JP2002080539A - シクロペンタジエン系ランダム共重合体およびその製造方法 - Google Patents

シクロペンタジエン系ランダム共重合体およびその製造方法

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JP2002080539A JP2000276636A JP2000276636A JP2002080539A JP 2002080539 A JP2002080539 A JP 2002080539A JP 2000276636 A JP2000276636 A JP 2000276636A JP 2000276636 A JP2000276636 A JP 2000276636A JP 2002080539 A JP2002080539 A JP 2002080539A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布が狭く、高分子量のシクロペンタ
ジエン系ランダム共重合体を得る。 【解決手段】 (a)カチオン重合性モノマーのプロト
ン酸付加体と(b)ルイス酸からなる触媒を用いて、シ
クロペンタジエン系モノマーとシクロペンタジエン系モ
ノマー以外のカチオン重合性モノマーを共重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子量分布が狭い
高分子量のシクロペンタジエン系ランダム共重合体とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエン等のシクロペンタジ
エン系モノマーの重合体は、高分子化学,27巻,97
〜109(1970)に記載のように、ハロゲン化金属
等のルイス酸等を触媒とした、同モノマーのカチオン重
合によって合成されている。シクロペンタジエン重合体
に関しては、モノマーの1,2−付加単位と1,4−付
加単位からなる重合体である。しかし、重合反応におけ
る活性種はカルボニウムイオンであり、その反応性のコ
ントロールが難しいため、分子量が制御された高分子量
重合体は存在せず、シクロペンタジエン系モノマーと他
のモノマーとの分子量分布の狭い高分子量ランダム共重
合体に関する報告もなかった。
【0003】一方、Catalysis in Pre
cision Polymerization,Cha
pter 7,Wiley,New York,199
7に記載のように、プロトン酸とルイス酸からなる触媒
等を用いたカチオン重合で、構造が制御された重合体が
得られることが知られている。しかし、これらはビニル
エーテル、イソブテン、スチレン系モノマーおよびN−
ビニルカルバゾール等のモノマーの重合体であり、シク
ロペンタジエン系重合体およびシクロペンタジエン系ラ
ンダム共重合体に関しては報告がなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、分子量分布の狭い、高分子量のシクロペンタジエン
系ランダム共重合体を提供すると共に、その製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的に
対して鋭意検討した結果、見出されたものである。すな
わち、(I)下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は各々独立して水素原子また
は炭素数1〜50の炭化水素基である。)で表されるシ
クロペンタジエン系モノマーから誘導される少なくとも
1種の繰り返し単位と、(II)シクロペンタジエン系
モノマー以外のカチオン重合性モノマーから誘導される
少なくとも1種の繰り返し単位を含有し、(A)繰り返
し単位(I)の含有量が0.5mol%以上99.5m
ol%以下であり、(B)数平均分子量(Mn)が1×
103以上1×106以下であり、(C)重量平均分子量
(Mw)とMnとの比(Mw/Mn)が1.0以上2.0以
下であることを特徴とするシクロペンタジエン系ランダ
ム共重合体を提供するものである。さらに、本発明は、
その重合体の製造方法を提供するものである。
【0008】本発明におけるシクロペンタジエン系モノ
マーは、一般式(1)で表される化合物であり、シクロ
ペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メ
チルシクロペンタジエン、1−エチルシクロペンタジエ
ン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロ
ペンタジエン、1,2−ジメチルシクロペンタジエン、
1,3−ジメチルシクロペンタジエン、2,3−ジメチ
ルシクロペンタジエン、3−エチル−1−メチルシクロ
ペンタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペンタ
ジエン、5,5−ジメチルシクロペンタジエン等を例示
することができる。
【0009】また、上記シクロペンタジエン系モノマー
は2種類以上混合して用いることもできる。
【0010】本発明におけるシクロペンタジエン系ラン
ダム共重合体の繰り返し単位(I)の含有量は0.5m
ol%以上99.5mol%以下であるが、好ましくは
1.0mol%以上99.0mol%以下である。さら
に好ましくは2.0mol%以上98.0mol%以下
である。
【0011】本発明におけるMn、MwおよびMw/M
nは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)で測定された値であり、分子量既知のポリス
チレン試料で校正された値である。
【0012】本発明におけるシクロペンタジエン系ラン
ダム共重合体のMnは1×103以上1×106以下であ
るが、好ましくは2×103以上1×106以下である。
さらに好ましくは3×103以上1×106以下である。
【0013】本発明におけるシクロペンタジエン系ラン
ダム共重合体のMw/Mnは1.0以上2.0以下である
が、好ましくは1.0以上1.7以下である。さらに好
ましくは1.0以上1.5以下である。
【0014】本発明において、繰り返し単位(I)が、
シクロペンタジエンから誘導される繰り返し単位である
場合は、前記(A)、(B)および(C)以外に、
(D)繰り返し単位(I)の脂肪族プロトン量に対する
オレフィンプロトン量の比が45%以上50%以下であ
り、(E)繰り返し単位(I)の20mol%以上10
0mol%以下は、1,2−付加単位であることを特徴
とすることが好ましい。
【0015】本発明における脂肪族プロトン量に対する
オレフィンプロトン量の比{[H(不飽和)/H(飽
和)]%}は、高分子化学,27巻,97〜109(1
970)に記載の方法に従い、重合体のプロトン核磁気
共鳴分光法(1H−NMR)によって得られたピーク積
分比を下記式(3)に代入して算出した値である。
【0016】 [H(不飽和)/H(飽和)]%=W/(X+Y+Z)×100 (3) (式中、Xは1,4−付加単位のメチレンプロトンに対
応するピークの積分比であり、Yは1,2−付加単位の
メチレンプロトンに対応するピークの積分比であり、Z
は1,4−付加単位のメチンプロトンおよび1,2−付
加単位のメチンプロトンに対応するピークの積分比であ
り、Wは1,4−付加単位のオレフィンプロトンおよび
1,2−付加単位のオレフィンプロトンに対応するピー
クの積分比である。) また、1,2−付加単位の量{[1,2−付加単位]m
ol%}は、前記文献に記載の方法に従い、1H−NM
Rによって得られたピーク積分比を下記式(4)または
(5)に代入して2つの方法で算出した値である。
【0017】 方法1: [1,2−付加単位]mol%=(Y+Z−X)/(X+Y+Z)×100 (4) 方法2: [1,2−付加単位]mol%=(1−X/W)×100 (5) 本発明における繰り返し単位(II)を誘導するカチオ
ン重合性モノマーは、シクロペンタジエン系モノマー以
外の、カチオン重合が可能なモノマーであれば何れのモ
ノマーであっても用いることができるが、好ましくは、
一般式(2)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R2は炭素数1〜50の炭化水素
基、またはハロゲン原子、酸素原子もしくは窒素原子を
含有する炭素数1〜50の炭化水素基である。)で表さ
れるビニルエーテル系モノマーを用いることができる。
【0020】一般式(2)で表されるビニルエーテル系
モノマーとしては、n−ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、イ
ソオクチルビニルエーテル、n−ヘキサデシルビニルエ
ーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−アセト
キシエチルビニルエーテル、2−ベンゾイルオキシエチ
ルビニルエーテル、2−(tert−ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチルビニルエーテル、2−(トリメチル
シリルオキシ)エチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ
エチルビニルエーテルを例示することができる。
【0021】また、上記ビニルエーテル系モノマーは2
種類以上混合して用いることもできる。
【0022】本発明において、上記シクロペンタジエン
系ランダム共重合体は、(a)カチオン重合性モノマー
のプロトン酸付加体と(b)ルイス酸からなる触媒を用
いて、一般式(1)で表されるシクロペンタジエン系モ
ノマーとシクロペンタジエン系モノマー以外のカチオン
重合性モノマーを共重合することによって製造される。
【0023】本発明における成分(a)は、カチオン重
合性モノマーとプロトン酸との反応生成物である。
【0024】ここで、成分(a)を得るためのカチオン
重合性モノマーは、カチオン重合が可能なモノマーであ
り、前記シクロペンタジエン系モノマー、前記ビニルエ
ーテル系モノマーまたはスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
クロロスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン系モノ
マーを例示することができる。また、これらは2種類以
上混合して用いることもできる。
【0025】成分(a)を得るためのプロトン酸として
は、塩化水素、フッ化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫
酸、酢酸、メチルスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメチルスルホン酸または過塩
素酸を例示することができる。また、これらは2種類以
上混合して用いることもできる。
【0026】本発明における成分(b)のルイス酸とし
ては、四塩化錫、四臭化錫、四塩化チタン、四臭化チタ
ン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、
臭化亜鉛、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、エチルアル
ミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、イソプロポキシチタントリクロライド、ジイソプロ
ポキシチタンジクロライド、フェノキシチタントリクロ
ライド、ジフェノキシチタンジクロライド、ビス(2,
6−ジクロロフェノキシ)チタンジクロライド、ビス
(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)チタンジクロラ
イドを例示することができる。これらは2種類以上混合
して用いることもできる。
【0027】さらに、本発明のシクロペンタジエン系ラ
ンダム重合体は、分子量をより制御することを目的に、
上記成分(a)と成分(b)からなる触媒にさらに
(c)ルイス塩基および/または塩類を加えて、一般式
(1)で表されるシクロペンタジエン系モノマーとシク
ロペンタジエン系モノマー以外のカチオン重合性モノマ
ーを共重合することが好ましい。
【0028】成分(c)に用いられるルイス塩基として
は、酢酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチル等のエス
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル等のエーテル、2,6−ジメチルピリジン、2,
4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジ−tert−
ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルピリジン等のピリジン誘導体、ジメチルスルフィ
ド、テトラヒドロチオフェン等のスルフィド、1−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、
1−ブチルイミダゾール、ジメチルスルフォキシドを例
示することができる。
【0029】成分(c)の塩類としては、テトラブチル
アンモニウムクロライド、過塩素酸テトラブチルアンモ
ニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウ
ム、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム等
のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホ
ニウムクロライド、酢酸テトラブチルホスホニウム等の
テトラアルキルホスホニウム塩、トリフェニルメチルク
ロライドを例示することができる。
【0030】本発明における重合は、溶媒中で、成分
(a)と成分(b)からなる触媒または成分(a)と成
分(b)と成分(c)からなる触媒と、一般式(1)で
表されるシクロペンタジエン系モノマーとシクロペンタ
ジエン系モノマー以外のカチオン重合性モノマーを接触
させることにより行うが、その接触方法については特に
限定はない。
【0031】重合溶媒としては、一般に用いられる有機
溶剤であればいずれでもよく、具体的には、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、プロパン、ブ
タン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエ
タン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−ト
リクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素を例示することができる。また、こ
れらは2種類以上混合して用いることもできる。
【0032】重合溶媒の使用量は特に限定はないが、モ
ノマー濃度が1×10-6mol/l〜10mol/lの
範囲になる量を用いることができる。
【0033】成分(a)の使用量は特に制限はないが、
モノマー1mol当たり1×10-5mol〜1mol、
好ましくは1×10-4mol〜0.5molの範囲であ
る。
【0034】成分(b)の使用量についても特に制限は
ないが、成分(a)1mol当たり1×10-1mol〜
1×104mol、好ましくは5×10-1mol〜1×
103molの範囲である。
【0035】成分(c)の使用量についても特に制限は
ないが、成分(a)1mol当たり0mol〜1×10
3mol、好ましくは1×10-4mol〜1×103mo
l、さらに好ましくは1×10-3mol〜1×102
olの範囲である。
【0036】重合温度は特に制限はないが、−200℃
〜300℃、好ましくは−100℃〜200℃の範囲で
ある。
【0037】本発明のシクロペンタジエン系ランダム共
重合体は、公知の方法により水素添加して用いることが
できる。1,4−付加単位あるいは1,2−付加単位が
高度に制御されたシクロペンタジエン系ランダム共重合
体の水素添加物は、耐熱性に優れ、各種成形材料に用い
ることができる。
【0038】また、本発明のシクロペンタジエン系ラン
ダム共重合体は、カチオン重合性モノマーとのブロック
共重合に用いることもできる。
【0039】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】モノマーの精製、重合溶媒の精製および重
合反応は、全て乾燥窒素雰囲気下で行った。また、重合
反応に用いた溶媒は、全て予め公知の方法で脱酸素、乾
燥、精製を行ったものを用いた。シクロペンタジエン
は、ジシクロペンタジエンを160℃で熱分解し、−7
8℃で捕集した後、使用直前に水素化カルシウム上で蒸
留し、再度−78℃で捕集した。2−クロロエチルビニ
ルエーテルは、丸善化学(株)製(99%)を10%水
酸化ナトリウム水溶液および水で洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで一昼夜乾燥し、使用直前に水素化カルシウ
ム上で2回減圧蒸留した。2−クロロエチルビニルエー
テルの塩化水素付加体は、Macromolecule
s,27,1093−1098(1994)に記載の方
法により合成、同定したものを用いた。四塩化錫は、ア
ルドリッチ製をそのまま用いた。テトラブチルアンモニ
ウムクロライドは、東京化成工業(株)製をそのまま用
いた。
【0041】また、実施例におけるモノマー転化率は、
内部標準として四塩化炭素を用いたガスクロマトグラフ
ィーで測定した残存モノマー量から決定した。
【0042】ガスクロマトグラフィーの方法としては、
装置として島津製作所(株)製 GC8Aを用い、カラ
ムとしてはPEG1500を用い、キャリアガスとして
はヘリウムを用いた。インジェクション温度は120
℃、カラム温度は80℃に設定した。
【0043】さらに、実施例において得られたランダム
共重合体の構造評価は、以下に示す方法で行った。
【0044】ランダム共重合体中のシクロペンタジエン
から誘導される繰り返し単位の含有量は、各モノマーの
転化率から算出した。
【0045】数平均分子量(Mn)、重量平均分子量
(Mw)およびMwとMnの比(Mw/Mn)は、ゲル・パ
ーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によっ
て測定した。GPC装置としてJasco製 PU−9
80とJasco製 930−RIを用い、カラムとし
てはShodex製 K−805Lを3本用い、溶離液
としてクロロホルムを用い、カラム温度を40℃に設定
して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリ
ブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料
(Mn=580〜1,547,000の範囲、Mw/Mn
≦1.1)を用いて校正されている。
【0046】ランダム共重合体の1H−NMR測定は、
装置としてJEOL製 LNM−LA500を用い、測
定溶媒としては重水素化クロロホルムを用い、室温で行
った。
【0047】実施例1 ガラス容器に、シクロペンタジエン0.165ml
(2.0mmol)と2−クロロエチルビニルエーテル
0.20ml(2.0mmol)と四塩化炭素0.2
0mlを含む塩化メチレン溶液3.2mlを入れ、−7
8℃に冷却した後、2−クロロエチルビニルエーテルの
塩化水素付加体 2.86mg(20μmol)を含む
塩化メチレン溶液0.4mlを加え、続いて四塩化錫1
0.42mg(40μmol)とテトラブチルアンモニ
ウムクロライド10.01mg(36μmol)を含む
塩化メチレン溶液0.4mlを添加して重合を開始し
た。重合開始時のシクロペンタジエン濃度は500mm
ol/lであり、2−クロロエチルビニルエーテル濃度
は500mmol/lであり、2−クロロエチルビニル
エーテルの塩化水素付加体濃度は5.0mmol/lで
あり、四塩化錫濃度は10mmol/lであり、テトラ
ブチルアンモニウムクロライド濃度は9.0mmol/
lであった。−78℃で7秒間攪拌した後、反応溶液の
一部にアンモニアを含むメチルアルコールを添加し、重
合を停止した。シクロペンタジエンの転化率は41%で
あった。2−クロロエチルビニルエーテルの転化率は5
0%であった。得られた反応混合物を希塩酸で洗浄した
後、水酸化ナトリウム水溶液および水で洗浄し、触媒残
差を除去した。得られた固体を減圧下で乾燥し、重合体
を得た。
【0048】得られた共重合体のシクロペンタジエンか
ら誘導される繰り返し単位の含有量は45.1mol%
であった。
【0049】得られた共重合体のGPCチャートを図1
中の(a)に示す。
【0050】得られた共重合体のMnおよびMw/Mn
以下の通りであった。
【0051】Mn=4,200 Mw/Mn=1.32 また、得られた共重合体の1H−NMRスペクトルチャ
ートを図2に示す。シクロペンタジエン単独重合体と2
−クロロエチルビニルエーテル単独重合体のブレンドの
1H−NMR(図3)、およびシクロペンタジエンと2
−クロロエチルビニルエーテルのブロック共重合体の1
H−NMR(図4)とも異なり、得られた重合体はラン
ダム共重合体であることを確認した。
【0052】実施例2 重合時間を3分間に変えたこと以外は、実施例1と同様
に重合を行なった。シクロペンタジエンの転化率は64
%であった。2−クロロエチルビニルエーテルの転化率
は67%であった。
【0053】得られたランダム共重合体のシクロペンタ
ジエンから誘導される繰り返し単位の含有量は48.9
mol%であった。
【0054】得られたランダム共重合体のGPCチャー
トを図1中の(b)に示す。
【0055】得られたランダム共重合体のMnおよびMw
/Mnは以下の通りであった。
【0056】Mn=8,100 Mw/Mn=1.31 実施例3 重合時間を10分間に変えたこと以外は、実施例1と同
様に重合を行なった。シクロペンタジエンの転化率は8
7%であった。2−クロロエチルビニルエーテルの転化
率は83%であった。
【0057】得られたランダム共重合体のシクロペンタ
ジエンから誘導される繰り返し単位の含有量は51.2
mol%であった。
【0058】得られたランダム共重合体のGPCチャー
トを図1中の(c)に示す。
【0059】得られたランダム共重合体のMnおよびMw
/Mnは以下の通りであった。
【0060】Mn=12,300Mw/Mn=1.43
【0061】
【発明の効果】本発明のシクロペンタジエン系ランダム
共重合体は、分子量分布の狭い高分子量体であり、成形
材料として用いた場合、高い耐熱性を示す。このシクロ
ペンタジエン系ランダム共重合体は、特定の触媒を用い
て合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1〜3で得られたランダム共重
合体のGPCチャートを示す。
【図2】 図2は実施例1で得られたランダム共重合体
1H−NMRスペクトルを示す。
【図3】 図3はシクロペンタジエン単独重合体と2−
クロロエチルビニルエーテル単独重合体のブレンドの1
H−NMRスペクトルを示す。
【図4】 図4はシクロペンタジエンと2−クロロエチ
ルビニルエーテルのブロック共重合体の1H−NMRス
ペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 BA02 DA05 DA07 DA33 EA05 EA06 EA09 4J100 AE02Q AE05Q AE09Q AE10Q AR17P BA10Q BA76Q BB01Q BC43Q CA04 DA01 DA04 DA22 FA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は各々独立して水素原子または炭素数1〜
    50の炭化水素基である。)で表されるシクロペンタジ
    エン系モノマーから誘導される少なくとも1種の繰り返
    し単位と、(II)シクロペンタジエン系モノマー以外
    のカチオン重合性モノマーから誘導される少なくとも1
    種の繰り返し単位を含有し、(A)繰り返し単位(I)
    の含有量が0.5mol%以上99.5mol%以下で
    あり、(B)数平均分子量(Mn)が1×103以上1×
    106以下であり、(C)重量平均分子量(Mw)とMn
    との比(Mw/Mn)が1.0以上2.0以下であること
    を特徴とするシクロペンタジエン系ランダム共重合体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のランダム共重合体におい
    て、(D)繰り返し単位(I)の脂肪族プロトン量に対
    するオレフィンプロトン量の比が45%以上50%以下
    であり、(E)繰り返し単位(I)の20mol%以上
    100mol%以下は、1,2−付加単位であることを
    特徴とするシクロペンタジエン系ランダム共重合体。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のシクロペンタジ
    エン系ランダム共重合体において、繰り返し単位(I
    I)が一般式(2) 【化2】 (式中、R2は炭素数1〜50の炭化水素基、またはハ
    ロゲン原子、酸素原子もしくは窒素原子を含有する炭素
    数1〜50の炭化水素基である。)で表されるカチオン
    重合性ビニルエーテル系モノマーから誘導される繰り返
    し単位であることを特徴とするシクロペンタジエン系ラ
    ンダム共重合体。
  4. 【請求項4】(a)カチオン重合性モノマーのプロトン
    酸付加体と(b)ルイス酸からなる触媒を用いて、シク
    ロペンタジエン系モノマーとシクロペンタジエン系モノ
    マー以外のカチオン重合性モノマーを共重合することを
    特徴とする請求項1〜3に記載のシクロペンタジエン系
    ランダム共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】(a)カチオン重合性モノマーのプロトン
    酸付加体と(b)ルイス酸と(c)ルイス塩基および/
    または塩類からなる触媒を用いて、シクロペンタジエン
    系モノマーとシクロペンタジエン系モノマー以外のカチ
    オン重合性モノマーを共重合することを特徴とする請求
    項1〜3に記載のシクロペンタジエン系ランダム共重合
    体の製造方法。
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