JP2002127591A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002127591A
JP2002127591A JP2000324248A JP2000324248A JP2002127591A JP 2002127591 A JP2002127591 A JP 2002127591A JP 2000324248 A JP2000324248 A JP 2000324248A JP 2000324248 A JP2000324248 A JP 2000324248A JP 2002127591 A JP2002127591 A JP 2002127591A
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group
receiving layer
fine particles
recording sheet
ink jet
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Application number
JP2000324248A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Koike
和幸 小池
Takashi Kobayashi
孝史 小林
Hisao Yamada
尚郎 山田
Yuichi Wakata
裕一 若田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れの発生がなく、インク吸収性、耐経
時滲み、耐水性、耐光性、光沢性に優れ、しかも耐オゾ
ン性に優れ、画像品質(彩色、濃度等)を長期間安定に
維持し得る画像保存性を有するインクジェット記録用シ
ートを提供する。 【解決手段】 支持体上に色材受容層を有し、該色材受
容層が、平均一次粒子径20nm以下の無機顔料微粒子
と水溶性樹脂と架橋剤と下記一般式(I)及び一般式
(II)で表される化合物の少なくとも一方とを含み、空
隙率50〜80%の三次元網目構造を有してなり、無機
顔料微粒子と水溶性樹脂との含有率(質量比)が1.
5:1〜10:1であることを特徴とするインクジェッ
ト記録用シートである〔X:H、ハロケ゛ン、ヒト゛ロキシ基、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アシル基、カルホ゛キシ基、アルキルカルハ゛モイル
基等;D:3員環以上の含窒素非芳香族環を形成する原
子団;Q:オリコ゛マー又はホ゜リマー残基;Y:Qと共有結合を
形成し得る基〕。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク、油性
インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液
状化させて印画に供する固体状インク等を用いたインク
ジェット記録に適した被記録材に関し、詳しくは、イン
ク受容性能に優れた記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、その情報システムに
適した記録方法及び装置が開発され、実用化されてい
る。上記記録方法の中で、インクジェット記録方法は、
多種の記録材に記録可能なこと、ハード(装置)が比較
的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優
れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホーム
ユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】また、近年のインクジェットプリンタの高
解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を
得ることも可能になってきた。その一方、ハード(装
置)の発展に伴って、インクジェット記録用の記録シー
トも各種開発されてきている。前記インクジェット記録
用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、
(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこ
と)、(2)インクドットの径が適正で均一であること
(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好なこと、(4)
ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、
(6)彩度(発色性)が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、
(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シー
トの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさ
ないこと)等のインク受容性能、(10)変形しにくく、
寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこ
と)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げら
れる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る
目的で用いられるフォト光沢紙の用途としては、上記特
性に加えて、光沢性(光沢感)、表面平滑性、銀塩写真
に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】インクジェット記録に用いられる記録用シ
ートとしては、例えば、特開昭55−51583号、同
55−144172号、同55−150395号、同5
6−148582号、同56−148583号、同56
−148584号、同56−148585号、同57−
14091号、同57−38185号、同57−129
778号、同57−129979号、同60−2190
84号、同60−245588号等の各公報に記載の、
シリカ等の顔料と水溶性バインダーとを紙、プラスチッ
クフイルム等の支持体上に塗布したものが知られてい
る。しかしながら、これら提案の記録シートにおいて
は、いずれも光沢性が非常に低く、フォト光沢紙の用途
としては不十分であった。
【0005】また、特開平2−276670号、同3−
215082号、同3−281383号、同6−199
035号等の各公報には、擬ベーマイトゾルと水溶性バ
インダーとを用いた記録用シートが提案されている。こ
れらの記録シートは、光沢性の点である程度の要求特性
を満たすものではあるが、擬ベーマイト粒子の製造コス
トが高い点、塗布液の調製が困難な点等の課題が存在す
る。
【0006】更に、光沢性を得るために各種水溶性ポリ
マーを用いた記録材料が提案されている。例えば、特開
昭58−89391号、同58−134784号、同5
8−134786号、同60−44386号、同60−
132785号、同60−145879号、同60−1
68651号、同60−171143号、同60−17
1143号等の各公報に記載の、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等を紙、プラスチ
ックフイルム等の支持体上に塗布したものが知られてい
る。これらの記録シートも光沢性の点では優れるが、イ
ンク速乾性の点で劣り、フォト光沢紙の用途としては不
十分であった。
【0007】一方、記録シートにおける既述の種々の要
求特性や製造コストを満足するものとして、特開平7−
276789号公報、同8−174992号公報、同1
1−115308号公報、同11−192777号公報
に記載のインクジェット記録用シートが提案されてい
る。
【0008】しかし、前記特開平7−276789号公
報では、無機顔料微粒子及び水溶性樹脂より形成され
た、高い空隙率を持つ三次元構造を有する色材受容層
が、支持体上に設けられた記録用シートが提案されてい
る。この構成によれば、前記インク吸収性が向上し、印
画時の混色滲みが十分に抑制され、解像度の高い画像を
得ることができるとされている。この色材受容層は、一
般に、小粒径の粒子を多量に含有させて形成できるが、
層形成のバインダー量を空隙が形成できるように少なく
する必要があるため、塗布層を急激に乾燥させると、ひ
び割れが発生し、色材受容層の透明性及び外観が損なわ
れるといった欠点があった。
【0009】インク受容層のひび割れを防止する方法と
して、特開平9−109545号公報では、塗布液のバ
インダーの粘度を比較的高くする方法が提案されている
が、この方法では、作業性の低下や塗布ムラが発生する
等のおそれがあり、実用上有効であるレベルには至って
いない。また、特開平7−76161号公報、同10−
119423号公報では、無機粒子、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、硼酸若しくは硼酸塩よりなる塗布液を
用いるひび割れ防止方法が開示されているが、この方法
の場合、塗布液の粘度が上昇し作業性の低下が大きく、
液の経時安定性にも問題があり、実用上有効なレベルに
は至っていない。
【0010】さらに、高い空隙率を持つ三次元構造を有
する色材受容層が設けられたインクジェット記録用シー
トとして、特開平10−203006号、同10−21
7601号、同11−20306号等の各公報に開示さ
れている。しかし、これらの記録用シートでは、その構
成によりインク吸収性に優れ、高解像度の画像を形成し
うる高いインク受容性能を有しかつ高光沢を示すもの
の、印画後、高温高湿環境下に長時間保存されると、色
材受容層中で該溶媒が染料と共に拡散して、経時による
画像の滲み(いわゆる「経時滲み」)を生ずるといった
問題があった。
【0011】他方、形成画像の褪色(画像保存性)につ
いては、既述のように耐光性、耐水性、耐熱性等の観点
から画像の安定化が図られてきているが、これとは別に
近年では、印画後の画像のオゾンに対する安定性が特に
問題となっている。したがって、空気中のオゾンによっ
て画像が褪色することのないオゾン耐性を備え、印画時
の彩色や濃度を損なうことなく、長期間安定に画像を保
存し得る画像保存性能への要求が高い。オゾン耐性を向
上させる技術としては、例えば、特開平7−26689
号公報、特開2000−177235号公報に開示がな
されているが、いずれにおいてもある程度のオゾン耐性
は得られるものの、オゾン耐性の向上と、耐水性やイン
クの滲み等の他のインク受容性能の向上とを同時に満足
することはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、色材受
容層が、ひび割れ等の発生がなく強固である一方、良好
なインク吸収性を有し高解像度な画像が形成できると共
に、その形成画像が耐光性、耐水性、耐経時滲み、光沢
性に優れるといったインク受容性能を備えながら、空気
中のオゾンによって褪色しない耐オゾン性に特に優れ、
彩色が鮮やかで高濃度のインクジェット画像をそのまま
の状態で長期間より安定に保存可能な画像保存性能を備
えるインクジェット記録用シートは、未だ提供されてい
ないのが現状である。
【0013】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、第
一に、本発明は、他のインク受容性能を低下させること
なく、印画後の画像が空気中のオゾンによって褪色しな
い耐オゾン性に優れ、画像品質(彩色、濃度等)を長期
間安定に維持し得る画像保存性を有するインクジェット
記録用シートを提供することを目的とする。第二に、本
発明は、ひび割れ等の発生がなく強固で、良好なインク
吸収性を有し高解像度な画像を形成しうるインクジェッ
ト記録用シートを提供することを目的とする。第三に、
本発明は、印画後の耐経時滲み、耐水性、光沢性に極め
て優れ、かつ太陽光や蛍光灯等の光照射下でも高い耐光
性を示すインクジェット記録用シートを提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に色材受容層を有するインクジェット
記録用シートにおいて、前記色材受容層が、平均一次粒
子径20nm以下の無機顔料微粒子と水溶性樹脂と架橋
剤とを含み、空隙率50〜80%の三次元網目構造を有
してなり、前記無機顔料微粒子(i)と水溶性樹脂
(p)との含有率(i:p/質量比)が1.5:1〜1
0:1であって、かつ下記一般式(I)で表される化合
物、及び繰り返し構成単位を含み下記一般式(II)で表
されるオリゴマー若しくはポリマーの少なくとも一方を
含有することを特徴とするインクジェット記録用シート
である。
【0015】
【化3】
【0016】〔一般式(I)中、Xは、水素原子、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルキルカルバモ
イル基を表し、Dは、3員環以上の含窒素非芳香族環を
形成する原子団を表す。〕
【0017】
【化4】
【0018】〔一般式(II)中、Qは、繰り返し構成単
位からなるオリゴマー若しくはポリマー残基を表し、Y
はQと共有結合を形成しうる基を表す。Dは、3員環以
上の含窒素非芳香族環を形成する原子団を表す。〕
【0019】<2> 含窒素化合物を更に含有する前記
<1>に記載のインクジェット記録用シートである。前
記含窒素化合物としては、複素環含有モノマー、アミド
含有モノマー及びアンモニウム塩含有モノマーより選択
される少なくとも一種が好ましい。
【0020】<3> 水溶性樹脂がポリビニルアルコー
ルであり、架橋剤が硼酸若しくは硼酸塩である前記<1
>又は<2>に記載のインクジェット記録用シートであ
る。 <4> 無機顔料微粒子がシリカ微粒子である前記<1
>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用シ
ートである。
【0021】<5> 色材受容層が、支持体上に無機顔
料微粒子と水溶性樹脂とを含有する色材受容層塗布液を
塗布し、該塗布と同時に、又は形成された塗布層の乾燥
途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示すようになる
前に、該塗布層に水溶性樹脂を架橋させうる架橋剤と媒
染剤とを含有する溶液を付与した後、該溶液を付与した
塗布層を架橋硬化させて得られる前記<1>〜<4>の
いずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートにおいては、色材受容層が、以下に示す一般式
(I)で表される化合物、及び繰り返し構成単位を含
み下記一般式(II)で表されるオリゴマー若しくはポリ
マーの少なくとも一方、好ましくは両方を含有してなる
ことを特徴とする。以下、本発明のインクジェット記録
用シートについて説明する。
【0023】本発明のインクジェット記録用シートは、
支持体上に少なくとも色材受容層を有してなり、該色材
受容層は空隙率50〜80%の三次元網目構造からな
り、少なくとも無機顔料微粒子、水溶性樹脂、架橋剤、
下記一般式(I)で表される化合物と繰り返し構成単位
を含み下記一般式(II)で表されるオリゴマー若しくは
ポリマーとの少なくとも一方、及び必要に応じて耐光性
向上剤等の他の成分を含んで構成される。また、色材受
容層は、後述のように、WOW法により支持体上に形成
される態様が好ましい。
【0024】(一般式(1)で表される化合物)本発
明においては、空気中のオゾンに対する画像の褪色を防
止(耐オゾン性)する目的で、色材受容層に下記一般式
(I)で表される化合物を含有する。一般式(I)で表
される化合物は、分子中にオキシラジカルを含み、オゾ
ンによる褪色作用を効果的に抑制することができる。
【0025】
【化5】
【0026】前記一般式(I)中、Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、
アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルキルカルバモ
イル基を表す。
【0027】前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられ、中でも、塩
素原子が好ましい。
【0028】前記アルキル基としては、例えば、炭素数
1〜22のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘ
キシル基、n−オクチル基、ベンジル基、ヘキサデシル
基等が挙げられ、中でも、炭素数1〜17がより好まし
く、メチル基、n−ブチル基、エチル基、n−プロピル
基等は特に好ましい。
【0029】前記アリール基としては、例えば、炭素数
3〜22のアリール基が好ましく、具体的には、フェニ
ル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−クロロフェニル
基、ナフチル基等が挙げられ、中でも、炭素数4〜10
がより好ましく、フェニル基、ナフチル基等は特に好ま
しい。
【0030】前記アルケニル基としては、例えば、炭素
数3〜22のアルケニル基が好ましく、具体的には、ビ
ニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、i−プ
ロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブ
テニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ヘキセニル
基、1−オクテニル基等が挙げられ、中でも、炭素数3
〜10がより好ましく、ビニル基、i−プロペニル基は
特に好ましい。
【0031】前記アラルキル基としては、例えば、炭素
数7〜30のアラルキル基が好ましく、具体的には、ベ
ンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−クロロベン
ジル基、p−メトキシベンジル基、o−ヒドロキシベン
ジル基、o−メトキシベンジル基、フェニルエチル基、
フェニルプロピル基、フェニルブチル基、1−ナフチル
メチル基、2−ナフチルメチル基等が挙げられ、中で
も、炭素数7〜16がより好ましく、ベンジル基、p−
ヒドロキシベンジル基は特に好ましい。
【0032】前記アルコキシ基としては、例えば、炭素
数1〜22のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プ
ロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−ブチルオキ
シ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2
−エチルヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n
−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、2−ヒドロ
キシエトキシ基、3−ヒドロキシエトキシ基、グリシジ
ル基等が挙げられ、中でも、炭素数1〜10がより好ま
しく、メトキシ基、グリシジル基は特に好ましい。
【0033】前記アリールオキシ基としては、例えば、
炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、具体的
には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−
ヒドロキシフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o
−ヒドロキシフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ
基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1
−メチル−3−イミダゾリウムアセチルアミノ基、トリ
エチルアンモニウムアミノ基等が挙げられ、中でも、炭
素数6〜12がより好ましく、フェノキシ基、p−メト
キシフェノキシ基は特に好ましい。
【0034】前記アシルアミノ基としては、例えば、炭
素数2〜22のアシルアミノ基が好ましく、具体的に
は、アセチルアミノ基、エタノイルアミノ基、n−プロ
パノイルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、アクリロ
イルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ベンゾイルア
ミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基等が挙げら
れ、中でも、炭素数2〜12がより好ましく、アセチル
アミノ基、クロロアセチルアミノ基は特に好ましい。
【0035】前記スルホンアミド基としては、例えば、
メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、
p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド基、p−メトキ
シベンゼンスルホンアミド基、ベンジルスルホンアミド
基、2−ナフチルスルホンアミド基等が挙げられ、中で
も、炭素数1〜12がより好ましく、メタンスルホンア
ミド基、ベンゼンスルホンアミド基は特に好ましい。
【0036】前記アシル基としては、例えば、炭素数2
〜22のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル
基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、n−ヘキサノ
イル基、n−オクタノイル基、2−エチル−ヘキサノイ
ル基、ベンゾイル基、p−ヒドロキシベンゾイル基、p
−メトキシベンゾイル基等が挙げられ、中でも、炭素数
2〜12がより好ましく、アセチル基、ベンゾイル基は
特に好ましい。
【0037】前記アルコキシカルボニル基としては、例
えば、炭素数2〜22のアルコキシカルボニル基が好ま
しく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、2−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニ
ル基、2−プロペニルオキシカルボニル基、アセチルカ
ルボニル基、フェノキシカルボニル基等が挙げられ、中
でも、炭素数2〜12がより好ましく、メトキシカルボ
ニル基、ビニルオキシカルボニル基は特に好ましい。
【0038】前記アシルオキシ基としては、例えば、炭
素数2〜22のアシルオキシ基が好ましく、具体的に
は、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブ
タノイルオキシ基、2−エチルヘキサノイルオキシ基、
アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、p−メトキシベンゾイルオキシ基、ク
ロロアセチルオキシ基等が挙げられ、中でも、炭素数2
〜12がより好ましく、アセチルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基は特に好ましい。
【0039】前記カルバモイル基及びアルキルカルバモ
イル基としては、例えば、カルバモイル基、メチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバ
モイル基、ジ−n−プロピルカルバモイル基、ジ−n−
ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ジフ
ェニルカルバモイル基等が挙げられ、中でも、カルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基が好ましい。
【0040】前記一般式(I)中のDは、窒素原子と共
に3員環以上の含窒素非芳香族環を形成する原子団を表
し、該含窒素非芳香族環としては、例えば、アジリジン
環、ピロリジン環、ピペリジン環等が挙げられる。この
含窒素非芳香族環は、置換基を有してもよく、芳香族π
電子系を形成しない範囲で不飽和結合を有していてもよ
い。中でも、ピロリジン環、ピペリジン環が好ましく、
ピペリジン環がより好ましく、窒素原子に隣接する炭素
原子にメチル基が置換された、テトラメチルピロリジ
ン、テトラメチルピペリジン誘導体が特に好ましい。
【0041】以下、前記一般式(I)で表される化合物
の具体例を示すが、本発明においては、これらに制限さ
れるものではない。
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】(一般式(II)で表されるオリゴマー若
しくはポリマー)続いて、一般式(II)で表されるオリ
ゴマー若しくはポリマーについて説明する。本発明にお
いては、前記一般式(I)で表される化合物と同様、空
気中のオゾンに対する画像の褪色を防止する目的で、色
材受容層に下記一般式(II)で表されるオリゴマー若し
くはポリマーを含有する。
【0046】下記一般式(II)で表されるオリゴマー若
しくはポリマーは、分子中にオキシラジカルを含むと共
に、繰り返し構成単位からなるオリゴマー又はポリマー
残基を有してなり、オゾンによる褪色作用をより効果的
に抑制することができる。
【0047】
【化9】
【0048】前記一般式(II)中、Qは、繰り返し構成
単位からなるオリゴマー若しくはポリマー残基を表し、
結合前の一価のYとの間で反応して共有結合を形成し得
る反応性基を有するオリゴマー若しくはポリマーの該反
応性基を、結合手とする基である。そのオリゴマー若し
くはポリマーとしては、反応性基を持つポリマーであれ
ば、特に制限はないが、例えば、アルキレンオキサイド
ポリマー、ポリビニルポリマー、拡散性色素をイオン相
互作用によって媒染可能なポリマー媒染剤等が挙げら
れ、ポリマー媒染剤が好ましい。
【0049】中でも、2級及び/又は3級アミノ基を含
むポリマー、含窒素複素環部分を持つポリマー、これら
の4級カチオン基を含むポリマー等であって、分子量が
500〜200000(より好ましくは、3000〜5
0000)のものが好ましく、2級又は3級アミノ基を
含むポリマーがより好ましく、非イオン性の含窒素複素
環部分を持つポリマー、特にイミダゾール含有ポリマー
が特に好ましい。
【0050】以下に、Qで表されるオリゴマー若しくは
ポリマー残基を構成する繰り返し構成単位の具体例を示
す。但し、本発明においては、これらに制限されるもの
ではない。
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】前記Qの中でも、イミダゾリル基、ピロリ
ジル基、スルホン酸塩等を有するオリゴマー若しくはポ
リマー残基が好ましい。また、一般式(II)で表される
オリゴマー若しくはポリマーを構成する構成単位のう
ち、「Dを含む含窒素非芳香族環及びオキシラジカルを
有してなる繰り返し構成単位」の構成割合としては、1
〜100%の範囲で適宜選択することができ、中でも2
〜50%が好ましい。
【0056】前記一般式(II)中のYは、Qと共有結合
を形成しうる基を表し、例えば、以下に示す2価の連結
基が挙げられる。但し、本発明においては、これらに限
定されるものではない。
【0057】
【化14】
【0058】尚、上記に例示する基中のZ+は、四級ア
ンモニウム塩基−+N(R1)(R2)−〔R1及びR2は、そ
れぞれ独立にアルキル基、アリール基、アラルキル基を
表す。〕を表し、R1及びR2は互いに結合して環状構造
を形成していてもよい。前記Z +としては、例えば下記
基が挙げられる。但し、本発明においては、これらに限
定されるものではない。
【0059】
【化15】
【0060】前記一般式(II)中のDは、3員環以上の
含窒素非芳香族環を形成する原子団を表し、既述の一般
式(I)で表される化合物におけるDと同義である。
【0061】また、前記一般式(II)で表されるオリゴ
マー若しくはポリマーは、本発明の効果(特に褪色防止
効果)を損なわない範囲で他のモノマーを共重合成分と
して含む共重合体であってもよい。前記他のモノマーと
しては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル(炭素
数1〜18)エステルなど)、
【0062】(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステ
ル(例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルな
ど)、(メタ)アクリル酸アリールエステル(例えば、
(メタ)アクリル酸フェニルなど)、アラルキルエステ
ル(例えば、(メタ)アクリル酸ベンジルなど)、置換
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)、(メタ)
アクリアミド類(例えば、(メタ)アクリルアミド、ジ
メチ(メタ)アクリルアミドなど)、芳香族ビニル類
(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レンなど)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど)、ア
リルエステル類(例えば、酢酸アリルなど)、ハロゲン
含有単量体(例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニルな
ど)、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニト
リルなど)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピ
レンなど)等が挙げられる。これらのモノマーも、一種
単独で又は二種以上を組合わせて使用できる。
【0063】前記一般式(II)で表されるオリゴマー若
しくはポリマーの分子量としては、1000〜1000
00が好ましく、3000〜50000がより好まし
い。
【0064】前記一般式(I)で表される化合物は一種
単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、ま
た、前記一般式(II)で表されるオリゴマー若しくはポ
リマーは一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用し
てもよい。また、本発明においては、前記一般式
(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される
オリゴマー若しくはポリマーとのいずれか少なくとも一
方を含有していればよく、これらの両方(及び)を
共に含有していてもよい。中でも特に、オゾン耐性の向
上による画像の褪色防止効果の観点からは、一般式(I
I)で表されるオリゴマー若しくはポリマーの方が好ま
しく、両方(及び)を共に含有することがより好ま
しい。
【0065】前記一般式(I)で表される化合物、及
び繰り返し構成単位を含み下記一般式(II)で表され
るオリゴマー若しくはポリマーは、いずれの段階で添加
してもよく、例えば、色材受容層形成用の塗布液に添加
してもよいし、塗布後の色材受容層に付与する架橋剤溶
液中に添加してもよい。オゾン耐性の向上による画像の
褪色防止効果の観点からは、架橋剤溶液中に添加してお
き、これを塗布後の色材受容層に付与するのが好まし
い。
【0066】色材受容層において、一般式(I)で表
される化合物、及び一般式(II)で表されるオリゴマ
ー若しくはポリマーの総塗布量(固形分)としては、
0.1〜3g/m2が好ましく、0.3〜2g/m2がよ
り好ましい。前記塗布量が、0.1g/m2未満である
と、形成された画像の褪色を十分に防止できないことが
あり、3g/m2を超えると、インクの吸収が遅く、吸
収ムラとなることがある。
【0067】以上のように、色材受容層に一般式
(I)で表される化合物、及び/又は、一般式(II)
で表されるオリゴマー若しくはポリマーを含有すること
により、染料がオキシラジカル近傍に定着し易く、形成
画像のオゾンによる褪色を効果的に防止し、オゾン耐性
を向上させることができる。
【0068】(無機顔料微粒子)前記色材受容層は、平
均一次粒子径が20nm以下の無機顔料微粒子を含有し
てなる。前記無機顔料微粒子としては、例えば、シリカ
微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロ
イサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等
を挙げることができる。中でも、シリカ微粒子が特に好
ましい。
【0069】前記シリカ微粒子は、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈
折率が低いので、適切な粒子径まで分散を行えば受容層
に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得ら
れるという特徴がある。受容層が透明であることは、O
HP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光
沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度
と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0070】前記無機顔料微粒子の平均一次粒子径とし
ては20nm以下とし、中でも、10nm以下が好まし
く、3〜10nmがより好ましい。
【0071】前記シリカ微粒子は、その表面にシノラー
ル基を有し、該シラノール基による水素結合により粒子
同士が付着しやすいため、上記のように平均一次粒子径
が10nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成する
ことができ、インク吸収特性を効果的に向上させること
ができる。
【0072】また、シリカ微粒子は、その製造法により
湿式法粒子と乾式法粒子とに大別される。前記湿式法で
は、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これ
を適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法
が主流である。一方、乾式法は、ハロゲン化珪素の高温
気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂と
コークスとを電気炉中でアークにより加熱還元気化し、
これを空気で酸化する方法(アーク法)により無水シリ
カを得る方法が主流である。
【0073】これらの方法で得られる含水シリカ及び無
水シリカは、表面のシラノール基の密度、空孔の有無等
に相違があり、それぞれ異なった性質を示すが、無水シ
リカ(無水珪酸)の場合には、特に空隙率が高い三次元
構造を形成しやすく特に好ましい。この理由は明らかで
はないが、含水シリカの場合には、微粒子表面における
シラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ
微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、無水
シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の
密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝
集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い
構造になるものと推定される。従って、本発明において
は、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個
/nm2であるシリカ(シリカ微粒子)を用いることが
好ましい。
【0074】透明性の観点から、シリカ微粒子に組合わ
せる樹脂の種類が重要となり、無水シリカを用いる場合
には、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール
(PVA)が好ましく、中でも、鹸化度70〜99%の
PVAがより好ましく、鹸化度70〜90%のPVAが
最も好ましい。
【0075】前記PVAは、その構造単位に水酸基を有
するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基
が水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単
位とする三次元網目構造を形成しやすくする。該三次元
網目構造の形成により、空隙率の高い多孔質構造の色材
受容層を形成しうると考えられる。このようにして得た
多孔質の色材受容層は、インクジェット記録において、
毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲み
のない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0076】無機顔料微粒子(好ましくはシリカ微粒
子;i)と水溶性樹脂(p)との含有比〔PB比(i:
p)、水溶性樹脂1質量部に対する無機顔料微粒子の質
量〕は、色材受容層の膜構造にも大きな影響を与える。
即ち、PB比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面
積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、前記P
B比(i:p)としては、1.5:1〜10:1が好ま
しい。前記PB比が10:1を超える、即ち、PB比が
大きくなりすぎると、膜強度が低下し、乾燥時にひび割
れを生じやすくなることがあり、1.5:1未満、即ち
PB比が小さすぎると、空隙が樹脂により塞がれ易くな
る結果、空隙率が減少してインク吸収性が低下すること
がある。
【0077】インクジェットプリンタの搬送系を通過す
る場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、
色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要で
ある。更にシート状に裁断加工する場合、色材受容層の
割れ、剥がれ等を防止する上でも色材受容層には十分な
膜強度を有していることが必要である。この場合、前記
PB比としては5:1以下が好ましく、インクジェット
プリンターで高速インク吸収性をも確保する観点から
は、2:1以上であることが好ましい。
【0078】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比2:1〜5:
1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布
し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子
を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径
が30nm以下、空隙率が50%以上、細孔比容積0.
5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透
光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0079】(水溶性樹脂)前記水溶性樹脂としては、
例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する
樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロ
ース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシ
エチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプ
ン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキ
サイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PP
O)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニル
エーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する
樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性
基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、
マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類を挙げるこ
とができる。上記の中でも、特にポリビニルアルコール
類が好ましい。
【0080】前記水溶性樹脂の含有量としては、色材受
容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好まし
く、16〜33質量%がより好ましい。前記含有量が、
9質量%未満であると、膜強度が低下し、乾燥時にひび
割れを生じやすくなることがあり、40質量%を超える
と、空隙が樹脂により塞がれ易くなる結果、空隙率が減
少してインク吸収性が低下することがある。
【0081】色材受容層を主として構成する、前記無機
顔料微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材でもよ
いし、複数の素材の混合系であってもよい。
【0082】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートの色材受容層は、無機顔料微粒子及び水溶性樹脂
を含む塗布層(多孔質層)に、更に架橋剤、及び必要に
応じて媒染剤を含む溶液(架橋剤溶液)が付与され、該
架橋剤により前記水溶性樹脂が架橋反応により硬化され
た層である。
【0083】前記架橋剤溶液の付与は、上記多孔質性の
色材受容層を形成する塗布液(色材受容層塗布液)が塗
布されるのと同時に、あるいは色材受容層塗布液を塗布
して形成された塗布層が減率乾燥速度を示すようになる
前に、行われることが好ましい。この操作により、塗布
層が乾燥する間に発生するひび割れの発生を効果的に防
止することができる。即ち、上記塗布液が塗布されたと
同時に、あるいは塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に架橋剤溶液が塗布層内に浸透し、塗布層内の水溶
性樹脂と速やかに反応し、水溶性樹脂をゲル化(硬化)
させることにより、塗布層の膜強度を即時に大幅に向上
させる。
【0084】前記水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤として
は、色材受容層に用いられる水溶性樹脂との関係で好適
な物を適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速
である点から、硼素化合物が好ましく、例えば、硼砂、
硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、S
cBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2 、Co
3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co22
5)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(B
2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、N
247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58
・4H2 O、Ca2611・7H2O、CsB55)、
グリオキザール、メラミン・ホルムアルデヒド(例え
ば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミ
ン)、メチロール尿素、レゾール樹脂、ポリイソシアネ
ート、エポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、
速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が
好ましく、硼酸塩がより好ましく、水溶性樹脂としてポ
リビニルアルコールと組合わせて使用することが特に好
ましい。
【0085】前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場
合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている、下記化
合物を架橋剤として用いることができる。例えば、ホル
ムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド
等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタン
ジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿
素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン
・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスル
ホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタ
ミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル
尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロ
ール化合物;
【0086】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
である。尚、前記架橋剤は、一種単独でも、2種以上を
組合わせてもよい。
【0087】前記架橋剤溶液は、架橋剤を水及び/又は
有機溶剤に溶解して調製される。架橋剤溶液中の架橋剤
の濃度としては、架橋剤溶液の質量に対して、0.05
〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に好ま
しい。架橋剤溶液を構成する溶媒としては、一般に水が
使用され、該水と混和性の有機溶媒を含む水系混合溶媒
であってもよい。前記有機溶剤としては、架橋剤が溶解
するものであれば任意に使用することができ、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グ
リセリン等のアルコール;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;
トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフラン等のエー
テル、及びジクロロメタン等のハロゲン化炭素系溶剤等
を挙げることができる。
【0088】(含窒素化合物)本発明においては、色材
受容層が、既述の一般式(I)及び(II)で表される化
合物のほか、他の含窒素化合物を含有することが好まし
い。該他の含窒素化合物を併用することにより、耐水性
を更に向上させることができる。例えば、該含窒素化合
物を、前記一般式(II)で表されるオリゴマー若しくは
ポリマーを構成する繰り返し構成単位として共重合させ
て、オリゴマー若しくはポリマーの単位で用いてもよ
い。
【0089】前記他の含窒素化合物としては、例えば、
ジアリルアミン、アリルアミン、ジアルキルアリルアミ
ン、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
アルキルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアルキル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミン含有
モノマー;ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビ
ニルトリアゾール、ビニルピリジン等の複素環含有モノ
マー;アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−
i−プロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリル
アミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルアセトアミド等のアミド含有モノマ
ー;
【0090】ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、メタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチ
ルジメチルアンモニウムクロライド、アリルアミン塩酸
塩、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩、(メ
タ)アクリロイルエチルトリアルキルアンモニウム塩、
(メタ)アクリロイルプロピルトリアルキルアンモニウ
ム塩、(メタ)アクリルアミドエチルトリアルキルアン
モニウム塩、(メタ)アクリルアミドプロピルトリアル
キルアンモニウム塩等のアンモニウム塩含有モノマー;
等が挙げられる。尚、上記例示中のアルキルは、メチ
ル、エチル、プロピル、ヘキシル、ベンジル等、又はこ
れらの組合せ等を表す。
【0091】前記含窒素化合物は、一種単独で用いても
よいし、二種以上を混合して併用してもよい。前記含窒
素化合物の塗布量(固形分)としては、0.1〜3g/
2が好ましく、0.2〜1.5g/m2がより好まし
い。前記塗布量が、0.1g/m2未満であると、形成
された画像の褪色を十分に防止できないことがあり、3
g/m2を超えると、インクの吸収が遅く、吸収ムラと
なることがある。
【0092】前記含窒素化合物は、公知の方法で重合さ
せることでオリゴマー若しくはポリマーとすることがで
き、また、必要に応じて、一般式(II)で表されるオリ
ゴマー若しくはポリマーの共重合成分として使用可能
な、既述の他のモノマー(窒素を含まないモノマー)と
の共重合体として用いてもよい。また、ポリエチレンイ
ミン、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷ
ん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2
−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルアミン塩酸塩、ポリアミジンなどの含窒
素ポリマーを用いることもできる。
【0093】(媒染剤)本発明においては、形成画像の
耐水性、耐経時滲みの更なる向上を図る観点で、色材受
容層に媒染剤が含有されることが好ましい。前記媒染剤
はカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)であり、
色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料
を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材
を安定化し、耐水性や経時滲みを向上させることができ
る。
【0094】しかし、これを直接色材受容層を形成する
ための塗布液に添加すると、シリカ等の、アニオン電荷
を有する無機顔料微粒子との間で凝集を生ずる懸念を生
ずる場合があるが、独立の別の溶液として調製し塗布す
る方法を利用すれば、無機顔料微粒子の凝集を懸念する
必要はない。よって、本発明においては、後述の架橋剤
溶液に含有して用いることが好ましい。
【0095】前記カチオン性媒染剤としては、カチオン
性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アン
モニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられ
るが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することが
できる。前記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級
アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有
する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モ
ノマーと他のモノマー(以下、「非媒染ポリマー」とい
う。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが
好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポ
リマー、又は水分散性のラテックス粒子のいずれの形態
でも使用できる。
【0096】前記単量体(媒染モノマー)としては、例
えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル
−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n
−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p
−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジ
メチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,
N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−
ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライド、
【0097】トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアン
モニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジル
アンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m
−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N
−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチル
アンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N
−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4
−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニル
フェニル)エチルアンモニウムアセテート、
【0098】N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、
エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイ
ド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドに
よる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホ
ン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキ
ルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0099】具体的には、例えば、トリメチル−2−
(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチル
アンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロ
イルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチ
ル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)
プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−
(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチ
ルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタク
リロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリ
メチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミ
ノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−
(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロ
ピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アク
リロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、ト
リエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウムクロライド、
【0100】N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリ
メチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオ
キシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセ
テート等を挙げることができる。その他、共重合可能な
モノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル
−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0101】前記非媒染ポリマーとは、第1級〜第3級
アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の
塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェッ
トインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互
作用が実質的に小さいモノマーをいう。前記非媒染モノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アク
リル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステ
ル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステ
ル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリ
ル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル
等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等
のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、等が挙げられる。
【0102】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好
ましい。前記非媒染モノマーも、一種単独で、又は二種
以上組合せて使用できる。
【0103】更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイ
ルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミ
ン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン
樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリ
ン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニ
ウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等も好
ましいものとして挙げることができる。
【0104】前記ポリマー媒染剤の分子量としては、1
000〜200000が好ましい。前記分子量が100
0未満であると、耐水性が不十分となる傾向にあり、2
00000を超えると、粘度が高くなりすぎてハンドリ
ング適正が低下することがある。
【0105】前記カチオン性の非ポリマー媒染剤として
は、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポ
リ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の水溶性金属
塩が好ましい。
【0106】(他の成分)色材受容層は、必要に応じて
下記成分を含んでいてもよい。色材の劣化を抑制する目
的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素ク
エンチャー等を含んでいてもよい。前記紫外線吸収剤と
しては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾ
トリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例え
ば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾト
リアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−
クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−
ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−
2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。
ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用
でき、具体的には少なくとも2位又は6位のうち1ヵ所
以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が
好ましい。
【0107】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−1053
7号、同58−111942号、同58−212844
号、同59−19945号、同59−46646号、同
59−109055号、同63−53544号、特公昭
36−10466号、同42−26187号、同48−
30492号、同48−31255号、同48−415
72号、同48−54965号、同50−10726
号、米国特許第2,719,086号、同3,707,
375号、同3,754,919号、同4,220,7
11号等に記載されている。
【0108】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号、同54−5324
号等に記載されている。
【0109】前記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0110】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号、同第4980275号公報等に記載のものが
挙げられる。
【0111】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0112】前記耐光性向上剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この耐光性向上剤は、水溶性化、分
散、エマルジョン化してもよく、マイクロカプセル中に
含ませることもできる。前記耐光性向上剤の添加量とし
ては、色材受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ま
しい。
【0113】また、無機顔料微粒子の分散性を高める目
的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等
を含んでいてもよい。更に、塗布適性や表面品質を高め
る目的で各種の界面活性剤を、表面の摩擦帯電や剥離帯
電を抑制する目的で、イオン導電性を持つ界面活性剤や
電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性
を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
【0114】−インクジェット記録用シートの作製:W
OW法− 既述のように、色材受容層には、前記架橋剤溶液を付与
する過程で媒染剤と架橋剤が導入されることが好適であ
る。即ち、色材受容層は、平均一次粒子径20nm以下
の無機顔料微粒子と水溶性樹脂とを含有する色材受容層
塗布液を塗布し、該塗布と同時に、又は形成された塗布
層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示すよ
うになる前に、該塗布層に水溶性樹脂を架橋させうる架
橋剤と媒染剤とを含有する溶液を付与した後、該溶液を
付与した塗布層を架橋硬化させる方法(WOW法;We
t On Wet法)により形成されることが好ましい。
【0115】ここで、前記一般式(I)で表される化
合物、及び/又は、一般式(II)で表されるオリゴマ
ー若しくはポリマーは、色材受容層塗布液及び架橋剤と
媒染剤とを含有する溶液(架橋剤溶液)のいずれに含有
してもよい。耐オゾン性向上の点では、架橋剤溶液に含
有して、色材受容層塗布液の塗布と同時に又は塗布後に
色材受容層に導入する方が好ましい。
【0116】また、本発明のインクジェット記録用シー
トの色材受容層は、無機顔料微粒子及び水溶性樹脂を含
む塗布液と、架橋剤を含む溶液とを、架橋剤と反応しな
い材料からなるバリアー液(但し、架橋剤を含む溶液若
しくはバリアー液の少なくとも一方に媒染剤を含有させ
る。)を挟んだ状態で支持体上に同時塗布し、硬化させ
ることにより得ることもできる。
【0117】上記のように、本発明においては、架橋剤
と共に媒染剤を同時塗布することにより、色材受容層の
耐水性を向上させている。即ち、前記媒染剤を色材受容
層用の塗布液に添加すると、該媒染剤はカチオン性であ
るので、シリカ等の、表面にアニオン電荷を持つ無機顔
料微粒子との共存下では凝集を生ずる場合があるが、媒
染剤を含む溶液と色材受容層用の塗布液とをそれぞれを
独立に調製し、個々に塗布する方法を採用すれば、無機
顔料微粒子の凝集を考慮する必要がなく、媒染剤の選択
範囲が広がる。
【0118】本発明において、無機顔料微粒子と水溶性
樹脂とを少なくとも含んでなる色材受容層用の塗布液
(以下、「色材受容層塗布液」ということがある。)
は、例えば、以下のようにして調製できる。即ち、平均
一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加し
て(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コロイ
ドミル(例えば、クレアミックス(エム・テクニック
(株)製))を用いて、例えば10000rpm(好ま
しくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件
で20分間(好ましくは10〜30分間)分散させた
後、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1
/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、更に上
記と同じ回転条件で分散を行うことにより調製すること
ができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下
記塗布方法で支持体上に塗布形成することにより、三次
元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成するこ
とができる。前記色材受容層塗布液には、必要に応じ
て、更に界面活性剤、pH調整剤、帯電防止剤等を添加
することもできる。
【0119】色材受容層塗布液の塗布は、例えば、エク
ストルージョンダイコータ、エアードクターコータ、ブ
レッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズ
コータ、リバースロールコータ、バーコータ等の公知の
塗布方法により行うことができる。
【0120】色材受容層用塗布液を塗布した後、該塗布
層に架橋剤溶液が付与されるが、該架橋剤溶液は、塗布
後の塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与し
てもよい。即ち、色材受容層用塗布液の塗布後、この塗
布層が恒率乾燥速度を示す間に架橋剤及び媒染剤と、一
般式(I)で表される化合物及び/又は一般式(II)で
表されるオリゴマー若しくはポリマーとを導入すること
で好適に製造される。ここで、「塗布層が減率乾燥速度
を示すようになる前」とは、通常、色材受容層塗布液の
塗布直後から数分間を指し、この間においては、塗布さ
れた塗布層中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する
現象である恒率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す
時間については、化学工学便覧(p.707〜712、
丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載され
ている。
【0121】上記の通り、色材受容層塗布液の塗布後、
その塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥さ
れるが、該乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10
分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾
燥時間としては、当然塗布量により異なるが上記範囲が
適当である。
【0122】前記塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に付与する方法としては、架橋剤溶液を塗布層上
に更に塗布する方法、スプレー等の方法により噴霧す
る方法、架橋剤溶液中に、該塗布層が形成された支持
体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0123】上記方法において、架橋剤溶液を塗布す
る塗布方法としては、例えば、カーテンフローコータ、
エクストルージョンダイコータ、エアードクターコータ
ー、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、ス
クイズコータ、リバースロールコータ、バーコータ等の
公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エク
ストリュージョンダイコータ、カーテンフローコータ、
バーコータ等のように、既に形成されている塗布層にコ
ータが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
【0124】色材受容層上に付与する、架橋剤と媒染剤
とを少なくとも含有する塗布液(架橋剤溶液)の塗布量
としては、架橋剤換算で0.01〜10g/m2が一般
的であり、0.05〜5g/m2が好ましい。
【0125】該架橋剤溶液の付与後は、一般に40〜1
80℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行
われる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱す
ることが好ましい。例えば、前記架橋剤溶液中に含有す
る架橋剤として硼砂や硼酸を使用する場合には、60〜
100℃での加熱を5〜20分間行うことが好ましい。
【0126】また、前記架橋剤塗布液は、色材受容層塗
布液を塗布すると同時に付与してもよい。この場合、色
材受容層塗布液及び架橋剤と媒染剤とを含む架橋剤溶液
を、該色材受容層塗布液が支持体と接触するようにして
支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化さ
せることにより色材受容層を形成することができる。
【0127】上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エ
クストルージョンダイコータ、カーテンフローコータを
用いた塗布方法により行うことができる。同時塗布の
後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥
は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間
加熱することにより行われ、好ましくは、40〜100
℃で0.5〜5分間加熱することにより行われる。例え
ば、架橋剤溶液に含有する架橋剤として硼砂や硼酸を使
用する場合は、60〜100℃で5〜20分間加熱する
ことが好ましい。
【0128】上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エ
クストルージョンダイコータにより行った場合、同時に
吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコ
ータの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形
成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前
に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二
液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルー
ジョンダイコータの吐出口付近では、吐出される二液が
混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合が
ある。従って、上記のように同時塗布する際は、色材受
容層塗布液及び架橋剤と媒染剤とを含有する架橋剤溶液
の塗布と共に、更に架橋剤と反応しない材料からなるバ
リアー層液(中間層液)を前記二液間に介在させて同時
三重層塗布することが好ましい。
【0129】前記バリアー層液は、架橋剤と反応せず液
膜を形成できるものであれば、特に制限なく選択でき
る。例えば、架橋剤と反応しない水溶性樹脂を微量含む
水溶液や、水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂
は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるも
ので、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、
メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−
ス、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙
げられる。尚、バリアー層液には、前記媒染剤を含有さ
せることもできる。
【0130】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透
明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しか
しながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要
因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下す
ることがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定
して行う必要がある。
【0131】カレンダー処理を行う場合のロール温度と
しては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃が
より好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線
圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、10
0〜200kg/cmがより好ましい。
【0132】前記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジ
ェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1
0〜50μmが好ましい。
【0133】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがより好ましい。前記空隙率及び細孔メ
ジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザ
ー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測
定することができる。
【0134】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。前記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定すること
ができる。
【0135】(支持体)前記支持体としては、プラスチ
ック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材
料よりなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材
受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢
性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0136】前記透明支持体に使用可能な材料として
は、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使
用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ま
しい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポ
リエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレート
は特に好ましい。前記透明支持体の厚みとしては、特に
制限はないが、取り扱い性の点で、50〜200μmが
好ましい。
【0137】高光沢性の不透明支持体としては、色材受
容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有す
るものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−814
2(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の
方法に従って求められる値である。具体的には、下記支
持体が挙げられる。
【0138】例えば、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等
の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セ
ルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有さ
せて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていて
もよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支
持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高
光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含
有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体が
挙げられる。更に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィ
ルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸
により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げること
ができる。
【0139】前記不透明支持体の厚みについても特に制
限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好
ましい。
【0140】また、前記支持体には、コロナ放電処理、
グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施した
ものを私用してもよい。
【0141】次に、前記紙支持体に用いられる原紙につ
いて詳述する。前記原紙としては、木材パルプを主原料
とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン
などの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルな
どの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとし
ては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LB
SP、NDP、LDPをより多く用いることが好まし
い。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、
10重量%以上、70重量%以下が好ましい。
【0142】前記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、
漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用であ
る。
【0143】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0144】抄紙に使用するパルプの濾水度としては、
CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、
叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される
24メッシュ残分重量%と42メッシュ算分の重量%と
の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分
の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0145】原紙の坪量としては、30〜250gが好
ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さと
しては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段
階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えるこ
ともできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JI
S P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度と
しては、JIS P−8143に規定される条件で20
〜200gが好ましい。
【0146】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイ
ズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JI
S P−8113で規定された熱水抽出法により測定さ
れた場合、5〜9であることが好ましい。
【0147】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレン
は、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/
又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他の
LLDPEやポリプロピレン等も一部使用することがで
きる。
【0148】特に、色材受容層を形成する側のポリエチ
レン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ル
チル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に
添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好まし
い。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレン
に対して、概ね3〜20重量%が好ましく、4〜13重
量%がより好ましい。
【0149】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し
出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行
って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目
面を形成したものも使用できる。
【0150】以上のように、一般式(I)で表される化
合物、及び/又は、繰り返し構成単位を含み下記一般式
(II)で表されるオリゴマー若しくはポリマーを色材受
容層に含有することで、空気中のオゾンによる形成画像
の褪色を効果的に防止して、インクジェット画像の彩色
や画像濃度等を損なうことなく、印画時における、彩色
が鮮やかで高濃度の画像を長期間安定に保存することが
できる。しかも、色材受容層が無機顔料微粒子を含んで
空隙率50〜80%の三次元網目構造からなり、良好な
インク吸収性を示し高解像度で高濃度な画像が形成でき
ると共に、高温高湿環境下での経時滲みも抑制され、形
成された画像も高い耐光性、耐水性を示すといった、優
れたインク受容性能をも同時に確保することができる。
【0151】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」及び「%」は、全て「質量部」及び
「質量%」を表す。
【0152】−支持体Aの作製− LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスク
リファイナーによりカナディアンフリーネス300ml
まで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニ
オンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリル
アミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾重量比
で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原
紙を抄造した。
【0153】前記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whit
ex BB,住友化学工業(株)製)を0.04%添加
し、これを絶乾重量換算で0.5g/m2となるように
前記原紙に含浸させ、乾燥した後、さらにキャレンダー
処理を施して密度1.05に調整された基紙を得た。
【0154】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポ
リエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティング
し、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層
面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさら
にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、
酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業
(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化
学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に分散
した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるように
塗布した。
【0155】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白
剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR
(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを
溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶融押
し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形
成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称す
る。)、支持体Aとした。
【0156】−支持体Bの作製− 秤量186g/m2のOK金藤(アート紙、王子製紙
(株)製)にコロナ放電処理を施した後、溶融押出機を
用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなるように
コーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した
(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側
の樹脂層にさらにコロナ放電処理を施し、その後、帯電
防止剤として、酸化アルミニウム(アルミナゾル10
0、日産化学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテ
ックスO、日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質
量比)で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/
2となるように塗布した。
【0157】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白
剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR
(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを
溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶融押
し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形
成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称す
る。)、支持体Bとした。
【0158】(実施例1) −色材受容層用塗布液(A)の調製− 下記組成中の及びを混合し、高速回転式コロイドミ
ル(クレアミックス、エム・テクニック(株)製)を用
いて、回転数10000rpmで20分間分散させた
後、下記ポリビニルアルコール9%水溶液とを加え、
更に上記と同一条件で分散を行い、色材受容層用塗布液
(A)を調製した。シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量
比(PB比/:)は、3.5:1であった。
【0159】 〔色材受容層塗布液(A)の組成〕 シリカ微粒子 …10部 (平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製) イオン交換水 …60部 ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) …30部 (PVA420、(株)クラレ製、鹸化度81.8%、重合度2000)
【0160】−インクジェット記録用シートの作製− 前記支持体Aのオモテ面にコロナ放電処理を行った後、
上記より得た色材受容層用塗布液(A)を、支持体Aの
オモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて2
00cc/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾
燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固
形分濃度が50%になるまで乾燥させた。塗布層は、こ
の期間恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の架
橋剤溶液(a)に30秒浸漬して該塗布層上にその20
g/m2を付着させ(架橋剤溶液を付与する工程)、更
に80℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これよ
り、支持体の硼砂処理を施した側の表面に、乾燥膜厚3
2μmの色材受容層が設けられた、本発明のインクジェ
ット記録用シート(1)を作製した。
【0161】 〔架橋剤溶液(a)の組成〕 硼酸 … 1.5部 PAA−10Cの10%水溶液 …15部 (カチオン性媒染剤;日東紡(株)製) 下記化合物(1) … 5部 (一般式(1)で表される化合物(既述の例示化合物(2))) 界面活性剤10%水溶液 … 2部 (F−144D、大日本インキ化学工業(株)製) イオン交換水 …76.5部
【0162】(実施例2)実施例1で用いた支持体A及
び架橋剤溶液(a)に代えて、それぞれ支持体B及び下
記架橋剤溶液(b)を用いたこと以外、実施例1と同様
にして、本発明のインクジェット記録用シート(2)を
作製した。
【0163】 〔架橋剤溶液(b)の組成〕 硼酸 … 1.5部 PAA−10Cの10%水溶液 …15部 (カチオン性媒染剤;日東紡(株)製) 下記化合物(2)(前記一般式(1)で表される化合物) … 5部 (一般式(1)で表される化合物(既述の例示化合物(7))) 界面活性剤10%水溶液 … 2部 (F−144D、大日本インキ化学工業(株)製) イオン交換水 …76.5部
【0164】(実施例3)実施例1で用いた支持体A及
び架橋剤溶液(a)に代えて、それぞれ支持体B及び下
記架橋剤溶液(c)を用いたこと以外、実施例1と同様
にして、本発明のインクジェット記録用シート(3)を
作製した。
【0165】 〔架橋剤溶液(c)の組成〕 硼酸 … 1.5部 下記化合物(3) … 5部 (前記一般式(2)で表される化合物、分子量10000) 界面活性剤10%水溶液 … 2部 (F−144D、大日本インキ化学工業(株)製) イオン交換水 …91.5部 尚、25%アンモニア水を用いてpHを9.0に調整し
た。
【0166】(実施例4)実施例1で用いた支持体A及
び架橋剤溶液(a)に代えて、それぞれ支持体B及び下
記架橋剤溶液(d)を用いたこと以外、実施例1と同様
にして、本発明のインクジェット記録用シート(4)を
作製した。
【0167】 〔架橋剤溶液(d)の組成〕 硼酸 … 1.5部 PAA−10Cの10%水溶液 …15部 (カチオン性媒染剤;日東紡(株)製) 下記化合物(3) … 5部 (前記一般式(2)で表される化合物、分子量10000) 界面活性剤10%水溶液 … 2部 (F−144D、大日本インキ化学工業(株)製) イオン交換水 …76.5部
【0168】(実施例5)実施例1で用いた支持体A、
色材受容層用塗布液(A)及び架橋剤溶液(a)に代え
て、それぞれ支持体B、下記色材受容層用塗布液(B)
及び下記架橋剤溶液(e)を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、本発明のインクジェット記録用シート
(5)を作製した。
【0169】 〔色材受容層塗布液(B)の組成〕 シリカ微粒子 …10部 (平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製) イオン交換水 …56.9部 PAS−M−1(媒染剤、日東紡(株)製) … 2部 下記化合物(3) … 1部 (前記一般式(2)で表される化合物、分子量10000) 硼酸 … 0.1部 ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) …30部 (PVA124、(株)クラレ製)
【0170】 〔架橋剤溶液(e)の組成〕 硼酸 … 1.0部 PAA−10Cの10%水溶液 … 5部 (カチオン性媒染剤;日東紡(株)製) 界面活性剤10%水溶液 … 2部 (F−144D、大日本インキ化学工業(株)製) イオン交換水 …92.0部 尚、25%アンモニア水を用いてpHを9.0に調整し
た。
【0171】
【化16】
【0172】(比較例1)実施例1と同様の支持体Aを
準備し、該支持体Aのオモテ面にコロナ放電処理を行っ
た後、下記組成よりなる色材受容層用塗布液(C)を、
支持体Aのオモテ面に乾燥塗布量が9g/m2となるよ
うにバーコーターを用いて塗布、乾燥して、比較例のイ
ンクジェット記録用シート(6)を作製した。
【0173】 〔色材受容層塗布液(C)の組成〕 非晶質シリカ … 6.5部 (平均一次粒子径5.9μm;ファインシールX60、トクヤマ(株)製) 非晶質シリカ … 3.5部 (平均一次粒子径8μm;ミズカシルP78D、水沢化学(株)製) ポリビニルアルコール(水溶性樹脂) … 4.2部 (R2150、(株)クラレ製) 媒染剤(Arafix、荒川化学(株)製) … 3.5部 蛍光増白剤(Whitex BB、住友化学工業(株)製) … 3部 水 …79.5部
【0174】(比較例2)比較例1で用いた支持体Aに
代えて、秤量157g/m2のしらおいコート紙(大昭
和製紙(株)製)を用いたこと以外、比較例1と同様に
して、比較例のインクジェット記録用シート(7)を作
製した。
【0175】<性能評価>上記より得た本発明のインク
ジェット記録用シート(1)〜(5)、及び比較例のイ
ンクジェット記録用シート(7)〜(8)のそれぞれに
ついて、以下の評価を行った。評価結果は、下記表1に
示す。 (光沢度)印画前の記録シートの色材受容層の表面にお
ける60°光沢度を、デジタル変角光沢度計(UGV−
50DP,スガ試験機(株)製)にて測定した。
【0176】(インク吸収速度)インクジェットプリン
タ(PM−770C、セイコーエプソン(株)製)を用
いて、各記録シートの色材受容層上にY(黄)、M(マ
ゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G
(緑)及びR(赤)のベタ画像を印字し、その後(約1
0秒後)、該画像上に紙を接触押圧し、インクの紙への
転写の程度により下記基準に従って評価した。 〔基準〕 AA: 紙上へのインクの転写は認められなかった。 CC: 紙上へのインクの一部転写が認められた。
【0177】(耐水性)前記インク吸収速度の評価と同
様にして、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、
K(黒)、B(青)、G(緑)及びR(赤)のベタ画像
を印字し、3時間放置した後、水中に1分間浸漬し、イ
ンクの水中への流出程度を目視により下記基準に従って
評価した。 〔基準〕 AA: 染料の流出は全く認められなかった。 BB: 全体的に染料の流出が認められ、徐々に画像の
色濃度が低下した。 CC: 水中へ染料がほぼ完全に流れ出てしまった。
【0178】(経時滲み)各インクジェット記録用シー
ト上に、インク吸収速度の測定と同じプリンタを用いて
マゼンタインクとブラックインクとを隣り合わせにした
格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を印画した。
印画後3時間放置した後、40℃・90%RHの恒温恒
湿槽に3日間保管し、ブラック部分の線幅を測定して下
記基準に従い評価した。 〔基準〕 AA: 経時滲みの発生はほとんど認められず、良好で
あった。 (線幅:0.28〜0.30mm) BB: 若干の経時滲みが認められたが、実用上問題な
いレベルであった。 (線幅:0.31〜0.35mm) CC: 経時滲みが顕著に認められ、実用上問題となる
レベルであった。 (線幅:0.35mm以上)
【0179】(耐光性)前記インク吸収性の評価と同様
にして、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K
(黒)、B(青)、G(緑)及びR(赤)のベタ画像を
印字した後、365nm以下の波長領域の紫外線をカッ
トするフィルムを通して、Xenonweather−
ometer Ci65A(ATLAS社製)を用い
て、25℃、32%RHの環境条件下で3.8時間ラン
プを点灯し、その後、ランプを消した状態で、20℃、
91%RHの環境条件下に1時間放置するサイクルを9
6時間行って、画像の各色濃度の褪色の程度を目視によ
り下記基準に従って評価した。 〔基準〕 ◎: ほとんど褪色は認められなかった。 O: 僅かに褪色が認められた。 △: かなりの褪色が認められた。 ×: 褪色の程度が著しかった。
【0180】(オゾン褪色試験)インクジェットプリン
タ(PM−770C、セイコーエプソン(株)製)を用
いて、各記録シートの色材受容層上にY(黄)、M(マ
ゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G
(緑)及びR(赤)のベタ画像、人物画像及び風景画像
を印字(印画)し、3ppmのオゾン雰囲気下で8時間
処理を行った後、各画像の各色の彩色及び濃度の褪色の
程度を目視により下記基準に従って評価した。 〔基準〕 ◎: ほとんど褪色は認められなかった。 O: 僅かに褪色が認められた。 △: かなりの褪色が認められた。 ×: 褪色の程度が著しかった。
【0181】
【表1】
【0182】上記表1の結果から、一般式(I)で表さ
れる化合物、又は繰り返し構成単位を含み一般式(II)
で表されるポリマーを含有するインクジェット記録用シ
ート(1)〜(5)では、良好なインク吸収性を示し高
解像度で高濃度な画像が形成でき、高温高湿環境下での
経時滲みも抑制され、形成された画像も高い耐光性、耐
水性、光沢性を示し、しかも空気中のオゾンによる形成
画像の褪色が抑制され、画像の彩色や画像濃度が損なわ
れることなく長期間安定に維持することができた。ま
た、インクジェット記録用シート(2)及び(3)で
は、一般式(II)で表されるポリマーを含む方がより優
れたオゾン耐性を示した。更に、インクジェット記録用
シート(3)〜(5)では、カチオン性媒染剤を併用す
る方が、また一般式(II)で表されるポリマーを架橋剤
溶液に含有させこれを塗布後の色材受容層に付与する方
が、耐水性及び耐経時滲みの点で有効であった。
【0183】一方、一般式(I)及び一般式(II)のい
ずれで表される化合物をも含有しなかったインクジェッ
ト記録用シート(6)〜(7)では、耐オゾン性に劣
り、著しい褪色が認められた。しかも、樹脂コーティン
グされた支持体上に単に塗布形成したインクジェット記
録用シート(6)では、インク吸収性及び耐経時滲みの
点で劣ると共に、架橋剤を含まないので十分な耐水性を
も得られなかった。
【0184】
【発明の効果】本発明は、他のインク受容性能を低下さ
せることなく、印画後の画像が空気中のオゾンによって
褪色しない耐オゾン性に優れ、画像品質(彩色、濃度
等)を長期間安定に維持し得る画像保存性を有するイン
クジェット記録用シートを提供することができる。第二
に、ひび割れ等の発生がなく強固で、良好なインク吸収
性を有し高解像度な画像を形成しうるインクジェット記
録用シートを提供することができる。第三に、印画後の
耐経時滲み、耐水性、光沢性に極めて優れ、かつ太陽光
や蛍光灯等の光照射下でも高い耐光性を示すインクジェ
ット記録用シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3412 C08K 5/3412 C08L 29/04 C08L 29/04 A 101/02 101/02 101/14 101/14 (72)発明者 山田 尚郎 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 若田 裕一 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA38 BA41 BA45 4J002 BC032 BC102 BE021 BG072 BG102 BG122 BJ002 DJ016 DK007 EU028 EU078 FD096 FD147 GK04 4J031 AA13 AA19 AA20 AA22 AA23 AA25 AF12 AF14 BC17 BC19 BD12 BD14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に色材受容層を有するインクジ
    ェット記録用シートにおいて、 前記色材受容層が、平均一次粒子径20nm以下の無機
    顔料微粒子と水溶性樹脂と架橋剤とを含み、空隙率50
    〜80%の三次元網目構造を有してなり、前記無機顔料
    微粒子(i)と水溶性樹脂(p)との含有率(i:p/
    質量比)が1.5:1〜10:1であって、かつ下記一
    般式(I)で表される化合物、及び繰り返し構成単位を
    含み下記一般式(II)で表されるオリゴマー若しくはポ
    リマーの少なくとも一方を含有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録用シート。 【化1】 〔一般式(I)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒ
    ドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、
    アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミ
    ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アシル基、
    アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシ
    基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基を表し、
    Dは、3員環以上の含窒素非芳香族環を形成する原子団
    を表す。〕 【化2】 〔一般式(II)中、Qは、繰り返し構成単位からなるオ
    リゴマー若しくはポリマー残基を表し、YはQと共有結
    合を形成しうる基を表す。Dは、3員環以上の含窒素非
    芳香族環を形成する原子団を表す。〕
  2. 【請求項2】 含窒素化合物を更に含有する請求項1に
    記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 水溶性樹脂がポリビニルアルコールであ
    り、架橋剤が硼酸若しくは硼酸塩である請求項1又は2
    に記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 無機顔料微粒子がシリカ微粒子である請
    求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用
    シート。
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