−0.3≦D≦S+0.3であればよ
く、S−0.1≦D≦S+0.1であればより好まし
い。ここでSは熱処理前のフィルムの最高温度Tmax
での縦方向の熱収縮率である。
【0022】二軸延伸ポリエステルフィルムを熱処理す
る際には温度、張力とともに、熱処理の時間も熱収縮に
影響を及ぼす。熱処理時間は、熱処理時のフィルム最高
温度Tmax−20℃〜Tmaxの範囲に1〜60秒間
保持すれば良く、好ましくは2〜30秒、さらに好まし
くは4〜10秒がよい。
【0023】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールま
たはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽
和ポリエステルである。ポリエステルの具体例として、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示
でき、これらの共重合またはこれらと小割合の他樹脂と
のブレンド物等も含まれる。
【0024】ポリエステルには、フイルムの滑り性、加
工性などの点から滑剤例えば炭酸カルシウム、カオリ
ン、シリカ、酸化チタン、アルミナ、架橋ポリスチレン
粒子、シリコン樹脂粒子などの添加微粒子及び(また
は)触媒残渣の析出微粒子等を含有させることが好まし
い。また、他の添加剤例えば顔料、安定剤、紫外線吸収
剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0025】本発明で用いる二軸延伸・熱固定したポリ
エステルフイルムは、従来から知られている方法で製造
することができる。例えば、上記ポリエステルを乾燥後
ポリマー融点(Tm℃)ないし(Tm+70)℃の温度
で溶融し、ダイ(例えばT―ダイ、I―ダイ等)から冷
却ドラムに押出し、急冷して固有粘度0.35〜0.9
dl/gの未延伸フイルムを得、該未延伸フイルムを縦
方向に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただ
し、Tgはポリエステルのガラス転移温度である)で
2.5〜5.0倍の倍率で延伸し、次いでステンターに
て横方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5〜
5.0倍の倍率で延伸し、更に(Tg+70)℃〜Tm
℃の温度で熱固定することで製造することができる。ま
た、ポリエチレンテレフタレートフイルムについては1
90〜240℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間
は1〜60秒が好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。尚、特性値は以下の方法により測定した。
【0027】(1)120℃熱収縮率 低張力熱処理後の支持体を、測定方向250mm×幅5
0mmに裁断する。これに200mm間隔に孔を2点開
け、25℃60%RHで12時間以上調湿後ピンゲージ
を用いて測定する(この長さをL1 とする)。この後1
20℃に加熱した厚み10mmの平滑なステンレス板に
15秒間押しつける。この後25℃60%RHで12時
間以上調湿後再びピンゲージを用いて測長する(この長
さをL2とする)。下記式に基づき熱寸法変化率を求め
る。
【0028】
【数7】120℃熱収縮率(%)=100×(L2 −L
1 )/L1 これを支持体の幅方向に5等分した点において測定す
る。この平均値をMD方向の120℃熱収縮率とし、5
点の最大値と最小値の差の絶対値を120℃熱収縮量率
のレンジとする。
【0029】(2)150℃熱収縮率 測定方向350mm、幅50mmのサンプルを切り出
し、該サンプルの長手方向の両端近傍300mm間隔に
標点を付け、150℃の温度に調整されたオーブンに自
由端で30分放置する。これを取り出し室温で調整後、
標点間距離を測長(この長さをL3 (mm)とする)
し、下記式にて熱収縮率を求める。
【0030】
【数8】150℃熱収縮率(%)=100×(300−
3 )/300
【0031】(3) フイルムの平面性 幅1000mm、長さ2500mmのサンプルを切り出
し、このサンプルを平板上に広げて波打ち、盛り上がり
の状態を限度見本と照らし合わせて目視により評価し
た。
【0032】(4) オーブン内のフィルム温度 オーブンの壁面に内部のヒーターの影響を受けない位置
に測定用の穴を概略0.5mピッチにあけ,そこから内
部フィルムの温度を放射温度計で測定した。測定時以外
は穴に蓋をすることでオーブン内の温度が冷えないよう
にした。
【0033】(5) フィルム張力 オーブンをでてから冷却ロールまでの位置にロードセル
付きのガイドロールを設置し、張力を測定した。該ガイ
ドロールは張力測定時のみフィルムに接触させ、不使用
時は退避する構造とした。
【0034】(6) ガラス転移温度(Tg) 試料10mgをパーキンエルマー社製のDSC装置(示
差走査熱量計)にセットし、試料を300℃の温度で5
分間溶融した後、液体窒素中で急冷し、この急冷試料を
10℃/分で昇温してガラス転移点Tgを測定した。
【0035】[実施例1]固有粘度(o−クロロフェノ
ール溶液にて35℃で測定)0.65dl/gのポリエ
チレンテレフタレート(Tg:70℃)のペレットを1
80℃で5時間乾燥した後に、270〜300℃に加熱
された押出機に供給し、押し出し成形ダイによりシート
状に成形した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の
冷却ドラム上に静電気で密着固化させ、未延伸フィルム
を得た。次いで未延伸フィルムを、80〜100℃の加
熱ロール群で加熱し縦方向に3.4倍一段階で縦延伸
し、20〜50℃のロール群で冷却し、続いて、テンタ
へ導き、該フィルムの両端をクリップで把持しながら、
90℃に加熱された熱風雰囲気中で予熱し、95℃の熱
風雰囲気中で横方向に3.6倍に横延伸した。
【0036】こうして二軸延伸されたフィルムをそのま
ま、テンタ中で引続き、235℃の熱処理を行い、熱処
理後一旦180℃まで冷却後、熱風を吹き出さないゾー
ンにて熱固定されたフィルムのエッジ部を切り放した
後、引き取り速度を1.5%減じて弛緩し、180℃か
ら110℃までの徐冷しテンタから取出し、室温で自然
に90℃まで冷えたフィルムを75℃の引き取りロール
で引き取り、室温〜50℃の領域まで冷えたフィルムを
巻き取った。得られた厚さ100μmの二軸延伸フィル
ムの150℃熱収縮率は縦方向が0.4%,横方向が
0.1%であった。また150℃熱収縮率測定と同様の
方法で120℃の熱収縮率を測定すると、縦方向が0.
20%、横方向が0.10%であった。
【0037】得られた二軸延伸フィルムを1500mm
幅にスリットし、図1に示した本発明の方法によって弛
緩熱処理を行った。オーブン3の長さが4m、フィルム
2の搬送速度20m/min、予熱ロール温度を調整するこ
とで、予熱ロール1から離れた直後のフィルム温度を1
20℃とし、オーブン内に設けた赤外線ヒーター7の温
度を調整することで、オーブン3内でフィルムの最高温
度を150℃とした。オーブンの加熱ゾーンと冷却ゾー
ンの間に仕切り板13を設け、冷却ゾーンから加熱ゾー
ンへ向かって流れこむ空気の温度を80℃、冷却ゾーン
から加熱ゾーンへ向かって流れこむ空気の流速を1.0
m/sとし、オーブン3出口でのフィルム温度を110
℃とした。仕切り板の先端とフィルムとの距離は20m
mにセットした。空気排出スリットは出口を塞いでおい
た。放射温度計8によってオーブン外から温度測定用穴
9を通してフィルム温度を測定すると、オーブン内でフ
ィルムが130〜150℃の範囲になっている時間は
3.0秒であった。フィルムの過供給率D=0.46%
とし、その時の冷却ロール直前でのフィルム縦方向張力
は0.10MPaであった。フィルム自重を加味すると
最高温度での張力Fは0.16MPaであった。その後
フィルムを表面温度95℃の冷却ロール4、表面温度8
0℃の冷却ロール5、表面温度65℃の冷却ロール6に
順次接触させ、多段階に冷却した。冷却ロール5直前の
フィルム表面温度は93℃、冷却ロール6直前のフィル
ム表面温度は78℃であった。
【0038】得られた熱処理フィルムの150℃熱収は
縦方向が0.06%,横方向が0.04%、120℃熱
収は縦方向が0.020%、横方向が−0.027%と
良好であり、平面性も良好レベルであった。
【0039】[実施例2]オーブンの加熱ゾーンと冷却
ゾーンの間に実施例1と同様な仕切板13を設けるとと
もに、仕切板の下部にオーブン全幅にわたる幅10mm
の空気排出スリット14から加熱空気を排出すること
で、冷却ゾーンから加熱ゾーンへ向かって流れこむ空気
の温度を80℃、冷却ゾーンから加熱ゾーンへ向かって
流れこむ空気の流速を0.4m/sとし、オーブン3出
口でのフィルム温度を105℃とした。それ以外は実施
例1と同様な条件で弛緩熱処理を行った。
【0040】得られた熱処理フィルムの150℃熱収は
縦方向が0.07%,横方向が0.04%、120℃熱
収は縦方向が0.025%、横方向が−0.025%と
良好であり、平面性も良好レベルであった。
【0041】[比較例1]オーブンの加熱ゾーンと冷却
ゾーンの間の仕切り板を取り外し、冷却ゾーンから加熱
ゾーンへ向かって流れこむ空気の温度が150℃、冷却
ゾーンから加熱ゾーンへ向かって流れこむ空気の流速が
6m/sであり、オーブン3出口でのフィルム温度が1
45℃であった。それ以外は実施例1と同様な条件で弛
緩熱処理を行った。冷却ロール4の直前のフィルム温度
は135℃になっており、冷却ロール4上で急冷による
波シワが発生し固定された。
【0042】得られた熱処理フィルムの150℃熱収は
縦方向が0.09%、横方向が0.02%、120℃熱
収は縦方向が0.070%、横方向が−0.037%で
あり、サンプリング位置によって熱収値にばらつきが見
られ、製品として出荷できないものであった。また熱処
理後の製品には縦方向の波シワが固定されており、平面
性は出荷不可レベルであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
製造方法によれば、平面性が良好で、熱寸法安定性に優
れた二軸延伸ポリエステルフィルムを効率よく得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態を表す弛緩熱処理装置
の1例である。
【図2】懸垂状態のフィルムと、水平状態のフィルムの
張力のかかり方の比較説明図である。
【図3】エアフロート法による水平フィルムの搬送状態
の説明図である。
【符号の説明】
1:予熱ロール 2:二軸延伸ポリエステルフィルム 3:熱処理オーブン 4〜6:冷却ロール 7:赤外線ヒーター 8:放射温度計 9:温度測定用穴 10:張力検出用ロール 11:加熱ゾーン 12:冷却ゾーン 13:仕切り板 14:空気排出スリット Tf:オーブン出口でのフィルム温度 21a、21b、22a、22b:ガイドロール Tv:懸垂状態のフィルムのスパン上端での張力 Th:水平状態のスパン両端での張力 W:フィルムの自重 31:エアフロートノズル
フロントページの続き Fターム(参考) 4F201 AA24 AG01 AR06 BA07 BC01 BC13 BC15 BD05 BM06 BR05 BR12 4F210 AA24 AG01 AR06 QC05 QG01 QG18 QW05 QW12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムを弛緩熱処理する
    方法において、二軸延伸ポリエステルフィルムを熱風を
    吹き出さないオーブン内で懸垂した状態で式(1)に示
    される最高温度Tmaxに到達させ、該フィルムをオー
    ブン内に過供給することによって弛緩させ、オーブン出
    口でのフィルム温度Tfを式(2)を満足する範囲とす
    ることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの熱
    処理方法。 【数1】 Tg+50≦Tmax≦Tg+150・・・式(1) Tg−30≦Tf≦Tg+70・・・・・・式(2) (式(1)および式(2)で、Tmaxはオーブン内の
    フィルム最高温度(℃)、Tgは二軸延伸フィルムを構
    成するポリエステルのガラス転移温度(℃)、Tfはオ
    ーブン出口でのフィルム温度(℃)を表わす。)
  2. 【請求項2】 オーブン内部の冷却ゾーンから加熱ゾー
    ンへ向かって流れこむ空気の温度Taiと、その流速V
    aiが式(3)および式(4)を満足する請求項1に記
    載の二軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法。 【数2】 Tg−50≦Tai≦Tg+50・・・・・式(3) 0.02≦Vai≦5.0・・・・・・・・式(4) (式(3)および式(4)で、Taiは冷却ゾーンから
    加熱ゾーンへ向かって流れこむ空気の温度(℃)、Va
    iは冷却ゾーンから加熱ゾーンへ向かって流れこむ空気
    の流速(m/s)、Tgは二軸延伸フィルムを構成する
    ポリエステルのガラス転移温度(℃)を表わす。)
  3. 【請求項3】 加熱ゾーンと冷却ゾーンの間に仕切り板
    を設ける請求項1または2に記載の二軸延伸ポリエステ
    ルフィルムの熱処理方法。
  4. 【請求項4】 加熱ゾーンと冷却ゾーンの間からオーブ
    ン内を上昇する加熱された空気を排出することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエ
    ステルフィルムの熱処理方法。
  5. 【請求項5】 走行する二軸延伸ポリエステルフィルム
    を弛緩熱処理する際の過供給率が式(5)および式
    (6)を満足する請求項1乃至4のいずれかに記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルムの熱処理方法。 【数3】 S−0.3≦D≦S+0.3・・・・式(5) D>0 ・・・・・・・・・・・・・式(6) (式(5)および式(6)で、Sは熱処理前のフィルム
    の温度Tmax(℃)での縦方向の熱収縮率(%)、D
    は過供給率(%)を表わす。)
  6. 【請求項6】 走行する二軸延伸ポリエステルフィルム
    を弛緩熱処理する際の、フィルムが最高温度に達した位
    置での単位断面積当たりのフィルム縦方向張力が、式
    (7)を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルム熱処理方法。 【数4】 0.04≦F≦0.60 ・・・・・・式(7) (式(7)で、Fはフィルムが最高温度に達した位置で
    の単位断面積当たりフィルム縦方向張力(Mpa)を表
    わす。)
  7. 【請求項7】 走行する二軸延伸ポリエステルフィルム
    を弛緩熱処理する際、フィルムの温度がTmax−20
    (℃)からTmax(℃)の範囲に、1〜60秒間保持
    される請求項1乃至6のいずれかに記載の二軸延伸ポリ
    エステルフィルム熱処理方法。
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