JP2002079104A - アンモニア分解触媒およびアンモニア分解方法 - Google Patents

アンモニア分解触媒およびアンモニア分解方法

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JP2002079104A
JP2002079104A JP2000267569A JP2000267569A JP2002079104A JP 2002079104 A JP2002079104 A JP 2002079104A JP 2000267569 A JP2000267569 A JP 2000267569A JP 2000267569 A JP2000267569 A JP 2000267569A JP 2002079104 A JP2002079104 A JP 2002079104A
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ammonia
composite oxide
ammonia decomposition
ruthenium compound
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Yuji Horii
雄二 堀井
Takeshi Yamashita
岳史 山下
Satoshi Teshigahara
聡志 勅使川原
Hidetaka Shibano
秀孝 柴野
Yoshiyuki Tomiyama
好行 冨山
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Kobe Steel Ltd
Sued Chemie Catalysts Japan Inc
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Kobe Steel Ltd
Sued Chemie Catalysts Japan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 250℃以下の低温域でも高活性を示し、且
つ継続使用に耐え得る活性持続性を有すると共に、NO
Xなどの副生量も少なく、低コスト化を達成し得るアン
モニア分解触媒および該触媒を用いたアンモニア分解方
法を提供する。 【解決手段】 Mn−Cu系複合酸化物および/または
Mn−Fe系複合酸化物と、ルテニウム化合物とを含有
することを特徴とするアンモニア分解触媒と、アンモニ
アを含有する気体を該触媒を用いて処理することを特徴
とする気体中のアンモニア分解方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場排ガス中や生
活環境などに存在するアンモニアの分解触媒および分解
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有害・悪臭物質であるアンモニアの分解
については従来から種々検討がなされており、Mn
2,Co34,Cr23,Cu2O,CuO,V25
NiO,Fe23などの多くの遷移金属酸化物やPtの
ような貴金属がアンモニア分解活性を有することから
《日本化学会誌(5)P612(1977)など》、次
に示すようなアンモニア分解触媒や分解方法が提案され
ている。
【0003】例えば、特開昭50−161460号公報
には、Pt,Ru,Pd,Rh,Ir,Osといった白
金族、もしくはCo,Cr,Cu,Fe,Ni,Mnと
いった金属の酸化物の群から選ばれた単独の触媒、また
はこれらの混合触媒を用いたアンモニア分解方法が記載
されている。これらの触媒は、アルミナなどの担体に担
持して使用されるものであり、具体例としてPtを担
持、あるいはPtと酸化クロムを複合担持した触媒が開
示されている。
【0004】また、特開平8−84910号公報には、
アルミナなどの無機質担体にRuを担持させた触媒を用
いて、300〜800℃でアンモニアを窒素と水素に分
解する方法が記載されている。この触媒では、Ruが金
属の状態で担体上に微細に分散している。
【0005】その他、特開平8−141398号公報に
は、TiをA成分とし、W,Mo,V,Siから選ばれ
た少なくとも1種の元素をB成分とし、希土類,Mn,
Re,Fe,Co,Ru,Ir,Cuから選ばれた少な
くとも1種の元素をC成分とするアンモニア分解触媒が
記載されている。この触媒においては、C成分としてR
uが好ましいとされており、該RuはRuO2として存
在している。
【0006】しかし、上記触媒のほとんどは250℃以
下といった低温域での触媒活性が乏しく、高温分解が必
要とされる。しかしながら、アンモニアを高温で分解す
るとNOX(NO,NO2)やN2Oといった副生物を生
成するため、前記したような触媒は環境保全の面から活
性不足と言わざるを得ず、より低温域で高活性を示す触
媒が求められている。また、特開昭50−161460
号公報に開示の触媒は比較的低い温度域でもそれなりの
活性を示すものであるが、該触媒を継続的に使用した場
合の活性劣化が大きくて長期使用に難があり、また、触
媒成分としてPtなどの貴金属を用いるために高コスト
であるといった欠点も抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決すべくなされたものであり、その目的は、250
℃以下の低温域でも高活性を示し、且つ継続使用に耐え
得る活性持続性を有すると共に、NOXなどの副生量も
少なく、低コスト化を達成し得るアンモニア分解触媒お
よび該触媒を用いたアンモニア分解方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明のアンモニア分解触媒とは、Mn−Cu系複合酸化
物および/またはMn−Fe系複合酸化物と、ルテニウ
ム化合物とを含有するものであるところに要旨を有して
いる。
【0009】上記アンモニア分解触媒においては、上記
Mn−Cu系複合酸化物および上記Mn−Fe系複合酸
化物が 0.30≦[Mn]/([Mn]+[Cu])≦0.8
5 0.20≦[Mn]/([Mn]+[Fe])≦0.8
5 《式中、[ ]は前記各複合酸化物中の各元素の含有量
(質量部)を意味する。以下同じ。》を夫々満足するも
のであることが好ましい。
【0010】上記ルテニウム化合物としては、塩化ルテ
ニウム、硝酸ルテニウム、アルカリ金属のルテニウム酸
塩またはアルカリ土類金属のルテニウム酸塩よりなる群
から選択される少なくとも1種が好ましく用いられ、上
記触媒がこれらのルテニウム化合物を金属ルテニウム換
算で少なくとも0.1質量%以上含有することが好まし
い。
【0011】なお、本発明のアンモニア分解触媒では、
上記成分の他に該触媒を成形体とするための形体保持材
料なども、本発明の効果を阻害しない範囲内で含有して
も良い。
【0012】また、本発明に係る気体中のアンモニア分
解方法は、アンモニアを含有する気体を、上記本発明の
アンモニア分解触媒を用いて処理することを特徴とする
ものである。上記分解処理の温度としては、150℃以
上、好ましくは180℃以上であって、250℃以下、
好ましくは200℃以下が推奨される。
【0013】
【発明の実施の形態】MnOXで表される酸化マンガン
は既述の通り、アンモニア分解能を有しており、Ptや
Pdなどの高価な貴金属を使用したアンモニア分解触媒
に比べ、はるかに低コストであるといった利点を有して
いるが、以下のような欠点も指摘される。
【0014】まず、既述の通り、アンモニアは高温で分
解するとNOXやN2Oが多量副生するため、250℃以
下の低温域での分解が望まれるが、上記酸化マンガンは
このような低温域での活性が不十分で実用性に欠ける。
【0015】また、酸化マンガンのアンモニア分解活性
は、継続使用によって徐々に劣化する。酸化マンガンで
は、アンモニアを酸化分解することによって還元された
Mnが、共存する酸素によって直ちに再酸化されること
でその活性を持続するのであるが、該再酸化が完全では
ないため経時的な活性劣化を起こすと考えられている。
【0016】そこで、本発明者らは、Mnを複合酸化物
とすることで、継続使用した際の活性劣化を抑制すると
共に、該複合酸化物をルテニウム化合物と併用すること
で低温域での活性を向上させることとし、上記本発明を
完成するに至ったのである。
【0017】本発明のアンモニア分解触媒においては、
Mnは、Mn−Cu系複合酸化物および/またはMn−
Fe系複合酸化物として用いられる。アンモニア分解自
体には主にMnが寄与するが、これをCuあるいはFe
との複合酸化物とすることで、触媒のアンモニア分解活
性の継続使用による劣化を抑制できる。すなわち、アン
モニアの酸化分解によってMnは還元されるが、Cuや
Feが空気中から酸素を取り込み、この取り込まれた酸
素がMnを再酸化する。これによって、Mnの還元によ
るアンモニア酸化分解能低下を防止できる。さらに、C
uあるいはFeとMnを複合化とすることにより、Mn
のシンタリングおよび表面積低下を防止する作用も発現
する。
【0018】このことは、触媒の使用前後におけるMn
の平均酸化数を計算することによって確認できる。な
お、Mnの平均酸化数は、JIS M8233に規定す
る硫酸鉄(II)分解過マンガン酸カリウム滴定法によ
って求めた活性酸素濃度と、JIS G1213に規定
する過ヨウ素酸ナトリウム酸化吸光光度法によって求め
たMn含有量をもとに、下式(1)〜(3)を用いて計
算できる。
【0019】 Mn平均酸化数 = {(4×a)+(2×b)}/c ・・・ (1) a:触媒中の4価のMn量(質量%),b:触媒中の2
価のMn量(質量%),c:触媒中のMn量(質量%)
である。ここで、 a = (d×54.94)/16.00 ・・・ (2) b = c−a ・・・ (3) d:活性酸素量(質量%),54.94:Mnの原子
量,16.00:酸素の原子量である。
【0020】本発明のアンモニア分解触媒において、M
n−Cu系複合酸化物は、 0.30≦[Mn]/([Mn]+[Cu])≦0.8
5 を満たすことが好ましい。[Mn]/([Mn]+[C
u])の値が上記範囲を下回ると、複合酸化物中のMn
量低下により、触媒活性が低下する。よって、その下限
は0.30、好ましくは0.40以上が推奨される。他
方、[Mn]/([Mn]+[Cu])の値が上記範囲
を超えると、複合酸化物中のCu量低下により、継続使
用による活性劣化の抑制効果が低下する。よって、その
上限は0.85、好ましくは0.80以下が推奨され
る。
【0021】本発明のアンモニア分解触媒において、M
n−Fe系複合酸化物は、 0.20≦[Mn]/([Mn]+[Fe])≦0.8
5 を満たすことが好ましい。[Mn]/([Mn]+[F
e])の値が上記範囲を下回ると、複合酸化物中のMn
量低下により、触媒活性が低下する。よって、その下限
は0.20、好ましくは0.30以上が推奨される。他
方、[Mn]/([Mn]+[Fe])の値が上記範囲
を超えると、複合酸化物中のFe量低下により、継続使
用による活性劣化の抑制効果が低下する。よって、その
上限は0.85、好ましくは0.80以下が推奨され
る。
【0022】本発明のアンモニア分解触媒は、上記の複
合酸化物にルテニウム化合物を含有させたものである。
これらの複合酸化物にルテニウム化合物を組み合わせて
使用することによって活性が向上し、あるいは活性を示
す温度領域を低下させる作用があるので、該複合酸化物
単独では活性を示さない250℃以下のようなより低温
域での実用化が可能となる。
【0023】上記の如きルテニウム化合物の効果は、M
n−Cu系複合酸化物および/またはMn−Fe系複合
酸化物と組み合わせることで発揮されるものであり、例
えばこれらの複合酸化物単独ではアンモニア分解活性を
示さないような低温域において、上記ルテニウム化合物
を含有することによって得られる活性は、Al23やS
iO2のような一般的な触媒担体に上記ルテニウム化合
物を担持したときに得られる活性よりもはるかに高い。
なお、上記ルテニウム化合物単独では、アンモニア分解
活性はほとんど示さない。
【0024】上記のルテニウム化合物としては、塩化ル
テニウム、硝酸ルテニウム、アルカリ金属のルテニウム
酸塩またはアルカリ土類金属のルテニウム酸塩よりなる
群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられ
る。なお、上記ルテニウム酸塩としてはルテニウム酸カ
リウム(K2RuO4)およびルテニウム酸ナトリウム
(Na2RuO4)が特に好ましい。
【0025】また、本発明のアンモニア分解触媒中に占
める上記ルテニウム化合物の量は、金属ルテニウム換算
で少なくとも0.1質量%以上であることが好ましい。
ルテニウム化合物の含有量が上記範囲を下回ると低温域
での十分な触媒活性が期待できない。好ましくは0.3
質量%以上である。一方、ルテニウム化合物の量の上限
は特に制限はないが、多すぎても効果が飽和し、不経済
になるだけであるので、2質量%以下とすることが推奨
される。
【0026】本発明のアンモニア分解触媒には、上記成
分の他に該触媒を成形体とするための形体保持材料、具
体的には、アルミナ,シリカ,チタニアなどの無機バイ
ンダーや、その他ポリビニルアルコール,グリセリン,
セルロースなどの有機バインダーをも本発明の効果を阻
害しない範囲で含有していても良い。
【0027】次に、本発明のアンモニア分解触媒の製造
方法について説明する。
【0028】本発明のアンモニア分解触媒におけるMn
−Cu系複合酸化物や、Mn−Fe系複合酸化物は、例
えばCuSO4あるいはFe(NO33と、MnSO4
を含む水溶液にKOHとKMnO4を滴下して共沈と湿
式酸化を行わせ、これを濾過、水洗、乾燥、粉砕するこ
とにより粉末として得ることができる。この粉末にバイ
ンダーを加えた後、これを押出成形して成形体とし、次
いで該成形体を上記ルテニウム化合物の溶液に浸漬した
り、ルテニウム化合物溶液を該成形体にスプレー付着さ
せてから乾燥させたりすることで、本発明のアンモニア
分解触媒を製造することができる。
【0029】なお、上記成形体の具体例としてはペレッ
ト状、ハニカム状、打錠状などの成形体が挙げられる。
また、前記成形体は破砕品として使用しても良い。
【0030】なお、本発明のアンモニア分解触媒の製造
方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例え
ば、CuSO4あるいはFe(NO33と、MnSO4
の上記沈殿および湿式酸化操作を夫々単独で行い、その
後これらを混合して空気中で酸化焼成して複合酸化物の
粉末を得ることも可能であり、また、押出成形前に上記
ルテニウム化合物を予め分散させておくことも可能であ
る。但し、上記ルテニウム化合物の担持後、あるいは分
散後に300℃以上の高温に曝すとルテニウム化合物の
触媒活性が大幅に低下するので注意すべきである。これ
は、本発明のアンモニア分解触媒におけるルテニウムの
効果は、ルテニウムが酸化物(RuO2)や金属状態で
存在していては発揮されないことから、ルテニウム化合
物がこのような状態となるのを防止する必要があるから
である。かかるルテニウムの存在状態からしても、本発
明のアンモニア分解触媒は、特開平8−84910号公
報や同8−141398号公報に開示の触媒とは異な
る。
【0031】本発明に係る、気体中のアンモニア分解方
法は、アンモニアを含有する気体を本発明のアンモニア
分解触媒を用いて処理するものである。具体的には、ア
ンモニアを含有する気体を、例えば上記触媒を充填した
反応管に通過させることにより行う。
【0032】本発明のアンモニア分解触媒を用いると、
120℃程度でアンモニアの分解が始まる。そして、処
理温度を上げるに従ってアンモニアの分解率が増大する
が、実用的な観点から150℃以上、好ましくは180
℃以上で処理することが推奨される。他方、処理温度が
200℃を超えるあたりからNOXやN2Oの副生が始ま
り、250℃を超えるとその量が一層増大する。よっ
て、上記処理温度は250℃以下が好ましく、上記副生
物の生成をほとんど無視できる点で200℃以下がより
好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べ
る。但し、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、本実
施例において、「%」および「ppm」は、特に断らな
い限り体積基準である。
【0034】実験1 1molのFe(NO33・6H2Oと1.16mol
のMnSO4・H2Oを2リットルの純水に溶解させた水
溶液に、3.78molのKOHと0.77molのK
MnO4を30リットルの純水に溶解させた水溶液を3
時間滴下した。1時間熟成後、生成した沈殿を濾過、洗
浄し、140℃で16時間乾燥することでMn−Fe系
複合酸化物の乾燥ケーキを得た。この乾燥ケーキを粉砕
して得られた粉末1kgに、Al23として50gに相
当するアルミナバインダーを添加し、室温で混練した
後、直径3mmの円柱状に押出成形した。これにRuC
3水溶液をスプレー付着させてから乾燥させることに
よってRuCl3を担持させ、表1のNo.4のアンモ
ニア分解触媒を得た。
【0035】さらに、上記の各水溶液の濃度やルテニウ
ム化合物を変えて、表1に示す組成のアンモニア分解触
媒を得た。なお、No.17の触媒は、ルテニウム化合
物を担持させていない他は、No.6の触媒と同じもの
である。
【0036】表1の各触媒を、下記に示すアンモニア分
解試験およびMn平均酸化数測定に供した。
【0037】[アンモニア分解試験]上記の各触媒を内
径30mmの石英ガラス製の反応管に充填し、管状電気
炉内にセットし、NH3および水分を含有する空気から
なる反応気体と下記条件で接触させ、試験終了直前の安
定した時点での反応管入口のNH3濃度および反応管出
口のNH3,NOX,N2O濃度を測定した。
【0038】 NH3およびNOX(NO,NO2)濃度は化学発光式分
析計(日本サーモエレクトロン製:MODEL 17
C)で、N2O濃度は非分散型赤外線分析計(堀場製作
所製:VIA−510)で測定した。NH3の除去率、
NOXおよびN2Oの生成率は下式により算出した。
【0039】NH3除去率(%)={1−(出口NH3
度/入口NH3濃度)}×100 NOX生成率(%)=(出口NOX濃度/入口NH3
度)×100 N2O生成率(%)={2×(出口N2O濃度)/入口N
3濃度}×100。
【0040】[Mn平均酸化数測定]上記の各触媒を内
径30mmの石英ガラス製の反応管に充填し、管状電気
炉内にセットして、下記に示す気体と下記条件で接触さ
せた。
【0041】 反応前後の各触媒中のMn量をJIS G1213に規
定する過ヨウ素酸ナトリウム酸化吸光光度法によって、
活性酸素濃度をJIS M8233に規定する硫酸鉄
(II)分解過マンガン酸カリウム滴定法によって夫々
求め、これらから上記(1)〜(3)式を用いて触媒中
のMnの平均酸化数を求めた。
【0042】上記アンモニア分解試験結果を表1に、M
n平均酸化数測定結果を表2に夫々示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1のNo.3〜6,11〜16の各触媒
は、本発明の要件を満足する実施例であり、NH3の除
去率が良好であると共に、NOXおよびN2Oの生成率も
低い。また、No.3〜6については、表2にMnの平
均酸化数も記載してあるが、いずれも反応の前後でほと
んど変化しておらず、使用による触媒活性の劣化が見ら
れない。なお、ルテニウム化合物の含有量のみ異なるN
o.13,14の両触媒の結果を比較するとほとんど同
じであり、ルテニウム化合物を金属ルテニウム換算で
2.0質量%より多く含有させても、その効果は飽和し
ていると言える。
【0046】これに対し、表1のNo.1,9,17の
各触媒は、本発明の要件を満足しない比較例であり、下
記の不具合を有している。
【0047】No.1の触媒は、Mn−Fe系複合酸化
物ではなく、Fe酸化物を用いている例であり、NH3
の除去率が低い。
【0048】No.9の触媒は、Mn−Fe系複合酸化
物ではなく、Mn酸化物を用いている例であり、反応後
のMnの平均酸化数が低く、使用による触媒活性の劣化
が見られる。
【0049】No.17の触媒は、ルテニウム化合物を
含有していない例であり、NH3の除去率が極めて低
い。
【0050】また、表1のNo.2,7,8.10の各
触媒は、請求項1の要件は満足するが、他の請求項の要
件を満足しない参考例である。
【0051】No.2の触媒は、[Mn]/([Mn]
+[Fe])の値が請求項2の範囲を下回る例であり、
Mn量が少ないため、NH3の除去率が低い。
【0052】No.7,8の触媒は、[Mn]/([M
n]+[Fe])の値が請求項2の範囲を超える例であ
り、Fe量が少ないため、反応後のMnの平均酸化数が
低下しており、使用によって触媒活性がやや低下してい
る。
【0053】No.10の触媒は、ルテニウム化合物の
量が請求項4の範囲を下回る例であり、NH3の除去率
が低い。
【0054】実験2 FeNO3に代えてCuSO4を用いた以外は実験1と同
様にして、表3に示すMn−Cu系複合酸化物粉末を得
た。これを実験1と同様にして成形後、表3に示すルテ
ニウム化合物を担持させ、表3に示すアンモニア分解触
媒を得た。なお、No.26の触媒は、ルテニウム化合
物を担持していない他は、No.22の触媒と同じもの
である。
【0055】表3の各触媒を、上記のアンモニア分解試
験およびMnおよびMn平均酸化数測定に供した。結果
を表3および表4に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】表3のNo.20〜22,25の各触媒
は、本発明の要件を満足する実施例であり、NH3の除
去率が良好であると共に、NOXおよびN2Oの生成率も
低い。また、Mnの平均酸化数も反応の前後でほとんど
変化しておらず、使用による触媒活性の劣化が見られな
い。
【0059】これに対し、表3のNo.18,26の各
触媒は、本発明の要件を満足しない比較例であり、下記
の不具合を有している。
【0060】No.18の触媒は、Mn−Cu系複合酸
化物ではなく、Cu酸化物を用いている例であり、NH
3の除去率が低い。
【0061】No.26の触媒は、ルテニウム化合物を
含有していない例であり、NH3の除去率が低い。
【0062】また、表2のNo.19,23,24の各
触媒は、請求項1の要件は満足するが、他の請求項の要
件を満足しない参考例である。
【0063】No.19の触媒は、[Mn]/([M
n]+[Cu])の値が請求項2の範囲を下回る例であ
り、Mn量が少ないため、NH3の除去率い。
【0064】No.23,24の触媒は、[Mn]/
([Mn]+[Cu])の値が請求項2の範囲を超える
例であり、Cu量が少ないため、反応後のMnの平均酸
化数が低下しており、使用によって触媒活性がやや低下
している。
【0065】実験3 上記のMn−Fe系複合酸化物およびMn−Cu系複合
酸化物を用いずに、市販の触媒担体用Al23あるいは
SiO2に、表5に示すルテニウム化合物水溶液をスプ
レー付着させてから乾燥させることによって該ルテニウ
ム化合物を担持させ、表5に示す触媒を得た。これを上
記のアンモニア分解試験に供した。結果を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】表5のNo.27,28の各触媒は、本発
明の要件を満足しない比較例であり、NH3除去率が低
い。
【0068】実験4 上記実験1で得た表1のNo.6,17の触媒を用い、
表6に示すように反応温度を変化させて上記のアンモニ
ア分解試験を行った。結果を表6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】No.6の触媒は、上記の通り、本発明の
要件を満足する実施例である。この触媒を用いるとNH
3は125℃で既に分解を始めており、反応温度が高く
なるにつれてNH3の除去率は向上する。一方、NOX
よびN2Oの生成はNH3の除去率が高い200℃でもほ
とんど見られず、その後、生成率は徐々に増大し、25
0℃を超えるあたりから高くなっている。
【0071】これに対し、No.17の触媒は、ルテニ
ウム化合物を含有しておらず、本発明の要件を満足しな
い比較例である。この触媒では、No.6の触媒が既に
活性を示している200℃以下においてはNH3をほと
んど分解できず、除去率が比較的高くなるのが250℃
を超えるあたりであり、その時点で既にN2Oの生成率
が非常に増大している。
【0072】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
Mn−Cu系複合酸化物および/またはMn−Fe系複
合酸化物と、ルテニウム化合物とを組み合わせること
で、低温域での活性が高く、且つ継続使用しても活性劣
化を生じることのないアンモニア分解触媒と、該触媒を
用いたアンモニア分解方法を提供することができた。本
発明のアンモニア分解触媒および分解方法は、250℃
以下の低温域でもアンモニアの分解が可能であるため、
NOXやN2Oの副生が極めて少なく、環境保全の面から
優れている。また、従来の触媒に比べて使用寿命が長
く、また、比較的安価な貴金属を使用することによって
低コスト化を図ることができ、経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 岳史 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 勅使川原 聡志 東京都千代田区九段南3丁目9番14号 日 産ズードヘミー触媒株式会社内 (72)発明者 柴野 秀孝 東京都千代田区九段南3丁目9番14号 日 産ズードヘミー触媒株式会社内 (72)発明者 冨山 好行 東京都千代田区九段南3丁目9番14号 日 産ズードヘミー触媒株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA08 AB03 BA14X BA15Y BA28X BA32X BA35X BA36X BA42X BA43X BA46X BB01 DA03 DA13 4G069 AA03 BB06A BB06B BB08A BB08B BB12A BB12B BC01A BC02A BC03A BC03B BC08A BC31A BC31B BC62A BC62B BC66A BC66B BC70A BC70B BD12A BD12B CA10 CA11 CA17 EA02Y EA18 EB18Y FC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn−Cu系複合酸化物および/または
    Mn−Fe系複合酸化物と、ルテニウム化合物とを含有
    することを特徴とするアンモニア分解触媒。
  2. 【請求項2】 前記Mn−Cu系複合酸化物および前記
    Mn−Fe系複合酸化物が 0.30≦[Mn]/([Mn]+[Cu])≦0.8
    5 0.20≦[Mn]/([Mn]+[Fe])≦0.8
    5 《式中、[ ]は前記各複合酸化物中の各元素の含有量
    (質量部)を意味する。》を夫々満足するものである請
    求項1に記載のアンモニア分解触媒。
  3. 【請求項3】 前記ルテニウム化合物が、塩化ルテニウ
    ム、硝酸ルテニウム、アルカリ金属のルテニウム酸塩ま
    たはアルカリ土類金属のルテニウム酸塩よりなる群から
    選択される少なくとも1種である請求項1または2に記
    載のアンモニア分解触媒。
  4. 【請求項4】 前記ルテニウム化合物を、金属ルテニウ
    ム換算で少なくとも0.1質量%以上含有するものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニア分解触
    媒。
  5. 【請求項5】 アンモニアを含有する気体を、請求項1
    〜4のいずれかに記載のアンモニア分解触媒を用いて処
    理することを特徴とする気体中のアンモニア分解方法。
  6. 【請求項6】 前記処理を150〜250℃の温度で行
    うものである請求項5に記載のアンモニア分解方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104845A (ja) * 2006-09-25 2008-05-08 Kobe Steel Ltd 脱臭材、その製造方法および脱臭フィルタ
JP2012161713A (ja) * 2011-02-03 2012-08-30 Agc Seimi Chemical Co Ltd アンモニア分解触媒およびアンモニアの分解方法
JP2017504471A (ja) * 2013-12-06 2017-02-09 ダンマークス テクニスク ユニバーシテットDanmarks Tekniske Universitet アンモニアの酸化のための触媒

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