JP2002079743A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002079743A
JP2002079743A JP2000268512A JP2000268512A JP2002079743A JP 2002079743 A JP2002079743 A JP 2002079743A JP 2000268512 A JP2000268512 A JP 2000268512A JP 2000268512 A JP2000268512 A JP 2000268512A JP 2002079743 A JP2002079743 A JP 2002079743A
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Japan
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coating
recording sheet
water
receiving layer
ink jet
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JP2000268512A
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English (en)
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Yuichi Wakata
裕一 若田
Katsuki Suzuki
勝喜 鈴木
Mizuki Yamamoto
瑞木 山本
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録面の光沢性に優れ、高温高湿環境下でも
画像の経時滲みを生ずることのないインクジェット記録
用シートを提供する。また、ひび割れ等がなく強固で良
好なインク吸収性を備え、その形成画像が高い耐光性、
耐水性をも有するインクジェット記録用シートを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも水はゲル化させないが有機溶
媒をゲル化させることが可能な化合物を含むことを特徴
とするインクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク、油性
インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液
状化させた後、印画に供する固体状インクを用いるイン
クジェット記録に適した被記録材料に関し、詳しくは、
インク受容性能に優れ、かつ経時でのニジミの少ない記
録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発されている。これととも
に、それぞれの情報システムに適した記録方法および装
置も開発され、実用化されている。このような記録方法
の中で、インクジェット記録方法は、種々の記録材料に
記録できること、ハードが比較的安価であること、コン
パクトであること、さらに静粛性が高いこと等によっ
て、オフィスではもちろん、いわゆるホームユースにお
いても広く用いられてきている。また、近年のインクジ
ェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ラ
イクな高画質記録物を得ることが可能となってきた。そ
して、ハード(装置)の発展に伴い、インクジェット記
録用の記録シートも各種開発されてきている。
【0003】上記記録シートに要求される特性は一般的
に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大き
いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一である
こと(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好である
こと、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度
が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、
(8)長期間保存しても画像にニジミが生じないこと、
(9)記録シートの白色度が高いこと、(10)記録シ
ートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こ
さないこと)、(11)変形・寸法安定性が良好である
こと(カールが十分に小さいこと)、(12)ハード走
行性が良好であること等が挙げられる。さらに、いわゆ
る写真ライクな高画質記録物を得るために用いられるフ
ォト光沢紙の用途では、上記に付け加えて、光沢性、表
面の平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も
要求される。
【0004】インクジェット記録に用いられる記録用シ
ートとしては、例えば、特開昭55−51583号公
報、同55−144172号公報、同55−15039
5号公報、同56−148582号公報、同56−14
8583号公報、同56−148584号公報、同56
−148585号公報、同57−14091号公報、同
57−38185号公報、同57−129778号公
報、同57−129979号公報、同60−21908
4号公報、同60−245588号公報等に記載されて
いる、シリカ等の顔料と水溶性バインダーとを、紙また
はプラスチックフイルム等の支持体上に塗布したものが
知られている。しかしながら、これら提案された記録シ
ートにおいては、いずれも光沢性が非常に低く、フォト
光沢紙の用途としては不十分であった。
【0005】また、特開平2−276670号公報、同
3−215082号公報、同3−281383号公報、
同6−199035号公報等には、擬ベーマイトゾルと
水溶性バインダーとを用いた記録用シートが提案されて
いる。これらの記録シートは、光沢性の点である程度の
要求特性を満たすものではあるが、擬ベーマイト粒子の
製造コストが高い点、塗布液の調製が困難な点等の課題
が存在する。
【0006】さらに、特開平4−223190号公報で
は、硼砂または硼酸を0.1g/m 2以上塗工してなる
基紙に、5〜20g/m2の合成シリカ、およびポリビ
ニルアルコール(PVA)からなる記録層が設けられた
インクジェット記録用紙が提案されている。上記技術
は、単にバインダ含有量が少ない記録層の塗膜強度を向
上させることを目的としたものであり、光沢の点で劣る
ため、フォト光沢紙の用途としては不十分であった。
【0007】また、光沢性を得るために各種水溶性ポリ
マーを用いた記録材料が提案されている。例えば、特開
昭58−89391号公報、同58−134784号公
報、同58−134786号公報、同60−44386
号公報、同60−132785号公報、同60−145
879号公報、同60−168651号公報、同60−
171143号公報等に記載の、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、またはゼラチン等を紙また
はプラスチックフィルム等の支持体上に塗布したものが
知られている。これらの記録シートも光沢性の点では優
れるがインク速乾性の点で劣るため、フォト光沢紙の用
途としては不十分であった。
【0008】他方、特開平7−276789号公報、同
8−174992号公報、同11−115308号公
報、同11−192777号公報等では、上述のインク
ジェット記録用シートの要求特性、製造コストを満足す
るインクジェット記録用シートが提案されている。上記
特開平7−276789号公報では、無機顔料微粒子お
よび水溶性樹脂によって形成され、高い空隙率の三次元
構造を有する色材受容層が、支持体上に設けられた記録
用シートが提案されている。この構成によれば、上述の
インク吸収性が向上し、印画時の混色ニジミが十分に抑
制され、解像度の高い画像を得ることができるとされて
いる。この色材受容層は、一般に、小粒径の粒子を多量
に含有させて形成できるが、空隙が形成できるように層
形成のバインダー量を少なくする必要がある。このた
め、塗布層を急激に乾燥させるとひび割れが発生し、色
材受容層の透明性および外観が損なわれるといった欠点
があった。
【0009】インク受容層のひび割れを防止する方法と
して、特開平9−109545号公報では、塗布液のバ
インダーの粘度を比較的高くする方法が提案されている
が、この方法では、作業性の低下や塗布ムラが発生する
等のおそれがあり、実用上有効であるレベルには至って
いない。また、特開平7−76161号公報、同10−
119423号公報では、無機粒子、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、ホウ酸若しくはホウ酸塩からなる塗布
液を用いるひび割れ防止方法が開示されているが、この
方法の場合も、塗布液の粘度が上昇するため作業性の低
下が大きく、液の経時安定性にも問題があり、実用上有
効なレベルには至っていない。
【0010】上記特開平10−119423号公報、ま
たは同10−217601号公報等では、微細な無機顔
料粒子および水溶性樹脂を含有し、高い空隙率を持つ色
材受容層が支持体上に設けられたインクジェット記録用
シートが提案されている。上記各インクジェット記録用
シートは、その構成からインク吸収性に優れ、高解像度
の画像を形成しうる高いインク受容性能を有し、かつ高
光沢を示す。しかしながら、光沢性と風合いの観点か
ら、支持体としてその両側の表面にポリエチレン等の樹
脂コートが施された支持体を用いるため、色材受容層中
に含まれる高沸点溶媒が蒸発せず、また該溶媒が支持体
に吸収されない。このため、色材受容層中にそのまま高
沸点溶媒が残存し、印画後、高温高湿環境下に長時間保
存されると、色材受容層中で該溶媒が染料と共に拡散し
て、経時による画像のニジミ(以下、「経時ニジミ」と
いうことがある。)を生ずるという問題があった。
【0011】また、インクジェット記録用シートには、
インク中の染料成分を固定化する目的でアミノ基やアン
モニウム塩を有する化合物、特にこれらを有する高分子
化合物を添加することが広くおこなわれている。例え
ば、特開昭60−83882号公報、同64−7528
1号公報、同59−20696号公報等に記載されるジ
アリルアンモニウム塩誘導体の(共)重合体、特開昭6
1−61887号公報、同61−72581号公報等に
記載されるアリルアミン塩共重合体、特開平6−340
163号公報、同4−288283号公報、同9−30
0810号公報、同8−318672号公報、同10−
272830号公報、特開昭63−115780号公報
等に記載の、アンモニウム塩を有する(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリルアミド系(共)重合体、ビニル
ベンジルアンモニウム塩(共)重合体等のビニル(共)
重合体、特開平10−44588号公報等に記載の変性
ポリビニルアルコール(PVA)、特開平6−2342
68号公報、同11−277888等に記載のアミン・
エピクロルヒドリン重付加体、特開平10−11941
8号公報等に記載のジハライド・ジアミン重付加体、特
開平11−58934号公報、同11−28860号公
報等に記載のポリアミジンなど多くの化合物が用いられ
ている。これらの化合物を用いることで染料の固定化を
図り、ニジミの防止がなされている。
【0012】しかしながら、これらの化合物はいずれも
基本的に水溶性高分子であるため、水溶性染料を完全に
固定化することができず、特に高温高湿でのニジミ改良
はいまだ不充分である。また、印画後直ちにクリヤーフ
ァイル等に保管すると、インク中の水分や、インク中に
少量含有される高沸点溶媒(グリセリンやジエチレング
リコール誘導体等)が残存したままの状態にあるため、
やはり経時でのニジミが発生してしまう。
【0013】一方、特開昭57−36692号公報、特
開平10−180034号公報、同11−20302号
公報、同8−244336号公報等に記載のインクジェ
ット記録用シートのように、上述の化合物と同様にアミ
ノ基やアンモニウム塩を有するが、水不溶性である塩基
ラテックスを含有するインクジェット記録用シートが知
られている。これらのインクジェット記録用シートは、
上記疎水性のラテックスを用いることで耐水性の向上が
図られている。しかしながら、これら疎水性のラテック
スを用いたインクジェット記録用シートに十分な耐水性
を付与するためには上記疎水性のラテックスを大量に添
加する必要がある。その結果、画像耐光性の悪化、およ
び顔料との混和性の悪化等の問題を引き起こしてしま
う。また、これらの多くはアミノ基やアンモニウム塩の
ような親水性モノマー単位をラテックス化するために、
架橋性モノマー(即ち、分子中に2つ以上の重合性官能
基を有するモノマー)を用いている。このため、水溶性
インクがこの粒子中に浸透しにくく、インクの受容性が
十分とはいえない。さらには、粒子状の化合物を添加す
るため、多孔質膜による受容層に用いた場合に該多孔質
膜の空隙を塞ぎインク吸収性を阻害してしまう。また、
これらの化合物を用いてもやはり経時ニジミの発生を防
ぐことができない。
【0014】上述のように、色材受容層が、ひび割れ等
の発生がなく強固である一方、良好なインク吸収性を有
し、高解像度で高濃度な画像が形成できるとともに、そ
の形成画像が高い耐光性、および耐水性を有するといっ
たインク受容性能を確保しながら、さらに、記録面の表
面平滑性および光沢性に優れ、かつ印画後、高温高湿環
境下に長時間保存された場合でも経時ニジミを起こさず
安定に画像を保持しうるインクジェット記録用シート
は、未だ提供されていないのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、印画後、高温高湿度環境下
に長時間保存された場合でも、経時ニジミを生ずること
なく、安定に画像を保持し得るインクジェット記録用シ
ートを提供することにある。また、本発明は、ひび割れ
等の発生がなく、強固で、かつ高い表面光沢を有すると
供に、良好なインク吸収性を有し、高解像度で高濃度な
画像を形成でき、発色性が良好であり、画像部の耐光性
・耐水性に優れたインクジェット記録用シートを提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、下記の
インクジェット記録用シートを用いることでこれらの問
題を解決可能であることを見出し、本出願に至った。
【0017】<1> 少なくとも水はゲル化させないが
有機溶媒をゲル化させることが可能な化合物を含むこと
を特徴とするインクジェット記録用シートである。
【0018】<2> 前記化合物は、下記一般式(1)
で表わされる化合物であることを特徴とする<1>のイ
ンクジェット記録用シートである。
【化2】 [一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立にCO
NHR3、またはCOR4を表わす。R3およびR4はそれ
ぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル、アリール、アラ
ルキルを表わす。また、R3およびR4は置換されていて
もよい。]
【0019】<3> 支持体上に色材受容層を有するイ
ンクジェット記録用シートであって、前記色材受容層
は、無機顔料微粒子と、水溶性樹脂と、アミノ基若しく
はアンモニウム基のうち少なくとも1種を含む重合体
と、前記化合物と、を含むことを特徴とする<1>また
は<2>のインクジェット記録用シートである。
【0020】<4> 前記色材受容層は、さらに前記水
溶性樹脂を架橋しうる架橋剤を含むことを特徴とする<
3>のインクジェット記録用シートである。
【0021】<5> 前記架橋剤は、ホウ素化合物であ
ることを特徴とする<4>のインクジェット記録用シー
トである。
【0022】<6> 前記色材受容層は、前記支持体上
に前記無機顔料微粒子と前記水溶性樹脂とを含む第1の
塗布液を付与し、(1)該付与と同時、(2)該付与に
よって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層
が減率乾燥速度を示す前、および(3)前記塗布層を乾
燥して塗膜を形成した後、の少なくともいずれかに、前
記重合体を含む第2の塗布液を付与して得られることを
特徴とする<3>〜<5>のインクジェット記録用シー
トである。
【0023】<7> 前記色材受容層は、前記第1の塗
布液および前記第2の塗布液の少なくともいずれか一つ
に前記化合物を添加して付与、または第1および第2の
塗布液とは別に前記化合物を含む第3の塗布液を付与し
て得られることを特徴とする<6>のインクジェット記
録用シートである。
【0024】<8> 前記色材受容層は、前記第1、第
2および第3の塗布液の少なくともいずれか一つに前記
架橋剤を添加して付与、または前記第1、第2および第
3の塗布液とは別に前記架橋剤を含む塗布液を付与する
ことで得られることを特徴とする<6>または<7>の
インクジェット記録用シートである。
【0025】<9> 前記無機顔料微粒子は、平均一次
粒子径が20nm以下のシリカ微粒子であることを特徴
とする<3>〜<8>のインクジェット記録用シートで
ある。
【0026】<10> 前記水溶性樹脂は、ポリビニル
アルコール、またはその誘導体であることを特徴とする
<3>〜<9>のインクジェット記録用シートである。
【0027】<11> 前記色材受容層は、空隙率が5
0〜80%の3次元網目構造を有し、かつ前記無機顔料
微粒子(i)と前記水溶性樹脂(p)との含有比(i:
p/質量比)が、1.5:1〜10:1であることを特
徴とする<3>〜<10>のインクジェット記録用シー
トである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を詳細に説明
する。
【0029】《インクジェット記録用シート》本発明の
インクジェット記録用シートは、少なくとも水はゲル化
させないが有機溶媒をゲル化させることが可能な化合物
(以下、「本発明に係るゲル化剤」という場合があ
る。)を含むことを特徴とする。本発明のインクジェッ
ト記録用シートは、該少なくとも水はゲル化させないが
有機溶媒をゲル化させることが可能な化合物を含むた
め、インク中に含まれ、色材受容層中に残存する高沸点
溶媒をゲル化することで、経時ニジミの発生を抑制する
ことができる。上記化合物は通常、後述する色材受容層
に含まれることが好ましい。
【0030】(本発明に係るゲル化剤)本発明のインク
ジェット記録用シートに含まれる化合物は、適当な有機
溶媒に添加、あるいは加熱溶解して飽和溶液を冷却する
と、溶媒全体がゲル化するものであり、いわゆるゲル化
剤の一種である。一般にゲル化剤は、適当なゲル化剤と
有機溶媒との組み合わせを選択すれば、溶媒に対して
0.1〜2質量%程度の添加で有機溶媒全体をゲル化さ
せることが可能であり、オイルゲル化剤等の名称で知ら
れている。これらゲル化剤については、「英 謙二ら
高分子論文集 52巻(12)773頁(1995
毎)、55巻(10)585頁(1998年)」等に総
説として記載されている。
【0031】上記本発明のインクジェット記録用シート
に含まれる化合物は、少なくとも水はゲル化させないが
有機溶媒をゲル化させることが可能な化合物である。本
発明でいう「ゲル」とは当業者が一般的にゲルであると
認められるものを示すが、具体的には、25℃で試験管
中の溶媒に、ある化合物を1質量%添加し、必要であれ
ば加熱して一旦溶解した状態から再び25℃に冷却す
る。この温度で1時間保持した後、試験管を水平にして
さらに1時間保持し、内容物が試験管から流れ出ないも
のをゲルと判定した。なお、上記化合物は、必ずしも全
量が溶解しなくても同様の処理で内容物が試験管から流
れ出ないものはゲルと判定した。また、本発明でいう
「ゲル化しない」化合物とは、上述と同様な処理をおこ
なうと試験管から内容物が流れ出てしまうもの、あるい
は、加熱しても該化合物が実質的に溶媒に溶解しない
(即ち、溶媒はほとんど未添加の状態と同等である)も
のを示す。本発明に係るゲル化剤としては、上述の少な
くとも水はゲル化させず、有機溶媒のみをゲル化させ
る、という作用を有するものであれは特に限定はされ
ず、少なくとも、実際にその記録シートに用いるインク
ジェット記録用のインク中に補助的に含有されている有
機溶媒をゲル化させるものであればよい。また、該イン
ク中に2種以上の有機溶媒が含まれている場合は、その
うち少なくとも1種の有機溶媒をゲル化させることでき
ればよい。この場合、比率的に多く含まれている有機溶
媒をゲル化させるものが好ましい。上記インク中に補助
的に含有されている有機溶媒としては、エチレングリコ
ール類(エチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル等)、グリセリン、2−ピロリドン等が用
いられる。ただし、上記有機溶媒はこれらに限定される
ものではなく、また本発明の化合物は必ずしもこれらの
有機溶媒の全てをゲル化させるものに限定されるもので
はない。
【0032】本発明に係るゲル化剤としては、上述の通
り、少なくとも水をゲル化させないものを用いる。水を
もゲル化させるゲル化剤を用いると、通常、色材受容層
等の塗布は水を主体でおこなう場合が多いため、その塗
布工程が煩雑になること、および、記録に用いられるイ
ンクが通常は水を主体としているのでインク吸収性能が
低下すること等の問題を引き起こすため好ましくない。
本発明に係るゲル化剤としては、特に限定はないが、例
えば25℃で試験管中の溶媒に添加された場合に(必要
によっては、加熱し、一旦溶解した状態から再び25℃
に冷却した後)、この温度で1時間保持した後、試験管
を水平に固定してさらに1時間保持しても内容物が流れ
出ないものが挙げられる。さらに、本発明に係るゲル化
剤は、温度25℃で水を溶媒とする溶液に対しては1質
量%添加された場合、上述と同様の処理をおこなうと、
内容物が試験管から流れ出てしまうもの、あるいは、加
熱しても上記ゲル化剤が、水を溶媒とする溶液に実質的
に溶解しないものである。
【0033】本発明に係るゲル化剤の具体例としては、
1,2,3,4−ジベンジリデン−p−ソルビトール、
12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウリル−L−グ
ルタミン酸−α、γ−ビス−n−ブチルアミド、スピン
ラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキ
ルリン酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、
環状デプシペプチド、アミノ酸誘導体、バルビツール酸
とトリアミノピリミジン誘導体との2成分系、環状ジペ
プチド誘導体、オリゴ(α−アミノ酸)、シクロヘキサ
ンジアミン誘導体、ジウレア誘導体、4,4’,4’’
−トリス(ステアロイルアミノ)トリフェニルアミン、
イソシアヌル酸誘導体とトリアミノピリジン誘導体との
混合物、ブチロラクトン誘導体、グルコン酸アミド誘導
体、L一イソロイシン誘導体、双頭型アミノ酸誘導体等
が挙げられる。これらの中でもゲル化能の点からシクロ
へキサンジアミン誘導体が好ましい。
【0034】上記シクロヘキサンジアミン誘導体として
は、下記一般式(1)で示される化合物が特に好まし
い。
【0035】
【化3】
【0036】一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ
独立にCONHR3、またはCOR4を表わす。R3およ
びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル、ア
リール、アラルキルを表わす。また、R3,R4は置換さ
れていてもよい。
【0037】さらに、一般式(1)で示される化合物の
中でも、下記一般式(2)および(3)で表わされる化
合物が特に好ましい。なお、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0038】
【化4】
【0039】一般式(2)または(3)中、R3および
4はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル、アリ
ール、アラルキルを表わす。また、R3およびR4は置換
されていてもよい。
【0040】上記R3およびR4としては、具体的に、メ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、
n−オクチル、i−オクチル、n−デシル、n−ウンデ
シル、n−ドデシル、n−オクタデシル、フェニル、ト
リル、ベンジル、フェネチル、メトキシベンジル、シク
ロヘキシル等が挙げられる。中でも直鎖状のアルキルが
好ましく、炭素数で4〜18のアルキルがさらに好まし
い。これらの化合物は、例えばtrans−1,2−シ
クロヘキサンジアミンと相当するイソシアネート、カル
ボン酸、またはカルボン酸ハライド等との反応によって
合成することが可能である。また、これらの化合物は、
1種あるいは2種以上を併用してもよい。
【0041】[色材受容層]本発明のインクジェット記
録用シートは、本発明に係るゲル化剤を含むものである
が、該記録用シートとしては、さらに、無機顔料微粒子
と、水溶性樹脂と、アミノ基およびアンモニウム塩基の
うち少なくとも1種を含む重合体(いわゆる媒染剤)
と、を本発明に係るゲル化剤とともに含む色材受容層を
形成して用いることが好ましい。この場合、本発明に係
るゲル化剤の色材受容層中の合有量としては、色材受容
層の全固形分に対して0.1〜20質量%が好ましく、
0.2〜10質量%がさらに好ましい。上記含有量が
0.1質量%未満であると十分な経時ニジミの改善効果
が得られず、20質量%を超えると塗布が困難になり、
またインク吸収性能の低下を引き起こす。
【0042】(媒染剤)上記媒染剤としては、ポリジア
リルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロ
イルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアン
モニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリル
アミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリア
ミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホル
マリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアン
モニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、
ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩、(メタ)
アクリロイルエチルトリアルキルアンモニウム塩、(メ
タ)アクリロイルプロピルトリアルキルアンモニウム
塩、(メタ)アクリルアミドエチルトリアルキルアンモ
ニウム塩、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアルキル
アンモニウム塩、ジアルキルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド
等を挙げることができる。また、これらとともにアミノ
基またはアンモニウム塩基を含有しないその他の共重合
可能なモノマーとの共重合体としてもよい。上記モノマ
ーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル[(メタ)アクリル殿メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n―ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t
―ブチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等の(メタ)アクリル酸C1−18アルキル
エステル等]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエス
テル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等]、(メ
タ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸
フェニル等]、アラルキルエステル[(メタ)アクリル
酸ベンジル等]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等]、
(メタ)アクリアミド類[(メタ)アクリルアミド、ジ
メチル(メタ)アクリルアミド等]、芳香族ビニル類
[スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等]、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニル等]、アリルエステル類
[例えば、酢酸アリル等]、ハロゲン合有単量体[塩化
ビニリデン、塩化ビニル等]、シアン化ビニル[(メ
タ)アクリロニトリル等]、オレフィン類[エチレン、
プロピレン等]等が挙げられる。これらのアミノ基また
はアンモニウム塩基を含有しないモノマーも単独で、ま
たは二種以上組合せて使用できる。
【0043】これら媒染剤の分子量としては、1000
〜500000程度が好ましく、2000〜40000
0がさらに好ましい。分子量が1000未満では耐水性
が不十分となる傾向があり、500000以上では粘度
が高くなるため、ハンドリング適性が不良となる。ま
た、上記媒染剤は、1種または2種以上を併用してもよ
い。上記媒染剤の含有量としては、色材受容層の全固形
分に対して0.5〜25.0質量%が好ましく、1.0
〜20.0質量%がさらに好ましい。上記含有量が0.
5質量%未満であると十分な耐水性、染料の固定化の効
果が得られず、25.0質量%を超えるとインク吸収性
能の低下を引き起こす。
【0044】(無機顔料微粒子)無機顔料微粒子として
は、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化
チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、
カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイ
ト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、シ
リカ微粒子が特に好ましい。上記シリカ微粒子は、比表
面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が
高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散
をおこなえば色材受容層に透明性を付与でき、高い色濃
度と良好な発色性が得られるという特徴がある。色材受
容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされ
る用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適
用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性を得る観点
で重要である。
【0045】上記無機顔料微粒子の平均一次粒子径とし
ては、20nm以下が好ましく、10nm以下がさらに
好ましく、3〜10nmが特に好ましい。
【0046】上記シリカ微粒子は、その表面にシラノー
ル基を有し、該シラノール基による水素結合によって粒
子同士が付着しやすいため、上記のように平均一次粒子
径が10nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成す
ることができる。これにより、インク吸収特性を効果的
に向上させることができる。
【0047】また、シリカ微粒子は、その製造法によっ
て湿式法粒子と乾式法粒子とに大別される。上記湿式法
では、ケイ酸塩の酸分解によって活性シリカを生成し、
これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る
方法が主流である。一方、乾式法は、ハロゲン化珪素の
高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケ
イ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元
気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によっ
て無水シリカを得る方法が主流である。
【0048】これらの方法で得られる含水シリカおよび
無水シリカは、表面のシラノール基の密度、空孔の有無
等に相違があるため、それぞれ異なった性質を示す。特
に、無水シリカ(無水珪酸)は、空隙率が高い三次元構
造を形成しやすいため好ましい。この理由は明らかでは
ないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシ
ラノール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微
粒子が密に凝集(アグリゲート)しやすい。一方、無水
シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の
密度が2〜3個/nm2と少ないため、疎な軟凝集(フ
ロキュレート)となる。その結果、空隙率が高い構造に
なるものと推定される。従って、本発明においては、微
粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm
2であるシリカ(シリカ微粒子)を用いることが好まし
い。
【0049】(水溶性樹脂)上記水溶性樹脂としては、
例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する
樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロ
ース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシ
エチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプ
ン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキ
サイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PP
O)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニル
エーテル(PVE);アミド基またはアミド結合を有す
る樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビ
ニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離
性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸
塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類を挙げ
ることができる。上記の中でも、特にポリビニルアルコ
ール類が好ましい。
【0050】上記水溶性樹脂の含有量としては、色材受
容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好まし
く、16〜33質量%がさらに好ましい。上記含有量
が、9質量%未満であると、膜強度が低下し、乾燥時に
ひび割れを生じやすくなることがあり、40質量%を超
えると、空隙が樹脂によって塞がれやすくなる結果、空
隙率が減少してインク吸収性が低下することがある。
【0051】色材受容層を主として構成する、上記無機
顔料微粒子と上記水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材で
もよいし、複数の素材の混合系であってもよい。
【0052】また、透明性の観点から、シリカ微粒子に
組合わせる樹脂の種類が重要となる。上記無水シリカを
用いる場合には、水溶性樹脂としては、ポリビニルアル
コール(PVA)が好ましく、中でも、鹸化度70〜9
9%のPVAがさらに好ましく、鹸化度70〜90%の
PVAが特に好ましい。
【0053】上記PVAは、その構造単位に水酸基を有
するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基
とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖
単位とする三次元網目構造を形成しやすくする。上記三
次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造
の色材受容層を形成しうると考えられる。インクジェッ
ト記録において、上述のようにして得た多孔質の色材受
容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、イ
ンクニジミのない真円性の良好なドットを形成すること
ができる。
【0054】−無機顔料微粒子と水溶性樹脂との含有比
− 無機顔料微粒子(好ましくはシリカ微粒子;i)と水溶
性樹脂(p)との含有比〔PB比(i:p)、水溶性樹
脂1質量部に対する無機顔料微粒子の質量〕は、色材受
容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が
大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当
り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(i:p)
としては、1.5:1〜10:1が好ましい。上記PB
比が10:1を超える、即ち、PB比が大きくなりすぎ
ると、膜強度が低下し、乾燥時にひび割れを生じやすく
なることがあり、1.5:1未満、即ちPB比が小さす
ぎると、空隙が樹脂によって塞がれやすくなる結果、空
隙率が減少してインク吸収性が低下することがある。
【0055】インクジェットプリンタの搬送系を通過す
る場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、
色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要で
ある。さらにシート状に裁断加工する場合、色材受容層
の割れ、剥がれ等を防止する上でも色材受容層には十分
な膜強度を有していることが必要である。この場合、上
記PB比としては5:1以下が好ましく、インクジェッ
トプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点から
は、2:1以上であることが好ましい。
【0056】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比2:1〜5:
1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布
し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子
を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径
が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積
0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上
の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0057】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートは、上記色材受容層に、さらに上記水溶性樹脂を
架橋しうる架橋剤を併用することも好ましい。
【0058】上記架橋剤溶液の付与は、多孔質性の色材
受容層を形成する塗布液(色材受容層用塗布液)が塗布
されるのと同時に、あるいは色材受容層用塗布液を塗布
して形成された塗布層が減率乾燥速度を示すようになる
前に、おこなわれることが好ましい。この操作によっ
て、塗布層が乾燥する間に発生するひび割れの発生を効
果的に防止することができる。即ち、上記塗布液が塗布
されたと同時に、あるいは塗布層が減率乾燥速度を示す
ようになる前に架橋剤溶液が塗布層内に浸透し、塗布層
内の水溶性樹脂と速やかに反応し、水溶性樹脂をゲル化
(硬化)させることによって、塗布層の膜強度を即時に
大幅に向上させる。
【0059】上記水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤として
は、色材受容層に用いられる水溶性樹脂との関係で好適
な物を適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速
である点から、ホウ素化合物が好ましく、例えば、硼
砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、In
BO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(B
32、Co3(BO32、二ホウ酸塩(例えば、Mg2
25、Co225)、メタホウ酸塩(例えば、Li
BO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四ホ
ウ酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五ホウ酸
塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2
O、CsB55)、グリオキザール、メラミン・ホルム
アルデヒド(例えば、メチロールメラミン、アルキル化
メチロールメラミン)、メチロール尿素、レゾール樹
脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂等を挙げること
ができる。中でも、速やかに架橋反応を起こす点で、硼
砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特に水溶性樹脂とし
てポリビニルアルコールと組合わせて使用することがさ
らに好ましい。
【0060】上記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場
合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている、以下の
化合物を架橋剤として用いることができる。例えば、ホ
ルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒ
ド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタ
ンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル
尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,
5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジ
ン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルス
ルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタ
ミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル
尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロ
ール化合物;
【0061】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
である。なお、上記架橋剤は、一種単独でも、2種以上
を組合わせてもよい。
【0062】上記架橋剤溶液は、架橋剤を水および/ま
たは有機溶媒に溶解して調製される。架橋剤溶液中の架
橋剤の濃度としては、架橋剤溶液の質量に対して、0.
05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に
好ましい。架橋剤溶液を構成する溶媒としては、一般に
水が使用され、該水と混和性の有機溶媒を含む水系混合
溶媒であってもよい。上記有機溶媒としては、架橋剤が
溶解するものであれば任意に使用することができ、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、グリセリン等のアルコール;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル;トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフラン等
のエーテル、およびジクロロメタン等のハロゲン化炭素
系溶剤等を挙げることができる。
【0063】(その他の添加剤)本発明のインクジェッ
ト記録用シートにはその他の必要に応じて、さらに下記
の成分等を含んでもよい。色材の劣化を抑制する目的
で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエ
ンチャー等を含んでいてもよい。上記紫外線吸収剤とし
ては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾト
リアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、
α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリア
ゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロ
ロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−
t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,
4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒン
ダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用で
き、具体的には少なくとも2位または6位のうち1ヵ所
以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が
好ましい。
【0064】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−1053
7号公報、同58−111942号公報、同58−21
2844号公報、同59−19945号公報、同59−
46646号公報、同59−109055号公報、同6
3−53544号公報、特公昭36−10466号公
報、同42−26187号公報、同48−30492号
公報、同48−31255号公報、同48−41572
号公報、同48−54965号公報、同50−1072
6号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同
3,707,375号明細書、同3,754,919号
明細書、同4,220,711号明細書等に記載されて
いる。
【0065】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号公報、同54−53
24号公報等に記載されている。
【0066】上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0067】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号明細書、同第4980275号明細書等に記載
のものが挙げられる。
【0068】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0069】上記耐光性向上剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この耐光性向上剤は、水溶性化、分
散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に
含ませることもできる。上記耐光性向上剤の添加量とし
ては、色材受容層用塗布液の0.01〜10質量%が好
ましい。
【0070】また、無機顔料微粒子の分散性を高める目
的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等
を含んでいてもよい。さらに、塗布適性や表面品質を高
める目的で各種の界面活性剤を、表面の摩擦帯電や剥離
帯電を抑制する目的で、イオン導電性を持つ界面活性剤
や電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特
性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよ
い。
【0071】[支持体]支持体として使用できる材料と
しては、プラスチック等の透明材料を用いてもよいし、
紙等の不透明な材料を用いてもよい。本発明では、色材
受容層の透明性を生かす上で、支持体は透明支持体また
は高光沢の不透明支持体であることが好ましい。
【0072】上記透明支持体として使用できる材料とし
ては、透明でOHPあるいはバックライトディスプレイ
で使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材料が好
ましい。このような材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル類、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、またはセルロースアセテートブチレ
ート等のセルロースエステル類、そしてポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。これらの中
でポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンフタレ
ートが好ましい。上記透明支持体の厚さについては、特
に制限はないが、50〜200μmのものが取り扱いや
すいため好ましい。
【0073】上記高光沢の不透明支持体としては、色材
受容層が設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有
するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−81
42(紙および板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記
載の方法に従って測定することによって求められる値で
ある。高光沢の不透明支持体の例としては、アート紙、
コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使
用されるバライタ紙等の高光沢の紙、ポリエチレンテレ
フタレー卜(PET)等のポリエステル類、ニトロセル
ロース、セルロースアセテートおよびセルロースアセテ
ートブチレート等のセルロースエステル類、あるいはポ
リスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、
ポリカーボネート、またはポリアミド等のプラスチック
フィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした高光沢
の(表面カレンダー処理等をおこなってもよい)フイル
ム、あるいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィル
ムまたは白色顔料等含有プラスチックフィルムの表面
に、白色顔料を含有するか、若しくは含有しないポリオ
レフィンの被覆層が設けられた支持体を挙げることがで
きる。さらに、白色顔料含有発泡ポリエステルフイルム
(例、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸によって
空隙を形成した発泡PET)も挙げることができる。
【0074】また、銀塩写真用支持体として一般的に使
用されているポリオレフィンコート紙(表面に白色顔料
含有ポリオレフィン層が設けられた紙支持体等)、ある
いは金属蒸着層等が設けられた特殊紙等を、好適に使用
することができる。特に白色顔料含有ポリオレフィン層
が設けられた銀塩写真用紙支持体、白色顔料含有ポリオ
レフィン層が設けられたポリエステル(好ましくはPE
T)フィルム、白色顔料含有ポリエステルフィルムある
いは白色顔料含有発泡ポリエステルフィルムが好まし
い。上記不透明支持体の厚さは、特に制限はないが、5
0〜300μmのものが取り扱いやすく好ましい。さら
に、支持体としては、色材受容層との密着性を付与する
ため、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫
外線照射処理を施したものを使用してもよい。
【0075】[インクジェット記録用シートの作製方
法]本発明のインクジェット記録シートの作製方法とし
ては、支持体上に本発明に係るゲル化剤を含む水分散
液、水溶液、有機溶媒分散液、有機溶媒溶液、または水
と有機溶媒の混合溶液等の形態で調液した、塗布液を塗
布する方法が挙げられる。得られる塗布膜の光沢性等の
観点から、本発明に係るゲル化剤は、溶解した溶液とし
て塗布することが好ましいが、この場合該塗布液がゲル
化しないように(i)溶媒の種類を選択すること、(i
i)水を併用すること、(iii)希釈率を高くすること、
(iv)溶媒を加熱保温した状態に保つこと、または、
(i)〜(iv)の組合せ等の方法を用いることも重要で
ある。
【0076】(有機溶媒)上記塗布に用いることが可能
な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸
エチル、トルエン等が挙げられる。
【0077】(色材受容層の形成方法)つぎに、本発明
のもう一つの形態である、色材受容層に無機顔料微粒子
と水溶性樹脂と媒染剤と本発明に係るゲル化剤とを含む
インクジェット記録用シートの作製について説明する。
まず、色材受容層の形成方法としては、例えば無機顔料
微粒子と水溶性樹脂との水性分散液(水以外に適宜有機
溶媒を併用してもよい。以下、「第1の塗布液」という
場合がある。)を調液、付与し、該付与によって形成さ
れた塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度
を示すようになる前に、媒染剤を含む水分散液、有機溶
媒溶液、あるいは水と有機溶媒との混合溶液などの形態
で調液した塗布液(以下、「第2の塗布液」という場合
がある。)を付与する方法が挙げられる。あるいは、第
1の塗布液を調液し、付与の後、乾燥させて塗布層を形
成させた後に第2の塗布液を塗布する方法も利用でき
る。本発明に係るゲル化剤は、少なくとも記録シートに
インクが噴霧されるまでに、記録シートの記録面の付与
されていればよく、上記第1または第2の塗布液に併用
添加するか、別に本発明に係るゲル化剤を含む塗布液
(以下、「第3の塗布液」という場合がある。)を調液
して上記の形成工程のいずれかの段階で付与することで
本発明のインクジェット記録用シートを作製することが
できる。
【0078】また、媒染剤と、無機顔料微粒子とをあら
かじめ混合した後に水溶性樹脂を公知の方法で混合分散
した塗布液(水性の分散液;ここに有機溶媒を含んでい
てもよい。以下、「第4の塗布液」という場合があ
る。)を塗布して形成することもできる。この際、本発
明に係るゲル化剤は、水分散物、水溶液、有機溶媒分散
液、有機溶媒溶液、または水と有機溶媒との混合溶液等
の任意の形態で調液して、媒染剤と無機顔料とを予め混
合する際、水溶性樹脂を混合する際、または、水溶性樹
脂を混合する前若しくは後の何れかの段階で混合して用
いることができる。この場合上述と同様に、溶解した溶
液とすることが好ましく、上記(i)〜(iv)またはこ
れらの組合せ等の方法を用いることも重要である。さら
に、上記第1〜4の塗布液のいずれか1以上に、上記架
橋剤を添加することもできる。また、上記第1〜4の塗
布液とは別に架橋剤を含む塗布液を調製して、塗布工程
のいずれかの段階で付与してもよい。これら塗布液を付
与する方法としては、(1)支持体上等に塗布する方
法、(2)塗布液をスプレー等の方法によって噴霧する
方法、(3)塗布液の液中に、支持体等を浸漬する方法
等が挙げられる。
【0079】本発明において、無機顔料微粒子と水溶性
樹脂とを少なくとも含んでなる色材受容層用の上記第1
の塗布液は、例えば、以下のようにして調製できる。即
ち、平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中
に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿
式コロイドミル(例えば、クレアミックス(エム・テク
ニック(株)製))を用いて、例えば10000rpm
(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転
の条件で20分間(好ましくは10〜30分間)分散さ
せた後、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカ
の1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、さ
らに上記と同じ回転条件で分散をおこなうことによって
調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであ
り、これを下記塗布方法で支持体上に塗布形成すること
によって、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容
層を形成することができる。上記第1の塗布液には、必
要に応じて、さらに界面活性剤、pH調整剤、帯電防止
剤等を添加することもできる。
【0080】上記第1の塗布液の塗布は、例えば、エク
ストルージョンダイコータ、エアードクターコータ、ブ
レッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズ
コータ、リバースロールコータ、バーコータ等の公知の
塗布方法によっておこなうことができる。
【0081】上述の「塗布層が減率乾燥速度を示すよう
になる前」とは、通常、第1の塗布液を塗布した直後か
ら数分間を指し、この間においては、塗布された塗布層
中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象である
恒率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す時間につい
ては、化学工学便覧(p.707〜712、丸善(株)
発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0082】上述の通り、上記第1の塗布液の塗布後、
減率乾燥速度を示すようになるまでその塗布層は乾燥さ
れるが、該乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10
分間(好ましくは、0.5〜5分間)おこなわれる。こ
の乾燥時間としては、当然塗布量によって異なるが、上
記の範囲が適当である。
【0083】上記塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に、本発明に係る重合体を含む水分散液、有機溶媒
溶液、あるいは水と有機溶媒の混合溶液などの形態で調
液した塗布液(第2の塗布液)を付与する方法としては
上述の通り、(1)第2の塗布液を塗布層上にさらに塗
布する方法、(2)第2の塗布液をスプレー等の方法に
よって噴霧する方法、(3)第2の塗布液の液中に、該
塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げら
れる。
【0084】上記方法(1)において、第2の塗布液を
塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコ
ータ、エクストルージョンダイコータ、エアードクター
コーター、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコー
タ、スクイズコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ等の公知の塗布方法を利用することができる。しか
し、エクストリュージョンダイコータ、カーテンフロー
コータ、バーコータ等のように、既に形成されている塗
布層にコータが直接接触しない方法を利用することが好
ましい。
【0085】また、これらの塗布は、2種以上の塗布液
を同時に重層塗布してもよい。該同時塗布(重層塗布)
は、例えば、エクストルージョンダイコータ、カーテン
フローコータを用いた塗布方法によっておこなうことが
できる。該同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥され
るが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150
℃で0.5〜10分間加熱することによっておこなわ
れ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱
することによっておこなわれる。例えば、架橋剤溶液に
含有する架橋剤として硼砂やホウ酸を使用する場合は、
60〜100℃で5〜20分間加熱することが好まし
い。
【0086】また、上述の各工程では、溶媒として水、
有機溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができ
る。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロ
パノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が
挙げられる。
【0087】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことによって、表面平滑性、光沢度、
透明性および塗膜強度を向上させることが可能である。
しかしながら、上記カレンダー処理は、空隙率を低下さ
せる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が
低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件
を設定しておこなう必要がある。
【0088】カレンダー処理をおこなう場合のロール温
度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100
℃がさらに好ましい。また、カレンダー処理時のロール
間の線圧としては、50〜400kg/cmが好まし
く、100〜200kg/cmがさらに好ましい。
【0089】上記色材受容層の層厚は、インクジェット
記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量を
もつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する
必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空
隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の
膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット
記録の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜5
0μmが好ましい。
【0090】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがさらに好ましい。上記空隙率および細
孔メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサ
イザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用い
て測定することができる。
【0091】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
さらに好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(H
GM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定するこ
とができる。
【0092】支持体上には、色材受容層と支持体との間
の接着性を高めたり、電気抵抗を調整する等の目的で、
下塗層を設けてもよい。なお、色材受容層は、支持体の
片面のみに設けてもよいし、カール等の変形を抑制する
等の目的で、支持体の両面に設けてもよい。OHP等で
用いる場合であって、色材受容層を支持体の片面のみに
設ける場合は、その反対側の表面、あるいはその両面
に、光透過性を高める目的で反射防止膜を設けることも
できる。
【0093】また、色材受容層が形成される側の支持体
の表面にホウ酸またはホウ素化合物が塗工され、該表面
に色材受容層を形成することによって、色材受容層の光
沢性、表面平滑性を確保し、かつ高温高湿環境下におけ
る、印画後の画像の経時ニジミを抑制することができ
る。しかも、色材受容層が無機顔料微粒子を含んで空隙
率50〜80%の三次元網目構造からなり、良好なイン
ク吸収性を示し高解像度で高濃度な画像が形成できると
共に、その形成画像が高い耐光性、耐水性を有するとい
った、優れたインク受容性能を確保することができる。
【0094】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の「部」および「%」は、全て「質量部」
および「質量%」を表す。
【0095】[合成例1] <上記一般式(3)の化合物A(R4=n−ウンデシ
ル)の合成>trans−1,2−シクロヘキサンジア
ミン4.6部と、トリエチルアミン8.9部とを、テト
ラヒドロフラン200部に溶解し、この溶液に、氷冷下
でn−ドデカン酸クロリド19.3部を滴下した。さら
に、室温で4時間攪拌し、還流化で2時間加熱攪拌し
た。ついで、この反応液にクロロホルム150部を加
え、希塩酸水、および水で洗浄した。この有機層を無水
硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮乾固して得られた粗組
成物をエタノールによって再結晶し、一般式(3)の化
合物A(R4=n−ウンデシル)10.8部を得た。こ
の化合物Aは、水をゲル化させることはないが、アセト
ン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル、2−ピロリドン
等の溶媒に対して1%の添加でこれらの溶媒をゲル化さ
せることができた。
【0096】[合成例2] (上記一般式(2)の化合物B(R3=n−ブチル)の
合成)trans−1,2−シクロヘキサンジアミン
2.3部をテトラヒドロフラン100部に溶解し、この
溶液に、氷冷化でブチルイソシアネート4.0部を滴下
した。さらに、室温で2時間攪拌し、還流下で1時間加
熱攪拌した。ついで、この反応液を約半量以下に濃縮
し、析出した固体をろ過して一般式(2)の化合物B
(R4=n−ブチル)5.7部を得た。この化合物B
は、水をゲル化させることはないが、アセトン、ジエチ
レングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2
−ピロリドン等の溶媒に対して1%の添加でこれらの溶
媒をゲル化させることができた
【0097】[合成例3] (上記一般式(2)の化合物C(R3=n−C1837
の合成)trans−1,2−シクロヘキサンジアミン
2.3部をテトラヒドロフラン100部に溶解し、この
溶液に、氷冷化でオクタデシルイソシアネート4.0部
を滴下した。さらに、室温で2時間攪拌し、還流下で1
時間加熱攪拌した。ついで、この反応液を約半量以下に
濃縮し、析出した固体をろ過して一般式(2)の化合物
C(R4=n−C1837)9.2部を得た。この化合物
Cは、水をゲル化させることはないが、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等の溶媒に対して1%の添加
でこれらの溶媒をゲル化させることができた
【0098】[実施例1] 《インクジェット記録用シートの作製》 (支持体の作製)LBKP100部からなる木材パルプ
を、ダブルディスクリファイナーによってカナディアン
フリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸
アミド05部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カ
チオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプ
に対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機によって坪量
170g/m2の原紙を抄造した。
【0099】上記原子の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whit
ex BB、住友化学工業(株)製)を、0.04%添
加し、絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記
原紙に含浸させ、乾燥した後、キャレンダー処理を施し
て密度1.05に調整された基紙を得た。
【0100】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理をおこなった後、溶融押し出し機を用いて
高密度ポリエチレンを、厚さ19μmとなるようにコー
ティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以
下、樹脂層面を「裏面」と呼ぶ場合がある)。この裏面
側の樹脂層にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤と
して、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化
学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、
日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水
に分散させた分散液を、乾燥後の質量が0.2g/m2
となるように塗布した。
【0101】また、基紙のフェルト面(表面)側にコロ
ナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10
質量%、微量の群青、および蛍光増白剤0.01質量%
(対ポリエチレン)を含有したMFR(メルトフローレ
ート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押し出し
機を用いて、厚さ29μmとなるように溶融押し出し
し、光沢面からなる熱可塑性樹脂層を上記基紙上に形成
して(以下、この面を「表面」という場合がある。)、
これを支持体とした。
【0102】(色材受容層塗布液の調製)下記組成中の
(1)および(2)を混合し、高速回転式コロイドミル
(クレアミックス、エム・テクニック(株)製)を用い
て、10000rpmの条件で20分間分散させた後、
下記(3)を加え、さらに上記と同一の条件で分散をお
こない、色材受容層塗布液を調製した。シリカ微粒子と
水溶性樹脂との質量比(PB比)は、3.5:1であっ
た。
【0103】 <色材受容層塗布液の組成> (1)シリカ微粒子(無機顔料微粒子) 9.9部 (平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製) (2)イオン交換水 73.1部 (3)ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) 31.6部 (PVA420、(株)クラレ製、鹸化度81.8%、重合度2000)
【0104】(本発明のインクジェット記録用シートの
作製)つぎに、上記から得られた色材受容層塗布液を、
上記支持体にエクストルージョンダイコーターを用いて
200ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風
乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の
固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、
この期間恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の
50℃に加熱保温された塗布液(架橋剤およびゲル化剤
含有溶液)に30秒間浸漬して、上記塗布層上に20g
/m2を付着させ(架橋剤およびゲル化剤含有溶液を付
与する工程)、その後、さらに80℃下で10分間乾燥
させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚32μmの
色材受容層を支持体上に形成し、本発明のインクジェッ
ト記録用シートを作製した。
【0105】 <架橋剤およびゲル化剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.5部 (2)界面活性剤10%水溶液 2.0部 (F144D 大日本インキ化学工業(株)) (3)エタノール 84.35部 (4)ポリアリルアミン20%水溶液(媒染剤) 7.1部 (5)合成例1の化合物A 5.0部
【0106】(評価方法) (1−1)インク吸収速度 インクジェットプリンタ(PM−770C、セイコーエ
プソン(株)製)、並びに、カラーインク(IC5CL
02W、セイコーエプソン(株)製)およびブラックイ
ンク(IC1BK02W、セイコーエプソン(株)製)
を用いて、インクジェット記録用シートに、Y(黄)、
M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、
G(緑)およびR(赤)のベタ画像を印字をし、その直
後(約10秒後)、該画像上に紙を接触押圧し、インク
の紙への転写の有無を下記の基準に従って評価した。 〔基準〕 AA:紙上へのインクの転写は全く認められなかった。
インク吸収速度が良好な事を示す。 CC:紙上へのインクの一部転写が認められた。
【0107】(1−2)ひび割れの発生 インクジェット記録用シートの表面に発生したひび割れ
の有無、およびその大きさを目視で観察し、下記の基準
に従って評価した。 〔基準〕 AA:表面にひび割れは全く認められなかった。 BB:1〜2mmの長さのひび割れが認められた。 CC:3mm以上の長さのひび割れが認められた。
【0108】(1−3)耐水性 上記(1−1)と同じプリンタを用いて、インクジェッ
ト記録用シート上に同じ印画パターンを形成させ、3時
間放置した後、水中に一分間浸して、インクの水中への
流出程度を目視で観察し、下記の基準に従って評価し
た。 〔基準〕 AA:染料の流出が全く認められなかった。 BB:染料の流出した部分が認められ、色濃度が低下し
た。 CC:染料がほぼ完全に水中に流出してしまった。
【0109】(1−4)経時ニジミ 上記(1−1)と同じプリンタおよびインクを用いて、
インクジェット記録用シート上にマゼンタインクとブラ
ックインクとを隣り合わせにした格子状の線状パターン
(線幅0.28mm)を印画し、Xライト310TR
(Xライト社製)によってビジュアル濃度を測定した。
印画後3時間放置した後、40℃、相対湿度90%の恒
温恒湿槽に3日間保管した後再度ビジュアル濃度を測定
し、その濃度差(ΔOD)によって評価した。該濃度差
(ΔOD)の値が小さいほど経時ニジミの発生は抑制さ
れている。
【0110】これらを評価した結果を下記表1に記す。
【0111】[実施例2および3]実施例1において、
媒染剤およびゲル化剤含有溶液における化合物Aを上述
で示した化合物Bおよび化合物Cにそれぞれ変更した以
外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シー
トを作製し、同様に評価した。結果を下記表1に記す。
【0112】[比較例1]実施例1において、媒染剤お
よびゲル化剤含有溶液に本発明にかかるゲル化剤を含め
なかった以外は、実施例1と同様にしてインクジェット
記録用シートを作製し、同様に評価した。結果を下記表
1に記す。
【0113】
【表1】
【0114】表1から、色材受容層に本発明に係るゲル
化剤を含めた実施例1〜3は、該ゲル化剤を含めなかっ
た比較例1に比して経時ニジミの発生が抑制されている
のがわかった。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、印画後、高温高湿度環
境下に長時間保存された場合でも、経時ニジミを生ずる
ことなく、安定に画像を保持し得るインクジェット記録
用シートを提供することができる。また、本発明によれ
ば、ひび割れ等の発生がなく、強固で、かつ高い表面光
沢を有すると供に、良好なインク吸収性を有し、高解像
度で高濃度な画像を形成でき、発色性が良好であり、画
像部の耐光性・耐水性に優れたインクジェット記録用シ
ートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 瑞木 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA45 4D075 AE03 CA35 DA04 DB18 DC27 EA05 EB19 EB39 EC01 EC53

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水はゲル化させないが有機溶
    媒をゲル化させることが可能な化合物を含むことを特徴
    とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記化合物は、下記一般式(1)で表わ
    される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット記録用シート。 【化1】 [一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立にCO
    NHR3、またはCOR4を表わす。R3およびR4はそれ
    ぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル、アリール、アラ
    ルキルを表わす。また、R3およびR4は置換されていて
    もよい。]
  3. 【請求項3】 支持体上に色材受容層を有するインクジ
    ェット記録用シートであって、前記色材受容層は、無機
    顔料微粒子と、水溶性樹脂と、アミノ基若しくはアンモ
    ニウム基のうち少なくとも1種を含む重合体と、前記化
    合物と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記
    載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記色材受容層は、さらに前記水溶性樹
    脂を架橋しうる架橋剤を含むことを特徴とする請求項3
    に記載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記架橋剤は、ホウ素化合物であること
    を特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  6. 【請求項6】 前記色材受容層は、前記支持体上に前記
    無機顔料微粒子と前記水溶性樹脂とを含む第1の塗布液
    を付与し、(1)該付与と同時、(2)該付与によって
    形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率
    乾燥速度を示す前、および(3)前記塗布層を乾燥して
    塗膜を形成した後、の少なくともいずれかに、前記重合
    体を含む第2の塗布液を付与して得られることを特徴と
    する請求項3〜5のいずれかに記載のインクジェット記
    録用シート。
  7. 【請求項7】 前記色材受容層は、前記第1の塗布液お
    よび前記第2の塗布液の少なくともいずれか一つに前記
    化合物を添加して付与、または第1および第2の塗布液
    とは別に前記化合物を含む第3の塗布液を付与して得ら
    れることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット
    記録用シート。
  8. 【請求項8】 前記色材受容層は、前記第1、第2およ
    び第3の塗布液の少なくともいずれか一つに前記架橋剤
    を添加して付与、または前記第1、第2および第3の塗
    布液とは別に前記架橋剤を含む塗布液を付与することで
    得られることを特徴とする請求項6または7に記載のイ
    ンクジェット記録用シート。
  9. 【請求項9】 前記無機顔料微粒子は、平均一次粒子径
    が20nm以下のシリカ微粒子であることを特徴とする
    請求項3〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用
    シート。
  10. 【請求項10】 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコ
    ール、またはその誘導体であることを特徴とする請求項
    3〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  11. 【請求項11】 前記色材受容層は、空隙率が50〜8
    0%の3次元網目構造を有し、かつ前記無機顔料微粒子
    (i)と前記水溶性樹脂(p)との含有比(i:p/質
    量比)が、1.5:1〜10:1であることを特徴とす
    る請求項3〜10のいずれかに記載のインクジェット記
    録用シート。
JP2000268512A 2000-09-05 2000-09-05 インクジェット記録用シート Pending JP2002079743A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003260870A (ja) * 2002-03-11 2003-09-16 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録方法

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JP2003260870A (ja) * 2002-03-11 2003-09-16 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録方法

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