JP2002080573A - ポリエステル製造用原料分散液、その製造方法及びこの分散液を用いたポリエステル製品の製造方法 - Google Patents

ポリエステル製造用原料分散液、その製造方法及びこの分散液を用いたポリエステル製品の製造方法

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JP2002080573A
JP2002080573A JP2000268662A JP2000268662A JP2002080573A JP 2002080573 A JP2002080573 A JP 2002080573A JP 2000268662 A JP2000268662 A JP 2000268662A JP 2000268662 A JP2000268662 A JP 2000268662A JP 2002080573 A JP2002080573 A JP 2002080573A
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満 落合
Helmut Mangold
マンゴルト ヘルムート
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Degussa GmbH
Degussa Huels AG
Nippon Aerosil Co Ltd
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    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/78Preparation processes
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    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/12Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/16Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • C08G63/18Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds the acids or hydroxy compounds containing carbocyclic rings
    • C08G63/181Acids containing aromatic rings
    • C08G63/183Terephthalic acids

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレフタル酸等と混合してエステル化反応さ
せたときにシリカ粉末の凝集を起さない。 【解決手段】 グリコールに平均粒径5〜50nmのシ
リカ粉末を前記グリコール100重量部に対し1〜60
重量部を均一に分散したポリエステル製造用原料分散液
である。このポリエステル製造用原料分散液をテレフタ
ル酸又はテレフタル酸ジメチルと混合して加圧下、20
0〜300℃の温度でエステル化反応させることにより
ポリエステルポリマーを製造し、このポリエステルポリ
マーからポリエステル繊維又はポリエステルフィルムを
製造したときに前記ポリエステル繊維又はポリエステル
フィルムに含まれるシリカ粉末凝集物の粒径が5μm未
満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱時及び酸との接
触時におけるシリカ粉末の凝集を抑制するポリエステル
製造用原料分散液及びその製造方法に関する。本発明は
更にこの分散液を用いたポリエステル繊維やポリエステ
ルフィルムのようなポリエステル製品の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル製品は優れた物理的、化学
的特性を有することから、繊維やフィルムとして広く用
いられている。しかしながら、ポリエステル繊維は、
綿、絹、羊毛などの天然繊維或いはレイヨン、アセテー
ト繊維などの半合成繊維に比べて、染色したときに色の
鮮明性や深みに欠ける。この染色特性に関するこれらの
問題点は、繊維の屈折率、繊維の表面形状、繊維の形態
に起因している。ポリエステル繊維の屈折率は1.6〜
1.7であり、他の繊維の屈折率の1.45〜1.6に
比べて高く、またポリエステル繊維は一般的に溶融紡糸
法により製造されるため、表面が極めて滑らかとなり、
繊維表面での白色光の反射率が大きく、深色性を低くし
ている。更に手触りが硬く、独特のぬめり感があるとい
う風合い面での欠点を有している。またポリエステルフ
ィルムは滑り性不良によって作業性や生産性が損なわれ
る問題がある。更に表面が平滑であるため、粘着性があ
り、ブロッキングを起こしやすい。
【0003】上述したポリエステル繊維の染色性や風合
いを改善するため、またポリエステルフィルムの耐摩擦
性、易滑性及び耐擦傷性などを改善するために、原料で
ある1,2エタンジオール(エチレングリコール)にシ
リカ、アルミナなどの微細な無機粉末を添加することが
一般的に行われている。例えば、特開平7−31692
4号公報には、平均粒径や含有量、比表面積を限定した
シリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の微細な無
機粉末を含有するポリエステル繊維が開示されている。
この無機粉末は乾式法でハロゲン化ケイ素中にハロゲン
化アルミニウムを存在させて作られる。このポリエステ
ル繊維は上記無機粉末を1,2エタンジオール(エチレ
ングリコール)に均一に分散した原料分散液を用いて製
造される。このように製造されたポリエステル繊維には
繊維表面に無機粉末が表出する。この繊維をアルカリ水
溶液に接触させて繊維表面の無機粉末を溶出させること
により、繊維表面に微細なボイドを形成する。このボイ
ドのある繊維を用いて布帛を作ると、布帛から硬さとぬ
めり感が消え良好な風合いとなる。またこの布帛を染色
すると、深みと鮮やかさのある色が得られる。また、特
開2000−17158号公報には、ポリエステル樹脂
中に平均粒径0.05〜4.5μmの湿式合成非晶質シ
リカ粒子を凝集させることなく添加して、粗大突起のな
い均一な凹凸表面を持った易滑性フィルムを得るための
ポリエステル樹脂組成物が開示されている。この組成物
を延伸したフィルムは接触面積の減少による摩擦の低減
が図られ、無機粉末をフィルム内に含有することにより
フィルム材質の硬度の向上も得られる。
【0004】上記ポリエステルを製造するときには、
1,2エタンジオール(エチレングリコール)にシリカ
粉末を均一に分散した原料分散液をテレフタル酸等の有
機酸と混合して、この混合物を加圧及び加熱してエステ
ル化反応させている。上述したシリカ粉末は常温の1,
2エタンジオール(エチレングリコール)に対して極め
て分散性のよいものであり、シリカ粉末はスラリー状態
或いは溶液状態にして、粉砕及び分級操作を経て1,2
エタンジオール(エチレングリコール)に添加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エステ
ル化反応ではその高い反応温度や酸の作用のため、シリ
カ粉末の性状によっては、原料分散液に分散したシリカ
粉末が熱ショックや酸ショックにより凝集を起こし、シ
リカ粉末凝集物を形成してしまう問題があった。ポリエ
ステル製品にシリカ粉末凝集物が存在すると、例えばポ
リエステル繊維では製糸工程、製織工程、製編工程で糸
切れを起こしやすく、また磁気テープフィルムにおいて
は、耐スクラッチ性が悪くなり、電磁変換特性を低下さ
せたり、ドロップアウトを引起こす原因になったりする
など、重要なフィルム品質を損なうことになる。特に、
風合い及び色彩の点でより付加価値の高いポリエステル
繊維製品が作られてくると、或いは磁気記録テープ等に
用いられるポリエステルフィルムの仕様が高度になって
くると、エステル化反応で凝集物を生じないシリカ粉末
がより強く求められる。この要求に対し、上述した特開
平7−316924号公報及び特開2000−1715
8号公報に記載されたシリカ粉末を用いても、十分に満
足できる成果が得られていない。
【0006】本発明の目的は、テレフタル酸等と混合し
てエステル化反応させたときにシリカ粉末の凝集を起さ
ないポリエステル製造用原料分散液及びその製造方法を
提供することにある。本発明の別の目的は、製糸工程、
製織工程、製編工程で糸切れを起こしにくいポリエステ
ル繊維の製造方法を提供することにある。本発明の別の
目的は、深みのある色にポリエステル布帛を染色しかつ
良好な風合いを得るポリエステル繊維の染色方法を提供
することにある。本発明の更に別の目的は、耐摩擦性、
易滑性及び耐擦傷性に優れ、かつ磁気テープフィルムに
した場合に耐スクラッチ性が向上し、電磁変換特性を低
下させず、ドロップアウトを引起さないポリエステルフ
ィルムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
グリコールに平均粒径5〜50nmのシリカ粉末を前記
グリコール100重量部に対し1〜60重量部を均一に
分散したポリエステル製造用原料分散液であって、テレ
フタル酸又はテレフタル酸ジメチルと混合して加圧下、
200〜300℃の温度でエステル化反応させることに
よりポリエステルポリマーを製造し、ポリエステルポリ
マーからポリエステル繊維又はポリエステルフィルムを
製造したときに前記ポリエステル繊維又はポリエステル
フィルムに含まれるシリカ粉末凝集物の粒径が5μm未
満であることを特徴とするポリエステル製造用原料分散
液である。請求項1に係る発明では、製造したポリエス
テル繊維又はポリエステルフィルムに含まれるシリカ粉
末凝集物の粒径が5μm未満であるので、シリカ粉末凝
集物に起因する不具合を解消する。
【0008】請求項3に係る発明は、塩化アルミニウム
の水溶液又は分散液をエーロゾル化し、塩化ケイ素又は
シラン類と酸素と水素が混合されたガス混合物とエーロ
ゾルとを均一に混合し、ガス混合物とエーロゾルの混合
物を火炎加水分解することにより酸化アルミニウムを
0.05〜1.0重量%ドープした平均粒径5〜50n
mのシリカ粉末を形成し、グリコールにシリカ粉末を前
記グリコール100重量部に対し1〜60重量部を添加
して均一に分散させた後、分散液中に含まれる粒径5μ
mを越える粗粒子をフィルタにより除去することを特徴
とするポリエステル製造用原料分散液の製造方法であ
る。請求項3に係る発明では、塩化アルミニウムの水溶
液又は分散液を超音波噴霧等により生成されたエーロゾ
ルと、塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が混合され
たガス混合物とを混合して火炎加水分解法でシリカ粉末
を形成することにより、また分散液中に含まれる粒径5
μmを越える粗粒子をフィルタにより除去することによ
り、エステル化反応において熱ショックや酸ショックに
よるシリカ粉末の凝集物を殆ど無くすことができる。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1記載のポ
リエステル製造用原料分散液とテレフタル酸又はテレフ
タル酸ジメチルとを混合するとともに撹拌してスラリー
を形成し、スラリーを加圧下、200〜300℃の条件
下で2〜3時間維持してグリコールとテレフタル酸又は
テレフタル酸ジメチルとのエステル化反応を行ってポリ
エステルポリマーを生成し、ポリマーから作られたチッ
プを溶融紡糸してポリエステル繊維を製造するポリエス
テル繊維の製造方法である。請求項4に係る発明では、
請求項1記載のポリエステル製造用原料分散液を用いる
ことにより、シリカ粉末凝集物を殆ど含有しないポリエ
ステル繊維が得られる。
【0010】請求項6に係る発明は、ポリエステル繊維
を用いて作られた布帛を染色する方法において、ポリエ
ステル繊維が請求項4記載の方法により製造され、90
〜100℃のアルカリ水溶液に布帛を接触させて布帛を
構成するポリエステル繊維表面に存在するシリカ粉末を
溶出させた後、布帛を染色するポリエステル布帛の染色
方法である。請求項6に係る発明では、繊維表面に存在
するシリカ粉末を溶出させることにより繊維表面にボイ
ドが形成される。このボイドを有する繊維で作られた布
帛を染色すると、繊維の屈折率が高まり、深みのある色
が得られる。また繊維表面のボイドは布帛の硬さ及びぬ
めり感を解消する。
【0011】請求項7に係る発明は、請求項1記載のポ
リエステル製造用原料分散液とテレフタル酸又はテレフ
タル酸ジメチルとを混合するとともに撹拌してスラリー
を形成し、スラリーを加圧下、200〜300℃の条件
下で2〜3時間維持してグリコールとテレフタル酸又は
テレフタル酸ジメチルとのエステル化反応を行ってポリ
エステルポリマーを生成し、ポリマーから作られたチッ
プを溶融した後、溶融物をシート状に押出し延伸してポ
リエステルフィルムを製造するポリエステルフィルムの
製造方法である。請求項7に係る発明では、上記方法に
より製造されたフィルムは、フィルム表面にシリカ粉末
を有するため、耐摩擦性、易滑性及び耐擦傷性に優れ
る。また従来のフィルムに比べて、磁気テープフィルム
にした場合に耐スクラッチ性が良好になり、電磁変換特
性を低下させず、ドロップアウトを引起さない。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。本発明のポリエステル製造用原料分散液は、
グリコールにシリカ粉末を均一に分散して作られる。グ
リコールは1,2エタンジオール(エチレングリコー
ル)、1,3プロパンジオール(トリメチレングリコー
ル)、1,4ブタンジオール(テトラメチレングリコー
ル)、1,6ヘキサンジオール(ヘキサメチレングリコ
ール)等が挙げられる。このシリカ粉末は、平均粒径が
5〜50nmであって、その表面層に酸化アルミニウム
が0.05〜1.0重量%ドープされている。このシリ
カ粉末の好ましい平均粒径は20〜30nmであり、酸
化アルミニウムの好ましいドーピング量は0.08〜
0.32重量%である。シリカ粉末の平均粒径が5nm
未満ではシリカ粉末の分散液の粘度が高くなり、50n
mを越えるとポリエステル繊維に形成されるボイドが大
きくなる。また酸化アルミニウムのドーピング量は0.
05重量%未満でも、1.0重量%を越えてもシリカ粉
末の分散液の粘度が高くなる不具合を生じる。この表面
層に酸化アルミニウムがドープされたシリカ粉末は、酸
化アルミニウムとシリカが別個の粒子として生成されて
おらず、また1つの粒子中に酸化アルミニウムとシリカ
が混在した混合酸化物とは異なる。そのため、シリカ粉
末としての特性と酸化アルミニウムとしての特性を併せ
持ち、しかも単に酸化アルミニウムとシリカを混合した
ものでは得られない特性、例えば優れた低粘度の液が得
られ、優れた分散性を有する。
【0013】このシリカ粉末を製造する装置は、特開2
000−169132号公報に開示されている。図1に
示すように、この装置は熱分解法酸化物の製造のために
従来公知の構造形式のバーナー1中にエーロゾルの供給
のために付加的に1つの管5が軸線方向に配置されてお
り、この管が、バーナーのノズル3の前方部で開口して
いることを特徴としている。以下、本発明に用いるシリ
カ粉末の製造方法を詳述する。
【0014】バーナー1の中央管2に四塩化ケイ素、水
素及び空気よりなる原料混合ガスを導入管2aにより導
入する。この原料混合ガスはバーナー1のノズル3から
流れ、燃焼室8及びこれと接続している水冷却した火炎
管9中で燃焼する。この間、中央管2を包囲する環状ノ
ズル4中にノズルでの焼付きを回避するために二次水素
を導入管4aにより導入する。一方、中央管2中には軸
流管5が配置されており、エーロゾル発生器6中で製造
される塩化アルミニウムと水よりなるエーロゾルが軸流
管5から中央管2中へと送られて、反応前に前記原料混
合ガスと均一に混合される。原料混合ガスとエーロゾル
との混合物は燃焼室8及びこれと接続している火炎管9
中で燃焼し、酸化アルミニウムドープシリカ粉末が生成
する。得られた酸化アルミニウムドープシリカ粉末は公
知方法により流出気体流から分離されて、製品として供
給される。
【0015】エーロゾル発生器6中で生成した塩化アル
ミニウムと水からなるエーロゾルは、穏和なキャリアガ
ス流により加熱帯域7に送られる。この加熱帯域7中で
塩化アルミニウムと水からなるエーロゾルは同伴水が蒸
発し、小塩結晶が気体相中に微細に分散された形となっ
ていると推定される。エーロゾルは軸流管5を通って中
央管2中で前記原料混合ガスと均一に混合される。この
エーロゾルと原料混合ガスの混合物が火炎中で反応して
酸化アルミニウムドープシリカ粉末が得られる。従っ
て、このようにして得られた酸化アルミニウムドープシ
リカ粉末は単にSiCl4気体とAlCl3気体とを前も
って混合し、一緒に火炎反応器中で燃焼させる従来公知
のいわゆる「コフュームド(co-fumed)法」により得ら
れる熱分解法混合酸化物とはアルミニウムの存在形態が
明白に異なる。
【0016】本発明のポリエステル製造用原料分散液
は、グリコール100重量部に対し、前述した方法によ
り製造したシリカ粉末1〜60重量部、好ましくは5〜
25重量部を均一に分散させた後、この分散液を目開き
5μmのメッシュを有するフィルターに通して分散液中
に含まれる粒径5μmを越える粗粒子を除去することに
より調製される。シリカ粉末の添加量がグリコールに対
して1重量部未満であると、この原料分散液を用いてポ
リエステル製品を製造したときに本発明の目的を達成し
ない。60重量部を越えると、分散液の流動性が低下す
る。フィルタのメッシュの目開きを5μmにするのは、
次に述べるエステル化反応前の5μm以上のシリカ粉末
を排除するためである。またこのフィルタを通過させる
前に、分散液の沸点若しくはその近傍の温度で少なくと
も2時間程度還流して上記原料分散液を調製することが
好ましい。この還流により、シリカ粉末の二次粒子の形
成が阻止され、凝集物の生成が抑制される。
【0017】上記分散液を他のポリエステル製造用原料
のテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルと混合して加
圧下、200〜300℃の温度でエステル化反応させた
場合、エステル化反応生成物であるポリエステルポリマ
ー中に5μm以上のシリカ粉末凝集物は生じない。この
ためこのポリエステルポリマーから作られたチップを用
いてポリエステル繊維又はポリエステルフィルムの製品
を製造した場合には、ポリエステル製品にシリカ粉末凝
集物が含まれたとしても、その粒径は5μm未満であ
る。この原料分散液は、通常一般的手法として行われて
いる殆どのポリエステル製造工程において、加熱時の凝
集を起こすことなく代替適用できる。ただし他に共存さ
せる無機微粒子がある場合は、予め小規模の還流テスト
やテレフタル酸混合テストなどにより加熱時の凝集状態
の変化や酸ショックを確認しておくことが必要である。
【0018】本発明のポリエステル繊維は次の方法で製
造される。先ず上記原料分散液とテレフタル酸又はテレ
フタル酸ジメチルとを混合するとともに撹拌してスラリ
ーを形成する。次いでこのスラリーを加圧下、200〜
300℃の条件下で2〜3時間維持してグリコールとテ
レフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとをエステル化反
応させてポリエステルポリマーを生成する。次に、生成
したポリエステルポリマーをチップ状に加工し、このチ
ップを加熱して溶融し、溶融物をノズルより押出して紡
糸することによりポリエステル繊維を得る。得られたポ
リエステル繊維には5μm以上のシリカ粉末凝集物が存
在しないため、この繊維を用いて製糸するときに、或い
は製織若しくは製編したときに糸切れ率を減少すること
ができる。
【0019】本発明のポリエステル布帛の染色方法は、
上記ポリエステル繊維を含む織物、編物などの布帛を用
いる。この布帛を構成する糸は、ポリエステル繊維10
0%の紡績糸のみならず、綿、絹、羊毛などの天然繊維
或いはレイヨン、アセテート繊維などの半合成繊維と混
紡して作られた糸でもよい。またポリエステル繊維を含
む紡績糸と、上記天然繊維、半合成繊維の紡績糸との交
織品又は交編品でもよい。
【0020】この布帛を90〜100℃のアルカリ水溶
液に布帛を接触させる。布帛のアルカリ水溶液への接触
方法には、布帛を広げた状態でアルカリ水溶液に浸漬し
て2本のマングルで脱液する連続法や、布帛を浸染機に
入れて布帛の両端を縫い合わせた後、布帛をアルカリ水
溶液中に循環して浸漬するバッチ法がある。アルカリ水
溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウ
ムオキサイド等の水溶液が挙げられ、特に水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムの水溶液が好ましく用いられる。
アルカリ水溶液の濃度は、アルカリ化合物の種類、処理
条件等により異なるが、1〜10重量%が好ましい。ア
ルカリ水溶液は90〜100℃に維持される。好ましく
は95〜100℃である。また、アルカリ水溶液と布帛
との接触時間はアルカリ減量率が3〜20%になるよう
に設定する。このアルカリ処理により、ポリエステル繊
維表面に存在するシリカ粉末が溶出し、繊維表面に微細
なボイドが形成される。このボイドが形成された布帛を
染色すると、繊維の屈折率が高まり、深みのある色が得
られる。また繊維表面のボイドにより布帛の硬さ及びぬ
めり感が解消される。
【0021】本発明のポリエステルフィルムは次の方法
で製造される。先ずポリエステル繊維の製造と同様のエ
ステル化反応を行ってポリエステルポリマーを生成す
る。次に生成したポリエステルポリマーをチップ状に加
工し、このチップを加熱して溶融し、溶融物を冷却回転
急冷ドラム上で押出しすることによりポリエステルフィ
ルムを得る。このポリエステルフィルムは厚さが厚い未
延伸フィルムであるため、フィルムを更に延伸する。例
えば、最初は押出し方向に、次いで押出し方向とは直角
方向に約100℃で延伸する。次に約210℃で3秒間
熱処理することにより、二軸延伸フィルムが得られる。
このようにして得られたポリエステルフィルムは、シリ
カ粉末をフィルム表面に含有するため、耐摩擦性、易滑
性及び耐擦傷性に優れる。また5μm以上のシリカ粉末
凝集物が存在しないため、磁気テープフィルムにした場
合に耐スクラッチ性が良好になり、電磁変換特性を低下
させず、ドロップアウトを引起さない。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>図1に示す装置を用いて塩化アルミニウム
水溶液を超音波噴霧してエーロゾルを生成し、四塩化ケ
イ素と酸素と水素が混合されたガス混合物と上記エーロ
ゾルとを均一に混合し、ガス混合物とエーロゾルの混合
物(SiCl4+H2+O2+AlCl3+H2O)を火炎
加水分解することにより酸化アルミニウムを0.16重
量%ドープした平均粒径が約25nmのシリカ粉末(以
下、このシリカ粉末をAlドープ品という。)を製造し
た。
【0023】<比較例1>図1に示す装置を用いて火炎
加水分解法によりシリカ粉末を製造した。この例ではエ
ーロゾル発生器を使用せず、原料ガス混合物として(S
iCl4+H2+O 2+AlCl3)を火炎加水分解するこ
とにより、酸化アルミニウム含有量が1.01重量%
で、平均粒径が約30nmのシリカ粉末(以下、このシ
リカ粉末をAerosilMOX80という。)を製造した。 <比較例2>図1に示す装置を用いて火炎加水分解法に
よりシリカ粉末を製造した。この例ではエーロゾル発生
器を使用せず、原料ガス混合物(SiCl4+H2
2)を火炎加水分解することにより平均粒径が約40
nmのシリカ粉末(以下、このシリカ粉末をAerosilO
X50という。)を製造した。実施例1、比較例1及び
比較例2の各シリカ粉末の主な特性を表1にそれぞれ示
す。
【0024】
【表1】
【0025】(a) 1,2エタンジオール(エチレング
リコール)分散液の粘度 1,2エタンジオール(エチレングリコール)を撹拌し
ながら、これら3種類のシリカ粉末を1,2エタンジオ
ール(エチレングリコール)100重量部に対し10重
量部、30重量部及び50重量部の割合で添加すること
により、それぞれ9.1重量%分散液、23重量%分散
液、33重量%分散液を調製した。各分散液の粘度測定
結果を図2にそれぞれ示す。図2より明らかなように、
比較例1のAerosilMOX80の23重量%分散液は粘
度が急激に上昇したため、測定をすることができなかっ
た。同様に比較例2のAerosilOX50の33重量%分
散液は粘度が急上昇して測定できなかった。これに対し
て実施例1のAlドープ品の分散液はシリカ粉末の添加
量が増加するにつれて粘度が緩やかに上昇したが、どの
濃度でもシリカ粉末は1,2エタンジオール(エチレン
グリコール)に極めて容易に分散した。このため、実施
例1のAlドープ品についてのみ1,2エタンジオール
100重量部に対し60重量部の割合で添加した37.
5重量%分散液を調製し、同様にこの分散液の粘度を測
定した。この結果を図2に示す。図2から明らかなよう
に、実施例1のAlドープ品の粘度は37.5重量%分
散液でも低かった。
【0026】(b) 還流前の1,2エタンジオール(エ
チレングリコール)分散液中のシリカ粉末の粒度分布 次に、レーザ回折粒度分布測定装置を用いて、実施例
1、比較例1及び比較例2のシリカ粉末が23重量%分
散した分散液中の常温におけるシリカ粉末の粒度分布を
測定した。その結果を図3に示す。図3から明らかなよ
うに、実施例1のAlドープ品は、分散液中で0.14
μmにピークを有する粒径0.08〜0.4μmの微細
な粉末を主成分として、7〜30μmの大径の粉末が少
量共存していた。一方、比較例1のAerosilMOX80
(16.7重量%分散液)は、分散液中で0.28μm
にピークを有する粒径0.09〜0.6μmの微細な粉
末を主成分として、10〜60μmの大径の粉末が少量
共存していた。また比較例2のAerosilOX50は、分
散液中で0.21μmにピークを有する粒径0.1〜
0.8μmの微細な粉末を主成分として、7〜30μm
の大径の粉末が少量共存していた。
【0027】(c) 1,2エタンジオール(エチレング
リコール)分散液のフィルタ通過性 次に、実施例1のAlドープ品を分散した23重量%分
散液を目開き5μmのメッシュを有するフィルターで濾
過したところ、上述した7〜30μmの粗粒子部分を容
易に濾別することができた。濾過歩留まりは98%であ
った。同様に、比較例1のAerosilMOX80及び比較
例2のAerosilOX50の23重量%分散液を同じフィ
ルタで濾過したところ、上述した10〜60μmの粗粒
子部分及び7〜30μmの粗粒子部分をそれぞれ濾別す
ることができたが、前者においては液の流動性が悪く、
濾過に長時間を要した。
【0028】(d) 還流後の1,2エタンジオール(エ
チレングリコール)分散液中のシリカ粉末の粒度分布 次に、濾過した実施例1のAlドープ品の23重量%分
散液をリフラックスコンデンサを備えた容器に入れて、
195〜200℃に加熱し、2時間還流した。同様に比
較例1のAerosilMOX80及び比較例2のAerosilOX
50をそれぞれ分散した前記分散液を同様に加熱還流し
た。還流後の実施例1、比較例1及び比較例2の各分散
液をレーザー回折粒度分布測定装置を用いて、常温にお
ける粒度分布を測定した。実施例1のAlドープ品の還
流後の粒度分布曲線を図4に、比較例1のAerosilMO
X80及び比較例2のAerosilOX50を図5及び図6
にそれぞれ示す。図4〜図6において、実線は還流前、
破線は還流後の粒度分布を示す。図5及び図6に見られ
る通り、主成分の粒径ピーク値が還流前後でAerosilM
OX80が0.28μmから0.7μmへ、AerosilO
X50が0.21μmから0.4μmへそれぞれ移動し
ており、還流によりシリカ粉末が凝集していることが判
る。これに対して、図4から明らかなように、実施例1
のAlドープ品は加熱還流により凝集を起こさず、分散
液中で0.14μmにピークを有する粒径0.08〜
0.4μmの粒子を主成分として、7〜30μmの粗粒
子が少量共存している。還流後(図4破線)の粒度分布
曲線は還流前のそれ(図4実線)と殆ど変化しなかっ
た。
【0029】<実施例2>実施例1のAlドープ品を分
散した20重量%分散液を用意した。先ず、この原料分
散液をテレフタル酸と、原料分散液とテレフタル酸のモ
ル比が1.2:1となるように混合し、得られた混合物
をエステル化反応槽に入れ、加圧下、260℃の温度に
てエステル化反応させた。得られたエステル化物は平均
孔径5μmフィルターを容易に通過し、凝集物は極めて
少なかった。次いで重合触媒にSb 23を用いて、28
5℃で縮重合を行いポリエステルポリマーを得た。次に
ポリエステルポリマーをチップ化し、無機微粒子を含ま
ないポリマーチップとブレンドしてAlドープ品を0.
25重量%含有するポリエステルポリマーを調製した。
次に調製したポリエステルポリマーを溶融紡糸し、定法
に従って延伸を行い延伸ポリエステル繊維を得た。
【0030】<実施例3>1,2エタンジオール(エチ
レングリコール)の代りに1,3プロパンジオール(ト
リメチレングリコール)を用いてAlドープ品の20重
量%分散液を用意した。実施例2と同様に延伸ポリエス
テル繊維を得た。 <実施例4>1,2エタンジオール(エチレングリコー
ル)の代りに1,4ブタンジオール(テトラメチレング
リコール)を用いてAlドープ品の20重量%分散液を
用意した。実施例2と同様に延伸ポリエステル繊維を得
た。 <実施例5>1,2エタンジオール(エチレングリコー
ル)の代りに1,6ヘキサンジオール(ヘキサメチレン
グリコール)を用いてAlドープ品の20重量%分散液
を用意した。実施例2と同様に延伸ポリエステル繊維を
得た。
【0031】実施例2〜5において得られた延伸ポリエ
ステル繊維からポリエステル糸を作る工程(製糸工程)
はすべて安定しており、糸切れなどの不具合は全く見ら
れなかった。実施例2〜5のポリエステル糸を加工して
得た3種類の織物を温度95℃に維持した4重量%の水
酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルカリ減量を行った
後、染色試験に供した。分散染料にて染色した3種類の
織物はすべて独特の深色性を有し、かつ硬さとぬめり感
が消えた良好な風合いを示した。
【0032】<比較例3>比較例1で平均孔径5μmの
フィルターを通過させたAerosilMOX80の16.7
重量%分散液を用いて実施例2と同様の条件でエステル
化反応を行ったところ、著しく凝集して濾過は不可能で
あった。 <比較例4>比較例2のAerosilOX50を分散した分
散液を用いたエステル化試験を16.7重量%分散液で
試みたが、凝集が激しく濾過は不可能であった。
【0033】<実施例6>テレフタル酸87重量部と
1,2エタンジオール(エチレングリコール)65重量
部(エチレングリコール/テレフタル酸モル比=2.
0)とを常圧下220℃で反応させてエステル化反応を
行った。エステル化率が94%に達した段階で、このオ
リゴマー132重量部(ポリエステル100重量部に相
当)に対し、実施例1で調製した平均孔径5μmフィル
ターを通過させた20重量%のAlドープ品を分散した
1,2エタンジオール(エチレングリコール)を10重
量部添加した。続いて重合触媒にSb23を用いて、2
20〜285℃まで昇温しつつ減圧し、引き続き285
℃、1mmHgの条件下で縮重合反応を行いポリエステ
ルポリマーを得た。得られたポリエステルポリマーを乾
燥後、290℃で冷却回転急冷ドラムに溶融押出しして
無定型シートとした後、縦方向に3.5倍、横方向に
4.3倍それぞれ延伸し、厚さ15μmの二軸延伸ポリ
エステルフィルムを得た。
【0034】<実施例7>1,2エタンジオール(エチ
レングリコール)の代りに1,3プロパンジオール(ト
リメチレングリコール)を用い、実施例6と同様にして
厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。 <実施例8>1,2エタンジオール(エチレングリコー
ル)の代りに1,4ブタンジオール(テトラメチレング
リコール)を用い、実施例6と同様にして厚さ15μm
の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。 <実施例9>1,2エタンジオール(エチレングリコー
ル)の代りに1,6ヘキサンジオール(ヘキサメチレン
グリコール)を用い、実施例6と同様にして厚さ15μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0035】実施例6〜9において、それぞれの二軸延
伸ポリエステルフィルム中の粒子の分散状態を顕微鏡で
観察したところ、粒径が10μmを越える凝集物は10
0cm2当たりに10個未満で、分散は極めて良好であ
ることが確かめられた。次に、実施例6〜9のフィルム
をそれぞれ幅1/2インチのテープ状にスリットし、高
速型テープ走行試験機を用いて金属ガイド上を繰返し走
行させ、耐スクラッチ性を試験した。金属ガイド径は6
mmφ、材質はSUS(表面粗度0.2S)、巻付け角
は180°とし、走行速度1000m/分、走行回数5
0パスで走行させた後、フィルムに入った傷を顕微鏡で
観察した結果、実施例6〜9のすべてのフィルムには殆
ど傷が見られず、耐スクラッチ性に優れていることが確
かめられた。更に、JIS K 7105及びJIS K
6714に準じ、積分式HTRメーターにより求めたフ
ィルムのヘーズ値はすべて0.2%で、透明性も良好で
あることが確かめられた。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、塩
化アルミニウムの水溶液又は分散液をエーロゾル化し、
塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が混合されたガス
混合物とエーロゾルとを均一に混合し、ガス混合物とエ
ーロゾルの混合物を火炎加水分解することにより酸化ア
ルミニウムを0.05〜1.0重量%ドープした平均粒
径5〜50nmのシリカ粉末を添加することにより、分
散液中における分散性が向上する。グリコールに上記シ
リカ粉末をグリコール100重量部に対し1〜60重量
部を添加して均一に分散させた後、分散液中に含まれる
粒径5μmを越える粗粒子をフィルタにより除去して得
られた原料分散液とテレフタル酸等と混合してエステル
化反応させたときにシリカ粉末の熱ショック及び酸ショ
ックによる凝集物を殆ど生じさせない。その結果、ポリ
エステル繊維では製糸工程、製織工程、製編工程で糸切
れを起こしにくく、深みのある色にポリエステル布帛を
染色しかつ良好な風合いを得ることができる。また、ポ
リエステルフィルムではフィルム表面にシリカ粉末を有
するため、耐摩擦性、易滑性及び耐擦傷性に優れ、かつ
磁気テープフィルムにした場合に耐スクラッチ性が向上
し、電磁変換特性を低下させず、ドロップアウトを引起
さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル製造用原料分散液に分散
しているシリカ粉末の製造プロセスを示す図。
【図2】実施例1、比較例1及び比較例2の各分散液に
おけるシリカ粉末の混合割合と粘度の関係を示す図。
【図3】実施例1、比較例1及び比較例2のシリカ粉末
を分散した分散液中のシリカ粉末の粒度分布曲線を示す
図。
【図4】実施例1の1,2エタンジオール(エチレング
リコール)分散液に分散しているAlドープ品の還流前
後の粒度分布曲線を示す図。
【図5】比較例1の1,2エタンジオール(エチレング
リコール)分散液に分散しているAerosilMOX80の
還流前後の粒度分布曲線を示す図。
【図6】比較例2の1,2エタンジオール(エチレング
リコール)分散液に分散しているAerosilOX50の還
流前後の粒度分布曲線を示す図。
【符号の説明】
1 バーナー 2 中央管 3 ノズル 4 環状ノズル 5 軸流管 6 エーロゾル発生器 7 加熱帯域 8 燃焼室 9 火炎管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/92 301 D01F 6/92 301M 4L035 302 302 D06P 3/52 D06P 3/52 (72)発明者 落合 満 東京都新宿区西新宿2丁目3番1号 日本 アエロジル株式会社内 (72)発明者 ヘルムート マンゴルト ドイツ連邦共和国 ローデンバッハ イン デア ガルテル 2 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AB26 AE12 AH14 AH19 BB06 BB07 BC01 4G072 AA25 DD07 HH04 HH08 JJ28 RR05 TT01 UU09 4H057 AA02 BA08 DA01 DA17 4J002 CF051 DJ016 FB076 GK01 4J029 AA03 AB04 AE02 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 CB06A JA293 KB04 KB17 KB24 KE03 KE10 4L035 AA04 BB31 EE20 JJ05 KK01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコールに平均粒径5〜50nmのシ
    リカ粉末を前記グリコール100重量部に対し1〜60
    重量部を均一に分散したポリエステル製造用原料分散液
    であって、 テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルと混合して加圧
    下、200〜300℃の温度でエステル化反応させるこ
    とによりポリエステルポリマーを製造し、前記ポリエス
    テルポリマーからポリエステル繊維又はポリエステルフ
    ィルムを製造したときに前記ポリエステル繊維又はポリ
    エステルフィルムに含まれるシリカ粉末凝集物の粒径が
    5μm未満であることを特徴とするポリエステル製造用
    原料分散液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル製造用原料
    分散液に分散している低凝集性のシリカ粉末。
  3. 【請求項3】 塩化アルミニウムの水溶液又は分散液を
    エーロゾル化し、 塩化ケイ素又はシラン類と酸素と水素が混合されたガス
    混合物と前記エーロゾルとを均一に混合し、 前記ガス混合物と前記エーロゾルの混合物を火炎加水分
    解することにより酸化アルミニウムを0.05〜1.0
    重量%ドープした平均粒径5〜50nmのシリカ粉末を
    形成し、 グリコールに前記シリカ粉末を前記グリコール100重
    量部に対し1〜60重量部を添加して均一に分散させた
    後、 前記分散液中に含まれる粒径5μmを越える粗粒子をフ
    ィルタにより除去することを特徴とするポリエステル製
    造用原料分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のポリエステル製造用原料
    分散液とテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとを混
    合するとともに撹拌してスラリーを形成し、 前記スラリーを加圧下、200〜300℃の条件下で2
    〜3時間維持してグリコールと前記テレフタル酸又はテ
    レフタル酸ジメチルとのエステル化反応を行ってポリエ
    ステルポリマーを生成し、 前記ポリマーから作られたチップを溶融紡糸してポリエ
    ステル繊維を製造するポリエステル繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法により製造されたポ
    リエステル繊維。
  6. 【請求項6】 ポリエステル繊維を用いて作られた布帛
    を染色する方法において、 前記ポリエステル繊維が請求項4記載の方法により製造
    され、90〜100℃のアルカリ水溶液に前記布帛を接
    触させて前記布帛を構成する前記ポリエステル繊維表面
    に存在するシリカ粉末を溶出させた後、前記布帛を染色
    するポリエステル布帛の染色方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリエステル製造用原料
    分散液とテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとを混
    合するとともに撹拌してスラリーを形成し、 前記スラリーを加圧下、200〜300℃の条件下で2
    〜3時間維持してグリコールと前記テレフタル酸又はテ
    レフタル酸ジメチルとのエステル化反応を行ってポリエ
    ステルポリマーを生成し、 前記ポリマーから作られたチップを溶融した後、前記溶
    融物をシート状に押出し延伸してポリエステルフィルム
    を製造するポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法により製造されたポ
    リエステルフィルム。
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